JP3520992B1 - 固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置 - Google Patents

固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置

Info

Publication number
JP3520992B1
JP3520992B1 JP2003143710A JP2003143710A JP3520992B1 JP 3520992 B1 JP3520992 B1 JP 3520992B1 JP 2003143710 A JP2003143710 A JP 2003143710A JP 2003143710 A JP2003143710 A JP 2003143710A JP 3520992 B1 JP3520992 B1 JP 3520992B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten metal
solid
billet
sleeve
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003143710A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004322201A (ja
Inventor
俊杓 洪
Original Assignee
俊杓 洪
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 俊杓 洪 filed Critical 俊杓 洪
Application granted granted Critical
Publication of JP3520992B1 publication Critical patent/JP3520992B1/ja
Publication of JP2004322201A publication Critical patent/JP2004322201A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D17/00Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
    • B22D17/007Semi-solid pressure die casting
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D27/00Treating the metal in the mould while it is molten or ductile ; Pressure or vacuum casting
    • B22D27/02Use of electric or magnetic effects
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D7/00Casting ingots, e.g. from ferrous metals
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S164/00Metal founding
    • Y10S164/90Rheo-casting

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)
  • Forging (AREA)
  • Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 より微細かつ均一な球状化粒子を得ると同時
にエネルギ効率の改善、製造コストの節減、機械的性質
の向上、鋳造工程の簡便化および製造時間短縮の利点を
実現できる半溶融成形用ビレットの製造装置を提供す
る。 【解決手段】 第2スリーブ22の他端側を下方に向けて
回動して第2プランジャ32にて閉塞する。第2スリーブ
22に攪拌部1で電磁気場を印加する。第2スリーブ22の
一端側から溶融金属Mを注湯して半溶融金属スラリを製
造する。第2スリーブ22の他端側を上方に向けて回動し
て、第2スリーブ22を第1スリーブ21に連通する。第1
スリーブ21内の第1プランジャ31を固定する。第2プラ
ンジャ32で第2スリーブ22内の半溶融金属スラリを加圧
して半溶融成形用ビレットを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁気場を印加し
つつ溶融金属を注湯して固液共存状態金属成形用のビレ
ットを製造する固液共存状態金属成形用ビレットの製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固液共存状態金属材料の成形方法として
の半溶融成形法は、半凝固成形法と合わせて半凝固ある
いは半溶融成形法と呼ばれるが、ここで、半凝固成形法
とは、完全に凝固されずに所定の粘性を有する半凝固金
属スラリを鋳造あるいは鍛造してビレットや最終成形品
を製造する加工法である。また、半溶融成形法とは、前
記半凝固成形法により製造されたビレットを半溶融状態
のスラリに再加熱した後、このスラリを鋳造あるいは鍛
造して最終製品に製造する加工法をいう。
【0003】ここで、半凝固金属スラリとは、半凝固領
域の温度で液相と球状の結晶粒が適切な割合で混在した
状態でチクソトロピー(Thixotropic)性により小さな力
によっても変形が可能であり、かつ流動性に優れて液相
のように成形加工が容易な状態の金属材料を意味する。
【0004】そして、このような半凝固あるいは半溶融
成形法は、鋳造や溶融鍛造など溶融金属を利用する一般
的な成形方法に比べて色々な長所を有している。例え
ば、これら半凝固あるいは半溶融成形法で使用する半凝
固あるいは半溶融金属スラリは溶融金属より低温で流動
性を有するので、このスラリに露出されるダイの温度を
溶融金属の場合よりさらに低めることができ、これによ
りダイの寿命が延びる。
【0005】また、スラリがシリンダに沿って押し出さ
れる時に乱流の発生が少なくて鋳造過程で空気の混入を
減らし、これにより最終製品への気孔発生を減らすこと
ができる。その他にも凝固収縮が少なくて作業性が改善
され、製品の機械的特性および耐食性が向上し、製品の
軽量化が可能である。これにより、自動車や航空機産業
分野、電気電子情報通信装備などの新素材として利用で
きる。
【0006】一方、従来の半凝固成形法は、溶融金属を
冷却させる時に主に液相線以下の温度で攪拌して既に生
成された樹枝状結晶組織を破砕することによって半凝固
成形に適合するように球状の粒子に作る方法である。攪
拌方法には、機械的攪拌法や電磁気的攪拌法、ガスバブ
リング、低周波、高周波あるいは電磁気波振動を利用す
るか、電気的衝撃による攪拌法などが利用された。
【0007】そして、液相固相混合物を製造する方法と
しては、溶融金属が固相化する間に強く攪拌しながら冷
却している。さらに、この液相固相混合物を製造するた
めの製造装置は、容器に固液混合物を注湯した状態で攪
拌棒により攪拌するが、この攪拌棒は所定の粘性を有す
る固液混合物を攪拌して流動させることによって混合物
内の樹枝状構造を破砕するか、破砕された樹枝状構造を
分散させるものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】ところが、上記液相固相混合物を製造する
方法では、冷却過程で既に形成された樹枝状結晶形態を
粉砕し、この粉砕した樹枝状結晶を結晶核として球状の
結晶を得ているため、初期凝固層の形成による潜熱の発
生により冷却速度の低下と製造時間の延長および攪拌容
器内での温度不均一による不均一な結晶状態など多くの
問題を有している。また、この液相固相混合物を製造す
るための製造装置の場合にも、機械的攪拌が有する限界
によって容器内の温度分布が不均一であり、チャンバ内
で作動するために作業時間および後続工程への連係が非
常に難しい限界を有している。
【0009】また、半凝固合金スラリの製造装置として
は、コイル付き電磁気場印加手段の内側に順次に冷却マ
ニホールドおよび金型を備えている。そして、この金型
の上側は溶融金属が連続して注湯されるように形成され
ており、冷却マニホールドには冷却水が流れて金型を冷
却するように構成されている。さらに、上記半凝固合金
スラリの製造装置による半凝固合金スラリの製造方法に
よれば、まず、金型の上側から溶融金属を注湯し、この
溶融金属が金型内を通過しながら冷却マニホールドによ
り固相化領域を形成するが、ここで電磁気場印加手段に
より磁場が印加されて樹脂状組織を破砕しながら冷却が
進み、下部からインゴットが形成される(例えば、特許
文献2参照。)。
【0010】ところが、上記半凝固合金スラリの製造方
法においても、凝固した後に振動を加えて樹枝状組織を
破砕するものであるため、工程上および組織構成上の多
くの問題を有している。また、上記半凝固合金スラリの
製造装置の場合にも、溶融金属が上部から下部に進みな
がら連続してインゴットを形成しているが、この溶融金
属を連続して成長させることによって金属の状態を調節
し難く、全体的な工程制御が容易ではない。さらには、
電磁気場を印加する前の段階で金型を水冷させているた
め、この金型の壁面付近と中心付近とでの温度差が著し
く大きくなる。
【0011】さらに、半溶融成形材の製造方法として
は、合金中のあらゆる金属成分が液体状態に存在するよ
うに合金を加熱した後、得られる液体金属を液相線と固
相線との間の温度に冷却させる。この後、剪断力を加え
て冷却される溶融金属から形成される樹脂状構造を破壊
することによって半溶融成形材を製造している(例え
ば、特許文献3参照。)。
【0012】また、半凝固鋳造用金属スラリの製造方法
としては、液相線温度の付近または液相線より50℃ま
で高い温度で溶融金属を容器に注湯する。この後、溶融
金属が冷却される過程で溶融金属の少なくとも一部が液
相線温度以下になる時点、すなわち、最初に液相線温度
を通過する時点で、例えば超音波振動により溶融金属に
運動を加える。さらに、この溶融金属に運動を加えた
後、徐々に冷却させることによって粒相結晶形態の金属
組織を有する半凝固鋳造用金属スラリを製造している
(例えば、特許文献4参照。)。
【0013】ところが、上記半凝固鋳造用金属スラリの
製造方法でも、超音波振動などの力が冷却初期に形成さ
れる樹脂状結晶組織を破砕するために使われている。ま
た、注湯温度を液相線温度より高くすれば、粒相の結晶
形態を得がたく、同時に溶湯を急激に冷却させ難い。さ
らに、表面部と中心部の組織が不均一になる。
【0014】さらに、半溶融金属の成形方法としては、
溶融金属を容器に注湯した後、振動バーを溶融金属中に
浸漬させて溶融金属と直接接触させた状態で振動させて
溶融金属に振動を与えている。具体的には、振動バーの
振動力を溶融金属に伝達することによって、液相線温度
以下で結晶核を有する固液共存状態の合金を形成する。
この後、所定の液相率を示す成形温度まで溶融金属を容
器内で冷却させながら30秒以上60分以下の間維持す
ることによって結晶核を成長させて半溶融金属を得る。
ところが、この方法で得られる結晶核の大きさは約10
0μmであり、工程時間が相当長く、所定大きさ以上の
容器に適用し難い(例えば、特許文献5参照。)。
【0015】また、半溶融金属スラリの製造方法として
は、冷却と攪拌とを同時に精密に制御することによって
半溶融金属スラリを製造している。具体的には、溶融金
属を混合容器に注湯した後、混合容器周囲に設置された
固定子アセンブリを作動させて容器内の溶融金属を急速
に攪拌するのに十分な起磁力を発生させる。さらに、混
合容器の周囲に設けられて容器および溶融金属の温度を
精密に調節する作用をするサーマルジャケットを利用し
て溶融金属の温度を急速に落とす。溶融金属が冷却され
る時に溶融金属は攪拌され続け、固相率が低い時には速
い攪拌を提供し、固相率が高まるにつれて強まった起電
力を提供する方式で調節される(例えば、特許文献6参
照。)。
【0016】
【特許文献1】米国特許第3948650号明細書(第
3−8欄および図3)
【0017】
【特許文献2】米国特許第4465118号明細書(第
4−12欄、図1、図2、図5および図6)
【0018】
【特許文献3】米国特許第4694881号明細書(第
2−6欄)
【0019】
【特許文献4】特開平11−33692号公報(第3−
5頁および図1)
【0020】
【特許文献5】特開平10−128516号公報(第4
−7頁および図3)
【0021】
【特許文献6】米国特許第6432160号明細書(第
7−15欄、図1Aないし図2Bおよび図4)
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、上記
従来の半凝固あるいは半溶融成形法およびその製造装置
では、冷却過程で既に形成された樹脂状結晶形態を粉砕
して粒相の金属組織にするために剪断力を利用してい
る。したがって、溶融金属の少なくとも一部が液相線以
下に下がってこそ振動などの力を加えるので初期凝固層
の形成による潜熱の発生により冷却速度の減少および製
造時間の増加など各種の問題を避けにくい。また、得ら
れた金属組織も容器内での温度の不均一によって全体的
に均一でかつ微細な組織を得難く、溶融金属の容器への
注湯温度を調節しなければ容器壁面部と中心部との温度
差によって組織の不均一性はさらに増大してしまう。
【0023】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、より微細かつ均一な球状化粒子を得ると同時にエ
ネルギ効率の改善、製造コストの節減、機械的性質の向
上、鋳造工程の簡便化および製造時間短縮の利点を実現
できるとともに、短時間に高品質の固液共存状態金属成
形用ビレットを連続して複数製造できる固液共存状態金
属成形用ビレットの製造装置を提供することを目的とす
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の固液共存
状態金属成形用ビレットの製造装置は、第1の筒状部
と、この第1の筒状部の軸方向に沿った一端部に対して
軸方向に沿った一端部が所定の角度を介して回動可能に
配設されて、この一端部が回動によって前記第1の筒状
部の一端部に連通され、内部に溶融金属が注湯される第
2の筒状部と、この第2の筒状部内に注湯される溶融金
属に電磁気場を印加するとともに、この電磁気場が印加
されている状態で前記第2の筒状部内に溶融金属を注湯
させる攪拌部と、前記第1の筒状部の軸方向に沿った他
端側から進退可能に挿入され、前記第2の筒状部内の固
液共存状態金属材料を押圧して固液共存状態金属成形用
ビレットを形成する際に固定される第1の押圧手段と、
前記第2の筒状部の軸方向に沿った他端側から進退可能
に挿入され、この第2の筒状部の一端側から溶融金属が
注湯されて収容されるようにこの第2の筒状部の他端側
を閉塞するとともに、この第2の筒状部内で製造された
固液共存状態金属材料を押圧して固液共存状態金属成形
用ビレットを形成する第2の押圧手段とを具備したもの
である。
【0025】そして、第2の筒状部の一端側から溶融金
属が注湯されて収容されるようにこの第2の筒状部の他
端側を第2の押圧手段にて閉塞する。この状態で攪拌
部にて電磁気場印加されている状態で第2の筒状部内
に溶融金属を注湯して、この第2の筒状部内で固液共存
状態金属材料を製造する。この後、この第2の筒状部を
回動させて、この第2の筒状部の一端部を第1の筒状部
の一端部に連通する。この状態で、この第1の筒状部内
の第1の押圧手段を固定させた後、第2の押圧手段にて
第2の筒状部内の固液共存状態金属材料を押圧して固液
共存状態金属成形用ビレットを形成する。この結果、全
体的に均一でかつ微細な球状の組織を有する固液共存状
態金属成形用ビレットを得ることができるとともに、液
相線より高い温度での短時間の攪拌だけでも第2の筒状
部の壁面での核生成密度を顕著に増加させて粒子の球状
化を実現できる。また、製造された合金の機械的性質の
向上を実現できるとともに、攪拌部による電磁攪拌時間
を大きく短縮できるので攪拌に必要なエネルギの消耗が
少なく、全体工程を単純化し、かつ製品成形時間も短縮
されて生産性を向上できる。よって、短時間に高品質の
固液共存状態金属成形用ビレットを連続して複数製造で
きるので、量産適用性に優れている。したがって、高品
質の固液共存状態金属成形用ビレットの製造工程を簡単
にできる。
【0026】請求項2記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置は、請求項1記載の固液共存状態金属
成形用ビレットの製造装置において、第1の筒状部に設
けられ、この第1の筒状部内からビレットを排出する排
出口を具備したものである。
【0027】そして、第1の筒状部内からビレットを排
出する排出口を設けたことにより、この第1の筒状部内
からのビレットの排出が容易になる。よって、より短時
間に高品質の固液共存状態金属成形用ビレットを連続し
て複数製造できるため、より量産適用性に優れている。
【0028】請求項3記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置は、請求項1または2記載の固液共存
状態金属成形用ビレットの製造装置において、第1の筒
状部内のビレットを冷却する冷却手段を具備したもので
ある。
【0029】そして、冷却手段で第1の筒状部内のビレ
ットを冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な
球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得る
ことができる。
【0030】請求項4記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置は、請求項1ないし3いずれか記載の
固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、
攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属が注湯される前
電磁気場を印加するものである。
【0031】そして、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融
金属が注湯される前から電磁気場を印加することによ
り、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレ
ットを容易に得ることができる。
【0032】請求項5記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置は、請求項1ないし3いずれか記載の
固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、
攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属注湯されると同
時に電磁気場を印加するものである。
【0033】そして、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融
金属が注湯されると同時に電磁気場を印加することによ
り、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレ
ットを容易に得ることができる。
【0034】請求項6記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置は、請求項1ないし3いずれか記載の
固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、
攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属を注湯しながら電
磁気場を印加するものである。
【0035】そして、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融
金属を注湯しながら電磁気場を印加することにより、全
体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットを
容易に得ることができる。
【0036】請求項7記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置は、請求項1ないし6いずれか記載の
固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、
攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.0
01以上0.7以下となるまで電磁気場を印加するもの
である。
【0037】そして、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融
金属の固相率が0.001以上0.7以下となるまで電
磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細
な球状の組織を有するビレットをより容易に得ることが
できる。
【0038】請求項8記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置は、請求項1ないし6いずれか記載の
固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、
攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.0
01以上0.4以下となるまで電磁気場を印加するもの
である。
【0039】そして、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融
金属の固相率が0.001以上0.4以下となるまで電
磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細
な球状の組織を有するビレットをより容易に得ることが
できるから、より望ましい。
【0040】請求項9記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置は、請求項1ないし6いずれか記載の
固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、
攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の固相率が0.0
01以上0.1以下となるまで電磁気場を印加するもの
である。
【0041】そして、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融
金属の固相率が0.001以上0.1以下となるまで電
磁気場を印加することにより、全体的に均一でかつ微細
な球状の組織を有するビレットをより容易に得ることが
できるから、より望ましい。
【0042】求項1記載の固液共存状態金属成形用
ビレットの製造装置は、請求項1ないしいずれか記載
の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置におい
て、第2の筒状部内の溶融金属の温度調節する温度調
節手段を具備したものである。
【0043】そして、温度調節手段で第2の筒状部内の
溶融金属の温度調節することにより、全体的に均一で
かつ微細な球状の組織を有するビレットをより容易かつ
確実に得ることができる。
【0044】請求項11記載の固液共存状態金属成形用
ビレットの製造装置は、請求項10記載の固液共存状態
金属成形用ビレットの製造装置において、温度調節手段
は、溶融金属の固相率が0.1以上0.7以下となるま
で冷却するものである。
【0045】そして、温度調節手段にて溶融金属の固相
率が0.1以上0.7以下となるまで冷却することによ
り、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレ
ットをより容易かつ確実に得ることができる。
【0046】求項1記載の固液共存状態金属成形用
ビレットの製造装置は、請求項1または1記載の固
液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、温
度調節手段は、第2の筒状部内の溶融金属を0.2℃/
s以上5.0℃/s以下の速度で冷却するものである。
【0047】そして、温度調節手段にて第2の筒状部内
の溶融金属を0.2℃/s以上5.0℃/s以下の速度
で冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状
の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ること
ができるので、より望ましい。
【0048】請求項1記載の固液共存状態金属成形用
ビレットの製造装置は、請求項1または1記載の固
液共存状態金属成形用ビレットの製造装置において、温
度調節手段は、第2の筒状部内の溶融金属を0.2℃/
s以上2.0℃/s以下の速度で冷却するものである。
【0049】そして、温度調節手段にて第2の筒状部内
の溶融金属を0.2℃/s以上2.0℃/s以下の速度
で冷却することにより、全体的に均一でかつ微細な球状
の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得ること
ができるので、より望ましい。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0051】まず、第1の実施の形態の固液共存状態金
属成形用ビレットの製造方法について説明する。
【0052】固液共存状態金属成形用ビレットとしての
半溶融成形用ビレットBは半溶融成形法で使用するビレ
ットで、これら半溶融成形用ビレットBは半凝固成形法
により製造される。したがって、この半溶融成形用ビレ
ットBを製造する方法としては基本的には半凝固成形法
に基づいている。
【0053】そして、この半溶融成形用ビレットBの製
造方法は、第2スリーブ22に溶融金属Mを注湯して固液
共存状態金属材料としての半溶融金属スラリを製造した
後、この半溶融金属スラリを加圧および成形して所定の
大きさの半溶融成形用ビレットBを製造する固液共存状
態金属材料成形用ビレットの製造方法である。
【0054】このとき、第2スリーブ22への溶融金属M
の注湯が完了する前に電磁気場を印加して攪拌する。す
なわち、この第2スリーブ22に溶融金属Mを注湯する
前、この第2スリーブ22に溶融金属Mを注湯すると同時
に、またはこの第2スリーブ22に溶融金属Mを注湯する
最中、すなわち注湯しながら電磁気場による攪拌をする
ことによって、初期樹枝状組織の生成を遮断する。この
とき、この攪拌には電磁気場の代わりに超音波などを利
用することもできる。
【0055】すなわち、所定の空間部12に溶融金属Mが
注湯されずに空いている第2スリーブ22を配置させ、こ
の空いている第2スリーブ22の所定領域であるスラリ製
造領域に電磁気場を印加する。このとき、電磁気場の印
加は溶融金属Mを攪拌できる強度でなされる。
【0056】この後、図5に示すように、溶融金属Mを
注湯温度Tで第2スリーブ22内に注湯する。このと
き、この第2スリーブ22には電磁気場が印加されて攪拌
が実施され得る状態とされている。なお、このとき、溶
融金属Mの注湯と同時に電磁気場の攪拌を実施できると
ともに、この溶融金属Mが注湯される最中で電磁気場の
攪拌を実施することもできる。
【0057】このように、第2スリーブ22への溶融金属
Mの注湯が完了する前に電磁気場の攪拌を実施すること
によって、溶融金属Mが低温の第2スリーブ22の内壁で
初期凝固層は形成しにくくなる。そして、この第2スリ
ーブ22内のスラリ製造領域全体にわたって微細な結晶核
が同時に発生し、このスラリ製造領域内の溶融金属M全
体が均一に液相線温度直下に急速に冷却させて多数の結
晶核が同時に発生する。
【0058】これは、このスラリ製造領域に溶融金属M
を注湯する前または注湯と同時に電磁気場を印加するこ
とによって活発な初期攪拌作用により内部の溶融金属M
と表面の溶融金属Mとがよく攪拌されて溶融金属M内で
の熱伝逹が速く、第2スリーブ22の内壁での初期凝固層
の形成が抑制されるからである。
【0059】また、よく攪拌されている溶融金属Mと低
温の第2スリーブ22の内壁との対流熱伝逹が増加して溶
融金属M全体の温度を急速に冷却させる。すなわち、注
湯された溶融金属Mが注湯と同時に電磁攪拌により分散
粒子に分散され、この分散粒子が結晶核として第2スリ
ーブ22内に均一に分布され、これにより第2スリーブ22
全体にわたって温度差が発生しなくなる。これに対し、
上述の従来の技術によれば、注湯された溶融金属Mが低
温のスリーブの内壁と接触して急速な対流熱伝逹により
初期凝固層での樹枝状結晶として成長する。
【0060】そして、このような原理は凝固潜熱と関連
して説明できる。すなわち、第2スリーブ22の壁面での
溶融金属Mの初期凝固が発生しないので、それ以上凝固
潜熱が発生せず、これにより溶融金属Mの冷却は単に溶
融金属Mの比熱(凝固潜熱の約1/400に過ぎない)に
該当する程度の熱量の放出だけで可能になる。
【0061】したがって、従来の技術において第2スリ
ーブ22内側壁面部でよく発生する初期凝固層での樹枝状
結晶が形成されずに、この第2スリーブ22内の溶融金属
Mがこの第2スリーブ22の壁面から中心部にわたって全
体的に均一にかつ急速に温度が低下する様子を示す。こ
のときの温度を下げるのに必要な時間は溶融金属Mの注
湯後約1秒以上10秒以下程度の短い時間にすぎない。
これにより、多数の結晶核が第2スリーブ22内の溶融金
属M全体にわたって均一に生成され、結晶核生成密度の
増加により結晶核間の距離は非常に短くなって樹枝状結
晶が形成されずに独立的に成長して球状粒子を形成す
る。
【0062】これは溶融金属Mが注湯される最中で電磁
気場が印加される場合にも同じである。すなわち第2ス
リーブ22の内壁面において初期凝固層は、注湯される過
程での電磁攪拌により形成しにくくなる。
【0063】このとき、溶融金属Mの注湯温度Tは液
相線温度以上液相線+100℃以下の温度(溶湯過熱度
=0℃以上100℃以下)に維持されることが望まし
い。上述のように、溶融金属Mが注湯された第2スリー
ブ22内全体が均一に冷却されるので、この第2スリーブ
22内に溶融金属Mを注湯する前に液相線温度付近まで冷
却させる必要がなく、液相線温度より100℃程度高い
温度を維持してもよいからである。
【0064】一方、溶融金属Mをスラリ製造容器に注湯
した後、溶融金属Mの一部が液相線以下になる時点でス
ラリ製造容器に電磁気場を印加する従来の方法によれ
ば、スラリ製造容器の壁面に初期凝固層が形成されなが
ら凝固潜熱が発生するが、凝固潜熱は比熱の約400倍
程度であるため、スラリ製造容器全体の溶融金属Mの温
度が下がるには長時間がかかる。したがって、このよう
な従来の方法では、液相線程度または液相線より50℃
程度高い温度まで溶融金属Mの温度を冷却させた後、ス
ラリ製造容器に注湯することが一般であった。したがっ
て、このときには注湯される溶融金属の温度が適正温度
になるまで待たねばならないが、この適正温度を調節す
ることは実際工程では非常に難しい。
【0065】また、電磁攪拌を終了する時点は、図5に
示すように、第2スリーブ22内の溶融金属Mが一部分で
も、この溶融金属Mの温度が液相線温度T以下に下が
った時に、すなわち、この溶融金属Mの固相率が約0.
001程度で所定の結晶核が形成された後ならいつ終了
しても余り問題にならない。すなわち、第2スリーブ22
に溶融金属Mを注湯してこの溶融金属Mを冷却させる段
階および後続の加圧する段階まで電磁攪拌を継続させて
もよい。これは既に第2スリーブ22のスラリ製造領域全
体にわたって結晶核が均一に分布しているために、この
結晶核を中心として結晶粒が成長する段階での電磁攪拌
は製造される半溶融金属スラリの特性に影響を及ぼさな
いからである。
【0066】ただし、上記電磁攪拌は、第2スリーブ22
内で半溶融金属スラリを製造する間にのみすれば十分な
ので、少なくとも溶融金属Mの固相率が0.001以上
0.7以下になるまで持続させる。さらに、エネルギ効
率面からは、少なくとも溶融金属Mの固相率が0.00
1以上0.4以下になるまで持続させ、さらに望ましく
は溶融金属Mの固相率が0.001以上0.1以下にな
るまで持続させる。
【0067】一方、第2スリーブ22内に溶融金属Mを注
湯して、均一な分布の結晶核を形成した後には、冷却工
程として冷却させて生成された結晶核の成長を加速させ
る。したがって、このような冷却工程での段階は、第2
スリーブ22に溶融金属Mを注湯するときからしてもよ
い。また、上述のように、この冷却工程中にも電磁気場
を持続的に印加させてもよい。
【0068】さらに、このような冷却工程は、半溶融金
属スラリを加圧する段階まで持続できる。すなわち、溶
融金属Mが0.1以上0.7以下の固相率に到達する時
点tまで冷却工程を維持させる。このとき、溶融金属
Mの冷却速度を0.2℃/sec以上5.0℃/sec
以下程度とするが、より好ましくは、結晶核の分布度お
よび粒子の微細度によって、0.2℃/sec以上2.
0℃/sec以下にする。
【0069】この結果、所定の固相率を有する半溶融状
態の金属スラリである半溶融金属スラリを製造でき、こ
れを直ちに加圧すると同時に冷却させて半溶融成形用ビ
レットBを製造できる。
【0070】このとき、半溶融金属スラリの製造時間を
顕著に短縮できるが、溶融金属Mの第2スリーブ22への
注湯時点から固相率0.1以上0.7以下の半溶融金属
スラリ形態の金属材料として形成される時点までかかる
時間は30秒以上60秒以下にすぎない。これにより製
造された半溶融金属スラリを使用してダイカストすれば
均一にかつ緻密な球状の結晶構造を有する成形品を得る
ことができる。
【0071】次に、上記半溶融成形用ビレットの製造方
法を用いた半溶融成形用ビレットの製造装置を図1ない
し図4を参照して説明する。
【0072】図1ないし図4に示す半溶融成形用ビレッ
トの製造装置は、攪拌部1を備えている。この攪拌部1
の内側には、所定の空間部12が設けられている。さら
に、この攪拌部1には、電磁気場印加用コイル装置11が
所定の空間部12を取り囲むように形成されている。
【0073】また、この空間部12には、細長円筒状の筒
状部としてのスリーブ20の軸方向における一端側が収容
されている。このスリーブ20は、第1の筒状部としての
第1スリーブ21と、第2の筒状部としての第2スリーブ
22とに軸方向に沿った中央部において分割されて形成さ
れている。これら第1スリーブ21および第2スリーブ22
は、半溶融金属スラリの製造、および半溶融成形用ビレ
ットBの製造に必要である。
【0074】そして、これら第1スリーブ21と第2スリ
ーブ22とは、それぞれの軸方向に沿った一端側を所定の
角度を介して回動可能に配設されている。さらに、これ
ら第1スリーブ21および第2スリーブ22は、この第1ス
リーブ21に対して第2スリーブ22の軸方向に沿った他端
側を上方に向けて回動させることにより、この第2スリ
ーブ22の軸方向に沿った一端部が第1スリーブ21の一端
部に同心状に連通するように構成されている。
【0075】ここで、この第1スリーブ21の他端側に
は、加圧時に固定される第1の押圧手段としての第1プ
ランジャ31が進退可能に挿入されて取り付けられてい
る。また、第2スリーブ22の軸方向に沿った他端側に
は、加圧用の第2の押圧手段としての第2プランジャ32
が進退可能に挿入されて取り付けられている。
【0076】さらに、この第2スリーブ22の一端側に
は、この第2スリーブ22を回動させて、この第2スリー
ブ22の他端側を鉛直下方に向けた状態で、溶融金属Mが
注湯されて収容される。そして、この第2スリーブ22内
に溶融金属Mが収容されたスラリ製造領域には、攪拌部
1の電磁気場印加用コイル装置11によって電磁気場が印
加される。すなわち、この第2スリーブ22は、攪拌部1
の空間部12を貫通した状態で、この空間部12に取り付け
られている。
【0077】そして、攪拌部1の空間部12と電磁気場印
加用コイル装置11とは、図示しないフレーム構造により
固定されている。また、この電磁気場印加用コイル装置
11は、所定強度の電磁気場を空間部12に向けて発散する
ように構成されている。すなわち、この電磁気場印加用
コイル装置11は、空間部12に収容される第2スリーブ22
に印加させて、この第2スリーブ22内に注湯される溶融
金属Mを電磁攪拌する。
【0078】さらに、この電磁気場印加用コイル装置11
は、図示しない制御部に電気的に接続されており、この
制御部により強度および作動時間などが調節される。こ
こで、この電磁気場印加用コイル装置11は、通常の電磁
攪拌に使用できるコイル装置であればよい。また、攪拌
部1は、電磁気場以外の超音波攪拌などであってもよ
い。
【0079】また、この電磁気場印加用コイル装置11
は、図1に示すように、第2スリーブ22と空間部12とを
介さず、この第2スリーブ22の外側に密着させて結合さ
せることも可能である。このため、第2スリーブ22内に
注湯される溶融金属Mは注湯の段階から徹底的に攪拌さ
れる。なお、この電磁気場印加用コイル装置11を備えた
攪拌部1は、図1および図3に示すように、第2スリー
ブ22の回動とともに移動して回動するように構成されて
いる。このような電磁気場の印加、すなわち攪拌部1に
よる電磁攪拌は、上述のように、製造された半溶融金属
スラリが圧縮されるまで持続させることもできる。よっ
て、この攪拌部1による電磁攪拌は終了させなくてもよ
い。
【0080】ただし、エネルギ効率次元で半溶融金属ス
ラリの製造過程まで電磁気場を攪拌するため、この攪拌
部1による電磁気場の攪拌は、少なくとも溶融金属Mの
固相率が0.001以上0.7以下となるまで持続させ
る。なお、この溶融金属Mの固相率が0.001以上
0.4以下となるまで持続させることが望ましく、より
望ましくは、この溶融金属Mの固相率が0.001以上
0.1以下となるまで持続させる。ここで、電磁気場印
加用コイル装置11による電磁気場の印加を継続させる時
間は、予め実験により求めることができ、このようにし
て所定時間電磁気場を印加する。
【0081】一方、第1スリーブ21および第2スリーブ
22は、図1に示すように、軸方向に沿った一端側を互い
に向かい合わせた状態で、水平に結合されている。そし
て、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22の連結
部分である一端側を回動中心として、この状態から第2
スリーブ22の他端側が下方に向けて所定の角度θの割合
で回動するように構成されている。ここで、この回動角
度θは、90°以内であることが望ましい。
【0082】さらに、これら第1スリーブ21および第2
スリーブ22のそれぞれは、金属材あるいは絶縁性素材な
どにより製造されている。すなわち、これら第1スリー
ブ21および第2スリーブ22は、これら第1スリーブ21お
よび第2スリーブ22それぞれの融点が、これら第1スリ
ーブ21および第2スリーブ22内に注湯されて収容される
溶融金属Mの温度より高いものを使用することが望まし
い。
【0083】また、これら第1スリーブ21および第2ス
リーブ22のそれぞれは、両端が開放された細長円筒状の
スリーブを互いに結合させて形成されている。そして、
第1スリーブ21は、この第1スリーブ21の軸方向を地面
に対して水平にさせた状態で配置されている。また、第
2スリーブ22は、第1スリーブ21に結合される側の一端
部を回転中心として他端側が下方に向けて所定角度、回
動可能に構成されている。
【0084】ここで、第2スリーブ22内の領域は、溶融
金属Mが収容されて電磁攪拌によって半溶融金属スラリ
が形成される領域である。また、第1スリーブ21内の領
域は、第2スリーブ22内で形成された半溶融金属スラリ
を半溶融成形用ビレットBに成形するための領域であ
る。よって、これら第1スリーブ21および第2スリーブ
22は、電磁攪拌により溶融金属Mから半溶融金属スラリ
を製造するスラリ製造容器の機能と、製造された半溶融
金属スラリを半溶融成形用ビレットBに製造する際の成
形枠としての機能とを兼備している。
【0085】したがって、第2スリーブ22の他端側であ
る一側端部に挿入された第2プランジャ32は、図1に示
すように、所定角度で屈折された第2スリーブ22の一端
側から溶融金属Mが注湯されて受容できるように、この
第2スリーブ22の他端側を閉鎖する。また、第1スリー
ブ21の他端側である他側端部に挿入された第1プランジ
ャ31は、半溶融金属スラリの加圧時に第1スリーブ21内
に固定されて半溶融成形用ビレットBを形成させる。
【0086】ここで、これら第1スリーブ21および第2
スリーブ22は、必ず両端が開放された構造でなくてもよ
く、これら第1スリーブ21および第2スリーブ22それぞ
れの端部に、第1プランジャ31および第2プランジャ32
がそれぞれ挿入できる構造であればよい。そして、これ
ら第1スリーブ21および第2スリーブ22には、図示しな
い熱電対を内蔵させるとともに、この熱電対を制御部に
電気的に接続させて、これら第1スリーブ21および第2
スリーブ22内の溶融金属Mなどの温度情報を制御部に送
出させることもできる。
【0087】さらに、第1スリープ21の軸方向における
中間部の下側には、この第1スリーブ21内で製造した半
溶融成形用ビレットBを外部へと吐出させる矩形状の排
出口としての吐出口23が開口形成されている。
【0088】また、第1スリーブ21の外側には、図1に
示すように、冷却手段としての冷却装置41が取り付けら
れている。この冷却装置41は、第1スリーブ21の外側を
取り囲むように同心状に取り付けられた円筒状のウォー
タジャケット43を備えている。そして、このウォータジ
ャケット43には、第1スリーブ21の外側を取り囲むよう
に冷却水パイプ42が螺旋状に内蔵されている。ここで、
この冷却装置41は、第1スリーブ21の所定の領域が冷却
できる構成であれば、いかなる構成であってもよい。そ
して、この冷却装置41は、第2スリーブ22内で製造され
た半溶融金属スラリを加圧して半溶融成形用ビレットB
に成形する際に加圧される半溶融金属スラリを冷却させ
る。
【0089】そして、第2スリーブ22の外側にも、図2
に示すように、温度調節手段としての温度調節装置44が
取り付けられている。この温度調節装置44は、冷却手段
としての冷却パイプ45が螺旋状に内蔵された円筒状の冷
却装置としてのウォータジャケット46を備えている。そ
して、このウォータジャケット46は、この第2スリーブ
22の外側を取り囲むように、この第2スリーブ22の外側
に同心状に取り付けられている。ここで、このウォータ
ジャケット46内の冷却パイプ45は、第2スリーブ22内に
埋設させることもできる。また、このような冷却パイプ
45以外でも第2スリーブ22内の溶融金属Mを冷却できる
構成であればいかなる冷却装置であってもよい。
【0090】さらに、温度調節装置44は、加熱手段とし
ての加熱装置である電熱コイル47を備えている。この電
熱コイル47は、ウォータジャケット46の外側を取り囲む
ように、このウォータジャケット46の外側に螺旋状に巻
回された状態で同心状に取り付けられている。ここで、
この電熱コイル47以外のいかなる加熱機構であってもよ
い。したがって、温度調節装置44は、第2スリーブ22内
の溶融金属Mあるいは半溶融金属スラリの温度を調節で
きる構造であればどのような構成であってもよい。ま
た、この温度調節装置44によって、第2スリーブ22内の
溶融金属Mを適正な速度で冷却できる。さらに、この温
度調節装置44は、図2に示すように、第2スリーブ22の
全体にわたって設置できるが、この第2スリーブ22内に
溶融金属Mが収容される領域の周囲のみに集中的に設置
することもできる。
【0091】そして、この温度調節装置44は、第2スリ
ーブ22内に収容された溶融金属Mの固相率が0.1以上
0.7以下となるまで冷却する。また、この温度調節装
置44による冷却速度も調節されて0.2℃/s以上5.
0℃/s以下の速度で冷却し、より望ましくは0.2℃
/s以上2.0℃/s以下の速度で冷却する。
【0092】このとき、この温度調節装置44による冷却
は、上述のように、電磁気場の攪拌が終了した後にする
こともあり、電磁攪拌とは関係なく、すなわち、電磁気
場の印加を持続している最中ですることもあるととも
に、溶湯金属Mの注湯段階からすることもある。ところ
が、この第2スリーブ22内の溶融金属Mの冷却は、必ず
しも温度調節装置44のみで可能ではない。すなわち、第
2スリーブ22内の溶融金属Mを温度調節装置44ではなく
自然に冷却させて、上述のような固相率の半溶融金属ス
ラリを製造することもできる。
【0093】一方、第1スリーブ21および第2スリーブ
22のそれぞれに挿入されて取り付けられた第1プランジ
ャ31および第2プランジャ32のそれぞれは、図示しない
シリンダ装置に連結されて第1スリーブ21および第2ス
リーブ22内をピストン往復動する。このシリンダ装置
は、制御部により制御されている。
【0094】そして、第2プランジャ32は、攪拌部1に
より電磁気場が印加されて冷却が進行される間、すなわ
ち半溶融金属スラリの製造中に第2スリーブ22内の他端
側に固定されて、この第2スリーブ22の一端側を容器形
状にする。また、この第2プランジャ32は、半溶融金属
スラリの製造が終了した後に第2スリーブ22が上方に向
けて回動して、この第2スリーブ22の一端部が第1スリ
ーブ21の一端部に連通されて連結された状態で、第2ス
リーブ22内の半溶融金属スラリを第1プランジャ31側に
向けて駆動されて加圧して、この半溶融金属スラリを第
1スリーブ21内へと移動させる。
【0095】さらに、第1プランジャ31は、第2プラン
ジャ32が半溶融金属スラリを加圧する間、第1スリーブ
22内に固定される。また、この第1プランジャ31は、第
1スリーブ21内で所定の大きさの半溶融成形用ビレット
Bを形成した後に、この第1スリーブ21の他端側に向け
て移動されて後退されて、この第1スリーブ21内の半溶
融成形用ビレットBを吐出口23から吐出させる。
【0096】次に、上記第1の実施の形態の半溶融成形
用ビレットの製造装置の作用を説明する。
【0097】まず、図1に示すように、第2スリーブ22
が第1スリーブ21に対して所定角度、望ましくは90°
に屈折された状態で、下側を第2プランジャ32にて閉鎖
して、第2スリーブ22の上側全体に溶融金属Mを収容で
きる容器形状にする。
【0098】そして、攪拌部1の電磁気場印加用コイル
装置11により、第2スリーブ22に所定周波数および強度
の電磁気場を印加する。このとき、電磁気場印加用コイ
ル装置11は、電圧、周波数、強度のそれぞれが250
V、60Hz、500Gaussで電磁気場を印加す
る。なお、この際の電磁気場の印加は、半凝固成形用電
磁攪拌に使われる電磁気場であれば、いかなる電磁気場
であってもよい。
【0099】この状態で、図示しない炉で溶融された溶
融金属Mを鉢状の注湯容器5により移送して電磁気場の
影響下にある第2スリーブ22内に注湯する。
【0100】このとき、炉と第2スリーブ22とを直接連
結して溶融された液相の溶融金属Mを直ちに第2スリー
ブ22内に注湯することもできる。また、このときの溶融
金属Mは、上述のように液相線温度+100℃程度の温
度となっていてもよい。
【0101】さらに、溶融金属Mが注湯される第2スリ
ーブ22の内部には、図示しないガス供給管が連結されて
溶融金属Mの酸化を防止するためにN、Arなどの不
活性ガスを供給する。
【0102】このように、完全に溶融された液相の溶融
金属Mを電磁攪拌が進行している第2スリーブ22に注湯
すれば、この第2スリーブ22全体にわたって微細な再結
晶粒子が分布し、この再結晶粒子は速く成長して樹枝状
構造の生成が生じなくなる。
【0103】ここで、電磁気場印加用コイル装置11によ
る電磁気場は、溶融金属Mの注湯と同時に印加してもよ
く、あるいは溶融金属Mが注湯される最中で印加しても
よい。
【0104】また、この電磁気場印加用コイル装置11に
よる電磁気場の印加は、上述のように、半溶融成形用ビ
レットBの成形のために半溶融金属スラリを加圧するま
で継続させる。
【0105】すなわち、この電磁気場印加用コイル装置
11による電磁気場の印加は、少なくとも溶融金属Mの固
相率が0.001以上0.7以下になるまで持続させ
る。望ましくは、少なくとも溶融金属Mの固相率が0.
001以上し0.4以下になるまで持続させる。より望
ましくは、少なくとも溶融金属Mの固相率が0.001
以上し0.1以下になるまで持続する。なお、電磁気場
の印加を継続させる時間は、予め実験によって調べるこ
とができる。
【0106】そして、電磁気場印加用コイル装置11によ
る電磁気場の印加が終了した後または電磁気場の印加が
持続されている間に、第2スリーブ22内の溶融金属Mが
0.1以上0.7以下の固相率に到達するまで所定の速
度で冷却させる冷却段階を経て半溶融金属スラリを製造
する。
【0107】このときの冷却速度は、第2スリーブ22の
外側に設置された温度調節装置44により調節されて0.
2℃/sec以上5℃/sec以下の速度であり、より
望ましくは0.2℃/sec以上2℃/sec以下の速
度である。なお、溶融金属Mの固相率が0.1以上0.
7以下に到達する時間tは予め実験によって分かる。
【0108】そして、このように半溶融金属スラリを製
造した後には、図3に示すように、第1スリーブ21を固
定させた状態で第2スリーブ22の他端側を上方に向けて
回動させて、この第2スリーブ22の一端部を第1スリー
ブ21の一端部に対向させて同心状に結合させる。
【0109】この後、第1プランジャ31を固定させた状
態で、第2プランジャ32を第1プランジャ31側に向けて
移動させて加圧して、第2スリーブ22内の半溶融金属ス
ラリを第1スリーブ21内に圧縮して、この半溶融金属ス
ラリから所定大きさの半溶融成形用ビレットBを形成す
る。
【0110】このとき、第1スリーブ21の外側の冷却装
置41によって、第2プランジャ32にて圧縮される半溶融
金属スラリを急冷させる。
【0111】なお、溶融金属Mが注湯された第2スリー
ブ22を回動させて第1スリーブ21に結合させた後に、こ
の第2スリーブ22内の溶融金属Mを冷却させることもで
きる。
【0112】さらに、このように半溶融成形用ビレット
Bが形成された後には、図4に示すように、第2プラン
ジャ32を第1プランジャ31側に向けてさらに移動させて
加圧して、第1プランジャ31および半溶融成形用ビレッ
トBを吐出口23側に向けて移送させ、この半溶融成形用
ビレットBを吐出口23から外部へと排出させる。
【0113】したがって、この吐出口23は、第1スリー
ブ21内で形成される半溶融成形用ビレットBの大きさに
対応した大きさとすればよいが、多様なサイズの半溶融
成形用ビレットBを製造して吐出できるように、この半
溶融成形用ビレットBの大きさよりも吐出口23の大きさ
をより大きく形成することが望ましい。
【0114】さらに、第1プランジャ31の移送は、第2
プランジャ32の加圧力に依存させたが、第1プランジャ
31自体を別途シリンダ装置に連結させて駆動させて後退
させることもできる。
【0115】また、このように半溶融成形用ビレットB
を排出させた後には、第1プランジャ31および第2プラ
ンジャ32を元の位置に復帰させた後、図1に示すよう
に、第2スリーブ22の他端側を下方に向けて所定の角度
で回動させて、この第2スリーブの一端側に溶融金属M
が収容できるようにしてから、上述した製造過程を反復
させる。
【0116】この結果、この反復過程によって組織が微
細でかつ均一な半溶融成形用ビレットBが連続して排出
口から排出される。
【0117】上述したように、上記第1の実施の形態に
よれば、全体的に結晶核組織が均一でかつ微細な球状の
組織を有する半溶融成形用ビレットBを得ることができ
るとともに、液相線より高い温度での短時間の攪拌だけ
でも第2スリーブ22の壁面での核生成密度を顕著に増加
させて粒子の球状化を実現できる。
【0118】また、製造された合金の機械的性質の向上
を実現できるとともに、電磁攪拌時間を大きく短縮でき
るので攪拌に必要なエネルギの消耗が少なく、全体工程
を単純化され、かつ製品成形時間も短縮されて生産性を
向上できる。よって、短時間に高品質の半溶融成形用ビ
レットBを連続して複数製造できるので、量産適用性に
優れている。したがって、高品質の半溶融成形用ビレッ
トBの製造工程を簡単にできる。
【0119】次に、本発明の第2の実施の形態の半溶融
成形用ビレットの製造装置を図6を参照して説明する。
【0120】この図6に示す半溶融成形用ビレットの製
造装置は、複数の固液共存状態金属成形用ビレットとし
ての半溶融成形用ビレットB,Bを連続して形成さ
せた後に、これら複数の半溶融成形用ビレットB,B
を排出させるものである。この場合、これらこれら複
数の半溶融成形用ビレットB,Bを吐出させる吐出
口23を第1スリーブ21に形成する必要はない。すなわ
ち、第2スリーブ22内で製造された半溶融金属スラリを
加圧して半溶融成形用ビレットBを形成させた後に、
第2プランジャ32を第1プランジャ31側に向けてさらに
加圧して移動させて、これら第1プランジャ31および半
溶融成形用ビレットBのそれぞれを第1プランジャ31
側に向けて移送する。
【0121】このとき、この第1プランジャ31の移送
は、第2プランジャ32の加圧力に依存させることもでき
るが、第1プランジャ31自体を駆動させることもでき
る。また、この第1プランジャ31および半溶融成形用ビ
レットBの移送距離は、この半溶融成形用ビレットB
および第2プランジャ32により第2の半溶融成形用ビ
レットBが形成できる程度の距離であれば十分であ
る。
【0122】このように、第1の半溶融成形用ビレット
を形成した後には、第2プランジャ32を後退させて
から第2スリーブ22の他端側を下方に向けて回動させ
て、この第2スリーブ22の一端側に溶融金属Mが収容で
きるようにする。そして、上述のように第2スリーブ22
内で半溶融金属スラリを製造してから、第2スリーブ22
の他端側を上方に向けて回動させて、この第2スリーブ
22の一端部に第1スリーブ21の一端部を結合させる。
【0123】そして、図6に示すように、第1プランジ
ャ31を第1スリーブ21内で固定させた状態で、第2プラ
ンジャ32を第1の半溶融成形用ビレットB側に向けて
移動させて加圧して、この半溶融成形用ビレットB
第2プランジャ32との間で第2の半溶融成形用ビレット
を形成する。そして、この第2の半溶融成形用ビレ
ットBを形成した後には、上述した過程を反復させて
繰り返して、図示しない第3の半溶融成形用ビレットお
よび第4の半溶融成形用ビレットなどの複数の半溶融成
形用ビレットを連続して製造する。
【0124】この結果、連続して品質の優秀な複数の半
溶融成形用ビレットB,Bを製造できる。そして、
製造された複数の半溶融成形用ビレットB,Bは、
互いに隣接した半溶融成形用ビレットB,B同士が
溶融により接合するおそれがあるが、これら半溶融成形
用ビレットB,B間の接合強度は非常に弱いので、
これら半溶融成形用ビレットB,Bを使用時に容易
に分離できる。
【0125】なお、第1スリーブ21内で製造された複数
の連続した半溶融成形用ビレットB,Bは、第1プ
ランジャ31を第1スリーブ21内から分離させた後に排出
させたり、この第1スリーブ21に図示しない吐出口を形
成して、この吐出口から排出させたりすることもでき
る。
【0126】なお、上記各実施の形態において、多様な
金属あるいは合金、例えばアルミニウムまたはその合
金、マグネシウムまたはその合金、亜鉛またはその合
金、銅またはその合金、鉄またはその合金などの半凝固
成形法であっても汎用的に適用できる。
【0127】
【発明の効果】請求項1記載の固液共存状態金属成形用
ビレットの製造装置によれば、短時間に高品質の固液共
存状態金属成形用ビレットを連続して複数製造できるの
で、量産適用性に優れている。したがって、高品質の固
液共存状態金属成形用ビレットの製造工程を簡単にでき
る。
【0128】請求項2記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置によれば、請求項1記載の固液共存状
態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、第1の
筒状部の排出口からビレットを容易に排出できるため、
より短時間に高品質の固液共存状態金属成形用ビレット
を連続して複数製造できる。
【0129】請求項3記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置によれば、請求項1または2記載の固
液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加
え、冷却手段で第1の筒状部内のビレットを冷却するこ
とにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有す
るビレットをより容易かつ確実に得ることができる。
【0130】請求項4記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置によれば、請求項1ないし3いずれか
記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効
果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融金属が注湯
される前から電磁気場を印加することにより、全体的に
均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットを容易に
得ることができる。
【0131】請求項5記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置によれば、請求項1ないし3いずれか
記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効
果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融金属が注湯
されると同時に電磁気場を印加することにより、全体的
に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットを容易
に得ることができる。
【0132】請求項6記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置によれば、請求項1ないし3いずれか
記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効
果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内に溶融金属を注湯
しながら電磁気場を印加することにより、全体的に均一
でかつ微細な球状の組織を有するビレットを容易に得る
ことができる。
【0133】請求項7記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置によれば、請求項1ないし6いずれか
記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効
果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融金属の固相
率が0.001以上0.7以下となるまで電磁気場を印
加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組
織を有するビレットをより容易に得ることができる。
【0134】請求項8記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置によれば、請求項1ないし6いずれか
記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効
果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融金属の固相
率が0.001以上0.4以下となるまで電磁気場を印
加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組
織を有するビレットをより容易に得ることができるか
ら、より望ましい。
【0135】請求項9記載の固液共存状態金属成形用ビ
レットの製造装置によれば、請求項1ないし6いずれか
記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効
果に加え、攪拌部にて第2の筒状部内の溶融金属の固相
率が0.001以上0.1以下となるまで電磁気場を印
加することにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組
織を有するビレットをより容易に得ることができるか
ら、より望ましい。
【0136】請求項1記載の固液共存状態金属成形用
ビレットの製造装置によれば、請求項1ないしいずれ
か記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の
効果に加え、温度調節手段で第2の筒状部内の溶融金属
の温度調節することにより、全体的に均一でかつ微細
な球状の組織を有するビレットをより容易かつ確実に得
ることができる。
【0137】請求項11記載の固液共存状態金属成形用
ビレットの製造装置によれば、請求項10記載の固液共
存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果に加え、温
度調節手段にて固液共存状態金属材料の固相率が0.1
以上0.7以下となるまで冷却することにより、全体的
に均一でかつ微細な球状の組織を有するビレットをより
容易かつ確実に得ることができる。
【0138】請求項1記載の固液共存状態金属成形用
ビレットの製造装置によれば、請求項1または1
載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果
に加え、温度調節手段にて第2の筒状部内の溶融金属を
0.2℃/s以上5.0℃/s以下の速度で冷却するこ
とにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有す
るビレットをより容易かつ確実に得ることができるの
で、より望ましい。
【0139】請求項1記載の固液共存状態金属成形用
ビレットの製造装置によれば、請求項1または1
載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置の効果
に加え、温度調節手段にて第2の筒状部内の溶融金属を
0.2℃/s以上2.0℃/s以下の速度で冷却するこ
とにより、全体的に均一でかつ微細な球状の組織を有す
るビレットをより容易かつ確実に得ることができるの
で、より望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の固液共存状態金属
成形用ビレットの製造装置の溶融金属注湯工程を示す概
略断面図である。
【図2】同上固液共存状態金属成形用ビレットの製造装
置の温度調節手段を示す概略断面図である。
【図3】同上固液共存状態金属成形用ビレットの製造装
置のビレット製造工程を示す概略断面図である。
【図4】同上固液共存状態金属成形用ビレットの製造装
置のビレット吐出工程を示す概略断面図である。
【図5】同上固液共存状態金属成形用ビレットの製造装
置での時間に対する溶融金属の注湯温度を示す二次グラ
フである。
【図6】本発明の固液共存状態金属成形用ビレットの製
造装置の第2の実施の形態のビレット製造工程を示す概
略断面図である。
【符号の説明】
1 攪拌部 21 第1の筒状部としての第1スリーブ 22 第2の筒状部としての第2スリーブ 23 排出口としての吐出口 31 第1の押圧手段としての第1プランジャ 32 第2の押圧手段としての第2プランジャ 41 冷却手段としての冷却装置 44 温度調節手段としての温度調節装置 45 冷却手段としての冷却パイプ 47 加熱手段としての電熱コイル B,B,B 固液共存状態金属成形用ビレットとし
ての半溶融成形用ビレット M 溶融金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−239509(JP,A) 特開2000−312958(JP,A) 特開 平10−305363(JP,A) 特開 平10−314917(JP,A) 特開2000−355206(JP,A) 特開 平11−245012(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 27/02 B22D 1/00 B22D 17/00 B22D 17/30 C22C 1/02 501

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の筒状部と、 この第1の筒状部の軸方向に沿った一端部に対して軸方
    向に沿った一端部が所定の角度を介して回動可能に配設
    されて、この一端部が回動によって前記第1の筒状部の
    一端部に連通され、内部に溶融金属が注湯される第2の
    筒状部と、 この第2の筒状部内に注湯される溶融金属に電磁気場を
    印加するとともに、この電磁気場が印加されている状態
    で前記第2の筒状部内に溶融金属を注湯させる攪拌部
    と、 前記第1の筒状部の軸方向に沿った他端側から進退可能
    に挿入され、前記第2の筒状部内の固液共存状態金属材
    料を押圧して固液共存状態金属成形用ビレットを形成す
    る際に固定される第1の押圧手段と、 前記第2の筒状部の軸方向に沿った他端側から進退可能
    に挿入され、この第2の筒状部の一端側から溶融金属が
    注湯されて収容されるようにこの第2の筒状部の他端側
    を閉塞するとともに、この第2の筒状部内で製造された
    固液共存状態金属材料を押圧して固液共存状態金属成形
    用ビレットを形成する第2の押圧手段とを具備したこと
    を特徴とした固液共存状態金属成形用ビレットの製造装
    置。
  2. 【請求項2】 第1の筒状部に設けられ、この第1の筒
    状部内からビレットを排出する排出口を具備したことを
    特徴とした請求項1記載の固液共存状態金属成形用ビレ
    ットの製造装置。
  3. 【請求項3】 第1の筒状部内のビレットを冷却する冷
    却手段を具備したことを特徴とした請求項1または2記
    載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  4. 【請求項4】 攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属が
    注湯される前から電磁気場を印加することを特徴とした
    請求項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成形
    用ビレットの製造装置。
  5. 【請求項5】 攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属
    注湯されると同時に電磁気場を印加することを特徴とし
    た請求項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成
    形用ビレットの製造装置。
  6. 【請求項6】 攪拌部は、第2の筒状部内に溶融金属を
    注湯しながら電磁気場を印加することを特徴とした請求
    項1ないし3いずれか記載の固液共存状態金属成形用ビ
    レットの製造装置。
  7. 【請求項7】 攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の
    固相率が0.001以上0.7以下となるまで電磁気場
    を印加することを特徴とした請求項1ないし6いずれか
    記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  8. 【請求項8】 攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の
    固相率が0.001以上0.4以下となるまで電磁気場
    を印加することを特徴とした請求項1ないし6いずれか
    記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  9. 【請求項9】 攪拌部は、第2の筒状部内の溶融金属の
    固相率が0.001以上0.1以下となるまで電磁気場
    を印加することを特徴とした請求項1ないし6いずれか
    記載の固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  10. 【請求項10】 第2の筒状部内の溶融金属の温度調
    節する温度調節手段を具備したことを特徴とした請求項
    1ないしいずれか記載の固液共存状態金属成形用ビレ
    ットの製造装置。
  11. 【請求項11】 温度調節手段は、溶融金属の固相率が
    0.1以上0.7以下となるまで冷却することを特徴と
    した請求項10記載の固液共存状態金属成形用ビレット
    の製造装置。
  12. 【請求項12】 温度調節手段は、第2の筒状部内の溶
    融金属を0.2℃/s以上5.0℃/s以下の速度で冷
    却することを特徴とした請求項1または1記載の固
    液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
  13. 【請求項13】 温度調節手段は、第2の筒状部内の溶
    融金属を0.2℃/s以上2.0℃/s以下の速度で冷
    却することを特徴とした請求項1または1記載の固
    液共存状態金属成形用ビレットの製造装置。
JP2003143710A 2003-04-24 2003-05-21 固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置 Expired - Fee Related JP3520992B1 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR2003-25996 2003-04-24
KR1020030025996A KR100436116B1 (ko) 2003-04-24 2003-04-24 반용융 성형용 빌렛의 제조장치

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3520992B1 true JP3520992B1 (ja) 2004-04-19
JP2004322201A JP2004322201A (ja) 2004-11-18

Family

ID=32291834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003143710A Expired - Fee Related JP3520992B1 (ja) 2003-04-24 2003-05-21 固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6942009B2 (ja)
EP (1) EP1470875A1 (ja)
JP (1) JP3520992B1 (ja)
KR (1) KR100436116B1 (ja)
CN (1) CN1539574A (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100690058B1 (ko) 2005-08-26 2007-03-09 부산대학교 산학협력단 전자교반장치를 이용한 수평식 레오로지 소재 제조 자동화장치
KR100740696B1 (ko) 2006-06-30 2007-07-20 강충길 전자교반장치와 진공장치에 의한 레오로지 소재 제조자동화 장치
JP4493704B2 (ja) 2008-06-20 2010-06-30 ダイキン工業株式会社 金型及び成形体製造方法
JP4558818B2 (ja) * 2008-06-27 2010-10-06 ダイキン工業株式会社 半溶融あるいは半凝固成形法および成形装置
KR100999150B1 (ko) 2008-07-15 2010-12-08 현대자동차주식회사 반응고 슬러리 절단이송장치
US8813817B2 (en) * 2012-09-28 2014-08-26 Apple Inc. Cold chamber die casting of amorphous alloys using cold crucible induction melting techniques
JP6187511B2 (ja) * 2015-03-12 2017-08-30 トヨタ自動車株式会社 ダイカスト鋳造用射出装置
CN113634724B (zh) * 2020-05-10 2022-11-18 昆山祁御新材料科技有限公司 超细高纯金属坯料制备方法与装置
CN113564390B (zh) * 2021-06-17 2022-02-22 机械科学研究总院(将乐)半固态技术研究所有限公司 一种铝合金半固态浆料的制备方法及其压铸方法
CN115106510A (zh) * 2022-08-30 2022-09-27 海门市刘氏铸造有限公司 一种压铸机的锁模机构

Family Cites Families (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2932865A (en) * 1957-01-23 1960-04-19 Nat Lead Co Cold chamber shot end with loose piece arrangement
US3948650A (en) 1972-05-31 1976-04-06 Massachusetts Institute Of Technology Composition and methods for preparing liquid-solid alloys for casting and casting methods employing the liquid-solid alloys
US4229210A (en) * 1977-12-12 1980-10-21 Olin Corporation Method for the preparation of thixotropic slurries
US4465118A (en) 1981-07-02 1984-08-14 International Telephone And Telegraph Corporation Process and apparatus having improved efficiency for producing a semi-solid slurry
US4694881A (en) 1981-12-01 1987-09-22 The Dow Chemical Company Method for making thixotropic materials
FR2665654B1 (fr) 1990-08-09 1994-06-24 Armines Machine de coulee sous pression d'un alliage metallique a l'etat thixotropique.
JP2798105B2 (ja) 1992-02-14 1998-09-17 松下電器産業株式会社 誘電体磁器組成物及び積層型マイクロ波デバイス
JPH06251148A (ja) 1993-02-26 1994-09-09 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 輪郭抽出方法
JP2538753B2 (ja) 1993-08-27 1996-10-02 財団法人地球環境産業技術研究機構 脂肪酸の抽出方法
DE4426451C2 (de) 1994-07-26 1998-07-16 Siemens Ag Röntgendiagnostikeinrichtungen mit einem Festkörperbildwandler
JP3000442B2 (ja) 1995-12-14 2000-01-17 本田技研工業株式会社 チクソキャスティング法
JPH1133692A (ja) 1997-07-24 1999-02-09 Ahresty Corp 半凝固鋳造用金属スラリーの作製方法
JP3406780B2 (ja) 1996-08-08 2003-05-12 株式会社東芝 冊子処理装置および冊子処理方法
JPH10126671A (ja) 1996-10-21 1998-05-15 Fuji Photo Optical Co Ltd レンズ制御装置
JP3676003B2 (ja) 1996-10-22 2005-07-27 ホリゾン・インターナショナル株式会社 製本処理装置
JP3491468B2 (ja) 1996-10-25 2004-01-26 宇部興産株式会社 半溶融金属の成形方法
US5787959A (en) 1996-12-02 1998-08-04 General Motors Corporation Gas-assisted molding of thixotropic semi-solid metal alloy
JP2838704B2 (ja) 1997-02-27 1998-12-16 有限会社サンキ アルミニウム用ホットチャンバーダイカストマシン
JPH10283947A (ja) 1997-04-08 1998-10-23 Toshiba Corp 複電子銃式受像管および画像表示装置
JP3682150B2 (ja) 1997-05-16 2005-08-10 文化シヤッター株式会社 耐火スクリーン装置
JPH10317313A (ja) 1997-05-19 1998-12-02 Howa Mach Ltd 転圧ローラ
JP3942234B2 (ja) 1997-05-28 2007-07-11 ヤマハマリン株式会社 船外機用エンジンの排気装置
JP3539852B2 (ja) 1997-11-21 2004-07-07 新電元工業株式会社 スイッチング電源
JPH11160487A (ja) 1997-11-27 1999-06-18 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd X線検査装置
JP3488067B2 (ja) 1997-12-04 2004-01-19 オークマ株式会社 被測定物の寸法決定方法
JP4006806B2 (ja) 1998-01-19 2007-11-14 トヨタ紡織株式会社 積荷による衝撃エネルギを吸収するシートバックフレーム
US6079477A (en) 1998-01-26 2000-06-27 Amcan Castings Limited Semi-solid metal forming process
JP2000111666A (ja) 1998-10-07 2000-04-21 Seiko Corp 熱発電式腕時計用ケース
US6845809B1 (en) * 1999-02-17 2005-01-25 Aemp Corporation Apparatus for and method of producing on-demand semi-solid material for castings
US6432160B1 (en) * 2000-06-01 2002-08-13 Aemp Corporation Method and apparatus for making a thixotropic metal slurry
US6742567B2 (en) * 2001-08-17 2004-06-01 Brunswick Corporation Apparatus for and method of producing slurry material without stirring for application in semi-solid forming

Also Published As

Publication number Publication date
EP1470875A1 (en) 2004-10-27
JP2004322201A (ja) 2004-11-18
KR100436116B1 (ko) 2004-06-16
US20040211539A1 (en) 2004-10-28
CN1539574A (zh) 2004-10-27
US6942009B2 (en) 2005-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3549055B2 (ja) 固液共存状態金属材料成形用ダイカスト方法、その装置、半凝固成形用ダイカスト方法およびその装置
JP3630327B2 (ja) 固液共存状態金属スラリの製造装置
JP3630328B1 (ja) 固液共存状態金属材料製造装置
JP3549054B2 (ja) 固液共存状態金属材料の製造方法、その装置、半凝固金属スラリの製造方法およびその装置
JP3520994B1 (ja) 固液共存状態金属スラリの製造装置
JP3511378B1 (ja) 固液共存状態金属成形用ビレットの製造方法、その装置、半溶融成形用ビレットの製造方法およびその装置
KR100434999B1 (ko) 반용융 성형용 빌렛의 제조방법 및 그 제조장치
JP3520992B1 (ja) 固液共存状態金属成形用ビレットの製造装置
JP3520993B1 (ja) 固液共存状態金属材料の成形装置
JP3520991B1 (ja) 固液共存状態金属材料の製造方法
JP2005279766A (ja) 固液共存状態金属スラリの製造方法およびその製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040128

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees