JP2003516257A - ベルト駆動によるプリンタ内部の媒体搬送 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 引張応力に起因する媒体の歪曲と、ピンチローラや、スターホイールや、ニップ・ローラ等の媒体搬送補助装置なしで、移動ベルトはインクジェットプリンタの印刷帯において、多種多様な媒体を正確に搬送する。ベルトは水平に設置され、インクの吸収および高すべり摩擦特性のために塗被された紙材を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明はプリンタの印刷ヘッドの下での媒体の搬送に関するものである。本発
明は繊維のインクジェット印刷に適用すると特に有効である。

【０００２】 （背景技術） インクジェット印刷処理においては、印刷媒体は１組のインク噴射ノズルを備
えた、１つまたはそれより多い印刷ヘッドの下をパスする。プリンタ内でデータ
処理と制御のための電子技術による制御の下、インク噴射ノズルは媒体上の画素
位置へインク粒子を選択的に吹き付ける。近年、多くの用途において、インクジ
ェット印刷がなされた画像の品質は写真のようにリアルな描写に達し、インクジ
ェット印刷技術の利用目的は衣類用繊維の上への模様の印刷や、プラスチックへ
の標識の印刷、また、その他の利用目的のための多様な被印刷物上への印刷へと
広く利用されている。

【０００３】 インクジェット印刷された製品の品質は、意図された画素位置上への個々の粒
子の正確な塗着に決定的に依存している。なぜなら、しばしば画素の大きさは、
１辺が千分の２あるいは千分の３インチしかないので、印刷ヘッドとインク噴射
ノズルの相対位置の制御には、許容誤差を高レベルに維持しなければならない。

【０００４】 いくつかのインクジェットプリンタにおいては、モータ被動グリットチューブ
、１つまたはそれより多くのラバー製駆動ローラ等が印刷プラテンに沿って配置
され、ピンチローラは数個所に配置されてピンチローラと被動グリットチューブ
または駆動ローラ間の媒体を挟持している。グリットチューブが選択された量だ
け送られるとき、媒体は印刷ヘッドの下を進み、次のインク粒子の帯が印刷ヘッ
ドによって吹き付けられる。いくつかのプリンタにおいては、プラテン表面は、
印刷帯全体に渡って媒体を引っ張る被動ベルトによって覆われている。これらの
システムでは、媒体は引張応力を受けながら印刷帯をパスする。このタイプのシ
ステムの１例はレイモンドらの発明による米国特許第５，７２９，８１７号によ
って提供されている。レイモンドらの記述するシステムにおいては、媒体は印刷
領域において、１５ポンドの引張応力を好ましくは受けている。加えて、多数の
被動ベルトシステムは、被動ベルトと同様に媒体と当接するピンチローラ、スタ
ーホイールまたはニップ・ローラを備えている。この種のシステムの１例として
は、オヤイデらの発明による米国特許第５，１３３，６１６号が見受けられる。

【０００５】 これらのシステムは、いくつかの利用目的に関しては、許容範囲内の性能を発
揮する。紙や密織の織物のように、弾性を殆ど示さない種の媒体にとって、これ
らのシステムは妥当な正確さでもって媒体を印刷帯に送ることができる。しかし
ながら、繊細または柔軟な媒体に関しては、引張応力の働いている送りや、素材
と当接するローラ素子の存在は、媒体を歪曲させたり、皺を生じさせたり、そう
ではなくとも、媒体の印刷帯における正確で一貫性のある移動を妨げる。これら
の不正確な送りによって粒子は不適切な塗着をされ、印刷品質は劣化する。従っ
て、メリヤス生地のように繊細で柔軟な媒体も含んだ幅広い範囲の媒体に対して
適切に機能する搬送機構の必要性が存在する。

【０００６】 本発明はインクジェットプリンタとしての実施の形態を有し、これは広範な種
類の媒体を、プリンタの印刷領域へ正確にかつ一貫性をもって搬送するものであ
る。いくつかの有効な実施の形態においては、粒子の正確な塗着を保証し、余分
なインクを吸収し、かつ製造および交換にかかる費用が安価なベルト駆動システ
ムが提供されている。

【０００７】 それ故、ある実施の形態においては、インクジェット印刷の方法は、印刷され
ようとしている被印刷物と移動ベルトが当接していることと、被印刷物がベルト
と被印刷物との間で生じる摩擦力のみを利用して印刷ヘッドの下を搬送されるこ
とを有する。ピンチローラや、スターホイール、また摩擦の支援によって前進さ
せるその他の搬送機構は媒体の歪曲ならびに印刷品質の劣化を生じさせる傾向が
ある。

【０００８】 本発明の原理は繊維の印刷に特に有益であると見受けられる。そのような繊維
印刷方法の１つにおいては、実質的に引張応力のかかっていない繊維被印刷物を
可動ベルトの水平に延在する一部分へ送ることと、移動ベルトがインクジェット
印刷ヘッド下を前進することで繊維被印刷物もインクジェット印刷ヘッド下を前
進させることを有している。いくつかの実施の形態においては、ピンチローラや
、ニップ・ローラや、スターホイール等の被印刷物搬送装置を使用せずに実施さ
れている。

【０００９】 インクの裏抜けのような印刷品質に関する問題に対処するため、紙で作られた
ベルトを有する。その紙はベルトの外側表面で内側表面よりも高摩擦係数を示す
よう、塗被されている。

【００１０】 （発明を実施するための最良の形態） 添付の図を参照して本発明の実施の形態について説明する。図において、同じ
数字は終始同じ要素を指す。本願明細書で用いられている術語はいかなる制限さ
れたまたは限定的な方法で解釈されることを意図するものではなく、本発明によ
るある特定の実施の形態の詳細な説明との関連で用いられているだけである。さ
らには、本発明の実施の形態は、いくつかの新規性を有する特徴を含んでいるが
、どの１つも単独では望ましい特性を担うことは無く、またここにおいて記され
ている本発明を実施する上での本質を成すものではない。

【００１１】 図１を参照すると、インクジェットプリンタ１０は相対的に幅の広い媒体を扱
えるように通常細長い本体部１２を備えている。本体部１２の最上部には、水平
に延在し、印刷表面１４を形成するプラテンを備えている。印刷表面の上方には
、１つまたはそれより多くのインクジェット印刷ヘッド１６がある。周知のよう
に、多くのカラープリンタの実施の形態において、例えばシアン、マゼンタ、イ
エローおよびブラックからなる１組の着色剤を用いた４つの印刷ヘッドを備えて
いる。

【００１２】 媒体搬送リール１８は印刷されるべき媒体２０の一部分を巻装する。媒体２０
は搬送リール１８からローラ２２へ、そして水平な印刷表面１４上に延在する駆
動ベルト２４の上へと送られる。印刷表面上を横断した後、媒体２０は駆動ベル
ト２４から離れ、巻き取りリール２６へ送られる。

【００１３】 駆動ベルト２４は前部駆動ローラ２８と後部駆動ローラ３０の間に装架される
。駆動ローラはそれぞれプリンタ本体１２の前面および後面に沿って装備され、
それによってベルト２４が印刷表面１４を実質的に水平に通って伸びるようにし
ている。ベルト引張応力ローラ３２もまたプリンタ本体１２の下方に提供されて
いる。これについては以下でさらに詳細を記述する。

【００１４】 新しい媒体１８のロールを取り付けたとき、印刷表面１４を渡る媒体の位置決
めを補助するために、１つまたはそれより多くの装着バー３３が後部ローラ３０
付近に提供される。装着バー３３は支持アームから緩い拘束を受けているボール
ベアリングを備えている。支持アームは好ましくは可動であって、新しい媒体の
ロールが装着されたとき、その先端が後部ローラ３０上に繰り出されて、そして
装着バー３３が振り下ろされることで所定の場所に保持され、回転するボールベ
アリングが媒体と圧接し、媒体をあるべき位置に保持する。それから操作者はプ
リンタ１０の前部に移動し印刷表面１４を渡り、駆動ローラ２８の上へ、そして
下方の巻き取りリール２６へと巻きつける、残りの道のりへ媒体を送る。一旦新
しい媒体が完全に装着されれば、装着バー３３は振り上げられて後部ローラ３０
から遠ざかり、回転するベアリングはもはや媒体２０と接触することはない。

【００１５】 通常の印刷作業の間、媒体は、印刷帯を通り、矢印３４の指す方向へ送られる
。これらの送りの間に印刷ヘッド１６が印刷表面を直角に（図１の平面に向かう
方向に）横断して媒体上に粒子の帯（swath）を印刷する。媒体の送りを実行す
るために、例えば前部駆動ローラが選択された量だけステッピング・モータによ
って回転させられる。このことで駆動ベルト２４が前進し、媒体２０は駆動ベル
ト２４と媒体２０との間の摩擦を有する接触により、ベルト２４に沿って引かれ
る。図１の実施の形態に関して、媒体２０の印刷帯を横断する前進はピンチロー
ラや、スターホイールや、ニップ・ローラ等の媒体搬送機構を用いず、駆動ベル
ト２４と媒体２０の間に働く摩擦力のみを用いて行われている。

【００１６】 加えて、ベルト２４以外には媒体駆動機構が存在しない為、媒体が印刷表面１
４をパスするとき、媒体２０に付加的な引張応力を与えるための被動ピンチロー
ラ等の装置は存在しない。このことは機械的に複雑なプリンタの構成部品が取り
除かれるのみならず、媒体２０が印刷表面１４をパスする時に、媒体２０に実際
にかかる引張応力の不在により、印刷品質を劣化させる媒体の伸張等、媒体の歪
曲が軽減される。いくつかの有効な実施の形態においては、印刷表面１４を横切
る媒体２０にかかる引張応力は１ポンド未満である。引張応力は０．５ポンド未
満でもよく、最も有利な例では０．２ポンド未満である。完全にベルトによる駆
動のみで、実質的に引張応力が媒体２０に働かない場合、媒体搬送に起因する印
刷エラーを格段に減少させて、多種多様なタイプの媒体に印刷がなされることが
見られる。メリヤス生地または十分な弾性を持った原料から製造された繊維を有
する媒体２０に対して特に有効な結果が見られる。

【００１７】 あるインクジェットプリンタの実施の形態においては、以下に図４および図５
を参照して補足的な詳細として記されているように、駆動ローラ２８は受動的な
後部ローラ３０よりも小さな直径を持っている。この実施の形態においては、例
えば、前部駆動ローラ２８の直径はおよそ１と４分の３インチから２インチであ
り、後部ローラ３０の直径はおよそ５から５と４分の１インチである。しかし、
前部および後部ローラの相対的な大きさが顕著に媒体搬送機構の性能に影響を与
えることはないことが見出されている。

【００１８】 上面３６が印刷表面１４よりも低い位置をとるように駆動ローラを配設するこ
とも好ましい。このことは、駆動ローラ２８が送られる時に、引張応力ローラ３
２の及ぼす力が矢印３４の方向へのベルトの進行の邪魔をしないことを保証する
助けとなる。ある実施の形態においては、支持棚（図示せず）がローラ２８、３
０とプリンタ本体１２との間、空間３８、３９に提供されている。印刷領域１４
において、ベルト２４は、プリンタ本体１２によって支持されているが、これら
領域３８、３９に付加的な支持を設けると、ベルトが印刷帯の間を進行するとき
に引き起こされる鉛直方向への縦揺れ運動が最小限に抑えられる。

【００１９】 図１の印刷システムに用いるのに適当な媒体駆動ベルト２４のある実施の形態
が図２および図３に示されている。周知のベルト駆動システムを改善するため、
ベルト２４は紙製の材料によって構成されている。紙は従来のプラスチック製ま
たはラバー製の媒体駆動ベルトよりもいくつかの点で有利である。第１に、紙は
印刷処理の間に印刷媒体を貫通したインクを吸収する。このことは薄くて透き通
るような繊維や、粗い織りの繊維や、多孔質材料にとっては重大な問題である。
プラスチック製またはラバー製のベルトでは、ベルトに付着した余剰のインクが
しばしば次の周回で、ベルトが新しい媒体と当接する前に乾燥しないことがある
。これによって、印刷よりも前に媒体は変色し、印刷品質がひどく劣化する。

【００２０】 加えて、ベルト２４と媒体２０の間の摩擦係数を高めるために多様な塗被が紙
に施される。多くの従来技術においては、接着剤を用いて媒体をベルトにしっか
りと糊着し、印刷帯の至るところで正確に計量されることを保証する助けとして
いる。使用の合間に古い接着剤と余剰のインクは洗い落とされ、ベルトを再度使
用する前に新しい接着剤が塗布される。紙を用いることで、使用者は最小のコス
トを払ってベルト自体を使い捨てにすることができる。

【００２１】 図２Ａを参照すると、媒体搬送ベルト２４を形成するために使用する紙製シー
ト４０が示されている。シート４０は厚さ約６−８ミルの紙材を有する。ある有
効な実施の形態においては、坪量１３０ｇ／ｍ^２の６．７ミル厚ナチュラル・ク
ラフト厚紙が使用されている。ベルトの幅および全周はベルトが適用される印刷
様式によって大きく変化する。ある大型様式プリンタの例においては、シート４
０はおよそ６０と４分の１インチの全幅４２および接合端４４、４５間およそ４
１インチの全長４３を有する。１つの接合端４５に沿って粘着テープ４６の細長
い一片が配置され、テープ幅のおよそ２分の１の幅４７がシートに貼られ、テー
プ幅の２分の１が端４５の上に突き出ている。６−８ミル厚のベルト２４にはＫ
ａｐｔｏｎ（ＴＭ）の２−３ミル厚のテープが適していることが見出されてはい
るが、本質的にはあらゆる薄いプラスチックテープがこの目的に適している。

【００２２】 シートは長方形の形をしているが、接合端を切断し、シート４０が浅い山形に
なるような成形が好都合であると見出されている。ある実施の形態においては、
接合端が切断され、山の中点と中点に隣接する角との間に１インチの隔たりを持
たせている。シート４０からベルト２４を成形するために、接合端４４、４５は
衝合され、粘着テープ４６の細長い一片の突き出ている部分４８が他の接合端４
４と隣接するように位置決めされる。この処理はシート４０の山形によって容易
になる。なぜならば、ベルト成形において２つの接合端４４、４５の中点を正確
に沿わせることができるからである。加えて、印刷作業の間、接合端４４、４５
のつくる継ぎ目が前部および後部ローラ２８、３０をパスする時、山形がベルト
の引張応力をベルトの全幅に渡ってより均等な分布にしている。

【００２３】 図２Ｂおよび図３は媒体搬送ベルト２４に成形された後のシート４０を示して
いる。上記のように、接合端４４、４５はテープ４６によって突合せ接合構造で
閉じられている。ベルト２４の外側表面は有利に、ベルトの表面とプリンタの印
刷表面を通って搬送される媒体との間に、高摩擦係数を生じさせる材料が塗被さ
れている。適切な塗被材はラテックスのようなポリマーまたはエラストマー材料
を有する。ベルト２４に穴を穿設することもまた有効である。なぜなら、プリン
タはしばしば送風機をプリンタ本体１２内に装備し、真空を作って印刷領域にお
いて媒体をプラテンに押さえ付けるので、そのような穿孔により、真空がこの領
域において媒体を引っ張り続けることが可能である。

【００２４】 媒体搬送ベルト２４を実装するために、図２Ａの開いたシート４０が駆動ロー
ラ２８、後部ローラ３０および引張応力ローラ３２に巻装される。シート４０の
接合端４４、４５は、上述のように合わされて、粘着テープで閉じられ、ローラ
２８、３０、３２の周囲、印刷表面１４の上方にベルトを形作る。

【００２５】 図４および図５は、図１に示されているベルト駆動による媒体搬送システムを
支持するプリンタ・フレームを示している。これら２つの図においては、プリン
タ・フレームはベルト駆動の構成要素をより明瞭に示すために、装着されたベル
ト２４は省いて示している。

【００２６】 図４を参照すると、６０インチ幅の繊維ロールや、その他の媒体を印刷するた
めに利用される床面縦置きプリンタの実施の形態を示している。このように、こ
のプリンタ実施の形態はプリンタ本体１２を担持する脚５０、５２を備えている
。媒体駆動ベルト２４（図示せず）はプリンタ本体１２に取付けられた取付け用
金具に回転自在に取付けられた後部ローラ３０および前部ローラ２８をとり巻い
ている。ステッピング・モータ５６によって前部ローラ２８は駆動され、メディ
ア駆動ベルトを印刷領域を通り、矢印３４の方向に、制御可能な状態で進ませる
。媒体ベルト引張応力ローラ３２はプリンタの脚５０、５２の内側表面の取付け
金具６０、６２に取付けられている。取付け金具６０、６２はそれぞれ鉛直溝６
４を備えている。引張応力ローラ３２はスライド自在に、これら鉛直溝６４に装
着されているので、重力の影響を受けて自由に下方にスライドすることができる
。ベルト２４が取付けられる場合、図１に示されているように、この下方スライ
ド運動はベルト２４の内側表面との接触により停止させられる。この構成によっ
て、ローラ３２の重量がベルト２４に引張応力を及ぼす。ある実施の形態におい
ては、およそ５ポンドの引張応力がベルト２４にかかると、良好な性能を発揮す
ることが見出されている。より大きなベルト引張応力により、様々な媒体重量に
渡って、行送りの一貫性が改善されることが見出されている。

【００２７】 さらに、媒体搬送の一貫性を改善するために、印刷される帯と帯の間を媒体が
送り処理される間に媒体が搬送された量を直接探知する媒体位置センサを含める
ことも可能である。そのようなシステムには、角位置エンコーダと接続され、媒
体上面と接したホイールを含んでいる。そのエンコーダの出力がベルト駆動ロー
ラ２８の回転量を制御するために用いられ、ベルトと媒体の間に異なる摩擦係数
が存在しても、媒体重量が異なることがあっても、または搬送モータ５６が同じ
回転をする際に異なる媒体搬送量を生み出すであろう他の要因が存在しようとも
、個々の送りに関して媒体を正確な量だけ搬送する。

【００２８】 図５に示されているように、媒体搬送リール１８は媒体搬送ローラ６６、６８
の間に静止している。媒体搬送ローラ６６、６８のうち１つは、媒体を搬送リー
ル１８からプリンタ本体１２に向けて進ませるために、モータによって駆動され
ている。図１に示されているように、媒体は搬送リールからローラ２２の背後を
通り、後部媒体駆動ベルトローラ３０に周設されている媒体駆動ベルト２４（図
示されていない）の上を通るように経路を決められている。媒体は印刷処理の間
、矢印３４の方向に送られ、前部駆動ベルトローラ２８において媒体駆動ベルト
から垂下している。それから、媒体は巻き取りリール２６へ送られる。ローラ２
２は取付け金具７０、７２に装着されていて、その位置は水平方向に調整自在で
ある。この水平方向の調整により、媒体が後部駆動ベルトローラ３０の周り、お
よび駆動ベルト２４の上面を搬送される際に、媒体の巻き角が増加または減少す
る。巻き角が増加すると、媒体が後部ローラに巻き付いている時のベルト２４と
媒体の接触面積が増加し、媒体が搬送される間の摩擦力を増加させる。巻き角の
増加によって印刷領域における媒体の引張応力の増加も生み出される。印刷され
る媒体の種に依存して、高摩擦力と低引張応力の間の適切なバランスを見つける
ため、様々な巻き角が存在する。当然のことながら、比較的滑らかで柔軟性に乏
しい繊維は都合よく、高度な織り目加工が施された柔軟な材料よりも大きな巻き
角を用いてプリンタへ送られる。このように、使用者による交換が自在で、イン
クの裏抜けを吸収し、媒体の歪曲を防ぐ媒体搬送システムが提供される。

【００２９】 上記記述は本発明の、ある実施の形態について詳述している。しかし、当然の
ことながら、上記記述がどんなに詳細であろうとも、本発明の実施は多くの様式
で可能である。同様に上で述べたことだが、本発明の特定の機能や外見を記述す
る特定の術語の使用により、その術語をその術語から想起される本発明の特定の
機能や外見に限定された術語としてここで再定義していることを意味するものと
理解されるべきではない。それゆえ、本発明の範囲は付随する請求項およびその
均等物に基づいて解釈される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態の１つによる媒体搬送システムを組み込んだ
インクジェットプリンタの側面図である。

【図２Ａ】 媒体駆動ベルトへ成形される紙シートの平面図である。

【図２Ｂ】 図１のプリンタにおける使用に適した媒体駆動ベルトの斜視図
である。

【図３】 図２の媒体駆動ベルトの部分側面図である。

【図４】 媒体搬送のためのローラが組み込まれたインクジェットプリンタ
フレームの前面斜視図である。

【図５】 図４のインクジェットプリンタフレームの背面斜視図である。

【符号の説明】

１０：インクジェットプリンタ、１２：本体部、１４：印刷表面、１６：インク
ジェット印刷ヘッド、１８：搬送リール。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ルドルフ・シャーバン アメリカ合衆国92117カリフォルニア州サ ンディエゴ、ビードネル・ウェイ6699番、 ナンバー229 Ｆターム(参考） 2C058 AB17 AC07 AE04 AF06 AF31 DA13 DA43

Claims (21)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷帯にて、被印刷物を歪曲することなく多種多様な被印刷
   物を正確に計量するインクジェットプリンタにおいて、 １対のローラ上に設置され、媒体搬送ベルトの一部分がおよそ水平である可動
   媒体搬送ベルトと、 上記可動媒体搬送ベルトのおよそ水平である部分の上に位置するインクジェッ
   ト印刷ヘッドと、 被印刷物の供給リールと巻き取りリールを備え、被印刷物が上記供給リールか
   ら上記可動媒体搬送ベルトの上、上記印刷ヘッドの下、そして上記巻き取りリー
   ルの上へ実質的に引張応力を受けない状態で経路付けされ、上記被印刷物はピン
   チローラ、スターホイール、ニップ・ローラもしくはその他の媒体搬送機構は使
   わず、上記可動媒体搬送ベルトの運動のみにより、上記印刷ヘッドの下を進行す
   るようにした、インクジェットプリンタ。
2. 【請求項２】 上記媒体搬送ベルトと当接する引張応力ローラをさらに備え
   た請求項１に記載のインクジェットプリンタ。
3. 【請求項３】 上記媒体搬送ベルトが紙を有する請求項１に記載のインクジ
   ェットプリンタ。
4. 【請求項４】 上記紙にラテックスを塗被した請求項３に記載のインクジェ
   ットプリンタ。
5. 【請求項５】 印刷ヘッドと、 第１および第２ローラと、 上記第１および第２ローラに巻かれた紙シートを有するベルトとを備え、上記
   第１および第２ローラの回転により、紙シートが上記印刷ヘッドをパスしながら
   進むよう、上記印刷ヘッドに対して上記第１および第２ローラを位置決めしたプ
   リンタ。
6. 【請求項６】 上記紙シートが約６−８ミル厚の厚紙を有する請求項５に記
   載のプリンタ。
7. 【請求項７】 上記紙シートがその外側表面にラテックスを塗被した請求項
   ５に記載のプリンタ。
8. 【請求項８】 上記紙シートに穴を穿設した請求項５に記載のプリンタ。
9. 【請求項９】 上記ベルトが使用者によって交換可能である請求項５に記載
   のプリンタ。
10. 【請求項１０】 上記第１ローラが駆動ローラを含み、該駆動ローラが上記
    第２ローラよりも小さな直径を有する請求項５に記載のプリンタ。
11. 【請求項１１】 第１表面と第２表面を有する紙シートを備えた媒体搬送ベ
    ルトにおいて、該第１表面が第２表面よりも高摩擦係数を示す媒体搬送ベルト。
12. 【請求項１２】 上記紙シートが約６−８ミル厚の厚紙を有する請求項１１
    に記載の媒体搬送ベルト。
13. 【請求項１３】 上記第１表面にラテックスを塗被した請求項１１に記載の
    媒体搬送ベルト。
14. 【請求項１４】 上記紙シートがインク吸収性を有する請求項１１に記載の
    媒体駆動ベルト。
15. 【請求項１５】 インクジェットプリンタの中へ繊維被印刷物を前進させる
    方法であって、実質的に引張応力を受けていない繊維被印刷物を移動ベルトの水
    平に延在する一部分へ導き、上記繊維被印刷物も上記インクジェット印刷ヘッド
    の下を前進するように上記移動ベルトを上記インクジェット印刷ヘッドの下を前
    進させるようにした方法。
16. 【請求項１６】 上記移動ベルトに引張応力を加えるようにした請求項１５
    に記載の方法。
17. 【請求項１７】 被印刷物と移動ベルトが当接し、上記被印刷物を上記ベル
    トと上記被印刷物との間に働く摩擦力のみを用いて印刷ヘッドの下を搬送するよ
    うにした、被印刷物に印刷する方法。
18. 【請求項１８】 上記被印刷物が繊維を有する請求項１７に記載の方法。
19. 【請求項１９】 上記移動ベルトが紙を有する請求項１８に記載の方法。
20. 【請求項２０】 弾性繊維被印刷物にインクジェット印刷をする方法であっ
    て、実質的に引張応力を受けていない弾性繊維被印刷物の第１面を移動ベルトの
    水平に延在する一部分と当接するように位置決めし、上記弾性繊維被印刷物の第
    １面と反対側の面で当接するピンチローラ、ニップ・ローラ、スターホイール等
    の被印刷物搬送装置を使用せず、上記弾性繊維被印刷物がインクジェット印刷ヘ
    ッドの下を前進するよう、上記ベルトがインクジェット印刷ヘッドの下を前進す
    るようにした方法。
21. 【請求項２１】 インクジェットプリンタにおいて、 実質的に水平な印刷領域を画定する前面、後面、第１端、第２端および上面を
    持つプリンタ本体と、 上記第１端および第２端にて上記プリンタ本体を担持する第１脚および第２脚
    と、 上記プリンタ本体の上記前面にそって設置された第１ローラと、 上記プリンタ本体の上記後面にそって設置された第２ローラと、 上記第１脚の取付け金具にスライド可能なように設置された第１端および上記
    第２脚の取付け金具にスライド可能なように設置された第２端を有する、上記取
    付け金具内を鉛直方向に自由にスライド可能な第３ローラと、 上記プリンタ本体、上記第１ローラ、第２ローラおよび第３ローラを取り巻い
    て、上記第３ローラの重量を支持し、それによる引張応力を受けている紙ベルト
    を備えたインクジェットプリンタ。