JP2011060470A - 電池用セパレータとこれを用いてなる電池 - Google Patents

電池用セパレータとこれを用いてなる電池 Download PDF

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Abstract

【課題】耐酸化性にすぐれ、そのうえ、電極に接着性を有する電池用セパレータを提供する。更に、そのような電池用セパレータを用いてなる電池を提供する
【解決手段】本発明によれば、多孔質基材とその少なくとも1つの表面に担持させた架橋ポリマーの層を含む電池用セパレータにおいて、上記架橋ポリマーが
(a)分子中に活性水素を含む反応性基を有する反応性ポリマーと
(b)末端イソシアネート基ポリエステルウレタンプレポリマーとの反応によって得られる架橋ポリマーである電池用セパレータが提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、電池用セパレータとこれを用いてなる電池に関し、詳しくは、ポリエステルウレタン骨格を有する架橋ポリマーの層を多孔質基材に担持させてなる電池用セパレータと、このようなセパレータを用いてなる電池に関する。
近年、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ等の小型の携帯電子機器のための電源として、高エネルギー密度を有するリチウムイオン二次電池が広く用いられている。このようなリチウムイオン二次電池は、シート状の正、負電極と、例えば、ポリオレフィン樹脂多孔質フィルムとを積層し、又は捲回して、例えば、金属缶からなる電池容器に仕込んだ後、この電池容器に電解液を注入し、密封、封口するという工程を経て製造される。
しかし、近年、上記のような小型の携帯電子機器の一層の小型化、軽量化への要望が非常に強く、そこで、リチウムイオン二次電池についても、更なる薄型化と軽量化が求められており、従来の金属缶容器に代えて、ラミネートフィルム型の電池容器も用いられるようになっている。
このようなラミネートフィルム型の電池容器によれば、従来の金属缶容器に比べて、セパレータと電極の電気的接続を維持するための面圧を電極面に十分に加えることができないので、電池の充放電時の電極活性物質の膨張収縮によって、電極間距離が経時により部分的に大きくなり、電池の内部抵抗が増大して、電池特性が低下するほか、電池内部で抵抗のばらつきが生じることによっても、電池特性が低下するという問題が生じる。
また、大面積のシート状電池を製造する場合には、電極間距離を一定に保つことができず、電池内部の抵抗のばらつきによって、電池特性が十分に得られないという問題もあった。
そこで、従来、このような問題を解決するために、電解液相、電解液を含有する高分子ゲル層及び高分子固相との混合相からなる接着性樹脂層によって電極とセパレータを接合することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ポリフッ化ビニリデン樹脂を主成分とするバインダー樹脂溶液をセパレータに塗布した後、これに電極を重ね合わせ、乾燥して、電極積層体を形成し、この電極積層体を電池容器に仕込んだ後、電池容器に電解液を注入して、セパレータに電極を接着した電池を得ることも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、電解液を含浸させたセパレータと正、負の電極を多孔性の接着性樹脂層で接合して、密着させると共に、上記接着性樹脂層中の貫通孔に電解液を保持させて、セパレータに電極を接着した電池とすることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、このような方法によれば、セパレータと電極との間に十分な接着力を得るためには、接着性樹脂層の厚さを厚くしなければならず、また、接着性樹脂に対する電解液量を多くできないので、得られる電池においては、内部抵抗が高くなり、サイクル特性や高レート放電特性が十分に得られない問題があった。
更に、上述したように、セパレータと電極とを接着性樹脂を用いて接着した電池においては、高温環境下に置かれた場合、セパレータと電極との間の接着強度が低下するので、セパレータが熱収縮して、電極間に短絡を生じるおそれがある。また、電池内において、上記接着性樹脂は電解液によって膨潤しているが、しかし、電解液に比べれば、電解質イオンは接着性樹脂中に拡散し難いので、接着性樹脂層は内部抵抗が高く、電池特性に有害な影響を与える。
他方、電池用セパレータのための多孔質基材は、従来、種々の製造方法が知られている。一つの方法として、例えば、ポリオレフィン樹脂からなるシートを製造し、これを高倍率延伸する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。しかし、このように高倍率延伸して得られる多孔質フィルムからなる電池用セパレータは、電池が内部短絡等によって異常昇温した場合のような高温環境下においては、著しく収縮し、場合によっては、電極間の隔壁として機能しなくなるという問題がある。
そこで、電池の安全性を向上させるために、このような高温環境下での電池用セパレータの熱収縮率の低減が重要な課題とされている。この点に関して、高温環境下での電池用セパレータの熱収縮を抑制するために、例えば、超高分子量ポリエチレンと可塑剤を溶融混練し、ダイスからシート状に押し出した後、可塑剤を抽出、除去して、電池用セパレータに用いる多孔質フィルムを製造する方法も知られている(特許文献5参照)。しかし、この方法によれば、上記の方法と反対に、得られる多孔質フィルムは、延伸を経ていないので、強度において十分でない問題がある。
更に、最近になって、電池の高容量化の一環として、電池の充電電圧を高める試みも行われているが、他方、そのように充電電圧を高めた場合には、一般に正極活物質として用いられているコバルトやニッケルとリチウムとの複合酸化物から多くの量のリチウムがデインターカレートされて、それら複合酸化物の酸化状態が高くなり、反応性も高くなって、その結果、特に、セパレータが著しく劣化して、電池性能の劣化を招くという問題がある。
そこで、このような問題を解決するために、セパレータと正極の間にポリテトラフルオロエチレン樹脂のようなフッ素樹脂多孔質層を形成することが提案されている(特許文献6参照)。例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂多孔質層を形成するには、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂懸濁液をセパレータ上に噴霧し、乾燥する方法が好ましいとされているが、このような方法によれば、得られる層は多孔性に富むものの、厚さが大きくなって、電池容量を犠牲にすることとなり、そのうえ、多量の電解液を必要とする。
特開平09−161814号公報 特開平11−329439号公報 特開平10−172606号公報 特開平09−012756号公報 特開平05−310989号公報 特開2007−157459号公報
本発明は、電池用セパレータにおける上述した種々の問題を解決するためになされたものであって、なかでも、耐酸化性にすぐれ、そのうえ、電極に接着性を有する電池用セパレータを提供することを目的とし、更に、そのような電池用セパレータを用いてなる電池を提供することを目的とする。
本発明によれば、多孔質基材とその少なくとも1つの表面に担持させた架橋ポリマーの層を含む電池用セパレータにおいて、上記架橋ポリマーが
(a)分子中に活性水素を含む反応性基を有する反応性ポリマーと
(b)末端イソシアネート基ポリエステルウレタンプレポリマーとの反応によって得られる架橋ポリマーである電池用セパレータが提供される。
更に、本発明によれば、上記セパレータとこれを挟んで積層した正極と負極を含み、架橋ポリマーによって正極と負極の少なくとも一方が接着されてなる電極/セパレータ接合体と、このような電極/セパレータ接合体を有する電池が提供される。
また、本発明によれば、上記セパレータを挟んで正極と負極を積層し、得られた積層体を電池容器内に仕込んだ後、非水電解液を上記電池容器内に注入して、架橋ポリマーによって正極と負極の少なくとも一方が多孔質基材に接着されてなる電極/セパレータ接合体を形成する電池の製造方法が提供される。
本発明による電池用セパレータは、分子中に活性水素を含む反応性基を有する反応性ポリマーを末端イソシアネート基ポリエステルウレタンプレポリマーと反応させて得られる架橋ポリマーの層を多孔質基材に担持させてなるものであり、ここに、上記架橋ポリマーは、耐酸化性にすぐれ、更に、電極との接着性を有する。
従って、このような電池用セパレータに電極を積層し、電極/セパレータ積層体とし、これを電池容器内に仕込んだ後、非水電解液を上記電池容器内に注入して、多孔質基材上の上記架橋ポリマーを電極との界面近傍にて少なくとも一部を膨潤させ、電解液と共に電極活物質に侵入させることによって、セパレータに電極を接着させることができ、かくして、電極/セパレータ接合体を有する電池を得ることができる。
ここに、上記架橋ポリマーは、架橋構造を有するが故に、電解液に膨潤する際、電解液中への過度な溶出拡散は起こらず、電解液に有害な影響を与えることはない。
しかも、上記架橋ポリマーは、反応性ポリマーを末端イソシアネート基ポリカーボネートウレタンプレポリマーにて架橋してなり、ポリエステル構造を含むことから、高い耐酸化性を有するので、このような架橋ポリマーの層を担持してなる本発明による電池用セパレータは、正極との界面における高い酸化性環境に対して高い抵抗性を有し、かくして、エネルギー密度が高く、充放電特性にすぐれる電池を与えることができる。
(多孔質基材)
本発明において、多孔質基材は、厚み3〜50μmの範囲のものが好ましく用いられる。多孔質基材の厚みが3μmよりも薄いときは、強度が不十分であって、電池においてセパレータとして用いるとき、電極が内部短絡を起こすおそれがある。他方、多孔質基材の厚みが50μmを越えるときは、そのような多孔質基材をセパレータとして用いる電池は電極間距離が大きすぎて、電池の内部抵抗が過大となる。
また、多孔質基材は、平均孔径0.01〜5μmの細孔を有し、空孔率が20〜95%の範囲のものが用いられ、好ましくは、30〜90%、最も好ましくは、35〜85%の範囲のものが用いられる。空孔率が余りに低いときは、電池のセパレータとして用いた場合に、イオン伝導経路が少なくなり、十分な電池特性を得ることができない。他方、空孔率が余りに高いときは、電池のセパレータとして用いた場合に、強度が不十分であり、所要の強度を得るためには、多孔質基材として厚いものを用いざるを得ず、そうすれば、電池の内部抵抗が高くなるので好ましくない。
更に、多孔質基材は、1500秒/100cc以下、好ましくは、1000秒/100cc以下の通気度を有するものが用いられる。通気度が高すぎるときは、電池のセパレータとして用いた場合に、イオン伝導性が低く、十分な電池特性を得ることができない。また、多孔質基材の強度は、突刺し強度が1N以上であることが好ましい。突刺し強度が1Nよりも小さいときは、電極間に面圧がかかった際に多孔質基材が破断し、内部短絡を引き起こすおそれがあるからである。
また、多孔質基材は、後述する反応性ポリマーとの親和性が高いことが好ましく、そこで、多孔質基材が極性の低い材料からなる場合は、反応性ポリマーとの親和性を向上させるために、その表面をコロナ処理等のような適宜の表面親水化処理を施すことが好ましい。
本発明によれば、多孔質基材は、上述したような特性を有すれば、特に、限定されるものではないが、耐溶剤性や強度を考慮すれば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質フィルムが好適である。しかし、加熱されたときに、樹脂が溶融して、細孔が閉塞する性質を有し、その結果、電池に所謂シャットダウン機能を有せしめることができることから、ポリエチレン樹脂多孔質フィルムは特に好適に用いられる。ポリエチレン樹脂には、エチレンのホモポリマーのみならず、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のα-オレフィンとエチレンとのコポリマーを含むものとする。
特に、本発明によれば、ポリエチレンとして、超高分子量ポリエチレンを用いて得られる多孔質フィルムが多孔質基材として好適に用いられる。超高分子量ポリエチレンとは、重量平均分子量が50万以上、好ましくは、50万〜300万の範囲にあるポリエチレンをいい、種々の市販品を入手することができる。また、超高分子量ポリエチレンの成形加工性や、得られる多孔質フィルムの接着性を高めるために、超高分子量ポリエチレンと他の樹脂との混合物を多孔質フィルムとしてもよい。
更に、本発明によれば、ポリテトラフルオロエチレンやポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、再生セルロース等の多孔質フィルムのほか、紙も多孔質基材として用いることができ、また、上記多孔質フィルムにシリカや酸化チタン、アルミナ、カオリナイト等の無機フィラーやモンモリロナイト等の鉱物フィラーを分散させたものも多孔質基材として用いることができる。
(反応性ポリマー)
本発明において、反応性ポリマーは、分子中に活性水素を含む反応性基を有するポリマーをいい、活性水素を含む反応性基とは、活性水素によってイソシアネート基と反応性を有する基をいい、そのような反応性基として、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
後述するように、本発明によれば、このような反応性ポリマーを末端イソシアネート基ポリエステルウレタンプレポリマーと反応させることによってポリエステルウレタン骨格を有する架橋ポリマーを得ることができる。ここに、末端イソシアネート基ポリエステルウレタンプレポリマーは、ポリエステルジオールとジイソシアネートとの反応によって得ることができる。
上記反応性ポリマーは、好ましくは、上記反応性基を有する第1のラジカル重合性モノマーとそのような反応性基をもたない第2のラジカル重合性モノマーとをラジカル共重合させることによって得ることができる。
反応性基を有するラジカル重合性モノマーは、全モノマー量のうち、0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜5重量%の範囲で用いられる。全モノマー量のうち、反応性基を有するラジカル重合性モノマーが0.1重量%よりも少ないときは、得られる反応性ポリマーを後述する末端イソシアネート基ポリカーボネートウレタンプレポリマーと反応させて、架橋ポリマーを得ても、そのような架橋ポリマーは不溶分率が小さすぎて、電極/セパレータ積層体を電解液中に浸漬したとき、ポリマーの電解液中への溶出、拡散が十分に抑制されず、溶出拡散量が多くなり、その結果、多孔質基材と電極との間の接着を維持できず、不純物により電池の劣化も加速する虞がある。しかし、反応性基を有するラジカル重合性モノマーが10重量%よりも多いときは、得られる架橋ポリマーの架橋密度が大きすぎて、架橋ポリマーが過度に緻密となって、電解液に接触しても十分に膨潤せず、その結果、電極/セパレータ接合体を得ることができず、従って、特性にすぐれた電池を得ることができない。
上記反応性基を有する第1のラジカル重合性モノマーとして、反応性基がカルボキシル基であるものとして、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等を挙げることができ、反応性基がヒドロキシ基であるものとして、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとγ−ブチロラクトン開環付加物等を挙げることができる。また、反応性基がアミノ基であるものとして、例えば、ジアミンと(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートとの1:1反応生成物を挙げることができる。
ここに、(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイルオキシはアクリロイルオキシ又はメタアクリロイルオキシを意味する。
他方、反応性基をもたない第2のラジカル重合性モノマーとしては、好ましくは、一般式(I)
Figure 2011060470
(式中、R1 は水素原子又はメチル基を示し、Aは炭素原子数2又は3のオキシアルキレン基(好ましくは、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基)を示し、R2 は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数1〜6のフッ化アルキル基を示し、nは0〜12の整数を示す。)
で表される(メタ)アクリレートや、一般式(II)
Figure 2011060470
(式中、R3 はメチル基又はエチル基を示し、R4 は水素原子又はメチル基を示す。)
で表されるビニルエステルを挙げることができる。
上記一般式(I) で表される(メタ)アクリレートの具体例として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記一般式(I) で表される(メタ)アクリレートとしては、上記以外にも、例えば、
Figure 2011060470
(各式中、R5 は水素原子又はメチル基を示し、nは0〜12の整数である。)
等を挙げることができる。
また、上記一般式(II)で表されるビニルエステルの具体例として、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げることができる。
前述したように、反応性ポリマーは、反応性基を有する第1のラジカル重合性モノマーと反応性基をもたない第2のラジカル重合性モノマーをラジカル重合開始剤を用いてラジカル共重合させることによって得ることができる。このラジカル共重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等、いずれの重合法によってもよいが、重合の容易さ、分子量の調整、後処理等の点から溶液重合や懸濁重合によるのが好ましい。
上記ラジカル重合開始剤は、特に、限定されるものではないが、例えば、N,N’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルN,N’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が用いられる。また、このラジカル共重合において、必要に応じて、メルカプタン等のような分子量調整剤を用いることができる。
本発明において、反応性ポリマーは、その重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。反応性ポリマーの重量平均分子量が10000よりも小さいときは、これより得られる架橋ポリマーが電解液に膨潤し難く、得られる電池の特性を低下させる。他方、反応性ポリマーの重量平均分子量の上限は、特に制限されるものではないが、これより得られる架橋ポリマーが電解液をゲルとして保持し得るように、300万程度であり、好ましくは、250万程度である。特に、本発明によれば、反応性ポリマーは、重量平均分子量が100000〜2000000の範囲にあるのが好ましい。
(末端イソシアネート基ポリエステルウレタンプレポリマー)
本発明において、末端イソシアネート基ポリエステルウレタンプレポリマーは、ポリエステルジオールとジイソシアネートをNCO/OHモル比1.2〜2.5の範囲で反応させることによって得られるオリゴマーである。上記NCO/OHモル比によって、得られるエステル型ウレタンプレポリマーの分子量は変化するが、NCO/OHモル比を上記範囲にするとき、分子の両末端が実質的にイソシアネート基であるポリエステルウレタンプレポリマーを得ることができる。
ポリエステルジオールは、既によく知られているように、例えば、2価アルコールと2価カルボン酸を重縮合する方法や、ラクトンやラクタムの開環重合等によって得ることができる。
2価アルコールと2価カルボン酸の重縮合によってポリエステルジオールを得る場合、原料として用いる2価アルコールとしては、1分子中に2個の活性水素基を含有する化合物であれば、特に限定されるものではなく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。これら2価アルコールは、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
原料として用いる2価カルボン酸としては、1分子中に2個のカルボキシル基を含有する化合物であれば、特に限定されるものではなく、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の2価カルボン酸やその誘導体、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等の2価カルボン酸無水物等を挙げることができる。これらの2価カルボン酸も、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
また、ラクトンやラクタムの開環重合によってポリエステルポリオールを得る場合、用いるラクトンやラクタム化合物も特に制限されず、ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンや、これらの開環物を単独で、又は2種類以上を併用して用いることができる。
本発明によれば、用いるポリエステルジオールは、一般式(III)
Figure 2011060470
(式中、Raは2価アルコール残基を示し、Rbは2価カルボン酸残基を示す。)
で表される。
ここで、上記2価アルコール残基とは、その2価アルコールから2つのヒドロキシル基を除いて得られる2価の有機基をいう。同様に、上記2価カルボン酸残基とは、その2価カルボン酸又はその酸無水物から2つのカルボキシル基又はそのカルボキシル基から形成される酸無水物基を除いて得られる有機基をいう。
他方、ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の芳香族、芳香脂肪族、脂環族、脂肪族のジイソシアネート等を挙げることができる。
(架橋ポリマーと電池用セパレータ)
本発明によれば、前記反応性ポリマーと上記ウレタンプレポリマーを反応させることによって、反応性ポリマーがこのプレポリマーによって架橋されて、ポリカーボネートウレタン骨格を有する架橋ポリマーを得ることができる。本発明による電池用セパレータは、前記多孔質基材にこのような架橋ポリマーの層を担持させてなるものである。即ち、本発明による電池用セパレータは、多孔質基材とこれに担持させた上記架橋ポリマーの層を含んでなるものである。
本発明によれば、目的とする電池用セパレータの機能によって、架橋ポリマーの層は、多孔質基材の少なくとも1つの表面に担持させればよく、また、後述するように、架橋ポリマーの層は、連続した層のみならず、種々の態様にて担持させることもできる。
架橋ポリマーを多孔質基材に担持させるには、例えば、反応性ポリマーとウレタンプレポリマーをアセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン等の適宜の溶剤に溶解させ、得られた溶液を多孔質基材にキャスティング、スプレー塗布等、適宜の手段にて塗布した後、加熱して、用いた溶剤を除去した後、又は加熱して、用いた溶剤を除去しつつ、反応性ポリマーをウレタンプレポリマーと反応させて、架橋させればよい。
別の方法として、上記反応性ポリマーとウレタンプレポリマーを含む溶液を剥離性シートに塗布し、乾燥させて、剥離性シート上に反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの混合物を含む薄層を形成した後、この剥離性シートを多孔質基材に重ねて加熱加圧し、上記反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの混合物からなる薄層を多孔質基材に転写し、その後、多孔質基材上の上記反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの混合物からなる薄層を加熱して、反応性ポリマーをウレタンプレポリマーと反応させて、架橋させればよい。いずれの方法においても、反応性ポリマーとウレタンプレポリマーを反応させるためには、例えば、90℃で48時間、加熱すればよい。
また、上記いずれの方法においても、反応性ポリマーとウレタンプレポリマーを含む溶液を調製し、これを加熱して、生成する架橋ポリマーが溶液中にて相分離しない程度に、予め、反応性ポリマーとウレタンプレポリマーを一部、反応させ、架橋させた後、このような溶液を多孔質基材や剥離性シートに塗付し、加熱して、溶剤を除去し、更に、加熱して、反応性ポリマーをウレタンプレポリマーと反応させて、架橋させてもよい。
上記剥離性シートとしては、代表的には、ポリプロピレン樹脂シートが好ましく用いられるが、これに限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、塩化ビニル、エンジニアプラスチック等のシート、紙(特に、樹脂含浸紙)、合成紙、これらの積層体等が用いられる。これらのシートは、必要に応じて、シリコーン系や長鎖アルキル系等の化合物で背面処理されていてもよい。
反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの反応によるポリカーボネートウレタン骨格を有する架橋ポリマーの層を多孔質基材に担持させるに際して、用いる反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの割合は、反応性ポリマー中の反応性基の量、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基の量のほか、反応性ポリマーやウレタンプレポリマーの分子量等の性質にもよるが、通常、反応性ポリマー100重量部に対して、ウレタンプレポリマー10〜150重量部の範囲である。反応性ポリマー100重量部に対するウレタンプレポリマーの割合が10重量部よりも少ないときは、得られる架橋ポリマーが満足すべき耐酸化性をもたない。他方、反応性ポリマー100重量部に対するウレタンプレポリマーの割合が150重量部よりも多いときは、得られる架橋ポリマーの架橋密度が高すぎて、このような架橋ポリマーを担持した多孔質基材を電池の製造に用いても、特性のすぐれる電池を得ることができない。
本発明において、多孔質基材への反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの担持量、即ち、架橋ポリマーの担持量は、用いる反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの種類や、それらを多孔質基材に担持させる態様等にもよるが、通常、0.2〜5.0g/m2の範
囲であり、好ましくは、0.3〜3.0g/m2の範囲である。多孔質基材への架橋ポリ
マーの担持量が少なすぎるときは、得られるセパレータが電極に対して十分な接着力をもたない。反対に、担持量が多すぎるときは、得られるセパレータを用いてなる電池が特性において低下するので、好ましくない。
本発明によれば、反応性ポリマーとウレタンプレポリマーとの反応によって得られる架橋ポリマーは、50〜99重量%、好ましくは、60〜97重量%、更に好ましくは、70〜95重量%の範囲の不溶分率を有する。ここに、不溶分率とは、架橋ポリマーを担持させた多孔質基材を酢酸エチルに室温で攪拌下に6時間浸漬した後、多孔質基材上に残存する架橋ポリマーの割合をいう。
(電池)
上述したようにして得られる本発明によるセパレータに電極を積層し、例えば、本発明によるセパレータを挟んで正極と負極を積層し、必要に応じて、これらを加熱下に加圧して、圧着し、かくして、電極をセパレータに仮接着し、貼り合わせることによって、電極/セパレータ積層体を得ることができる。
本発明において、電極、即ち、負極と正極は、電池によって相違するが、一般に、導電性基材に活物質と、必要に応じて、導電剤とを樹脂バインダーを用いて、担持させてなるシート状のものが用いられる。
本発明において、電極/セパレータ積層体は、セパレータに電極が積層されておればよい。従って、電池の構造や形態に応じて、電極/セパレータ積層体として、例えば、負極/セパレータ/正極、負極/セパレータ/正極/セパレータ等が用いられる。また、電極/セパレータ積層体は、シート状でもよく、また、捲回されていてもよい。
本発明によるセパレータを用いる電池の製造について説明する。上述したように、電極をセパレータに積層し、又は捲回して、仮接着して、電極/セパレータ積層体を得、次いで、この積層体を金属管やラミネートフィルム等からなる電池容器内に仕込み、端子の溶接等が必要な場合にはこれを行った後、この電池容器内に非水電解液を所定量注入し、電池容器を密封、封口して、セパレータに担持させた架橋ポリマーを電極との界面近傍にて少なくともその一部を電解液により膨潤させ、電極活物質間の空隙に侵入させて、多孔質基材と電極の両方に対してアンカー効果を発現させることによって、架橋ポリマーによって多孔質基材に電極が接着された電極/セパレータ接合体を得ることができ、かくして、電極/セパレータ接合体を有する電池を得ることができる。
本発明によれば、多孔質基材上に担持されている架橋ポリマーは、前述したように、高い不溶分率を有するので、電池の製作に際して、電解液に浸漬されたときにも、電解液中への溶出、拡散は抑制される。従って、電池の製造において、架橋ポリマーが電解液中に溶出して、電池特性を低下させることは殆どない。
また、一般に、電極の電解液に対する濡れ性は、初期の充放電によって、劇的に向上する。そして、濡れ性の向上と共に、電解液により膨潤した架橋ポリマーも、電極活物質間の空隙に更に侵入して、セパレータ/電極間の接着を一層、強固なものとする。
本発明によれば、電極/セパレータ積層体を電池容器内に仕込み、電池容器内に電解液を注入した後、加熱することにより、多孔質基材に担持させた架橋ポリマーと電極とを一層、密着させることができる。ここに、上記加熱の条件は、電池を構成する材料の耐熱性や生産性との兼ね合いにもよるが、通常、40〜100℃の温度で0.5〜24時間程度とすればよい。
本発明によれば、得られる電池において、電極とセパレータの接着力は、通常、0.05N/cm以上であり、好ましくは、0.1N/cm以上である。この接着力が低すぎるときは、何らかの原因で電池の内部温度が異常昇温したような場合に、セパレータが収縮したり、セパレータが電極間の距離を一定に保持できなくなる虞がある。更に、本発明による電池用セパレータにおいて、架橋ポリマーは、上述したように、1つには、電極をセパレータに接着させるための接着剤として機能し、電極/セパレータ接合体を形成するために有用である。このように、電極/セパレータ接合体を形成することによって、電池において、電極とセパレータがずれて電極が露出したり、セパレータが収縮して電極が露出したりすることを抑制することができる。
特に、本発明によれば、得られる電池において、セパレータは電極に接着されており、従って、例えば、電池が150℃のような高温環境下に置かれても、セパレータ(厳密には、多孔質基材)は面積熱収縮率が小さく、通常、20%以下であり、好ましくは、15%以下である。
このように、本発明によれば、架橋ポリマーは接着剤としての機能を満足する限り、多孔質基材に架橋ポリマーの層を担持させる態様は特に制限されることがなく、従って、架橋ポリマーの層を多孔質基材の表面全体に担持させてもよく、また、場合によっては、部分的に、即ち、例えば、筋状、斑点状、格子目状、縞状、亀甲模様状等に部分的に架橋ポリマーの層を担持させてもよい。更に、架橋性ポリマーの層は、多孔質基材の一方の表面にのみ担持させてもよく、また、両方の表面に担持させてもよい。
更に、本発明による電池用セパレータにおいて、架橋ポリマーは、前述したように、ウレタンプレポリマーを架橋剤として反応性ポリマーを架橋してなる架橋構造を有し、ポリエステル骨格を有することから、高い耐酸化性を有し、従って、本発明によるセパレータは、1つには、これを構成する多孔質基材に高い耐酸化性を与える機能を有し、有用である。特に、セパレータ基材がポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン樹脂の多孔質フィルムである場合には、前述したように、充電電圧を高くするとき、正極活物質が高い酸化状態を有し、高い酸化反応性を有するために、セパレータが損傷し、劣化しやすいが、しかし、このような場合にも、前記架橋ポリマーの層を担持したポリオレフィン樹脂多孔質フィルムからなるセパレータをその架橋ポリマーの層が正極側に位置するように電極/セパレータ接合体を形成することによって、セパレータにすぐれた耐酸化性を有せしめることができ、かくして、エネルギー密度が高く、充放電特性にすぐれる電池を得ることができる。
上記非水電解液は、電解質塩を適宜の有機溶媒に溶解してなる溶液である。上記電解質塩としては、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム等アルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、第三級又は第四級アンモニウム塩等をカチオン成分とし、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、ヘキサフルオロリン酸、過塩素酸等の無機酸、カルボン酸、有機スルホン酸又はフッ素置換有機スルホン酸等の有機酸をアニオン成分とする塩を用いることができる。これらのなかでは、特に、アルカリ金属イオンをカチオン成分とする電解質塩が好ましく用いられる。
このようなアルカリ金属イオンをカチオン成分とする電解質塩の具体例としては、例えば、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸アルカリ金属、テトラフルオロホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム等のテトラフルオロホウ酸アルカリ金属、ヘキサフルオロリン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム等のへキサフルオロリン酸アルカリ金属、トリフルオロ酢酸リチウム等のトリフルオロ酢酸アルカリ金属、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等のトリフルオロメタンスルホン酸アルカリ金属を挙げることができる。
特に、本発明に従って、リチウムイオン二次電池を得る場合には、電解質塩としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム等が好適に用いられる。
更に、本発明において用いる上記電解質塩のための溶媒としては、上記電解質塩を溶解するものであればどのようなものでも用いることができるが、非水系の溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類や、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類や、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状エステル類を単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下において、多孔質基材の物性と電池特性は以下のようにして評価した。
(多孔質基材の厚み)
1/10000mmシックネスゲージによる測定と多孔質基材の断面の10000倍走査型電子頭微鏡写真に基づいて求めた。
(多孔質基材の空孔率)
多孔質基材の単位面積S(cm2)当たりの重量W(g)、平均厚みt(cm)及び多
孔質基材を構成する樹脂の密度d(g/cm3)から下式にて算出した。
空孔率(%)=(1−(W/S/t/d))×100
(多孔質基材の通気度)
JIS P 8117に準拠して求めた。
(多孔質基材の突き刺し強度)
カトーテック(株)製圧縮試験磯KES−G5を用いて、多孔質基材の突き刺し試験を行った。測定により得られた荷重変位曲線から最大荷重を読みとり、突き刺し強度とした。針は直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用いて、2cm/秒の速度で行った。
(架橋ポリマーの不溶分率)
既知の量Aの架橋ポリマーを担持した多孔質基材を秤量して、その重量Bを測定した。次に、この架橋ポリマー担持多孔質基材を酢酸エチルに室温で6時間浸漬した後、風乾した。その後、このように処理した架橋ポリマー担持多孔質基材を秤量して、その重量Cを測定した。架橋ポリマーの不溶分率は次式にて算出した。
不溶分率(%)=((A−(B−C))/A)×100
参考例1
(電極シートの調製)
正極活物質であるコバルト酸リチウム(日本化学工業(株)製セルシードC−10)85重量部と導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製デンカブラック)10重量部とバインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製KFポリマーL#1120)5重量部を混合し、これを固形分濃度15重量%となるように、N−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。このスラリーを厚み20μmのアルミニウム箔(集電体)上に厚み200μmに塗布し、80℃で1時間、120℃で2時間真空乾燥した後、ロールプレスにて加圧して、活物質層の厚みが100μmの正極シートを調製した。
また、負極活物質であるメソカーボンマイクロビーズ(大阪ガスケミカル(株)製MCMB6−28)80重量部と導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製デンカブラック)10重量部とバインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製KFポリマーL#1120)10重量部を混合し、これを固形分濃度15重量%となるように、N−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。このスラリーを厚み20μmの銅箔(集電体)上に塗工して厚み200μmに塗布し、80℃で1時間乾燥し、120℃で2時間乾燥した後、ロールプレスにて加圧して、活物質層の厚みが100μmの負極シートを調製した。
参考例2
(ポリエチレン樹脂多孔質フィルムの作製)
ポリノルボルネン樹脂(日本ゼオン(株)製「ノーソレックスNB」3重量%、オレフィン系熱可塑性エラストマー(住友化学(株)製TPE821)16重量%、重量平均分子量100万の超高分子量ポリエチレン(融点137℃)81重量%からなる重合体組成物20重量部と流動パラフィン80重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃の温度で二軸押出機にて溶解混練し、MD(機械方向)への配向に適した平型ダイスにて厚さ8mmのシート状に押出した。これらの混練物を一定の張力下で引取り、一旦、−10℃の不凍液中にて冷却した後、設定温度130℃のベルトプレス機にて厚さ1mmのシートに成形した。このとき、横幅は3倍に圧延されていた。120℃の温度でMD(機械方向)とTD(幅方向)に5x4.5倍に同時二軸延伸して、フィルムを得た。
上記二軸延伸フィルムをブタンに浸漬して、フィルムから上記流動パラフィンを除き、得られた多孔質フィルムを空気中で85℃で6時間熱処理し、次いで、115℃で2時間熱処理して、ポリエチレン樹脂孔質フィルムを得た。
比較例1
前記参考例1で得た負極シート、前記参考例2で得たポリエチレン樹脂多孔質フィルム及び前記参考例1で得た正極シートをこの順序で積層して、電極/多孔質フィルム積層体とし、これをアルミニウムラミネートパッケージ内に仕込み、1.4モル/L濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを溶解させたエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(重量比1/1)混合溶媒からなる電解液を注入した後、パッケージを封口した。この後、0.2CmAの電流で3.5Vに達するまで充電して、ラミネートシール型電池を得た。
(電池特性の評価)
得られた電池について、室温で0.2CmAの電流で2回充放電を行なった後、この電池を下記の3項目の電池特性の評価試験に供した。但し、下記3項目の電池特性の評価試験には、それぞれ別個の電池を用いた。
(レート特性)
電池を0.2CmAで充電し、続いて、0.2CmAで放電して、0.2CmA放電容量Aを求めた。続いて、0.2CmAで充電した後、2CmAで放電して、2CmA放電容量Bを求めた。次式に基づいて、レート特性を算出した。
レート特性(%)=2CmA放電容量B/0.2CmA放電容量A
このように、レート特性を評価した電池を下記の多孔質基材の面積収縮率測定に供した。
(多孔質基材の面積収縮率の測定)
上述した電池特性の評価項目であるレート特性を測定した電池を一対のガラス板の間に挟み、その間の距離が広がらないように上記一対のガラス板の両端をポリイミドテープにて固定して、試験構造物を組み立てた。この試験構造物を150℃の乾燥機に1時間投入した後、放冷し、次いで、試験構造物を分解して、得られた電極/架橋ポリマー担持多孔質基材接合体から多孔質基材を剥がし、これをスキャナーで読み込んで、試験前の多孔質基材の面積と比較して、多孔質基材の面積収縮率を求めた。
(連続充電特性)
電池を温度60℃の恒温槽に入れ、電流0.2CmA、電圧4.25Vの定電流定電圧充電を行なった。0.2CmAの電流での充電において、電池電圧が4.25Vに達すると、電流値が減衰するが、このように、一旦、減少した電流値は、再度、上昇する現象が観測される。この現象は高電圧で活性の高い正極近傍で何らかの化学反応が起こっていることを示唆していると考えられるので、セパレータの耐酸化性を評価する指標として、上述した充電における電流挙動を7日間観測した。この観測において、電流値の上昇が観測された場合、試験の開始から上記電流値の上昇が観測されるまでの時間を計測し、7日間の観測において、上記電流値の増大が観測されなかった場合は「増大なし」とした。
電池における多孔質基材の面積収縮率と共に、電池のレート特性及び連続充電特性を表1に示す。
参考例3
(反応性ポリマーの調製)
還流冷却管を備えた500mL容量の3つ口フラスコにメチルメタクリレート98g、4−ヒドロキシブチルアクリレート2.0g、酢酸エチル25g及びN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.20gを仕込み、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱して、ラジカル重合を開始した。約2時間経過したとき、反応混合物の粘度の上昇が認められ、その後、酢酸エチルを追加しながら、温度をほぼ一定に保ち、更に、8時間重合を続けた。
反応終了後、得られた反応混合物を40℃まで冷却し、酢酸エチルを加えた後、全体が均一になるまで加熱攪拌混合して、反応性ポリマー溶液(濃度25重量%)を得た。
次に、このポリマー溶液100gを高速ミキサーで攪拌しながら、ヘプタン600mL中に投入し、ポリマーを析出させた。ポリマーを濾別し、ヘプタンによる洗浄を数回繰り返し、空気中で乾燥させた後、更に、デシケータ中で6時間、真空乾燥して、反応性ポリマーを白色粉末として得た。
(末端イソシアネート基ポリエステルウレタンプレポリマーの調製)
還流冷却管を備えた300mL容量の3つ口フラスコに窒素ガスを導入しながら、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールから得られるポリエステルジオール(DIC(株)製ポリライトOD−X−2068)15gとトルエン34.4gを投入し、攪拌、溶解させた後、ジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製「コロネート2770」)7.94gを混合した。均一に攪拌、混合した後、60℃に加熱し、15時間反応させた。室温に冷却し、更に、トルエン126.17gを加え、12.5重量%濃度のウレタンプレポリマー溶液を得た。
実施例1
参考例3で得られた反応性ポリマー3gを室温でトルエンに溶解させ、10重量%濃度の反応性ポリマー溶液30gを調製し、これと参考例3で得られた12.5重量%濃度のウレタンプレポリマー溶液10.8gを混合し、攪拌した。更に、得られた混合溶液にトルエン31.7gを加えて、固形分濃度6重量%の塗工液を調製した。
この塗工液をポリプロピレン樹脂シートの片面にスピンコーターを用いて塗布した後、50℃で1時間加熱してトルエンを揮発させ、反応性ポリマーと上記ウレタンプレポリマーの混合物からなる薄層をプロピレン樹脂シート上に形成した。
このプロピレン樹脂シートを反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの混合物からなる薄層が参考例2で得られたポリエチレン樹脂多孔質フィルムに接触するように重ねて積層物とし、これを温度125℃に加熱したラミネートロールに通して加熱加圧して、反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの混合物からなる薄層をポリエチレン樹脂多孔質フィルムの片面に転写した。
次いで、上記薄層を有するセパレータとプロピレン樹脂シートからなる積層物を90℃で48時間加熱し、反応性ポリマーとウレタンプレポリマーを反応させ、上記反応性ポリマーを架橋させて、架橋ポリマーとした後、プロピレン樹脂シートを剥がして、片面に担持量0.5g/m2にて架橋ポリマーを担持したポリエチレン樹脂多孔質フィルムを得た
前記参考例1で得た負極シート、上記架橋ポリマーを担持したポリエチレン樹脂多孔質フィルム及び前記参考例1で得た正極シートを多孔質フィルム上の架橋ポリマーが正極シ
ートに対面するようにこの順序に積層して、電極/架橋ポリマー担持ポリエチレン樹脂多孔質フィルム積層体とし、これをアルミニウムラミネートパッケージ内に仕込み、1.4モル/L濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを溶解させたエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(重量比1/1)混合溶媒からなる電解液を注入した後、パッケージを封口した。この後、0.2CmAの電流で3.5Vに達するまで充電した後、50℃の恒温機に24時間投入して、電極シートとポリエチレン樹脂多孔質フィルムの接着を促進し、ラミネートシール型電池を得た。
得られた電池について、比較例1と同様にして、多孔質基材の面積収縮率と共に、電池のレート特性及び連続充電特性を表1に示す。
参考例4
(末端イソシアネート基ポリエステルウレタンプレポリマーの調製)
還流冷却管を備えた300mL容量の3つ口フラスコに窒素ガスを導入しながら、アジピン酸とエチレングリコールから得られるポリエステルジオール(DIC(株)製ポリライトOD−X−2355)15gとトルエン34.42gを投入し、攪拌、溶解させた後、ジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製コロネート2770)7.94gを混合した。均一に攪拌、混合した後、60℃に加熱し、15時間反応させた。室温に冷却し、更にトルエン126.2gを加え、12.5重量%濃度のウレタンプレポリマー溶液を得た。
実施例2
参考例3で得られた反応性ポリマー3gを室温でトルエンに溶解させ、10重量%濃度の反応性ポリマー溶液30gを調製し、これと参考例4で得られた12.5重量%濃度のウレタンプレポリマー溶液10.8gを混合し、攪拌した。更に、得られた混合溶液にトルエン31.7gを加えて、固形分濃度6重量%の塗工液を調製した。
この塗工液をポリプロピレン樹脂シートの片面にスピンコーターを用いて塗布した後、50℃で5分間加熱して酢酸エチルを揮発させ、反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの混合物からなる薄層をプロピレン樹脂シート上に形成した。
このプロピレン樹脂シートを反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの混合物からなる薄層が参考例2で得られたポリエチレン樹脂多孔質フィルムに接触するように重ねて積層物とし、これを温度125℃に加熱したラミネートロールに通して加熱加圧して、反応性ポリマーとウレタンプレポリマーの混合物からなる薄層をポリエチレン樹脂多孔質フィルムの片面に転写した。
次いで、上記薄層を有するポリエチレン樹脂多孔質フィルムとプロピレン樹脂シートからなる積層物を90℃で48時間加熱し、反応性ポリマーとウレタンプレポリマーを反応させ、上記反応性ポリマーを架橋させて、架橋ポリマーとした後、プロピレン樹脂シートを剥がして、片面に担持量0.5g/m2にて架橋ポリマーを担持したポリエチレン樹脂
多孔質フィルムを得た。
前記参考例1で得た負極シート、上記架橋ポリマーを担持したポリエチレン樹脂多孔質フィルム及び前記参考例1で得た正極シートを多孔質フィルム上の架橋ポリマーが正極シ
ートに対面するようにこの順序に積層して、電極/架橋ポリマー担持ポリエチレン樹脂多孔質フィルム積層体とし、これをアルミニウムラミネートパッケージ内に仕込み、1.4モル/L濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを溶解させたエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(重量比1/1)混合溶媒からなる電解液を注入した後、パッケージを封口した。この後、0.2CmAの電流で3.5Vに達するまで充電した後、50℃の恒温機に24時間投入して、電極シートとポリエチレン樹脂多孔質フィルムの接着を促進し、ラミネートシール型電池を得た。
得られた電池について、比較例1と同様にして、多孔質基材(ポリエチレン樹脂多孔質フィルム)の面積収縮率と共に、電池のレート特性及び連続充電特性を表1に示す。
参考例5
(末端イソシアネート基ポリエステルウレタンプレポリマーの調製)
還流冷却管を備えた300mL容量の3つ口フラスコに窒素ガスを導入しながら、ポリカプロラクトンを開環重合させて得られるポリエステルジオール(DIC(株)製ポリライトOD−X−640)15gとトルエン34.23gを投入し、攪拌、溶解させた後、ジイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製コロネート2770)7.82gを混合した。均一に攪拌、混合した後、60℃に加熱し、15時間反応させた。室温に冷却し、更にトルエン125.52gを加え、12.5重量%濃度のウレタンプレポリマー溶液を得た。
実施例3
参考例3で得られた反応性ポリマー3gを室温でトルエンに溶解させ、10重量%濃度の反応性ポリマー溶液30gを調製し、これと参考例5で得られた12.5重量%濃度のウレタンプレポリマー溶液10.8gを混合し、攪拌した。更に、得られた混合溶液にトルエン31.7gを加えて、固形分濃度6重量%の塗工液を調製した。
この塗工液をポリプロピレン樹脂シートの片面にスピンコーターと用いて塗布した後、50℃で5分間加熱して、酢酸エチルを揮発させ、反応性ポリマーと上記ウレタンプレポリマーと共にそれらの反応生成物からなる薄層をプロピレン樹脂シート上に形成した。
このプロピレン樹脂シートを上記薄層が参考例2で得られたポリエチレン樹脂多孔質フィルムに接触するように重ねて積層物とし、これを温度125℃に加熱したラミネートロールに通して加熱加圧して、上記薄層をポリエチレン樹脂多孔質フィルムの片面に転写した。
次いで、上記薄層を有するポリエチレン樹脂多孔質フィルムとプロピレン樹脂シートからなる積層物を90℃で48時間加熱し、反応性ポリマーとウレタンプレポリマーを反応させ、上記反応性ポリマーを架橋させて、架橋ポリマーとした後、プロピレン樹脂シートを剥がして、片面に担持量0.5g/m2にて架橋ポリマーを担持したポリエチレン樹脂
多孔質フィルムを得た。
前記参考例1で得た負極シート、上記架橋ポリマーを担持したポリエチレン樹脂多孔質フィルム及び前記参考例1で得た正極シートを多孔質フィルム上の架橋ポリマーが正極シ
ートに対面するようにこの順序に積層して、電極/架橋ポリマー担持ポリエチレン樹脂多孔質フィルム積層体とし、これをアルミニウムラミネートパッケージ内に仕込み、1.4モル/L濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを溶解させたエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(重量比1/1)混合溶媒からなる電解液を注入した後、パッケージを封口した。この後、0.2CmAの電流で3.5Vに達するまで充電した後、50℃の恒温機に24時間投入して電極シートとポリエチレン樹脂多孔質フィルムの接着を促進し、ラミネートシール型電池を得た。
得られた電池について、比較例1と同様にして、多孔質基材(ポリエチレン樹脂多孔質フィルム)の面積収縮率と共に、電池のレート特性及び連続充電特性を表1に示す。
参照例1
参考例2で得られたポリエチレン樹脂多孔質フィルムの片面に空孔率97%、厚さ5μmのポリテトラフルオロエチレン樹脂多孔質フィルムを積層し、担持させた。
前記参考例1で得た負極シートと上記ポリテトラフルオロエチレン樹脂多孔質フィルム担持ポリエチレン樹脂多孔質フィルムと前記参考例1で得た正極シートをポリエチレン樹脂多孔質フィルム上の上記フッ素樹脂多孔質フィルムが正極シ−トに対面するようにこの順序に積層して、電極/フッ素樹脂多孔質フィルム担持ポリエチレン樹脂多孔質フィルム積層体とし、これをアルミニウムラミネートパッケージ内に仕込み、1.4モル/L濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを溶解させたエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(重量比1/1)混合溶媒からなる電解液を注入した後、パッケージを封口した。この後、0.20CmAの電流で3.5Vに達するまで充電してラミネートシール型電池を得た。
このようにして得られた電池について、比較例1と同様にして、連続充電特性を評価した。結果を表1に示すように、連続充電において電流値の増大は認められなかった。
Figure 2011060470
表1から明らかなように、実施例1〜3の結果は、正極シートとポリエチレン樹脂多孔質フィルムの間にフッ素樹脂多孔質フィルムを設けた参照例1の結果とほぼ同等である。即ち、本発明における架橋ポリマーは、参照例1におけるフッ素樹脂多孔質フィルムとほぼ同等の耐酸化性を有する。
このように、本発明による電池においては、正極とセパレータとの間に設けたポリエステルウレタン骨格を有する架橋ポリマーが正極の高い酸化反応性にもかかわらず、酸化劣化せず、従って、電極/セパレータ間の接着の劣化がなく、架橋ポリマーの分解生成物による電池特性の劣化も起こらない。そのうえ、上記架橋ポリマーは、セパレータの保護層としても機能するので、ポリオレフィン樹脂多孔質フィルムをセパレータとして用いても、それらセパレータの酸化劣化を防止することができる。

Claims (9)

  1. 多孔質基材とその少なくとも1つの表面に担持させた架橋ポリマーの層を含む電池用セパレータにおいて、上記架橋ポリマーが
    (a)分子中に活性水素を含む反応性基を有する反応性ポリマーと
    (b)末端イソシアネート基ポリエステルウレタンプレポリマーとの反応によって得られる架橋ポリマーである電池用セパレータ。
  2. 活性水素を含む反応性基がヒドロキシ基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の電池用セパレータ。
  3. 多孔質基材がポリオレフィン樹脂多孔質フィルムである請求項1に記載の電池用セパレータ。
  4. ポリオレフィン樹脂多孔質フィルムがポリエチレン樹脂多孔質フィルムである請求項3に記載の電池用セパレータ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のセパレータとこれを挟んで積層した正極と負極を含み、架橋ポリマーによって正極と負極の少なくとも一方が多孔質基材に接着されてなる電極/セパレータ接合体。
  6. 請求項5に記載の電極/セパレータ接合体を有する電池。
  7. 請求項5に記載の電極/セパレータ接合体と非水電解液を有する電池において、架橋ポリマーの層が少なくとも正極に対面している電池。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載のセパレータを挟んで正極と負極を積層し、得られた積層体を電池容器内に仕込んだ後、非水電解液を上記電池容器内に注入して、架橋ポリマーによって正極と負極の少なくとも一方が多孔質基材に接着されてなる電極/セパレータ接合体を形成する電池の製造方法。
  9. 請求項8に記載の電池の製造方法において、架橋ポリマーの層が少なくとも正極に対面するようにセパレータを挟んで正極と負極を積層する方法。
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