JPH1130239A - 電食防止転がり軸受 - Google Patents
電食防止転がり軸受Info
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- JPH1130239A JPH1130239A JP10075096A JP7509698A JPH1130239A JP H1130239 A JPH1130239 A JP H1130239A JP 10075096 A JP10075096 A JP 10075096A JP 7509698 A JP7509698 A JP 7509698A JP H1130239 A JPH1130239 A JP H1130239A
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Abstract
の手段に代えて外輪の外径面と内輪の内径面のいずれか
一方あるいは双方及び少なくとも該軌道輪の一方の側面
を被うように絶縁層を形成することで、軸受内に流れる
電流値を最小限に抑えた電食防止転がり軸受を提供する
ことである。 【解決手段】 外輪外径面2a及び側面2bに絶縁層5
を形成し、該絶縁層5がシール6と一体的に形成され、
該絶縁層5が誘電率7(1kHz)以下となる熱可塑性
エラストマにより形成されている。
Description
て速度制御されるファンモータに使用され、電食防止が
図り得る転がり軸受の改良に関する。
ともいう)に組み込まれる転がり軸受(以下、単に軸受
ともいう)は、外輪がハウジングに内輪がモータのロー
タ軸にそれぞれすきま嵌め又は締まり嵌めされて取り付
けられる。締まり嵌めされるものはいうまでもないが、
すきま嵌めされる場合も、軸受の剛性を高めて振動を防
止するなどの目的で内輪または外輪の側面を間座等を介
して押圧することにより軸受に予圧がかけられるため
に、外輪とブラケット、及び内輪とロータ軸とはそれぞ
れ電気的に導通状態になる。
めに回転数を可変できるインバータを介して速度制御さ
れる場合が増えてきている。その場合、インバータのキ
ャリア周波数を高く設定することによってスイッチング
によるモータ騒音を低減することができ、また半導体素
子の性能向上、回路技術の向上によりキャリア周波数を
高く設定することが可能となってきたこともあって、イ
ンバータのキャリア周波数は高く設定されるようになっ
てきている。
タに発生する軸電圧が増加し、ロータ軸とハウジング間
ひいては軸受の内外輪間に電位差が生じることにより軸
受内に転動体を経て電流が流れ、その結果、内外輪の軌
道面もしくは転動体の転動面に電食を生じる可能性が増
加してきている。
タに電食のおそれがあるときには、次のような対策がと
られている。 電気的ブラシを設置することが可能な場合は、ロータ
軸に電気的ブラシを接触させてロータ軸とハウジングと
を等電位に保ち、軸受の内外輪に電流が流れることを防
止する。 または、軸受に電気的導通性を付与したグリースを封
入することにより、軸受の内外輪間を等電位に保ち電流
が流れることを防止する。 または、軸受に基油粘度の高いグリースを封入して、
軸受外輪と転動体、及び軸受内輪と転動体との間に形成
される油膜厚さを厚くすることにより、内外輪を電気的
に絶縁させる。
従来の電食防止対策には、それぞれに以下のような問題
点があった。
ロータ軸の一端はハウジング内に収納されて電気的ブラ
シ設置のスペースが無く、またロータ軸の他端には合成
樹脂などの絶縁物で形成されたファンが取付けられるの
で、ロータ軸に電気的ブラシを接触させることが困難な
場合が多く、実際問題としてファンモータに電気的ブラ
シを設置することは不可能なことが多い。
あったとしても、当該ブラシの摩耗粉がファンモータか
ら排出されて空気中に塵埃として放出されるという不具
合がある。このことは、例えば電気的ブラシを設置した
ファンモータをクリーンルームに使用した場合には致命
的な欠陥となってしまうため、実用に供することはでき
ない
ついては、当該グリースはカーボン粒子のような電気良
導体を含有させてあるために、軸受の回転騒音が通常の
グリースに比べて大きくならざるを得ない。また、こう
した高価な特殊グリースを使用すると軸受のコストアッ
プになるという弊害もある。
は、当該グリースの粘度に起因する軸受トルクの増大に
より温度上昇が引き起こされる不具合、及び軸受の内外
輪間を通過する電流が周波数の高い交流であるとする
と、油膜厚さ程度の間隙では電流が導通してしまうおそ
れがあるという不具合がある。また、封入したグリース
の経時劣化もしくは異物のグリース内侵入により油膜形
成状態が変動し、そのため電気的に導通状態と絶縁状態
とが交互に起きて電食が発生する可能性もあり、完全な
対策とはなり得ない。
題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、電気的ブラシの設置や特殊なグリース封入等の手段
に代えて外輪の外径面と内輪の内径面のいずれか一方あ
るいは双方及び少なくとも該軌道輪の一方の側面を被う
ように絶縁層を形成することで、軸受内に流れる電流値
を最小限に抑えた電食防止転がり軸受を提供することを
目的とする。
に本発明がなした技術的手段は、外輪の外径面と内輪の
内径面のいずれか一方又は双方およびこれら外輪、内輪
の少なくとも一方の側面に絶縁層を形成し、該絶縁層が
シールと一体的あるいは別体的に形成されているもので
あって、絶縁層が誘電率7以下の合成樹脂、熱可塑性エ
ラストマ、あるいは合成ゴムの何れかから形成したこと
である。これにより、軸受とハウジングとが電気的に絶
縁されている。
軸電圧が生じても、軸受の内外輪間には電位差はほとん
ど生じることがない。したがって、軸受の内外輪間に流
れる電流値を最低限に抑えることになり、内外輪の軌道
面あるいは転動体の転動面の電食を防止することができ
る。
ストマの弾性を利用して運転時に生じる軸方向伸縮の吸
収も可能となると共に、線膨張の大きいゴムあるいは熱
可塑性エラストマを用いることでクリープ発生も防止可
能である。
ストマ、あるいは合成ゴムで、例えば耐油性や耐熱性を
考慮して選定し、ゴムとしてはアクリルゴム、アクリロ
ニトリルブタジェンゴム(NBR)、フッ素ゴム、水素
添加アクリロニトリルブタジェンゴム(H−NBR)、
熱可塑性エラストマとしてはポリエステル系エラスト
マ、ポリアミド系エラストマ、合成樹脂としてはポリフ
ェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(P
A)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等から適
宜選択する。
慮すると、一定レベル以上の耐熱性と耐油性を有し、ま
た低コストである必要があり、絶縁層として用いること
のできる材料(合成樹脂、熱可塑性エラストマ、合成ゴ
ム)の誘電率は、周波数1kHzで7以下、より好まし
くは5以下である。
流れる電流値が高くなり、電食が発生する。また、軸受
の内外輪間を通過する電流が周波数の高い交流であると
すると、流れる電流値は小さくなるものの、電流が流れ
て結果的には電食が発生して、軸受の回転による騒音レ
ベルが大きくなるものも材質によってある。
ある。特に誘電率が低いものが絶縁効果においては最適
で、低ければ低い程よいが実用的には1以上と考えられ
る。
るものでなく、本発明の範囲内において他の材料を選択
するも可能である。また、絶縁層の材料には、ガラス繊
維やチタン酸カリウムウィスカなどの強化材など各種充
填材や酸化防止剤などの各種添加剤を配合してもよい。
その際、充填材や添加剤を加えることによって、誘電率
は多少変化することが考えられるので、誘電率が7を超
えない範囲内で添加する必要がある。
成することも本発明の範囲内である。絶縁層をシールと
一体で形成することによって、低コスト化を図ることが
できる。絶縁層をシールと一体に形成する場合、軸受に
内蔵されるグリースの漏れなど、シールとしての機能を
有効に発揮する為には、柔軟性を有する熱可塑性エラス
トマと合成ゴムがよく、特に表1中の熱可塑性エラスト
マ、あるいは合成ゴムがよい。また、シールとして安定
した形状を維持する為に、金属・合成樹脂などの芯材と
一体化されていてもよい。
軸受の実施形態を図面を参照して説明する。尚、図面は
玉軸受とした場合の一実施形態を示すが、ころ軸受も本
発明の範囲内である。
軸受で、1は内輪、2は外輪、3は転動体、4は保持
器、そして5は絶縁層を示す。
を一体的に形成してなるタイプを示す。すなわち絶縁層
5は、外輪外径面2a上の円周方向全域および側面2b
の円周方向全域に形成されると共に、該側面2b側に位
置する絶縁層部分5bからさらに延設されてシール6が
一体的に形成されたリング状とされている。
マあるいは合成ゴムからなり、具体的にはたとえば上記
表1に記載したものがあげられ、誘電率が7(1kH
z)以下のものが好ましい。また、表1記載の材料は一
例にすぎず特に限定はされず任意である。
成樹脂、熱可塑性エラストマあるいは合成ゴムにて一体
的に形成される柔軟部6aと、金属あるいは合成樹脂か
らなる芯材6bとで構成されている。本実施形態におけ
るシール6の構造も一実施形態にすぎず、これに何等限
定されるものではなく、他の形状あるいは芯材を備えな
い構造など本発明の範囲内において変更可能なものであ
る。例えば、図1に示すシール6は非接触タイプとした
が、接触タイプであってもよい。また本実施形態では、
絶縁層5と一体的なシール6が装着されているのと反対
側には、シールド板7が装着されている。
られる絶縁層部分5aのハウジング挿入側5cの厚みを
薄肉状に形成しているため、ハウジングへの挿入性が向
上されている。そして、本実施形態では、緩やかな上り
傾斜状のテーパ面5dを設けているため上記挿入性をさ
らに向上せしめている。
層5を備えたもので説明したが、内輪1側に備えるもの
としてもよく、また外輪2と内輪1の双方に備えるもの
としてもよく任意である。
と一体とした構造とすると、別体としたものに比べて、
シール+α程度の低コストとすることができるという効
果を奏する。
の実施形態として、図2乃至図6に示す形態があげられ
る。
絶縁層5と同一材料をもって一体的に形成した実施の一
形態である。図3は、外輪外径面2aの全域と両側面2
b,2bの双方に絶縁層5a,5b,5bが連続形成さ
れると共に、夫々の側面2b,2bに設けられた絶縁層
部分5b,5bからシール6,6が夫々一体的に延設さ
れている。この構成とすることで、別途シールを設けな
くとも両側のシール6,6が同時に備えられることとな
る。
層5上に凸部8…を設けることで、絶縁層5上面を凹凸
状に形成するものとした構造で、図5は外輪外径面2a
に備えられる絶縁層5の円周方向に溝9…を、そして図
6は外輪外径面2aに備えられる絶縁層5の軸方向に溝
10…を設けるものとした。このように外径面に凸部8
…あるいは溝9…,10…を設けることにより、ハウジ
ングとの接触面積が小さくなるため、より変形がし易く
なり、熱膨張による軸方向変化(収縮)を吸収できる。
がシールと別体に形成されている実施の一形態を示す。
図中7は、シール(シールド板)を示す。
輪外径面2a上の円周方向全域および側面2bの円周方
向全域にわたって覆うようにリング状に絶縁層11が形
成され、外輪2の外周に圧入されている。
絶縁層が備えられるものとはしていないが、内輪1の内
径面1a上の円周方向全域と片方の側面1bの円周方向
全域を覆うようにリング状の絶縁層11が圧入されるも
のとしてもよく、また図示形態とは逆に内輪1側にのみ
設けるものとするも本発明の範囲内である。
の当該電食防止転がり軸受Bの挿入性が良くなるよう
に、円周に面取り11aが施されている。
トマあるいは合成ゴムからなるもので、特に誘電率が7
以下(1kHz)のものがよく、例えば上記表1に記載
する材料で形成され、コスト的には、合成樹脂や熱可塑
性エラストマが射出成形で製造でき好適である。
混入しないと破損等を起しやすいことから、通常はガラ
ス繊維などを含有するものを使用してもよい。
は、特にシールを一体的に形成してはいないが、図1に
示したようにシールを一体的に形成するものとしてもよ
く、これに何等限定されず本発明の範囲内において他の
形状を選択可能である。また、絶縁層11が、外輪2の
外径面2aと、一方の側面2bにのみ位置するものをも
って説明したが、両方の側面2b,2bに位置するもの
としてもよく、さらに図4乃至図6に示すような凸部8
…、溝9,10…を設けた凹凸状に絶縁層上面を形成す
ることも本実施形態の一形態である。
止転がり軸受Bを、2個一対でファン駆動用電動モータ
12内に取り付けた状態を示す断面図である。両電食防
止転がり軸受Bの外輪2は、それぞれモータハウジング
13の両端部に形成した保持段部14或いは保持凹部1
5の内側に、絶縁層(リング状絶縁部材)11を介して
嵌め込まれている。尚、13aはハウジング本体、13
bはハウジング前蓋、13cはハウジング後蓋である。
また、16はモータ回転軸、17はロータ、18はステ
ータである。
記保持段部14或いは保持凹部15の奥面に対向させた
状態で固定されている。前記大鰐部11bは、軸受外輪
2の一側面(端面)2bと保持段部14或いは保持凹部
15の奥面とに挟持されて、これら両面が当接するのを
阻止する。
の円筒部11cは、外輪2の外径面(外周面)2aと、
保持段部14或いは保持凹部15の内周面との間に挟持
されて、これら両周面同士が当接するのを阻止する。な
お、外輪2の他方の側面(端面)2bは空気中にさらさ
れた状態になっており、特に絶縁層11で被う必要がな
い。
をモータ中に組み込むことによって、インバータからス
テータ18に印可される高周波電流に基づいてモータ回
転軸16に軸電圧が惹起されても、この回転軸16とモ
ータハウジング13との間に電流が流れることを最低限
に抑えることができる。
防止転がり軸受Bの外輪2と、これらの外輪2を保持し
ている部材であるモータハウジング13との取付け個所
が絶縁されているので、上記回転軸16の電位がモータ
ハウジング13の電位より高くなっても、これら外輪2
を組み込んでなる各電食防止転がり軸Bに流れる電流は
最低限に抑えられる。従って、これら各電食防止転がり
軸受Bに電食が発生する事がない。
所定条件の下に行い、その試験結果を表2に示す。 電食試験 試験軸受:6202(NS7グリース封入) アキシャル荷重:3kgf 印加電流:12mA/2個 回転時間:500hr,1000hr,1500hr
(各1) 供試体:実施例1:図1記載の転がり玉軸受 絶縁層厚さ:0.5mm 材質:シリコンゴム SNNS(東洋シール(株)製) 誘電率:3.7(1kHz) 実施例2:図7記載の転がり玉軸受 絶縁層厚さ:0.5mm 材質:40wt%GF入りPPS樹脂 フォートロン(商標)1140A4(ポリプラスチック
ス(株)製) 誘電率:4.6(1kHz) 実施例3:図7記載の転がり玉軸受 絶縁層厚さ:0.5mm 材質:ポリエステルエラストマ ハイトレル(商標)3548W(東レ・デュポン(株)
製) 誘電率:6.2(1kHz) 比較例1:図1記載の転がり玉軸受 絶縁層厚さ:0.5mm 材質:ニトリルゴム TNN(東洋シール(株)製) 誘電率:11.5(1kHz) 比較例2:図7記載の転がり玉軸受 絶縁層厚さ:0.5mm 材質:フッ化ビニリデン樹脂 ネオフロン(商標)VDFVP−800(ダイキン工業
(株)製) 誘電率:7.7(1kHz) 比較例3:両側Zシールド板,絶縁層なし 試験装置:図9,図10(概念図)
(絶縁層11)を有する転がり軸受を図8に示すファン
駆動用電動モータ12に組込み、電食防止効果を確認し
た結果、絶縁被膜誘電率が7以下とすることで軸受に流
れる電流値を4.0mmA以下と出来、1500hr回転後にお
いても電食を防止することができる。尚、内輪1の内径
面1a上の円周方向全域と片方の側面1bの円周方向全
域を覆うようリング状の絶縁層11を設けても(外輪外
径面2a上の円周方向全域および側面2bの円周方向全
域に覆うようにリング状に絶縁層11が形成されたもの
と組合せるのも、又単独に用いることも)同様の効果が
ある。
転がり軸受によれば、外輪の外径面と内輪の内径面のい
ずれか一方又は双方及びこれら外輪、内輪の少なくとも
一方の側面に合成樹脂、熱可塑性エラストマ、合成ゴム
の何れかからなる絶縁層を形成したことから、この軸受
をインバータ駆動されるファンモータに用いると、従来
のように電気的導通性を有する特殊なグリースを使用し
たり塵埃が発生し易い電気的ブラシを設置することな
く、軸受内外輪間を流れる電流を最低限に抑えることが
でき、その結果、内外輪軌道面あるいは転動体転動面の
電食を防止できるという効果を奏する。
柔軟性を有する合成樹脂、熱可塑性エラストマあるいは
合成ゴムを用いると、上記効果に加えて、更に軸受のハ
ウジングへの挿入が容易で且つハウジング内で突っ張っ
てクリープ防止機能を発揮するという効果を得られる。
図。
モータの実施形態を示す断面図。
Claims (1)
- 【請求項1】 外輪の外径面と内輪の内径面のいずれか
一方又は双方およびこれら外輪、内輪の少なくとも一方
の側面に絶縁層を形成し、該絶縁層がシールと一体的あ
るいは別体的に形成されているものであって、絶縁層が
誘電率7以下の合成樹脂、熱可塑性エラストマ、あるい
は合成ゴムの何れかから形成されていることを特徴とす
る電食防止転がり軸受。
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JP07509698A JP3738556B2 (ja) | 1997-05-12 | 1998-03-10 | 電食防止転がり軸受 |
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JP9-135762 | 1997-05-12 | ||
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ID=26416240
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