JP2003346788A - 電池用負極およびそれを用いた電池 - Google Patents

電池用負極およびそれを用いた電池

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JP2003346788A
JP2003346788A JP2002157995A JP2002157995A JP2003346788A JP 2003346788 A JP2003346788 A JP 2003346788A JP 2002157995 A JP2002157995 A JP 2002157995A JP 2002157995 A JP2002157995 A JP 2002157995A JP 2003346788 A JP2003346788 A JP 2003346788A
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Hiroyuki Yoshida
寛之 吉田
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Yuasa Corp
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Yuasa Corp
Yuasa Battery Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池の過充電状態を検知し、電池の内部抵抗
を上昇させ、電池の急激な温度上昇を未然に防止するこ
とのできる電池を提供することを目的とする。 【解決手段】 集電体と、前記集電体に接する第1層
と、前記第1層に接する第2層とからなる電池用負極で
あって、前記第1層はBET法による比表面積が1.5
2/g以下のアルカリ金属イオンを吸蔵放出可能な炭
素材料を有し、前記第2層はアルカリ金属イオンを吸蔵
放出可能な材料を有することを特徴とする電池用負極。
前記第1層は、粒状樹脂を有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用負極および
それを用いた電池に関し、さらに詳しくは、過充電対策
を施した電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電子機器は、携帯電話に代表
されるように軽量、小型化が進んでいる。それに用いる
電源としての電池も、小型化、軽量化、薄型化、さらに
高エネルギー密度を有する電池が強く要望されている。
【0003】特に、リチウム二次電池に代表される非水
電解質電池は、非水電解質の安定電位窓が広く、高電圧
を取り出すことが容易であるため、高エネルギー密度を
有する電池として需要が伸びている。
【0004】一般にリチウム二次電池に多く用いられて
いる正極活物質は、充電に伴うリチウムの脱離(放出)
により熱的に不安定な状態に変化する傾向がある。この
とき、過充電状態の継続、その他の原因により急激な発
熱が生じた場合、電池温度が一定温度を超えると、さら
なる発熱を伴う分解反応により、電池系が一層熱的に不
安定な状態となる問題があった。
【0005】このような問題に鑑み、過充電を防止する
ための種々の提案がされている。例えば、特開平2−1
12151号公報には、過充電時に内圧が上昇すること
を利用して回路を遮断しうる電流遮断弁を設ける技術が
開示されている。また、特開平1−197963号公報
には、高温で抵抗が増大する炭素含有樹脂を電池端子と
端子板との間に設け、過充電時に発熱が起こると端子間
の接触抵抗を増大させて電流を遮断する技術が開示され
ている。また、特開平12−164206号公報には、
正極合剤層と正極集電体との間に過充電時に高抵抗体に
変化する導電性中間層を設け、電流を低減、遮断する技
術が開示されている。
【0006】しかしながら、内圧を利用して電流を遮断
する素子では電池内部のスペースを必要とするため、高
容量化の妨げになるといった問題があった。また、過充
電時に発熱を利用して電流を遮断する安全機構を用いる
方法では、通電によるジュール発熱や過充電時の電解液
の分解発熱などにより素子が高温になった時点で電流遮
断機構が動作するが、充電の電流値や電池の内部抵抗に
よりジュール発熱の程度が変動するため、作動タイミン
グが不揃いになるといった問題があった。また、正極合
剤層と正極集電体との間の導電性中間層が酸化反応を起
こし高抵抗体となり電流を遮断する方法では、多数回の
充放電サイクルを経過した電池や充電末状態で長期間保
存した電池においては過度に抵抗が上昇してしまい、電
池性能が低下してしまう、といった問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電池の過充
電状態を検知し、電池の内部抵抗を上昇させ、電池の急
激な温度上昇を未然に防止することのできる電池を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の構成は以下の通
りである。但し、作用機構については推定を含んでお
り、その作用機構の成否は、本発明を制限するものでは
ない。
【0009】本発明は、請求項1に記載したように、集
電体と、前記集電体に接する第1層と、前記第1層に接
する第2層とからなる電池用負極であって、前記第1層
はBET法による比表面積が1.5m2/g以下のアル
カリ金属イオンを吸蔵放出可能な炭素材料を有し、前記
第2層はアルカリ金属イオンを吸蔵放出可能な材料を有
することを特徴とする電池用負極である。
【0010】ここで、前記第2層は、一般に用いられて
いる負極の活物質合剤層と同一とすることができる。
【0011】本発明は、特に、前記第2層と負極集電体
との間に、前記第1層を設けたことを特徴としている。
本発明者は、前記第1層がBET法による比表面積が
1.5m2/g以下のアルカリ金属イオンを吸蔵放出可
能な炭素材料を有することにより、驚くべきことに、電
池が過充電状態となったときに該第1層の抵抗が急激に
上昇することを見いだし、本発明に至った。このような
現象に至る機構については必ずしも明らかではないが、
本発明者は次のように推定している。即ち、BET法に
よる比表面積が1.5m2/g以下の炭素材料は、電池
の通常の充放電の範囲内においてはアルカリ金属イオン
を吸蔵放出可能で導電性を有する負極活物質材料として
働き、アルカリ金属イオンの吸蔵に伴ってやや膨張す
る。この膨張の程度は一般の負極活物質用炭素材料から
予想される範囲のものである。しかしながら、電池の充
電末電位を超えてさらに充電を継続した場合、即ち、該
炭素材料の電位が0V(v.s.Li/Li+)に極めて近づいた
とき、膨張の程度が急激に大となる性質を有していると
考えられる。
【0012】従って、このような構成によれば、負極集
電体と前記第2層との間に、BET法による比表面積が
1.5m2/g以下のアルカリ金属イオンを吸蔵放出可
能な炭素材料を有する第1層が設けられているので、該
第1層が過充電状態を検知し、該第1層の抵抗を増大さ
せ、集電体と前記第2層との間の電子伝導を低下させる
ので、過充電電流がさらに流れることを抑制できる。従
って、過充電の進行を防止できるので、過充電による異
常発熱を未然に防止できる。
【0013】また、本発明は、請求項2に記載したよう
に、前記第1層は、粒状樹脂を有することを特徴として
いる。
【0014】このような構成によれば、前記「BET法
による比表面積が1.5m2/g以下の炭素材料」を有
する第1層が粒状樹脂を有しているので、該炭素材料の
粒子同士が前記粒状樹脂を介して接触していると同時
に、該炭素材料の粒子は該粒状樹脂を介して集電体と接
触している。また、該炭素材料は比表面積が1.5m2
/g以下と低く、従って表面平滑性が高いので、該炭素
材料の粒径が増大すると該炭素材料粒子間の接触面積が
小となる傾向が強い。ここで、前記第1層が粒状樹脂を
有することにより、該粒状樹脂は炭素材料粒子に絡みつ
いたり炭素材料粒子を固定することがなく、該炭素材料
粒子が自由に移動できるので、膨張した該炭素材料粒子
同士の距離を容易に離反させることができ、過充電時に
おいて有効に前記剤1の層の電子伝導性を低下させるこ
とができる。
【0015】また、本発明は、請求項3に記載したよう
に、前記第1層の厚さが1〜30μmであることを特徴
としている。
【0016】このような構成によれば、前記第1層の厚
さを1μm以上とすることにより、前記第2層が集電体
に直接接触する虞を低減させることができ、過充電時の
抵抗増大による電流遮断効果を充分とすることができ
る。また、上記したように、前記第1層に用いられる炭
素材料粒子は離反しやすいように配置されているので、
前記第1層の厚さを30μm以下とすることにより、通
常の充放電範囲における前記第1層の抵抗変化が電池性
能に与える影響を最小限とすることができる。前記第1
層の厚さは、より好ましくは5〜15μmである。
【0017】また、本発明は、前記第1層が有する前記
炭素材料の粒径が0.2μm以上30μm未満であるこ
とを特徴としている。
【0018】このような構成によれば、前記第1層が有
する前記炭素材料の粒子径を0.2μm以上とすること
により、過充電を検知して該炭素材料が膨張したときの
該炭素材料粒子同士の接触を効果的に低下させることが
できる。また、該粒子径を30μm未満とすることによ
り、過充電時においても負極集電体と前記第2層との導
通が保たれる虞を回避することができる。該粒子径は、
より好ましくは1μm以上20μm以下である。
【0019】また、本発明は、請求項5に記載したよう
に、正極と、前記電池用負極と、電解質とを具備した電
池である。
【0020】このような構成によれば、過充電状態を検
知して電池の内部抵抗を上昇させることができるので、
電池の急激な温度上昇を未然に防止することのできる電
池を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の電池用負極を構成する前
記第1層に用いる炭素材料は、アルカリ金属イオンを吸
蔵放出可能で、比表面積が1.5m2/g以下であれ
ば、特に限定されない。例えば、比表面積が1.5m2
/g以下のグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭
素、非晶質カーボン等が挙げられる。
【0022】前記第1層に用いる炭素材料の粒子の形状
は、膨張時の前記離反効果を充分とするため、できる限
り球状に近い形状のものを選択することが好ましい。ま
た、その粒度分布は狭いものとすることが好ましい。
【0023】前記第1層に用いる粒状樹脂としては、フ
ッ素系樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ア
クリル系樹脂のようなゴム系樹脂が好適に用いられる。
さらに具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン、
ポリアクリロニトリル、ニトリルゴム、ポリブタジエ
ン、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン
ゴム、水添スチレン−ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニ
トロセルロース、シアノエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース等が挙げられる。
【0024】前記第1層に用いる粒状樹脂の粒子径は、
特に限定されるものではないが、前記第1層に用いる前
記炭素材料の粒子径と同等か、または小さいものとする
ことが好ましい。具体的には、0.01μm以上30μ
m未満である。
【0025】ここで、粒状樹脂について説明する。一般
に、溶媒の存在下でのポリマー分子鎖の形態は相溶型と
相分離型とに大別される。例えば、水の存在下でのカル
ボキシメチルセルロースやトルエンの存在下でのポリビ
ニルメチルエーテルは、全ポリマー/溶媒比にわたって
相溶する。また、ある種の非水溶媒の存在下でのポリフ
ッ化ビニリデンは高い溶媒分率下では相溶するが、溶媒
分率を徐々に低下させると、ある溶媒分率を境に溶解度
が急激に低下し、相分離型多孔体を形成する。これに対
し、全ポリマー/溶媒比にわたって相溶しない系の場
合、ポリマー鎖は糸鞠状に寄り固まって粒状樹脂とな
る。あるいは、前記したポリフッ化ビニリデンのような
ポリマーであっても、温度や溶媒除去条件を操作するこ
とによって粒状樹脂とすることができる。
【0026】前記第1層は、前記炭素材料と前記粒状樹
脂に加え、分散剤または増粘剤等を含有していてもよ
い。分散剤または増粘剤の種類は何ら限定されるもので
はないが、例えばカルボキシメチルセルロースが例示さ
れる。
【0027】前記第1層に占める前記分散剤または増粘
剤の量は、2.5重量%以下、より好ましくは1%以下
とすると、膨張した該炭素材料粒子同士の離反を該分散
剤または増粘剤の存在によって抑止してしまう虞を最小
限にできるため、好ましい。また、前記第1層における
前記分散剤または増粘剤の重量は、前記粒状樹脂の重量
に対して80%以下とすると、膨張した該炭素材料粒子
同士の離反を該分散剤または増粘剤の存在によって抑止
してしまう虞を最小限にできるため、好ましい。
【0028】また、前記第1層は、繊維状炭素を含んで
いてもよいが、過充電時の前記第1層の抵抗上昇効果を
充分なものとするため、前記第1層に占める繊維状炭素
の比率は1.5%以下とすることが好ましい。
【0029】本発明の電池用負極を構成する前記第2層
に用いる「アルカリ金属イオンを吸蔵放出可能な材料」
は、金属リチウム以外であれば何ら限定されるものでは
なく、Pb,Sn,Si,Al等の元素とLiとの合金
や、金属酸化物、金属硫化物、グラファイト、コーク
ス、ハードカーボン、アモルファスカーボン等が挙げら
れる。ただ、金属リチウムを用いると、前記第1層に用
いる炭素材料の電位が常時0V(v.s.Li/Li+)に牽引さ
れるので、好ましくない。
【0030】特に、グラファイトは、充電中のガス発生
が少ないことから好ましい。前記第2層にグラファイト
を用いる場合には、BET法による比表面積が1.5m
2/gより大きいものとすると、良好な充放電サイクル
性能が得られるため、好ましい。なかでも、BET法に
よる比表面積が2〜5m2/gのグラファイトが好まし
い。
【0031】以下に、好適に用いることのできるグラフ
ァイトのエックス線回折等による分析結果を示す; 格子面間隔(d002) 0.333〜0.350nm a軸方向の結晶子の大きさ La 20nm 以上 c軸方向の結晶子の大きさ Lc 20nm 以上 真密度 2.00〜2.25g/cm3
【0032】本発明の電池用負極を構成する集電体は、
電池において悪影響を及ぼさない電子伝導体であれば限
定されない。例えば、銅、ニッケル、鉄、ステンレス
鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、
導電性ガラス、Al−Cd合金等の他に、接着性、導電
性、耐還元性の目的で、銅等の表面をカーボン、ニッケ
ル、チタンや銀等で処理した物を用いることができる。
これらの材料については表面を酸化処理してもよい。該
集電体の形状については、フォイル状の他、フィルム
状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされ
た物、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体等が
用いられる。厚さの限定は特にないが、1〜500μm
のものが用いられる。
【0033】本発明の電池用負極は、例えば次のような
方法により作成することができる。まず、負極用集電体
に「BET法による比表面積が1.5m2/g以下のア
ルカリ金属イオンを吸蔵放出可能な炭素材料」の粒子と
粒状樹脂とを含むペーストをグラビアコータ、ブレード
コータ、ロールコータ等により塗布し、乾燥して第1層
を形成する。続いて、前記第1層の上に、負極活物質で
ある「アルカリ金属イオンを吸蔵放出可能な材料」を含
むペーストを塗布し、乾燥することにより第2層を形成
して電池用負極を作成する。
【0034】本発明電池に用いる正極材料は、なんら限
定されないが、活物質としてLiCoO2、LiNi
2、LiMn24、LiCo(1-y)NiX2(xは0<
x<1を示す)、LiCo(1-y)y2(Mは、Co,
Ni以外の金属で、例えばIn,Sn等を示し,yは0<
y<0.1を示す)等のリチウム−遷移金属複合酸化物
と導電剤および結着剤とを含むペーストをアルミニムウ
箔等の集電体に保持させたのものを用いることができ
る。
【0035】正極集電体としては、電池において悪影響
を及ぼさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、
アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成
炭素、導電性高分子、導電性ガラス等の他に、接着性、
導電性および耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅
等の表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理し
た物を用いることができる。これらの材料については表
面を酸化処理することも可能である。該集電体の形状に
ついては、フォイル状の他、フィルム状、シート状、ネ
ット状、パンチ又はエキスパンドされた物、ラス体、多
孔質体、発泡体、繊維群の形成体等が用いられる。厚さ
の限定は特にないが、1〜500μmのものが用いられ
る。これらの集電体の中で、耐酸化性に優れているアル
ミニウム箔が好ましい。さらに、粗面表面粗さが0.2
μmRa以上の箔であることが好ましく、これにより正
極活物質と集電体との密着性は優れたものとなる。
【0036】電解質としては、何ら限定されるものでは
なく、電極系に応じた電解質水系、非水系にかかわらず
用いることができる。電解質塩と非水溶媒とからなる非
水電解液を用いる場合について、以下に詳述する。
【0037】前記非水溶媒としては、特に制限されない
が、環状炭酸エステルを含有することが好ましい。この
環状エステルとしては、例えばエチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニ
レンカーボネート、γ−ブチロラクトン、バレロラクト
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、3−ジオキソラン、スルホラン等を挙げることがで
きる。特に、エチレンカーボネート、プロピレンカーボ
ネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステルが
好適である。
【0038】前記環状炭酸エステル類と併用される非水
溶媒としては、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ア
ミド類、スルホン系化合物、鎖状カーボネート類、鎖状
エステル類、芳香族炭化水素類等から選ばれる1種また
は2種以上の混合物を挙げることができる。なかでも、
エーテル類、ケトン類、鎖状カーボネート類、鎖状エス
テル類が好ましい。
【0039】前記環状炭酸エステル類と併用される非水
溶媒を具体的に例示すると、ジメトキシエタン、1,4
−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘ
キサン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニ
トリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチル等を挙げること
ができる。
【0040】前記電解質塩は特に限定されるものではな
いが、例えば、LiClO4,LiBF4,LiAs
6,LiPF6,LiSCN,LiBr,LiI,Li
2SO4,Li210Cl10,NaClO4,NaI,Na
SCN,NaBr,KClO4,KSCN等のリチウム
(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の
1種を含む無機イオン塩、LiCF3SO3,LiN(C
3SO22,LiN(C25SO22,LiN(CF3
SO2)(C49SO2),LiC(CF3SO23,L
iC(C25SO23,LiPF3(C253,LiP
3(CF33,(CH34NBF4,(CH34NB
r,(C254NClO4,(C254NI,(C3
74NBr,(n−C494NClO4,(n−C
494NI,(C254N−maleate,(C2
54N−benzoate,(C25 4N−pht
alate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチル
スルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチ
ウム等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性
化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いること
が可能である。
【0041】これらの塩の中で、フッ素含有リチウム塩
が好適である。なかでも、LiPF 6は解離性に優れ、
優れた伝導度が得られる点で好ましい。また、LiBF
4は、LiPF6と比較して解離度や伝導度は低いもの
の、電解液中に存在する水分との反応性が低いので、電
解液の水分管理を簡素化することが可能であり製造コス
トを低減することが可能である点で好ましい。さらに、
電極や外装材の腐食を引き起こすフッ酸発生の程度が少
なく、外装材として金属樹脂複合フィルム等の200μ
m以下の薄い材料を採用した場合であっても、高い耐久
性を有する非水電解質電池が得られる点で好ましい。あ
るいは、LiPF6やLiBF4と、LiN(C23SO
22やLiN(C25SO22のようなパーフルオロア
ルキル基を有するリチウム塩とを混合して用いると、電
解液の粘度をさらに下げることができる点、保存性を向
上させる効果がある点で好ましい。
【0042】非水電解質における電解質塩の濃度として
は、高い電池特性を有する非水電解質電池を確実に得る
ために、0.1mol/l〜5mol/lが好ましく、
さらに好ましくは、1mol/l〜2.5mol/lで
ある。
【0043】また、例えばアクリロニトリル、エチレン
オキシド、プロピレンオキシド、メチルメタアクリレー
ト、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化
ビニリデン等のポリマーと電解質とで構成されるポリマ
ーゲルを用いてもよい。上記のようにゲル状態で用いる
と、漏液を防止する効果がある点で好ましい。
【0044】セパレータとしては、優れたレート特性を
示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが
好ましい。非水電解質電池用セパレータを構成する材料
としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等に代
表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート,ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポ
リエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビ
ニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ
化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ
化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化
ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリ
デン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリ
デン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリ
デン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を
挙げることができる。
【0045】セパレータの空孔率は強度の観点から98
体積%以下が好ましい。また、充放電特性の観点から空
孔率は20体積%以上が好ましい。
【0046】また、セパレータとしてシャットダウン機
能を有するセパレータを用いるとより好ましい。 シャ
ットダウンセパレータは、電池が高温となった場合に電
池を不活性化する目的で、熱によりセパレータを無孔化
する等の手段で高抵抗化する性質を有したセパレータで
あり、例えばポリプロピレンとポリエチレンを貼り合わ
せること等によって得ることができる。
【0047】本発明の電池がシャットダウンセパレータ
を具備することにより、負極の過充電状態の検知のみな
らず、発熱をも併せて検知することができる。
【0048】さらに、セパレータは、上述したような多
孔膜や不織布等とポリマーゲルを併用して用いると、電
解質の保液性が向上するため望ましい。即ち、ポリエチ
レン微孔膜の表面及び微孔壁面に厚さ数μm以下の親溶
媒性ポリマーを被覆したフィルムを形成し、前記フィル
ムの微孔内に電解質を保持させることで、前記親溶媒性
ポリマーがゲル化する。
【0049】前記親溶媒性ポリマーとしては、ポリフッ
化ビニリデンの他、エチレンオキシド基やエステル基等
を有するアクリレートモノマー、エポキシモノマー、イ
ソシアナート基を有するモノマー等が架橋したポリマー
等が挙げられる。該モノマーは、ラジカル開始剤を併用
して加熱や紫外線(UV)を用いたり、電子線(EB)
等の活性光線等を用いて架橋反応を行わせることが可能
である。
【0050】前記親溶媒性ポリマーには、強度や物性制
御の目的で、架橋体の形成を妨害しない範囲の物性調整
剤を配合して使用することができる。前記物性調整剤の
例としては、無機フィラー類{酸化ケイ素、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコ
ニウム、酸化亜鉛、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩}、ポリマ
ー類{ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメチルメタクリレート等}等が挙げられる。前
記物性調整剤の添加量は、架橋性モノマーに対して通常
50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
【0051】前記アクリレートモノマーについて例示す
ると、二官能以上の不飽和モノマーが好適に挙げられ、
より具体例には、2官能(メタ)アクリレート{エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸・ジネオペ
ンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、重
合度2以上のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、重合度2以上のポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン/ポリオキ
シプロピレン共重合体のジ(メタ)アクリレート、ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレング
リコールジ(メタ)アクリレート等}、3官能(メタ)
アクリレート{トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グ
リセリンのエチレンオキシド付加物のトリ(メタ)アク
リレート、グリセリンのプロピレンオキシド付加物のト
リ(メタ)アクリレート、グリセリンのエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレ
ート等}、4官能以上の多官能(メタ)アクリレート
{ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジグリセリンヘキサ(メタ)アクリレート等}が挙げら
れる。これらのモノマーを単独もしくは、併用して用い
ることができる。
【0052】前記アクリレートモノマーには、物性調整
等の目的で1官能モノマーを添加することもできる。前
記一官能モノマーの例としては、不飽和カルボン酸{ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、ビニ
ル安息香酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、メサコン酸、メチレンマロン酸、アコニッ
ト酸等}、不飽和スルホン酸{スチレンスルホン酸、ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等}また
はそれらの塩(Li塩、Na塩、K塩、アンモニウム
塩、テトラアルキルアンモニウム塩等)、またこれらの
不飽和カルボン酸をC1〜C18の脂肪族または脂環式
アルコール、アルキレン(C2〜C4)グリコール、ポ
リアルキレン(C2〜C4)グリコール等で部分的にエ
ステル化したもの(メチルマレート、モノヒドロキシエ
チルマレート、など)、およびアンモニア、1級または
2級アミンで部分的にアミド化したもの(マレイン酸モ
ノアミド、N−メチルマレイン酸モノアミド、N,N−
ジエチルマレイン酸モノアミドなど)、(メタ)アクリ
ル酸エステル[C1〜C18の脂肪族(メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル、ステアリ
ル等)アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、
またはアルキレン(C2〜C4)グリコール(エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール等)およびポリアルキレン(C2〜C4)グリコ
ール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール)と(メタ)アクリル酸とのエステル];(メタ)
アクリルアミドまたはN−置換(メタ)アクリルアミド
[(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド
等];ビニルエステルまたはアリルエステル[酢酸ビニ
ル、酢酸アリル等];ビニルエーテルまたはアリルエー
テル[ブチルビニルエーテル、ドデシルアリルエーテル
等];不飽和ニトリル化合物[(メタ)アクリロニトリ
ル、クロトンニトリル等];不飽和アルコール[(メ
タ)アリルアルコール等];不飽和アミン[(メタ)ア
リルアミン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等];
複素環含有モノマー[N−ビニルピロリドン、ビニルピ
リジン等];オレフィン系脂肪族炭化水素[エチレン、
プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、(C
6〜C50)α−オレフィン等];オレフィン系脂環式
炭化水素[シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘ
プテン、ノルボルネン等];オレフィン系芳香族炭化水
素[スチレン、α−メチルスチレン、スチルベン等];
不飽和イミド[マレイミド等];ハロゲン含有モノマー
[塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、ヘ
キサフルオロプロピレン等]等が挙げられる。
【0053】前記エポキシモノマーについて例示する
と、グリシジルエーテル類{ビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテ
ル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、フ
ェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノ
ボラックグリシジルエーテル等}、グリシジルエステル
類{ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマ
ー酸グリシジルエステル等}、グリシジルアミン類{ト
リグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジア
ミノフェニルメタン等}、線状脂肪族エポキサイド類
{エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等}、
脂環族エポキサイド類{3,4エポキシ−6メチルシク
ロヘキシルメチルカルボキシレート、3,4エポキシシ
クロヘキシルメチルカルボキシレート等}等が挙げられ
る。これらのエポキシ樹脂は、単独もしくは硬化剤を添
加して硬化させて使用することができる。
【0054】前記硬化剤の例としては、脂肪族ポリアミ
ン類{ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、3,9−(3−アミノプロピル)−2,4,8,1
0−テトロオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}、芳
香族ポリアミン類{メタキシレンジアミン、ジアミノフ
ェニルメタン等}、ポリアミド類{ダイマー酸ポリアミ
ド等}、酸無水物類{無水フタル酸、テトラヒドロメチ
ル無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリ
メリット酸、無水メチルナジック酸}、フェノール類
{フェノールノボラック等}、ポリメルカプタン{ポリ
サルファイド等}、第三アミン類{トリス(ジメチルア
ミノメチル)フェノール、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール等}、ルイス酸錯体{三フッ化ホウ素・エチル
アミン錯体等}等が挙げられる。
【0055】前記イソシアナート基を有するモノマーに
ついて例示すると、トルエンジイソシアナート、ジフェ
ニルメタンジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアナート、2,2,4(2,2,4)−トリメ
チル−ヘキサメチレンジイソシアナート、p−フェニレ
ンジイソシアナート、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアナート、3,3'−ジメチルジフェニル
4,4’−ジイソシアナート、ジアニシジンジイソシア
ナート、m−キシレンジイソシアナート、トリメチルキ
シレンジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアナート、trans
−1,4−シクロヘキシルジイソシアナート、リジンジ
イソシアナート等が挙げられる。
【0056】前記イソシアナート基を有するモノマーを
架橋するにあたって、ポリオール類およびポリアミン類
[2官能化合物{水、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール等}、3官能化合物{グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエ
タノールアミン等}、4官能化合物{ペンタエリスリト
ール、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニ
ルメタンジアミン、テトラメチロールシクロヘキサン、
メチルグルコシド等}、5官能化合物{2,2,6,6
−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノー
ル、ジエチレントリアミンなど}、6官能化合物{ソル
ビトール、マンニトール、ズルシトール等}、8官能化
合物{スークロース等}]、およびポリエーテルポリオ
ール類{前記ポリオールまたはポリアミンのプロピレン
オキサイドおよび/またはエチレンオキサイド付加
物}、ポリエステルポリオール[前記ポリオールと多塩
基酸{アジピン酸、o,m,p−フタル酸、コハク酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、リシノール酸}との縮合物、
ポリカプロラクトンポリオール{ポリε−カプロラクト
ン等}、ヒドロキシカルボン酸の重縮合物等]等、活性
水素を有する化合物を併用することができる。
【0057】前記架橋反応にあたって、触媒を併用する
ことができる。前記触媒について例示すると、有機スズ
化合物類、トリアルキルホスフィン類、アミン類[モノ
アミン類{N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ト
リエチルアミン等}、環状モノアミン類{ピリジン、N
−メチルモルホリン等}、ジアミン類{N,N,N’,
N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,
N’−テトラメチル1,3−ブタンジアミン等}、トリ
アミン類{N,N,N’,N’−ペンタメチルジエチレ
ントリアミン等}、ヘキサミン類{N,N,N’N’−
テトラ(3−ジメチルアミノプロピル)−メタンジアミ
ン等}、環状ポリアミン類{ジアザビシクロオクタン
(DABCO)、N,N’−ジメチルピペラジン、1,
2−ジメチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等}等、およ
びそれらの塩類等が挙げられる。
【0058】本発明に係る非水電解質電池は、電解質
を、例えば、非水電解質電池用セパレータと正極と負極
とを積層する前または積層した後に注液し、最終的に、
外装材で封止することによって好適に作製される。ま
た、正極と負極とが非水電解質電池用セパレータを介し
て積層された発電要素を巻回してなる非水電解質電池に
おいては、電解質は、前記巻回の前後に発電要素に注液
されるのが好ましい。注液法としては、常圧で注液する
ことも可能であるが、真空含浸方法や加圧含浸方法も使
用可能である。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細
に説明する。図1は本発明の実施例に係る電池の斜視図
であり、図2は本発明の実施例に係る電池に用いる捲回
前の発電要素の断面図である。
【0060】正極1、負極2およびこれら両電極を離間
するセパレータ3を積層し、扁平渦巻状に捲回し、扁平
状にプレス成形することにより発電要素4を作成し、こ
れを捲回して金属樹脂複合フィルムからなる外装体5で
形成された収納空間内に配置される。前記金属樹脂複合
フィルムは、アルミニウム層の両面に、各々、変成ポリ
プロピレンから成る接着剤層を介してポリプロピレンか
ら成る樹脂層が接着されたものである。該収納空間は、
金属樹脂複合フィルムの上部と左右両端とをそれぞれで
封口することにより形成される。
【0061】前記正極1および負極2は、アルミニウム
からなる正極端子7および銅からなる負極端子7にそれ
ぞれ接続され、電池内部で生じた化学エネルギーを電気
エネルギーとして外部へ取り出し得るようになってい
る。
【0062】(実施例)本発明に係る電池用負極2は次
のようにして形成した。負極集電体21として10μm
の銅箔を用いた。第1層22は次のようにして形成し
た。炭素材料として比表面積が1.5m2/gのグラフ
ァイト、粒状樹脂としてスチレンブタジエンゴム(約4
8%の濃度で水に分散したもの;JSR株式会社製、品
番:TRD2001)、増粘剤兼分散剤としてカルボキ
シメチルセルロース(1.1%水溶液;第一工業製薬株
式会社製、商品名:セロゲンEP)を用い、それぞれ固
形分換算値で97.7:1.3:1の重量比で混合し、
さらに粘度調整のため水を加え、プラネタリミキサーで
約3時間攪拌し、第1層用ペーストを作製した。得られ
たペーストを前記負極集電体21の両面に塗布、乾燥し
た。第2層23は次のようにして形成した。負極活物質
として比表面積が3m2/gのグラファイトを、結着剤
としてポリフッ化ビニリデンを用い、それぞれ95:5
の重量比率で混合後、溶剤としてN−メチルピロリドン
を用いて第2層用ペーストを製作した。得られたペース
トを前記第1層の上に塗布し、乾燥によりN−メチルピ
ロリドンを除去した。続いて全体ををロールプレスによ
りプレスし、電池用負極2を作製した。
【0063】正極1は次のようにして作製した。正極活
物質としてLiCoO2、導電剤としてアセチレンブラ
ック、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを用い、それ
ぞれ93:3:4の重量比率で混合後、溶剤としてN−
メチルピロリドンを用いて上記材料のペーストを製作し
た。得られたペーストを15μmのアルミニウム箔から
なる正極集電体11の両面に塗布し、乾燥によりN−メ
チルピロリドンを除去後、ロールプレスによりプレスす
ることにより、正極集電体11上に正極合剤層12を形
成した。
【0064】前記正極1および電池用負極2の間にポリ
エチレン製微多孔膜からなるセパレータ3を挟み帯状の
発電要素4を構成した。これを捲回機により扁平渦巻状
に捲回し、さらに50kg/cm2の圧力で圧縮して扁
平状に捲回された発電要素4を作製した。該発電要素4
を金属樹脂複合フィルムからなる外装体5内に配置し、
上部と右端部を封口した。エチレンカーボネートとプロ
ピレンカーボネートを体積比1:1で混合した混合溶媒
に、該混合溶媒に対して2wt%のビニレンカーボネー
トを添加し、六フッ化燐酸リチウムを1モル/リットル
の濃度で溶解した非水電解質を外装体5内に注入した
後、前記外装体5の左端部を真空封口することにより密
閉し、非水電解質二次電池を得た。これを本発明電池と
する。
【0065】(比較例)前記電池用負極2に代えて、負
極として、前記第1層を形成せず、前記負極集電体21
の両面に直接第2層23を形成させたものを用いたもの
を用いたことを除いては、実施例1と同様にして非水電
解質電池を作製した。これを比較電池とする。
【0066】(充放電試験)前記本発明電池および比較
電池をそれぞれ各10個用いて、温度25℃において充
放電試験を行った。充電は、電流0.2It、電圧4.
2V、7時間の定電流定電圧充電とし、放電は、電流
0.2It、終止電圧2.7Vの定電流放電とした。充
電から放電への切り替え時、および、放電から充電への
切り替え時にはそれぞれ30分の休止時間を設けた。こ
のような条件で充放電を50サイクル繰り返した。次
に、これらの電池の内部抵抗を1kHzのインピーダン
スメーターにより測定した。
【0067】その結果、50サイクル目の放電容量は、
いずれの電池も約700mAhであり、本発明電池と比
較電池の間に差はみられなかった。また、内部抵抗は、
いずれの電池も約40mΩであり、本発明電池と比較電
池の間に差はみられなかった。
【0068】(過充電試験)上記充放電試験後の本発明
電池および比較電池に対し、12Vの電圧(電流制限1
A)を印加しながら電池表面温度をモニターし、温度が
100℃を超えるか否かを調べた。
【0069】その結果、前記12Vの電圧を印加し始め
ると、本発明電池の表面温度は25℃から上昇を始めた
が、100℃に達することなく低下し、室温まで戻っ
た。一方、比較電池の表面温度は同様に25℃から上昇
を始め、100℃を超えた。
【0070】該過充電試験後の本発明電池の内部抵抗を
測定したところ、本発明電池の内部抵抗はいずれもイン
ピーダンスメーターの針が振りきれ、測定できなかっ
た。このことから、本発明電池の内部抵抗は著しく上昇
していることがわかった。
【0071】以上の結果から明らかなように、第1層と
して過充電状態を検知して膨張する炭素材料を含む層を
集電体と負極合剤層との間に設けた本発明の電池用負極
を用いた電池は、過充電によって電池の内部抵抗を増大
させることができるので、充電電流を実質的に遮断する
ことができる。従って、過充電電流が流れ続けることに
よる電池の急激な温度上昇を未然に防止することができ
るので、正極等がさらなる発熱を伴う分解反応により、
電池系が一層熱的に不安定な状態となる虞を回避するこ
とができる。
【0072】なお、前記実施例では、外装体に金属樹脂
複合フィルムを用いた非水電解液二次電池を例にして説
明したが、これに限定されるものではない。例えば、角
形、円筒型、コイン型の二次電池も同様に適用すること
ができる。また、負極がアルカリ金属を吸蔵放出するこ
とによって作動する機構の電池であれば、水系リチウム
電池をはじめ、種々の電池系に適用することが可能であ
る。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
電池の過充電状態を検知し、電池の内部抵抗を上昇さ
せ、電池の急激な温度上昇を未然に防止することのでき
る電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る電池の斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る発電要素の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 正極 11 正極集電体 12 正極合剤層 2 電池用負極 21 負極集電体 22 第1層 23 第2層 3 セパレータ 4 発電要素 5 外装体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集電体と、前記集電体に接する第1層
    と、前記第1層に接する第2層とからなる電池用負極で
    あって、前記第1層はBET法による比表面積が1.5
    2/g以下のアルカリ金属イオンを吸蔵放出可能な炭
    素材料を有し、前記第2層はアルカリ金属イオンを吸蔵
    放出可能な材料を有することを特徴とする電池用負極。
  2. 【請求項2】 前記第1層は、粒状樹脂を有することを
    特徴とする請求項1記載の電池用負極。
  3. 【請求項3】 前記第1層の厚さが1〜30μmである
    請求項1または2記載の電池用負極。
  4. 【請求項4】 前記第1層が有する前記炭素材料は、粒
    径が0.2μm以上30μm未満である請求項1〜3の
    いずれかに記載の電池用負極。
  5. 【請求項5】 正極と、請求項1〜4のいずれかに記載
    の電池用負極と、電解質とを具備した電池。
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