JP4321749B2 - ウォータポンプ軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の水冷エンジン等に用いられるウォータポンプ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の水冷エンジン等に用いられるウォータポンプとしては、図6図示のように、ポンプ軸53の一端部にインペラ51を、他端部にプーリ52をそれぞれ取り付け、プーリ52を回転することによりインペラ51を回転させて、冷却水を循環させるものが知られている。このウォータポンプは、例えば、図6図示のように、エンジン本体に固定されるポンプハウジング50にウォータポンプ軸受が圧入されているのが一般的である。ウォータポンプ軸受は、一端部にインペラ51が、他端部にプーリ52がそれぞれ備えられているポンプ軸53が、軸受の外輪54に、転動体55を介して回動自在に取り付けられている。
【0003】
外輪54とポンプ軸53との間には、ポンプハウジング50とポンプ軸53との間の空間58と、インペラ51との間をシールする目的でメカニカルシール57が設けられている。
【0004】
また、外輪54の両端部には軸受内部をシールする目的でシール構造体が設けられている。このシール構造体のうち、インペラ側のシール構造体56は金属製の補強環と、この補強環に補強された弾性部材とで形成されているのが一般的である。
【0005】
このような従来公知のウォータポンプにおいて、メカニカルシール57の密封性が経時変化等により劣化した場合、冷却水がインペラ51側からポンプハウジング50とポンプ軸53との間の空間58に入ってくることがある。
【0006】
一方、前述したインペラ側のシール構造体56は、エンジンの運転、停止が繰り返されることにより加熱あるいは冷却され、軸受内部の空気が膨脹、収縮等を繰り返すことにより、シール機能が損なわれやすい。
【0007】
そこで、前記のように、ポンプハウジング50とポンプ軸53との間の空間58に侵入した冷却水、あるいは、冷却水が加熱されて発生した水蒸気が、シール構造体56の部分を通過して軸受内に侵入することがある。
【0008】
こうして軸受内に水分が侵入すると、軸受内部に充填されているグリースが劣化したり、軸受内部に錆が生じたりしてウォータポンプ軸受が故障し、ウォータポンプの寿命が短くなるという問題があった。
【0009】
また、前記のように、シール機能が損なわれたシール構造体56の部分を通過して軸受内部からグリースが流出することもある。このようになると、転動体55とポンプ軸53との間の摩擦が大きくなり、ウォータポンプ軸受が破損して、同じく、ウォータポンプの寿命が短くなるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前述した従来の問題点に鑑み、ウォータポンプ軸受の軸受内部への冷却水や水分の侵入を防止でき、また、軸受内部からのグリースの流出を防止できるウォータポンプ軸受を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、この発明が提案するウォータポンプ軸受は、以下の構造からなるものである。
【0012】
まず、このウォータポンプ軸受は、従来公知のように、一端部にインペラ51が、他端部にプーリ52がそれぞれ備えられているポンプ軸53が、軸受の外輪54に、転動体55を介して回動自在に取り付けられていると共に、外輪54の両端部に、軸受内部をシールするシール構造体が設けられているものである。
【0013】
そして、本発明のウォータポンプ軸受は、外輪54の両端部に設けられている軸受内部をシールするシール構造体のうち、インペラ51側のシール構造体56が、以下のような特徴的な構造からなるものである。
【0014】
第一のシール構造体は、外周側が外輪54の内周側に固定され、内周側がポンプ軸53の外周面に摺接するリング状の第一のシール体10と、当該第一のシール体10に対して軸方向外側に配置され、内周側がポンプ軸53の外周側に固定され、外周側が外輪54に摺接するリング状の第二のシール体20とで構成されている。
【0015】
ここで、第一のシール体10は、補強環11と補強環11によって補強された弾性体12とからなり、外周側が外輪54の内周面に形成されている嵌合溝59に嵌合固定されている。そして、補強環11のポンプ軸側端部部分13から更にポンプ軸53側に向かって延びてポンプ軸53の外周面53aに摺接する弾性体12の部分は、軸方向内側に向かって斜めに延びてポンプ軸53の外周面53aに摺接する第一のリップ部14と、軸方向外側に向かって斜めに延びてポンプ軸53の外周面53aに摺接する第二のリップ部15とを備えている。
【0016】
また、第二のシール体20は、軸方向に延びていてポンプ軸53に固定される円筒状部21と、当該円筒状部21から外輪54側に向かって延びるフランジ部22とからなる補強環23と、補強環23によって補強された弾性体24とからなる。そして、補強環23のフランジ部22の外輪側端部部分25から更に外輪54側に向かって延びる弾性体24の部分が、外輪54の軸方向外側端面60に摺接する第三のリップ部26を備えているものである。
【0017】
第二のシール構造体は、前述した第一のシール構造体において、第二のシール体20を構成する弾性体24の、補強環23のフランジ部22の外輪側端部部分25から更に外輪54側に向かって延びる部分が、軸方向内側に向かって斜めに延びて、第一のシール体10の軸方向外側面との間で非接触のラビリンスシール部28を形成する第四のリップ部27を更に備えていることを特徴とするものである。
【0018】
また、第三のシール構造体は、前述した第一のシール構造体又は第二のシール構造体において、第二のシール体20の円筒状部21は、その軸方向外側端部からポンプ軸53の軸方向外側端面に沿って径方向内側に延びる補強環35を備えており、当該補強環35によって補強された弾性体の径方向内側部分が、ポンプ軸53の軸方向外側端面に摺接する第五のリップ部36を形成していることを特徴とするものである。
【0019】
また、第四のシール構造体は、前述した第一のシール構造体において、第二のシール体20が、補強環29と補強環29によって補強された弾性体24とからなり、内周側がポンプ軸53の外周面に形成されている嵌合溝62に嵌合固定され、補強環29の外輪側端部部分25から更に外輪54側に向かって延びる弾性体24の部分が、外輪54の軸方向外側端面60に摺接する第三のリップ部26を形成していることを特徴とするものである。
【0020】
更に、第五のシール構造体は、前述した第四のシール構造体において、補強環29の外輪側端部部分25から更に外輪54側に向かって延びる第二のシール体20を構成する弾性体24の部分が、軸方向内側に向かって斜めに延びて、第一のシール体10の軸方向外側面との間で非接触のラビリンスシール部28を形成する第四のリップ部27を更に備えていることを特徴とするものである。
【0021】
外輪54の両端部に設けられている軸受内部をシールするシール構造体のうちインペラ51側のシール構造体として前記第一のシール構造体乃至第五のシール構造体のいずれを採用している本発明のウォータポンプ軸受においても、第二のシール体20の第三のリップ部26は、外輪54の平坦な軸方向外側端面60に摺接する形態とすることができる。また、外輪54の軸方向外側端面60の内周側(ポンプ軸53側)角部にR状の面取り部61を設け、第二のシール体20の第三のリップ部26がこのR状の面取り部61に摺接する形態にすることもできる。
【0022】
本発明のウォータポンプ軸受によれば、外輪54の両端部に設けられている軸受内部をシールするシール構造体のうち、インペラ51側のシール構造体56は外周側が外輪54の内周側に固定され、内周側がポンプ軸53の外周面に摺接するリング状の第一のシール体10と、第一のシール体10に対して軸方向外側に配置され、内周側がポンプ軸53の外周側に固定され、外周側が外輪54に摺接するリング状の第二のシール体20とで構成されているので、軸受内部への冷却水や、水蒸気等の水分の侵入を効果的に防止できると共に、軸受内部からのグリースの流出を効果的に防止することができる。
【0023】
すなわち、第二のシール体20の第三のリップ部26と外輪54の軸方向外側端面60との間に形成されているシール部から水や、水蒸気等の水分が軸受内部側に向けて侵入してきた場合であっても、軸方向外側に向かって斜めに延びてポンプ軸53の外周面53aに摺接する第一のシール体10の第二のリップ部15の存在によって、水や、水蒸気等の水分が軸受内部側に更に侵入していくことを防止できる。
【0024】
また、軸方向内側に向かって斜めに延びてポンプ軸53の外周面53aに摺接する第一のシール体10の第一のリップ部14の存在によって、軸受内部からのグリースの流出を防止できる。
【0025】
更に、前記いずれの場合においても、第一のシール体10の第一のリップ部14と第二のリップ部15と、ポンプ軸53の外周面53aとの間に形成される密閉空間30の存在によって、軸受内部への冷却水や、水蒸気等の水分の侵入を効果的に防止できると共に、軸受内部からのグリースの流出を効果的に防止することができる。
【0026】
また、第二のシール体20が、外輪54側かつ軸方向内側に向かって斜めに延びて、第一のシール体10の軸方向外側面との間で非接触のラビリンスシール部28を形成する第四のリップ部27を更に備えている形態においては、第二のシール体20の第三のリップ部26と外輪54の軸方向外側端面60との間に形成されているシール部から、水や水蒸気等の水分が軸受内部側に向けて侵入してきた場合であっても、ラビリンスシール部28によって、これを振り切り、水や、水蒸気等の水分が軸受内部側に更に侵入していくことを効果的に防止できる。
【0027】
前述した本発明のウォータポンプ軸受に採用されているいずれのシール構造体においても、補強環11、23、29は、耐蝕性を有する部材、例えば、ステンレスで形成しておくことが望ましい。これらの部分に錆が生じないようにするためである。そこで、耐蝕性を有する部材でこれらの部分が形成されていればその材質に特に限定があるものではない。例えば、鋼材に耐蝕性を有する金属をメッキしたものを用いることもできる。
【0028】
また、弾性体12、24としては、ゴム、合成樹脂など、この技術分野で従来公知のものを用いることができる。
【0029】
以下、添付図面を参照して本発明のウォータポンプ軸受に採用され、本発明のウォータポンプ軸受の特徴をなす、外輪54の両端部に設けられている軸受内部をシールするシール構造体のうち、インペラ51側のシール構造体56として採用されるシール構造体の好ましい実施形態を説明する。以下で説明するシール構造体以外の他の部分の構造は、図6を用いて説明した従来のものと同一であるので、その説明は省略する。また、従来例を説明した図6において用いた構成要素と同一の構成要素には図6において用いられているものと同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0030】
また、以下の好ましい実施例において添付図面を用いて説明する各構成、形状及び配置関係は、本発明が理解できる程度に概略的に示したものにすぎない。したがって、本発明は、以下の実施例にて説明した形態に限定されず、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
【0031】
【実施例1】
図1は、本発明のウォータポンプ軸受の外輪54の両端部に設けられている軸受内部をシールするシール構造体のうち、インペラ51側のシール構造体の第一の実施形態を説明するものである。
【0032】
図1図示のシール構造体は、外周側が外輪54の内周側に固定され、内周側がポンプ軸53の外周面に摺接するリング状の第一のシール体10と、第一のシール体10に対して軸方向外側に配置され、内周側がポンプ軸53の外周側に固定され、外周側が外輪54に摺接するリング状の第二のシール体20とで構成されている。
【0033】
第一のシール体10は、金属製の補強環11と、補強環11によって補強されたゴムなどの弾性材によって形成されている弾性体12とからなり、図1図示のように、その外周側は、外輪54の内周面に形成されている嵌合溝59に嵌合固定されている。
【0034】
弾性体12は、補強環11のポンプ軸側端部部分13から更にポンプ軸53側に向かって延びてポンプ軸53の外周面53aに摺接している。
【0035】
この弾性体12の内周側部分、すなわち、ポンプ軸53側の部分は、軸方向内側に向かって斜めに延びてポンプ軸53の外周面53aに摺接する第一のリップ部14と、軸方向外側に向かって斜めに延びてポンプ軸53の外周面53aに摺接する第二のリップ部15とを備えている。
【0036】
この結果、第一のシール体10の第一のリップ部14及び第二のリップ部15と、ポンプ軸53の外周面53aとの間に密閉空間30が形成されている。
【0037】
第二のシール体20は、金属製の補強環23と、補強環23によって補強されたゴムなどの弾性材によって形成されている弾性体24とから構成されている。
【0038】
補強環23は、図1図示のように、軸方向に延びていてポンプ軸53に固定される円筒状部21と、円筒状部21から外輪54側に向かって延びるフランジ部22とから構成されている。
【0039】
補強環23のフランジ部22の外輪側端部部分25から更に外輪54側に向かって延びる弾性24体の部分は、図1図示のように、外輪54の軸方向外側端面60に摺接する第三のリップ部26を備えている。
【0040】
図1図示の実施形態において、第一のシール体10の外周側の外輪54内周側への固定は、第一のシール体10を、ウォータポンプ軸受の軸方向内側(図1中左側)に向けて圧入することによって、そのコブ状の外周側を、外輪54の内周面に形成されている嵌合溝59に嵌合固定して行われる。そして、こうして第一のシール体10の外周側の外輪54内周側への固定が行われたときに、第一のシール体10の第一のリップ部14と第二のリップ部15とがポンプ軸53の外周面53aに接触し、第一のリップ部14及び第二のリップ部15とポンプ軸53の外周面53aとの間に密閉空間30が形成される。
【0041】
また、図1図示の実施形態において、円筒状部21のポンプ軸53への固定は第二のシール体20を、ウォータポンプ軸受の軸方向内側(図1中、左側)に向けて圧入することによって行われる。そして、こうして第二のシール体20内周側のポンプ軸53外周側への固定が行われたときに、第三のリップ部26が外輪54の軸方向外側端面60に当接し、ここでシール部が形成される。
【0042】
なお、この実施形態においては、第二のシール体20の弾性体24は補強環23の円筒状部21内周側縁に回り込んで突起部34を形成している。第二のシール体20内周側のポンプ軸53外周側への固定が行われたときには、前記のように、金属製の円筒状部21と、金属製のポンプ軸外周面53aとの間で金属同士による嵌合固定が行われると同時に、この弾性材製の突起部34と金属製のポンプ軸外周面53aとの間での固定も行われるので、シール性の向上を図ることができる。
【0043】
外輪54の両端部に設けられている軸受内部をシールするシール構造体のうちインペラ側のシール構造体として図1図示の実施形態のシール構造体を採用している本発明のウォータポンプ軸受によれば、軸方向の内側と外側とで二重のリング状シール体を採用し、しかもその一方は、外周側が外輪54の内周側に固定され、内周側がポンプ軸53の外周面に摺接するシール体で、他方は、内周側がポンプ軸53の外周側に固定され、外周側が外輪54に摺接するシール体であるので、軸受内部への冷却水や、水蒸気等の水分の侵入を効果的に防止できると共に軸受内部からのグリースの流出を効果的に防止することができる。
【0044】
すなわち、軸受内部に侵入しようとする水分は、第二のシール体20の第三のリップ部26と外輪54の軸方向外側端面60との間に形成されているシール部によってその侵入が阻止される。
【0045】
また、たとえ、第二のシール体20の第三のリップ部26と外輪54の軸方向外側端面60との間に形成されているシール部から水分が軸受内部側に向けて侵入してきた場合であっても、軸方向外側に向かって斜めに延びてポンプ軸53の外周面53aに摺接する第一のシール体10の第二のリップ部15の存在によって、水分が軸受内部側に更に侵入していくことは効果的に防止される。
【0046】
また、軸方向内側に向かって斜めに延びてポンプ軸53の外周面53aに摺接する第一のシール体10の第一のリップ部14の存在によって、軸受内部からのグリースの流出を防止できる。
【0047】
更に、第一のシール体10の第一のリップ部14及び第二のリップ部15と、ポンプ軸53の外周面53aとの間に形成される密閉空間30の存在によって、軸受内部への冷却水や、水蒸気等の水分の侵入を効果的に防止できると共に、軸受内部からのグリースの流出を効果的に防止することができる。
【0048】
なお、前述したように、補強環23の円筒状部21内周側縁に弾性材製の突起部34が形成されており、第二のシール体20内周側のポンプ軸53外周側への固定が行われたときに、弾性材製の突起部34と金属製のポンプ軸外周面53aとの間での固定が行われるので、金属製の円筒状部21、金属製のポンプ軸外周面53aへの錆の発生を効果的に防止できる。
【0049】
図1図示の実施形態では、平坦面となっている外輪54の軸方向外側端面60に第二のシール体20の第三のリップ部26が摺接しているが、図2図示の実施形態のように、外輪54の軸方向外側端面60の内周側(ポンプ軸53側)角部にR状の面取り部61を設け、第二のシール体20の第三のリップ部26がこのR状の面取り部61に摺接する構成にすることもできる。
【0050】
また、補強環23のフランジ部22は、図1図示のような断面がストレートとなる形状でなく、図2図示のように、断面が屈曲した形状となるようにすることもできる。
【0051】
【実施例2】
図2は、本発明のウォータポンプ軸受の外輪54の両端部に設けられている軸受内部をシールするシール構造体のうち、インペラ51側のシール構造体の第二の実施形態を説明するものである。
【0052】
基本的な形状、構造は、図1図示のものと同様であるので、共通する構成要素には同一の参照符号を付け、その説明を省略する。
【0053】
図2図示の実施形態においては、第二のシール体20を構成する弾性体24の補強環フランジ部22の外輪側端部部分25から更に外輪54側に向かって延びる部分が、軸方向内側に向かって斜めに延びて、第一のシール体10の軸方向外側面との間で非接触のラビリンスシール部28を形成する第四のリップ部27を更に備えている点が図1図示の実施形態と相違している。
【0054】
図2図示の実施形態において、第二のシール体20内周側のポンプ軸53外周側への固定は、第二のシール体20を、ウォータポンプ軸受の軸方向内側(図4中、左側)に向けて圧入することによって行われる。そして、こうして第二のシール体20内周側のポンプ軸53外周側への固定が行われたときに、第三のリップ部26が外輪54の軸方向外側端面60内周側(ポンプ軸53側)角部に形成されているR状の面取り部61当接して、ここでシール部が形成される。また、第四のリップ部27の先端側と、第一のシール体10の軸方向外側面との間に非接触のラビリンスシール部28が形成される。
【0055】
図2図示の実施形態とすることによって、図1図示の実施形態において説明した作用、効果に加えて、第二のシール体20の第三のリップ部26と外輪54の軸方向外側端面60との間に形成されているシール部から水分が軸受内部側に向けて侵入してきた場合であっても、ラビリンスシール部28によって、これを振り切り、水分が軸受内部側に更に侵入していくことを効果的に防止することができる。
【0056】
なお、ラビリンスシール部28は、図2図示の実施形態とは異なり、平坦面となっている第一のシール体10の軸方向外側面と、軸方向内側かつ外輪54側に向かって斜めに延びてきた第四のリップ部27先端との間に形成することもできる。
【0057】
ただし、図2図示のように、第一のシール体10において、軸方向外側に向けて突出する段部31のポンプ軸53側の面32と、第四のリップ部27先端との間にラビリンスシール部28を形成すると、水分の軸受内部側への侵入を一層効果的に防止すする上で有利である。
【0058】
なお、図1図示の実施形態のように、平坦な外輪54の軸方向外側端面60に第二のシール体20の第三のリップ部26が摺接する構成にすることもできる。
【0059】
また、補強環23のフランジ部22を、図1図示のような断面がストレートとなる形状にすることもできる。
【0060】
【実施例3】
図3は、本発明のウォータポンプ軸受の外輪54の両端部に設けられている軸受内部をシールするシール構造体のうち、インペラ51側のシール構造体の第三の実施形態を説明するものである。
【0061】
基本的な形状、構造は、図2図示のものと同様であるので、共通する構成要素には同一の参照符号を付け、その説明を省略する。
【0062】
図3図示の実施形態においては、第二のシール体20の円筒状部21が、その軸方向外側端部からポンプ軸53の軸方向外側端面に沿って径方向内側に延びる補強環35を備えており、当該補強環35によって補強された弾性体の径方向内側部分が、ポンプ軸53の軸方向外側端面に摺接する第五のリップ部36を形成している点が図2図示の実施形態と相違している。
【0063】
図3図示の実施形態とすることによって、図2図示の実施形態において説明した作用、効果に加えて、第二のシール体20内周側のポンプ軸53外周側への固定が行われたときに、ポンプ軸53の軸方向外側端面と第五のリップ部36との間でシールが行われるので、シール性の向上を図ると共に、金属製の円筒状部21、金属製のポンプ軸外周面53aへの錆の発生を一層効果的に防止できる。
【0064】
なお、第二のシール体20の外輪54側に向かって延びる部分を、第四のリップ部27が形成されていない、図1図示の形態にすることも可能である。
【0065】
また、図1図示の実施形態のように、平坦な外輪54の軸方向外側端面60に第二のシール体20の第三のリップ部26が摺接する構成にすることもできる。
【0066】
更に、補強環23のフランジ部22を、図1図示のような断面がストレートとなる形状にすることもできる
【0067】
【実施例4】
図4は、本発明のウォータポンプ軸受の外輪54の両端部に設けられている軸受内部をシールするシール構造体のうち、インペラ51側のシール構造体の第四の実施形態を説明するものである。
【0068】
基本的な形状、構造は、図1図示のものと同様であるので、共通する構成要素には同一の参照符号を付け、その説明を省略する。
【0069】
図4図示の実施形態においては、第二のシール体20の内周側がポンプ軸53の外周面に形成されている嵌合溝62に嵌合固定される形態である点が図1を用いて説明した第一の実施形態と相違している。
【0070】
また、図4図示の実施形態においては、ゴムなどの弾性材からなる弾性体24を補強する第二のシール体20の補強環29は、その内周側(ポンプ軸53側)に、径方向に延びるスリット33を、その円周方向に複数個備えている。
【0071】
第二のシール体20内周側のポンプ軸53外周面側への固定は、第二のシール体20を、ウォータポンプ軸受の軸方向内側(図3中、左側)に向けて圧入し、そのコブ状の内周側を、ポンプ軸53の外周面に形成されている嵌合溝62に嵌合固定することによって行われる。そして、こうして第二のシール体20内周側のポンプ軸53外周面側への固定が行われたときに、第三のリップ部26が外輪54の軸方向外側端面60に当接し、ここでシール部が形成される。
【0072】
この際、第二のシール体20の補強環29が前記のように形成されているので補強環29のバネ性によって、嵌合がより容易となり、かつ、より強い固定を可能にできる。この結果、軸受内部へ侵入しようとする冷却水や、水蒸気等の水分に対するシール性能を向上させることができる。
【0073】
なお、平坦面となっている外輪54の軸方向外側端面60に第二のシール体20の第三のリップ部26が摺接する形態に代えて、図2図示の実施形態のように外輪54の軸方向外側端面60内周側(ポンプ軸53側)角部に形成されているR状の面取り部61に、第二のシール体20の第三のリップ部26が摺接する形態にすることもできる。
【0074】
その他の作用、効果は、図1図示の第一の実施形態において説明したものと同様である。
【0075】
【実施例5】
図5は、本発明のウォータポンプ軸受の外輪54の両端部に設けられている軸受内部をシールするシール構造体のうち、インペラ51側のシール構造体の第五の実施形態を説明するものである。
【0076】
基本的な形状、構造は、図2図示のものと同様であるので、共通する構成要素には同一の参照符号を付け、その説明を省略する。
【0077】
図5図示の実施形態においては、第二のシール体20の内周側がポンプ軸53の外周面に形成されている嵌合溝62に嵌合固定される形態である点が図2を用いて説明した第二の実施形態と相違している。
【0078】
図5図示の実施形態において、第二のシール体20内周側のポンプ軸53外周側への固定は、第二のシール体20を、ウォータポンプ軸受の軸方向内側(図5中、左側)に向けて圧入することによって、そのコブ状の内周側を、ポンプ軸53の外周面に形成されている嵌合溝62に嵌合固定して行われる。そして、こうして第二のシール体20内周側のポンプ軸53外周側への固定が行われたときに第三のリップ部26が外輪54の軸方向外側端面60に当接し、ここでシール部が形成され、第四のリップ部27の先端側と、第一のシール体10の軸方向外側面との間に非接触のラビリンスシール部28が形成される。
【0079】
なお、平坦面となっている外輪54の軸方向外側端面60に第二のシール体20の第三のリップ部26が摺接する形態に代えて、図2図示の実施形態のように外輪54の軸方向外側端面60内周側(ポンプ軸53側)角部に形成されているR状の面取り部61に、第二のシール体20の第三のリップ部26が摺接する形態にすることもできる。
【0080】
基本的な作用、効果は、図2図示の第二の実施形態において説明したものと同様である。
【0081】
【発明の効果】
この発明によれば、ウォータポンプ軸受の軸受内部への冷却水や水分の侵入を効果的に防止できると共に、軸受内部からのグリースの流出を効果的に防止できるウォータポンプ軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のウォータポンプ軸受におけるインペラ側のシール構造体の第一の実施形態を拡大して表した一部断面図。
【図2】 本発明のウォータポンプ軸受におけるインペラ側のシール構造体の第二の実施形態を拡大して表した一部断面図。
【図3】 本発明のウォータポンプ軸受におけるインペラ側のシール構造体の第三の実施形態を拡大して表した一部断面図。
【図4】 本発明のウォータポンプ軸受におけるインペラ側のシール構造体の第四の実施形態を拡大して表した一部断面図。
【図5】 本発明のウォータポンプ軸受におけるインペラ側のシール構造体の第五の実施形態を拡大して表した一部断面図。
【図6】 従来のウォータポンプ軸受が採用されているウォータポンプの一例を説明する一部断面図。
【符号の説明】
10 第一のシール体
20 第二のシール体
11 補強環
12 弾性体
14 第一のリップ部
15 第二のリップ部
23 補強環
24 弾性体
26 第三のリップ部
27 第四のリップ部
28 ラビリンスシール部
29 補強環
30 密閉空間
33 スリット
34 突起部
36 第五のリップ部
51 インペラ
52 プーリ
53 ポンプ軸
54 外輪
55 転動体
56 インペラ側のシール構造体
60 外輪の軸方向外側端面
61 R状の面取り部
59、62 嵌合溝

Claims (5)

  1. 一端部にインペラが、他端部にプーリがそれぞれ備えられているポンプ軸が、軸受の外輪に、転動体を介して回動自在に取り付けられていると共に、当該外輪の両端部に、軸受内部をシールするシール構造体が設けられているウォータポンプ軸受であって、前記シール構造体のうち、インペラ側のシール構造体は、
    外周側が外輪の内周側に固定され、内周側がポンプ軸の外周面に摺接するリング状の第一のシール体と、当該第一のシール体に対して軸方向外側に配置され、内周側がポンプ軸の外周側に固定され、外周側が外輪に摺接するリング状の第二のシール体とで構成されており、
    前記第一のシール体は、補強環と当該補強環によって補強された弾性体とからなり、外周側が外輪の内周面に形成されている嵌合溝に嵌合固定され、前記補強環のポンプ軸側端部部分から更にポンプ軸側に向かって延びてポンプ軸の外周面に摺接する前記弾性体の部分が、軸方向内側に向かって斜めに延びてポンプ軸の外周面に摺接する第一のリップ部と、軸方向外側に向かって斜めに延びてポンプ軸の外周面に摺接する第二のリップ部とを備え、
    前記第二のシール体は、軸方向に延びていて前記ポンプ軸に固定される円筒状部と、当該円筒状部から外輪側に向かって延びるフランジ部とからなる補強環と当該補強環によって補強された弾性体とからなり、前記補強環のフランジ部の外輪側端部部分から更に外輪側に向かって延びる前記弾性体の部分が、外輪の軸方向外側端面に摺接する第三のリップ部を備えている
    とともに、第二のシール体における前記弾性体が、第二のシール体における前記補強環の内周側縁よりも内周側にまで延びる部分を有し、第二のシール体の内周側がポンプ軸の外周側に固定された際に、当該部分がポンプ軸側に固定される
    ことを特徴とするウォータポンプ軸受。
  2. 第二のシール体を構成する弾性体の、前記補強環フランジ部の外輪側端部部分から更に外輪側に向かって延びる部分は、軸方向内側に向かって斜めに延びて、前記第一のシール体の軸方向外側面との間で非接触のラビリンスシール部を形成する第四のリップ部を更に備えていることを特徴とする請求項1記載のウォータポンプ軸受。
  3. 第二のシール体の円筒状部は、その軸方向外側端部からポンプ軸の軸方向外側端面に沿って径方向内側に延びる補強環を備えており、当該補強環によって補強された弾性体の径方向内側部分が、ポンプ軸の軸方向外側端面に摺接する第五のリップ部を形成していることを特徴とする請求項1又は2記載ウォータポンプ軸受。
  4. 第二のシール体は補強環と当該補強環によって補強された弾性体とからなり、内周側がポンプ軸の外周面に形成されている嵌合溝に嵌合固定され、前記補強環の外輪側端部部分から更に外輪側に向かって延びる前記弾性体の部分が、外輪の軸方向外側端面に摺接する第三のリップ部を形成していることを特徴とする請求項1記載のウォータポンプ軸受。
  5. 補強環の外輪側端部部分から更に外輪側に向かって延びる前記第二のシール体を構成する弾性体の部分は、軸方向内側に向かって斜めに延びて、前記第一のシール体の軸方向外側面との間で非接触のラビリンスシール部を形成する第四のリップ部を更に備えていることを特徴とする請求項4記載のウォータポンプ軸受。
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