JP2002324579A - 非水電解質電池 - Google Patents

非水電解質電池

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JP2002324579A
JP2002324579A JP2001127905A JP2001127905A JP2002324579A JP 2002324579 A JP2002324579 A JP 2002324579A JP 2001127905 A JP2001127905 A JP 2001127905A JP 2001127905 A JP2001127905 A JP 2001127905A JP 2002324579 A JP2002324579 A JP 2002324579A
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electrolyte battery
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裕江 中川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高い安全性および優れた電池性能を有する非
水電解質電池を、容易に提供することを目的とする。 【解決手段】 少なくとも正極、負極、セパレータ、お
よびリチウム塩を含有する非水電解質とを備えた非水電
解質電池において、前記非水電解質が、一般式2で示さ
れる骨格を有するイミダゾリウムカチオン等の四級アン
モニウムカチオンを有する常温溶融塩を主構成成分とし
て含有し、かつ、前記セパレータが、多孔性基材の表面
もしくは孔内の少なくとも一部に有機ポリマー層が形成
されており、かつ、前記孔から多孔性基材内部への気体
の侵入を許容するように形成された構造を有する非水電
解質電池。 ただし、R、R:C2n+1、n=1〜6 R:H or C2n+1、n=1〜6

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解質電池に関
するもので、さらに詳しくは、常温溶融塩を電解質に含
有する非水電解質電池のセパレータの改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、高性能化、小型化が進む電子機器
用電源、電力貯蔵用電源、電気自動車用電源などとし
て、高エネルギー密度が得られる種々の非水電解質を用
いた非水電解質電池が注目されている。
【0003】一般に、非水電解質電池には、正極にリチ
ウム金属酸化物、負極にリチウム金属やリチウム合金、
リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料を用い、電解質
として常温で液体の有機溶媒にリチウム塩を溶解させた
電解液が用いられている。使用される有機溶媒として
は、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボ
ネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、
プロピオラクトン、バレロラクトン、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエ
トキシエタンなどが挙げられる。
【0004】しかし、上記の有機溶媒は一般に揮発しや
すく、引火性も高いため、可燃性物質に分類されるもの
である。従って、特に電力貯蔵用電源、電気自動車用電
源などの用途に用いるような比較的大型の非水電解質電
池では、過充電、過放電やショートなどのアブユース時
や高温環境下における安全性に問題点があった。
【0005】そこで、安全性に優れた非水電解質電池と
して、正極にリチウム金属酸化物、負極にリチウム金属
やリチウム合金、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材
料を用い、電解質としてリチウム塩を含有するポリマー
電解質を用いたリチウムポリマー二次電池が開発され、
電子機器用電源として一部実用化されている。なお、こ
こでいうポリマー電解質とは、少なくともリチウム塩と
ポリマー骨格を含むものであり、一般にはさらに有機溶
媒を含んだゲル状のものが広く開発されている。前記ポ
リマー骨格としては、例えば、ポリエチレンオキシド、
ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げ
られる。
【0006】しかし、このようなリチウムポリマー二次
電池は、サイクル特性や充放電効率特性に劣るという欠
点があった。この原因として、以下のような要因が挙げ
られる。すなわち、電解質が固体状のため、リチウムイ
オン伝導度は液体状の電解質に比較して低く、一般に1
×10-3S/cmオーダーを確保することは困難であ
る。そのため、サイクル特性や充放電効率特性が低下す
るものと考えられる。また、有機溶媒をポリマー電解質
に含んだゲル状のものについては、なお、過充電、過放
電やショートなどのアブユース時や高温環境下における
安全性に問題点があった。
【0007】また、有機溶媒などの可燃性物質を主成分
とせず、さらに安全性に優れた非水電解質電池として、
正極にリチウム金属酸化物、負極にリチウム金属やリチ
ウム合金、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料を用
い、電解質としてリチウム塩と四級アンモニウム有機物
カチオンを有する常温溶融塩を用いた非水電解質電池が
特開平4−349365号公報、特開平10−9246
7号公報、特開平11−86905号公報、特開平11
−260400号公報等に提案されている。ここで提案
されている四級アンモニウム有機物カチオンを有する常
温溶融塩は、常温で液状でありながら揮発性がほとんど
なく、かつ、難燃性もしくは不燃性を有するため、安全
性に優れている。
【0008】しかし、このような非水電解質電池に用い
られている非水電解質には、次のような問題があった。
すなわち、常温溶融塩は常温で液状ではあるが、従来の
有機溶媒を用いた非水電解質に比較して粘性が高く、セ
パレータや電極材料に対する濡れ性が低いため、充分な
量の電解質を保持させるのが困難である。また、特開平
4−349365号公報記載の非水電解質には、次のよ
うな問題があった。すなわち、ハロゲン化アルミニウム
を含有しているので、ハロゲン化アルミニウムイオン
(例えばAlCl4 -)の腐食性により、非水電解質電池
に用いた場合に電池性能を劣化させてしまう。また、ハ
ロゲン化アルミニウムは、一般に、激しい反応性を有す
るので、取り扱いが困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたものであり、高い安全性および優れた電
池性能を有する非水電解質電池を、容易に提供すること
を目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、少なくとも正極、負極、セ
パレータ、およびリチウム塩を含有する非水電解質とを
備えた非水電解質電池において、前記非水電解質が、常
温溶融塩を主構成成分として含有し、かつ、前記セパレ
ータが、多孔性基材の表面もしくは孔内の少なくとも一
部に有機ポリマー層が形成されており、かつ、前記孔か
ら多孔性基材内部への気体の侵入を許容するように形成
された構造を有するものであることを特徴とする非水電
解質電池である。
【0011】請求項1記載の発明によれば、非水電解質
が常温溶融塩を主構成成分として含有することにより、
常温溶融塩の、高いリチウムイオン伝導性により、優れ
た電池性能を保持しながら、常温で液状でありながら揮
発性がほとんどなく、かつ、難燃性もしくは不燃性を有
する性質のため、過充電、過放電やショートなどのアブ
ユース時や高温環境下における安全性に優れた非水電解
質リチウム二次電池を得ることが可能となる。
【0012】また、セパレータが、多孔性基材の表面も
しくは孔内の少なくとも一部に有機ポリマー層が形成さ
れており、かつ、前記孔から多孔性基材内部への気体の
侵入を許容するように形成された構造を有するものとす
ることで、非水電解質中のイオンがセパレータの多孔内
を容易に通過するため、上記常温溶融塩の優れた特性を
保持しながら良好な充放電性能が得られるだけでなく、
非水電解質に対して高い濡れ性を示すため、非水電解質
をセパレータに吸収させやすくすることができ、高い液
保持力を示すようになる。よって、充放電性能に優れ、
さらに安全性に優れた非水電解質電池を容易に得ること
が可能となる。
【0013】さらに、セパレータが、非水電解質に対し
て高い濡れ性を有し、かつ非水電解質の侵入を許容する
微孔が、セパレータの少なくとも表面近傍に形成された
構造を有するものとなるので、前記微孔の毛管吸収作用
によって非水電解質を極めて吸収しやすいセパレータと
することができる。すなわち、セパレータの有機ポリマ
ー層は、濡れ層としての効果を示し、有機ポリマーが一
旦非水電解質を吸収することによって、前記有機ポリマ
ー層の濡れ性ではなく、吸収された非水電解質による強
い濡れ性を有するようになる。この非水電解質による強
い濡れ性は、前記微孔の内面が、実質、非水電解質とほ
ぼ同じ表面張力となることによるものと考えられる。よ
って、非水電解質の量を制限することができ、特に、高
い液漏れ防止能を有する非水電解質電池を得ることがで
きる。また非水電解質がセパレータの微孔内部にまで確
実に吸収されるので、イオンの通過経路を確実に確保で
き、特に、優れた電池特性を有する非水電解質電池を得
ることができる。
【0014】ここで、本発明における常温溶融塩とは、
常温において少なくとも一部が液状を呈する塩をいう。
常温とは、電池が通常作動すると想定される温度範囲で
ある。電池が通常作動すると想定される温度範囲とは、
上限が100℃程度、場合によっては60℃程度であ
り、下限が−50℃程度、場合によっては−20℃程度
である。例えば、溶融塩・熱技術研究会.溶融塩・熱技
術の基礎.東京,アグネ技術センター,1993,313p.(I
SBN 4750708291)に記載されているような、各種電析な
どに用いられるLi2CO3−Na2CO3−K2CO3など
の無機系溶融塩は、融点が300℃以上のものが大半で
あり、通常電池が作動すると想定される温度範囲内で液
状を呈するものではなく、本発明における常温溶融塩に
は含まれない。
【0015】非水電解質を構成するリチウム塩として
は、一般に非水電解質電池に使用される広電位領域にお
いて安定であるリチウム塩が使用できる。例えば、Li
BF4、LiPF6、LiClO4、LiCF3SO3、L
iN(CF3SO22、LiN(C25SO22、Li
N(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO
23、LiC(C25SO23などが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。これらは単独で用いて
もよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0016】非水電解質中のリチウムイオンの含有量
は、0.1〜3mol/lの範囲であることが望まし
い。リチウムイオンの含有量が0.1mol/l未満に
なると、電解質抵抗が大きすぎ、電池の充放電効率が低
下する。逆にリチウムイオンの含有量が3mol/lを
越えると、非水電解質の融点が上昇し、常温で液状を保
つのが困難となる。以上の点で、さらに言うならば、非
水電解質中のリチウムイオンの含有量は、0.5〜2m
ol/lの範囲であることが望ましい。
【0017】本発明における非水電解質は、リチウム塩
と常温溶融塩の他、高分子を複合化させることにより、
ゲル状に固体化してもよい。ここで、前記高分子として
は、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレン
オキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸
メチル、ポリフッ化ビニリデン、各種アクリル系モノマ
ー、メタクリル系モノマー、アクリルアミド系モノマ
ー、アリル系モノマー、スチレン系モノマーの重合体な
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いて
もよい。
【0018】本発明における非水電解質は、リチウム塩
と常温溶融塩の他、常温で液状である有機溶媒を添加し
て使用してもよい。ここで、前記有機溶媒としては、一
般に非水電解質電池用電解液に使用される有機溶媒が使
用できる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、メチルエチルカーボネート、ジフェニルカーボ
ネート、γ−ブチロラクトン、プロピオラクトン、バレ
ロラクトン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、
ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタンなどが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。ただし、
これらの有機溶媒は前述したとおり引火性があるため、
添加量が多すぎると非水電解質が引火性を帯び、充分な
安全性が得られなくなる可能性があり、好ましくない。
また、一般に非水電解質電池用電解液に添加される難燃
性溶媒である、リン酸エステルを使用することもでき
る。例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リ
ン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸ト
リプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフル
オロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リ
ン酸トリ(トリパーフルオロエチル)などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。これらは単独で
用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0019】請求項2記載の発明は、前記非水電解質
が、(化1)で示される骨格を有する四級アンモニウム
有機物カチオンを有する常温溶融塩を含有するものであ
ることを特徴とする非水電解質電池である。
【0020】
【化1】 請求項2記載の発明によれば、非水電解質にリチウム塩
と(化1)で示される骨格を有するカチオンを有する常
温溶融塩を含有するものを用いることにより、過充電、
過放電やショートなどのアブユース時や高温環境下にお
ける安全性を充分に得ることができる上、上記作用を効
果的に得ることが可能となる。
【0021】(化1)で示される骨格を有する四級アン
モニウム有機物カチオンとしては、ジアルキルイミダゾ
リウムイオン、トリアルキルイミダゾリウムイオンなど
のイミダゾリウムカチオン、テトラアルキルアンモニウ
ムイオン、アルキルピリジニウムイオン、アルキルピラ
ゾリウムイオン、アルキルピロリウムイオン、アルキル
ピロリニウムイオン、アルキルピロリジニウムイオン、
アルキルピペリジニウムイオンなどが挙げられる。
【0022】前記テトラアルキルアンモニウムイオンと
しては、トリメチルエチルアンモニウム、トリメチルプ
ロピルアンモニウム、トリメチルヘキシルアンモニウ
ム、テトラペンチルアンモニウムなどが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0023】また前記アルキルピリジニウムイオンとし
ては、N−メチルピリジニウムイオン、N−エチルピリ
ジニウムイオン、N−プロピルピリジニウムイオン、N
−ブチルピリジニウムイオン1−エチル−2−メチルピ
リジニウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウム、1
−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムなどが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0024】請求項3記載の発明は、前記非水電解質
が、(化2)で示される骨格を有するイミダゾリウムカ
チオンを有する常温溶融塩を含有するものであることを
特徴とする非水電解質電池である。
【0025】
【化2】 請求項3記載の発明によれば、非水電解質にリチウム塩
と(化2)で示される骨格を有するイミダゾリウムカチ
オンを有する常温溶融塩を含有するものを用いることに
より、非水電解質中のリチウムイオンの移動度を充分に
得ることができる上、上記作用を効果的に得ることが可
能となる。
【0026】前記イミダゾリウムカチオンとしては、例
えば、ジアルキルイミダゾリウムイオンとしては、1,
3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−
メチルイミダゾリウムイオン、1−メチル−3−エチル
イミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダ
ゾリウムイオンなどが、トリアルキルイミダゾリウムイ
オンとしては、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム
イオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム
イオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウ
ムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウ
ムイオンなどが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0027】なお、これらのカチオンを有する常温溶融
塩は、単独で用いてもよく、2種以上混合して用いても
よい。
【0028】請求項4記載の発明は、前記有機ポリマー
層が、分子量が170〜50,000の範囲である架橋
性モノマーを用いて形成されたことを特徴とする非水電
解質電池である。
【0029】請求項4記載の発明によれば、有機ポリマ
ー層が、分子量が170以上の架橋性モノマーを用いて
形成されており、有機ポリマー層の架橋密度が高すぎな
いので、非水電解質を有機ポリマー層に確実に吸収させ
ることができる。よって、非水電解質に対するセパレー
タの濡れ性を向上できる。また、有機ポリマー層が、分
子量が50,000以下の架橋性モノマーを用いて形成
されており、架橋性モノマーの粘度が高すぎないので、
架橋性モノマーを多孔性基材の内部に確実に浸み込ませ
て架橋反応を起こすことができる。よって、有機ポリマ
ー層が多孔性基材の内部に確実に形成されることによっ
て、非水電解質をセパレータ内部に確実に吸収させるこ
とができる。従って、上記作用をさらに効果的に得るこ
とが可能となり、優れた電池特性と高い液漏れ防止能と
を有する非水電解質電池を得ることができる。
【0030】なお、架橋性モノマーの分子量が170よ
り少なくなると、有機ポリマー層の架橋密度が高すぎ、
非水電解質に対する濡れ性が不十分となって、非水電解
質が有機ポリマー層に吸収されにくい。よって、優れた
電池特性を確実に得るためには非水電解質の量を抑える
ことができなくなるので、非水電解質電池の液漏れ防止
能を向上させることが難しくなる。
【0031】逆に、架橋性モノマーの分子量が50,0
00を超えると、架橋性モノマーの粘度が高すぎるの
で、架橋性モノマーを多孔性材料の内部に確実に浸み込
ませることが困難となり、さらに架橋反応を起こすこと
によって、多孔性基材の内部に有機ポリマー層を形成す
ることが困難となる。よって、非水電解質は、セパレー
タ内部に吸収されにくく、非水電解質電池に優れた電池
特性と高い液漏れ防止能とを付与することが難しくな
る。また、有機ポリマー層がフィルム化して微孔を塞ぎ
やすく、正極と負極との間の電気抵抗が高くなり、これ
によっても、優れた電池特性の非水電解質電池が得られ
にくくなる。よって、有機ポリマー層のフィルム化を確
実に防止することによって、優れた電池特性を得るため
に、架橋性モノマーの分子量は、30,000以下であ
ることがより好ましく、架橋性モノマーの粘度を抑える
ことによって、優れた電池特性と高い液漏れ防止能とを
確実に得るために、架橋性モノマーの分子量は、2,0
00以下であることがさらに好ましい。
【0032】請求項5記載の発明は、前記架橋性モノマ
ーが、不飽和結合を有するモノマー、エポキシ基を有す
るモノマーおよびイソシアナート基を有するモノマーの
少なくとも一種であることを特徴とする非水電解質電池
である。
【0033】請求項5記載の発明によれば、架橋性モノ
マーとして、不飽和結合を有するモノマー、エポキシ基
を有するモノマーおよびイソシアナート基を有するモノ
マーの少なくとも一種を使用し、公知の架橋方法によっ
て、有機ポリマー層を形成すれば、前記目的を容易に達
成できる。
【0034】不飽和結合を有するモノマーとしては、二
官能以上の不飽和モノマーが好適に挙げられ、より具体
例には、二官能(メタ)アクリレート{エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、重合度2以上のポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、重合度2以上のポリ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオ
キシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合体のジ(メ
タ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト等}、3官能(メタ)アクリレート{トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ
(メタ)アクリレート、グリセリンのエチレンオキシド
付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンのプロ
ピレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グ
リセリンのエチレンオキシド、プロピレンオキシド付加
物のトリ(メタ)アクリレート等}、4官能以上の多官
能(メタ)アクリレート{ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジグリセリンヘキサ(メタ)ア
クリレート等}、下記(化3)〜(化7)で示されるモ
ノマー等が挙げられる。これらのモノマーを単独もしく
は、併用して用いることができる。
【0035】
【化3】
【0036】
【化4】
【0037】
【化5】
【0038】
【化6】
【0039】
【化7】 前記例示した二官能以上の不飽和モノマーには、物性調
整などの目的で一官能モノマーを添加することもでき
る。添加できる一官能モノマーの例としては、不飽和カ
ルボン酸{アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、け
い皮酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、フマール酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、メチレンマロン
酸、アコニット酸等}、不飽和スルホン酸{スチレンス
ルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸等}またはそれらの塩(Li塩、Na塩、K塩、ア
ンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩等)、ま
たこれらの不飽和カルボン酸をC1〜C18の脂肪族ま
たは脂環式アルコール、アルキレン(C2〜C4)グリ
コール、ポリアルキレン(C2〜C4)グリコール等で
部分的にエステル化したもの(メチルマレート、モノヒ
ドロキシエチルマレート、など)、およびアンモニア、
1級または2級アミンで部分的にアミド化したもの(マ
レイン酸モノアミド、N−メチルマレイン酸モノアミ
ド、N,N−ジエチルマレイン酸モノアミドなど)、
(メタ)アクリル酸エステル[C1〜C18の脂肪族
(メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキ
シル、ステアリル等)アルコールと(メタ)アクリル酸
とのエステル、またはアルキレン(C2〜C4)グリコ
ール(エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール等)およびポリアルキレン(C
2〜C4)グリコール(ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール)と(メタ)アクリル酸とのエス
テル];(メタ)アクリルアミドまたはN−置換(メ
タ)アクリルアミド[(メタ)アクリルアミド、N−メ
チル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド等];ビニルエステルまたはアリルエス
テル[酢酸ビニル、酢酸アリル等];ビニルエーテルま
たはアリルエーテル[ブチルビニルエーテル、ドデシル
アリルエーテル等];不飽和ニトリル化合物[(メタ)
アクリロニトリル、クロトンニトリル等];不飽和アル
コール[(メタ)アリルアルコール等];不飽和アミン
[(メタ)アリルアミン、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリルレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート等];複素環含有モノマー[N−ビニルピロリド
ン、ビニルピリジン等];オレフィン系脂肪族炭化水素
[エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペ
ンテン、(C6〜C50)α−オレフィン等];オレフ
ィン系脂環式炭化水素[シクロペンテン、シクロヘキセ
ン、シクロヘプテン、ノルボルネン等];オレフィン系
芳香族炭化水素[スチレン、α−メチルスチレン、スチ
ルベン等];不飽和イミド[マレイミド等];ハロゲン
含有モノマー[塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビ
ニリデン、ヘキサフルオロプロピレン等]等が挙げられ
る。
【0040】前記エポキシ基を有する架橋性モノマーの
例としては、グリシジルエーテル類{ビスフェノールA
ジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジル
エーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、フェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾ
ールノボラックグリシジルエーテル等}、グリシジルエ
ステル類{ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、
ダイマー酸グリシジルエステル等}、グリシジルアミン
類{トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジ
ルジアミノフェニルメタン等}、線状脂肪族エポキサイ
ド類{エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油
等}、脂環族エポキサイド類{3,4エポキシ−6メチ
ルシクロヘキシルメチルカルボキシレート、3,4エポ
キシシクロヘキシルメチルカルボキシレート等}等が挙
げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独もしくは硬化
剤を添加して硬化させて使用することができる。
【0041】前記エポキシ樹脂を硬化させるのに使用す
る硬化剤の例としては、脂肪族ポリアミン類{ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、3,9−(3
−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトロオキサ
スピロ[5,5]ウンデカン等}、芳香族ポリアミン類
{メタキシレンジアミン、ジアミノフェニルメタン
等}、ポリアミド類{ダイマー酸ポリアミド等}、酸無
水物類{無水フタル酸、テトラヒドロメチル無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、
無水メチルナジック酸}、フェノール類{フェノールノ
ボラック等}、ポリメルカプタン{ポリサルファイド
等}、第三アミン類{トリス(ジメチルアミノメチル)
フェノール、2−エチル−4−メチルイミダゾール
等}、ルイス酸錯体{三フッ化ホウ素・エチルアミン錯
体等}等が挙げられる。
【0042】前記イソシアナート基を有する架橋性モノ
マーの例としては、トルエンジイソシアナート、ジフェ
ニルメタンジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアナート、2,2,4(2,2,4)−トリメ
チル−ヘキサメチレンジイソシアナート、p−フェニレ
ンジイソシアナート、4,4’−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアナート、3,3'−ジメチルジフェニル
4,4’−ジイソシアナート、ジアニシジンジイソシア
ナート、m−キシレンジイソシアナート、トリメチルキ
シレンジイソシアナート、イソフォロンジイソシアナー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアナート、trans
−1,4−シクロヘキシルジイソシアナート、リジンジ
イソシアナート等が挙げられる。
【0043】前記イソシアナート基を有するモノマーを
架橋する活性水素を有する化合物の例としては、ポリオ
ール類およびポリアミン類[2官能化合物{水、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール等}、3官能化合物
{グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−
ヘキサントリオール、トリエタノールアミン等}、4官
能化合物{ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、
トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、テトラ
メチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド等}、5
官能化合物{2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシ
メチル)シクロヘキサノール、ジエチレントリアミンな
ど}、6官能化合物{ソルビトール、マンニトール、ズ
ルシトール等}、8官能化合物{スークロース等}]、
およびポリエーテルポリオール類{前記ポリオールまた
はポリアミンのプロピレンオキサイドおよび/またはエ
チレンオキサイド付加物}、ポリエステルポリオール
[前記ポリオールと多塩基酸{アジピン酸、o,m,p−
フタル酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、リシ
ノール酸}との縮合物、ポリカプロラクトンポリオール
{ポリε−カプロラクトン等}、ヒドロキシカルボン酸
の重縮合物等]等が挙げられる。
【0044】前記イソシアナート基を有するモノマーと
活性水素を有する化合物を反応させるための触媒の例と
しては、有機スズ化合物類、トリアルキルホスフィン
類、アミン類[モノアミン類{N,N−ジメチルシクロ
ヘキシルアミン、トリエチルアミン等}、環状モノアミ
ン類{ピリジン、N−メチルモルホリン等}、ジアミン
類{N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラメチル1,3−ブタン
ジアミン等}、トリアミン類{N,N,N’,N’−ペ
ンタメチルジエチレントリアミン等}、ヘキサミン類
{N,N,N’N’−テトラ(3−ジメチルアミノプロ
ピル)−メタンジアミン等}、環状ポリアミン類{ジア
ザビシクロオクタン(DABCO)、N,N’−ジメチ
ルピペラジン、1,2−ジメチルイミダゾール、1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DB
U)等}等、およびそれらの塩類等が挙げられる。
【0045】前記架橋体には強度や物性制御の目的で、
架橋体の形成を妨害しない範囲の物性調整剤を架橋性モ
ノマーに配合して使用することができる。物性調整剤の
例としては、無機フィラー類{酸化ケイ素、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコ
ニウム、酸化亜鉛、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩}、ポリマ
ー類{ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメチルメタクリレートなど}が挙げられる。こ
れらの物性調整剤の添加量は、架橋性モノマーに対して
通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下であ
る。
【0046】請求項6記載の発明は、前記多孔性基材
が、ポリオレフィンを主成分とすることを特徴とする非
水電解質電池である。
【0047】請求項6記載の発明によれば、ポリオレフ
ィンは、電解質の溶剤に対して高い耐性を示すので、特
に、非水電解質電池に耐久性を付与できる。また、ポリ
オレフィンを主成分とする多孔性基材の孔は、高温下で
収縮しやすく、電池が高温となった時に、シャットダウ
ン効果が確実に発現されるので、非水電解質電池の安全
性を向上できる。
【0048】多孔性基材としては、一般に液系の各種電
池用セパレータとして使用される微多孔膜や不織布、織
布などがそのまま使用できる。多孔性基材の材質は、溶
媒や非水電解質に対して化学的に安定であり、且つ電気
化学的に安定であるものが使用できる。例えば、ポリエ
チレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを主原料
とするものや、ポリエチレンテレフタレートやポリブチ
レンテレフタレートなどのポリエステルを主原料とする
もの、セルロースを主原料とするものなどが挙げられる
が、前述の理由により、特にポリエチレンやポリプロピ
レンなどのポリオレフィンが適しており、なかでも特
に、ポリエチレンを主原料とするものが適している。こ
こで、ポリエチレンとしては、高密度、中密度、低密度
の各種直鎖ポリエチレン、文枝ポリエチレンなど何れの
ポリエチレンも使用できる。電池内温度の上昇に伴っ
て、多孔性基材のポリエチレンが溶融し熱閉塞すること
で、シャットダウン特性が発現する。従って、適切な温
度範囲でシャットダウン特性を発現するために、このポ
リエチレンの融点は120〜150℃、より好ましくは
120〜140℃の温度範囲にあることが望ましい。
【0049】このとき、多孔性基材は、厚さ35μm以
下であり、かつ、開孔率40%以上の微多孔膜であるこ
とが望ましく、さらに言えば、厚さ5〜25μm、開孔
率45〜80%であることが望ましい。多孔性基材の厚
さが35μm以上、あるいは、開孔率40%未満では、
本来電気絶縁性である多孔性基材の電気抵抗が大きく、
このような電池用セパレータを用いた電池では、各種電
池性能を良好に保つことが困難となり、好ましくない。
このことから、厚さ35μm以下、かつ、開孔率40%
以上であり、さらに好ましくは、厚さ25μm以下、あ
るいは、開孔率45%以上である多孔性基材、特に微多
孔膜を用いることにより、多孔性基材の電気抵抗が充分
に低く押さえられる。しかし、厚さ5μm以下、あるい
は、開孔率80%以上の多孔性基材を用いた場合には、
機械的強度に劣ったり、ハンドリングが困難となる。さ
らに、電池電極間の微小短絡が発生しやすくなるだけで
なく、シャットダウン開始温度を超えて電池の内部温度
が上昇した場合に、セパレータが収縮や破損し、正負極
が直接接触して内部短絡を引き起こし、熱暴走する可能
性が高くなり、好ましくない。
【0050】請求項7記載の発明は、前記有機ポリマー
層が、電離性放射線照射により架橋されたことを特徴と
する非水電解質電池である。
【0051】請求項7記載の発明によれば、有機ポリマ
ー層を電離性放射線照射により架橋することにより、硬
化剤などの添加剤を用いずに有機ポリマー層を形成する
ことが可能となり、かつ、適切に架橋された有機ポリマ
ー層を短時間で容易に得ることが可能となる。
【0052】有機ポリマー層は、前記例示した架橋性モ
ノマーを含有し、必要に応じて溶剤および硬化剤が混合
されたモノマー液を、前記例示した多孔性基材に含浸、
または塗布、もしくはキャストし、加熱、紫外線照射、
電子線照射、ガンマ線照射などの電離性放射線照射など
によりモノマーを架橋させた後、必要に応じて溶剤を乾
燥して行うことにより、形成できるが、前述の理由によ
り、特に電離性放射線照射による架橋が好ましい。
【0053】モノマー液に用いる溶剤としては、架橋性
モノマーを溶解できる溶剤であれば、これらを制限なく
使用でき、例えば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、アセトン、トルエン、アセトニトリ
ル、ヘキサン等の汎用的に用いられる化学的に安定な溶
剤が挙げられる。また、架橋性モノマーによっては水を
使用してもよい。さらに、先に詳述した非水電解質を構
成する有機溶媒と同種のものも使用できるが、これらに
限定されるものではない。これらの溶剤は、単独で用い
てもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0054】前記モノマー液中のモノマー濃度として
は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量
%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。10重
量%を越えると多孔性基材の孔を有機ポリマー層が閉塞
しやすく、正極と負極との間の電気抵抗が高くなること
によって電池特性が低下する傾向がある。多孔性基材の
孔の閉塞を確実に抑え、電気抵抗の増大を確実に抑える
ために、モノマー液中のモノマー濃度は、5重量%以下
であることがより好ましく、多孔性基材の孔を殆ど塞ぐ
ことなく、また、非水電解質に対する濡れ性を確実に付
与できることから、3重量%以下であることがさらに好
ましい。
【0055】請求項8記載の発明は、金属樹脂複合材料
を外装材とすることを特徴とする非水電解質電池であ
る。
【0056】請求項8記載の発明によれば、金属樹脂複
合材料は、金属よりも軽く、また、薄型形状に容易に成
形できるので、非水電解質電池の小型軽量化が可能であ
る。金属樹脂複合材料としては、例えば公知のアルミラ
ミネートフィルムを例示できる。
【0057】本発明における非水電解質電池は、例え
ば、正極、負極、セパレータから構成される発電要素
を、外装材からなる電池用パッケージの内に入れ、次い
で電池用パッケージの内に非水電解質を注液し、最終的
に封止することによって得られる。また、例えばコイン
型電池のように、正極,負極,セパレータを、正極収納
部,負極収納部,セパレータ収納部を有する電池用パッ
ケージの各収納部にそれぞれ独立して収納し、次いで外
装材からなる電池用パッケージ内に非水電解質を注液
し、最終的に封止することによって得られても良い。
【0058】本発明における非水電解質電池に用いられ
る正極は、正極活物質を主要構成成分としており、リチ
ウムイオンがインターカレート・デインターカレート可
能な酸化物が好適に挙げられる。前記酸化物は、リチウ
ムを含む複合酸化物であることが好ましく、例えばLi
CoO2、LiMn24、LiNiO2、LiV25、L
m[Ni2-nn4](Mは1種以上のNiを除くの遷
移金属元素。例えば、Mn、Co、Zn、Fe、Vな
ど。0≦m≦1.1、0.75≦n≦1.80。)など
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いても
よい。酸化物は、平均粒径が1〜40ミクロン程度の粉
末であることが好ましい。
【0059】本発明における非水電解質電池に用いられ
る負極は、負極活物質を主要構成成分としており、炭素
系材料(メソフェーズカーボンマイクロビーズ、天然ま
たは人造黒鉛、樹脂焼成炭素材料、カーボンブラック、
炭素繊維など)、金属リチウム、リチウム合金、W
2、MoO2、TiS2、Li4/3Ti5/34、Lix
5 /3-yy4(Lは1種以上のTi及びOを除く2〜
16族の元素。例えば、Be、B、C、Mg、Al、S
i、P、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、N
i、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Sr、Y、
Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、In、Sn、S
b、Te、Ba、La、Ta、W、Au、Hg、Pbな
ど。4/3≦x≦7/3、0≦y≦5/3。)などが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよ
い。
【0060】以上、正極活物質および負極活物質につい
て詳述したが、正極および負極は、主要構成成分である
前記活物質の他に、導電剤および結着剤を構成成分とし
て作製されるのが好ましい。
【0061】導電剤としては、電池特性に悪影響を及ぼ
さない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、
天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造
黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチ
ェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属
(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊
維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種また
はそれらの混合物として含ませることができる。
【0062】これらの中で、導電剤としては、導電性及
び塗工性の観点よりアセチレンブラックが望ましい。導
電剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して1〜
50重量%が好ましく、特に2重量%〜30重量%が好
ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であり、そ
の理想とするところは均一混合である。そのため、V型
混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボー
ルミルといったような粉体混合機を乾式、あるいは湿式
で混合することが可能である。
【0063】結着剤としては、通常、ポリテトラフルオ
ロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,ポリエチレン,ポ
リプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン
ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPD
M,スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等
のゴム弾性を有するポリマー、カルボキシメチルセルロ
ース等の多糖類等を1種または2種以上の混合物として
用いることができる。また、多糖類の様にリチウムと反
応する官能基を有する結着剤をリチウム電池の用いる場
合には、例えばメチル化するなどしてその官能基を失活
させておくことが望ましい。結着剤の添加量は、正極ま
たは負極の総重量に対して1〜50重量%が好ましく、
特に2〜30重量%が好ましい。
【0064】正極活物質または負極活物質、導電剤およ
び結着剤をトルエン等の有機溶剤あるいは水を添加して
混練し、電極形状に成形して乾燥することによって、そ
れぞれ正極および負極を好適に作製できる。
【0065】なお、正極が正極用集電体に密着し、負極
が負極用集電体に密着するように構成されるのが好まし
く、例えば、正極用集電体としては、アルミニウム、チ
タン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電性高分
子、導電性ガラス等の他に、接着性、導電性および耐酸
化性向上の目的で、アルミニウムや銅等の表面をカーボ
ン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を用いること
ができる。負極用集電体としては、銅、ニッケル、鉄、
ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電
性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金等の他に、接
着性、導電性、耐酸化性向上の目的で、銅等の表面をカ
ーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を用いる
ことができる。これらの材料については表面を酸化処理
することも可能である。
【0066】集電体の形状については、フォイル状の
他、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキ
スパンドされた物、ラス体、多孔質体、発砲体、繊維群
の形成体等が用いられる。厚みの限定は特にないが、1
〜500μmのものが用いられる。これらの集電体の中
で、正極用集電体としては、耐酸化性に優れているアル
ミニウム箔が、負極用集電体としては、還元場において
安定であり、且つ導電性に優れ、安価な銅箔、ニッケル
箔、鉄箔、およびそれらの一部を含む合金箔を使用する
ことが好ましい。さらに、粗面表面粗さが0.2μmR
a以上の箔であることが好ましく、これにより正極およ
び負極と集電体との密着性は優れたものとなる。よっ
て、このような粗面を有することから、電解箔を使用す
るのが好ましい。特に、ハナ付き処理を施した電解箔は
最も好ましい。
【0067】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの記述により限定されるものではな
い。
【0068】(実施例1)本発明における非水電解質電
池の断面図を図1に示す。本発明における非水電解質電
池は、正極1、負極2、およびセパレータ3からなる極
群4と、非水電解質と、金属樹脂複合フィルム5から構
成されている。正極1は、正極合剤11が正極集電体1
2上に塗布されてなる。また、負極2は、負極合剤21
が負極集電体22上に塗布されてなる。非水電解質は極
群4に含浸されている。金属樹脂複合フィルム5は、極
群4を覆い、その四方を熱溶着により封止されている。
【0069】次に、上記構成の非水電解質電池の製造方
法を説明する。
【0070】正極1は次のようにして得た。まず、Li
CoO2と、導電剤であるアセチレンブラックを混合
し、さらに結着剤としてポリフッ化ビニリデンのN−メ
チル−2−ピロリドン溶液を混合し、この混合物をアル
ミ箔からなる正極集電体12の片面に塗布した後、乾燥
し、正極合剤11の厚みが0.1mmとなるようにプレ
スした。以上の工程により正極1を得た。
【0071】負極2は、次のようにして得た。まず、T
iO2とLiOH・H2Oを混合し、900℃の酸化雰囲
気下で10時間熱処理し、負極活物質であるLi4/3
5/34を得た。次に、得られたLi4/3Ti5/3
4と、導電剤であるケッチェンブラックを混合し、さら
に結着剤としてポリフッ化ビニリデンのN−メチル−2
−ピロリドン溶液を混合し、この混合物をアルミ箔から
なる負極集電体22の片面に塗布した後、乾燥し、負極
合剤21厚みが0.1mmとなるようにプレスした。以
上の工程により負極2を得た。
【0072】セパレータ3は、次のようにして得た。ま
ず、(化3)で示される構造を持つ2官能アクリレート
モノマーを3重量パーセント溶解するエタノール溶液を
作製し、多孔性基材であるポリエチレン微孔膜(平均孔
径0.1ミクロン、開孔率50%、厚さ23ミクロン、
重量12.52g/m2、透気度89秒/100ml)
に塗布した後、電子線照射によりモノマーを架橋させて
有機ポリマー層を形成し、温度60℃で5分間乾燥させ
た。以上の工程により、セパレータ3を得た。なお、得
られたセパレータ3は、厚さ24ミクロン、重量13.
04g/m2、透気度103秒/100mlであり、有
機ポリマー層の重量は、多孔性材料の重量に対して約4
重量%、架橋体層の厚さは約1ミクロンで、多孔性基材
の孔がほぼそのまま維持されているものであった。
【0073】極群4は、正極合剤11と負極合剤21と
を対向させ、その間にセパレータ3を配し、正極1、セ
パレータ3、負極2の順に積層することにより、構成し
た。非水電解液は、1−エチル−3−メチルイミダゾリ
ウムイオン(EMI+)とテトラフルオロホウ酸イオン
(BF4 -)からなる常温溶融塩(EMIBF4)1リッ
トルに、1モルのLiBF4を溶解させることにより得
た。次に、非水電解質中に極群4を浸漬させることによ
り、極群4に非水電解質を含浸させ、た。さらに、金属
樹脂複合フィルム5で極群4を覆い、その四方を熱溶着
により封止した。
【0074】以上の製法により得られた電池を本発明電
池Aとする。なお、本発明電池Aの設計容量は、10m
Ahである。
【0075】(実施例2)非水電解液として、N−ブチ
ルピリジニウムイオン(BPy+)とBF4 -からなる常
温溶融塩(BPyBF4)1リットルに、1モルのLi
BF4を溶解したものを用いた以外、本発明電池Aと同
一の原料および製法により非水電解質電池を得た。これ
を本発明電池Bとする。
【0076】(実施例3)また、負極活物質としてグラ
ファイトを用いた以外、本発明電池Aと同一の原料およ
び製法により非水電解質電池を得た。これを本発明電池
Cとする。
【0077】(比較例1)非水電解質として、エチレン
カーボネートとジエチルカーボネートを体積比1:1で
混合した混合溶媒1リットルに、1モルのLiBF4
溶解したものを用いた以外、本発明電池Aと同一の原料
および製法により非水電解質電池を得た。これを比較電
池Dとする。
【0078】(比較例2)また、セパレータ3として、
有機ポリマー層を有しない以外は本発明電池Aに用いた
セパレータ3と同様の材質であるポリエチレン微孔膜を
用いた以外、本発明電池Aと同一の原料および製法によ
り非水電解質電池を得た。これを比較電池Eとする。
【0079】(充放電サイクル特性試験)本発明電池
A、B、Cおよび比較電池D、Eについて、充放電サイ
クル試験を行った。試験温度は20℃とした。充電は、
電流1mA、本発明電池A、Bおよび比較電池D、Eの
終止電圧2.7V、本発明電池Cの終止電圧4.2V
で、定電流充電とした。放電は、電流1mA、本発明電
池A、Bおよび比較電池D、Eの終止電圧1.2V、本
発明電池Eの終止電圧2.7Vで、定電流放電とした。
電池設計容量との比率を放電容量(%)とした。本発明
電池A、B、Cおよび比較電池D、Eの充放電サイクル
特性を図2に示す。
【0080】図2から、比較電池Eでは、初期放電容量
は設計容量のほぼ80%しか得られず、充放電効率も8
5%程度しか得られなかった。これに対し、本発明電池
A、B、Cおよび比較電池Dでは放電容量は設計容量の
ほぼ100%が得られ、充放電効率もほぼ100%が得
られることが分かった。
【0081】さらに、図2から、比較電池Eでは、充放
電サイクルを経過すると急激に容量が低下し、100サ
イクル目には設計容量の60%を下回った。これに対
し、本発明電池A、B、Cおよび比較電池Dでは、20
0サイクル経過後も設計容量の80%以上が保持される
ことが分かった。
【0082】(高温保存試験)本発明電池A、B、Cお
よび比較電池D、Eについて、高温保存試験を行った。
前述の充放電サイクル試験同様の条件で、初期容量の確
認を行った電池を、前述した条件で充電後、100℃で
3時間保存後室温で21時間保存する高温保存サイクル
を30日間繰り返し、前述した条件で保存後の放電容量
を測定し、自己放電率を求めると共に、電池厚さの変化
を測定した。なお、自己放電率および電池厚さ変化は
(式1)および(式2)により算出した。結果を表1に
示す。
【0083】
【式1】
【0084】
【式2】
【0085】
【表1】 表1から、比較電池Dでは自己放電率が高いだけでな
く、電池厚さが大きく変化した。これに対し、本発明電
池A、B、Cおよび比較電池Eでは自己放電率が比較的
低いだけでなく、電池厚さの変化もほとんどないことが
分かった。ただし、比較電池Eは、高温保存前の放電容
量がすでに低いため、自己放電率としては低くなるが、
高温保存後の放電容量は本発明電池A、B、Cに比較し
て低くなった。
【0086】(燃焼試験)さらに、これらの本発明電池
A、B、Cおよび比較電池D、Eについて、燃焼試験を
行った。前述の充放電サイクル試験同様の条件で、初期
容量の確認を行った電池を、10mAで9時間強制的に
過充電後、ガスバーナー上約2cmの位置で燃焼させ
た。
【0087】その結果、比較電池Dはアルミラミネート
フィルムが燃焼すると共に、電解質に引火して爆発的に
燃焼したが、本発明電池A、B、Cおよび比較電池Eで
は、アルミラミネートフィルムは燃焼したが、電解質の
燃焼は発生しなかった。
【0088】(結果の考察)以上3つの試験結果が得ら
れた原因として、以下の要因が考えられる。
【0089】まず、比較電池Eでは、有機ポリマー層が
形成されていないセパレータを用いているため、粘性が
高い常温溶融塩を主構成成分とする非水電解質と、ポリ
エチレンからなるセパレータに対する濡れ性が低く、良
好な電池充放電特性を維持するのに充分な量の非水電解
質を保持できておらず、その結果、サイクル特性や充放
電効率が低下すると考えられる。
【0090】これに対し、本発明電池A、B、Cおよび
比較電池Dでは、セパレータに形成された有機ポリマー
層が、濡れ層としての効果を示すことにより非水電解質
に対して高い濡れ性を示すため、粘性が高い常温溶融塩
を主構成成分とする非水電解質をもセパレータに吸収さ
せやすくすることができ、高い液保持力を示し、良好な
電池充放電特性を維持するのに充分な量の非水電解質を
保持することができるものと考えられる。その結果良好
なサイクル特性や充放電効率特性が得られるものと考え
られる。
【0091】また、比較電池Dでは、非水電解質とし
て、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体
積比1:1で混合した混合溶媒1リットルに、1モルの
LiBF4を溶解したものをゲル化したものを用いてい
るが、これらの有機溶媒は揮発しやすく、非水電解質と
した場合でも、高温保存により容易に気体となるため、
自己放電率が高いだけでなく、電池厚さが大きく変化す
る原因になっているものと考えられる。さらに、これら
の有機溶媒は引火性も高いため、過充電、過放電やショ
ートなどのアブユース時や高温環境下における安全性も
充分ではない。
【0092】これに対し、本発明電池A、B、Cおよび
比較電池Eでは、非水電解液として、EMIBF4やB
PyBF4といった、常温溶融塩を用いており、これら
の常温溶融塩は、常温で液状でありながら揮発性がほと
んどなく、高温保存によっても気体化することはほとん
どないため、自己放電率が比較的低いだけでなく、電池
厚さの変化もほとんどない原因になっているものと考え
られる。さらに、これらの常温溶融塩は難燃性もしくは
不燃性を有するため、過充電、過放電やショートなどの
アブユース時や高温環境下における安全性にも優れてい
る。
【0093】以上の効果を相乗的に得ることができるた
め、本発明電池A、B、Cは比較電池D、Eに比較し
て、良好な電池性能を得ることができたものと考えられ
る。
【0094】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、非水電解
質が常温溶融塩を主構成成分として含有しているので、
優れた電池性能を保持しながら、過充電、過放電やショ
ートなどのアブユース時や高温環境下において、高い安
全性を発揮できる。
【0095】また、セパレータが、非水電解質に対して
高い濡れ性を有し、かつ非水電解質の侵入を許容する微
孔が、セパレータの少なくとも表面近傍に形成された構
造を有するものであるので、非水電解質がセパレータの
微孔内部にまで確実に吸収され、イオンの通過経路を確
実に確保でき、特に、優れた電池特性と高い液漏れ防止
能を発揮できる。
【0096】請求項2記載の発明によれば、過充電、過
放電やショートなどのアブユース時や高温環境下におい
て、より高い安全性を発揮できる。
【0097】請求項3記載の発明によれば、過充電、過
放電やショートなどのアブユース時や高温環境下におい
て、より高い安全性を発揮でき、さらに、非水電解質中
のリチウムイオンの移動度を充分に得ることができる。
【0098】請求項4記載の発明によれば、より優れた
電池特性と高い液漏れ防止能を発揮できる。
【0099】請求項5記載の発明によれば、公知の架橋
方法によって、有機ポリマー層を形成すれば、前記効果
を容易に得ることができる。
【0100】請求項6記載の発明によれば、非水電解質
電池に耐久性を付与できるだけでなく、より高い安全性
を付与できる。
【0101】請求項7記載の発明によれば、適切に架橋
された有機ポリマー層を短時間で容易に得ることが可能
となる。
【0102】請求項8記載の発明によれば、非水電解質
電池の小型軽量化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の非水電解質リチウム二次電池の断
面図である。
【図2】本発明電池A、B、Cおよび比較電池D、Eの
充放電サイクル特性を示す図である。
【符号の説明】
1 正極 11 正極合剤 12 正極集電体 2 負極 21 負極合剤 22 負極集電体 3 セパレータ 4 極群 5 金属樹脂複合フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H011 AA00 AA13 AA17 CC02 CC06 CC08 DD13 KK05 5H021 AA01 BB15 CC08 EE04 EE09 EE17 EE23 EE39 HH07 5H029 AJ01 AJ12 AJ14 AJ15 AK03 AK18 AL02 AL03 AL06 AL07 AL08 AL12 AL18 AM07 AM09 BJ03 BJ12 DJ02 DJ04 DJ09 DJ13 EJ01 EJ04 EJ12 HJ02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも正極、負極、セパレータ、お
    よびリチウム塩を含有する非水電解質とを備えた非水電
    解質電池において、前記非水電解質が、少なくとも常温
    溶融塩を主構成成分として含有し、かつ、前記セパレー
    タが、多孔性基材の表面もしくは孔内の少なくとも一部
    に有機ポリマー層が形成されており、かつ、前記孔から
    多孔性基材内部への気体の侵入を許容するように形成さ
    れた構造を有するものであることを特徴とする非水電解
    質電池。
  2. 【請求項2】 前記非水電解質が、(化1)で示される
    骨格を有する四級アンモニウム有機物カチオンを有する
    常温溶融塩を含有するものであることを特徴とする請求
    項1記載の非水電解質電池。 【化1】
  3. 【請求項3】 前記非水電解質が、(化2)で示される
    骨格を有するイミダゾリウムカチオンを有する常温溶融
    塩を含有するものであることを特徴とする請求項1およ
    び2記載の非水電解質電池。 【化2】
  4. 【請求項4】 前記有機ポリマー層が、分子量が170
    〜50,000の範囲である架橋性モノマーを用いて形
    成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の非水電解質電池。
  5. 【請求項5】 前記架橋性モノマーが、不飽和結合を有
    するモノマー、エポキシ基を有するモノマーおよびイソ
    シアナート基を有するモノマーの少なくとも一種である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水
    電解質電池。
  6. 【請求項6】 前記多孔性基材が、ポリオレフィン類を
    主成分とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の非水電解質電池。
  7. 【請求項7】 前記有機ポリマー層が、電離性放射線照
    射により架橋されたことを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の非水電解質電池。
  8. 【請求項8】 金属樹脂複合材料を外装材とすることを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解質
    電池。
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