JP2003505104A - 変異体tn5トランスポザーゼ酵素及びその使用方法 - Google Patents

変異体tn5トランスポザーゼ酵素及びその使用方法

Info

Publication number
JP2003505104A
JP2003505104A JP2001513619A JP2001513619A JP2003505104A JP 2003505104 A JP2003505104 A JP 2003505104A JP 2001513619 A JP2001513619 A JP 2001513619A JP 2001513619 A JP2001513619 A JP 2001513619A JP 2003505104 A JP2003505104 A JP 2003505104A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transposase
mutant
amino acid
tnp
wild
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001513619A
Other languages
English (en)
Inventor
ウィリアム エス レズニコフ
トッド エイ ナウマン
Original Assignee
ウイスコンシン アラムニ リサーチ ファンデーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ウイスコンシン アラムニ リサーチ ファンデーション filed Critical ウイスコンシン アラムニ リサーチ ファンデーション
Publication of JP2003505104A publication Critical patent/JP2003505104A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/102Mutagenizing nucleic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/87Introduction of foreign genetic material using processes not otherwise provided for, e.g. co-transformation
    • C12N15/90Stable introduction of foreign DNA into chromosome
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/16Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
    • C12N9/22Ribonucleases RNAses, DNAses

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 トランスポゾンTn5の外側端よりも内側端に優先性を有する修飾Tn5トランスポザーゼタンパク質が開示される。当該タンパク質は、内側端よりも外側端を優先するトランスポザーゼ酵素と組み合わせて、インビボ又はインビトロにおける端部特異的定方向転位法に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願のクロスリファレンス 本出願は、1999年8月2日出願のUS仮特許出願60/146,686号
(参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)の利益を請求するも
のである。連邦支援研究又は開発に関する言及 本発明は、NIHより与えられた米国政府支援(助成番号GM50692)に
よりなされたものである。米国政府は本発明について一定の権利を有する。発明の背景 細菌性トランスポゾン、例えばTn5は、低い移動度レベルを維持することに
より細胞内で進化した。低い移動度レベルは、トランスポゾンを生存させるため
に必要であるが、これは、研究者が分子転位プロセスを詳しく調べること並びに
、例えば新規な診断用及び治療用資源の開発に使用するための転位プロセスの開
発を阻害してきた。Tn5は、IS4ファミリーの保存的「カット・アンド・ペ
ースト」トランスポゾンであり(Rezsohazy, R., Hallet, B., Delcour, J., 及
び Mahillon, J, "The IS4 family of insertion sequences: evidence for a c
onserved transposase motif," Mol Microbiol. 9: 1283-1295 (1993))、当該
トランスポゾンの移動の原因となる53kDのトランスポザーゼタンパク質(T
np)をコードしている。野生型Tn5トランスポザーゼのアミノ酸及び核酸配
列は公知である(Ahmed, A. 及び Podemski, L. The Revised Sequence of Tn5.
Gene 154 (1), 129-130 (1995)(参照することにより、その内容の全体が本明
細書に記載されているかのように、本明細書に組み込まれる))。野生型Tn5
トランスポザーゼをコードする核酸配列は、配列番号1として添付されている。
配列番号1の核酸配列によりコードされるポリペプチド配列は、野生型Tn5ト
ランスポザーゼに対応するものであり、配列番号2として添付されている。
【0002】 Tnpタンパク質は、最初の外側端(outside end)(OE、配列番号3)と
呼ばれる2つの19bp特異的結合配列の各々に結合し、続いてシナプス(syna
pse)と呼ばれる核タンパク質構造の形成、各端部の平滑末端的切断、標的DN
Aとの会合(associate)及び鎖転位へと続くことにより、要素全体の移動を促
進する(Reznikoff, W.S., Bhasin, A., Davies, D.R., Goryshin, I.Y., Mahnk
e, L.A., Naumann, T., Rayment, I., Steiniger-White, M., 及び Twining, S.
S., "Tn5: A molecular window on transposition," Biochem. Biophvs. Res. C
ommun. 266: 729-34 (1999))。Tn5トランスポザーゼは、OE及び内側端(i
nside end)(IE、配列番号4)配列との組み合わせを使用することにより、
単一の挿入配列の移動を促進することができる。IEは、長さ19bpであり、
19の部位のうち12はOEと同一である(図1)。インビボで、Tn5トラン
スポザーゼは、大腸菌(E.coli)において、OEに対して顕著な優先性(prefer
ence)を示す。IEに対するトランスポザーゼの認識及び結合は、大腸菌におい
て、内側端配列につき4つのメチル基を付加する(IEME、配列番号4として示
される。メチル化は示さず。)2つのdamメチル化部位(GATCパリンドロ
ーム)の存在により阻害される(Yin, J.C.P., Krebs, M.P., 及び Reznikoff,
W.S., "Effect of dam Methylation on Tn5 Transposition," J. Mol Biol., 19
9: 35-45 (1988)(参照することにより、その内容の全体が本明細書に記載され
ているかのように、本明細書に組み込まれる))。このメチル化は、タンパク質
−DNAの一次認識を減少させることにより転位を減少させる(Jilk, R.A., Yo
rk, D., 及び Reznikoff, W.S., "The organization of the outside end of tr
ansposon Tn5," J. Bacteriol. 178: 1671-1679 (1996))。 Tn5がどのようにして転位するかということについての理解に対する主要な
障害は、精製した野生型Tnpがインビトロで検出可能な活性を有しないという
事実である。最近になって、インビトロで転位反応の全過程を促進するトランス
ポザーゼの二重変異過剰活性(hyperactive)形態(「Tnp EK/LP」)
が開発された。Tnp EK/LPタンパク質は、野生型Tn5 Tnpと、部
位54(GluからLysへの変異)及び部位372(LeuからProへの変異)において
異なり、更に、いわゆる阻害タンパク質の産生を阻害する、必須ではないが有利
な部位56における改変の点でも異なる。修飾された過剰活性Tnpタンパク質
は、野生型Tn5トランスポザーゼが有するOE(又はOE様)端に対する劇的
な優先性を保持している。Tnp EK/LPは、以前はインビボにおいて適切
にアドレス可能ではなかったTn5転位の多数の側面を明らかにした。 インビトロにおけるポリヌクレオチド転位は、ランダムな又は標的化した変異
をゲノムへ導入するための強力なツールである。Tn5トランスポゾンに基づく
有用なインビトロ転位システムは、米国特許第5,925,545号及び国際公
開第WO00/17343号(参照することにより、これらの内容があたかも本
明細書に記載されているかのように、その全体が本明細書に組み込まれる)に開
示されている。 IEとOEとを識別する能力を有し、かつ、IEの結合に対する優先性を有す
るTnpタンパク質は、定方向の核酸転位を許容するため、かつ、OEについて
単一の特異性を有するTnpを用い、今まで利用可能であった前記の特許及び出
願に開示されるタイプよりもより複雑な転位及び遺伝子操作戦略を促進するため
に望まれている。
【0003】発明の要約 本発明は、本明細書に開示される野生型Tn5 Tnpに対して修飾されたト
ランスポザーゼタンパク質が、野生型Tn5トランスポゾンの外側端(OE)で
はなく内側端(IE)に隣接する標的配列の転位を、IE配列がメチル化されて
いるか否かに関係なく優先的に促進する点に要約される。 関連する側面において、本発明は、本明細書に記載される野生型Tn5 Tn
pに対して修飾されたトランスポザーゼが、OEよりもIEに対して優先性を有
し、かつ、転位頻度に関して過剰活性である点に要約される。 別の関連する側面において、本発明は、本明細書に記載される野生型Tn5
Tnpに対して修飾されたトランスポザーゼが、OEよりもIEに対して優先性
を有し、かつ、IE配列がメチル化されるときでさえ転位を高レベルで触媒する
点に要約される。対照的に、野生型Tn5トランスポザーゼは、メチル化IE配
列を効率的に認識しない。 更に別の関連する側面において、本発明は、本発明のトランスポザーゼが、野
生型Tn5トランスポザーゼに対する変異であって、(1)DNA端部(DNA te
rmini)へのトランスポザーゼの結合を変化させる変異、(2)転位を増強する
変異、又は(3)その両方の変異を含んでいる点に要約される。変異は、端部−
配列−特異的(end-sequence-specific)(DNA結合を変化させる実施態様の
場合)又は非特異的(転位を増強させる実施態様の場合)であることができる。 更に別の関連する側面において、本発明は、本発明のトランスポザーゼが、(
1)OEよりもIEに対して高い優先性を有し、かつ、(2)アミノ酸58、ア
ミノ酸344及びアミノ酸372からなる群より選ばれる少なくとも1つのアミ
ノ酸において、野生型Tnpとは異なっている点に要約される。 更に別の関連する側面において、本発明は、本発明のトランスポザーゼが、ア
ミノ酸58におけるグルタミン酸からバリンへの変異、アミノ酸344における
グルタミン酸からリジンへの変異及びアミノ酸372におけるロイシンからグル
タミン酸への変異のうち少なくとも1つ含んでいる点で野生型Tnpとは異なっ
ている点に要約される。
【0004】 別の関連する側面において、本発明は、本発明のトランスポザーゼは、OEに
対する優先性を減少させることにより、IEに対する高い優先性を示すことがで
きる点に要約される。アミノ酸部位8における野生型トランスポザーゼに対する
変異は、トランスポザーゼのOEに対する優先性を減少させ、これによりIEに
対するみかけの優先性を増加させる。アルギニンからシステインへの変異は、こ
の修飾を達成することができる。 本発明のトランスポザーゼは、インビボ又はインビトロにおけるIE隣接標的
配列の転位を、野生型Tn5よりも促進することができる。インビトロにおいて
トランスポザーゼ酵素活性を決定する適切な方法は、本明細書及び米国特許第5
,925,545号(参照することにより、当該文献の全体が本明細書に組み込
まれる)に開示されている。インビボにおいてトランスポザーゼ活性を決定する
適切な方法は、本明細書に開示されている。 本発明の修飾Tn5 Tnpは、あるアミノ酸部位おける少なくとも1つの変
化により野生型Tn5 Tnpとは異なっている。当該アミノ酸部位における変
化は、(1)アミノ酸部位58における変化であって、Tnpとメチル化DNA
残基との間の負の相互作用を減少又は除去する変化及び(2)アミノ酸部位34
4における変化であって、DNA結合を変化させる変化からなる群より選ばれる
。本明細書で注目する変化に加えて、本発明の修飾Tnpは、部位56における
変化(例えば、MetからAlaへの変化)であって、転位を妨害するいわゆる阻害タ
ンパク質の産生を防ぐ変化を含むことができる。変異体Tn5トランスポザーゼ
タンパク質は、前記で注目した変異に加えて更に変異を含むことができる。野生
型Tn5 Tnpに対する追加の変異は後述する。各変異の効果は後述される。
更に、出願人が当該トランスポザーゼタンパク質の機能に直接影響を与えるアミ
ノ酸残基を同定したこと、及び、同一部位におけるその他の修飾は、内側端につ
いてのタンパク質の優先性について注目した効果と比べて大きい又は小さい比較
可能な効果を及ぼすことができることが理解される。野生型Tn5トランスポザ
ーゼのアミノ酸配列は、配列表中に示されている。野生型トランスポザーゼに対
する例示的な変化は、本出願の記載中に示されている。
【0005】 更に本発明は、転位可能要素DNAがいずれかの側で、互いに逆方向の関係に
あるIE端によって隣接されるときに、当該転位可能要素をドナーDNAから標
的DNAへ導入するための単純なインビトロシステム及び方法を、本明細書に開
示される酵素が促進する点に要約される。ドナーDNA又は標的DNAのいずれ
かについてのその他幾つかの要件が想定される。Tn5が挿入部位について(も
しあるならば)幾つかの優先性を有する場合、所望の配列を標的DNAへランダ
ムに導入するシステムを使用することが可能になることが考えられる。それゆえ
、本明細書に記載される修飾トランスポザーゼ及び単純なドナーDNAを用いる
本発明のシステム及び方法は、ヌクレオチド配列に関係なく、あらゆる標的DN
Aへ変化を導入するために広範に適用可能であると考えられる。したがって、当
該システム及び方法は、分子生物学分野の当業者にとって興味の対象となる多数
の問題に適用されるだろう。 最後に、本明細書において注目した変化は、タンパク質レベルの変化の点から
開示されるけれども、本発明の修飾タンパク質をコードするために、Tn5トラ
ンスポザーゼタンパク質をコードするポリヌクレオチドを修飾することは、十分
に当業者の能力の範囲内にある。更に当業者は、遺伝子コードの縮重を理解し、
かつ、複数のコドンを単一アミノ酸残基の生産に向けることができることを理解
する。 本発明は、添付図面と共に以下の詳細な説明の記載を考慮して、十分に理解さ
れるだろう。
【0006】好ましい態様の詳細な説明 Tnp遺伝子について行ったランダム変異誘発研究は、転位速度を増加させる
タンパク質内の変異を単離することができることを実証した(Krebs 及び Rezni
koff, 1988; DeLong, A., 及び Syvanen, M.,"Trans-acting transposase mutan
t from Tn5,"P.N.A.S. U.S.A. 88: 6072-6 (1991); Wiegand, T.W., 及び Rezni
koff, W.S.,"Characterization of two hypertransposing Tn5 mutants,"J. Bac
teriol. 174: 1229-1239 (1992); Weinreich, M.D., Gasch, A., & Reznikoff,
W.S.,"Evidence that the cis preference of the Tn5 transposase is caused
by nonproductive multimerization," Genes. Dev. 8: 2363-2374 (1994); Zhou
, M., & Reznikoff, W.S.,"Tn5 mutants that alter DNA binding specificity,
"J. Mol. Biol. 271: 362-73. (1997),(参照することにより、これらの文献の
全体が本明細書に開示されているかのように組み込まれる))。このことは、イ
ンビボ活性に対して最大限に進化していると考えられるほとんどの酵素性タンパ
ク質と比較して、トランスポザーゼをユニークなものとしている。これは、高い
転位速度はトランスポゾンの生存にとって有害であり、それゆえトランスポザー
ゼは最大の到達可能レベルよりも非常に低い「最適」レベルを有するように進化
したという事実によるものであろう。 本件出願人は、転位システムにおいて、メチル化部位を有しないためメチル化
されない外側端(OE)よりも内側端(IE)及びある場合にはメチル化された
内側端(IEME)に対して優先性を示す点で野生型Tn5トランスポザーゼとは
異なる、関連変異体トランスポザーゼタンパク質のセットを単離した。変異体ト
ランスポザーゼの端部優先性は、(1)標的ポリヌクレオチドがOE及びIEME 端のいずれかに隣接しているシステム中で、当該トランスポザーゼを使用すると
きに観察されるインビボ転位頻度、又は(2)標的ポリヌクレオチドがOE及び
IEME端のそれぞれに隣接しているシステムのペアにおいて、当該トランスポザ
ーゼを使用するときに観察されるインビボ転位頻度の比のいずれかにより特徴付
けることができる。本件出願人は、1、4、5及び7つの変異において野生型T
n5 Tnpとは異なっている多数のトランスポザーゼタンパク質を例示するけ
れども、分析によって、特定の個々の変異の効果を合理的に予想することができ
る。
【0007】実施例 概要 多数の関連する方法を使用して、本明細書に開示される変異体のファミリーを
得た。第一の方法において、本件出願人は、野生型トランスポザーゼによっては
基質として認識されない変異端部結合配列に対して、インビボ転位活性を回復し
た変異体を得た。第二の方法において、本件出願人は、第一の方法による特定の
産物に定方向変異を導入し、本発明の変異体トランスポザーゼの好ましい構造を
決定した。 第一の方法において、変異体IE端部結合配列は、部位12においてチミンに
変わってアデニンを含んでいる(「IE12A」、配列番号5)。IE12Aに
おけるチミンからアデニンへの変化は、野生型IEの2つのメチル化部位のうち
の1つを破壊する。本件出願人は、sPCR、コンビナトリアル、ランダム方向
変異誘発技術を使用して、IE12Aに隣接するポリヌクレオチドに対する転位
活性を回復することができる修飾トランスポザーゼタンパク質を得た。sPCR
はStemmer, W.P.により開発され、以下の文献:Stemmer, W.P.,"Rapid evolutio
n of a protein in vitro by DNA shuffling,"Nature 370: 389-391 (1994) 及
び Stemmer, W.P., "DNA shuffling by random fragmentation and reassembly:
in vitro recombination for molecular evolution,"Proc. Natl. Acad. Sci.
U.S.A. 91: 10747-10751 (1994)(両文献ともに、参照することにより、これら
の文献の全体が本明細書に開示されているかのように組み込まれる)に記載され
ている。要約すると、DNAをsPCR法においてインビトロで操作して、点変
異を導入し、変異体配列集団内のランダム組替えを許容する。変異した遺伝子を
プラスミドへクローニングして、インビボで増加した活性について選択すること
ができる。所望の表現型を、更に改良された表現形のための次ラウンドの変異誘
発/組替え及び選択の基質として使用する。
【0008】 sPCR法は、1ラウンドにつき控えめな数(modest number)のコロニー(
〜104)を分析するスクリーニングと共に使用することができる(Crameri, A.
, Whitehorn, E.A., 及び Stemmer, W.P.,"Improved green fluorescent protei
n by molecular evolution using DNA shuffling,"Nat. Biotechnol. 14: 315-3
19 (1996), 及び Zhang, J.H., Dawes, G., 及び Stemmer, W.P.,"Directed evo
lution of a fucosidase from a galactosidase by DNA shuffling and screeni
ng,"Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 94, 4504-4509 (1997)(両文献ともに、参
照することにより、これらの文献の全体が本明細書に開示されているかのように
組み込まれる))。後述の実施例に記載されるパピレーション(papillation)
アッセイを、IE12Aに隣接するポリヌクレオチドに対する転位活性を回復す
るトランスポザーゼ変異体のスクリーニングとして使用した。パピレーションア
ッセイは、文献:Krebs, M.P., 及び Reznikoff, W.S., "Use of a Tn5 derivat
ive that creates lacZ translational fusions to obtain a transposition mu
tant,"Gene 63: 277-85 (1988)(参照することにより、これらの文献が本明細書
に開示されているかのようにその全体が組み込まれる)に記載されるアッセイを
修飾したものである。パピレーションアッセイにおいて、フレーム内における活
動的に発現した遺伝子への生産的転位は、β−Gal融合タンパク質の形成を引
き起こした。これらの細胞は青色(X−galの存在による)になり、コロニー
内で増加した速度で増殖した(ラクトースの利用)。パピラーエ(papillae)が
形成する速度を利用して、変異タンパク質により促進された転位速度を比較する
ことができる。 本件出願人は、第一の方法を使用して同定された変異体トランスポザーゼにつ
いて、dam株内において野生型OE又は野生型IE(すなわち、核酸はメチル
化されていない)のいずれかに隣接するポリヌクレオチドのインビボでの転位を
触媒する能力を決定した。前記の方法を使用して同定された変異体の中で、本件
出願人は、OE隣接ポリヌクレオチドに対しては野生型に近い活性を保持するが
、IE隣接ポリヌクレオチドに対しては非常に高い活性を有し、更にdam+株
(すなわち、核酸がメチル化されている。「IEME」)においてテストしたとき
にIE隣接ポリヌクレオチドに対しても高い活性を有する変異体トランスポザー
ゼ(「Tnp sC7」)を同定した。Tnp sC7は、野生型トランスポザ
ーゼに対して7つの変異を含んでいる。
【0009】 第二の方法では、続いて、Tnp sC7の7つの変異のうち4つのみを有す
る関連変異体トランスポザーゼ(「Tnp sC7 v2.0」)が、更に高い
IEME:OE活性比を示したことを測定した。Tnp sC7及びTnp sC
7 v2.0は共に、OE関連活性を阻害する変異(R8C)、IEME関連活性
を特異的に増加させる2つの変異(E58V、E344K)及びIEME又はOE
が隣接するポリヌクレオチドの転位を増加させる変異(L372Q)を含んでい
る。変異体Tnpの取得 生産的転位についてのスクリーニングに使用する修飾パピレーションアッセイ
は、図2に示されかつ説明されている。使用した第一のプラスミド(「pRZ9
904(IE12A/IE12A)」)において、逆方向にあるIE12A端の
対は、lacZ遺伝子を含むがプロモーター及び翻訳開始部位を欠いているポリ
ヌクレオチドに隣接している。当該アッセイにおいて使用する第二のプラスミド
(「pRZ9905」)は、lacZ含有ポリヌクレオチドを移動させることが
できるトランスポザーゼをコードしている。これらの性状を有するプラスミドは
、当業者により容易に構築されることができる。材料及び方法を以下に詳述する
。 5つのランダム変異体は、端部配列の変異が抑制されており、かつ、変異誘発
/組替えの最初のサイクル後にパピラーエを与えるものであった。次いで、これ
らの変異体トランスポザーゼの各々をコードするプラスミドの等量を、変異誘発
/組替えの第二ラウンド用の最初の基質として使用した。この第二ラウンドに続
いて、変異トランスポザーゼ遺伝子をベクターDNAにクローニングし、パピレ
ーションスクリーニングにより、IE12Aで定義されるポリヌクレオチドとの
転位活性について2回目のスクリーニングを行った。この第二ラウンドより、総
数6の活性な変異体が単離された。変異誘発/組替えの第三ラウンドを行い、続
いて変異体の端部配列についての活性をスクリーニングした。今度は、何百もの
コロニーがパピレーションについて陽性であった。これらのなかで、7つは、そ
の他のものよりも活性が明らかに高く、これらを単離し、第四ラウンド用の鋳型
として役立てた。第四ラウンドのスクリーニングにおいては、何百もの転位コロ
ニーがスクリーニング過程の間に可視化された。しかしながら、これらの中には
、変異誘発/組替えの第三ラウンドに由来する最も活性が高い変異体(Tnp
sC6)と同等の活性を有するものは存在しなかった。
【0010】 各ラウンドに由来する最も活性の高い単離物について配列決定し、定量的パピ
レーションアッセイにおいて、IE12Aで定義されるトランスポゾンについて
の転位活性について試験した(図3A及び3Bを参照)。図3Aは、野生型Tn
pに対する変異体であるsA5(第一ラウンドの最良パピレーター(papillator
))、sB2(第二ラウンドの最良パピレーター)、sC6(第三ラウンドの最
良パピレーター)及びsD5(第四ラウンドの最良パピレーター)を示している
。図3Bは、パピレーションアッセイにおける、4つの単離物についてのインビ
ボでの転位活性を示している。Tnp WTも試験したが、単一の検出可能な転
位事象を促進することはできなかった。変異Q81Hは、第三ラウンドにて単離
された最も活性の高い変異体sC6と第二ラウンドにて単離された著しく活性の
低い変異体sB2とを区別する唯一の変異である。第三ラウンドから単離された
第二の単離物、Tnp sC7は、2つの追加の変異(D217A及びE344
K)を有していることを除いて第四ラウンド単離物sD5に類似している。Tn
p sC7のIE12Aで定義されたトランスポゾンとの反応性は、第四ラウン
ド単離物sD5の反応性と類似している(データは示さず)。
【0011】変異体TnpはOE−及びIE−で定義されたトランスポゾンの転位を促進する ことができる 前記の変異体Tnpは最初の興味の対象であった。なぜなら、前記の変異体は
、野生型Tnpの存在下では不活性であった、IE12A端に隣接するトランス
ポゾンに対する転位活性を回復することができたからである。トランスポザーゼ
変異体は、これらのトランスポゾンに対してますます良好に作用したが、転位速
度は、インビトロで要求される活性レベルに接近しなかった。実際に、Tnp
sC6のIE12A端に対するインビボ活性は、TnP WtのOEにより定義
されるトランスポゾンに対する活性に類似したレベルに回復したのみであった(
データは示さず)。 しかしながら、興味深いことに、単離された変異体のほとんどが、未変性の端
部配列(IE又はOE)の少なくとも1つにより定義されるトランスポゾンに対
して過剰活性であった。これらの転位優先性を、dam−(メチル化されていな
いDNA)株において、メイティング・アウト(mating out)アッセイ(Gorysh
in, I.Y., Kil, Y.V., 及び Reznikoff, W.S.,"DNA length, and twisting cons
traints on IS50 transposition,"Proc Natl Acad Sci U.S.A. 91: 10834-10838
(1994)(参照することにより、文献の全体が本明細書に開示されているかのよ
うに組み込まれる))を使用して決定した。 図4は、野生型Tnpの活性に対して標準化(6.5×10-5を1に標準化)
した、dam−株についてのメイティング・アウトアッセイにおける、25の変
異体TnpのIE及びOEで定義されるトランスポゾンついてのインビボ転位活
性を示している。dam−環境下での当該アッセイにおいては、Tnp WTは
、基質ポリヌクレオチドがIE又はOEと隣接していようとなかろうと、一般的
に同一の活性レベルを示す。一方、多数の変異体はOEよりもIEに対して高い
活性を示した。これは驚くべきことではない。なぜなら、変異体は、IEとはわ
ずか1ヌクレオチドが異なっているIE12Aを使用したスクリーニングにおい
て得られたものだからである。対照的に、OEはIE12Aと6つのヌクレオチ
ドで異なっている。特に1つの変異体Tnp sC7は、非常に興味深い表現型
を示した。これは、IEトランスポゾンについて著しく過剰活性であったが、O
Eトランスポゾンの移動頻度においてはわずかな変化を示した。IEとOEとを
識別する能力は重要である。なぜなら、この能力はIE及びOE端を別々に用い
るマルチパート転位を促進し、ここではIE又はOEを好むトランスポザーゼ提
供することにより、反応を一方向又は他方向へ向けることができるからである。
IEに対する優先性がOEに対する優先性よりも約5倍より大きいことが適切で
あろう。IEに対する優先性がOEに対する優先性よりも約10倍より大きいこ
とが好ましい。約20倍より大きい優先性が更に好ましい。図4は、当業者が、
本明細書に記載される方法を使用して前記の変異体トランスポザーゼを取得する
ことができることを実証している。特に、変異体sB1、sC6、sC7、sD
1及びsD3は前記の変異体の例示である。
【0012】 しかしながら、更に有意なことに、TnP sC7及びTnp Wtの両方に
ついてdam+株ではOEに対する転位活性が低下したことを示す表1のメイテ
ィング・アウト結果に示されるように、Tnp sC7は、転位活性について、
メチル化IE(Tnp WTレベルを〜102まで低下させる)により阻害され
ないだけではなく、IEに隣接するトランスポゾンよりもIEMEトランスポゾン
を実際に優先する。TnpのOEへの結合はdamメチル化により影響を受けな
いので、この差異は、dam+株とdam−株との間の転位活性における差異の
みを反映している。この減少にもかかわらず、Tnp sC7により促進される
、IEで定義される転位の速度は、端部におけるメチル化の存在によりdam+
株において更に高い。対照的に、端部配列のメチル化は、野生型トランスポザー
ゼによる認識を阻害する。IEとOEとを識別する能力に基づいて、及び、IE
のメチル化に対する非感受性により、後の注目はTnp sC7へ向けられた。
【0013】 表1.Tnp Wt及びTnp sC7のインビボ転位速度
【表1】
【0014】個々のTnp sC7変異の転位活性における役割 個々の変異がタンパク質活性にどのように影響しするかを理解し、タンパク質
の活性及びIEMEとOEとを識別する能力を最大化する努力のために、本件出願
人は、前記で注目した野生型トランスポザーゼに対して7つ変異を含むsC7か
ら得た情報を使用して、更なる変異トランスポザーゼを戦略的に作成した。7つ
の変異の可能なすべての組み合わせ(128の可能な組み合わせ)の包括的な試
験は扱いにくいので、それぞれ7つの変異体からなる2つのクラスを操作した。
第一のクラスの各変異体においては、sC7に由来する唯一の変異を操作して、
当該変異を野生型に復帰させた。「−1(マイナス1)」変異体トランスポザー
ゼと呼ばれるこのセットは、7つの変異のうち6つを有するすべての可能な変異
体を含んでいた。第二のクラスの各変異体では、野生型トランスポザーゼを操作
して、sC7由来の7つの変異のうち1つを正確に含ませた。「+1(プラス1
)」変異体トランスポザーゼと呼ばれるこのセットは、7つの変異のうち1つの
みを有するすべての可能な変異体を含んでいた。これらの変異タンパク質のすべ
てを、メイティング・アウトアッセイによりIEME及びOEに対するインビボ転
位活性についてアッセイした。分析結果を表2に示す。 表2.「−1/+1分析」
【0015】
【表2】
【0016】 a.「−1」は、示された部位を除いて、Tnp sC7に存在するすべての変
異を含んでいる。例えば、R8C「−1」は、部位8に野生型のアルギニンを含
んでいる。 b.「+1」は、示されたアミノ酸がTnp sC7に存在する残基へ変異して
いる点を除いてTnP WTである。例えば、R8C「+1」は、アミノ酸部位
8にシステインを含んでいる。配列特異的変異 変異E58Vは、すべての変異の中で、Tnp sC7の活性に対して最も顕
著な効果を有していた。野生型バックグラウンドにおけるこの変異(E58V「
+1」)は、IEME関連転位を40000倍に増加させたが、Tnp sC7か
らの変異の除去(E58V「−1」)により、全体の活性は1000倍を超える
程度までに低下した。この変異の影響は、OE関連活性に対しては比較的小さか
った。 変異E344Kは、非常に弱いけれども、同様の配列特異的な影響を活性に対
して示した。Tnp sC7から除去したとき(E344K「−1」)、IEME 関連活性は5倍まで減少したが、OE関連活性は約5倍に刺激された。この結果
は、野生型バックグラウンドにおけるE344KはIEME関連活性を4倍に刺激
し、かつOE関連活性は約5倍に減少させる「+1」データを反映している。配列非特異的変異 変異L372Qは、IEMEに対するTnP sC7活性を強く刺激した。sC
7から除去したとき、IEME及びOE関連活性は同程度に減少した。野生型トラ
ンスポザーゼに追加したとき、その「+1」表現型は、両方の基質についての活
性を刺激した。
【0017】その他の変異 変異R8Cは、残り4つの変異のなかで最も興味深いものであった。当該変異
を野生型トランスポザーゼに追加したとき、OE関連転位は、ほぼ10倍まで減
少した。当該変異をsC7から除去したとき、OE関連活性は約2倍に増強した
。宿主のメチル化において、当該変異のsC7からの除去は、IE関連活性にわ
ずかに影響したが、それ自体で、IEME関連活性を検出可能なレベル未満へ減少
させた。残り3つの変異(A157T、T171S、D217A)のうち、当該
変異をsC7から除去したときにIEME又はOE関連活性のいずれかに大きく影
響するものはなかった。これらの変異のすべての組み合わせが、OEに優先する
IEMEに対する特異性を犠牲にすることなしに、IEME関連活性の全体の増加を
導くか否かを決定するために、本件出願人は、三重復帰変異体だけでなく、これ
らの部位においてsC7のペアの復帰を操作した。これらの変異の3つ全てを有
する構築物は、二番目に高いIEME関連活性を有し、かつ、IEMEとOEとの識
別において最高の能力を有していた(表3)。この4つの変異体構築物、Tnp
(R8C、E58V、E34K、L372Q)を、Tnp sC7 v2.0と
改名した。 表3.インビボにおける、示した変異が野生型に復帰しているTnp sC7の
頻度(かっこ内の数は、野生型へ変化した部位を示す)
【0018】
【表3】
【0019】 α:sC7 v2.0に改名 略号:OE=外側端 IE=内側端 IEME=damメチル化内側端 Tnp sC7は、個々の変異の合計よりも少ない。Tnp E58V(E5
8V「+1」)変異体は、Tnp WT単独に対して4×104倍増加した活性
を有している。E58Vを除去した複合変異体(E58V「−1」)は、Tnp
WTに対して1.8×102倍増加した活性を有している。加算性は、Tnp
sC7が以下の活性増加を有するという予想であった。 (4×l04)(1.8×l02) = 7.2×106 しかしながら、複合性変異の刺激は、実際は非常に小さい(2×105)。換
言すると、E58Vをその他の変異に追加したことにより得られる増加は1.1
×103倍であったが、E58Vを野生型バックグラウンドへ追加したことによ
る4×104倍の刺激は観察されなかった。これは、E58V及びE344Kが
ともに同一過程(一次DNA結合)を刺激するので、組み合わせたときに相加未
満になることによるものであろう。
【0020】Tnp sC7 v2.0は、IEMEで定義されるトランスポゾンをインビトロ で効率的に転位する Tnp sC7 v2.0が、IEMEで定義されるトランスポゾンのインビト
ロでの転位を促進する能力を、OEで定義されるトランスポゾンのTnp EK
/LPによる移動について開発した条件と同一条件下で試験した(Goryshin, I.
Y., 及び Reznikoff, W.S.,"Tn5 in vitro transposition,"J. Biol. Chem. 273
: 7367-7374 (1998)(参照することにより、文献の全体が本明細書に開示されて
いるかのように組み込まれる))。適切なプラスミドpGT4(高コピー数のp
UC19をベースとしたベクターであって、逆方向のIEME端部配列がカナマイ
シン耐性遺伝子に隣接している)を、スーパーコイルモノマーとして単離した(
材料と方法の欄参照)。このプラスミドを、PvuII制限エンドヌクレアーゼ
による切断が、ドナーバックボーンDNAからのトランスポゾンの遊離を引き起
こすように構築した(図5A)。Tnp sC7 v2.0は、当該ヌクレオチ
ド配列を発現ベクターにクローニングし、宿主細胞中でタンパク質を発現させ、
当該タンパク質を宿主細胞由来の抽出物から単離することにより作成しかつ精製
した。これらの工程には、当業者に知られている標準的方法を使用した。 Tnp sC7 v2.0とのインキュベーションにより、インキュベーショ
ン3時間後に、スーパーコイルプラスミドの66%が転位生成物及び中間体へと
転換した。図5Bにおいて、レーン1は、反応を起こしていない基質pGT4で
ある。Tnp sC7 v2.0により促進されるIEMEトランスポゾンに対す
る転位活性はレーン2に示される。レーン3は、PvuII制限エンドヌクレア
ーゼによるpGT4切断の結果である。 この方法で行われる転位反応は、多数の異なるDNA生成物を導くことができ
るけれども、当該反応は、前出、Goryshin 及び Reznikoff (1998)により既に定
義されている特定の診断用断片を分析することにより解釈することができる。図
5Cは、図5Bのレーン2の複製である。バンド1は切除されたトランスポゾン
である。これは、プラスミドから二重の端部破壊(ended break)を受けたもの
であるが、鎖移動は受けていない中間体である。バンド2は、トランスポゾンの
二重端部切除のときに遊離するドナーバックボーンDNAである。これらのバン
ドは、図5Bのレーン3に示すPvuII切断の生成物と同一の分子量を有して
いる。バンド3は、1つのトランスポゾン端部で切断を受けた基質プラスミドを
表わしている。これは、直線化されたプラスミドと同一の位置に移動する(デー
タは示さず)。バンド4及び5は、2つの異なるタイプの鎖移動生成物である。
バンド4は、反応を起こしていないプラスミドへのトランスポゾンの分子間的挿
入の結果である。これにより、挿入されたトランスポゾンの長さの分、元の基質
プラスミドよりも長くなっている弛緩環状DNAを生じる。5として示されるバ
ンドは、分子内反転(intramolecular inversion)事象の結果である。これらの
転位生成物は、トランスポゾンの大きさであるが、環化されてない。これらの環
化された転位生成物は、異なる数のノード(node)を含み、それゆえゲル内の異
なる位置に移動することができる。
【0021】構造/機能分析 過剰活性Tn5トランスポザーゼ変異体Tnp sC7 v2.0は、IEME 隣接トランスポゾンの転位を7.4×105倍に増加させ、かつ、部位8、58
、344及び372のアミノ酸に変異を含んでいる。Tnp sC7の分析によ
り、E58V及びE344Kの両方により与えられる過剰活性は、トランスポゾ
ンの端部配列に依存することが明らかになった。E58Vについて起こる表現型
は驚くべきことではなかった。なぜなら、OE隣接トランスポゾンを用いて以前
に行ったランダム突然変異スクリーニングでは、配列特異的活性を有し、アミノ
酸47又はアミノ酸54に変異を有するタンパク質の単離を引き起こしたからで
ある(Zhou 及び Reznikoff, 1997; Zhou, M., Bhasin, A., 及び Reznikoff, W
.S.,"Molecular genetic analysis of transposase-end DNA sequence recognit
ion: cooperativity of three adjacent base-pairs in specific interaction
with a mutant Tn5 transposase,"J. Mol. Biol. 276: 913-925 (1997))。しか
しながら、アミノ酸344の残基がトランスポゾン端部DNAと相互作用するこ
とを示唆する、アミノ酸344における変異の配列特異的活性は、実際に非常に
驚くべきものであった。 最近になって、あらかじめ切断した(ドナーバックボーンのない)OE DN
Aと複合体を形成したTnp EK/LPを表わすタンパク質−DNAの共同結
晶(co-crystal)が解析された。この複合体において、アミノ酸58は、部位1
0にてOEと特異的に相互作用することが示された。これにより、部位12の近
傍にある変異体の残基を、抑制について最初に選択するヌクレオチド変異に位置
付けた。部位10、11及び12は、IE及びOEとの間ですべて異なっており
、更に、damメチラーゼによる主溝の修飾を含む2つの領域(上部鎖の部位1
1及び下部鎖の部位12)の内、1つの近くに存在する。 更にこの構造は、アミノ酸344が、OEの部位7においてDNAと相互作用
することを示している。部位7は、IEとOEとを区別する7つの部位の1つで
はないが、部位4と、IEとOEとを区別するヌクレオチド10、11及び12
の領域との間に存在する。それゆえ、Tnp E344KのIE及びOEに対す
る活性の差異は、これら2つの領域の前後関係効果(context effect)に起因す
ることが考えられる。それゆえ、本件出願人は、変異E58V及びE344Kの
両方は、端部配列DNAと相互作用し、一次的配列認識のレベルでトランスポザ
ーゼ機能を変化させることを提案する。
【0022】 ロイシンからグルタミンへの変異(L372Q)は、配列決定されたすべての
変異体(sA5、sB2、sC6、sC7及びsD5)に存在するが、このこと
はよく知られていることでありかつ驚くべきことであった。この部位における過
剰活性変異は既に単離されていたためであることはよく知られていた。以前に単
離された変異は、この部位においてロイシンからプロリンへの置換(L372P
)を引き起こした(Weinreich ら, 1994)ので、これは驚くべきことであった。
L372P変異は、αヘリックス中に2つの継続的なプロリン残基を生じさせる
。共同結晶において、この変異はアミノ酸372〜390を不安定化させる。こ
の変異は、C末端の二量体化ドメインに関連して触媒ドメインのコンホメーショ
ンの変化を引き起こすことが提案される。この変化は、N末端とC末端との間の
距離を増加させることにより活性を改善することができる。Tnp Wtにおい
てこれらの端部が近接していることは、Tnp WTの転位速度を減少させるも
のと考えられる(Reznikoff ら, 1999)。初期の部分的Tnp構造において見ら
れる野生型ロイシン残基(Davies, D.R., Braam, L.M., Reznikoff, W.S. 及び
Rayent, I.,"The three-dimensional structure of a Tn5 transposase-related
protein determined to 2.9-A resolution,"J Biol Chem. 274: 11904-11913 (
1999))は、疎水性ポケット内に埋められている。グルタミンについての置換は
、この疎水性パッケージングを不安定化するだろう。コドンにおける単一のヌク
レオチド変化のみを引き起し、かつ、この残基において5つの異なるアミノ酸置
換(メチオニン、バリン、アルギニン、プロリン又はグルタミン)を作成するこ
とができるPCRをベースとするランダム変異誘発技術により単離された、2つ
の異なる過剰活性変異体が与えられる場合、より直接的な変異誘発アプローチ、
例えばコドンランダム化により、その他の興味深い変異体を明らかにすることが
できると考えられる。 OE関連転位を野生型バックグラウンドのほぼ10倍に減少させ(R8C「+
1」)、かつ、sC7バックグラウンドから除去したときは当該転位を約2倍に
増加させる(R8C「−1」)変異R8Cは、容易に解釈することができない。
共同結晶学的構造では、アルギニン残基はDNA接触領域に存在していない。し
かしながら、この構造は、切断が起こった後の複合体の静止画像を表わしている
ので、この領域が初期のシナプスにおいてDNAと接触している可能性がある。
【0023】IEメチル化 Tn5トランスポゾンの内側端は、各端部の主溝に4つのメチル基を追加する
2つのGATCシグナル配列を含んでいる。本研究により、本件出願人は、この
結合阻害を克服するだけではなく、メチル基が存在するトランスポゾンに優先的
に機能すると考えられる(おそらくは、増加した結合親和性によるものであろう
)、単一の変異E58Vを単離することができた。更に、あらかじめ切断したD
NAと複合体を形成するTnp EK/LPの共同結晶構造は、グルタメート(
glutamate)58が、主溝内で、OEの部位10と直接的に相互作用することを
示している。この領域は、IEMEの非移動鎖のアデニンに存在するメチル基の近
傍に存在している。単一のアミノ酸変化が、表現型におけるこの極端な変化を引
き起こすことができるという事実は、トランスポザーゼのIEMEへの結合阻害の
原因となる。Tnp WTのIEMEへの結合の阻害は、このメチル基とグルタメ
ート58の負に荷電した側鎖との間の相互作用により引き起こされると考えられ
る。この残基のバリンによる置換は、バリン残基の側鎖とこのメチル基との間の
疎水性パッケージングにより、この不利な相互作用を除去するだけでなく、結合
親和性の増加を誘導することができる。一般的な材料及び方法 培地及び試薬 パピレーションアッセイは、グルコース最小ミラー培地(Miller, J., Experi
ments in Molecular Genetics, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold S
pring Harbor, NY. (1992))に、アンピシリン、クロラムフェニコール、5−ブ
ロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド及びフェニル−β−
D−ガラクトシドを前出の文献(Zhou, M., & Reznikoff, W.S.)に記載される
ようにして補充したもの(Trp−−XG−PGプレート)を使用して行った。
部位特異的変異誘発の間、形質転換後に、細胞を、the altered sites protocol
(Promega)に示されるようにしてSOC培地中で増殖させた。その他すべての
細菌の増殖は、ルリア培地(Luria Broth)(Sambrook, J., Fritsch, E.F. & M
aniatis, T. (1989). Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring
Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY.)中で行った。必要なとき
に、抗生物質(Sigma)を以下に示す濃度で添加した。アンピシリン:100μ
g/ml、クロラムフェニコール:20μg/ml、ナリジクス酸:20μg/
ml、ゲンタマイシン:5μg/ml、テトラサイクリン:15μg/ml。T
aq DNAポリメラーゼ、T4ポリメラーゼ、T4リガーゼ、dNTP及びth
e Altered Sites Mutagenesisキットのその他の成分はPromegaより購入した。制
限酵素は、Promega 又は New England Biolabsより購入した。部位特異的変異誘
発、sPCR及び配列決定に使用したオリゴヌクレオチドは、Research Genetic
sより購入した。配列決定に使用した放射性ヌクレオチドは、Amershamより入手
した。
【0024】プラスミドの構築 プラスミドpGT4を、2つの内側端により隣接するカナマイシン耐性遺伝子
を含む高コピー数プラスミドとして構築した。プラスミドは、PvuIIによる
消化により、そのpUCベクターバックボーンからトランスポゾンが遊離するよ
うに設計した。 14のpRZ9905(sC7)誘導体及びpRZ9905(sC7 バージ
ョン2.0)を、pRZ9905とpRZ9905(sC7)との間で制限断片
を交換することにより構築した。細菌株 プラスミドのクローニング及び定方向進化プロセスは、JM109(Promega
)中で行った。部位特異的変異誘発プロトコールでは、ES1301(Promega
)及びJM109を使用した。メイティング・アウトアッセイにおいて、トラン
スポザーゼプラスミドで株RZ212[Δ(lac-proA,B), ara, str, recA56, srl
, thi/pOX38-Gen]を形質転換し、続いて14R525[F-nalr]へコンジュゲート
した。定方向進化プロセス Tn5トランスポザーゼの定方向進化は、基本的に文献(Stemmer (1994))に
記載されるようにしてsPCRにより行った。40μl(〜4μg)のpRZ9
905ミニプレップ(mini prep)(Wizard SV preps, Promega)を、100m
M Tris−HCl(pH=7.0)、5nM MgCl及び90ngのDN
aseIを含む50μl容量中で部分消化した。室温下で7分間インキュベート
した後、EDTAを10mM添加することにより反応を停止させた。ローディン
グ色素(loading dye)(Sambrook ら, 1989)を添加した後、消化したDNAを
2% pGEM DNAマーカー(Promega)の次に、NuSieveゲル(FMC
BioProducts)中での電気泳動に付した。大きさ200〜600bpのDNA断
片を含むゲル切片及び大きさ600〜1000bpのDNA断片を含む第二の切
片を、ゲルから切除した。これら2つの切片由来のDNAを、フェノールクロロ
ホルム抽出(Sambrook ら, 1989)により別々に精製した。エタノール沈澱後、
DNAペレットを乾燥し、50μlのアセンブリ(assembly)反応混合物中へ直
接再懸濁させた。アセンブリ混合物は、0.2mM dNTP、2.0mM M
gCl、50mM KCl、10mM Tris−HCl(pH9.0(25℃
))及び1% Triton X−100を含んでいた。0.5ユニットのTa
q DNAポリメラーゼを添加した後、DNAを、以下の熱サイクルプログラム
:94℃で30秒間;94℃で20秒間、65℃で1分間及び72℃で2分間の
サイクルを50回;及び4℃までの冷却により再アセンブルした。DNA鋳型と
して5μlのアセンブリ反応生成物を使用した、標準的PCR増幅反応を各サン
プル(200〜600bp及び600〜1000bp)について行い、トランス
ポザーゼ遺伝子を増幅させた。このトランスポザーゼコード断片を消化して、A
fIII/BgIIIを用いて完成し、pRZ9905由来のAfIII/Bg
III消化ベクターDNAに結合した。
【0025】 連結生成物で、プラスミドpRZ9904(IE12A/IE12A)を含む
エレクトロコンピテント(electrocompetent)JM109細胞を形質転換した。
増殖後、細胞を、クロラムフェニコール及びアンピシリン選択と共にTrp−−
XG−PGプレートへ撒いた。プレートを32℃で14日間インキュベートした
。このとき、少なくとも1つのパピラーエを示したすべてのコロニーに由来する
pRZ9905プラスミドDNAを単離し、パピレーションアッセイを再形質転
換して、パピレーション+表現型を確認した。(スクリーニングした20000
のオリジナルコロニーのうち)総数5のpRZ9905誘導体が、パピレーショ
ン+であることを確認した。全5つのプラスミドの等量を、第二ラウンドの変異
誘発及びスクリーニングのための基質として使用した。このプロセスを、全4ラ
ウンドのスクリーニングについて繰り返した(〜20000コロニー/ラウンド
)。定量的パピレーションアッセイ Tnp WT、Tnp sA5、Tnp sB2、Tnp sC6及びTnp
sD5のIE12Aインビボ転位活性を、定量的パピレーションアッセイによ
り比較した。プラスミドpRZ9904(IE12A/IE12A)を有する株
JM109のコンピテント細胞を、pRZ9905の適切なトランスポザーゼコ
ードバージョンで形質転換した。増殖後、形質転換細胞を、クロラムフェニコー
ル及びアンピシリンを有するTrp−−XG−PGプレートに撒いた。コロニー
が現れ始めるまで(〜18時間)、プレートを32℃で維持し、増殖させた。個
々のコロニーを、殺菌したスティックで選び、4×4の格子パターン内の新鮮な
プレート上にスポット(spot)し、すべてのコロニーの間隔を均等にした。16
コロニーからなる1つのプレートを、各タンパク質についてスポットした。プレ
ートを32℃でインキュベートし、24時間間隔でパピラーエの出現を観察する
ことにより転位について定量した。データは、コロニーあたりに存在するパピラ
ーエの平均数として表わした。
【0026】メイティング・アウトアッセイ メイティング・アウトアッセイは、既報(Yin ら, 1988; Goryshin ら, 1994
)に記載されるようにして行った。プラスミドpFMA52−187(2つのO
E又は2つのIEのいずれかを有する)及びF因子pox−Genを含むトラン
スポゾンを有する細菌を、適切なトランスポザーゼをコードするプラスミドpR
Z9905で形質転換した。ライブラリーのスクリーニングに使用したドナーは
、JCM101[ΔlacZX74, raps, dam-3]であった。その他すべてのメイティン
グ・アウトは、大腸菌RZ212株[Δ(lac-proA, B), ara, str, recA56, srl,
thi]にて行った。使用したレシピエント株は14R525[F-nalr]であった。
総数3のアッセイを、トランスポザーゼと端部配列の各組み合わせについて行っ
た。報告される値は、これら3つのデータポイントの平均値である。インビトロ転位アッセイ 基質プラスミドpGT4を、qiafilter plasmid mega kit(Qiagen)を使用し
て、DH5α細胞から単離した。スーパーコイルモノマープラスミドは、qiaqui
ck gel purification kit(Qiagen)を使用して1% アガロースゲルから単離
した。反応を、Reznikoff 及び Goryshin (1998)により決定された条件下、37
℃で行った。pGT4の濃度は35.5nMであった。Tnp sC7 v2.
0を、濃度280nMまで添加した。 前述の記載は、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。本発明
は、請求の範囲内にあるすべての改変及び修飾を含むものとして理解されるべき
である。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、Tn5トランスポザーゼの構造並びにTn5外側端(OE)、内側端
(IE)、メチル化内側端(IEME)及び修飾IE(IE12A)のヌクレオチ
ド配列を示している。
【図2】 図2は、インビボでの転位を観察するためのパピレーションアッセイについて
の分子的な概略図である。
【図3A】 図3Aは、変異誘発/組替えの連続4ラウンド(A、B、C、D)において観
察された変異の位置を示している。
【図3B】 図3Bは、図3Aの各変異体のインビボ転位プロフィールを示している。
【図4】 図4は、大腸菌dam−株におけるOE及びIEについての連続ラウンドの変
異誘発/組替えにおいて得られた、変異体トランスポザーゼの相対的優先性を示
している。
【図5A】 図5Aは、インビトロ転位法における使用に適切なプラスミドを示している。
【図5B】 図5Bは、インビトロで転位を触媒する本発明の変異トランスポザーゼを使用
して得られた、転位生成物を示している。
【図5C】 図5Cは、図5Bのレーン2の生成物を更に特徴付けたものである。
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月10日(2002.4.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正の内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ナウマン トッド エイ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53705 マディソン イーグル ハイツ 608 アパートメント ディー Fターム(参考) 4B024 AA20 BA10 CA02 DA06 GA25 HA01 4B050 CC03

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 野生型Tn5トランスポザーゼタンパク質に対して修飾され
    た変異体Tn5トランスポザーゼタンパク質であって、 該変異体トランスポザーゼは、アミノ酸58及びアミノ酸372からなる群よ
    り選ばれる部位において、該野生型タンパク質とは異なっており、 該変異Tn5トランスポザーゼタンパク質はTn5外側端よりもTn5内側端
    に優先性を有する、 ことを特徴とする変異体Tn5トランスポザーゼタンパク質。
  2. 【請求項2】 アミノ酸部位58にバリンを含む、請求項1に記載の変異体
    Tn5トランスポザーゼ。
  3. 【請求項3】 アミノ酸部位372に変異を含む、請求項1に記載の変異体
    Tn5トランスポザーゼ。
  4. 【請求項4】 アミノ酸部位372にグルタミンを含む、請求項1に記載の
    変異体Tn5トランスポザーゼ。
  5. 【請求項5】 前記変異体トランスポザーゼが、アミノ酸58及び372に
    おいて野生型タンパク質とは異なっている、請求項1に記載の変異体Tn5トラ
    ンスポザーゼ。
  6. 【請求項6】 アミノ酸部位58にバリン及びアミノ酸部位372にグルタ
    ミンを含む、請求項1に記載の変異体Tn5トランスポザーゼ。
  7. 【請求項7】 更に、アミノ酸8及びアミノ酸344からなる群より選ばれ
    る部位において野生型タンパク質とは異なっている、請求項1に記載の変異体T
    n5トランスポザーゼ。
  8. 【請求項8】 部位8のアミノ酸がシステインである、請求項7に記載の変
    異体Tn5トランスポザーゼ。
  9. 【請求項9】 部位344のアミノ酸がシステインである、請求項7に記載
    の変異体Tn5トランスポザーゼ。
  10. 【請求項10】 前記変異体トランスポザーゼが、アミノ酸部位8及びアミ
    ノ酸部位344において野生型トランスポザーゼとは異なっている、請求項7に
    記載の変異体Tn5トランスポザーゼ。
  11. 【請求項11】 アミノ酸部位8にシステイン及びアミノ酸部位344にリ
    ジンを含んでいる、請求項1に記載の変異体Tn5トランスポザーゼ。
  12. 【請求項12】 アミノ酸部位8にシステイン、アミノ酸部位58にバリン
    、アミノ酸部位344にリジン及びアミノ酸部位372にグルタミンを含む、請
    求項1に記載の変異体Tn5トランスポザーゼ。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のトランスポザーゼをコードするポリヌク
    レオチド。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載のトランスポザーゼをコードするポリヌ
    クレオチド。
  15. 【請求項15】 インビトロで転位可能なDNA配列を転位するためのシス
    テムであって、 野生型Tn5トランスポザーゼに対して修飾された請求項1に記載の変異体T
    n5トランスポザーゼ、 該転位可能なDNA配列を含むドナーDNAであって、該DNA配列が、その
    5’及び3’末端において野生型IE配列により隣接されているDNA、及び、 転位可能な要素が転位することができる標的DNA分子、 を含むことを特徴とするシステム。
  16. 【請求項16】 前記IE配列がメチル化されている、請求項15に記載の
    システム。
  17. 【請求項17】 インビトロ転位方法であって、 興味の対象となる転位可能なDNA配列を含むドナーDNA分子であって、該
    DNA配列がその5’及び3’末端において野生型Tn5 IE配列により隣接
    されているDNA分子と、標的DNA分子及び請求項1に記載の変異体Tn5ト
    ランスポザーゼとを、適切な反応緩衝液中、生理学的温度未満の温度下で、該修
    飾トランスポザーゼが該IE配列に結合するまで組み合わせる工程、及び、 該酵素がインビトロ転位を触媒するのに十分な期間、生理学的温度まで温度を
    上昇させる工程、 を含むことを特徴とする方法。
JP2001513619A 1999-08-02 2000-08-02 変異体tn5トランスポザーゼ酵素及びその使用方法 Pending JP2003505104A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14668699P 1999-08-02 1999-08-02
US60/146,686 1999-08-02
PCT/US2000/021052 WO2001009363A1 (en) 1999-08-02 2000-08-02 Mutant tn5 transposase enzymes and method for their use

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003505104A true JP2003505104A (ja) 2003-02-12

Family

ID=22518527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001513619A Pending JP2003505104A (ja) 1999-08-02 2000-08-02 変異体tn5トランスポザーゼ酵素及びその使用方法

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP1198583A1 (ja)
JP (1) JP2003505104A (ja)
CN (1) CN1367840A (ja)
AU (1) AU775043B2 (ja)
CA (1) CA2380850A1 (ja)
PL (1) PL353241A1 (ja)
RU (1) RU2002105508A (ja)
WO (1) WO2001009363A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017513479A (ja) * 2014-04-15 2017-06-01 イラミーナ インコーポレーテッド 改善された挿入配列バイアスおよび拡大されたdnaインプット許容差のための修正トランスポザーゼ

Families Citing this family (46)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6159736A (en) * 1998-09-23 2000-12-12 Wisconsin Alumni Research Foundation Method for making insertional mutations using a Tn5 synaptic complex
AU2001271912A1 (en) * 2000-07-07 2002-01-21 Maxygen, Inc. Molecular breeding of transposable elements
WO2002046444A2 (en) 2000-12-05 2002-06-13 Wisconsin Alumni Research Foundation Double transposition methods for manipulating nucleic acids
CN101698848B (zh) * 2009-08-26 2012-10-03 上海海洋大学 金鱼自主转座子基因gfTol2、该基因编码的转座酶及该基因的用途
PL2556171T3 (pl) 2010-04-05 2016-04-29 Prognosys Biosciences Inc Oznaczenia biologiczne kodowane przestrzennie
US10787701B2 (en) 2010-04-05 2020-09-29 Prognosys Biosciences, Inc. Spatially encoded biological assays
US20190300945A1 (en) 2010-04-05 2019-10-03 Prognosys Biosciences, Inc. Spatially Encoded Biological Assays
GB201106254D0 (en) 2011-04-13 2011-05-25 Frisen Jonas Method and product
US9868979B2 (en) 2013-06-25 2018-01-16 Prognosys Biosciences, Inc. Spatially encoded biological assays using a microfluidic device
CN103602654B (zh) * 2013-11-20 2016-02-24 浙江农林大学 人工改造的高活性Mariner-Like转座酶
ES2955916T3 (es) 2015-04-10 2023-12-11 Spatial Transcriptomics Ab Análisis múltiplex de especímenes biológicos de ácidos nucleicos espacialmente distinguidos
CN106754811B (zh) * 2016-12-21 2019-05-14 南京诺唯赞生物科技有限公司 一种突变型Tn5转座酶及其制备方法和应用
FI3452621T3 (fi) 2017-02-21 2022-12-15 Tagmentaatio käyttäen immobilisoituja transposomeja linkkereillä
CN108265040B (zh) * 2017-09-24 2021-02-09 天津强微特生物科技有限公司 一种嗜盐古细菌中的转座酶高活性突变体
CN113366117A (zh) 2018-08-28 2021-09-07 10X基因组学股份有限公司 用于生物样品中转座酶介导的空间标记和分析基因组dna的方法
US11519033B2 (en) 2018-08-28 2022-12-06 10X Genomics, Inc. Method for transposase-mediated spatial tagging and analyzing genomic DNA in a biological sample
BR112021006183A2 (pt) 2018-11-30 2021-06-29 Illumina, Inc. análise de múltiplos analitos com o uso de um único ensaio
EP3894592A2 (en) 2018-12-10 2021-10-20 10X Genomics, Inc. Generating spatial arrays with gradients
CA3115155A1 (en) 2018-12-17 2020-06-25 Illumina, Inc. Methods and means for preparing a library for sequencing
US11649485B2 (en) 2019-01-06 2023-05-16 10X Genomics, Inc. Generating capture probes for spatial analysis
US11926867B2 (en) 2019-01-06 2024-03-12 10X Genomics, Inc. Generating capture probes for spatial analysis
EP3976820A1 (en) 2019-05-30 2022-04-06 10X Genomics, Inc. Methods of detecting spatial heterogeneity of a biological sample
CN113226519A (zh) 2019-07-12 2021-08-06 Illumina剑桥有限公司 使用电泳制备核酸文库
EP4025711A2 (en) 2019-11-08 2022-07-13 10X Genomics, Inc. Enhancing specificity of analyte binding
EP3891300B1 (en) 2019-12-23 2023-03-29 10X Genomics, Inc. Methods for spatial analysis using rna-templated ligation
US11732299B2 (en) 2020-01-21 2023-08-22 10X Genomics, Inc. Spatial assays with perturbed cells
US11702693B2 (en) 2020-01-21 2023-07-18 10X Genomics, Inc. Methods for printing cells and generating arrays of barcoded cells
US11898205B2 (en) 2020-02-03 2024-02-13 10X Genomics, Inc. Increasing capture efficiency of spatial assays
US11732300B2 (en) 2020-02-05 2023-08-22 10X Genomics, Inc. Increasing efficiency of spatial analysis in a biological sample
US11891654B2 (en) 2020-02-24 2024-02-06 10X Genomics, Inc. Methods of making gene expression libraries
ES2965354T3 (es) 2020-04-22 2024-04-12 10X Genomics Inc Métodos para análisis espacial que usan eliminación de ARN elegido como diana
AU2021275906A1 (en) 2020-05-22 2022-12-22 10X Genomics, Inc. Spatial analysis to detect sequence variants
WO2021236929A1 (en) 2020-05-22 2021-11-25 10X Genomics, Inc. Simultaneous spatio-temporal measurement of gene expression and cellular activity
WO2021242834A1 (en) 2020-05-26 2021-12-02 10X Genomics, Inc. Method for resetting an array
EP4162074B1 (en) 2020-06-08 2024-04-24 10X Genomics, Inc. Methods of determining a surgical margin and methods of use thereof
EP4165207A1 (en) 2020-06-10 2023-04-19 10X Genomics, Inc. Methods for determining a location of an analyte in a biological sample
CN116034166A (zh) 2020-06-25 2023-04-28 10X基因组学有限公司 Dna甲基化的空间分析
US11761038B1 (en) 2020-07-06 2023-09-19 10X Genomics, Inc. Methods for identifying a location of an RNA in a biological sample
US11981960B1 (en) 2020-07-06 2024-05-14 10X Genomics, Inc. Spatial analysis utilizing degradable hydrogels
US11981958B1 (en) 2020-08-20 2024-05-14 10X Genomics, Inc. Methods for spatial analysis using DNA capture
US11926822B1 (en) 2020-09-23 2024-03-12 10X Genomics, Inc. Three-dimensional spatial analysis
US11827935B1 (en) 2020-11-19 2023-11-28 10X Genomics, Inc. Methods for spatial analysis using rolling circle amplification and detection probes
AU2021409136A1 (en) 2020-12-21 2023-06-29 10X Genomics, Inc. Methods, compositions, and systems for capturing probes and/or barcodes
WO2022164615A1 (en) 2021-01-29 2022-08-04 10X Genomics, Inc. Method for transposase mediated spatial tagging and analyzing genomic dna in a biological sample
WO2023034489A1 (en) 2021-09-01 2023-03-09 10X Genomics, Inc. Methods, compositions, and kits for blocking a capture probe on a spatial array
WO2023225519A1 (en) 2022-05-17 2023-11-23 10X Genomics, Inc. Modified transposons, compositions and uses thereof

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017513479A (ja) * 2014-04-15 2017-06-01 イラミーナ インコーポレーテッド 改善された挿入配列バイアスおよび拡大されたdnaインプット許容差のための修正トランスポザーゼ
US10385323B2 (en) 2014-04-15 2019-08-20 Illumina, Inc. Modified transposases for improved insertion sequence bias and increased DNA input tolerance
US10544403B2 (en) 2014-04-15 2020-01-28 Illumina, Inc. Modified transposases for improved insertion sequence bias and increased DNA input tolerance

Also Published As

Publication number Publication date
AU775043B2 (en) 2004-07-15
CA2380850A1 (en) 2001-02-08
AU6396700A (en) 2001-02-19
WO2001009363A1 (en) 2001-02-08
PL353241A1 (en) 2003-11-03
CN1367840A (zh) 2002-09-04
RU2002105508A (ru) 2004-01-27
EP1198583A1 (en) 2002-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003505104A (ja) 変異体tn5トランスポザーゼ酵素及びその使用方法
Bylund et al. RimM and RbfA are essential for efficient processing of 16S rRNA in Escherichia coli
US7608434B2 (en) Mutated Tn5 transposase proteins and the use thereof
AU737419B2 (en) Method of increasing efficiency of directed evolution of a gene using phagemid
US5981281A (en) Method for knockout mutagenesis in Streptococcus pneumoniae
JP2023528484A (ja) Dna生産のための細菌株
JP5074185B2 (ja) イソプレノイドの生成
JP2020507347A (ja) 高忠実度cas9バリアントおよびそれらの利用
US20040235103A1 (en) Tn5 transposase mutants and the use thereof
JP2001507565A (ja) 改変tn5トランスポザーゼを使用したインビトロ転位用システム
JPH0838179A (ja) 改良E.coli宿主細胞
Rettberg et al. A three-way junction and constituent stem-loops as the stimulator for programmed− 1 frameshifting in bacterial insertion sequence IS911
JP2023540797A (ja) 塩基編集酵素
CN112779240B (zh) Crispr家族蛋白与核酸的定点偶联方法及其偶联物和用途
WO2017036903A1 (en) Improved vitamin production
Naumann et al. Tn 5 transposase with an altered specificity for transposon ends
US6406896B1 (en) Transposase enzyme and method for use
US20210108249A1 (en) Long Adapter Single Stranded Oligonucleotide (LASSO) Probes to Capture and Clone Complex Libraries
CA3234217A1 (en) Base editing enzymes
CN110819620A (zh) 一种对类球红细菌进行基因突变的方法
JP3549210B2 (ja) プラスミド
Briani et al. RNase E and polyadenyl polymerase I are involved in maturation of CI RNA, the P4 phage immunity factor
JP2002528059A (ja) 抗微生物剤の製造及び使用
CZ279427B6 (cs) Způsob pěstování mikroorganismu
JPH08107788A (ja) セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を含むdna断片

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060710