JP3839706B2 - 接着性多孔質膜、それより得られる高分子ゲル電解質とそれらの応用 - Google Patents

接着性多孔質膜、それより得られる高分子ゲル電解質とそれらの応用 Download PDF

Info

Publication number
JP3839706B2
JP3839706B2 JP2001358854A JP2001358854A JP3839706B2 JP 3839706 B2 JP3839706 B2 JP 3839706B2 JP 2001358854 A JP2001358854 A JP 2001358854A JP 2001358854 A JP2001358854 A JP 2001358854A JP 3839706 B2 JP3839706 B2 JP 3839706B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous membrane
polymer
polymer gel
gel electrolyte
electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001358854A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002241533A (ja
Inventor
睦子 山口
慶裕 植谷
敬介 喜井
隆 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2001358854A priority Critical patent/JP3839706B2/ja
Publication of JP2002241533A publication Critical patent/JP2002241533A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3839706B2 publication Critical patent/JP3839706B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/54Electrolytes
    • H01G11/56Solid electrolytes, e.g. gels; Additives therein

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
近年、電気化学素子に広く用いられている固体電解質は、固体状態でイオン伝導性の高い物質であって、なかでも、高分子物質を固体として用いる高分子固体電解質は、最近、次世代リチウムイオン二次電池用電解質として、特に、注目されており、世界的に研究が推進されている。このような高分子固体電解質は、従来の電解質溶液に比べて、液漏れのおそれがなく、また、薄膜にすることができる等、その形状も、自由度が大きい。
【0002】
しかしながら、従来、知られている非水系の高分子固体電解質は、電解質溶液に比べて、イオン伝導度が著しく低いという問題がある。例えば、従来、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等の鎖状ポリマーやポリフォスファゼン等の櫛型ポリマー等のポリマー材料を電解質塩と複合化してなる非水系高分子固体電解質が知られているが、従来、伝導度が室温で10-3S/cmを上回るものは見出されていない。
【0003】
例えば、このような従来の固体電解質を用いた電池によれば、固体電解質が液体電解質に比べてイオン伝導度が著しく劣るので、電池が高い内部抵抗を有することとなり、実用的な充放電を行なうことができない。また、電極の形状が充放電等によって変化するような場合には、固体電解質がそのような電極の形状の変化に追随できない結果、電極と電解質との間の接触が不十分となって、充放電することができなくなる。
【0004】
そこで、近年、このような固体電解質のイオン伝導性を改善するために、例えば、固体電解質に可塑剤としてプロピレンカーボネートやγ−ブチロラクトンのような有機溶媒を配合することが提案されている。
【0005】
例えば、J. Electrochem. Soc., Vol. 137, 1657-1658 (1990)には、過塩素酸リチウムを溶解させたプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの混合溶媒よりなる有機電解液をポリアクリロニトリルでゲル化し、シート状とした高分子ゲル電解質が提案されている。特開平11−16579号公報には、ポリアクリロニトリルと電解質塩と非水溶媒とからなる高分子ゲル電解質が提案されている。また、特開平8−298126号公報には、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシドをポリマー成分とし、溶媒としてγ−ブチロラクトンを用いてなる高分子ゲル電解質が提案されている。
【0006】
しかし、このような高分子ゲル電解質は、強度が低いので、フィルム化するためには、厚みを大きくせざるを得ず、その結果、このような高分子ゲル電解質を挟んで電極を設けて電池を組み立てれば、電極間距離が大きく、内部抵抗が高くなり、十分な充放電を行なうことができない。
【0007】
そこで、このような従来の高分子ゲル電解質における強度上の問題を解決するために、特開平11−40128号公報には、電解質溶液を保持することができる高分子物質、例えば、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体とポリオレフィン樹脂のような樹脂との混合物を加熱、混練し、シートに成形し、延伸して、多孔質膜とし、これに電解質溶液を含浸させ、ゲル化して、高分子ゲル電解質を得る方法が記載されている。また、特開平11−353935号公報には、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン等のような非水電解質を形成するための非水(有機)溶媒と共にゲルを形成するゲル形成性ポリマーからなる繊維、例えば、ポリアクリロニトリル−アクリル酸メチル共重合体樹脂繊維と、上記溶媒に対して耐性を有する繊維、例えば、ポリオレフィン繊維とからなる繊維構造体を形成し、これを上記非水溶媒にてゲル体を形成させ、かくして、高分子ゲル電解質を得る方法が記載されている。
【0008】
このような高分子ゲル電解質においては、いわば補強材である上記ポリオレフィン樹脂やポリオレフィン繊維によって、得られる高分子ゲル電解質は、フィルム形状においても、比較的高い強度を有するものの、実用的な強度を得るためには、これら補強材を相対的に多く用いる必要があり、その結果、電解質溶液を保持することができる高分子物質やゲル形成性ポリマーの配合割合を相対的に少なくせざるを得ない。従って、このような高分子ゲル電解質においては、これら高分子物質やゲル形成性ポリマーが不完全なゲル体を形成しやすく、その結果、液漏れがないという高分子ゲル電解質の本来的な利点が損なわれるうえに、補強材の存在によって、高分子ゲル電解質が完全な一体性と連続性をもたないので、得られる高分子ゲル電解質のイオン伝導性が低くなる問題がある。勿論、電解質溶液を保持する高分子物質やゲル形成性ポリマーの配合割合を多くすれば、得られる高分子ゲル電解質は、高いイオン伝導性を有するが、強度が低くなる。
【0009】
更に、従来より知られている高分子ゲル電解質は、一般に、電極に対する接着性を殆どもたない。従って、従来の固体電解質を電極積層型や断面楕円状捲回型の電池に、例えば、セパレータとして用いるとき、電極間の面圧が不均一となり、また、低くなるために、電極間距離を一定に保つことが困難となって、電極間距離が部分的に大きくなることがある。このように、電池において、電極間距離が部分的に大きい場合には、すぐれた電池特性を得ることが困難である。
【0010】
また、上述したように、高分子ゲル電解質は電池用セパレータとして有用である。ここに、電池用セパレータには、正極と負極との直接接触による短絡を防止すると共に、正極と負極との間のイオン透過性を確保するために、多数の微細孔を有する多孔質膜が用いられている。このような電池用セパレータに用いる多孔質膜には、電池特性に関係して、種々の特性が要求されているが、なかでも、電池特性の向上のために、特に、薄膜化と高強度化が望まれている。
【0011】
従って、従来、電池用セパレータのための多孔質膜は、例えば、特開平9−12756号公報に記載されているように、成形したシートを高倍率延伸する方法にて製造されている。従って、そのような多孔質膜からなる電池用セパレータは、電池が内部短絡等によって異常昇温した場合のような高温環境下では、著しく収縮し、場合によっては、電極間の隔壁として機能しなくなるという問題がある。そこで、電池の安全性を向上させるために、このような高温環境下での電池用セパレータの熱収縮率の低減が重要な課題とされている。この点に関し、高温環境下での電池用セパレータの熱収縮を抑制するために、特開平5−310989号公報には、製造工程中に延伸処理を含まない方法によって、多孔質膜を製造する方法が提案されているが、反面、このようにして得られる多孔質膜は、延伸が施されていないので、強度が十分ではないという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明は、従来の高分子ゲル電解質における上述したような問題を解決するためになされたものであって、イオン伝導性と強度を兼ね備えていると共に、それ自体、接着性を有するイオン伝導性多孔質膜、そのための多孔質膜及びこれらより得られる高分子ゲル電解質、特に、基材多孔質膜にポリマーをマトリックスとして担持させてなり、高温環境下においても、熱収縮率が小さい高分子ゲル電解質を提供することを目的とする。更に、本発明は、このような高分子ゲル電解質を用いてなる電池、コンデンサ又はキャパシタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、(a) ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリシロキサンから選ばれる鎖状ポリマーか、又は(b) 主鎖にポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル又はポリシロキサン構造を有し、側鎖に鎖状オリゴアルキレンオキシド構造を除く構造を有するポリマーを基材多孔質膜に担持させてなり、それ自体で、20mm幅での180°引き剥がし接着力が2N以上の接着性を有することを特徴とする接着性多孔質膜が提供される。
【0014】
また、本発明によれば、(a) ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリシロキサンから選ばれる鎖状ポリマーか、又は(b) 主鎖にポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル又はポリシロキサン構造を有し、側鎖に鎖状オリゴアルキレンオキシド構造を除く構造を有するポリマーと電解質塩とを基材多孔質膜に担持させてなり、それ自体で、20mm幅での180°引き剥がし接着力が2N以上の接着性を有するイオン伝導性接着性多孔質膜が提供される。
【0015】
更に、本発明によれば、基材多孔質膜と、(a) ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリシロキサンから選ばれる鎖状ポリマーか、又は(b) 主鎖にポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル又はポリシロキサン構造を有し、側鎖に鎖状オリゴアルキレンオキシド構造を除く構造を有するポリマーであって、上記基材多孔質膜に担持されていると共に、有機溶媒にて膨潤せしめられたポリマーと、電解質塩とからなることを特徴とする高分子ゲル電解質が提供される。
【0016】
このような高分子ゲル電解質は、本発明に従って、(a) ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリシロキサンから選ばれる鎖状ポリマーか、又は(b) 主鎖にポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル又はポリシロキサン構造を有し、側鎖に鎖状オリゴアルキレンオキシド構造を除く構造を有するポリマーを基材多孔質膜に担持させて、接着性多孔質膜とし、電解質塩を溶解すると共に上記ポリマーを膨潤させる有機溶媒と上記電解質塩とからなる電解液を上記接着性多孔質膜に接触させることによって得ることができる。
【0017】
また、本発明による高分子ゲル電解質は、(a) ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリシロキサンから選ばれる鎖状ポリマーか、又は(b) 主鎖にポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル又はポリシロキサン構造を有し、側鎖に鎖状オリゴアルキレンオキシド構造を除く構造を有するポリマーと第1の電解質塩とを基材多孔質膜に担持させて、イオン伝導性接着性多孔質膜とし、上記ポリマーを膨潤させる有機溶媒とこの有機溶媒に溶解する第2の電解質塩とからなる電解液を上記イオン伝導性接着性多孔質膜に接触させることによっても得ることができる。
【0018】
更に、本発明による高分子ゲル電解質は、(a) ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリシロキサンから選ばれる鎖状ポリマーか、又は(b) 主鎖にポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル又はポリシロキサン構造を有し、側鎖に鎖状オリゴアルキレンオキシド構造を除く構造を有するポリマーと電解質塩とを基材多孔質膜に担持させて、イオン伝導性接着性多孔質膜とし、上記電解質塩を溶解すると共に上記ポリマーを膨潤させる有機溶媒を上記イオン伝導性接着性多孔質膜に接触させることによっても得ることができる。
【0019】
上記のほか、本発明によれば、上記高分子ゲル電解質を用いてなる電池、コンデンサ又はキャパシタが提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明による接着性多孔質膜は、(a) ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリシロキサンから選ばれる鎖状ポリマーか、又は(b) 主鎖にポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル又はポリシロキサン構造を有し、側鎖に鎖状オリゴアルキレンオキシド構造を除く構造を有するポリマーを基材多孔質膜に担持させてなり、それ自体で、20mm幅での180°引き剥がし接着力が2N以上の接着性を有する。
【0021】
本発明において、上記180°引き剥がし粘着力は、JIS Z 0237に準じて、被着体としてステンレス板を用いて測定するものとする。
【0022】
本発明において、基材多孔質膜は、本発明に従ってこれを用いて最終的に得られる高分子ゲル電解質を電池、コンデンサ、キャパシタ等のセパレータとして用いることを考慮すれば、強度を有すると共に、電解液に溶解せず、耐酸化還元性を有すれば、特に、限定されるものではないが、例えば、超高分子量ポリエチレン樹脂を含むポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が好ましく用いられる。
【0023】
同様に、本発明において、基材多孔質膜は、本発明に従ってこれを用いて最終的に得られる高分子ゲル電解質を電池、コンデンサ、キャパシタ等のセパレータとして用いることを考慮すれば、特に、限定されるものではないが、空孔率が30〜95%、好ましくは、33〜90%、特に好ましくは、35〜85%の範囲にある。空孔率が低すぎるときは、イオン伝導経路が少なくなり、例えば、得られる高分子ゲル電解質を電池用セパレータとして用いた場合、十分な電池特性を得ることができない。しかし、空孔率が高すぎるときは、基材多孔質膜が強度において十分でなく、十分な強度を有する基材多孔質膜を得るには、膜厚を大きくせざるを得ず、膜厚をこのように大きくすれば、前述したように、得られる高分子ゲル電解質を電池用セパレータとして用いた場合、内部抵抗を高くする。
【0024】
また、基材多孔質膜は、その通気度が1500秒/100mL以下、好ましくは、1000秒/100mL以下であることが好ましい。通気度が高すぎるときは、得られる高分子ゲル電解質のイオン伝導性が低くなり、例えば、得られる高分子ゲル電解質を電池用セパレータとして用いた場合、十分な電池特性を得ることができない。更に、基材多孔質膜は、25μm当りの針貫通強度が3N以上であることが好ましい。針貫通強度が小さすぎるときは、得られる高分子ゲル電解質を電池用セパレータとして用いた場合、電極間に面圧が加わった際に基材多孔質膜が破断して、内部短絡を引き起こすおそれがある。
【0025】
本発明によれば、このような基材多孔質膜に、(a) ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリシロキサンから選ばれる鎖状ポリマーか、又は(b) 主鎖にポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル又はポリシロキサン構造を有し、側鎖に鎖状オリゴアルキレンオキシド構造を除く構造を有するポリマーを担持させることによって、それ自体で、接着力を有する接着性多孔質膜を得ることができる。
【0026】
上記ポリアルキレンオキシドは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド及びポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)を含むものとし、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート又はポリ(エチレングリコール/プロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレートを含むものとし、ジ(メタ)アクリレートは、ジアクリレート又はジメタクリレートを示すものとする。
【0027】
本発明によれば、上記ポリマーのなかでも、好ましいものの一つとして、例えば、ポリエチレングリコールジメタクリレートを挙げることができる。
【0028】
このようなポリマーを基材多孔質膜に担持させるには、例えば、これらポリマーを適宜の溶媒、通常、有機溶媒に溶解させ、得られた塗工液を基材多孔質膜に塗布したり、また、塗工液中に基材多孔質膜を浸漬した後、加熱乾燥して、上記有機溶媒を除去すればよい。尚、本発明において、接着性多孔質膜は、このように、ポリマーを基材多孔質膜に担持させた結果、基材多孔質膜のすべての空孔中にポリマーが充填されたものをも含むもとする。
【0029】
本発明において、上記有機溶媒は、上記ポリマーを溶解する一方、基材多孔質膜を溶解させなければ、特に、限定されるものではないが、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゼン、トルエン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等や、また、これらの任意の混合溶媒が好ましく用いられる。
【0030】
本発明によれば、基材多孔質膜への上記ポリマーの担持量は、基材多孔質膜1cm2 当り、通常、0.01〜5mgの範囲であり、好ましくは、0.03〜3mgの範囲である。
【0031】
このような本発明による接着性多孔質膜は、それ自体で、接着性を有し、20mm幅での180°引き剥がし接着力が2N以上である。本発明において、接着性多孔質膜の有する接着力の上限は、特に、限定されるものではないが、上記20mm幅での180°引き剥がし接着力にて、通常、20Nである。
【0032】
従って、このような接着性多孔質膜を電極と積層し、又は捲回して、電極が多孔質膜に接着した多孔質膜−電極構造体を形成させた後、これを電池、コンデンサ、キャパシタ等の仕掛品に組み込み、後述するように、これに電解質塩を有機溶媒に溶解させてなる電解液を接触させて、ポリマーを膨潤させ、高分子ゲル電解質を形成して、電池等を組み立てるとき、電極間の面圧を均一に高くすることができるので、容易に電極間距離を一定に保つことができ、かくして、すぐれた特性を有する電池等を得ることができる。
【0033】
本発明によるイオン伝導性接着性多孔質膜は、前記ポリマー、好ましくは、前記ポリエチレングリコールジメタクリレートと共に、電解質塩を前記基材多孔質膜に担持させてなるものであり、上記接着性多孔質膜と同様に、それ自体で、20mm幅での180°引き剥がし接着力が2N以上の接着力を有する。
【0034】
このようなイオン伝導性接着性多孔質膜は、好ましくは、前記ポリマーと共に電解質塩を適宜の溶媒、通常、有機溶媒に溶解させ、得られた塗工液を基材多孔質膜に塗布したり、また、塗工液中に基材多孔質膜を浸漬した後、加熱乾燥して、上記有機溶媒を除去することによって得ることができる。
【0035】
本発明において、上記有機溶媒は、前記ポリマーと共に電解質塩を溶解する一方、基材多孔質膜を溶解させなければ、特に、限定されるものではないが、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゼン、トルエン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン等や、また、これらの任意の混合溶媒が好ましく用いられる。
【0036】
本発明によれば、基材多孔質膜に担持させる電解質塩は、上記ポリマー100重量部に対して、通常、1〜100重量部の割合であることが好ましい。後述するように、本発明による接着性多孔質膜やイオン伝導性接着性多孔質膜から得られる高分子ゲル電解質においても、その電解質塩の担持量は、上記ポリマー100重量部に対して、通常、1〜100重量部の割合とすることが好ましい。
【0037】
本発明において、イオン伝導性接着性多孔質膜を得るために、基材多孔質膜に担持させる上記電解質塩は、特に、限定されるものではなく、このイオン伝導性接着性多孔質膜から得られる本発明による固体電解質の要求特性や用途によって適宜に選択すればよいが、例えば、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属又は3級若しくは4級アンモニウム塩等をカチオン成分とし、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、六フッ化リン酸、過塩素酸等の無機酸又はカルボン酸、有機スルホン酸、フッ素置換有機スルホン酸等の有機酸をアニオン成分とする塩を例示することができる。
【0038】
本発明においては、電解質塩は、上述したなかでも、アルカリ金属イオンをカチオン成分とし、無機酸又は有機酸、後者では、特に、トリフルオロ酢酸や有機スルホン酸をアニオン成分とする電解質塩が好ましい。そのような電解質塩として、例えば、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸アルカリ金属、テトラフルオロホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム等のテトラフルオロホウ酸アルカリ金属、ヘキサフルオロリン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム等のヘキサフルオロリン酸アルカリ金属、トリフルオロ酢酸リチウム等のトリフルオロ酢酸アルカリ金属、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等のトリフルオロメタンスルホン酸アルカリ金属等を挙げることができる。
【0039】
本発明によるイオン伝導性接着性多孔質膜も、それ自体で接着性を有するので、これを電極と積層し、又は捲回して、電極を多孔質膜に接着させた多孔質膜−電極構造体を形成した後、上述したようにして、これを電池、コンデンサ、キャパシタ等の仕掛品に組み込めば、上述したと同じく、すぐれた特性を有する電池等を得ることができる。
【0040】
本発明による高分子ゲル電解質は、基材多孔質膜と、この基材多孔質膜に担持されていると共に、有機溶媒にて膨潤せしめられた前記ポリマーと、このポリマーと共に基材多孔質膜に担持された前記電解質塩とからなるものであり、この電解質塩は、その少なくとも一部が上記有機溶媒中に溶解されていることが好ましい。
【0041】
このような高分子ゲル電解質は、本発明に従って、前記接着性多孔質膜又はイオン伝導性接着性多孔質膜から種々の方法によって得ることができる。
【0042】
即ち、第1の方法によれば、前記ポリマーを基材多孔質膜に担持させ(即ち、接着性多孔質膜を得た後)、電解質塩を溶解すると共に上記ポリマーを膨潤させる有機溶媒と上記電解質塩とからなる電解液を上記接着性多孔質膜に接触させることによって、高分子ゲル電解質を得ることができる。
【0043】
第2の方法によれば、前記ポリマーと第1の電解質塩とを基材多孔質膜に担持させ(即ち、イオン伝導性接着性多孔質膜を得た後)、上記ポリマーを膨潤させる有機溶媒とこの有機溶媒に溶解する第2の電解質塩とからなる電解液を上記イオン伝導性接着性多孔質膜に接触させることによって、高分子ゲル電解質を得ることができる。
【0044】
上記第1又は第2の方法によって、本発明による高分子ゲル電解質を得るにあたって、上記電解液の調製に用いる電解質塩は、特に、限定されるものではなく、前述したイオン伝導性接着性多孔質膜を得るために、基材多孔質膜に担持させるものから適宜に選択すればよい。
【0045】
また、上記第1又は第2の方法によって、本発明による高分子ゲル電解質を得るにあたって、上記電解液の調製に用いる有機溶媒は、用いる電解質塩を溶解すると共に、用いるポリマーを膨潤させることができれば、いずれでもよいが、非水溶媒が好ましく、具体例として、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状エステル類を挙げることができ、これらは単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
【0046】
更に、上記第1又は第2の方法において、電解液における電解質塩の濃度は、特に、限定されるものではないが、通常、0.05〜3モル/Lの範囲であり、好ましくは、0.1〜2モル/Lの範囲である。
【0047】
上記第2の方法においては、基材多孔質膜に第1の電解質塩を担持させて、イオン伝導性接着性多孔質膜とし、次いで、第2の電解質塩を含む電解液によって、このイオン伝導性接着性多孔質膜に第2の電解質塩を担持させるが、ここに、上記第1の電解質塩と第2の電解質塩は、特に、限定されるものではなく、例えば、前述したイオン伝導性接着性多孔質膜を得るために、基材多孔質膜に担持させるものから適宜に選択すればよい。また、第1と第2の電解質塩は、相互に同じでもよく、異なっていてもよい。
【0048】
第3の方法によれば、前記ポリマーと電解質塩とを基材多孔質膜に担持させ(即ち、イオン伝導性接着性多孔質膜を得た後)、上記電解質塩を溶解すると共に上記ポリマーを膨潤させる有機溶媒を上記イオン伝導性接着性多孔質膜に接触させて、上記ポリマーを膨潤させると共に、好ましくは、上記電解質塩の少なくとも一部を上記有機溶媒中に溶解させることによって、高分子ゲル電解質を得ることができる。
【0049】
即ち、この第3の方法は、第2の方法において用いる電解液に代えて、この電解液のための有機溶媒のみをイオン伝導性接着性多孔質膜に接触させ、電解質塩としては、最初に、イオン伝導性接着性多孔質膜を得るために、基材多孔質膜に担持させたもののみを利用するのである。従って、この第3の方法において用いる上記有機溶媒は、好ましくは、上記第1又は第2の方法において、電解液を調製するために用いた有機溶媒と同じでよい。
【0050】
このように、本発明による高分子ゲル電解質は、前述した接着性多孔質膜やイオン伝導性接着性多孔質膜を用いて、種々の方法によって得ることができるが、特に、本発明によれば、上記第2の方法によれば、高イオン伝導性を有する高分子ゲル電解質を容易に短時間で得ることができる。
【0051】
本発明による高分子ゲル電解質は、基材多孔質膜に前記ポリマーをマトリックスとして担持させてなるものであるので、機械的強度を有するのみならず、高温環境下においても、基材多孔質膜自体に比べて、その面積熱収縮率が5%以上低減されている。詳しくは、高分子ゲル電解質の製造に用いた上記有機溶媒に対するポリマーの量にもよるが、面積熱収縮率は、基材多孔質膜自体に比べて、通常、5〜60%の範囲で低減される。
【0052】
本発明によるそれ自体で接着性を有する接着性多孔質膜又はイオン伝導性接着多孔質膜は、電池、コンデンサ、キャパシタ等の製造に有利に用いることができる。
【0053】
即ち、例えば、本発明による接着性多孔質膜又はイオン伝導性接着性多孔質膜を電極と積層し、又はこの積層物を捲回して、電極をこれら多孔質膜と接着させた後、このような多孔質膜−電極構造体に上記有機溶媒又は電解液を含浸させ、電池、コンデンサ、キャパシタ等の仕掛り品を製作した後、適宜の外装体内に組み入れて封口したり、また、上記多孔質膜−電極構造体を適宜の外装体内に組み入れた後、この外装体中に上記有機溶媒又は電解液を注入し、封口する等の方法によって、いわば、その場合で高分子ゲル電解質を形成させ、かくして、本発明による高分子ゲル電解質を用いてなる電池、コンデンサ、キャパシタ等を得ることができる。
【0054】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下において、用いた基材多孔質膜の物性は、次のように評価した。
【0055】
(厚み)
1/10000mmシックネスゲージによる測定と基材多孔質膜の断面の10000倍走査型電子顕微鏡写真に基づいて求めた。
【0056】
(空孔率)
基材多孔質膜の単位面積S(cm2 )当たりの重量W(g)、平均厚みt(cm)及び基材多孔質膜を構成する樹脂の密度d(g/cm3 )から次式にて算出した。
空孔率(%)=(1−(100W/S/t/d))×100
【0057】
(通気度)
JIS P 8117に準拠して測定した。
【0058】
(突き刺し強度)
カトーテック(株)製圧縮試験機KES−G5を用いて、突き刺し試験を行なった。得られた荷重変位曲線から最大荷重を読み取り、膜厚25μm当たりの突き刺し強度を求めた。針は直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用い、2cm/秒の速度で行なった。
【0059】
(伝導度の測定)
実施例にて製造した高分子ゲル電解質と比較例において電解液に浸漬した多孔質膜の伝導度は、それらを白金電極で挟み、温度25℃において、電圧0.5V、周波数範囲5Hz〜1MHzの交流法を用い、複素インピーダンス法にて算出した。
【0060】
(面積熱収縮率の測定)
高分子ゲル電解質の面積熱収縮率は以下のようにして測定した。先ず、ポリマーと電解質塩を有機溶媒に溶解させて、これらを各実施例において基材多孔質膜に担持させたのと同じ組成比率を有するようにポリマー/電解質塩溶液を調製した。次に、ガラス板上、厚み50μmのスペーサで囲った囲いの中に各実施例において用いたのと同じ基材多孔質膜を載置し、この囲い内に上記ポリマー/電解質塩溶液を注入した後、別のガラス板を上記スペーサの上に被せて、これらの2枚のガラス板の間で上記基材多孔質膜を上記ポリマー/電解質塩溶液に浸漬した。この状態でポリマーを上記有機溶媒に膨潤させた後、更に、120℃で1時間加熱処理した。この加熱処理後の高分子ゲル電解質の面積Sと加熱処理前の面積S0 とを比較して、高分子ゲル電解質の面積熱収縮率R=((S−S0)/S0)×100(%)を求めた。
【0061】
別に、電解質塩を有機溶媒に溶解させて、各実施例で用いたのと同じ組成比率の電解液を調製した。次に、ガラス板上、厚み50μmのスペーサで囲った囲いの中に各実施例において用いたのと同じ基材多孔質膜を載置し、囲い内に上記電解液を注入した後、別のガラス板を上記スペーサの上に被せて、これらの2枚のガラス板の間で基材多孔質膜を上記電解液に浸漬し、この状態で120℃で1時間加熱処理した。この加熱処理後の基材多孔質膜の面積Aと加熱処理前の面積A0 とを比較して、基材多孔質膜の面積熱収縮率r=((A−A0)/A0)×100(%)を求めた。
【0062】
高分子ゲル電解質の熱収縮率抑制率Gは、上記基材多孔質膜のみの収縮率rと高分子ゲル電解質の熱収縮率Rとから、G=((r−R)/r)×100(%)によって求めた。
【0063】
実施例1
ポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂(株)製ブレンマーPDE−400)をトルエンに10重量%濃度となるように溶解させて、塗工液を調製した。超高分子量ポリエチレン樹脂(重量平均分子量2.0×106 )からなる基材多孔質膜(膜厚25μm、空孔率40%、平均孔径0.05μm、通気度500秒/100mL、25μm当りの針貫通強度7.0N)をガラス板上に固定し、この基材多孔質膜に上記塗工液をドクターブレードにて塗工した後、80℃に加熱し、上記溶媒トルエンを除去して、上記ポリエチレングリコールジメタクリレートを担持させた接着性多孔質膜を得た。この接着性多孔質膜は、それ自体で接着性を有し、180°引き剥がし粘着力は2.5N/20mm幅であった。
【0064】
過塩素酸リチウムを1モル/L濃度で溶解させたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート混合物(容量比1/2、以下、電解液という。)に上記接着性多孔質膜を5分間浸漬し、上記ポリエチレングリコールジメタクリレートを膨潤させて、高分子ゲル電解質を得た。この高分子ゲル電解質の伝導度は、6.0×10-4S/cmであった。
【0065】
また、この高分子ゲル電解質において、基材多孔質膜へのポリマーの担持量は1.8mg/cm2 であり、上記電解液の担持量は12.5mg/cm2 であった。基材多孔質膜を除く高分子ゲル電解質中の電解液の重量比率は87.4%であった。
【0066】
そこで、上記と同じポリマーを上記電解液に溶解させて、この電解液の重量比率が87.4%であるようなポリマー/電解質塩溶液を調製し、これを用いて、前述したようにして求めた本実施例による高分子ゲル電解質の面積熱収縮率は18%であった。別に、上記と同じ電解液を用いて、前述したようにして、基材多孔質膜の面積熱収縮率を測定したところ、20%であった。従って、本実施例の高分子ゲル電解質における熱収縮率抑制率は10%であった。
【0067】
実施例2
実施例1と同じポリエチレングリコールジメタクリレートをアセトニトリルに10重量%濃度となるように溶解させて、塗工液を調製し、更に、この塗工液にポリエチレングリコールジメタクリレート/過塩素酸リチウム重量比が100/15となるように過塩素酸リチウムを加えた。
【0068】
実施例1と同じ超高分子量ポリエチレン樹脂からなる基材多孔質膜をガラス板上に固定し、この基材多孔質膜に上記塗工液をドクターブレードにて塗工した後、80℃に加熱し、上記溶媒アセトニトリルを除去して、上記ポリエチレングリコールジメタクリレートと過塩素酸リチウムとを担持させたイオン伝導性接着性多孔質膜を得た。このイオン伝導性接着性多孔質膜は、それ自体で接着性を有し、180°引き剥がし粘着力は2.4N/20mm幅であった。
【0069】
次に、過塩素酸リチウムを1モル/L濃度で溶解させたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート混合物(容量比1/2、以下、電解液という。)に上記イオン伝導性接着性多孔質膜を5分間浸漬し、上記ポリエチレングリコールジメタクリレートを膨潤させて、高分子ゲル電解質を得た。この高分子ゲル電解質の伝導度は、7.8×10-4S/cmであった。
【0070】
また、この高分子ゲル電解質において、基材多孔質膜へのポリマーと電解質塩の担持量は2.0mg/cm2 であり、上記電解液の担持量は14.8mg/cm2 であった。基材多孔質膜を除く高分子ゲル電解質中の電解液の重量比率は88.1%であった。
【0071】
そこで、上記と同じポリマーを上記電解液に溶解させて、この電解液の重量比率が88.1%であるようなポリマー/電解質塩溶液を調製し、これを用いて、前述したようにして求めた本実施例による高分子ゲル電解質の面積熱収縮率は18.5%であった。別に、上記と同じ電解液を用いて、前述したようにして、基材多孔質膜の面積熱収縮率を測定したところ、20%であった。従って、本実施例の高分子ゲル電解質における熱収縮率抑制率は7.5%であった。
【0072】
実施例3
実施例1において、基材多孔質膜として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる多孔質膜(膜厚20μm、空孔率70%、平均孔径1.0μm、通気度20秒/100mL、針貫通強度3N)を用いた以外は、実施例1と同様にして、それ自体で接着性を有し、180°引き剥がし粘着力が2.7N/20mm幅である接着性多孔質膜を得た。
【0073】
過塩素酸リチウムを1モル/L濃度で溶解させたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート混合物(容量比1/2、以下、電解液という。)に上記接着性多孔質膜を5分間浸漬して、上記ポリエチレングリコールジメタクリレートを膨潤させて、高分子ゲル電解質を得た。この高分子ゲル電解質の伝導度は、1.2×10-3S/cmであった。
【0074】
また、この高分子ゲル電解質において、基材多孔質膜へのポリマーの担持量は1.9mg/cm2 であり、上記電解液の担持量は14.0mg/cm2 であった。基材多孔質膜を除く高分子ゲル電解質中の電解液の重量比率は88.1%であった。
【0075】
そこで、上記と同じポリマーを上記電解液に溶解させて、この電解液の重量比率が88.1%であるようなポリマー/電解質塩溶液を調製し、これを用いて、前述したようにして求めた本実施例による高分子ゲル電解質の面積熱収縮率は7.5%であった。別に、上記と同じ電解液を用いて、前述したようにして、基材多孔質膜の面積熱収縮率を測定したところ、8%であった。従って、本実施例の高分子ゲル電解質における熱収縮率抑制率は6.25%であった。
【0076】
比較例1
重量平均分子量2.0×106 の超高分子量ポリエチレン樹脂15重量部と流動パラフィン(40℃における動粘度59cst)85重量部を混合して均一なスラリーとし、これを小型ニーダーに仕込み、温度160℃で1時間、加熱、溶解させ、混練した。得られた混練物を0℃に冷却した金属板の間に挟み、急冷して、5mm厚のゲル状シートを得た。このシートをヒートプレスにて温度120℃で0.8mm厚に圧延し、温度125℃で縦横3.5×3.5倍に同時二軸延伸して、圧延延伸フィルムとした後、これをヘプタンに浸漬して、上記流動パラフィンを抽出除去して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムを130℃で20分間、熱処理した。総延伸倍率は77倍とした。このようにして得られた多孔質フィルムは、それ自体では、接着性はなく、20mm幅での180℃引き剥がし粘着力は0であった。
【0077】
過塩素酸リチウムを1モル/L濃度で溶解させたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート混合物(容量比1/2)に上記多孔質フィルムを5分間浸漬した後、その伝導度を測定したところ、0.93×10-3S/cmであった。また、このように電解液を含浸させた多孔質フィルムの面積熱収縮率は20%であった。
【0078】
比較例2
重量平均分子量2.0×106 の超高分子量ポリエチレン樹脂12重量部と実施例1と同じポリエチレングリコールジメタクリレート3重量部とを混合し、これを小型ニーダーに仕込み、温度160℃で1時間、加熱、溶融させ、混練した。得られた混練物を0℃に冷却した金属板の間に挟み、急冷して、5mm厚のゲル状シートを得た。このシートをヒートプレスにて温度120℃で0.8mm厚に圧延し、温度125℃で縦横3.5×3.5倍に同時二軸延伸して、多孔質フィルムを得た。この多孔質フィルムを130℃で20分間、熱処理した。このようにして得られた多孔質フィルムは、それ自体では、接着性は殆どなく、180℃引き剥がし粘着力は0.3N/20mm幅であった。
【0079】
過塩素酸リチウムを1モル/L濃度で溶解させたエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート混合物(容量比1/2)に上記多孔質フィルムを5分間浸漬して、高分子ゲル電解質を得た。この高分子ゲル電解質の伝導度は、0.95×10-3S/cmであった。
【0080】
【発明の効果】
以上のように、本発明による接着性多孔質膜は、特に選択したポリマーを基材多孔質膜に担持させてなり、それ自体で接着力を有し、これに電解質塩を有機溶媒に溶解させてなる電解液を接触させて、上記ポリマーを膨潤させることによって、高分子ゲル電解質を得ることができ、また、本発明によるイオン伝導性接着性多孔質膜は、特に選択したポリマーと電解質塩とを基材多孔質膜に担持させてなり、それ自体で接着力を有し、これに上記電解質塩を溶解する溶媒や、又は上記電解質塩を含む電解液を接触させることにより、同様に、高分子ゲル電解質を得ることができる。
【0081】
ここに、本発明による上記接着性多孔質膜やイオン伝導性接着性多孔質膜は、それ自体で接着力を有するので、例えば、電池、コンデンサ、キャパシタ等の製造において、電極と積層し、又は捲回して、電極をこれら多孔質膜に接着させて、多孔質膜−電極構造体を形成した後、高分子ゲル電解質とすることによって、電極間の面圧を均一に高くして、電極間距離を一定に保つことができ、かくして、すぐれた特性を有する電池等を得ることができる。
【0082】
特に、本発明による高分子ゲル電解質は、基材多孔質膜にポリマーをマトリックスとして担持させてなるものであるので、強度にすぐれると共に、高温環境下においても、面積熱収縮率が基材多孔質膜に比べて、5%以上も低減されていて、小さいので、例えば、電池用セパレータとして有利に用いることができる。

Claims (9)

  1. ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリシロキサンから選ばれる鎖状ポリマーを基材多孔質膜に担持させて、接着性多孔質膜とし、電解質塩を溶解すると共に上記ポリマーを膨潤させる有機溶媒と上記電解質塩とからなる電解液を上記接着性多孔質膜に接触させることを特徴とする高分子ゲル電解質の製造方法。
  2. 基材多孔質膜が空孔率30〜95%、通気度1500秒/100mL以下、25μm当りの針貫通強度3N以上を有するものである請求項1に記載の高分子ゲル電解質の製造方法。
  3. 接着性多孔質膜がそれ自体で、20mm幅での180°引き剥がし接着力が2N以上の接着性を有する物である請求項1に記載の高分子ゲル電解質の製造方法。
  4. 鎖状ポリマーがポリエチレングリコールジメタクリレートである請求項1に記載の高分子ゲル電解質の製造方法。
  5. ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリシロキサンから選ばれる鎖状ポリマーと第1の電解質塩とを基材多孔質膜に担持させて、イオン伝導性接着性多孔質膜とし、上記ポリマーを膨潤させる有機溶媒とこの有機溶媒に溶解する第2の電解質塩とからなる電解液を上記イオン伝導性接着性多孔質膜に接触させることを特徴とする高分子ゲル電解質の製造方法。
  6. ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキレンオキシド、ポリフォスファゼン、ポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリシロキサンから選ばれる鎖状ポリマーと電解質塩とを基材多孔質膜に担持させて、イオン伝導性接着性多孔質膜とし、上記電解質塩を溶解すると共に上記ポリマーを膨潤させる有機溶媒を上記イオン伝導性接着性多孔質膜に接触させることを特徴とする高分子ゲル電解質の製造方法。
  7. 基材多孔質膜が空孔率30〜95%、通気度1500秒/100mL以下、25μm当りの針貫通強度3N以上を有するものである請求項5又は6のいずれかに記載の高分子ゲル電解質の製造方法。
  8. イオン伝導性接着性多孔質膜がそれ自体で、20mm幅での180°引き剥がし接着力が2N以上の接着性を有するである請求項5又は6に記載の高分子ゲル電解質の製造方法。
  9. 鎖状ポリマーがポリエチレングリコールジメタクリレートである請求項5又は6に記載の高分子ゲル電解質の製造方法。
JP2001358854A 2000-12-07 2001-11-26 接着性多孔質膜、それより得られる高分子ゲル電解質とそれらの応用 Expired - Fee Related JP3839706B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001358854A JP3839706B2 (ja) 2000-12-07 2001-11-26 接着性多孔質膜、それより得られる高分子ゲル電解質とそれらの応用

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-373465 2000-12-07
JP2000373465 2000-12-07
JP2001358854A JP3839706B2 (ja) 2000-12-07 2001-11-26 接着性多孔質膜、それより得られる高分子ゲル電解質とそれらの応用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002241533A JP2002241533A (ja) 2002-08-28
JP3839706B2 true JP3839706B2 (ja) 2006-11-01

Family

ID=26605460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001358854A Expired - Fee Related JP3839706B2 (ja) 2000-12-07 2001-11-26 接着性多孔質膜、それより得られる高分子ゲル電解質とそれらの応用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3839706B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019074122A1 (ja) 2017-10-13 2019-04-18 旭化成株式会社 ポリオレフィン微多孔膜及びこれを用いたリチウムイオン二次電池

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003049133A (ja) * 2001-08-07 2003-02-21 Nitto Denko Corp 接着性多孔質膜、それより得られる高分子ゲル電解質とそれらの応用
JP4771626B2 (ja) * 2001-08-07 2011-09-14 日東電工株式会社 イオン伝導性接着性多孔質膜とそれを用いて得られる高分子ゲル電解質
JP6431621B2 (ja) * 2015-11-19 2018-11-28 旭化成株式会社 蓄電デバイス用セパレータ並びにそれを用いた電極体及び蓄電デバイス

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019074122A1 (ja) 2017-10-13 2019-04-18 旭化成株式会社 ポリオレフィン微多孔膜及びこれを用いたリチウムイオン二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002241533A (ja) 2002-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3961569B2 (ja) 複合高分子固体電解質およびそれを用いた非水系電気化学装置
CN103814460B (zh) 隔膜及具有该隔膜的电化学器件
CN102884665B (zh) 改进的堆叠型电池胞或者双电池胞、用于使用该电池胞的二次电池的电极组件及其制造方法
EP2419957B1 (en) Polymer composite electrolyte, battery comprising polymer composite electrolyte and method for preparing the same
JP5174376B2 (ja) 非水リチウムイオン二次電池
KR101923787B1 (ko) 보호막 및 그것을 사용한 세퍼레이터 및 이차 전지
JP5337550B2 (ja) 電池用セパレータとこれを用いてなる電池
JP3539570B2 (ja) ハイブリッド電解質、該電解質の製造方法、および該電解質を用いた電気化学素子の製造方法
JP2003017128A (ja) ゲル状高分子電解質およびこれを用いたリチウム電池
BRPI0517156B1 (pt) Filme poroso e dispositivo eletroquímico
JP2002541633A (ja) 非水系バッテリに用いる細孔質電極又は隔壁及びその製造方法
JPH09293518A (ja) 薄膜状電解質および該電解質を用いた電池
KR20010055968A (ko) 전기 화학 소자를 위한 고분자 전해질
JP4612182B2 (ja) 多孔質フィルムとその製造方法とその利用
JP3839706B2 (ja) 接着性多孔質膜、それより得られる高分子ゲル電解質とそれらの応用
Sannier et al. Lithium metal batteries operating at room temperature based on different PEO-PVdF separator configurations
JPH09302134A (ja) 架橋高分子固体電解質および電池
JP4771626B2 (ja) イオン伝導性接着性多孔質膜とそれを用いて得られる高分子ゲル電解質
JP2002203602A (ja) 電解質成分担持セパレータとその利用とその製造
JPH10199545A (ja) シート電池及びその製造方法
JP2001243988A (ja) 薄膜状電解質
JP4631168B2 (ja) ポリマー電解質
JP2002203533A (ja) ゲル化剤担持セパレータとその利用とその製造
JP2003059479A (ja) 電解質成分担持セパレータとその利用とその製造
JPH1186828A (ja) 電池用セパレータ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060718

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3839706

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120811

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120811

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150811

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees