JP2003512455A - ナトリウム−水素交換体タイプ1阻害剤結晶 - Google Patents

ナトリウム−水素交換体タイプ1阻害剤結晶

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JP2003512455A
JP2003512455A JP2001533113A JP2001533113A JP2003512455A JP 2003512455 A JP2003512455 A JP 2003512455A JP 2001533113 A JP2001533113 A JP 2001533113A JP 2001533113 A JP2001533113 A JP 2001533113A JP 2003512455 A JP2003512455 A JP 2003512455A
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crystals
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guanidine
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JP2001533113A
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ブロストロム,ライル・ロビンソン
コノリー,テレンス・ジョセフ
リ,チェン・ジェーン
オーリル,スーザン・リー
シャー,ブハラト・キリトクマー
Original Assignee
ファイザー・プロダクツ・インク
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Abstract

(57)【要約】 NHE−1阻害剤結晶、そのようなNHE−1阻害剤結晶の使用方法、およびそのようなNHE−1阻害剤結晶を含有する医薬組成物。該NHE−1阻害剤結晶は、組織虚血に起因する組織損傷の軽減に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明は、ナトリウム−水素交換体タイプ1(NHE−1)阻害剤、および詳
細には、そのような阻害剤の結晶に関する。
【0002】 心筋虚血性傷害は、外来患者および手術中の状況下において起こることがあり
突然死、心筋梗塞またはうっ血性心不全の発生原因になる可能性がある。心筋虚
血性傷害、詳細には、手術中の心筋梗塞を防止し、または最低限に抑えることが
、医学的に要求されているが、満たされていない。そのような治療は、救命的な
ものであり、入院を減少させ、生活の質を高め、ハイリスク患者の全体的保健医
療費を削減すると予想される。
【0003】 薬理学的な心臓保護は、これらの手術状況(手術中)において発現する心筋の
梗塞および機能不全の発生ならびに進行を、軽減するであろう。虚血性心疾患を
伴う患者において心筋損傷を軽減し、虚血後の心筋機能を改善することに加え、
心臓保護はまた、非心臓手術を必要とする“リスクのある”(65才を超えてい
る、運動に耐えられない、冠動脈疾患、糖尿病、高血圧など)患者において、心
筋の梗塞および機能不全による心臓性の罹患率および致死率を低減させるであろ
う。
【0004】 虚血および再潅流の後に観察される心筋傷害の原因となる機序(1つまたは複
数)は、十分に理解されていない。 さまざまな出版物で、グアニジン誘導体の使用は、例えば不整脈の処置に有用
なものとして開示されている。
【0005】 最近公開された特許出願で、WO99/43663として1999年9月2日
に公開されたPCT/IB99/00206(その開示を本明細書中で参考とし
て援用する)には、[5−シクロプロピル−1−(キノリン−5−イル)−1H
−ピラゾール−4−カルボニル]グアニジンを含むさまざまなNHE−1阻害剤
が開示されている。その公開物ではさらに、“迅速で優先的な化合物の好ましい
塩は、モノ−またはジ−メシレート塩である”と明言されている。
【0006】 1998年6月25日に公開されたPCT/JP97/04650出願では、
N−[(置換五員ヘテロアリール)]グアニジン化合物について開示されており
、該化合物は、Na+/H+交換の阻害剤として有用であり、したがって、高血圧
、不整脈、狭心症、心筋梗塞、動脈硬化および糖尿病合併症のような、さまざま
な疾患の処置に有効であると開示されている。
【0007】 したがって、当技術分野では、手術中の心筋虚血を処置するための化合物と、
よって、そのような化合物の新規結晶形が、明らかに必要とされており、その探
索が続けられている。発明の概要 本発明は、式Iの結晶を対象とする。
【0008】
【化2】 あるいは、上記塩は、N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−
1H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン、モノメシレート塩とよばれ
る。
【0009】 本発明の他の一面は、式Iの塩の無水結晶形を対象とする。 本発明の他の一面は、以下の表IIIにあげたX線回折の間隔dを有する、式
Iの塩の無水結晶形Aを対象とする。
【0010】 本発明の他の一面は、図1に示す粉末X線回折図形を有する、式Iの塩の無水
結晶形Aを対象とする。 本発明の他の一面は、以下の表IIにあげたX線回折の間隔dを有する、式I
の塩の無水結晶形Dを対象とする。
【0011】 本発明の他の一面は、図2に示す粉末X線回折図形を有する、式Iの塩の無水
結晶形Dを対象とする。 本発明の他の一面は、式Iの塩の半水和物結晶形であって、好ましくは以下の
表IVにあげたX線回折の間隔dを有する結晶形を対象とする。
【0012】 本発明の他の一面は、図3に示す粉末X線回折図形を有する、式Iの塩の半水
和物結晶形を対象とする。 以下の方法、医薬組成物、組合せおよびキットを含む本明細書の本文において
、式Iの結晶について言及する。結晶が溶液中にある場合、結晶形は存在しない
(例えば、乾燥錠剤製剤(dry tablet formulation)とは対照的に)と理解される
が、以下の方法、医薬組成物、組合せおよびキットは、そのような結晶から得ら
れる方法または製剤(例えば、結晶から作成される静脈内用溶液の投与)を含む
ものとする。
【0013】 本発明の他の一面は、NHE−1に媒介される疾患または状態を有するほ乳類
(例えば、ヒト)に、治療的に有効な量の式Iの結晶を投与することにより、該
ほ乳類を処置する方法である。
【0014】 本発明の他の一面は、虚血に起因する組織損傷の軽減方法(例えば、実質的に
組織損傷を防止して、組織保護を誘導する)であって、そのような処置を必要と
するほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に有効な量の式Iの結
晶を投与することを含んでなる方法を対象とする。
【0015】 個別にまたは群として採取する虚血組織は、虚血組織が、心臓、脳、肝臓、腎
臓、肺、消化管、骨格筋、脾臓、膵臓、神経、脊髄、網膜組織、血管系、または
腸管の組織である場合が好ましい。
【0016】 特に好ましい虚血組織は、心臓組織である。 結晶を投与して、手術中の心筋虚血性傷害を防止することが、特に好ましい。 好ましくは、本発明の結晶は、予防的に投与する。
【0017】 虚血性損傷は、臓器または患者への臓器移植中に起こってもよい。 好ましくは、本発明の結晶は、心臓手術もしくは非心臓手術の前、その間およ
び/またはその直後に投与する。
【0018】 本発明の一面では、式Iの結晶を局所に投与する。 好ましい投与は、約0.001〜100mg/kg/日の式Iの結晶である。
特に好ましい投与量は、約0.01〜50mg/kg/日の式Iの結晶である。
【0019】 本発明の他の一面は、手術(例えば、冠動脈バイパス移植(CABG)術、血
管手術、経皮経管的冠動脈形成術(PTCA)、臓器移植術、またはその他の非
心臓手術)中の心筋組織損傷の軽減方法(例えば、実質的に組織損傷を防止して
、組織保護を誘導する)であって、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に
、治療的に有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる方法を対象とする
【0020】 本発明の他の一面は、進行中の心臓虚血(急性冠動脈症候群、例えば、心筋梗
塞または不安定狭心症)または脳虚血(例えば、卒中発作)の事象を呈する患者
における心筋組織損傷の軽減方法(例えば、実質的に組織損傷を防止して、組織
保護を誘導する)であって、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療
的に有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる方法を対象とする。
【0021】 本発明の他の一面は、冠動脈性心疾患(例えば、先の心筋梗塞または不安定狭
心症)と診断された患者、または心筋梗塞のリスクが高い患者(例えば、65才
より高齢である、冠動脈性心疾患のリスク因子が2つまたはそれ以上ある)にお
ける心筋組織損傷の長期的軽減方法(例えば、実質的に組織損傷を防止して、組
織保護を誘導する)であって、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治
療的に有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる方法を対象とする。
【0022】 本発明の他の一面は、虚血性損傷の防止方法であって、そのような処置を必要
とするほ乳類に、治療的に有効な量の式Iの結晶を長期的に経口投与することを
含んでなる方法を対象とする。
【0023】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、心血管疾患の処置方法を対
象とする。
【0024】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、動脈硬化症の処置方法を対
象とする。
【0025】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、高血圧の処置方法を対象と
する。
【0026】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、不整脈の処置方法を対象と
する。
【0027】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、狭心症の処置方法を対象と
する。
【0028】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、心臓肥大の処置方法を対象
とする。
【0029】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、腎疾患の処置方法を対象と
する。
【0030】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、糖尿病合併症の処置方法を
対象とする。
【0031】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、再狭窄の処置方法を対象と
する。
【0032】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、細胞増殖の疾患の処置方法
を対象とする。
【0033】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、がん性疾患の処置方法を対
象とする。
【0034】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、線維形成性(fibrotic)疾患
の処置方法を対象とする。
【0035】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、糸球体腎硬化症の処置方法
を対象とする。
【0036】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、臓器の肥大または過形成の
処置方法を対象とする。
【0037】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、肺線維症の処置方法を対象
とする。
【0038】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、脳虚血性障害の処置方法を
対象とする。
【0039】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、心筋衝撃(myocardial stun
ning)の処置方法を対象とする。
【0040】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、心筋機能不全の処置方法を
対象とする。
【0041】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、脳血管疾患の処置方法を対
象とする。
【0042】 本発明の他の一面は、ほ乳類(例えば、女性または男性のヒト)に、治療的に
有効な量の式Iの結晶を投与することを含んでなる、臓器の肥大または過形成の
処置方法を対象とする。
【0043】 本発明はまた、治療的に有効な量の式Iの結晶、および医薬的に許容しうる担
体、賦形剤または希釈剤を含んでなる医薬組成物を対象とする。 本発明はまた、虚血に起因する組織損傷を軽減するための医薬組成物であって
、治療的に有効な量の式Iの結晶、および医薬的に許容しうる担体、賦形剤また
は希釈剤を含んでなる医薬組成物を対象とする。
【0044】 本発明のさらに他の一面は、式Iの結晶と、以下に記載する他の化合物との組
合せである。 本発明のさらに他の一面は、式Iの結晶および心血管作用薬を含んでなる治療
的に有効な量の医薬組成物、ならびに、ほ乳類(例えば、ヒト、男性または女性
)での組織虚血に起因する組織損傷を軽減するためのそのような組成物の使用を
対象とする。
【0045】 本発明の他の一面は、虚血に起因する、または起因しうる組織損傷の軽減方法
(例えば、実質的に組織損傷を防止して、組織保護を誘導する)であって、ほ乳
類(例えば、女性または男性のヒト)に、 a.式Iの結晶;および b.心血管作用薬、 を投与することを含んでなる方法である。ここで、第1および第2の化合物の量
は、治療効果をもたらすものである。
【0046】 本発明の他の一面は、 a.第1の単位剤形の状態にある、式Iの結晶および医薬的に許容しうる担体、
賦形剤または希釈剤; b.第2の単位剤形の状態にある、心血管作用薬および医薬的に許容しうる担体
、賦形剤または希釈剤;ならびに c.該第1および第2の剤形を含有するための手段、ここで、第1および第2の
化合物の量は、治療効果をもたらすものである、 を含んでなるキットである。
【0047】 上記組合せ組成物、組合せ方法およびキットにおいて、好ましくは、心血管作
用薬は、例えば、β−遮断薬(例えば、アセブトロール、アテノロール、ボピン
ドロール、ラベトロール(labetorol)、メピンドロール(mepindorol)、ナドロー
ル、オクスプレノール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロール)、カル
シウムチャンネル遮断薬(例えば、アムロジピン、ニフェジピン、ニソルジピン
、ニトレンジピン、ベラパミル)、カリウムチャンネルオープナー(openers)、
アデノシン、アデノシンアゴニスト、ACE阻害剤(例えば、カプトプリル、エ
ナラプリル)、ニトレート(例えば、イソソルビドジニトレート、イソソルビド
5−モノニトレート、ニトログリセリン)、利尿薬(例えば、ヒドロクロロチア
ジド、インダパミド、ピレタニド、キシパミド(xipamide))、グリコシド(例え
ば、ジゴキシン、メチルジゴキシン)、血栓溶解薬(例えば、tPA)、血小板
阻害薬(例えば、レオプロ)、アスピリン、ジピリダモール、塩化カリウム、ク
ロニジン、プラゾシンまたはアデノシンA3受容体アゴニストである。
【0048】 本発明はまた、医薬的組合せの組成物であって、 第1の化合物、該第1の化合物は式Iの結晶である; 第2の化合物、該第2の化合物はグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤である;お
よび/または所望により、 医薬的な担体、賦形剤または希釈剤、 を含んでなり、治療的に有効な量の組成物を含んでなる組成物を対象とする。
【0049】 本発明の他の一面は、虚血に起因する、または起因しうる組織損傷の軽減方法
(例えば、実質的に組織損傷を防止して、組織保護を誘導する)であって、ほ乳
類(例えば、女性または男性のヒト)に、 a.第1の化合物、該第1の化合物は式Iの結晶である;および b.第2の化合物、該第2の化合物はグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤である
、 を投与することを含んでなる方法である。ここで、第1および第2の化合物の量
は、治療効果をもたらすものである。
【0050】 本発明の他の一面は、 a.第1の単位剤形の状態にある、式Iの結晶および医薬的に許容しうる担体、
賦形剤または希釈剤; b.第2の単位剤形の状態にある、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤および医
薬的に許容しうる担体、賦形剤または希釈剤;ならびに c.該第1および第2の剤形を含有するための手段、ここで、第1および第2の
化合物の量は、治療効果をもたらすものである、 を含んでなるキットである。
【0051】 上記組合せ組成物、組合せ方法およびキットにおいて、好ましいグリコーゲン
ホスホリラーゼ阻害剤は、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−((R)−ヒドロ
キシ−ジメチルカルバモイル−メチル)−2−フェニル−エチル]−アミド、 5,6−ジクロロ−1H−インドール−2−カルボン酸{(1S)−[(R)−
ヒドロキシ−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−メチル]−2−フェニル−
エチル}−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸{(1S)−[(R)−ヒドロ
キシ−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−メチル]−2−フェニル−エチル
}−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸((1S)−{(R)−ヒドロ
キシ−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−カルバモイル]−メチル}−2
−フェニル−エチル)−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸{(1S)−[(R)−ヒドロ
キシ−(メチル−ピリジン−2−イル−カルバモイル)−メチル]−2−フェニ
ル−エチル}−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸((1S)−{(R)−ヒドロ
キシ−[メチル−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−カルバモイル]−メチ
ル}−2−フェニル−エチル)−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−(2R
)−ヒドロキシ−3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−3−オキソ−プ
ロピル]−アミドヒドロクロリド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−(2R
)−ヒドロキシ−3−(3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−イル)−3−オキソ
−プロピル]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸((1S)−ベンジル−(2R
)−ヒドロキシ−3−イソオキサゾリジン−2−イル−3−オキソ−プロピル)
−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸((1S)−ベンジル−(2R
)−ヒドロキシ−3−[1,2]オキサジナン−2−イル−3−オキソ−プロピ
ル)−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−(2R
)−ヒドロキシ−3−((3S)−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−3−
オキソ−プロピル]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−3−(
(3S,4S)−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−(2R)−ヒドロキ
シ−3−オキソ−プロピル]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−3−(
(3R,4S)−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−(2R)−ヒドロキ
シ−3−オキソ−プロピル]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸((1S)−ベンジル−(2R
)−ヒドロキシ−3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロピル)−アミド
、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−2−(
3−ヒドロキシイミノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アミ
ド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[2−(cis−3,4−ジヒ
ドロキシ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[2−((3S,4S)−ジヒ
ドロキシ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−2−(
cis−3,4−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル
]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[2−(1,1−ジオキソ−チ
アゾリジン−3−イル)−2−オキソ−エチル]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸(2−オキソ−2−チアゾリジ
ン−3−イル−エチル)−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−(4−フルオロ−
ベンジル)−2−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エ
チル]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−2−(
(3RS)−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−ア
ミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[2−オキソ−2−((1RS
)−オキソ−1−チアゾリジン−3−イル)−エチル]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−(2−フルオロ−
ベンジル)−2−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エ
チル]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−2−(
(3S,4S)−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル
]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−2−(
3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アミド、 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−2−(
3−ヒドロキシイミノ−アゼチジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アミ
ド、および 5−クロロ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S)−ベンジル−2−(
4−ヒドロキシイミノ−ピペリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−アミ
ド、 である。
【0052】 本発明はまた、医薬的な組合せ組成物であって、 第1の化合物、該第1の化合物は式Iの結晶である; 第2の化合物、該第2の化合物はアルドース還元酵素阻害剤である;および/ま
たは所望により、 医薬的な担体、賦形剤または希釈剤、 を含んでなり、治療的に有効な量の組成物を含んでなる組成物を対象とする。
【0053】 本発明の他の一面は、虚血に起因する、または起因しうる組織損傷の軽減方法
(例えば、実質的に組織損傷を防止して、組織保護を誘導する)であって、ほ乳
類(例えば、女性または男性のヒト)に、 a.第1の化合物、該第1の化合物は式Iの結晶である;および b.第2の化合物、該第2の化合物はアルドース還元酵素阻害剤である、 を投与することを含んでなる方法である。ここで、第1および第2の化合物の量
は、治療効果をもたらすものである。
【0054】 本発明の他の一面は、 a.第1の単位剤形の状態にある、式Iの結晶および医薬的に許容しうる担体、
賦形剤または希釈剤; b.第2の単位剤形の状態にある、アルドース還元酵素阻害剤および医薬的に許
容しうる担体、賦形剤または希釈剤;ならびに c.該第1および第2の剤形を含有するための手段、ここで、第1および第2の
化合物の量は、治療効果をもたらすものである、 を含んでなるキットである。
【0055】 上記組合せ組成物、組合せ方法およびキットにおいて、好ましいアルドース還
元酵素阻害剤は、ゾポルレスタット(zopolrestat):1−フタラジン酢酸、3
,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−[[5−トリフルオロメチル)−2−ベンゾ
チアゾリル]メチル]−である。
【0056】 本発明はまた、治療的に有効な量の式Iの結晶、および医薬的に許容しうる担
体、希釈剤または付形剤を含んでなる医薬組成物を対象とする。 本発明はまた、虚血に起因する組織損傷を軽減するための医薬組成物であって
、治療的に有効な量の式Iの結晶、および医薬的に許容しうる担体、希釈剤また
は付形剤を含んでなる組成物を対象とする。
【0057】 “軽減”という用語は、実質的に完全な防止に加えて、部分的防止、すなわち
、化合物を摂取しない場合またはプラセボを摂取した場合に比べ効果的であるが
、100%に満たない防止を含むものとする。
【0058】 本明細書中で用いる“虚血に起因する損傷”という用語は、組織への血流の減
少に直接的に関連する状態をさす。その原因は、例えば、血餅、すなわち、対象
組織に血液を供給する血管の閉塞であり、これは、とりわけ、そのような組織へ
の酸素運搬の減少、組織性能障害(impaired tissue performance)、組織の機能
不全および/または壊死を引き起こす。あるいは、血流または臓器潅流が量的に
適切であってもよい場合、血液または臓器潅流媒体の酸素運搬能力が低減するこ
とにより、例えば低酸素環境において、組織への酸素供給が減少し、組織性能障
害、組織機能不全、および/または組織壊死が続発してもよい。
【0059】 本明細書中で用いる“処置すること”、“処置する”または“処置”という用
語は、防止的(例えば、予防的)および待期的処置を含む。 “医薬的に許容しうる”は、担体、希釈剤、付形剤および/または塩が、製剤
の他の成分に適合性を示し、その受容者に対し毒性を示してはならないことを意
味する。
【0060】 本明細書中で用いる“反応不活性溶媒”および“不活性溶媒”という表現は、
出発物質、試薬、中間体または生成物と、所望の生成物の収率に悪影響を及ぼす
ような相互作用を起こさない、溶媒または溶媒の混合物をさす。
【0061】 本発明の化合物は、放射性標識形態で存在することができる、すなわち、該化
合物は、天然に通常みられる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質
量数を含有する1または複数個の原子を含有していてもよい。水素、炭素、リン
、フッ素および塩素の放射性同位体には、それぞれ、3H、14C、32P、35S、18 Fおよび36Clが含まれる。本発明の化合物であって、これらの放射性同位体お
よび/または他の原子の他の放射性同位体を含有するものは、本発明の範囲内に
ある。トリチウム化した放射性同位体、すなわち3H、および炭素−14放射性
同位体、すなわち14Cは、調製が容易で、かつ検出感度が高いので、特に好まし
い。放射性標識を施した式Iの化合物は、一般に、当分野の技術者に周知の方法
により調製することができる。そのような放射性標識化合物は、以下のスキーム
および/または実施例に開示する手順を、非放射性標識試薬の代わりに、容易に
入手可能な放射性標識試薬を用いて実施することにより調製することができ、有
利である。
【0062】 その他の特徴および利点は、本発明を説明する明細書および請求項により、明
らかになるであろう。発明の詳細な説明 一般に、本発明の結晶は、化学分野で公知の方法に類似のものを含む方法、詳
細には、本明細書中に含有される記載を考慮に入れた方法により、作成すること
ができる。本発明の結晶の特定の製造方法を、本発明のさらなる特徴として提供
し、以下の反応スキームにより例示する。その他の方法については、実験項で記
載する。
【0063】
【化3】 スキームIに従って、式IIの化合物を、過剰の式IIIの化合物(N,N−
ジメチルアミドジメチルアセタール)と、所望により、p−トルエンスルホン酸
のような酸触媒の存在下、約50℃〜約110℃の温度で約1〜約5時間、好ま
しくは約70℃〜約80℃の温度で約1〜約2時間の簡明な条件(neat conditio
n)で、組み合わせて、式IVの化合物を調製する。この反応は、酢酸エチル中で
も行うことができる。
【0064】 式IVの化合物を、エタノールのような不活性溶媒中で、式Vの化合物と、好
ましくは、トリエチルアミンのようなアミン塩基の存在下、約50℃〜約還流温
度(78℃)の温度で約1時間〜約4時間、環化して、式VIのピラゾール化合
物を形成する。この反応はまた、酢酸エチルおよびメタノール中で行ってもよい
【0065】 式VIのピラゾールを、メタノールのような溶媒中で水酸化ナトリムのような
塩基を用いて、有利には室温または好ましくは高温(例えば、還流温度)で、約
1時間〜約5時間、加水分解して、式VIIの酸を調製する。
【0066】 一般に、式VIIの酸を、適切なカップリング剤存在下で、グアニジンとカッ
プリングさせる。適切なカップリング剤は、カルボン酸を反応性種に変換するも
のであり、この反応性種は、アミンと反応するとアミド結合を形成する。
【0067】 カップリング剤は、カルボン酸およびグアニジンと一緒に混合したときに、ワ
ンポット法においてこの縮合に影響を与えるような試薬であってもよい。代表的
なカップリング試薬は、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカル
ボジイミドヒドロクロリド−ヒドロキシベンゾトリアゾール(EDC/HOBT
)、ジシクロヘキシルカルボジイミド/ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOB
T)、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(E
EDQ)、およびジエチルホスホリルシアニドである。カップリングは、不活性
溶媒中、好ましくは非プロトン性溶媒中、約−20℃〜約50℃で約1〜約48
時間、塩基としての過剰のグアニジンの存在下で行う。代表的な溶媒には、アセ
トニトリル、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドおよびクロロホルムまたは
それらの混合物が含まれる。
【0068】 カップリング剤は、カルボン酸を活性化中間体に転化する薬剤であることがで
きる。この活性化中間体は、第1工程で単離および/または形成し、第2工程で
グアニジンと反応させる。そのようなカップリング剤および活性化中間体の例は
、酸塩化物を形成するための塩化チオニルもしくは塩化オキサリル、酸フッ化物
を形成するためのフッ化シアヌル、あるいは、カルボン酸の混合無水物を形成す
るためのクロロギ酸アルキル、例えばクロロギ酸イソブチルもしくはクロロギ酸
イソプロペニルまたはプロパンホスホニック(propanephosphonic)無水物(プロ
パンホスホン酸無水物、PPA)(第三級アミン塩基を伴う)、あるいは、アシ
ルイミダゾールを形成するためのカルボニルジイミダゾールである。カップリン
グ剤が塩化オキサリルである場合、酸塩化物の形成を触媒するために、少量のジ
メチルホルムアミドを共溶媒として他の溶媒(ジクロロメタンなど)と共に用い
ると有利である。この活性化酸誘導体は、適切な溶媒および適切な塩基中で中間
体と混合することにより、カップリングしてもよい。適切な溶媒/塩基の組合せ
は、例えば、塩基として過剰のグアニジン存在下でのジクロロメタン、ジメチル
ホルムアミドもしくはアセトニトリルまたはそれらの混合物である。その他の適
切な溶媒/塩基の組合せには、水もしくは((C1−C5)アルコール)またはそ
れらの混合物、およびジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはジオキサンの
ような共溶媒、ならびに、反応中に遊離する酸を消費するのに十分な量の塩基、
例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウムの水酸化物が含まれる。これらの
カップリング剤の使用ならびに溶媒および温度の適切な選択は、当分野の技術者
に公知であり、または、文献から容易に決定することができる。カルボン酸のカ
ップリングに有用なこれらおよび他の代表的条件は、Houben−Weyl,
第XV巻,第II部,E.Wunsch監修,G.Theime Verlag
,1974年,Stuttgart;M.Bodansky,Principl
es of Peptide Synthesis,Springer−Ver
lag,Berlin,1984年;およびThe Peptides,Ana
lysis,Synthesis and Biology(E.Grossお
よびJ.Meienhofer監修),第1〜5巻(Academic Pre
ss,NY,1979−1983年)に記載されている。
【0069】 好ましい態様では、式VIIの酸を、トルエンなどの非プロトン性溶媒中で過
剰の塩化チオニル(例えば、3〜6当量)を用いて、約60℃〜約90℃の温度
で約15分〜約2時間、好ましくは約75℃の温度で約1〜2時間にわたり活性
化する。
【0070】 無水テトラヒドロフラン中の得られた式VIIIの活性酸塩化物を、無水テト
ラヒドロフラン中、約−20℃〜約10℃の温度で約1時間〜約3時間、そして
最後に数時間かけて室温に加温して、過剰の塩酸グアニジンおよび無機塩基(例
えば、水酸化ナトリウム)の水溶液と組み合わせて、式IXの化合物を調製する
【0071】 式IXの化合物を、非プロトン性溶媒中、好ましくはアセトンと1−メチル−
2−ピロリジノンの混合物で、好ましくは約90%〜約60%がアセトン、残り
が1−メチル−2−ピロリジノンである混合物中、約40℃〜約80℃の温度で
約10分〜約1時間、メタンスルホン酸と組み合わせた後、約20℃〜約30℃
の温度で約3時間〜約6時間、好ましくは遮光下において約室温で約5時間、撹
拌する。好ましくは、固体をアセトン中で約6〜約18時間かけて再スラリー化
させる。塩の形成は、テトラヒドロフラン中で行うこともできる。この溶媒を選
択する場合、95%エタノールでの再スラリーが好ましい。
【0072】 上記化合物の出発物質および試薬は、容易に入手することもでき、または、当
分野の技術者が従来の有機合成法を用いて簡単に合成できるものである。例えば
、本明細書中で用いる化合物の多くは、天然にみられる化合物に関連するものか
、またはこれから誘導されるものであり、科学的に非常に重要で、商業的必要性
が高い。したがって、多くのそのような化合物は市販されているか、文献に報告
されているか、または、他の一般に入手可能な物質から、文献に報告されている
方法により簡単に調製される。
【0073】 本発明の化合物の無水結晶形(D)は、N−(5−シクロプロピル−1−キノ
リン−5−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジンおよびN−
メチルピロリジノンのアセトン溶液を、約30℃〜約60℃の温度、好ましくは
約50゜で、約1〜約10時間かけてメタンスルホン酸と組み合わせた後、約5
℃の温度、好ましくは10℃未満に冷却しつつ撹拌することにより、調製しても
よい。代替溶媒には、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールのような
有機溶媒が含まれる。適切な場合は、生成物を濾過し、ガスクロマトグラフによ
る溶媒含量が0.5%以下になるまで、55℃〜60℃で24〜72時間減圧乾
燥する。
【0074】 本発明の化合物の無水結晶形(A)は、上記形態D結晶形を、約20℃〜約2
5℃の温度、好ましくは室温で、撹拌しつつ、約2時間〜約24時間かけてアセ
トンから再パルプ化(repulping)(すなわち、部分的に溶解した材料の懸濁液を
混合する)し、典型的には、次ぎに約30℃の温度〜約60℃の温度で乾燥する
ことにより調製してもよい。代替溶媒には、アセトニトリル、酢酸エチルおよび
テトラヒドロフランなどの不活性溶媒が含まれる。
【0075】 本発明の化合物の半水和物結晶形(C)は、純度90%の形態A(N−(5−
シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニル
−グアニジン、ジメシレート塩を不純物として含有すると思われる)を、約20
℃〜約25℃の温度、好ましくは室温で、約2時間〜約24時間かけて、好まし
くは撹拌しつつ、エタノールまたはイソプロパノール/水中で再パルプ化するこ
とにより調製してもよい。典型的には、範囲は、約85%〜約95%のエタノー
ルおよび約5%〜約15%の水である。好ましくは、エタノール/水の割合は、
91%対9%である。代替溶媒には、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロ
フラン、酢酸エチルと、5%〜10%の水のような、有機/水溶媒が含まれる。
【0076】 以下の表1に、N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−1H−
ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン、モノメシレート塩の4種の形態、
すなわち、非晶質;2種の無水結晶形(AおよびB);および半水和物結晶形に
関する重要な性質を挙げる。
【0077】
【表5】 当分野の技術者なら、式Iの塩が、いくつかの互変異性形で存在できることを
、理解するであろう。そのような互変異性形をすべて、本発明の一部とみなす。
例えば、式Iの塩のカルボニルグアニジン部分の互変異性形はすべて、本発明に
含まれる。
【0078】 あらゆるアルドース還元酵素阻害剤を、本発明の第2の化合物(活性薬剤)と
して併用療法に用いることができる。アルドース還元酵素阻害剤という用語は、
酵素のアルドース還元酵素が触媒するグルコースからソルビトールへの生物変換
反応を阻害する化合物をさす。当分野の技術者なら、そのような阻害を、標準的
アッセイに従って簡単に決定する(J.Malone,Diabetes29 :861−864,1980年。“Red Cell Sorbitol,an
Indicator of Diabetic Control”)。さまざ
まなアルドース還元酵素阻害剤が、当分野の技術者に公知である。
【0079】 本発明の活性に有効な量のアルドース還元酵素阻害剤を、用いることができる
。典型的には、本発明におけるアルドース還元酵素阻害剤の有効な投与量は、1
回または分割投与で約0.1mg/kg/日〜100mg/kg/日、好ましく
は1回または分割投与で0.1mg/kg/日〜20mg/kg/日の範囲であ
る。
【0080】 あらゆるグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を、本発明の第2の化合物として
用いることができる。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤という用語は、グリコ
ーゲンホスホリラーゼの酵素作用を軽減し、妨害し、または除去するあらゆる物
質もしくは薬剤または物質および/もしくは薬剤のあらゆる組合せをさす。現在
知られているグリコーゲンホスホリラーゼの酵素作用は、グリコーゲン巨大分子
および無機リン酸塩から、グルコース−1−ホスフェートと、および最初のグリ
コーゲン巨大分子よりグルコシル残基1個分短いグリコーゲン巨大分子への可逆
反応を触媒することによる、グリコーゲンの分解である(グリコーゲン分解の正
方向)。当分野の技術者なら、そのような作用を、標準的アッセイに従って簡単
に決定する。さまざまなこれらの化合物が、以下の公開された国際特許出願に含
まれている:PCT出願公開WO96/39384およびWO96/39385
。しかしながら、その他のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤が、当分野の技術
者に知られるているであろう。
【0081】 一般に、本発明の薬理学的な組合せ組成物のためのグリコーゲンホスホリラー
ゼ阻害剤の有効量は、例えば、本発明のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤化合
物を含有する組合せの虚血性損傷軽減活性は、0.005〜50mg/kg/日
、好ましくは0.01〜25mg/kg/日、もっとも好ましくは0.1〜15
mg/kg/日の範囲である。
【0082】 当分野の技術者なら、その他の心血管作用薬、例えば、β−遮断薬(例えば、
アセブトロール、アテノロール、ボピンドロール、ラベトロール、メピンドロー
ル、ナドロール、オクスプレノール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロ
ール)、カルシウムチャンネル遮断薬(例えば、アムロジピン、ニフェジピン、
ニソルジピン、ニトレンジピン、ベラパミル)、ACE阻害剤(例えば、カプト
プリル、エナラプリル)、ニトレート(例えば、イソソルビドジニトレート、イ
ソソルビド5−モノニトレート、ニトログリセリン)、利尿薬(例えば、ヒドロ
クロロチアジド、インダパミド、ピレタニド、キシパミド)、グリコシド(例え
ば、ジゴキシン、メチルジゴキシン)、血栓溶解薬(例えば、tPA)、血小板
阻害薬(例えば、レオプロ)、アスピリン、ジピリダモール、塩化カリウム、ク
ロニジン、プラゾシン、アルドース還元酵素阻害剤(例えば、ゾポルレスタット
)およびアデノシンA3受容体アゴニストを、本発明の結晶と同時に用いてもよ
いことを、理解するであろう。
【0083】 本発明の結晶は、ナトリウム/プロトン(Na+/H+)交換運搬系を阻害する
ので、ナトリウム/プロトン(Na+/H+)交換運搬系の促進によって引き起こ
される疾患のための治療または予防薬として有用である。この疾患は、例えば、
心血管疾患[例えば、動脈硬化、高血圧、不整脈(例えば、虚血性不整脈、心筋
梗塞による不整脈、PTCA後または血栓崩壊後の不整脈など)、狭心症、心臓
肥大、心筋梗塞、心不全(例えば、うっ血性心不全、急性心不全、心臓肥大など
)、PTCA後の再狭窄、ショック(例えば、出血性ショック、エンドトキシン
ショックなど)]、腎疾患(例えば、糖尿病、糖尿病性腎症、虚血性急性腎不全
など)、虚血または虚血再潅流による臓器障害[(例えば、心臓筋虚血再潅流に
よる障害、急性腎不全、または、冠動脈バイパス移植(CABG)術、血管手術
、臓器移植術、非心臓手術もしくは経皮経管的冠動脈形成術(PTCA)のよう
な外科的処置により引き起こされる疾患]、脳血管疾患(例えば、虚血性発作、
出血性発作など)、脳の虚血性疾患(例えば、脳梗塞による疾患、脳卒中後に後
遺症として現れる疾患、または脳水腫)である。本発明の結晶は、冠動脈バイパ
ス移植(CABG)術、血管手術、経皮経管的冠動脈形成術(PTCA)、臓器
移植術、または非心臓手術中に心筋保護のための薬剤として用いることもできる
【0084】 好ましくは、本発明の結晶は、冠動脈バイパス移植(CABG)術、血管手術
、経皮経管的冠動脈形成術(PTCA)、臓器移植術、もしくは非心臓手術の前
、その間、またはその後に、心筋保護のための薬剤として用いることができる。
【0085】 好ましくは、本発明の結晶は、進行中の心臓虚血(急性冠動脈症候群、例えば
、心筋梗塞または不安定狭心症)または脳虚血(例えば、卒中発作)の事象を呈
する患者において、心筋保護のための薬剤として用いることができる。
【0086】 好ましくは、本発明の結晶は、冠動脈性心疾患(例えば、先の心筋梗塞または
不安定狭心症)と診断された患者、または心筋梗塞のリスクが高い患者(例えば
、65才より高齢である、冠動脈性心疾患のリスク因子が2つまたはそれ以上あ
る)において、長期的な心筋保護のための薬剤として用いることができる。
【0087】 これに加えて、本発明の結晶は、細胞の増殖、例えば、線維芽細胞の増殖およ
び血管の平滑筋細胞の増殖に対する強い阻害作用が顕著である。このため、本発
明の結晶は、細胞増殖が一次的または二次的原因である疾患に用いるための有益
な治療薬であり、したがって、抗アテローム動脈硬化剤として、ならびに、糖尿
病遅発合併症、がん性疾患、線維形成性疾患、例えば、肺線維症、肝線維症もし
くは腎線維症、糸球体腎硬化症、臓器の肥大もしくは過形成、詳細には、前立腺
の過形成もしくは肥大、肺線維症、PTCA後の糖尿病合併症もしくは再発性狭
窄、または内皮細胞損傷に起因する疾患に対する薬剤として、用いることができ
る。
【0088】 本明細書中に挙げたような疾患のほ乳類(例えば、ヒト)における処置、例え
ば、手術中の心筋保護、または進行中の心臓虚血もしくは脳虚血の事象を呈する
患者での心筋保護、または冠動脈性心疾患と診断された患者での長期的な心臓保
護における本発明の結晶の医薬品としての有用性を、従来の前臨床心臓保護アッ
セイでの本発明の結晶の活性により実証する[Klein,H.et al.,
Circulation 92:912−917(1995年)のin viv アッセイ;Scholz,W.et al.,Cardiovascular
Research 29:260−268(1995年)の摘出心アッセイ;
Yasutake M.et.al.,Am.J.Physiol.,36:H
2430−H2440(1994年)の抗不整脈性アッセイ;Kolke et
al.,J.Thorac.Cardiovasc.Surg.112:76
5−775(1996年)のNMRアッセイ参照]。そのようなアッセイはまた
、本発明の結晶の活性を、他の公知の結晶の活性と比較することができる手段を
提供する。これらの比較の結果は、ヒトを含むほ乳類においてそのような疾患を
処置するための投与量レベルの決定に有用である。
【0089】 本発明の結晶の投与は、所望の組織(例えば、肝臓および/または心臓の組織
)に本発明の結晶を優先的に送り届けるあらゆる方法によることができる。これ
らの方法には、経口経路、非経口、十二指腸内への経路などが含まれる。一般に
、本発明の結晶は、1回(例えば、1日1回)もしくは複数回投与量で、または
、一定量を例えば等張食塩液の状態で注入することにより、投与する。
【0090】 本発明の結晶は、例えば、虚血性事象(例えば、心筋梗塞)に起因する虚血/
再潅流傷害(例えば、心臓、脳、肺、腎臓、肝臓、消化管、骨格筋、網膜)に対
し感受性を示しうるあらゆる組織に直接作用を及ぼす損傷を、軽減するかまたは
最小限に抑えるのに有用である。したがって、活性化合物は、虚血(例えば、心
筋の虚血)のリスクがある患者において、予防的に用いて組織損傷を防止する、
すなわち、(先見的または予防的に用いて)これを弱めるまたは止めるのに有用
である。
【0091】 一般に、本発明の結晶は、経口的または非経口的(例えば、静脈内、筋肉内、
皮下または髄内)に投与する。例えば、患者が胃腸障害を患っている場合、また
は、主治医が決定したとおりに投薬が組織もしくは臓器の表面に最適に適用され
るときは常に、局所投与を指示してもよい。
【0092】 投与される結晶の量およびタイミングは、当然ながら、処置を受ける被験者、
痛みの重症度、投与の仕方、および処方する医師の判断に依存するであろう。し
たがって、患者によりさまざまであるので、以下に示す投与量は指針であり、医
師は、薬物の投与量を調節(titrate)して、患者に適していると医師がみなす処
置を達成してもよい。所望の処置の程度の検討では、医師は、患者の年齢、以前
から存在する疾患の有無、ならびに他の疾患(例えば、心血管疾患)の有無など
、さまざまな因子を比較検討しなければならない。
【0093】 したがって、例えば、投与の一方式では、本発明の結晶を、心筋虚血のリスク
がある心臓手術の前(例えば、手術前24時間以内)、その間、または心臓手術
の後(例えば、手術後24時間以内)に投与することができる。特に好ましい方
式では、手術前に輸液を約1mg〜約300mgの負荷量で約1分〜約1時間か
けて投与した後、手術前の残りの期間、手術中および手術後の期間、例えば、手
術処置後約2〜約7日間にわたり、約1mg/kg/日〜約100mg/kg/
日を一定注入する。本発明の化合物は、長期的1日方式(chronic daily mode)で
投与してもよい。
【0094】 本発明の結晶の量は、虚血の保護に有効な量を使用する。好ましい投与量は、
約0.001〜100mg/kg/日の本発明の結晶である。特に好ましい投与
量は、約0.01〜50mg/kg/日の本発明の結晶である。
【0095】 本発明の結晶は、一般に、少なくとも1種の本発明の結晶、および医薬的に許
容しうる賦形剤または希釈剤を含んでなる医薬組成物の形で投与する。したがっ
て、本発明の結晶は、従来の経口的、非経口的、経直腸的または経皮的なあらゆ
る剤形で、個別または一緒に投与することができる。
【0096】 経口投与について、医薬組成物を、溶液、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、
散剤などの形状で、摂取することができる。クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウ
ムおよびリン酸カルシウムなどのさまざまな付形剤を含有する錠剤を、デンプン
、好ましくはジャガイモまたはタピオカのデンプン、およびある種の複合シリケ
ートなどのさまざまな崩壊剤、ならびに、ポリビニルピロリドン、ショ糖、ゼラ
チンおよびアカシアのような結合剤と共に、使用する。これに加えて、ステアリ
ン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなどの潤滑剤は、錠剤
化のために非常に有用であることが多い。また、同様の種類の固体組成物を、軟
性および硬性増量ゼラチンカプセルの増量剤として用いる;これに関する好まし
い材料には、ラクトースすなわち乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール
も含まれる。水性懸濁剤および/またはエリキシル剤が経口投与に望ましい場合
、本発明の化合物を、さまざまな甘味剤、香味剤、着色剤、乳化剤および/また
は懸濁化剤、ならびに、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、
およびそのさまざまな類似の組合せのような希釈剤と、組み合わせることができ
る。
【0097】 非経口投与を目的とする場合、溶液、例えば、ゴマ油もしくは落花生油中、ま
たは水性プロピレングリコール中の溶液、ならびに対応する水溶性塩の滅菌水溶
液を、用いることができる。そのような水溶液は、必要な場合は適切に緩衝し、
液体希釈剤は、最初に十分な食塩液またはグルコースで等張にしてもよい。これ
らの水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内への注射用に特に適している
。これに関して、用いられる滅菌水性媒体はすべて、当分野の技術者に周知の標
準的技術により容易に得ることができる。
【0098】 経皮(すなわち局所)投与を目的とする場合、希釈した滅菌溶液、水溶液また
は部分的水溶液(通常、約0.1%〜5%の濃度)、その他、上記非経口的溶液
に類似の溶液を、調製する。
【0099】 特定量の活性成分を有するさまざまな医薬組成物の調製方法は、当分野の技術
者に公知のものであるか、または本開示の観点で明らかになるであろう。医薬組
成物の調製方法の例については、Remington’s Pharmaceu tical Sciences ,Mack Publishing Compa
ny,Easton,Pa.,第15版(1975年)参照。
【0100】 本発明に従った医薬組成物は、本発明の化合物(単数または複数)を、例えば
0.0001%〜95%含有していてもよい。あらゆる事象において、投与すべ
き組成物または製剤は、処置を受けている被験者の疾患/状態を処置するのに有
効な量の分量の、本発明に従った結晶(単数または複数)を、含有するであろう
【0101】 本発明の結晶は、一般に、有利な製剤で投与されるであろう。以下の製剤例は
、例示的なものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。 以下の製剤において、“活性成分”は、本発明の化合物(単数または複数)(
結晶(単数または複数))を意味する。 製剤1:ゼラチンカプセル 硬性ゼラチンカプセルを、以下のものを用いて調製する:
【0102】
【表6】 錠剤の製剤を、以下の成分を用いて調製する: 製剤2:錠剤
【0103】
【表7】 成分をブレンドし、圧縮して、錠剤を形成する。
【0104】 あるいは、0.25〜100mgの活性成分をそれぞれ含有する錠剤を、以下
のように調製する: 製剤3:錠剤
【0105】
【表8】 活性成分、デンプン、およびセルロースを、米国の45番メッシュの篩に通し
て、十分に混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を、得られた粉末と混合し、
次ぎにこれを米国の14番メッシュの篩に通す。このようにして製造した顆粒を
50゜〜60℃で乾燥し、米国の18番メッシュの篩に通す。その後、あらかじ
め米国の60番の篩に通しておいたカルボキシメチルセルロースナトリウム、ス
テアリン酸マグネシウム、およびタルクを顆粒に加え、これを混合した後、錠剤
機で圧縮して、錠剤を得る。
【0106】 5ml用量あたり0.25〜100mgの活性成分をそれぞれ含有する懸濁
剤を、以下のように作成する: 製剤4:懸濁剤
【0107】
【表9】 活性成分を米国の45番メッシュの篩に通し、カルボキシメチルセルロースナ
トリウムおよびシロップと混合して、滑らかなペーストを形成する。安息香酸溶
液、芳香剤、および着色剤を若干の水で希釈し、撹拌しながら加える。その後、
十分な水を加えて、所望の容積にする。
【0108】 エアゾール溶液を、以下の成分を含有するように調製する: 製剤5:エアゾール剤
【0109】
【表10】 活性成分をエタノールと混合し、混合物を噴霧剤22の一部に加え、30℃に
冷却し、充填装置に移す。その後、所望量をステンレス鋼製容器に供給し、残り
の噴射剤で希釈する。その後、バルブ器具を容器に取り付ける。
【0110】 坐剤を以下のように調製する: 製剤6:坐剤
【0111】
【表11】 活性成分を米国の60番メッシュの篩に通し、飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁
させた後、必要最低限の熱を用いて融解する。その後、混合物を公称容量2gの
坐剤型に注ぎ入れ、放置して冷却する。
【0112】 静脈用製剤を以下のように調製する: 製剤7:静脈用溶液
【0113】
【表12】 上記成分の溶液を、患者に静脈内投与する。
【0114】 上記活性成分はまた、薬剤の組合せであってもよい。実施例1 メチル−3−シクロプロピル−3−オキソプロパノエート(15g、106m
mol、1当量)およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(1
4.7ml、111mmol、1.05当量)を、N2雰囲気下、75℃で1.
5時間加熱した。その後、橙色オイルを室温に冷却した。TLC分析(1:1
EtOAc/ヘキサン)は、出発物質の消失と、微量の低極性スポットおよび大
量の高極性スポット(メチル−3−シクロプロピル−2−ジメチレンアミノ−3
−オキソプロパノエート)の出現を示した。粗製混合物を、そのまま次の工程で
使用した。実施例2 粗製メチル−3−シクロプロピル−2−ジメチレンアミノ−3−オキソプロパ
ノエート(20.9g、106mmol、1.07当量)を、エタノール(25
0ml)で希釈した。トリエチルアミン(34.4ml、247mmol、2.
5当量)、次にキノリン−5−イルヒドラジン(22.9g、98.6mmol
、1当量)を、順次加えた。キノリン−5−イルヒドラジンを添加すると、わず
かにガスの発生が観察された。得られた不均質な混合物を、N2雰囲気下で2時
間、加熱還流(78℃)した。約3分加熱後、混合物は均質で非常に暗い色にな
った。その後、混合物を室温に冷却した。TLC分析(1:1 EtOAc/ヘ
キサン)は、わずかに低極性のスポット(5−シクロプロピル−1−キノリン−
5−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸メチルエステル)を示した。AP
CI質量分析法も、所望の生成物を示した。その後、反応混合物を濃縮した。残
渣にEtOAc(300ml)および0.1N HCl(400ml)を加えた
。この乳濁液を室温で10分間撹拌した後、Celite(登録商標)のパッド
に通して濾過し、固体を除去した。得られた二相混合物を分離した。水層をEt
OAc(2×300ml)で抽出した。有機層を合わせたものを0.1N HC
l(2×300ml)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣
に高温のイソプロピルエーテル(80ml)を加えた。濁った溶液を2分間撹拌
した。その後、ヘキサン(125ml)を加えた。固体を、一晩かけて粒状化さ
せた。固体を濾過により採取すると、生成物の5−シクロプロピル−1−キノリ
ン−5−イル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸メチルエステルが、黄橙色粉
末(20.8g、2工程で72%)として得られた。実施例3 MeOH(120ml)中の5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−
1H−ピラゾール−4−カルボン酸メチルエステル(20g、68.2mmol
、1当量)の溶液に、2N NaOH(54.5ml、109mmol、1.6
当量)を加えた。得られた溶液をN2雰囲気下で1.5時間にわたり加熱還流(
65℃)した後、室温まで放置して冷却した。TLC分析(1:1 EtOAc
/ヘキサン)は、出発物質の消失を示した。メタノールを、ロータリーエバポレ
ーター(rotovap)で穏やかに加熱(35℃)して、減圧除去した。その後、塩基
性水層をEtOAc(2×100ml)で洗浄した。得られた塩基性水層を、濃
HClを用いてpH 1〜2に徐々に酸性化した。酸性化の間に、生成物が沈殿
した。そのスラリーを室温で0.5時間撹拌した後、固体を濾過により採取した
。固体を1N HCl(2×25ml)で洗浄し、乾燥すると、酸が淡褐色固体
(18.8g、99%)として得られた。実施例4 トルエン(250ml)中の5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−
1H−ピラゾール−4−カルボン酸(25g、89.5mmol、1当量)の撹
拌懸濁液に、塩化チオニル(32.6ml、448mmol、5当量)を加えた
。得られた懸濁液を、N2雰囲気下、75℃で1.5時間加熱した。反応混合物
は、終始不均一なままであった。固体酸塩化物を、濾過により採取した。黄褐色
固体を、トルエン(3×50ml)で洗浄し、減圧乾燥した。
【0115】 THF(250ml)中の酸塩化物の懸濁液を0℃に冷却した。塩酸グアニジ
ン(17.1g、179mmol、2当量)および2N NaOH(224ml
、448mmol、5当量)の溶液を、N2雰囲気下で5〜10分かけて滴下漏
斗により添加した。グアニジンの塩基性水溶液を加えると、反応物は均一な二相
になった。混合物を、1時間かけて0℃から室温まで徐々に温めつつ撹拌した後
、さらに1時間室温で撹拌した。TLC分析(4:1 ジクロロメタン/メタノ
ール)は、高極性スポット(N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イ
ル−1H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン)および微量の出発物質
酸の出現を示した。THFを、穏やかに加熱(35℃)しながら減圧除去すると
、生成物が沈殿した。水層を室温で1時間撹拌すると、生成物が粒状化した。固
体を濾過により採取し、水(2×50ml)で洗浄し、乾燥した。生成物の色の
範囲は、灰色がかった白色から中程度の褐色であった。MeOH(125ml)
中で30分間再度スラリー化させると、所望の生成物のN−(5−シクロプロピ
ル−1−キノリン−5−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジ
ン(22.6g、収率79%)が淡黄褐色固体として得られた。実施例5 N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−1H−ピラゾール−4
−カルボニル)−グアニジン(3.08kg、70.5 9.61mmol、1
当量)を、アセトン(30.8kg)中に懸濁させた。1−メチル−2−ピロリ
ジノン(12.3kg)を加えると、均一な溶液が得られた。さらに4.8kg
のアセトンを用いて、洗浄を促進する(rinse forward)(指定外の濾過(spec. fr
ee filtration))。反応溶液を50℃に加温した。温度を55℃未満に保ちつつ
、アセトン(8.3kg)中のメタンスルホン酸(0.83kg、8.65mm
ol、0.9当量)の溶液を加えた。得られたスラリーを50℃で1〜2時間撹
拌した後、冷却し、濾過した。濾過ケーキをアセトンで洗浄し、次に乾燥すると
、N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−1H−ピラゾール−4
−カルボニル)−グアニジン、モノメシレート塩(3.24kg、81%)が灰
色がかった白色の固体として得られた。その後、生成物を減圧乾燥すると、以下
の特性を有する無水結晶が得られた(形態D)。 顕微鏡法:複屈折プレート/等方性 結晶化度:完全な結晶質 吸湿性:非吸湿性 外観:灰色がかった白色の結晶質固体 融点:215℃(5℃/minでの開始温度) X線回折での間隔dを、以下の表IIに示す。
【0116】
【表13】 実施例6 3.165kgの実施例5の生成物に、123リットルのアセトン(3.8容
量)を加えた。そのスラリーを、室温で20時間撹拌した。スラリーを濾過し、
固体を50℃で乾燥した。生成物は、以下の特性を有する無水結晶(3.145
kg、99%)(形態A)であった。 顕微鏡法:複屈折的に等方性 結晶化度:完全な結晶質 吸湿性:非吸湿性 外観:白色の結晶質固体 融点:228℃(5℃/minでの開始温度) X線回折での間隔dを、以下の表IIIに示す。
【0117】
【表14】 実施例7 形態A(N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−1H−ピラゾ
ール−4−カルボニル)−グアニジン、ジメシレートを不純物として含有してい
ると思われる)の純度約90%の試料1mlの0.25グラムに、エタノールを
加えた(EtOHは約9%の水を含有していた)。そのスラリーを、室温で21
時間撹拌した。その後、スラリーを濾過し、固体を50℃で90分間減圧乾燥す
ると、以下の特性を有する半水和物結晶(形態C)が得られた。 顕微鏡法:複屈折的に等方性 結晶化度:完全な結晶質 外観:クリーム色の結晶質固体 融点:140〜170℃で脱溶媒和、209℃(5℃/minでの開始温度) X線回折での間隔dを、以下の表IVに示す。
【0118】
【表15】
【図面の簡単な説明】
【図1】 形態Aの無水N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル
−1H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン、モノメシレート塩が、結
晶質であることを示す、特徴的な粉末X線回折図形である。(縦軸:強度(CP
S);横軸:2θ(度))
【図2】 形態Dの無水N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル
−1H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン、モノメシレート塩が、結
晶質であることを示す、特徴的な粉末X線回折図形である。(縦軸:強度(CP
S);横軸:2θ(度))
【図3】 形態Cの半水和物N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−
イル−1H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン、モノメシレート塩の
特徴的な粉末X線回折図形である。(縦軸:強度(CPS);横軸:2θ(度)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/08 A61P 13/08 35/00 35/00 39/00 39/00 41/00 41/00 43/00 101 43/00 101 105 105 111 111 B01D 9/02 601 B01D 9/02 601K 602 602B 602E 604 604 625 625A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,S E,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA, ZW (72)発明者 リ,チェン・ジェーン アメリカ合衆国コネチカット州06340,グ ロトン,イースタン・ポイント・ロード, ファイザー・グローバル・リサーチ・アン ド・ディベロプメント (72)発明者 オーリル,スーザン・リー アメリカ合衆国コネチカット州06340,グ ロトン,イースタン・ポイント・ロード, ファイザー・グローバル・リサーチ・アン ド・ディベロプメント (72)発明者 シャー,ブハラト・キリトクマー アメリカ合衆国コネチカット州06340,グ ロトン,イースタン・ポイント・ロード, ファイザー・グローバル・リサーチ・アン ド・ディベロプメント Fターム(参考) 4C063 AA01 BB02 CC22 DD14 EE01 4C086 AA01 AA03 BC36 GA14 GA15 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 NA14 ZA02 ZA36 ZA40 ZA42 ZA45 ZA59 ZA75 ZA81 ZB21 ZB26 ZC35 ZC41 ZC51

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式Iを有する塩の結晶形。 【化1】
  2. 【請求項2】 N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−1H−
    ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン、モノメシレート塩である結晶。
  3. 【請求項3】 無水N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−1
    H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン、モノメシレート塩である、請
    求項1に記載の結晶。
  4. 【請求項4】 以下のX線回折図形を有する無水N−(5−シクロプロピル−
    1−キノリン−5−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン、
    モノメシレート塩(D)である、請求項1に記載の結晶。 【表1】
  5. 【請求項5】 以下のX線回折図形を有する無水N−(5−シクロプロピル−
    1−キノリン−5−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン、
    モノメシレート塩(A)である、請求項1に記載の結晶。 【表2】
  6. 【請求項6】 N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−1H−
    ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン、モノメシレート半水和物である、
    請求項1に記載の結晶。
  7. 【請求項7】 N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−1H−
    ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジンおよびN−メチルピロリジノンのア
    セトン溶液を、約30℃〜約60℃の温度でメタンスルホン酸と組み合わせた後
    、約室温〜約35℃の温度に冷却することを含んでなる、請求項4に記載の結晶
    の作成方法。
  8. 【請求項8】 形態(D)無水結晶を、アセトン中、約20℃〜約25℃の温
    度で再パルプ化することを含んでなり、前記無水形態D結晶が、以下のX線回折
    図形を有する、請求項5に記載の結晶の作成方法。 【表3】
  9. 【請求項9】 無水形態A結晶を、エタノールまたはイソ−プロパノール/水
    中、約20℃〜約25℃の温度で再パルプ化することを含んでなり、前記無水形
    態A結晶が、以下のX線回折図形を有する、請求項6に記載の結晶の作成方法。 【表4】
  10. 【請求項10】 範囲が、約85%〜約95%のエタノールと、約5%〜約1
    5%の水である、請求項9に挙げた方法。
  11. 【請求項11】 [5−シクロプロピル−1−(キノリン−5−イル)−1H
    −ピラゾール−4−カルボニル]グアニジン、モノメシレート半水和物。
  12. 【請求項12】 虚血または低酸素症に起因する組織損傷の軽減方法であって
    、そのような処置を必要とするほ乳類に、治療的に有効な量の医薬組成物を投与
    することを含んでなり、前記組成物が、請求項1の結晶および医薬的に許容しう
    る担体、賦形剤または希釈剤を含んでなる、方法。
  13. 【請求項13】 組織が、心臓、脳、肝臓、腎臓、肺、消化管、骨格筋、脾臓
    、膵臓、神経、脊髄、網膜組織、血管系、または腸管の組織である、請求項12
    に挙げた方法。
  14. 【請求項14】 式Iの結晶の量が、約0.01mg/kg/日〜約10mg
    /kg/日である、請求項13に挙げた方法。
  15. 【請求項15】 ほ乳類が女性または男性のヒトである、請求項14に挙げた
    方法。
  16. 【請求項16】 前記組織が心臓組織である、請求項15に挙げた方法。
  17. 【請求項17】 前記組織が脳組織である、請求項15に挙げた方法。
  18. 【請求項18】 前記組織が肝臓組織である、請求項15に挙げた方法。
  19. 【請求項19】 前記組織が腎臓組織である、請求項15に挙げた方法。
  20. 【請求項20】 前記組織が肺組織である、請求項15に挙げた方法。
  21. 【請求項21】 前記組織が消化管組織である、請求項15に挙げた方法。
  22. 【請求項22】 前記組織が骨格筋組織である、請求項15に挙げた方法。
  23. 【請求項23】 前記組織が脾臓組織である、請求項15に挙げた方法。
  24. 【請求項24】 前記組織が膵臓組織である、請求項15に挙げた方法。
  25. 【請求項25】 前記組織が網膜組織である、請求項15に挙げた方法。
  26. 【請求項26】 化合物を予防的に投与する、請求項15に挙げた方法。
  27. 【請求項27】 医薬組成物を手術前に投与する、請求項15に挙げた方法。
  28. 【請求項28】 医薬組成物を心臓手術の前に投与する、請求項15に挙げた
    方法。
  29. 【請求項29】 医薬組成物を手術中に投与する、請求項15に挙げた方法。
  30. 【請求項30】 医薬組成物を心臓手術中に投与する、請求項15に挙げた方
    法。
  31. 【請求項31】 医薬組成物を手術後24時間以内に投与する、請求項15に
    挙げた方法。
  32. 【請求項32】 医薬組成物を心臓手術後24時間以内に投与する、請求項1
    5に挙げた方法。
  33. 【請求項33】 虚血に起因する組織損傷が虚血性損傷であり、臓器移植中に
    被るものである、請求項15に挙げた方法。
  34. 【請求項34】 医薬組成物を手術中の心筋虚血性傷害を防止するために投与
    する、請求項15に挙げた方法。
  35. 【請求項35】 治療的に有効な量の請求項1の結晶および医薬的に許容しう
    る担体、賦形剤または希釈剤を含んでなる、医薬組成物。
  36. 【請求項36】 虚血または低酸素症に起因する組織損傷を軽減するための医
    薬組成物であって、治療的に有効な量の請求項1の結晶および医薬的に許容しう
    る担体、賦形剤または希釈剤を含んでなる組成物。
  37. 【請求項37】 医薬組成物を手術前、その間およびその後に投与する、請求
    項15に挙げた方法。
  38. 【請求項38】 医薬組成物を心臓手術の前、その間およびその後に投与する
    、請求項15に挙げた方法。
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