JP2003504853A - 記憶セルアレイ - Google Patents

記憶セルアレイ

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Abstract

(57)【要約】 半導体基板(11)の表面上においてソース/ドレイン領域(14)間に、第1のゲート中間層(15,16)と第1のゲート電極(18)とを有する強誘電性トランジスタの形の記憶セルを記憶セルアレイが有している。第1のゲート中間層は少なくとも1つの強誘電層(16)を含む。第2のゲート中間層(15)と第2のゲート電極(19)とは、第1のゲート中間層(15,16)と隣接し、かつソース/ドレイン領域との間に配置されている。前記第2のゲート中間層(15)は誘電層(15)を含む。第1のゲート電極(18)と第2のゲート電極(19)とはダイオード構造によって相互に接続されている。ストライプ状のドープされた舟形領域(12)が半導体基板内に設けられ、各強誘電性トランジスタのソース/ドレイン領域間で延伸している。

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、不揮発性なデータ記憶のための記憶セルアレイに関する。不揮発性
なデータ記憶のために、各記憶セルが少なくとも1個の強誘電性トランジスタを
有している記憶セルアレイが提案されている(EP 0 566 585 B1
参照)。その文献では、2つのソース/ドレイン領域と1つのチャネル範囲と1
つのゲート電極とを有するトランジスタが強誘電性トランジスタと呼ばれており
、この場合、ゲート電極とチャネル範囲との間に強誘電層、即ち強誘電性の物質
からなる層が備えられている。このトランジスタの導電率は、強誘電性の物質か
らなる層の分極状態に依存している。この種の強誘電性トランジスタは、不揮発
性の記憶装置に関して研究されている。その場合、デジタル情報の2つの異なる
論理値に対して、強誘電性の物質からなる層の2つの異なる分極状態が割り当て
られる。
【0001】 EP 0 566 585 B1から公知の記憶セルアレイの場合には、記憶
セルへの情報の書き込みの際に、他の選択されていない記憶セルの中の情報の変
更を回避するために、基板に接する強誘電層の下方の異なる記憶セルに対して個
別に電圧を印加することが提案されている。このために活性トランジスタ領域の
下にドープされた層が備えられており、このドープされた層はpn接合によって
全体の基板から絶縁されているとともに、絶縁範囲によって隣り合う記憶セルか
ら絶縁されており、このドープされた層は個々の強誘電性トランジスタのための
独自の基板を意味している。
【0002】 記憶セルとして強誘電性トランジスタを用いた他の記憶セルアレイは、T.
Nakamura、Y. Nakao、A. Kamisawa、H. Tak
asu:A Single Transistor Ferroelectri
c Memory Cell、IEEE、ISSCC、1995、68−69ペ
ージにて提案されている。この場合には、各強誘電性トランジスタは供給電圧線
とビット線との間に接続される。その選択は、バックゲート(Backgate
)によって行われる。使用される強誘電性トランジスタは、この場合は強誘電層
とゲート酸化物との間にフローティングゲート電極を有しており、該フローティ
ングゲート電極の電荷は強誘電層の分極状態によって制御される。
【0003】 この種の記憶セルアレイの場合には、情報の読み出しの際に選択されていない
記憶セルにおいても電圧が低下し、この低下した電圧によって個々の記憶セルに
記憶された情報の破損が生じる可能性があることは明らかである。この破損は、
強誘電性の物質中のドメインの反転過程が統計的な性質のものであり、かつ用意
された低い電圧にて惹起されうることが原因である。
【0004】 本発明の課題は、書き込まれた情報が読み出しプロセスの際に変更されうるの
が回避される、それぞれに1つの強誘電性トランジスタを用いた記憶セルを有す
る記憶セルアレイを提供することである。
【0005】 上記の課題は、請求項1に記載の記憶セルアレイによって解決される。本発明
のその他の実施態様は、残りの請求項に記載されている。
【0006】 上記記憶セルアレイにおいて、1つの半導体基板に集積された多数の記憶セル
が備えられており、これら各記憶セルは1つの強誘電性トランジスタを有してい
る。該各強誘電性トランジスタは、2つのソース/ドレイン領域を含み、半導体
基板の表面上においてこれらソース/ドレイン領域間に、第1のゲート中間層と
第1のゲート電極とが配置されており、この場合、該第1のゲート中間層は、少
なくとも1つの強誘電層を含むとともに、これらソース/ドレイン領域間におい
て該ソース/ドレイン領域間の結合線に向かって該第1のゲート中間層に隣接す
る第2のゲート中間層と第2のゲート電極とが配置されており、この場合、該第
2のゲート中間層は誘電層を含み、この場合、該第1のゲート電極と該第2のゲ
ート電極とは、ダイオード構造によって相互に接続されている。さらに、上記記
憶セルアレイにおいて、実質的に平行して延びるワード線が備えられており、こ
の場合、第2のゲート電極は、それぞれワード線の1つと接続している。上記半
導体基板にはさらにストライプ状のドープされた舟形領域が設けられており、該
舟形領域は、該ワード線と交差するとともに、該舟形領域は、それぞれ該強誘電
性トランジスタのソース/ドレイン領域間で延伸している。
【0007】 上記記憶セルアレイにおいて、記憶セルの1つが付属のワード線および付属の
ストライプ状のドープされた舟形領域によって選択される。選択されていないス
トライプ状のドープされた舟形領域およびワード線は、選択されていない記憶セ
ルの中の強誘電層の分極状態がその場合には変更されない電圧レベルにてチャー
ジされる。ストライプ状のドープされた舟形領域が設けられていることによって
、各ストライプ状のドープされた舟形領域に沿って配置された強誘電性トランジ
スタに個別の基板電圧を印加することが可能になる。
【0008】 上記強誘電性トランジスタにおいて、それぞれ並行してソース/ドレイン領域
間の結合線に沿って上記第1のゲート電極と上記第2のゲート電極とが配置され
ているため、強誘電性トランジスタのチャネル範囲が分割されている。第1のゲ
ート電極の下に位置しているチャネル範囲の部分は、第1のゲート電極に有効な
電荷によって制御可能である。第2のゲート電極の下に位置しているチャネル範
囲の他の部分は、第2のゲート電極に有効な電荷によって制御可能である。第1
のゲート電極の下のチャネル範囲の部分と第2のゲート電極の下のチャネル範囲
の部分とが導電性である場合にのみ、ソース/ドレイン領域間に電流が流れるこ
とができる。
【0009】 上記ダイオード構造は、第2のゲート電極の下のチャネル範囲の導電率を制御
する第2のゲート電極に電圧が印加されている場合に、ダイオード構造が遮断さ
れるとともに、このことによって、第1のゲート電極がこの電圧から分離される
ように極性化される。このことによって、第2のゲート電極の制御のための電圧
が第2のゲート電極によってのみ低下することが保証される。第1のゲート電極
は、ダイオード構造によってこの電圧から分離されており、その結果、この場合
には電圧は強誘電層によって低下しない。このことによって、強誘電層の分極の
変更、ひいては第2のゲート電極が制御される読み出しプロセスの際の記憶され
た情報の変更が回避される。
【0010】 これに対して、情報の書き込みおよび消去には、第2のゲート電極に強誘電層
を極性化させるのに適当な電圧を印加することができる。この場合、情報の書き
込みは、ダイオード構造の逆電圧より大きくかつ強誘電層を一方向に極性化させ
る電圧によって行なわれる。情報の消去は、他の正負符号をもつ電圧によって行
なわれ、その結果、ダイオード構造は、順方向に極性化されており、かつ、強誘
電層にて低下する電圧は該強誘電層を他の方向に極性化させる。
【0011】 上記記憶セルアレイにおいて、情報を不揮発的に記憶し、かつ該情報を破壊す
ることなく読み出すのに、1つの記憶セルにつき1つの強誘電性トランジスタに
て十分である。付加的なオプションのトランジスタ(Auswahltrans
istor)は不要である。したがって、該記憶セルアレイは所要面積を減少さ
せて実現可能である。
【0012】 有利なことには、上記記憶セルアレイにおいて、ワード線に沿って隣り合う強
誘電性トランジスタが並列して接続されている。記憶セルの1つの強誘電性トラ
ンジスタは、この場合にはそれぞれ隣り合うビット線の間に接続されており、こ
れらビット線の間にて読み出しプロセスの際に電流が強誘電性トランジスタによ
って利用される。
【0013】 減少された所要面積を顧慮すると、この実施態様の場合には、ワード線に沿っ
て隣り合う強誘電性トランジスタの相互に接続されたソース/ドレイン領域を共
通の拡散領域として形成することは有利である。この場合には、ワード線の延出
に平行な各ストライプ状のドープされた舟形領域の幅は、各強誘電性トランジス
タのソース/ドレイン領域の中心間の距離より小さい。このようにして、ワード
線に沿って隣り合う強誘電性トランジスタのストライプ状のドープされた舟形領
域が、相互に半導体基板のドーピングによって絶縁されていること、およびそれ
による関連の強誘電性トランジスタが各ストライプ状のドープされた舟形領域に
よって一義的に制御可能であることが保証される。
【0014】 隣り合うストライプ状のドープされた舟形領域の間の確実な絶縁を顧慮すると
、ストライプ状のドープされた舟形領域の幅を、各強誘電性トランジスタの2つ
のソース/ドレイン領域が各ストライプ状のドープされた舟形領域の内部に配置
される程度の大きさに規定することが有利である。この場合には、隣り合うスト
ライプ状のドープされた舟形領域を誘電性の絶縁構造体によって相互に分離する
ことが有利であり、この誘電性の絶縁構造体は隣り合うストライプ状のドープさ
れた舟形領域の間におけるラッチアップ効果の発生を回避する。
【0015】 有利なことには、第2のゲート中間層と第2のゲート電極とがそれぞれ2つの
部分構造体から組み合わされており、これら部分構造体は第1のゲート中間層に
対して鏡面対称に配置されている。第2のゲート電極の2つの部分構造体は、電
気的に相互に接続されている。この実施態様は、第2のゲート電極に印加される
電圧が読み出し操作の際に、強誘電層が1つの等電位線上に存在し、かつこれに
より決して強誘電層の分極の変更が発生しない電界を惹起するという利点を有す
る。本発明のこの実施態様は、妨害に対して特に感度が低い。
【0016】 半導体基板の表面と強誘電層との間に誘電層を備えることは有利であり、この
誘電層によって強誘電層の配置が容易になる。
【0017】 強誘電性トランジスタの製造を顧慮すると、半導体表面と強誘電層との間の第
1のゲート中間層の中に配置されている誘電層と、第2のゲート中間層の構成要
素である誘電層とを連続する誘電層として形成することが有利であり、この連続
する誘電層の表面には強誘電層と第1のゲート電極とからなる積重ねが得られる
【0018】 有利なことには、第1のゲート電極および/または第2のゲート電極は、ダイ
オード構造の部分である。これによって、ダイオード構造の所要面積が減少する
【0019】 第1の伝導形式によってドープされている多結晶シリコンの第1のゲート電極
が有利であることが証明されている。第2のゲート電極は、同様に多結晶シリコ
ンを有しており、この多結晶シリコンは、上記第1の伝導形式とは反対の第2の
伝導形式によってドープされている。第1のゲート電極は、この場合には第2の
ゲート電極に境界が接しており、その結果、ダイオード構造は、第1のゲート電
極と第2のゲート電極とによって形成される。この実施態様の場合には、強誘電
性トランジスタの動作のために接続は4つのみ必要であり、うち2つはソース/
ドレイン領域への接続であり、1つは第2のゲート電極への接続であり、1つは
ストライプ状のドープされた舟形領域への接続である。この実施態様の場合には
、第1のゲート電極および第2のゲート電極は、それぞれに相応してドープされ
たエピタキシャル成長したシリコンから形成されてもよい。
【0020】 技術的な理由から、強誘電層と第1のゲート電極との間に、強誘電層の望まし
くない性質、例えば疲労(fatigue)もしくはインプリント抵抗(imp
rint resistance)を回避する、例えば白金、または誘電性の物
質、例えばCeO2 、ZrO2 等からなる補助層を約2〜10nmの厚さにて備
えることは、有利でありうる。補助層が導電性の物質から形成される場合には、
該補助層は第2のゲート電極に対して絶縁される。
【0021】 強誘電性トランジスタの、少なくとも活性領域の範囲内に単結晶シリコンを有
する半導体基板を使用することは、本発明の範囲内である。殊に半導体基板とし
て単結晶シリコンウェハまたはSOI基板の単結晶シリコン層が適している。さ
らに、集積回路の製造に使用される全ての半導体基板も適している。
【0022】 第1のゲート中間層がCeO2 、ZrO2 、Y2 3 もしくはできるだけ大き
な電気分極率を有する他の酸化物、例えばSrTiO3 からなる誘電層を含有す
ることは、本発明の範囲内である。第2のゲート中間層の誘電層には、殊にSi
2 、CeO2 、ZrO2 、Y2 3 もしくはできるだけ大きな電気分極率を有
する他の酸化物、例えばSrTiO3 が適している。強誘電層は、とりわけスト
ロンチウム・ビスマス・タンタレート(SBT)、ジルコン酸チタン酸鉛(PZ
T)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )またはバリウム・ストロンチウム・チ
タネート(BST)からのものであればよい。
【0023】 次に本発明を図に示されている実施例につき詳説する。図中の表示は、縮尺が
合わされていない。
【0024】 燐ドープされた単結晶シリコンからなる半導体基板11の中にストライプ状の
ドープされた舟形領域12が配置されており、この舟形領域は、数1016cm-3 のドーパント濃度および約5×1017cm-3の縁ドーピング(Randdoti
erung)によってp−ドープされている(図1参照)。このストライプ状の
ドープされた舟形領域12は、半導体基板11の表面に対して平行に、それぞれ
のテクノロジー・ジェネレーション(Technologiegenerati
on)に相応する断面を有している。隣接するストライプ状のドープされた舟形
領域12は、誘電性の絶縁構造体13によって相互に絶縁されている。この誘電
性の絶縁構造体13は、絶縁性の物質によって充填された溝の形にて、いわゆる
シャロー・トレンチ・アイソレーション(Shallow Trench Is
olation)として実施されている。
【0025】 前記ストライプ状のドープされた舟形領域12の中それぞれに、強誘電性トラ
ンジスタが配置されており、これら強誘電性のトランジスはそれぞれ2つのソー
ス/ドレイン領域14を有しており、これらソース/ドレイン領域は、ストライ
プ状のドープされた舟形領域12の容積が減少していく方向に並行して配置され
ている。これら2つのソース/ドレイン領域14の間の範囲は、チャネル範囲と
して機能する。これらソース/ドレイン領域14はn+ −ドープされている。
【0026】 該チャネル範囲の表面には、誘電層15が配置されており、この誘電層は5〜
10nmの膜厚を有しており、CeO2 またはZrO2 から形成されている。
【0027】 該誘電層15の表面には、強誘電層16が配置されており、基板11の表面に
平行な該強誘電層の断面は誘電層15の断面より小さい。該誘電層15は、強誘
電層16から側面にて突出している。強誘電層16の表面には補助層17が配置
されており、かつ、該補助層17の表面には第1のゲート電極18が配置されて
いる。さらに、その上に第2のゲート電極19が備えられており、この第2のゲ
ート電極は、強誘電層16の両側にて誘電層15の表面と接しており、かつ、該
第2のゲート電極は第1のゲート電極18を覆っている。
【0028】 強誘電層16は、50〜100nmの厚さを有しており、ストロンチウム・ビ
スマス・タンタレート(SBT)またはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を含有
している。第1のゲート電極18は、数1016〜1017cm-3のドーパント濃度
を有するp+ −ドープされたポリシリコンから形成されている。補助層17は、
厚さ2〜10nmにてCeO2 またはZrO2 から形成されている。第2のゲー
ト電極19は、数1016〜1017cm-3のドーパント濃度を有するn+ −ドープ
されたポリシリコンから形成されている。第1のゲート電極18および第2のゲ
ート電極19は、共通で1つのダイオード構造を形成している。
【0029】 代替的な実施態様の場合には、半導体基板21の中に強誘電性トランジスタが
行と列とにて配置されており、この場合、1つの列に沿って隣り合う強誘電性ト
ランジスタが並んで接続されている。強誘電性トランジスタは、それぞれ2つの
ソース/ドレイン領域22を有しており、半導体基板21の表面上においてこれ
らソース/ドレイン領域間に誘電層23が配置されている(図2参照)。半導体
基板21は、単結晶シリコンウェハ210を含むSOI基板であり、この単結晶
シリコンウェハの上に埋設されたSiO2 層211および単結晶シリコン層21
2が配置されている。ソース/ドレイン領域22は、数1020cm-3のドーパン
ト濃度でn−ドープされている。ソース/ドレイン領域22は、埋設されたSi
2 層211にまで達している。誘電層23は、膜厚5〜10nmを有しており
、CeO2 またはZrO2 から形成されている。
【0030】 誘電層23の表面には、ストロンチウム・ビスマス・タンタレート(SBT)
またはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)からなる強誘電層24が膜厚50〜10
0nmにて配置されている。基板21の表面に対して平行な強誘電層24の断面
は、誘電層23の断面より小さく、その結果、該誘電層23は該強誘電層24か
ら側面にて突出している。
【0031】 強誘電層24の表面には、CeO2 またはZrO2 からなる補助層25が厚さ
2〜10nmにて配置されており、補助層25の表面には、数1016〜1017
-3のドーパント濃度にてp+ −ドープされたポリシリコンからなる第1のゲー
ト電極26が配置されている。第1のゲート電極26は、厚さ50〜100nm
を有する。誘電層23の上に、数1016〜1017cm-3のドーパント濃度にてn + −ドープされたポリシリコンからなる第2のゲート電極27が配置されている
。該第2のゲート電極27は第1のゲート電極26を覆っており、その結果、該
第2のゲート電極は、図2に示す断面図においてはU字型の断面を有している。
このことによって、誘電層23の表面に配置されている第2のゲート電極27の
2つの部分は相互に接続している。第1のゲート電極26および第2のゲート電
極27は、共同で1つのダイオード構造を形成している。
【0032】 ソース/ドレイン領域22の間において、単結晶シリコン層212の中にそれ
ぞれ1つのストライプ状のドープされた舟形領域28が配置されており、このス
トライプ状のドープされた舟形領域は、数1016cm-3のドーパント濃度および
約5×1017cm-3のチャネルイオン打込み(Kanalimplantati
on)にてp−ドープされている。ストライプ状のドープされた舟形領域28の
幅は、それぞれに共通の拡散領域として形成されたソース/ドレイン領域22に
境界が接している隣り合うストライプ状のドープされた舟形領域28が、埋設さ
れたSiO2 層211によって相互に孤立し、かつ相互に絶縁されるように寸法
が決定されている。
【0033】 補助層17、25が金属、例えば白金から形成される場合には、該補助層は、
例えばSiO2 スペーサによって第2のゲート電極19、27に対して絶縁され
る。
【0034】 補助層17、25は、強誘電層16、24を上面および側面にて覆うように形
成されてもよい。
【0035】 図3には回路記号が示されており、この回路記号は、図1および図2に基づき
説明された強誘電性トランジスタとして次図にて使用される。この強誘電性トラ
ンジスタは、2つのビット線接点BLKi、BLKi+1を有しており、これら
ビット線接点は、2つのソース/ドレイン領域14、22と接続されている。さ
らに、強誘電性トランジスタはワード線接点WLKiを有しており、このワード
線接点は、第2のゲート電極19、27と接続されている。さらに、強誘電性ト
ランジスタは舟形領域接点(Wannenkontakt)WKiを有しており
、この舟形領域接点はストライプ状のドープされた舟形領域28、12と接続さ
れているか、あるいは該舟形領域接点はストライプ状のドープされた舟形領域2
8、12によって形成されている。
【0036】 上記記憶セルアレイの場合には、ワード線接点WLKjが対応するワード線W
Ljと接続されている(図4参照、ただし、この図では見やすくするために強誘
電性トランジスタの接点の符号は記入されていない)。強誘電性トランジスタは
、それぞれそのビット線接点BLKi、BLKi+1を介して、隣り合うビット
線BLi、BLi+1の間に接続されている。ビット線BLiは、ワード線WL
jと交差する。さらに、前記強誘電性トランジスタの舟形領域接点WKiは、ス
トライプ状のドープされた舟形領域Wiと接続されている。ストライプ状のドー
プされた舟形領域Wiは、ビット線BLiに対して平行に延びており、かつワー
ド線WLjと交差する。
【0037】 記憶セルの選択は、ワード線WLjおよびこれと交差するストライプ状のドー
プされた舟形領域Wiによって行なわれる。1つの記憶セルが選択されなければ
ならないので、付加的に相応する記憶セルが間に接続されているビット線BLi
、BLi+1が選択されなければならない。
【0038】 1つの記憶セルの読み出しは、相応するビット線BLi、BLi+1間の導通
によって行なわれる。このため、第2のゲート電極は閾値電圧より大きい正電圧
によって反転させられる。このビット線に沿った他の全ての記憶セルは選択され
ておらず、よって第2のゲート電極の下の範囲内において遮断している。したが
って、選択された記憶セルが間に接続されているビット線BLi、BLi+1間
の電流は、対応する強誘電性トランジスタの強誘電層が、第1のゲート電極の下
の範囲が導電するように極性化されている場合のみ流れることができる。選択さ
れたセルのストライプ状のドープされた舟形領域Wi、ならびに全ての残りのセ
ルは0ボルト(開路電位)にて印加される。
【0039】 書き込みのための1つの記憶セルの選択は、対応するワード線WLjおよび関
連のストライプ状のドープされた舟形領域Wiによって行なわれる。ワード線W
Ljは、正電圧、例えば1.5ボルト印加され、ストライプ状のドープされた舟
形領域Wiは、負電圧、例えば−1.5ボルト印加される。第1のゲート電極と
第2のゲート電極との間のpn接合に逆バイアスが破壊電圧の下にてかけられて
いる限り、強誘電層の上に配置された第1のゲート電極と第2のゲート電極との
間のpn接合、強誘電層ならびに強誘電層の下に配置された誘電層は、静電容量
との直列接続となる。
【0040】 この記憶セルの書き込みのためにワード線WLjおよびストライプ状のドープ
された舟形領域Wiにての電圧値の差に相応し、かつ静電容量との直列接続に印
加される電圧は、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間のpn接合が破壊
される程度に選択される。この破壊電圧は、例えばp領域とn領域との間の境界
面の状態によって、この例では2.1〜2.3Vに調整される。したがって、印
加された電圧は、強誘電層、この強誘電層の下に配置された誘電層および基板に
おいて低下する。したがって、強誘電層の上の電圧は約1ボルトであり、これは
、該強誘電層を一方向に極性化させるのに十分である。このことによって、前記
の選択された記憶セルに書き込まれる。
【0041】 ワード線に沿って隣り合っているセルのストライプ状のドープされた舟形領域
は、0ボルト(開路電位)にてチャージされる。ストライプ状のドープされた舟
形領域に沿って隣り合う記憶セルは、ワード線において0ボルト(開路電位)に
てチャージされる。したがって、このセルでのみ開路電位と1.5ボルト、ない
しは開路電位と−1.5ボルトとの間の差に相応する電圧が低下する。この電圧
は、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間のpn接合がこの列でなお遮断
している程度にわずかである。pn接合が強誘電層、誘電層および半導体基板と
比較して小さな、例えば50〜100倍小さい静電容量しか示さないので、pn
接合、強誘電層、誘電層および半導体基板において低下する電圧は、とりわけp
n接合において低下することが保証されている。電圧が合計で1.5ボルトであ
る場合には、電圧の大部分である1.475ボルトが第1のゲート電極と第2の
ゲート電極とから形成されたpn接合において低下する。これに対して、約25
mVの著しくわずかな部分のみが強誘電層および誘電層において低下する。実験
によれば、厚さ180nmのストロンチウム・ビスマス・タンタレート(SBT
)からなる強誘電層にとって、電圧50mVにて1010回の方形波電圧パルスが
強誘電層の分極状態を変更するのに不十分なことが明らかである。したがって、
この動作方法、かつこの提案されている記憶セルアレイの場合には、隣り合う記
憶セルの情報が影響を受けることなく、1つのセルが少なくとも1010回の書き
込みサイクルが可能であることが確認されている。
【0042】 選択された記憶セルとして、他のワード線WLkおよび他のストライプ状のド
ープされた舟形領域Wlと接続している記憶セルは、ワード線WLkならびにス
トライプ状のドープされた舟形領域Wlにおいて開路電位にてチャージされてお
り、よって、書き込みプロセスの際に影響を受けない。
【0043】 1つの記憶セルの消去のために、該記憶セルの選択が再びワード線WLjおよ
びストライプ状のドープされた舟形領域Wiによって行なわれる。ワード線WL
jは、負電圧、例えば−1.5ボルトにて印加され、ストライプ状のドープされ
た舟形領域Wiは、開路電位0ボルトにて接続される。したがって、強誘電層の
上に存在する第1のゲート電極および第2のゲート電極から形成されるpn接合
は、順方向に極性化されており、その結果、印加された電圧は強誘電層と誘電層
とに分配される。膜厚は電圧が均一に2つの層に分配されるように相互に調整さ
れる。したがって、強誘電層は書き込みプロセスの場合とは逆方向に極性化され
る。
【0044】 1つの記憶セルの消去の場合には、同じストライプ状の領域と接続した隣り合
う記憶セルがワード線によって開路電位0ボルトに接続され、その結果、この記
憶セルにおいて電圧は低下しない。同じワード線WLjと接続した隣り合う記憶
セルは、関連のストライプ状のドープされた舟形領域Wiによって負電圧−1.
5ボルトにて接続され、その結果、このセルにおいても同様に電圧は低下せず、
これはワード線WLjにての電圧とストライプ状のドープされた舟形領域Wiの
電圧との差が0であるからである。
【0045】 他のワード線WLkおよび他のドープされたストライプ状の舟形領域Wlと接
続している隣り合う記憶セルは、この場合には、第1のゲート電極と第2のゲー
ト電極とから形成されたpn接合の破壊電圧より小さい電圧にてのみ印加される
。したがって、pn接合は逆バイアスで極性化されており、電圧の大部分がpn
接合によって低下する。1つの記憶セルの書き込みの例にて評価したのと同様に
、この場合には強誘電層で低下する電圧は隣り合う記憶セルの情報に影響を及ぼ
すことなく、1つのセルが少なくとも1010回の消去サイクルが可能である程度
にわずかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、記憶セルとして、それぞれに1つのストライプ状のドープされた舟形
領域の中に配置されている強誘電性トランジスタが使用されている記憶セルアレ
イの断面図を示す。
【図2】 図2は、記憶セルとして強誘電性トランジスタを有する記憶セルアレイの断面
図を示し、この場合、並んで接続されている隣り合う強誘電性トランジスタが共
通のソース/ドレイン領域を有する。
【図3】 図3は、第1のゲート電極と第2のゲート電極とを有する強誘電性トランジス
タを表わす回路記号を示し、これら第1のゲート電極と第2のゲート電極との間
においてダイオード構造が有効である。
【図4】 図4は、記憶セルアレイを表わす回路図を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月28日(2001.12.28)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F083 EP22 EP77 FR05 FR06 HA02 JA02 JA14 JA15 JA17 JA38 NA01 5F101 BA62 BB02 BD02 BD33 BE02 BE05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記憶セルアレイにおいて、 1つの半導体基板(11)に、集積された多数の記憶セルが備えられていると
    ともに、これら各記憶セルが1つの強誘電性トランジスタを有しており、 上記各強誘電性トランジスタが2つのソース/ドレイン領域(14)を含み、
    半導体基板(11)の表面上においてこれらソース/ドレイン領域間に、第1の
    ゲート中間層(15,16)と第1のゲート電極(18)とが配置されており、
    この場合、上記第1のゲート中間層が少なくとも1つの強誘電層(16)を含む
    とともに、これらソース/ドレイン領域間において上記ソース/ドレイン領域(
    14)間の結合線に向かって上記第1のゲート中間層(15,16)に隣接して
    第2のゲート中間層(15)と第2のゲート電極(19)とが配置されており、
    この場合、上記第2のゲート中間層(15)が誘電層(15)を含み、この場合
    、上記第1のゲート電極(18)と上記第2のゲート電極(19)とがダイオー
    ド構造によって相互に接続されており、 実質的に平行して延びるワード線(WLi)が備えられており、 上記各第2のゲート電極(19)が上記ワード線(WLi)の1つと接続して
    おり、 上記半導体基板(11)の中にはさらにストライプ状のドープされた舟形領域
    (12)が設けられており、上記舟形領域が上記ワード線(WLi)と交差し、
    かつ上記各舟形領域は上記強誘電性トランジスタのソース/ドレイン領域(14
    )間で延伸していることを特徴とする記憶セルアレイ。
  2. 【請求項2】 ビット線が備えられており、 ワード線に沿って隣り合う強誘電性トランジスタが並列に接続されており、 上記記憶セルの1つの上記強誘電性トランジスタがそれぞれ隣り合うビット線
    間に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の記憶セルアレイ。
  3. 【請求項3】 ワード線に沿って隣り合う強誘電性トランジスタの相互に接続されたソース/
    ドレイン領域(22)が共通の拡散領域として形成されており、 上記ワード線の延出に平行な、上記各ストライプ状のドープされた舟形領域(
    28)の幅が、各強誘電性トランジスタのソース/ドレイン領域の中心間の距離
    より小さいことを特徴とする請求項2に記載の記憶セルアレイ。
  4. 【請求項4】 上記ストライプ状のドープされた舟形領域(12)の幅が、各トランジスタの
    2つのソース/ドレイン領域(14)が各ストライプ状のドープされた舟形領域
    (12)の内部に位置する程度の大きさであることを特徴とする請求項2に記載
    の記憶セルアレイ。
  5. 【請求項5】 上記隣り合うストライプ状のドープされた舟形領域(12)間に、誘電性の絶
    縁構造体(13)が備えられていることを特徴とする請求項4に記載の記憶セル
    アレイ。
  6. 【請求項6】 上記各強誘電性トランジスタの上記第2のゲート中間層と上記第2のゲート電
    極とが、それぞれ2つの部分構造体から組み合わされており、これら部分構造体
    が第1のゲート中間層に対して鏡面対称に配置されており、この場合、上記第2
    のゲート電極(19)の2つの部分構造体が電気的に相互に接続されていること
    を特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の記憶セルアレイ。
  7. 【請求項7】 上記各強誘電トランジスタの第1のゲート中間層が誘電層を含み、この誘電層
    が上記半導体基板(11)の表面と上記強誘電層(16)との間に配置されてい
    ることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の記憶セルアレイ。
  8. 【請求項8】 上記各強誘電トランジスタの上記第1のゲート中間層の誘電層(15)と上記
    第2のゲート中間層の誘電層(15)とが連続する誘電層(15)として形成さ
    れていることを特徴とする請求項7に記載の記憶セルアレイ。
  9. 【請求項9】 上記各強誘電トランジスタの上記第1のゲート電極(18)および/または上
    記第2のゲート電極(19)がダイオード構造の部分であることを特徴とする請
    求項1から8の何れか1項に記載の記憶セルアレイ。
  10. 【請求項10】 上記第1のゲート電極(18)が、第1の伝導形式によってドープされている
    多結晶シリコンを有しており、 上記各強誘電トランジスタの第2のゲート電極(19)が、上記第1の伝導形
    式とは反対の第2の伝導形式によってドープされている多結晶シリコンを有して
    おり、 上記第1のゲート電極(18)は上記第2のゲート電極(19)と境界が接し
    ていることを特徴とする請求項9に記載の記憶セルアレイ。
  11. 【請求項11】 上記強誘電層(16)と上記第1のゲート電極(18)との間の上記各強誘電
    トランジスタの中に補助層(17)が備えられていることを特徴とする請求項1
    から10の何れか1項に記載の記憶セルアレイ。
  12. 【請求項12】 上記各強誘電性トランジスタにおいて、上記第1のゲート中間層がCeO2
    ZrO、Y2O3 またはSrTiO3 を含有しており、上記第2のゲート中間層
    がSiO2、CeO2 、ZrO2 またはSrTiO3 を含有しており、上記強誘
    電層(16)がストロンチウム・ビスマス・タンタレート(SBT)、ジルコン
    酸チタン酸鉛(PZT)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )またはバリウム・
    ストロンチウム・チタネート(BST)を含有しており、かつ上記半導体基板(
    11)が単結晶シリコンを含有していることを特徴とする請求項1から11の何
    れか1項に記載の記憶セルアレイ。
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