JP2003532606A - ランプガラス球用の熱的に高負荷可能なアルミノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラス及びその使用 - Google Patents

ランプガラス球用の熱的に高負荷可能なアルミノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラス及びその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ランプ、特に５５０℃を上回り７００℃までのガラス球温度でのハロゲン再生サイクルを有するランプ用の外殻としてのランプガラス球の形の、モリブデン−ガラス−融解物用のアルミノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラスに関する。意外なことに、かつ現在の見解に反して、０．０２５〜０．０４２質量％の含水量を有するアルミノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラスがハロゲンランプガラスの要求を満たし、かつ５５０〜７００℃のガラス球温度でハロゲンサイクルプロセスのためのこれらの不純物からの欠点を示さないことが見出された。０．０２５〜０．０４２質量％の含水量を有するガラス中で、含水量は、ハロゲン化タングステンの形成と分解との間の平衡妨害の範囲内で、不純物として作用しない。ランプのガラス球内面の黒化は、本質的により僅かな含水量を有する管球ガラスに比べて、生じないか又はそれほどひどく生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、ランプ用、特に、５５０℃を上回り７００℃までのガラス球温度で
のハロゲン再生サイクルを有するランプ用の外殻としての、ランプガラス球の形
のモリブデン−ガラス−融解物のためのアルミノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラ
ス(Alumoerdalkalisilikatglas)に関する。
【０００２】 ハロゲンランプ中のハロゲン再生サイクルの安定性が、ハロゲンランプの目標
寿命の達成のための必要条件であることは公知である。これにとっては、ハロゲ
ン化タングステンの形成及び分解の平衡の維持が決定的に重要である。ハロゲン
サイクルの妨害は、とりわけ、ガラス並びにらせん−及び導入線材料(Wendel−
und Drahtdurchfuehrungsmaterial)中の極少量の不純物によるものでありうる。
これらの不純物は、とりわけ、高いランプ温度、しかしまたタングステンらせん
のエネルギーに富んだ放射に基づき、ハロゲンサイクルを弱めうるので、金属タ
ングステンがガラス球内側に黒色沈積物として形成される。ひいては、ランプの
効率及び光透過率が弱まる。確かなものとして、特にアルカリイオンが、ハロゲ
ンサイクルにそのように妨害作用を及ぼすことは公知である。それゆえ、大規模
に製造されるハロゲンランプガラスは、実際にはアルカリ不含であり、このこと
は最近では、安定化成分によりその作用を部分的に補償することができない限り
、アルカリ酸化物含量（Ｒ２Ｏ）＜０．０３質量％を意味する。負に作用するア
ルカリイオンに加えて、例えばＨ２、ＯＨ-、ＣＯ及びＣＯ２のような成分も、
攻撃作用、即ちサイクルプロセスの妨害の原因であるとみなされる。
【０００３】 EP 0 913 365及びDE 197 47 354では、ランプの黒化を防止するために、それ
ゆえ含水量を＜０．０２質量％に限定している。
【０００４】 EP 0 913 366及びDE 197 58 481では、含水量を同じように＜０．０２質量％
に限定している、それというのも、同様に、ハロゲンサイクルプロセスへの妨害
作用は、水若しくは水素イオンに原因があるとみなされるからである。
【０００５】 WO 99/14794では、含水量を同様に＜０．０２質量％に限定している。
【０００６】 US 4,163,171には、ハロゲンランプガラスに非典型的なガラス組成（ＳｉＯ２ が５０．０質量％、Ｐ２Ｏ５が４．８質量％及びＡｌ２Ｏ３が１９．２質量％）
が含まれており、その際、ＣＯ−及びアルカリ含量が、実際にはゼロに、かつ含
水量が、０．０３質量％未満に限定されている。この組成タイプのガラスは、ハ
ロゲンランプガラスとして実際には使用されていない。
【０００７】 ハロゲンランプに使用された及び使用される多数の硬質ガラス、例えばGEの18
0、Corningの1720、1724及び1725並びにSchottの8252及び8253のガラスは、０．
０２５質量％未満、部分的に０．０２質量％未満の含水量を有する。これらのガ
ラスは、第１表による組成範囲内である。
【０００８】
【表２】
【０００９】 前記特許におけるハロゲンランプガラスの典型的な組成は、第２表の範囲内で
ある。
【００１０】
【表３】
【００１１】 限界値、特に低い含水量を厳守することは、使用される原料並びにガラス溶融
プロセスに、例えば −乾燥した原料及びカレットの使用、 −水不含の原料、 −装置工学のための技術上、ひいては財政上高められた費用、及び融液を越える
低い水蒸気分圧での１６００℃を上回る溶融温度を達成するためのガラス溶融設
備の運転 のような多大な要求を突きつける。
【００１２】 現在及び将来、ハロゲンランプ用のガラスの莫大な需要が存在する。
【００１３】 それゆえ、本発明の課題は、経済的により有利に製造可能であり、かつランプ
、特にハロゲンランプに使用するのを可能にするガラスの創造にある。
【００１４】 意外なことに、かつ現在の見解に反して、０．０２５〜０．０４２質量％の含
水量を有するアルミノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラスが、ハロゲンランプガラ
スの要求を満たし、かつ５５０〜７００℃のガラス球温度でのハロゲンサイクル
プロセスにこれらの不純物からの欠点を示さないことが見出された。０．０２５
〜０．０４２質量％の含水量を有するガラスにおいて、含水量は、ハロゲン化タ
ングステンの形成と分解との間の平衡妨害の範囲内で不純物として作用しない。
ランプのガラス球内面の黒化は、本質的により僅かな含水量を有する管球ガラス
に比べて生じないか又はそれほどひどく生じない。
【００１５】 本発明は、タングステンハロゲン電球におけるランプガラス球に必要な性質、
例えば −導入線材料としてのモリブデンの使用及びガラス中の熱膨張係数を越えて達成
すべき圧縮応力、 −上のランプ温度を制限するガラスの高い熱軟化： α２０−４００℃ ４．４−４．８＊１０- ６Ｋ- １ Ｔｓｔｒ ６６５−７３０℃ Ｔｓｏｆｔ ９２５−１０２０℃ を有する全てのアルミノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラスを包含する。
【００１６】 本発明の好ましい実施態様において、アルミノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラ
スは、次のように構成されている（質量％）：
【００１７】
【表４】
【００１８】 本発明によるガラスは、５５０〜７００℃のガラス球の温度範囲内のハロゲン
ランプにおける使用を可能にし、水の少ないガラスに比べてハロゲンサイクルに
不純物、例えば水からの欠点を示さず、かつ製造において、これまでの商業的に
適したガラスに対して経済的な利点を有する。
【００１９】 アルミノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラスへの含水量の影響に対する調査は、
意外なことに、次の結果を示した： −管成形範囲内の加工温度に比較して組成範囲内の平均して１０〜１５Ｋだけの
液相温度の低下。
【００２０】 −加工範囲内の粘性温度の維持の際に平均して６〜１４Ｋだけの１０１３．０〜
１０１４．５の粘度範囲内の粘性温度の低下。
【００２１】 −融解及び溶融の際の火炎中のガラスの融解挙動の改善。
【００２２】 これらの結果から、ハロゲンランプガラスの大規模な製造に余り些細ではない
経済的な利点が導き出されうる。このことは、 −ハロゲンランプガラスのガラス融液のためのエネルギー効果のある溶融法、例
えば著しい生成物特有の省エネルギーを有する“酸素燃料溶融装置(oxy-fuel-me
lter)”の使用、 −ガラス溶融設備の耐火性材料の摩滅の低下と同時にガラス融液のための溶融温
度の低下による省エネルギー、 −加工温度に対する液相温度の低下のために管成形の間のガラスの結晶化の完全
な回避によるガラス管製造の際の収量増大、 −含水ガラス原料の使用、 −ガラスの“より急勾配の”温度−粘度−経過のためのランプ製造の際の加工速
度の増大 である。
【００２３】 次の実施例に基づいて、本発明はより詳細に説明される： 直接の使用を保証するために、実施例のガラスを、３．５ｔ入るガラス溶解窯
中で溶融し、かつ引き続き管に引き伸ばした。ガラス溶解窯は、組み合わされた
ガス−酸素−若しくはガス−空気−加熱を備えていたので、ガス−酸素−又はガ
ス−空気−加熱並びに加熱中の組合せ変法が可能であった。従って、ガラスの含
水量を、炉雰囲気の分圧に関して変化させかつ調節することが可能であった。
【００２４】 原料として、石英粉末、酸化アルミニウム、含水礬土（Tonerdehydrat)、ホウ
酸、炭酸カルシウム、炭酸バリウム及び炭酸ストロンチウム、酸化マグネシウム
、ケイ酸ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化セリウムを使用した。原
料は、低アルカリであり、かつ工業用純度を有していた。含水原料、例えば水酸
化アルミニウムを、ガラスの含水量を付加的に制御するために、導入した。乾燥
したか若しくは湿った、原料及びカレットを使用した。
【００２５】 ガラス溶解窯は、付加的に、水蒸気を直接ガラス融液中へ吹き込むための補助
装置；ガラスの含水量を変更するための別の可能性を有している。
【００２６】 従って、 −ガラス組成、 −含水量及び −溶融条件、例えば溶融温度及び溶融時間を本発明の対象の範囲内で変更するこ
とが可能であった。
【００２７】 ガラスを、１６００〜１６６０℃の温度で溶融し、清澄化し、かつ均質化した
。これから製造された管は、ガラス欠陥不含であり、かつランプ製造のための寸
法に相当していた。管から、ハロゲンランプを製造し、かつ点灯期間試験にかけ
た。電極材料は、ハロゲンサイクルプロセスへのその影響を取り除くために、原
則として灼熱した。
【００２８】 溶融した実施例のガラス（Ａ）のガラス組成及び重要なガラスの性質を、公知
の水の少ないガラス（Ｖ）と比較した。比較値は、第３表に挙げられている。
【００２９】
【表５】
【００３０】 第３表から分かるように、様々に構成されたガラスは、ランプ中の最大限許容
されるガラス球温度に関して異なる浸漬軟化挙動を有する。それゆえ、高負荷ラ
ンプを、高軟化ガラスから、及び通常負荷ランプを、低い軟化温度を有するガラ
スから製造した。ハロゲンランプの点灯期間試験の結果において、黒化（ガラス
球内面の斑点形成）及び光束損失を評価した。点灯期間は、ランプタイプに応じ
てそれぞれ１３５〜７２０時間であった。結果は第４表に表されている。
【００３１】
【表６】
【００３２】 ハロゲンランプ試験の結果を確かなものにするために、続行して試験を実施し
た： −ガラスのガラス含量の測定のための９００−１６００℃の温度範囲内の高真空
ガス放出試験及び −全含水量と比較した百分率の、真空下の応力緩和温度Ｔｓｔｒ以下でのガラス
の水放出の測定（ＩＲ−分光法）。
【００３３】 結果は第５表に表されている。
【００３４】
【表７】
【００３５】 結果は、絶対に高真空下のガス放出の際並びにＴｓｔｒでの水放出の際に、多
少の含水量を有するガラスの場合の著しい差異が存在しないことを示している。
結果は、傾向に従いハロゲンランプの寿命結果と一致している。高含水ガラスの
水放出（０．０２５−０．０４２質量％）は、本質的に少ない含水量を有するガ
ラスの場合よりも大きくない。同じことがガラスの全ガス放出に当てはまる。ハ
ロゲンランプの点灯期間試験の結果は、多少高い含水量を有するガラスの使用の
著しい差異は、寿命（沈殿物、光束低下、黒化）に関して存在しないことを示し
ている。より多い含水量及びハロゲンランプの使用におけるその証明された適性
を有するガラスの使用と共に、ガラス、ガラス管及びハロゲンランプの製造にお
ける前記の経済的な利点が完全に利用されうる。このことは、幅広く保護される
組成範囲内のガラスに関連している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＯ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ハンス−ユルゲン ベルクマン ドイツ連邦共和国 ヴァイスヴァッサー ローザ−ルクセンブルク−シュトラーセ 13 Ｆターム(参考） 4G062 AA03 BB01 DA06 DB04 DC01 DC02 DC03 DD01 DE01 DE02 DF01 EB01 EC01 ED01 ED02 ED03 EE03 EE04 EF01 EF02 EF03 EG03 EG04 FA01 FA10 FB01 FB02 FC01 FC02 FC03 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 FL02 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM24 NN34

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 タングステンハロゲン電球のためのランプガラス球用のアル
    ミノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラスにおいて、 ０．０２５〜０．０４２質量％の含水量を有していることを特徴とする、アルミ
    ノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラス。
  2. 【請求項２】 次のガラス組成（質量）： 【表１】 を有している、請求項１記載のアルミノアルカリ土類金属ケイ酸塩ガラス。
  3. 【請求項３】 ５５０℃を上回り７００℃までの温度を有するタングステン
    ハロゲン電球用のランプガラス球としての、請求項１又は２記載のガラスの使用
    。
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