JP2003530526A - オーバーモールドモータベアリング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 電気モータとともに使用されるオーバーモールドモータベアリング（１０）が提供される。従来のボールベアリング（１２）は、ベアリング上に直接成形されたゴム状スリーブ（２０）を有し、それにより、ベアリングおよび絶縁ゴムスリーブがユニタリサブアセンブリを形成する。従来のボールベアリングを射出生成機のモールドに直接的に挿入することによって、ベアリングサブアセンブリは形成される。重要なことは、ベアリングを包むゴム状材料は、外部ベアリングレース（１６）の周囲に、ベアリングの側面に沿って広がる。好適な実施形態において、ベアリングをモールドに挿入する場合、ベアリングのいずれの面にも分離したナイロン座金（２２）が搭載される。次いで、ゴム状材料は、外部ベアリングレースの周囲に射出成形され、ナイロン座金を捕捉する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （本発明の背景および要旨） 本発明は、電気動力デバイスのためのベアリングに関し、より詳細には、適用
可能な安全規格を満たす２重絶縁された動力ツール内のモータのアーマチュアシ
ャフトを支持するベアリングに関する。

【０００２】 動力ツールのための従来のモータベアリングは、一般的には、動力ツールハウ
ジングにベアリングを挿入する前に、ゴムブーツまたはスリーブに挿入される。
ゴムブーツは、２つのおもな機能を行なう。（ｉ）モータの金属構成要素を収容
し、モータの金属構成要素に隣接する動力ツールからモータアーマチュアシャフ
トを電気的に絶縁し、（ｉｉ）モータの振動減衰を提供する。しかしながら、モ
ータベアリングのゴム状スリーブへの搭載は、時間のかかる手動プロセスである
。したがって、モータアーマチュアシャフトを直接的に搭載することが可能なユ
ニタリベアリングアセンブリを提供することが望ましい。

【０００３】 本発明は、従来のボールベアリングが、ベアリング上に直接的に成形されたゴ
ム状スリーブを有することにより、ベアリングおよび絶縁ゴムブーツはユニタリ
サブアセンブリを形成することを提案する。この目的を達成するために、ベアリ
ングはモールドに直接的に挿入され、ゴム状材料はベアリングの周囲に射出成形
される。重要なことは、ベアリングを包むゴム状材料は、外部ベアリングレース
の周囲に、ベアリングの側面に沿って広がっている。好適な実施形態において、
ベアリングをモールドに挿入する場合、ベアリングのいずれの面にも分離したナ
イロン座金が搭載される。次いで、ゴム状材料は、外部ベアリングレースの周囲
に射出成形され、ナイロン座金を捕捉する。したがって、好適な実施形態では、
ベアリングの側面上のベアリングシールドが、ベアリングシールドを変形し、そ
れにより、損傷し得る、モールド内の射出成形圧力を受けることを防ぐ。

【０００４】 （好適な実施形態の詳細な説明） 図１を参照して、本発明による第１の実施形態のモータベアリングアセンブリ
１０の断面図を示す。モータベアリングアセンブリ１０は、内部レース１４と、
外部レース１６と、その間に捕捉される複数のボール１８とを有する一般的なボ
ールベアリングサブアセンブリ１２を含む。ベアリング１２の内部レース１４は
、モータ（図示せず）のアーマチュアシャフトにはまるように適合され、ベアリ
ングアセンブリ全体は、ツールハウジングに搭載されるように意図され、それに
より、モータのアーマチュアシャフトは、ツールハウジングに対して回転的に支
持される。集積モールドスリーブまたはブーツ２０は、外部ベアリングレース１
６を包み、ベアリング１２の側面に沿って広がり、集積モールドスリーブまたは
ブーツ２０は、好適な実施形態においては、合成ゴム材料からなる。ゴムブーツ
２０は、射出成形機の適切な形状のモールドに直接的にベアリングを挿入するこ
とによって、ベアリング１２の周囲に形成される。モールドに注入された合成ゴ
ム化合物は図示されるようにベアリングを包み、その結果生じるベアリングアセ
ンブリは、ユニタリアセンブリを含む。そのユニタリアセンブリは、モータアー
マチャシャフト上にあり、ツールハウジング内のベアリングのアセンブリ効率を
向上させる。

【０００５】 重要なことに、オーバーモールドゴム状材料は、ベアリング側面に沿ってベア
リングの周囲に形成され、それにより、ベアリング１２の内部レース１４に実質
的に広がる。これは、ベアリングアセンブリが２重絶縁電気機器（例えば、動力
ツール）に対して適用可能な安全規格を満たすことが確実であることを必要とす
る。図示されるように、ゴムオーバーモールド２０がベアリング１２の側面に沿
って広がるために、ベアリングの側面が、射出成形プロセスに関連する内部成形
圧力に曝されることが必要である。ボールグリースを内部に保持し、ほこりおよ
び破片を外部にだすように、内部レース１４と外部レース１６との間のベアリン
グシールドを有するモータベアリングに対して、射出成形プロセスの圧力は、ベ
アリングシールドを損傷し得る。

【０００６】 この潜在的な問題に対処するために、本発明の代替の実施形態のオーバーモー
ルドベアリングアセンブリ１０’を図２に示す。図２に示される実施形態におい
て、オーバーモールドゴム状材料２０は、ベアリングのいずれもの側部上に配置
される対の可塑性座金２２を捕捉するのに十分な長さで、外部レース１６の側部
の周囲にのみ広がる。好適には合成硬質可塑性材料（例えば、ナイロン）から形
成される可塑性座金２２は、外部レース１６の直径に実質的に等しい外径と、ベ
アリング１２の内部レース１４にまで実質的に広がる動径寸法とを有する。ベア
リングアセンブリ１０’を製造するために、可塑性座金２２は、モールド内に位
置する場合、ベアリング１２のいずれもの側部に配置される。次いで、合成ゴム
化合物２０は、ベアリング１２の周囲に成形され、外部レース１６を完全にカバ
ーし、座金２２を捕捉し、所定の位置にそれらを保持する。有意なことには、本
実施形態において、オーバーゴムモールドゴム材料が、ベアリング１２の側面に
沿って著しく広がる必要はない。したがって、ベアリングシールドは、モールド
の内部圧力を受けず、したがって、損傷から保護される。それにもかかわらず、
可塑性座金２２は、２重絶縁電気機器に対して適用可能な安全規格を満たすため
に必要とされるように、モータの周囲の金属構成要素からベアリングの側面を電
気的に絶縁するように機能する。

【０００７】 図３を特に参照して、モータ２４のアーマチュアシャフト２６上に配置される
ベアリングアセンブリ１０’の拡大断面図を示す。図面において示されているよ
うに、可塑性座金２２の存在により、モータベアリング１２とモータ２４の隣接
整流子バー２８との間の空気を通る必要電流経路が、２重絶縁電気機器に対して
適用可能な安全規格を満たすことが確実になる。好適な実施形態において、３２
で示される絶縁スリーブなしの電流経路は、適切には、５ｍｍである。一方、３
４で示される本発明によるオーバーモールドベアリングアセンブリの電流経路は
、公知のＵ．Ｌ．規格によって必要とされる８ｍｍを越える。上記説明は、Ｕ．
Ｌ．安全規格を参照して提供されたが、本発明において具体化された原理を用い
て、さまざまな適用可能な安全規格を満たすことができることは容易に理解され
る。

【０００８】 したがって、電気モータのアーマチャシャフトを回転的に支持する一体化した
オーバーモールドベアリングアセンブリが、２重絶縁電気機器の安全要件を満た
すために、ベアリング上に分離したゴムブーツを搭載する必要性を取り除くこと
を示していることが認識される。さらに、ベアリングアセンブリは、一体化した
オーバーモールドゴム状ブーツを含むので、ベアリング上に分離したブーツを搭
載して、ベアリングが、ベアリングをツールハウジング内に組み立てる間ブーツ
から分離されるようになることを防ぐというアセンブリ問題を避ける。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、本発明によるベアリングアセンブリの第１の実施形態の断面図である
。

【図２】 図２は、本発明によるベアリングアセンブリの第２の好適な実施形態の断面図
である。

【図３】 図３は、図２に示され、モータのアーマチュアシャフトの端部に図示されたベ
アリングアセンブリの好適な実施形態の拡大部分断面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 3J017 AA01 CA06 3J101 AA03 AA42 AA62 BA54 BA56 DA05 EA36 EA49 FA11 GA24 5H605 AA13 BB05 BB09 CC04 EB10 EB18 FF08 GG18 5H615 AA01 BB01 BB04 PP25 SS44 TT33

Claims (14)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オーバーモールドモータベアリングを製造するための方法で
   あって、 外部レースと、内部レースと、該外部レースと該内部レースとの間に捕捉され
   る複数のボールとを有するボールベアリングサブアセンブリを提供するステップ
   と、 射出成形機のモールドにボールベアリングサブアセンブリを配置するステップ
   と、 絶縁スリーブが該外部レースを包み、該ボールベアリングサブアセンブリの各
   側部の一部に沿って広がるように該モールドに絶縁材料を注入し、それにより、
   オーバーモールドモータベアリングを形成するステップと を包含する、方法。
2. 【請求項２】 前記絶縁スリーブは、前記ベアリングサブアセンブリの前記
   内部レースにまで前記側面に実質的に沿って広がる、請求項１に記載の方法。
3. 【請求項３】 前記絶縁材料を注入する前に、絶縁座金を前記ベアリングサ
   ブアセンブリの各側面に隣接して位置付け、前記モールドに絶縁材料を注入し、
   それにより、前記絶縁スリーブは前記外部レースと該座金の少なくとも一部とを
   包むステップをさらに包含する、請求項１に記載の方法。
4. 【請求項４】 前記絶縁座金の各々は、前記外部レースの直径に実質的に等
   しい外径と、前記ベアリングサブアセンブリの前記内部レースにまで実質的に広
   がる動径寸法とを含む、請求項３に記載の方法。
5. 【請求項５】 電気モータを組み立てるための方法であって、 ボールベアリングサブアセンブリを射出成形機に配置するステップであって、
   該ボールベアリングサブアセンブリは、外部レースと、内部レースと、該外部レ
   ースと該内部レースとの間に捕捉される複数のボールとを有し、該内部レースは
   該電気モータのアーマチュアシャフトにはまるように適合される、ステップと、 該ボールベアリングサブアセンブリに絶縁スリーブを成形し、それにより、該
   絶縁スリーブは、該外部レースを包み、該ボールベアリングサブアセンブリの側
   面の一部に沿って広がるステップと、 該ベアリングサブアセンブリの内部レースを該電気モータの該アーマチュアシ
   ャフトにはめるステップと を包含する、方法。
6. 【請求項６】 前記絶縁スリーブは、前記ベアリングサブアセンブリの前記
   内部レースにまで前記側面に実質的に沿って広がる、請求項５に記載の方法。
7. 【請求項７】 前記絶縁スリーブを成形する前に、絶縁座金を前記ベアリン
   グサブアセンブリの各側面に近接して位置付け、次いで、絶縁スリーブを成形し
   、それにより、該絶縁スリーブは、該座金の少なくとも一部を包む、請求項５に
   記載の方法。
8. 【請求項８】 前記絶縁座金の各々は、前記外部レースの直径に実質的に等
   しい外径と、前記ベアリングサブアセンブリの前記内部レースにまで実質的に広
   がる動径寸法とを含む、請求項７に記載の方法。
9. 【請求項９】 前記電気モータを電気動力ツールに配置するステップをさら
   に包含する、請求項５に記載の方法。
10. 【請求項１０】 電気モータとともに使用されるオーバーモールドモータベ
    アリングであって、 外部レースと、内部レースと、該外部レースと該内部レースとの間に捕捉され
    る複数のボールとを有するボールベアリングサブアセンブリと、 該ボールベアリングサブアセンブリに一体的にオーバーモールドされる絶縁ス
    リーブであって、該絶縁スリーブは、該外部レースを包み、該ボールベアリング
    サブアセンブリの側面の一部に沿って広がる、絶縁スリーブと を備える、オーバーモールドモータベアリング。
11. 【請求項１１】 前記絶縁スリーブは、前記ベアリングサブアセンブリの前
    記内部レースにまで実質的に前記側面に沿って広がる、請求項１０に記載のモー
    タベアリング。
12. 【請求項１２】 前記ベアリングサブアセンブリの各側面に隣接する絶縁座
    金であって、それにより、前記絶縁スリーブは、該座金の少なくとも一部を包む
    、請求項１０に記載のモータベアリング。
13. 【請求項１３】 前記絶縁座金の各々は、前記外部レースの直径に実質的に
    等しい外径と、前記ベアリングサブアセンブリの前記内部レースにまで実質的に
    広がる動径寸法とを含む、請求項１１に記載のモータベアリング。
14. 【請求項１４】 前記電気モータのアーマチャシャフトにはめられ、該電気
    モータは電気動力ツールに組み込まれる、請求項１０に記載のモータベアリング
    。