JP2021014075A - フィルム矯正装置、デジタル印刷機、及びプラスチックフィルム印刷物の製造方法 - Google Patents

フィルム矯正装置、デジタル印刷機、及びプラスチックフィルム印刷物の製造方法 Download PDF

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Mitsuhiro Sumimoto
充弘 住本
美樹 松井
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美樹 松井
仁恵 清水
Hitoe Shimizu
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Abstract

【課題】プラスチックフィルムの表面に、インクジェット方式で文字あるいは画像などの情報を印刷するデジタル印刷方法において、印刷時のフィルムのたるみやカールを抑えることができるフィルム矯正装置を提供する。【解決手段】本発明のフィルム矯正装置は、プラスチックフィルムの表面にインクジェット方式で印刷するデジタル印刷時におけるインクヘッドの下部に、インクヘッド部の前後に位置するように、フィルムの搬送方向と直交した2本の回転、吸引しながらフィルムを前に送るロールを設置するフィルムのたるみ及び/又はカールを抑える。また、本発明のフィルム矯正装置は、プラスチックフィルム1のたるみ及び/又はカールを矯正するフィルム矯正装置であって、吸引孔を有する一対の筒状体5及び6と、前記一対の筒状体をそれぞれフィルムの搬送方向に回転させるための回転機構と、前記筒状体の吸引孔からフィルムを吸引するための吸引機構とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、グラビア印刷やオフセット印刷のように版下を作製する必要がなく、例えば、プラスチックフィルムなどの被印刷媒体に、微滴化されたインキを直接吹き付けて印刷するデジタル印刷方法に関し、フィルムのたるみとカールを効果的に防止することのできる装置に関する。
従来、プラスチックフィルム、詳しくは多層プラスチックフィルムへの印刷では、グラビア印刷が主流であった。これに対し、高精細で解像度の高い印刷ができるデジタル印刷がフィルム業界に2007年ころから取り入れられてきている。デジタル印刷はグラビア印刷と異なって版下を作製する必要がないことから、製造コストが安いという特徴がある。また、インクジェット方式で微滴化されたインキを直接吹き付けて印刷する為、鮮やかで綺麗な印刷が可能である。さらに、多品種小ロットで印刷でき、例えば、季節ごとに絵柄を変えた包装体を提供することも可能である。現在、延伸されたPETフィルム、OPPなどに主に裏刷りとして実用化されてきている。
しかし、このようなデジタル印刷時に問題となるのは、被印刷媒体であるプラスチックフィルムのたるみとカールである。従来のグラビア印刷では、版胴にフィルムを押し付けて印刷するので、フィルムに多少のたるみ、カールがあっても問題にならなかった。しかし、デジタル印刷ではフィルムをガイドロールのみで進めていくため、フィルムのたるみとカールを抑えてくれるものがなく、印刷時にインクヘッドとフィルムの距離が現在は数ミリ、1〜2mmしか取れなく、フィルムのたるみの部分がインクヘッドに擦れてしまう。デジタル印刷でもインクを連続的に出し続けるコンティヌアスタイプの場合は、インクヘッドとフィルムの間の距離がもっと取れるので、インクヘッドをフィルムが擦ることはないが、印刷の文字や画像が歪んだりして製品出荷できない。
フィルムのたるみやカールを抑える方法として、フィルム自体の改良について様々な提案がなされている(例えば、特許文献1、2参照)。
国際公開第2018/110639号 特開2003−175543号公報
しかし、フィルム自体の改良をしなくとも、フィルムのたるみとカールを抑えてくれるような装置があれば良いが、フィルムのたるみとカールを抑えてくれるような装置は、とりわけデジタル印刷時に関しては、いまだに提案がなされていないのが現状である。
従って、本発明の目的は、プラスチックフィルムの表面に、インクジェット方式で文字あるいは画像などの情報を印刷するデジタル印刷方法において、印刷時のフィルムのたるみやカールを抑えることができるフィルム矯正装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定のフィルム矯正装置を用いることにより、印刷時のフィルムのたるみやカールを抑えることができることを見出した。本発明はこれらの長年の知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、プラスチックフィルムの表面にインクジェット方式で印刷するデジタル印刷時におけるインクヘッドの下部に、インクヘッド部の前後に位置するように、フィルムの搬送方向と直交した2本の回転、吸引しながらフィルムを前に送るロールを設置するフィルムのたるみ及び/又はカールを抑えるフィルム矯正装置を提供する。
本発明のフィルム矯正装置は、一実施形態では、印刷速度に同調して上記ロールが回転してフィルムを前に送ることができるよう吸引部が工夫されている。これにより、上記ロールの回転速度も制御でき、且つフィルムの搬送速度に支障は生じない。
ロールの設置位置であるが、インクヘッド下部のみに設置する。
ロールをフィルム搬送方向(フィルムの進行方向)に回転させることで、フィルムを前に搬送する。また、ロール内を真空引きし、ロールに吸引孔をあけておくことで、フィルムを吸引することができ、フィルムのたるみとカールを抑えることが期待できる。
また、本発明は、プラスチックフィルムのたるみ及び/又はカールを矯正するフィルム矯正装置であって、吸引孔を有する一対の筒状体と、上記一対の筒状体をそれぞれフィルムの搬送方向に回転させるための回転機構と、上記筒状体の吸引孔からフィルムを吸引するための吸引機構とを備え、上記一対の筒状体は、デジタル印刷を行うインクヘッド部にフィルムを搬送する第一搬送ロールと、上記インクヘッド部によりデジタル印刷されたフィルムを巻き取る第二搬送ロールである、フィルム矯正装置を提供する。
上記一対の筒状体は、それぞれ、筒状体の周方向に上記吸引孔を複数有することが好ましい。
上記一対の筒状体は、それぞれインクヘッド部の前後に位置するよう設けられることが好ましい。
上記一対の筒状体は、それぞれフィルムの搬送方向と直交するように設けられることが好ましい。
上記プラスチックフィルムは、厚みが30〜100μmの多層フィルムであることが好ましい。
また、本発明は、ロール状のプラスチックフィルムを巻き出して搬送する上流側ガイドロールと、上記プラスチックフィルム上にデジタル方式によりインキを塗布するインクヘッドと、インキが塗布された上記プラスチックフィルムを下流へ搬送する下流側ガイドロールと、を備え、上記上流側ガイドロール及び上記下流側ガイドロールは、それぞれ、上記プラスチックフィルムを吸引する吸引孔を有する、デジタル印刷機を提供する。
さらに、本発明は、プラスチックフィルムを搬送しながら、上記フィルム矯正装置によりフィルム搬送方向のフィルムのたるみ及び/又は搬送方向のフィルムカールを抑えつつ、デジタル印刷によりフィルム上にインキを塗布して印刷層を形成する印刷工程を有する、プラスチックフィルム印刷物の製造方法を提供する。
このように、本発明のフィルム矯正装置は、プラスチックフィルムに好ましく適用することができ、とりわけたるみやカールがある多層プラスチックフィルムへの印刷には有効である。フィルムのたるみとカールを防止し、印刷時のフィルムの平坦性をあげることで、画像などの情報を密着させることができる。
本発明のフィルム矯正装置によれば、プラスチックフィルムのたるみやカールを抑えることができる。このため、たるみやカールがあるプラスチックフィルム、とりわけ多層プラスチックフィルムへの、審美性に優れるデジタル印刷が可能である。
本発明のフィルム矯正装置の一実施形態を示す斜視図である。 本発明のフィルム矯正装置を用いてフィルムのたるみを解消する機構を示す断面概略図である。 本発明のフィルム矯正装置に用いられる筒状体の吸引孔の配置の一実施形態を示す上面概略図である。 本発明のフィルム矯正装置に用いられる筒状体の他の一実施形態を示す上面概略図である。 本発明のフィルム矯正装置に用いられる筒状体の他の一実施形態を示す上面概略図である。
本発明のフィルム矯正装置は、プラスチックフィルムの表面にインクジェット方式で印刷するデジタル印刷時におけるインクヘッドの下部に、インクヘッド部の前後に位置するように、フィルムの搬送方向と直交した2本の回転、吸引しながらフィルムを前に送るロールを設置する、フィルムのたるみ及び/又はカールを抑えるための装置である。本発明のフィルム矯正装置は、例えば、プラスチックフィルムのたるみ及び/又はカールを矯正するフィルム矯正装置であって、吸引孔を有する一対の筒状体と、上記一対の筒状体をそれぞれフィルムの搬送方向に回転させるための回転機構と、上記筒状体の吸引孔からフィルムを吸引するための吸引機構とを少なくとも備える。なお、上記一対の筒状体は、デジタル印刷を行うインクヘッド部にフィルムを搬送する第一搬送ロールと、上記インクヘッド部によりデジタル印刷されたフィルムを巻き取る第二搬送ロールである。
図1に、本発明のフィルム矯正装置の一実施形態を示す。図1は、本発明のフィルム矯正装置をデジタル印刷機の一種であるインクジェット印刷機に適用した実施形態である。1はプラスチックフィルム(以下、単に「フィルム」と称する場合がある)、2はインクヘッド、3は巻出側フィルムロール、4は巻取側フィルムロール、5は上流側ガイドロール、6は下流側ガイドロール、7は巻出部、8は塗布部、9は巻取部である。
図1において、X軸方向に空間が巻出部7と塗布部8と巻取部9とに区分されている。巻出部7には、巻出側モーター(図示略)によって回転駆動される巻出側フィルムロール3及び上流側ガイドロール5がX軸方向に順次配列されて設けられている。巻取部9には、下流側ガイドロール6及び巻取側フィルムロール4がX軸方向に順次配列されて設けられている。ガイドロール5及び6は、それぞれ、塗布部9の前後(具体的にはインクヘッド2部の前後)に位置し、回転及び吸引しながらフィルム1を搬送方向に送るように設置されている。
ガイドロール5は上記第一搬送ロールであり、ガイドロール6は上記第二搬送ロールである。すなわち、フィルム搬送方向において、第一搬送ロールはインクヘッド2の直前に位置する搬送ロールであり、第一搬送ロールとインクヘッド2の間には他のロールは設置されない。また、フィルム搬送方向において、第二搬送ロールはインクヘッド2の直後に位置する搬送ロールであり、第二搬送ロールとインクヘッド2の間には他のロールは設置されない。
巻出部7において、巻出側フィルムロール3には、塗布部8でインキの塗布対象となるフィルム1がロール状に巻き付けられている。また、このフィルム1は、この巻出側フィルムロール3から巻き出されて塗布部8を通り、巻取部9で巻取側フィルムロール4に巻き取られている。このような状態で、フィルム1の搬送方向がX軸方向、その直交方向(幅方向)がY軸方向、その面に垂直な方向がZ軸方向である。
塗布部9では、フィルム1がX軸方向に搬送されながら、一対の筒状体であるガイドロール5及び6によりフィルム1のたるみやカールが解消されつつ、インクヘッド2から印刷インキが吐出され、例えばインクジェット方式によりフィルム1上に連続的に印刷が施され、印刷層が形成される。ガイドロール5及び6は、それぞれ、フィルム1の搬送方向に回転させるための回転機構と、ガイドロールの吸引孔からフィルム1を吸引するため吸引機構とに接続している(図示略)。本発明のフィルム矯正装置は、このような一対の筒状体(ガイドロール)と、上記回転機構と、上記吸引機構とを少なくとも備える。
図1に示す態様では、ガイドロール5及び6は、インクヘッド2の前後のフィルム1下部に、回転、吸引しながらフィルムを前(搬送方向)に送るように設置されている。すなわち、ガイドロール5及び6は、インクジェット印刷機のインクヘッド2下部に位置するフィルム1の下部に、フィルム搬送方向の幅方向に平行に、フィルム1を吸引可能な位置にそれぞれ設けられている。そして、ガイドロール5及び6は、それぞれ、表面に吸引孔(貫通孔)を有し、筒状体を、フィルム1の搬送方向に回転するよう設置される。具体的には、ガイドロール5及び6はそれぞれr1方向に回転するように設置される。そして、ガイドロール5及び6は、それぞれ、表面に設けられた吸引孔からプラスチックフィルム1裏面を吸引しながらr1方向に回転することで、フィルム1を搬送方向前後に張ることができ、これによりガイドロール5及び6間のフィルム1のたるみ、及び/又は、カールを解消することができる。
図2に、本発明のフィルム矯正装置を用いてフィルムのたるみを矯正する機構を説明する。図2は、本発明のフィルム矯正装置を用いてフィルムのたるみを解消する機構を示すための、フィルム搬送方向の断面概略図である。図2(a)に示すように、ガイドロール5及び6上に搬送された段階におけるフィルム1は、フィルム1の搬送方向にたるみSを有する。たるみSは下部方向へのたるみであるが、フィルム1は上部方向へのたるみを有する場合や、一部では下部方向へのたるみを有し他の一部では上部方向へのたるみを有する場合もある。下流側ガイドロール6は、吸引孔61からフィルム1の裏面を吸引しつつ、回転方向r1に回転する。そして、上流側ガイドロール5はフィルム1裏面を吸引し、ガイドロール6の回転に同調して回転する。これにより、図2(b)に示すように、吸引孔51及び61に吸引(吸着)されたフィルム1は搬送方向前後に引っ張られ、たるみSが解消する。フィルム1は巻出側フィルムロール3から繰り出されて連続的に搬送されるため、連続的にガイドロール5及び6上に搬送されてくる。このため、ガイドロール5及び6は連続して搬送方向に回転することで連続的にフィルムのたるみやカールを解消する。
なお、本発明のフィルム矯正装置における一対の筒状体を設ける位置は、図1に示すようにフィルムの下部であることが好ましいが、この態様に限定されず、フィルムの上部に設けられていてもよい。この場合、ガイドロール5及び6は吸引口を有しないものとし、さらに、フィルム1を挟んでガイドロール5及び6の上部に、それぞれ、フィルム搬送方向に回転する吸引孔を有する筒状体を設ける。この場合、一対の筒状体をフィルムが搬送する方向に回転させるため、フィルム下部に設ける場合と同様にフィルムを搬送する方向に回転するように筒状体を設置されるが、フィルムの上部に設置される場合の筒状体の具体的な回転方向は図1に示すr1とは逆方向となる。
上流側ガイドロール5と下流側ガイドロール6とは、Y軸方向に沿って、X軸方向に互いに平行に設けられる。上流側ガイドロール5と下流側ガイドロール6とは、略同じ(同じ若しくは一方がわずかに長い)長さを有することが好ましい。
本発明のフィルム矯正装置がデジタル印刷機(特にインクジェット印刷機)に適用される場合、図1に示すように、一対の筒状体は、それぞれ、インクジェット印刷機のインクヘッド前後に位置するように、フィルムの下部に設けられることが好ましい。すなわち、本発明のフィルム矯正装置は1つのインクヘッドごとに一対(例えばCMYKインクジェット印刷機の場合は4対)の筒状体を有することが好ましい。また、各インクヘッドの距離が近い場合、各インクヘッド間に1つの筒状体を設置するだけでもよく、この場合、最前のインクヘッド前、最後のインクヘッド後、及び各インクヘッド間にそれぞれ筒状体を設置することも可能である。これにより、インキを直接吹き付ける時のみフィルムのたるみやカールを防止することができる。なお、この場合、筒状体の位置はインクヘッドの大きさに応じて適宜設定される。
本発明のフィルム矯正装置は、稼働時はフィルムを吸引するために筒状体がフィルムを吸引可能となればよく、稼働させない場合はフィルムを吸引しないようにすることが可能な設定であってもよい。
例えば、フィルム1の塗布対象領域が塗布部9に至ると、ガイドロール5及び6の吸引孔が真空吸着可能な状態に設定され、フィルム1のこの塗布対象領域へのインキの塗布のための動作が開始し、フィルム1がX軸方向のテンションが掛けられたまま、ガイドロール5及び6の吸引機構を作動させ、フィルム1が真空吸着されカールやたるみを矯正する。フィルム1の塗布対象領域が塗布部9に至る前及び塗布部9を通過した後では、ガイドロール5及び6の吸引機構を停止させてもよい。
上記一対の筒状体は、ガイドロールとしても機能する観点から、円筒体であることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲内で多角筒体であってもよい。
図3に、ガイドロール5の一実施形態の上面概略図を示す。ガイドロール5は、表面に複数の吸引孔51を備える。複数の吸引孔51は、ガイドロール5の回転方向r1の周方向(フィルム搬送方向、X軸方向)、及び回転方向r1と直交する方向(幅方向、Y軸方向)に、それぞれ、特に等間隔で備えられている。なお、ガイドロール6も、ガイドロール5と同様に複数の吸引孔61が設けられており、その配置の一実施形態はガイドロール5と同じである。このようにガイドロール5及び6に複数の吸引孔51及び61がそれぞれ周方向に設けられていることにより、ガイドロール5及び6が回転方向r1に回転することでフィルム裏面を吸引したるみやカールを解消すると同時に、フィルムを滑らかに搬送方向に搬送することができる。
また、複数の吸引孔51及び61は、それぞれ、ガイドロール5及び6の周方向(X軸方向)に沿って、特に等間隔で、連続的に設けられていることが好ましい。これにより、緩やかな回転速度で連続的にフィルムのたるみやカールを解消することができる。特に、複数の吸引孔51及び61は、それぞれ、図3に示すように、周方向且つ幅方向に平行に設けられていることが好ましい。
吸引孔51及び61の孔径(直径)は、フィルムを充分に吸引でき且つ搬送方向(X軸方向)に搬送可能となる程度に吸引できるものであればよく、例えば2〜10mmであり、好ましくは3〜5mm程度である。孔径が2mm以上(特に、3mm以上)であると、吸引力が充分となり、より効果的にたるみやカールを抑制することができる。孔径が10mm以下(特に、5mm以下)であると、吸引力が高くなりすぎず、より適切にフィルムを搬送方向に搬送することができる。
吸引孔51及び61の形は円形であることが望ましいが、本発明の効果を損なわない範囲内で多角形であってもよい。
吸引の強さを変えたい場合、吸引孔の大きさを大きくするより、吸引孔の数を増やす方が好ましい。例えば、筒状体の径が30mmの場合、5〜50mm間隔で吸引孔を作製することが好ましい。ただし、筒状体の径によって吸引度は変化するので、適切に選択する必要がある。[吸引口の間隔(隣り合う吸引口の中心間距離)/筒状体の外径]は、例えば0.1〜0.8、好ましくは0.15〜0.6である。
吸引孔を増やすことが難しい場合、例えば、図4及び図5に示すガイドロール5のように、筒状体の一部分を網版52にすることもできる。なお、網版52も吸引孔に該当する。それにより、真空度を変えず、吸引力を上げることが可能である。なお、図4及び図5に示すガイドロール5において、網版42の配置は特に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。例えば、図4及び図5に示す網版52の配置を、左右対称又は上下対称となるように配置してもよい。また、ガイドロール6における網版の配置は、ガイドロール5における配置と同じとすることが好ましいが、異なっていてもよい。
筒状体の材質は、特に限定されないが、ステンレス、プラスチックが好ましい。また、帯電防止性能を有することがさらに好ましい。筒状体の径(直径)は、デジタル印刷機の大きさに応じて適宜選択することができるが、25〜100mmが好ましく、より好ましくは50〜70mmである。
本発明のフィルム矯正装置は、フィルム下部、例えばたるみが生じやすいインクヘッド下部に、上記一対の筒状体の間にフィルム支持体を設けなくても良好にフィルムのたるみやサイドのカールを解消することができる。
本発明のフィルム矯正装置に用いるプラスチックフィルムは、特に限定されないが、多層フィルム(特に、多層共押出フィルム)であることが好ましい。多層フィルム(特に、多層共押出フィルム)は、各層の樹脂成分や厚みの割合等に違いにより、厚み方向において非対称な構成となることが多く、たるみやカールが生じやすいためである。上記プラスチックフィルムは、シート状フィルム(フラットフィルム)であってもよいし、チューブ状フィルムが平坦化されたフィルムであってもよい。
上記プラスチックフィルムの厚みは、特に限定されないが、30〜100μmであることが好ましい。本発明のフィルム矯正装置は、このような厚みのプラスチックフィルムのたるみやカールの解消に特に適する。
本発明のフィルム矯正装置は、フィルムの改良によらず、フィルムにたるみやカールがある場合であっても一時的にたるみやカールを解消することができる。このため、例えば図1に示すように、インクジェット印刷機等のデジタル印刷機と組み合わせて使用することが特に好ましい。なお、本発明のフィルム矯正装置の使用態様はこれに限定されるものではなく、フィルムのたるみやサイドのカールを解消する用途としてあらゆる機器に適用することができる。例えば、他のフィルムとラミネートする際に一時的にフィルムのたるみやカールを解消する用途にも好ましく使用することができる。
本発明のフィルム矯正装置とデジタル印刷機を用いて、プラスチックフィルム印刷物を製造することができる。具体的には、プラスチックフィルムを搬送しながら、フィルム搬送方向のフィルムのたるみ及び/又は搬送方向のカールを抑えつつ、デジタル印刷(例えばインクジェット方式)によりフィルム上にインキを塗布して印刷層を形成する印刷工程を有する方法により、プラスチックフィルム印刷物を製造することができる。
プラスチックフィルムの搬送速度は、特に限定されないが、たるみやカールの解消と同時に印刷を行う観点から、150m/min以下が好ましい。
一対の筒状体により吸引孔からフィルムを吸引する際の真空度合いは、吸引孔の数及び孔径に応じて適宜設定されるが、12〜40kPaが好ましい。ただし、フィルムの幅や厚みによって、吸引される度合いが違うので、状況に合わせ、調整できるようにしておくのが好ましい。
筒状体の回転速度は、印刷速度に同調できる駆動構造になっていることが好ましいが、20〜80rpmが好ましい。ただし、筒状体の径によって適切に選択するべきである。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。被印刷媒体としてプラスチックフィルムを用意した。フィルムの詳細は以下の通りである。
・フィルムA:多層共押出フラットフィルムA(構成:ナイロン/接着層/ポリエチレン、厚み:50μm)
・フィルムB:多層共押出チューブフィルムB(構成:ナイロン/接着層/ポリエチレン、厚み:50μm)
・フィルムC:多層共押出チューブフィルムC(サイドシール有、構成:ナイロン/接着層/ポリエチレン、厚み:50μm)
実施例1〜3
上記フィルムA〜Cについて、図1に示すフィルム矯正装置を用いてフィルムのたるみ及びカールを解消しつつインクジェット方式によるデジタル印刷を行い、プラスチックフィルム印刷物を作製した。フィルム搬送速度は印刷速度に合わせ、50mm/min、一対の筒状体の回転速度は40rpm、筒状体内部の真空度合いは36kPaである。筒状体として、図3に示すように、周方向且つ幅方向に複数の吸引孔が設けられた一対の筒状体を用いた。筒状体の径は30mmである。
比較例1〜3
上記フィルムA〜Cについて、フィルム矯正装置を用いなかったこと以外は実施例1〜3と同様にしてインクジェット方式によるデジタル印刷を行い、プラスチックフィルム印刷物を作製した。
(評価)
実施例及び比較例で行ったデジタル印刷時について、フィルムのたるみ、カール、及びインクヘッドとの擦れについて評価を行った。各評価の基準は以下の通りである。結果を表1に示した。
(1)たるみ及びカール
印刷時にたるみ又はカールが解消されていた場合を○、たるみ又はカールが比較的小さかった場合を△、たるみ又はカールが比較的大きかった場合を×として評価した。
(2)インクヘッドとの擦れ
印刷時にインクヘッドとフィルムの擦れが発生しなかった場合を○、擦れが発生した場合を×として評価した。
Figure 2021014075
表1から分かるとおり、本発明のフィルム矯正装置を使用することで、フラットフィルムもチューブフィルムもたるみとカールを防止し、さらにはインクヘッドとの擦れも確認されなかった。また、同フィルムを使用し、本発明のフィルム矯正装置を使用しなかった場合、チューブフィルムのカールは、フラットフィルム程度は確認されなかったが、フラットフィルム同様、上部(インクヘッド側)へのたるみが確認されたため、インクヘッドとの擦れも確認された。
以上のまとめとして、本発明の構成及びそのバリエーションを以下に付記しておく。
[1]プラスチックフィルムの表面にインクジェット方式で印刷するデジタル印刷時におけるフィルムのたるみ及び/又はカールを抑えるフィルム矯正装置。
[2]インクヘッド部の前後に位置するように、フィルムの搬送方向と直交した2本の回転、吸引しながらフィルムを前に送るロールを設置する[1]に記載のフィルム矯正装置。
[3]プラスチックフィルムのたるみ及び/又はカールを矯正するフィルム矯正装置であって、吸引孔を有する一対の筒状体と、上記一対の筒状体をそれぞれフィルムの搬送方向に回転させるための回転機構と、上記筒状体の吸引孔からフィルムを吸引するため吸引機構とを備えたフィルム矯正装置。
[4]上記一対の筒状体は、デジタル印刷を行うインクヘッド部にフィルムを搬送する第一搬送ロールと、上記インクヘッド部によりデジタル印刷されたフィルムを巻き取る第二搬送ロールである、[3]に記載のフィルム矯正装置。
[5]上記第一搬送ロールと上記インクヘッドの間には他のロールが設置されておらず、上記第二搬送ロールと上記インクヘッドの間には他のロールが設置されていない、[3]又は[4]に記載のフィルム矯正装置。
[6]上記一対の筒状体が、それぞれ、筒状体の周方向に上記吸引孔を複数有する[3]〜[5]のいずれか1つに記載のフィルム矯正装置。
[7]上記一対の筒状体が、それぞれフィルムの搬送方向と直交するように設置されている[3]〜[6]のいずれか1つに記載のフィルム矯正装置。
[8]上記一対の筒状体の間にフィルム支持体を有しない[3]〜[7]のいずれか1つに記載のフィルム矯正装置。
[9]上記プラスチックフィルムは厚みが30〜100μmの多層フィルムである[1]〜[8]のいずれか1つに記載のフィルム矯正装置。
[10]ロール状のプラスチックフィルムを巻き出して搬送する上流側ガイドロールと、上記プラスチックフィルム上にデジタル方式によりインキを塗布するインクヘッドと、インキが塗布された上記プラスチックフィルムを搬送してロール状に巻き取る下流側ガイドロールと、を備え、上記上流側ガイドロール及び上記下流側ガイドロールは、それぞれ、上記プラスチックフィルムを吸引する吸引孔を有する、デジタル印刷機。
[11]プラスチックフィルムを搬送しながら、[1]〜[9]のいずれか1つにフィルム矯正装置によりフィルム搬送方向のフィルムのたるみ及び/又は搬送方向のフィルムカールを抑えつつ、デジタル印刷によりフィルム上にインキを塗布して印刷層を形成する印刷工程を有する、プラスチックフィルム印刷物の製造方法。
本発明のフィルム矯正装置は、たるみやサイドのカールがあるプラスチックフィルムに対しても、インクジェット方式で審美性に優れる文字あるいは画像などの情報を印刷するデジタル印刷を実施することができる。
1 プラスチックフィルム
2 インクヘッド
3 巻出側フィルムロール
4 巻取側フィルムロール
5 上流側ガイドロール(筒状体)
6 下流側ガイドロール(筒状体)
7 巻出部
8 塗布部
9 巻取部
51,61 吸引孔
52 網版

Claims (7)

  1. プラスチックフィルムの表面にインクジェット方式で印刷するデジタル印刷時におけるインクヘッドの下部に、インクヘッド部の前後に位置するように、フィルムの搬送方向と直交した2本の回転、吸引しながらフィルムを前に送るロールを設置するフィルムのたるみ及び/又はカールを抑えるフィルム矯正装置。
  2. プラスチックフィルムのたるみ及び/又はカールを矯正するフィルム矯正装置であって、吸引孔を有する一対の筒状体と、前記一対の筒状体をそれぞれフィルムの搬送方向に回転させるための回転機構と、前記筒状体の吸引孔からフィルムを吸引するための吸引機構とを備え、前記一対の筒状体は、デジタル印刷を行うインクヘッド部にフィルムを搬送する第一搬送ロールと、前記インクヘッド部によりデジタル印刷されたフィルムを巻き取る第二搬送ロールである、フィルム矯正装置。
  3. 上記一対の筒状体は、それぞれ、筒状体の周方向に上記吸引孔を複数有する請求項2に記載のフィルム矯正装置。
  4. 前記一対の筒状体が、それぞれフィルムの搬送方向と直交するように設置されている請求項2又は3に記載のフィルム矯正装置。
  5. 前記プラスチックフィルムは厚みが30〜100μmの多層プラスチックフィルムである請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム矯正装置。
  6. ロール状のプラスチックフィルムを巻き出して搬送する上流側ガイドロールと、前記プラスチックフィルム上にデジタル方式によりインキを塗布するインクヘッドと、インキが塗布された前記プラスチックフィルムを下流へ搬送する下流側ガイドロールと、を備え、
    前記上流側ガイドロール及び前記下流側ガイドロールは、それぞれ、前記プラスチックフィルムを吸引する吸引孔を有する、デジタル印刷機。
  7. プラスチックフィルムを搬送しながら、請求項1〜5のいずれか1項にフィルム矯正装置によりフィルム搬送方向のフィルムのたるみ及び/又は搬送方向のフィルムカールを抑えつつ、デジタル印刷によりフィルム上にインキを塗布して印刷層を形成する印刷工程を有する、プラスチックフィルム印刷物の製造方法。
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