JP2003503073A - 逆転写酵素アッセイキット、その使用および生物学的サンプルにおけるrt活性の分析方法 - Google Patents
逆転写酵素アッセイキット、その使用および生物学的サンプルにおけるrt活性の分析方法Info
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Abstract
Description
RT)アッセイキットに関する。本発明はまた、RT活性分析の結果に基づいて
RT活性に関連する異常または疾患の状態を評価することを必要に応じて伴う、
生物学的サンプルにおけるRT活性の定性的および定量的な分析を行うための方
法およびRTアッセイキットの使用に関する。
トロウイルスにとってウイルスRNAからのDNA合成を担う極めて重要な酵素
である(Baltimore−70、Temin−70、Barre−Sino
ussi他−83)。このプロセスは、第1DNA鎖の合成、DNA/RNAハ
イブリッドにおけるウイルスRNA鎖の分解、および第2DNA鎖の合成の3つ
の異なる酵素活性を伴う(総説については、Goffを参照のこと)。
両方で存在し得る。その主な違いは、その特定ウイルスに対する適した受容体を
有する細胞に進入し得るだけの外因性レトロウイルスとは対照的に、内因性レト
ロウイルスは生殖細胞に進入しているということ、従ってそのDNAが生物のす
べての細胞に存在するということである。ヒトにおける内因性レトロウイルス(
ERV)は、HERVと呼ばれている。内因性レトロウイルスのこの組み込まれ
たプロウイルス形態は、外因性レトロウイルスの機能的構造と同じ機能的構造を
有する。一部のHERVの生殖細胞内への組み込みは3500万年前〜4500
万年前に生じたと考えられている。これらのレトロウイルス配列は哺乳動物ゲノ
ムの1%を構成し、従って同様にヒトゲノムの1%を構成している。従って、レ
トロウイルス配列はすべてのヒト細胞に存在し、通常のメンデル則に従って遺伝
している。
ノムあたりのHERVのコピー数は、種々のファミリーについて1コピーから数
1000コピーの間で変化している。最も大きなヌクレオチド配列保存がpol
遺伝子において見出されている。この特徴は、HERVファミリー間の関係を導
き出すために使用されている。多くのHERVおよびそのORFは不完全である
が、mRNA転写物が、いくつかの組織タイプにおいてほとんどのHERVファ
ミリーから検出されている(Wilkinson他(1994)、Leib−M
oschおよびSeifarth(1996)に総説される)。さらに、ポリメ
ラーゼ活性およびプロテアーゼ活性を有するビリオン粒子が、正常なヒトの胎盤
、卵母細胞、奇形ガン、乳ガン組織において、そして一部の自己免疫患者の唾液
腺において認められている(Wilkinson他(1994)、Urnovi
tzおよびMurphy(1996)、Tonjes他(1997)に総説され
る)。無酸素およびUV照射のようなストレス条件はまた、感染性レトロウイル
スについて認められているような様々なHERVの発現を誘導し得る(Duvi
c(1995)に総説される)。
istofano他、1995;Meese他、1996)。種々の染色体部位
に存在するHERV配列間の組換えは、転座、逆位、重複および欠失を含むゲノ
ムの再配置を生じさせることがある。そのような組換え事象は、進化の重要な特
徴であるゲノムの不安定性を生じさせるもとである。さらに、多くの腫瘍は、腫
瘍形成において極めて重要な役割を果たしていると考えられる特定のゲノム再配
置によって特徴付けられる。宿主における感染性レトロウイルスの存在と腫瘍発
達との関係は、HERVがガンと関連していることを示唆している。ビリオン粒
子およびレトロウイルス関連抗原が、非感染性ウイルスの非存在下でもまた、原
発性腫瘍サンプルにおいて頻繁に認められている(Weiss、1984;Fa
ff他、1992)。さらに、レトロウイルスタンパク質に対する抗体がガン患
者の血清において明らかにされている(Weiss、1984)。その上、HE
RV配列が、ある種の腫瘍由来細胞株において非常に発現していることが見出さ
れている(Lower他(1996)に総説される)。
inelli他、1990)。新規な組み換え体は、変化した表現型を受け取る
。これは、新しい感染性レトロウイルスが迅速に進化することの一因になり得る
。env遺伝子が主に影響を受ける。これは、他の部分における変異は有害であ
り、粒子形成と両立し得ないからである。レトロウイルス株の中には、ある種に
おいては共生的であり、別の種では病原性であるものが見出されている。これら
の発見は、異種移植における重大な問題を示している。移植された組織によって
もたらされる共生的なERVは、新しい宿主において病原性となり得る。そのよ
うなERVは、新しい宿主の細胞表面に存在する、レトロウイルス融合に必要な
細胞表面受容体と相互作用し得る場合がある。さらに、組織受容者のゲノム内の
内因性レトロウイルス配列との組換えが生じることがあり、そして集団内に広が
り得る新しい感染性レトロウイルスを生じさせることがある。内因性レトロウイ
ルスおよび外因性レトロウイルスはともに、種内および種間における遺伝物質の
垂直伝搬および水平伝搬に寄与し、かつ新しい病原性因子の進化に対する機構を
提供し得る。
見出されている(Krieg他(1992)に総説される)。これらの作用は、
主としてマウスで研究されているが、HERVについて類似した機構が存在する
ことを裏付ける観測結果がいくつか得られている。HERV配列が免疫応答を脱
調節し得る場合、HERV配列により自己免疫疾患が生じ得る。これらの作用は
、HERVタンパク質によって直接的に調節され得るか、あるいは免疫応答に関
与する分子の発現に影響を及ぼすことによって間接的に調節され得る。HERV
タンパク質は細胞表面に露出し得る。これらのタンパク質配列に対する自己耐性
の喪失は、それらにさらされている細胞に対する自己免疫反応を生じさせること
がある。レトロウイルス感染後に産生される抗体は、HERVによってコードさ
れるタンパク質との交差反応性を有する場合があり、耐性を喪失させるもとであ
り得る。この現象はトランスジェニックマウスで認められている(Zinker
nagel他、1990)。さらに、ERVによってコードされるenvタンパ
ク質に対する耐性の喪失が、自己免疫性の腎糸球体症を自発的に発症するマウス
で認められた(Krieg他(1990および1992)に総説される)。ヒト
におけるいくつかの観測結果により、内因性レトロウイルスタンパク質と外因性
レトロウイルスタンパク質との交差反応性抗体の存在を裏付けることができる。
レトロウイルスタンパク質に対する抗体が自己免疫患者の血清中に検出されてい
る(Krieg他(1992)、UrnovitzおよびMurphy(199
6)に総説される)。ある種の場合には、血清が外因性レトロウイルスとも反応
することが見出された。レトロウイルスの感染は自己免疫疾患の発症と関連して
いる(Krieg他(1990および1992)に総説される)。さらに、感染
性レトロウイルスのタンパク質は、自己抗体に対する高頻度の標的である自己抗
原に対する部分的な類似性を示す(Krieg他(1992)に総説される)。
自己抗体は、そのような標的に対する自己免疫応答を開始させることができる。
これは、分子模倣と呼ばれる機構である。しかし、知られている自己抗原に対す
るHERVタンパク質の類似性は未だ検出されていない。
び定量に対する受け入れられる技術になっている。それらは、HIVの単離に対
する確認試験として使用されるp24抗原アッセイと一緒になっている(Jac
kson−88、Gupta−87)。RTはまた、HIVに対する効率的な抗
ウイルス剤を見出す試みにおける主要な標的の1つである。従来のRT活性アッ
セイは、人工的なテンプレート−プライマー構築物およびヌクレオチド基質とし
てのトリチル化デオキシヌクレオチド三リン酸を用いた可溶性酵素のアッセイを
利用することによって行われている(Baltimore−71、Lee他−8
7)。この初期のシステムは、トリクロロ酢酸(TCA)によって沈殿し得るR
NA/DNAハイブリッドへの放射能取込みを検出することに基づいていた。β
線放射性ヌクレオチドの使用は、放射能を検出するためにシンチレーション液を
使用することを必要とし、これは、多くの場合、クエンチング問題のために良好
な再現性をもたらしていない。この方法は比較的面倒であり、非常に多くのサン
プルを大規模にスクリーニングすることに適合させることは容易ではない。この
方法また、サンプル中の妨害因子の作用に対して非常に敏感である。
は、種々の技術を使用して改善されている。I125で標識された基質の導入は
、増大した感度をもたらし、そしてシンチレーション液のクエンチングをなくし
、その使用が不要になった(Neumuller他−90)。固相に結合させた
テンプレートまたはプライマーの導入は、基質と生成物との分離を単純化し、T
CA沈殿の必要性をなくし、そして「ワンチューブRTアッセイ」をもたらした
(Gronowitz他−90、EP0447442B1)。
されたリガンドに対して大きな親和性を有する抗原性のエピトープまたは構造の
いずれかを含有する修飾されたヌクレオチド塩基の使用によって少なくなってい
る。これらのエピトープまたは構造を新しく合成されたRNA/DNAハイブリ
ッドに存在させることは、その後、例えば、ELISA酵素などと結合した抗体
またはリガンドを結合させるために使用されている。その後、結合したELIS
A酵素の量が二次酵素アッセイにおいて測定される。
dU)三リン酸をRTアッセイにおけるヌクレオチド基質として利用している。
取り込まれたBrdUMPの量が、二次的な工程において、アルカリホスファタ
ーゼ結合モノクローナル抗BrdU抗体を使用する免疫アッセイで測定される。
Pの代わりに、ジゴキシゲニンで標識されたdUTPの新しく合成されたDNA
内への取込みを測定している。取り込まれなかったヌクレオチドを新しく合成さ
れたDNAから分離することを可能にするために、ビオチンで標識されたdUT
Pもまた反応混合物に加えられている。逆転写後、新しく合成された二重標識D
NAが、ストレプトアビジンがコーティングされたELISAウエルに固定化さ
れ、ペルオキシダーゼ結合抗ジゴキシゲニン抗体を結合させることによって光度
測定的に評価される。この手法は、Boehringer Mannheimか
ら市販されているRTアッセイキットの基礎である。
オチン−dUTPの取込みに基づく非放射性RTアッセイを開発している。取り
込まれたヌクレオチド基質の量が、ストレプトアビジン結合アルカリホスファタ
ーゼの添加後に光度測定的に測定される。本発明に最も近い先行技術が、Eks
trand他(1996)によって開発された。そのアッセイにおいて、96ウ
エルマイクロタイタープレートのウエルに共有結合させたポリ(rA)は、逆転
写工程時におけるBrdUMPの取込みに対するテンプレートとして役立つ。D
NAに取り込まれたBrdUMPの量が、その後、Porstman他(199
1)によって使用されたように同様な手法に従って免疫学的に測定される。この
方法は、RT測定キットとしてCavidi Tech(Uppsala、スェ
ーデン)から入手することができる。
利用されている、RT活性を検出するための別の原理は、新しく合成されたcD
NAを検出するために配列特異的プローブを利用することである。この酵素反応
では、5’端に近いRNA配列に対して相補的な20塩基のオリゴヌクレオチド
プライマーとのヘテロポリマーRNA分子が利用されている。完全なcDNA鎖
がRT反応のときに産生される。テンプレートRNAを加水分解した後、cDN
Aは2つの異なるオリゴヌクレオチドプローブ(捕獲プローブおよび検出プロー
ブ)とハイブリダイゼーションさせられる。捕獲プローブは、cDNAをマイク
ロプレートのウエルに結合させるために使用される。検出プローブは西洋ワサビ
ペルオキシダーゼに結合しており、これは、使用されなかったヌクレオチド基質
および遊離のプローブを除くための洗浄を行った後、発色反応をもたらす。
Aのポリメラーゼ連鎖反応によって増大させることができる。増幅されたDNA
は、その後、種々のタイプの標識プローブを用いて検出することができる(Si
lver(93)、Heneine(1995)、米国特許第5817457号
、米国特許第5849494号)。
合、定量的な結果をもたらすRTアッセイを使用することが望ましい。そのよう
な適用は、異なる時間で行われた測定に由来するRTアッセイの結果が比較され
る疾患または異常のモニターリング、およびRT活性のレベルを標準的なレベル
と比較したときに、患者が、問題としている疾患または異常の危険性を有してい
るかどうか、あるいは実際に問題としている疾患または異常に罹患しているかど
うかが示される疾患または異常の診断を含む。
り小さい量のRT活性を生物学的サンプルにおいて測定することができ、その結
果、RT活性の存在および大きさを初期段階の異常および疾患と関連させること
ができるアッセイを使用することが望ましい。
て非常に高感度であるRTアッセイを提供する。
らびにポリリボアデニル酸(prA)および/またはポリデオキシアデニル酸(
pdA)を含む結合溶液と接触させ、その後、インキュベーション、洗浄緩衝液
による洗浄、乾燥およびパッケージングを行うことによって得ることができる固
相結合型のprAテンプレートおよび/またはpdAテンプレートを含有する1
つまたは数個のパッケージを含む逆転写酵素(RT)アッセイキットに関する。
このキットはまた、緩衝液(pH約7〜8)、二価金属イオン、キレート化剤、
ポリアミン、RNase阻害剤、還元剤、塩、安定化剤および界面活性剤の混合
物またはそれらのそれぞれからなる群から選択されるRTタイプに適合して個々
にパッケージ包装されたアッセイ成分、ならびに凍結乾燥されたデオキシヌクレ
オチド三リン酸、プライマー、保護剤および高濃度洗浄緩衝液の混合物またはそ
れらの単独、ならびにアッセイキットの使用に関する文書化された説明書を含む
。必要に応じて、このキットは、凍結乾燥された参照用酵素(1つまたは複数)
を含む。必要に応じて、このキットはさらに、凍結乾燥されたアルカリホスファ
ターゼ結合抗BrdUモノクローナル抗体、アルカリホスファターゼ基質緩衝剤
およびアルカリホスファターゼ基質(pNPP錠剤など)を含む検出システムの
成分を含む。
ロタイタープレートであり、そして100mMの1−メチルイミダゾール(pH
約5〜7)ならびに0.5〜2mg/mlのprAおよび/またはpdAを含む
結合溶液のアリコットが各ウエルに加えられ、その後、インキュベーションが1
0〜60℃の温度で0.5〜10時間にわたって行われ、そして1−メチルイミ
ダゾールを除くために、Bis−Trisプロパン(pH約5〜7)を含む洗浄
緩衝液で各ウエルが洗浄される。
Mの1−メチルイミダゾール(pH約6.25)ならびに1mg/mlのprA
および/またはpdAを含む結合溶液の100μlが各ウエルに加えられ、その
後、インキュベーションが室温で約2時間行われ、そして10mMのBis−T
risプロパン(pH約6.25)を含む洗浄緩衝液の2x300μlで各ウエ
ルが洗浄され、そしてプレートを37℃で約25分間乾燥して、プレートをホイ
ルバッグに入れ、バッグが真空シールされる。
は、緩衝剤としてTrisおよびHepes(pH約7〜8)、二価金属イオン
としてMg2+およびMn2+、キレート化剤としてエチレンジアミン四酢酸(
EDTA)およびエチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテル)N,N
,N’,N’− 四酢酸(EGTA)、ならびにポリアミンとしてスペルミンお
よびスペルミジン、RNase阻害剤としてヘパリン硫酸およびデキストラン硫
酸、還元剤としてジチオスレイトール(DTT)、ジチオエリトリトール(DT
E)およびグルタチオン、塩としてNaClおよびKCl、安定化剤として新生
児子ウシ血清(NCS)およびウシ血清アルブミン(BSA)、界面活性剤とし
てTween20およびTritonX−100、デオキシヌクレオチド三リン
酸としてBrdUTP、プライマーとしてオリゴdTまたはオリゴdN(この場
合、NはUなどの別のTアナログである)、ならびに保護剤としてATP、GT
PおよびCTPからなる群から選択される。
胸膜液などの、細胞抽出物および生物学的流体から選択される生物学的サンプル
におけるRT活性の定性的および定量的な分析を行うための本発明によるアッセ
イキットの使用に関する。
いてRT活性に関連する異常または疾患の状態を評価することを伴う。
な分析方法に関する。この方法は、生物学的サンプル、例えば、血漿、血清、脊
髄液、滑液および胸膜液などの、細胞抽出物および生物学的流体から選択される
生物学的サンプルにおけるRT活性を測定するための本発明によるRTアッセイ
キットに関する文書化された説明書を使用する工程、および前記説明書に従う工
程を含む。
いてRT活性に関連する異常または疾患の状態を評価することを伴う。
れるが、これらの実施形態は、特許請求の範囲の請求項において規定される保護
の範囲に対する限定と見なしてはならない。
1)固相に結合させたポリリボアデニル酸(prA)またはポリデオキシアデニ
ル酸(pdA)からなるテンプレート。 2)結合させたテンプレートポリヌクレオチドを使用してプライマーに依存する
様式で新しいDNA鎖を酵素に重合させることができる反応混合物。 3)インビトロで合成されたDNA鎖を免疫学的に検出するための検出システム
の成分。
ポリメラーゼ(逆転写酵素、RT)によるプライマー依存的なdNTP取込みの
テンプレートとして役立ち得る様式でprAまたはpdAをある種のタイプのマ
イクロタイタープレートに結合させることができる方法が開発された。2つの市
販されているマイクロタイタープレート(Nalge Nunc Intern
ationalから得られるCovaLinkTMおよびNucleoLink TM )において機能することが示された。本発明によるアッセイキットのために
使用されるprA結合型マイクロタイタープレートが、NucleoLinkT M 細片から製造される。手順および緩衝液は表1に記載されている。結合機構は
、手順が製造者によって推奨または示唆されている方法に対応しておらず、ある
いは文献にも明示的に述べられていないので不明である。考えられる反応機構は
、その特異的な表面の知られている使用および意図された使用のためにグラフト
化された反応性基ではなく、製造手順のときに持ち込まれた反応性基が関わって
いる。同様の結果が、他の市販供給物から得られる他のポリスチレン系マイクロ
タイタープレートを用いて得られることが予想される。CovaLinkTMの
性質と等しい性質を有する表面を得るためにポリスチレンを化学的に活性化する
方法が発表されている(Zammatteo他−96)。ポリヌクレオチドをプ
ラスチック表面に結合させるためのいくつかの他の方法もまた発表されている(
Zammatteo他−96、Gregorius−95、Niveleau−
93、Rasmussen他−91、GhoshおよびMusso−87)。
ラーゼおよびDNA依存性DNAポリメラーゼによるヌクレオチド取込みを得る
ための一般的な条件は単純であり、よく知られている。そのようなシステムは、
pHを約7.5に保つ緩衝液、二価金属イオンのMg2+または時にはMn2+ 、イオン強度を調節するための塩、一部の酵素の場合には還元剤および少量の界
面活性剤を含む。この単純な反応緩衝液が提供された場合、酵素は、加えられた
テンプレート、プライマーおよびデオキシヌクレオチド三リン酸を利用して、D
NA鎖を合成することができる。この一般的な概念は、異なるクラスまたはタイ
プの逆転写酵素の間における、必要とされる最適な反応条件または特に適合させ
た反応条件の違いを考慮していない。別の重要な局面は、RT酵素活性の供給源
として未処理の生物学的流体または細胞抽出物を添加することに耐える反応混合
物の所望される能力である。
験により、特定の逆転写酵素のために最適化された反応混合物、または特定の逆
転写酵素のために特に適合化された反応混合物を作製するために使用される他の
反応成分が明らかにされた。
る成分の概要を含む。典型的な反応混合物の組成は表3に示されている。
ッセイの最初の工程は、100μlの反応混合物をprA結合型マイクロタイタ
ープレートの各ウエルに加え、その後、20分〜60分のプレインキュベーショ
ンを33℃で行うことである。その後、逆転写酵素を含有するサンプルを50μ
lの緩衝液において加える。これにより150μlの最終アッセイ容量になる。
その後、マイクロタイタープレートは33℃でインキュベーションされる。それ
ぞれのサンプルが、3時間および一晩(16時間〜20時間を意味する)に規格
化された2つのアッセイ時間を考慮した二連のマイクロタイタープレートに加え
られる。段階的な手順は、それぞれのキットに含まれる文書化された説明書また
は使用者マニュアルに示されている。そのような説明書または使用者マニュアル
は、下記の適用のいくつかまたはすべてのために一般的な逆転写酵素アッセイ成
分をどのように適合させるかに関する示唆または指示を含む:1)RT活性の定
量化、2)細胞抽出物、細胞上清および/または生物学的流体(血漿、血清、脊
髄液、滑液および胸膜液(これら限定されない)を含む)におけるRT活性のス
クリーニング、3)RT活性阻止抗体の測定、4)RT活性阻害物質のIC50 値の測定。
、固相結合型テンプレートに基づく他の以前に記載されたアッセイよりもRT活
性の直接測定において高感度であるか、あるいはこれまで知られていない逆転写
酵素活性の検出を可能にする特許請求の範囲に記載されたアッセイを設計した。
ン三リン酸(BrdUTP)を使用してDNA鎖を合成する。
結合モノクローナル抗体によって検出される。その後、結合した抗体のアルカリ
ホスファターゼ活性が、パラ−ニトロフェニルホスフェート(pNPP)を含有
する基質溶液を加えることによって定量される。基質溶液は、pNPPがアルカ
リホスファターゼによって切断されたときに黄色く変色する。光学密度(OD)
が標準的なELISA読み取り装置で405nmの波長において測定される。バ
ックグラウンドに対して補正されたOD値はサンプル中のRT活性に比例する。
れのキットに含まれる文書化された説明書または使用者マニュアルに示されてい
る。緩衝液溶液の組成は表4に示されている。
レート洗浄機のいずれかを使用して、あるいは洗浄緩衝液を含むバケットにプレ
ートを順次浸漬することによって洗浄される。結合化抗体が、必要に応じて、凍
結乾燥形態でキットに提供される。2回蒸留した水における1%のTriton
X−100で再構成した後、100μlの抗体溶液が各ウエルに加えられ、そし
てマイクロタイタープレートは33℃で90分間インキュベーションされる。過
剰な抗体を除くために、プレートは、再度、同じ様式で続いて洗浄される。基質
溶液が、キットとともに必要に応じて提供される緩衝液およびpNPPの錠剤か
ら調製される。その後、OD値が好適な時間間隔で測定される。
、OD値が大きいところで崩れる。種々の時間でODを測定することによって、
逆転写酵素アッセイ工程のときに形成される生成物の大きな量および少ない量の
両方について有用な値(すなわち、特定の装置の直線的な読み取り範囲内にある
OD値)を得ることができる。すべてではないが、一部のキットには必要に応じ
て含まれる参照用RT酵素は、30分後、2時間後および16時間後〜20時間
後(すなわち、一晩)にODが測定されたときに有用なOD値を有する滴定曲線
を得るために校正される。
にされている。HIV−1のRT滴定曲線が、以前に知られているLentiR
Tキット(Cavidi Tech AB)を用いて、そして本発明のアッセイ
キットを用いて得られた。OD値はRT酵素の濃度に対してプロットすることが
でき、そして最小二乗適合法を使用して直線にフィットさせることができる。表
6におけるk値は、計算された直線の傾きであり、アッセイ感度の尺度である。
本発明のアッセイキットは1桁大きいk値を有することが理解され得る。実用的
な面で、このことは、はるかに低い濃度のHIV−1逆転写酵素を含有するサン
プルから有用な測定値をもたらし、かつ/または時間の節約になる。逆転写酵素
アッセイ時間が短くなること、および/またはアルカリホスファターゼの読み取
り時間が短くなることは、本発明のキットの使用者には所要時間の短縮を意味す
る。
ープレート。 B.表2に列記された成分I〜IXのRTタイプに適合した混合物を含有するサ
ンプル希釈用および反応用の緩衝液。 C.別のバイアルで混合されるか、または別のバイアルで提供される凍結乾燥さ
れた反応成分X〜XII。 D.組換え体、精製された天然型またはウイルス粒子のいずれかである凍結乾燥
された参照用酵素。 E.高濃度の洗浄緩衝液。 F.凍結乾燥されたアルカリホスファターゼ結合抗BrdUモノクローナル抗体
(「RT産物トレーサー」と表示される)。 G.アルカリホスファターゼ基質緩衝液およびpNPPの錠剤。 H.文書化された説明書またはマニュアル。
ることが知られている。PK15細胞の培養物に由来する上清を順次希釈した。
Cavidi Tech ABのCタイプRTアッセイおよび本発明のMn2+ アッセイの各希釈におけるRT活性検出能を調べた。図1に示すデータは、一晩
のRT活性から得られたものである。
大した活性を示している。検出感度における差を補償するために、より多くのサ
ンプルを使用することはできなかった。C型アッセイは、より大きな上清濃度(
>2μl/ウエル)での時間および/またはサンプル量の場合、増大したバック
グラウンドレベルおよび直線性からのずれに悩まされたからである。
研究、および/または異種移植に関連する内因性レトロウイルスの活性化に関す
る研究において使用することができる。
トロウイルス関連配列の存在との関連を示唆している。慢性関節リウマチ患者に
由来する滑液の凍結サンプルをKarolinska sjukhuset(S
tockholm、スェーデン)のリウマチ学部門から得た。サンプルは、凍結
前の低速遠心分離により細胞および細胞片が除かれていた。サンプルを解凍し、
順次希釈して、RT活性について調べた。
ッセイにおいて1μlのサンプルおよび一晩の酵素反応を使用して見出されたR
T活性が示されている。RT活性は、Cavidi Tech ABのLent
iまたはC対応のRTアッセイにより調べられたサンプルのいずれにおいても検
出されなかった。
はヒト乳ガンの病因に関与している。MMTVの組換えRTを使用して、アッセ
イ条件を最適化することによって、RT活性を、事前の濃縮または精製を行うこ
となく乳ガンに由来する抽出物において検出することができる。ヒト乳ガンに由
来する凍結された抽出物をAkademiska sjukhuset(Upp
sala、スェーデン)の腫瘍学部門から得た。腫瘍組織はホモジネートされ、
標準緩衝液(pH7.4)に懸濁された。上清が低速遠心分離による清澄化の後
に回収された。サンプルを解凍し、順次希釈し、そして本発明のMg2+RTア
ッセイおよびCavidi Tech ABのLentiまたはCタイプのRT
アッセイにおいてRT活性の存在について調べた。
た結果の代表的な例が示されている。本発明のMg2+RTアッセイとCavi
di Tech ABのLentiRTアッセイとの検出感度の差は約400倍
であった。Cavidi Tech ABのCタイプRTアッセイでは活性は検
出されなかった。
ッセイによって検出されたRT活性の変動が例示されている。
は内因性レトロウイルスの考えられる役割に関する研究において使用することが
でき、そして診断目的のために使用することができる。
イルスの検出 一部のHTLV感染者は腫瘍学的異常または脊髄障害性異常を発症し続ける。
日本および南アジアの特定地域において、関連した疾患の成人T細胞白血病が最
初に記載された。神経学的異常である熱帯性痙性対不全麻痺がカリブ出身者の患
者において最初に記載された。ウイルスに対する曝露および/または低レベルの
ウイルス活性の持続した存在を検出することができる方法が望まれる。
び牧畜業にとって大きな経済的結果を伴うウシの病原体である。BLVを使用し
て、BLV/HTLVのRT活性に対するアッセイを最適化した。
ntiRTアッセイとの検出感度の差が例示されている。HTLV1で形質転換
された細胞株MT−2に由来する細胞培養上清を順次希釈して、2つのRTアッ
セイを、それぞれのサンプルにおけるRT活性の量を測定するために使用した。
使用したRT反応時間は一晩(14時間)であった。
データが示されている。(この細胞株はBLVが慢性的感染している)。
り、BLV酵素の場合には30倍であった。感度の増大は、MT−2細胞の上清
から有意なシグナルを得るためには必須であった。
するために使用した。血清中RT活性は、その後、RT阻害抗体の産生により抑
えられた。
用し、処置研究における未処置コントロールには10サル感染量(MID50)
のSIVsmを感染させた。感染後の示された時間においてサンプリングされた
血清を順次希釈し、本発明のLentiRTアッセイを用いてRT活性について
アッセイした。5μlの血清サンプルが4時間のRT反応に含まれ、得られた吸
光度の値をOD405/hに再計算して、感染後の日数に対してプロットした。
図6を参照のこと。
た血清の分析によってウイルス複製を検出するのに十分な感度を有する。ヒト献
血者におけるHIV陽性に対するスクリーニングのために現在使用されている試
験は、HIV−1タンパク質に対する抗体の検出に基づいており、感染の急性期
の段階にある感染者を検出することができない。これらの試験は、一部の国にお
いては、ELISAでウイルス抗原を検出することによって、またはPCRでウ
イルスゲノムを検出することによって補われている。両タイプの試験は、HIV
ウイルス間の大きな遺伝子的および免疫学的な変化のために、変化したウイルス
株を検出することができない場合がある。RTは、すべてのレトロウイルスの複
製にとって不可欠な機能を有し、このアッセイは、急性感染を検出するための注
目される代替法を提供する。
’,N’− 四酢酸 DTT:ジチオスレイトール DTE:ジチオエリトリトール NCS:新生児子ウシ血清 BSA:ウシ血清アルブミン
明の改善されたアッセイを用いて得られたOD値との相関 Cavidi Techの 改善されたアッセイ LentiRTアッセイ pg/ml 3時間RT/30分AP 3時間RT/30分AP pg/ml 一晩RT/2時間AP 一晩RT/2時間AP pg/ml 一晩RT/一晩AP 一晩RT/一晩AP nd=実施せず
測定した説明図。得られた吸光度の値を、反応混合物に添加された培地の量に対
してプロットした。
の説明図。プロットされた値は1μlのサンプルおよび一晩のRT反応から得ら
れた。
られた吸光度の値は、反応混合物に添加された抽出物の量に対してプロットされ
る。
プル中のタンパク質濃度に対してプロットされた吸光度の値は、1μlの抽出物
および一晩のRT反応から得られた。
培養物に由来する培地において2つの方法で測定した説明図。得られた吸光度の
値を、反応混合物に添加されたサンプルの量に対してプロットした。
間のRTアッセイで得られた吸光度の値を血清のサンプリング日に対してプロッ
トした。
Claims (12)
- 【請求項1】 逆転写酵素(RT)アッセイキットであって、 ポリスチレン系固相を、1−メチルイミダゾールならびにポリリボアデニル酸
(prA)および/またはポリデオキシアデニル酸(pdA)を含む結合溶液と
接触させ、その後、インキュベーション、洗浄緩衝液による洗浄、乾燥およびパ
ッケージングを行うことによって得ることができる固相結合型のprAテンプレ
ートおよび/またはpdAテンプレートを含有する1つまたは数個のパッケージ
、 緩衝液(pH約7〜8)、二価金属イオン、キレート化剤、ポリアミン、RN
ase阻害剤、還元剤、塩、安定化剤および界面活性剤の混合物またはそれらの
単独からなる群から選択されるRTタイプに適合して個々にパッケージされたア
ッセイ成分、ならびに 凍結乾燥されたデオキシヌクレオチド三リン酸、プライマー、保護剤および高
濃度洗浄緩衝液の混合物またはそれらの単独、ならびに必要に応じて 凍結乾燥された参照用酵素(1つまたは複数)、ならびに必要に応じて 凍結乾燥されたアルカリホスファターゼ結合抗BrdUモノクローナル抗体、
アルカリホスファターゼ基質緩衝剤およびアルカリホスファターゼ基質を含む検
出システムの成分、ならびに アッセイキットの使用に関する文書化された説明書 を含むRTアッセイキット。 - 【請求項2】 前記固相はマイクロタイタープレートであり、100mMの1−メチルイミダ
ゾール(pH約5〜7)ならびに0.5〜2mg/mlのprAおよび/または
pdAを含む前記結合溶液のアリコットが各ウエルに加えられ、その後、インキ
ュベーションが10〜60℃の温度で0.5〜10時間にわたって行われ、そし
て1−メチルイミダゾールを除くために、Bis−Trisプロパン(pH約5
〜7)を含む前記洗浄緩衝液で各ウエルが洗浄され、そしてプレートを乾燥して
パッケージングされる、請求項1に記載のRTアッセイキット。 - 【請求項3】 100mMの1−メチルイミダゾール(pH約6.25)ならびに1mg/m
lのprAおよび/またはpdAを含む前記結合溶液の100μlが各ウエルに
加えられ、その後、インキュベーションが室温で約2時間行われ、10mMのB
is−Trisプロパン(pH約6.25)を含む前記洗浄緩衝液の2x300
μlで各ウエルが洗浄され、プレートを37℃で約25分間乾燥して、プレート
をホイルバッグに入れ、バッグが真空シールされる、請求項2に記載のRTアッ
セイキット。 - 【請求項4】 前記アッセイ成分は、緩衝剤としてTrisおよびHepes(pH約7〜8
)、二価金属イオンとしてMg2+およびMn2+、キレート化剤としてエチレ
ンジアミン四酢酸(EDTA)およびエチレングリコールビス(β−アミノエチ
ルエーテル)N,N,N’,N’− 四酢酸(EGTA)、ならびにポリアミン
としてスペルミンおよびスペルミジン、RNase阻害剤としてヘパリン硫酸お
よびデキストラン硫酸、還元剤としてジチオスレイトール(DTT)、ジチオエ
リトリトール(DTE)およびグルタチオン、塩としてNaClおよびKCl、
安定化剤として新生児子ウシ血清(NCS)およびウシ血清アルブミン(BSA
)、界面活性剤としてTween20およびTritonX−100、デオキシ
ヌクレオチド三リン酸としてBrdUTP、プライマーとしてオリゴdT、なら
びに保護剤としてATP、GTPおよびCTPからなる群から選択される、請求
項1〜3のいずれかに記載のRTアッセイキット。 - 【請求項5】 生物学的サンプルにおけるRT活性の定性的および定量的な分析を行うための
請求項1〜4のいずれかに記載されるアッセイキットの使用。 - 【請求項6】 前記生物学的サンプルは生物学的流体および細胞抽出物から選択される、請求
項5に記載の使用。 - 【請求項7】 前記生物学的流体は、血漿、血清、脊髄液、滑液および胸膜液から選択される
、請求項6に記載の使用。 - 【請求項8】 RT活性分析の結果に基づいてRT活性に関連する異常または疾患の状態を評
価することを伴う請求項5〜7のいずれかに記載の使用。 - 【請求項9】 生物学的サンプルにおけるRT活性の定性的および定量的な分析方法であって
、生物学的サンプルにおけるRT活性を測定するための請求項1〜4のいずれか
に記載されるRTアッセイキットに関する文書化された説明書を使用し、それに
従う工程を含む方法。 - 【請求項10】 前記生物学的サンプルは生物学的流体および細胞抽出物から選択される、請求
項9に記載の方法。 - 【請求項11】 前記生物学的流体は、血漿、血清、脊髄液、滑液および胸膜液から選択される
、請求項10に記載の方法。 - 【請求項12】 RT活性分析の結果に基づいてRT活性に関連する異常または疾患の状態を評
価することを伴う請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
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