JP2006012562A - 電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体 - Google Patents

電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】電極/セパレータ間に十分な接着性を有し、電池の製造後は、それ自体、高温の環境下においても、熱収縮の小さいセパレータとして機能する多孔質フィルムを含む電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体を提供する。
【解決手段】分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を有する架橋性ポリマーを用意し、多孔質フィルムに担持させてなる反応性ポリマー担持多孔質フィルムとなし、上記反応性ポリマー担持多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量が0.3〜5.0g/m2 の範囲にあると共に、正極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量/負極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量の比が0.1〜1.0の範囲にある。
【選択図】なし

Description

本発明は、電池の製造に有用であると共に、そのように製造した電池の使用時の安全に寄与することができる正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体とこれを利用する電池の製造方法に関する。
従来、電池の製造方法として、正極と負極との間にこれら電極間の短絡を防止するためのセパレータを挟んで積層し、又は正(負)極、セパレータ、負(正)極及びセパレータをこの順序に積層し、捲回して、電極/セパレータ積層体とし、この電極/セパレータ積層体を電池容器内に仕込んだ後、この電池容器内に電解液を注入して、封口する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、このようにして得られる電池における問題として、長時間にわたって電池を高温環境下に置いたり、過充電した場合や、また、電池の内部又は外部で電極間に短絡が生じた場合、電池が異常に発熱して、急激に温度が上昇し、電池内部の電解液が外部に噴出し、場合によっては、破壊するおそれさえあった。
他方、特に、積層型の電池の製造においては、多くの場合、ポリフッ化ビニリデン樹脂溶液を接着剤として用いて、電極とセパレータとを接着した後、減圧下に上記樹脂溶液に用いた溶剤を除去する方法が採用されている。しかし、このような方法によれば、工程が煩雑であるうえに、得られる製品の品質が安定し難く、更に、電極とセパレータとの接着が十分ではないという問題もあった(例えば、特許文献3参照)。
また、電池用セパレータのための多孔質フィルムは、従来、種々の製造方法が知られている。一つの方法として、例えば、ポリオレフィン樹脂からなるシートを製造し、これを高倍率延伸する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。しかし、このように高倍率延伸して得られる多孔質膜からなる電池用セパレータは、電池が内部短絡等によって異常昇温した場合のような高温環境下においては、著しく収縮し、場合によっては、電極間の隔壁として機能しなくなるという問題がある。
そこで、電池の安全性を向上させるために、このような高温環境下での電池用セパレータの熱収縮率の低減が重要な課題とされている。この点に関して、高温環境下での電池用セパレータの熱収縮を抑制するために、例えば、超高分子量ポリエチレンと可塑剤を溶融混練し、ダイスからシート状に押し出した後、可塑剤を抽出、除去して、電池用セパレータに用いる多孔質膜を製造する方法も知られている(特許文献5参照)。しかし、この方法によれば、上記の方法と反対に、得られる多孔質膜は、延伸を経ていないので、強度において十分でない問題がある。
特開平09−161814号公報 特開平11−329439号公報 特開平10−172606号公報 特開平09−012756号公報 特開平05−310989号公報
本発明は、セパレータに電極を接着してなる電池の製造における上述した問題を解決するためになされたものであって、電極/セパレータ間に十分な接着性を有すると共に、内部抵抗が低く、高レート特性にすぐれた電池を製造するために好適に用いることができ、しかも、電池の製造後は、それ自体、高温の環境下に置かれても、溶融や破膜することなく、熱収縮の小さいセパレータとして機能する多孔質フィルムを含む電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体と、そのような正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体を用いる電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を有する架橋性ポリマーを用意し、この架橋性ポリマーをポリカルボン酸と反応させて、一部、架橋させてなる反応性ポリマーを多孔質フィルムに担持させて反応性ポリマー担持多孔質フィルムとし、この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにこれを挟んで正極と負極を積層してなる正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体において、上記反応性ポリマー担持多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量が0.3〜5.0g/m2 の範囲にあると共に、正極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量/負極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量の比が0.1〜1.0の範囲にあることを特徴とする電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体が提供される。
更に、本発明によれば、上記正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極接合体を電池容器内に仕込んだ後、カチオン重合触媒を含む電解液を上記電池容器内に注入して、少なくとも多孔質フィルムと電極との界面の近傍にて、上記反応性ポリマーの少なくとも一部を電解液中で膨潤させ、又は電解液中に溶出させ、カチオン重合させて、電解液の少なくとも一部をゲル化させて、多孔質フィルムと電極を接着することを特徴とする電池の製造方法が提供される。
本発明による電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体においては、その反応性ポリマーがポリカルボン酸によって一部、架橋されているが、更に、その未反応の反応性基によって、カチオン重合性を有している。
従って、このような正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体を電池容器内に仕込んだ後、カチオン重合触媒を含む電解液を上記電池容器内に注入して、少なくとも多孔質フィルムと電極との界面の近傍にて、上記反応性ポリマーの少なくとも一部を電解液中で膨潤させ、又は電解液中に溶出させ、反応性ポリマーの有する反応性基をカチオン重合させ、反応性ポリマーを更に架橋させて、電解液の少なくとも一部をゲル化させることによって、多孔質フィルムと電極が強固に接着された電極/多孔質フィルム接合体を有する電池を得ることができる。
ここに、上記正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体においては、反応性ポリマーが予め、一部、架橋されているので、正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体を電解液に浸漬したとき、反応性ポリマーは、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体からの電解液中への溶出、拡散が抑制されつつ、膨潤するので、その結果、少量の反応性ポリマーを用いることによって、電極を多孔質フィルム(セパレータ)に接着することができると共に、多孔質フィルムがイオン透過性にすぐれているので、セパレータとしてよく機能する。また、反応性ポリマーが電解液に過度に溶出、拡散して、電解液に有害な影響を与えることもない。
更に、本発明によれば、正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体において、多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量と共に、正極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量/負極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量の比とをそれぞれ所定の範囲にすることによって、得られる電池において、その特性と電極と多孔質フィルム(セパレータ)との間の接着特性との間に適切なバランスを有せしめることができ、更に、セパレータとして機能する多孔質フィルムと電極とを強固に接着することができるので、高温の環境下に置かれても、セパレータは溶融、破膜せず、熱収縮か小さいので、安全性にすぐれる電池を得ることができる。
かくして、本発明の正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体を用いることによって、電極/セパレータ間に強固な接着を有する電極/セパレータ接合体を電池の製造過程においてその場で形成しつつ、多孔質フィルムと電極との間の接着性と電池特性との間にバランスがとれており、更に、安全性にすぐれる電池を容易に得ることができる。
本発明は、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を有する架橋性ポリマーを用意し、この架橋性ポリマーをポリカルボン酸と反応させて、一部、架橋させてなる反応性ポリマーを多孔質フィルムに担持させて反応性ポリマー担持多孔質フィルムとし、この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにこれを挟んで正極と負極を積層してなる正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体において、上記反応性ポリマー担持多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量が0.3〜5.0g/m2 の範囲にあると共に、正極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量/負極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量の比が0.1〜1.0の範囲にあるものである。
本発明において、多孔質フィルムは、電池の製造後にはセパレータとして機能するものであるので、膜厚3〜100μmの範囲のものがよい。膜厚が3μmよりも薄いときは、強度が不十分であって、電池においてセパレータとして用いた場合に内部短絡を起こすおそれがあり、他方、100μmを越えるときは、電極間距離が大きすぎて、電池の内部抵抗が過大となる。特に、好ましくは、基材多孔膜フィルムは、膜厚5〜50μmの範囲のものがよい。また、多孔質フィルムは、平均孔径0.01〜5μmの細孔を有し、空孔率が20〜80%、好ましくは、25〜75%の範囲のものが用いられる。多孔質フィルムの空孔率が余りに低いときは、電池のセパレータとして用いた場合に、イオン伝導経路が少なくなり、十分な電池特性を得ることができない。他方、空孔率が余りに高いときは、電池のセパレータとして用いた場合に、強度が不十分であり、所要の強度を得るためには、多孔質フィルムとして厚いものを用いざるを得ず、そうすれば、電池の内部抵抗が高くなるので好ましくない。
本発明によれば、多孔質フィルムは、上述したような特性を有すれば、特に、限定されるものではないが、耐溶剤性や耐酸化還元性を考慮すれば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質フィルムが好適である。しかし、なかでも、加熱されたとき、樹脂が溶融して、細孔が閉塞する性質を有し、従って、電池に所謂シャットダウン機能を有せしめることができるところから、多孔質フィルムとしては、ポリエチレンが特に好適である。ここに、ポリエチレンには、エチレンのホモポリマーのみならず、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のα−オレフィンとエチレンとのコポリマーを含むものとする。しかし、本発明によれば、ポリテトラフルオロエチレンやポリイミド等の多孔質膜と上記ポリオレフィン樹脂多孔質フィルムとの積層フィルムも、耐熱性にすぐれるところから、多孔質フィルムとして、好適に用いられる。
本発明において、架橋性ポリマーは、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を有するポリマーをいい、好ましくは、3−オキセタニル基を有するラジカル重合性モノマーとエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーとから選ばれる少なくとも1種の第1のラジカル重合性モノマーとこれ以外の第2のラジカル重合性モノマーとのラジカル共重合体である。
特に、好ましくは、本発明において、架橋性ポリマーは、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とを有するポリマーか、又は分子中にエポキシ基を有するポリマーをいい、従って、このような架橋性ポリマーは、好ましくは、3−オキセタニル基を有するラジカル重合性モノマーとエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとのラジカル共重合か、又はエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとのラジカル共重合によって得ることができる。
既に知られているように、3−オキセタニル基やエポキシ基はカルボキシル基と反応し得ると共に、カチオン重合し得る。本発明によれば、架橋性ポリマーの有する3−オキセタニル基とエポキシ基のこのような反応性を利用して、架橋性ポリマーを先ず、ポリカルボン酸と反応させ、一部、架橋させてなるポリマーを反応性ポリマーといい、これを基材多孔質フィルムに担持させて、反応性ポリマー担持多孔質フィルムとする。
このように、本発明によれば、反応性ポリマーは、架橋性ポリマーとポリカルボン酸とを反応させ、架橋性ポリマーを一部、架橋させてなるものであるので、反応性ポリマーの重量とは、便宜上、架橋性ポリマーとポリカルボン酸との合計の重量をいうものとする。
また、本発明において、正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体(以下、電極/多孔質フィルム積層体ということがある。)とは、このように、架橋性ポリマーを一部、架橋させてなる反応性ポリマーを担持させた多孔質フィルムに、これを挟んで正極と負極を圧着し、好ましくは、仮接着して貼り合わせたものをいう。
正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極接合体(以下、電極/多孔質フィルム接合体ということがある。)とは、上述したような電極/多孔質フィルム積層体において、反応性ポリマーを更に反応させ、架橋させることによって、電極と多孔質フィルムとを相互に接着したものをいう。
本発明によれば、電極/多孔質フィルム積層体において、反応性ポリマー担持多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量は0.3〜5.0g/m2 の範囲にあり、正極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量/負極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量の比は0.1〜1.0の範囲にある。
以下にこのような本発明による電池用電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体とこれを用いる電池の製造について詳細に説明する。
本発明において、架橋性ポリマーは、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を有する第1のラジカル重合性モノマーとこれ以外の第2のラジカル重合性モノマーとを常法に従ってラジカル共重合させることによって得ることができる。
本発明によれば、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を有する第1のラジカル重合性モノマーとこれ以外の第2のラジカル重合性モノマーを共重合させて、架橋性ポリマーを得る際に、第1のラジカル重合性モノマーは、全モノマー量の5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%の範囲となるように用いられる。従って、反応性基として、3−オキセタニル基を含有する架橋性ポリマーを得る場合であれば、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーは、全モノマー量の5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%の範囲で用いられる。同様に、反応性基として、エポキシ基を含有する架橋性ポリマーを得る場合であれば、エポキシ基含有ラジカル重合性モノマーは、全モノマー量の5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%の範囲で用いられる。
また、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーを併用して、反応性基として、3−オキセタニル基とエポキシ基とを共に有する架橋性ポリマーを得る場合にも、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーの合計量が全モノマー量の5〜50重量%、好ましくは、10〜30重量%の範囲であり、更に好ましくは、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとエポキシ基含有ラジカル重合性モノマーのうち、エポキシ基含有ラジカル重合性モノマーが90重量%以下であるように用いられる。
架橋性ポリマーを得る際に、全モノマー量中、第1のラジカル重合性モノマーが5重量%よりも少ないときは、後述するように、電解液のゲル化に要する反応性ポリマー量の増大を招くので、得られる電池の性能が低下する。他方、50重量%よりも多いときは、形成されたゲルの電解液の保持性が低下して、得られる電池における電極/多孔質フィルム(セパレータ)間の接着性が低下する。
本発明によれば、3−オキセタニル基含有ラジカル重合性モノマーとして、好ましくは、一般式(I)
Figure 2006012562
(式中、R1 は水素原子又はメチル基を示し、R2 は水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を示す。)
で表される3−オキセタニル基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
このような3−オキセタニル基含有(メタ)アクリレートの具体例として、例えば、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−ブチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−へキシル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリレートは単独で用いられ、又は2種以上が併用される。
また、本発明によれば、エポキシ基含有ラジカル重合性モノマーとして、好ましくは、一般式(II)
Figure 2006012562
(式中、R3 は水素原子又はメチル基を示し、R4 は式(1)
Figure 2006012562
又は式(2)
Figure 2006012562
で表されるエポキシ基含有基を示す。)
で表されるエポキシ基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
このようなエポキシ基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、具体的には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリレートは単独で用いられ、又は2種以上が併用される。
上述した第1のラジカル重合性モノマーとの共重合に用いる第2のラジカル重合性モノマーは、好ましくは、一般式(III)
Figure 2006012562
(式中、R5 は水素原子又はメチル基を示し、Aは炭素原子数2又は3のオキシアルキレン基(好ましくは、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基)を示し、R6 は炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数1〜6のフッ化アルキル基を示し、nは0〜3の整数を示す。)
で表される(メタ)アクリレートと一般式(IV)
Figure 2006012562
(式中、R7 はメチル基又はエチル基を示し、R8 は水素原子又はメチル基を示す。)
で表されるビニルエステルから選ばれる少なくとも1種である。
上記一般式(III) で表される(メタ)アクリレートの具体例として、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これら以外にも、例えば、
Figure 2006012562
等を挙げることができる。式中、nは0〜3の整数である。
また、上記一般式(IV)で表されるビニルエステルの具体例として、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げることができる。
本発明において、架橋性ポリマーは、上述した第1と第2のラジカル重合性モノマーをラジカル重合開始剤を用いてラジカル共重合させることによって、共重合体として得ることができる。このようなラジカル共重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合等、いずれの重合法によってもよいが、重合の容易さ、分子量の調整、後処理等の点から溶液重合や懸濁重合によるのが好ましい。
上記ラジカル重合開始剤は、特に、限定されるものではないが、例えば、N,N’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルN,N’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が用いられる。また、このラジカル共重合において、必要に応じて、メルカプタン等のような分子量調整剤を用いることができる。
本発明において、架橋性ポリマーは、その重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。架橋性ポリマーの重量平均分子量が10000よりも小さいときは、電解液をゲル化するために、これより得られる反応生成物ポリマーを多量に必要とするので、得られる電池の特性が低下する。他方、架橋性ポリマーの重量平均分子量の上限は、特に制限されるものではないが、これより得られる反応性ポリマーが電解液をゲルとして保持し得るように、300万程度であり、好ましくは、250万程度である。特に、本発明によれば、架橋性ポリマーは、重量平均分子量が100000〜2000000の範囲にあるのが好ましい。
このように、本発明によれば、架橋性ポリマーは、3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を有し、この反応性基をポリカルボン酸と反応させ、架橋性ポリマーを一部、架橋させて、反応性ポリマーを得る。
上述したような分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を有する架橋性ポリマーは、特開2001−176555号公報や特開2002−110245号公報に記載されているように、既に、知られているものである。
本発明による電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムは、上述したような架橋性ポリマーをポリカルボン酸と反応させ、一部、架橋させてなる反応性ポリマーとして、基材多孔質フィルムに担持させたものである。このような架橋性ポリマーのポリカルボン酸による架橋は、例えば、特開平11−43540号公報や特開平11−116663号公報に記載されているように、架橋性ポリマーの有する3−オキセタニル基やエポキシとポリカルボン酸(即ち、カルボキシル基)との反応によるものである。本発明によれば、3−オキセタニル基やエポキシ基の有するこの反応性を利用して、架橋性ポリマーをポリカルボキシルと反応させ、一部、架橋させて、反応性ポリマーとする。
本発明において、架橋性ポリマーを部分架橋させるためのポリカルボン酸は、分子中に2個以上のカルボキシル基を有し、好ましくは、分子中に2〜6個、特に、好ましくは、分子中に2〜4個のカルボキシル基を有する有機化合物である。
分子中に2個のカルボキシル基を有するジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸等の炭素原子数2〜20の直鎖脂肪族飽和ジカルボン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、n−プロピルマロン酸、n−ブチルマロン酸、メチルコハク酸、エチルコハク酸、1,1,3,5−テトラメチルオクチルコハク酸等の炭素原子数3〜20の分岐鎖脂肪族飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、γ−メチルシトラコン酸、メサコン酸、γ−メチルメサコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等の直鎖又は分岐鎖脂肪族不飽和ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、メチルヘキサヒドロキシフタル酸、メチルヘキサイソフタル酸、メチルヘキサヒドロテレフタル酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,6−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸、シクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸等のテトラヒドロフタル酸、シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,5−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,5−ジカルボン酸等のテトラヒドロイソフタル酸、シクロヘキセン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,6−ジカルボン酸等のテトラヒドロテレフタル酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,6−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−2,3−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−5,6−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,2−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,6−ジカルボン酸等のジヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,3−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−3,5−ジカルボン酸等のジヒドロイソフタル酸、1,3−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサジエン−2,5−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサジエン−3,6−ジカルボン酸等のジヒドロテレフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンドシス−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸等の飽和又は不飽和カルボン酸、クロレンディック酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、3−メチルフタル酸、3−エチルフタル酸、3−n−プロピルフタル酸、3−イソプロピルフタル酸、3−n−ブチルフタル酸、3−イソブチルフタル酸、3−s−ブチルフタル酸、3−t−ブチルフタル酸等の3−アルキルフタル酸、2−メチルフタル酸、4−エチルフタル酸、4−n−プロピルフタル酸、4−イソピロピルフタル酸、4−n−ブチルフタル酸、4−イソブチルフタル酸、4−s−ブチルフタル酸、4−t−ブチルフタル酸等の4−アルキルフタル酸、2−メチルイソフタル酸、2−エチルイソフタル酸、2−n−プロピルフタル酸、2−イソピロピルフタル酸、2−n−ブチルフタル酸、2−イソブチルフタル酸、2−s−ブチルフタル酸、2−t−ブチルフタル酸等の2−アルキルフタル酸、4−メチルイソフタル酸、4−エチルイソフタル酸、4−n−プロピルイソフタル酸、4−イソピロピルイソフタル酸、4−n−ブチルイソフタル酸、4−イソブチルイソフタル酸、4−s−ブチルイソフタル酸、4−t−ブチルイソフタル酸等の4−アルキルイソフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−エチルイソフタル酸、5−n−プロピルイソフタル酸、5−イソピロピルイソフタル酸、5−n−ブチルイソフタル酸、5−イソブチルイソフタル酸、5−s−ブチルイソフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸等の5−アルキルイソフタル酸、メチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、n−プロピルテレフタル酸、イソピロピルテレフタル酸、n−ブチルテレフタル酸、イソブチルテレフタル酸、s−ブチルテレフタル酸、t−ブチルテレフタル酸等のアルキルテレフタル酸、ナフタリン−1,2−ジカルボン酸、ナフタリン−1,3−ジカルボン酸、ナフタリン−1,4−ジカルボン酸、ナフタリン−1,5−ジカルボン酸、ナフタリン−1,6−ジカルボン酸、ナフタリン−1,7−ジカルボン酸、ナフタリン−1,8−ジカルボン酸、ナフタリン−2,3−ジカルボン酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、ナフタリン−2,7−ジカルボン酸、アントラセン−1,3−ジカルボン酸、アントラセン−1,4−ジカルボン酸、アントラセン−1,5−ジカルボン酸、アントラセン−1,9−ジカルボン酸、アントラセン−2,3−ジカルボン酸、アントラセン−9,10−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、2,2’−ビス(カルボキシキフェニル)ヘキサフルオロプロパン等を具体例として挙げることができる。
分子中に3個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸としては、トリカルバリル酸、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸等の脂肪族トリカルボン酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸等の芳香族トリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の炭素原子数4〜13の脂肪族テトラカルボン酸、マレイン化メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸等の脂環式テトラカルボン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリト酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸、ヘキサヒドロメリト酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸等を具体例として挙げることができる。
また、本発明においては、上述したようなポリカルボン酸とポリオールとのポリオールエステル、好ましくは、ジカルボン酸とジオール、特に、(ポリ)アルキレングリコールやポリメチレンジオールとのジオールエステルもポリカルボン酸として用いることができる。このようなジオールエステルとして、例えば、エチレングリコールジアジペート等を挙げることができる。
更に、本発明において、ポリカルボン酸は、分子中の複数のカルボキシル基を有するポリマーカルボン酸であってもよい。このようなポリマーカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体を挙げることができる。
本発明による反応性ポリマー担持多孔質フィルムは、前記架橋性ポリマーを上述したようなポリカルボン酸と反応させ、一部、架橋させて、反応性ポリマーとし、これを多孔質フィルムに担持させたものである。このように、反応性ポリマーを多孔質フィルムに担持させるには、特に、限定されるものではないが、例えば、架橋性ポリマーをアセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の適宜の溶剤にポリカルボン酸と共に溶解させ、この溶液を基材多孔質フィルムにキャスティング、スプレー塗布等、適宜の手段にて塗布、含浸させた後、乾燥して、用いた溶剤を除去し、次いで、このようにして、架橋性ポリマーとポリカルボン酸とを担持させた多孔質フィルムを適宜の温度に加熱して、上記架橋性ポリマーを上記ポリカルボン酸と反応させ、前述したようにして、架橋性ポリマーを一部、架橋させればよく、このようにして、本発明による電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムを得る。
本発明において、架橋性ポリマーをポリカルボン酸にて部分架橋させた反応性ポリマーを基材多孔質フィルムに担持させる手段、方法は、上記例示に限定されるものではなく、例えば、架橋性ポリマーの溶液を多孔質フィルムに塗布し、乾燥させた後、このような多孔質フィルムにポリカルボン酸の溶液を塗布、含浸し、乾燥させた後、適宜の温度に加熱してもよい。また、架橋性ポリマーとポリカルボン酸とを含む溶液を剥離性シートに塗布し、乾燥させ、これを基材多孔質フィルムに転写した後、適宜の温度に加熱してもよい。
本発明によれば、このようにして、架橋性ポリマーを部分架橋させてなる反応性ポリマーは、5〜90%の範囲のゲル分率、好ましくは、3〜60%の範囲の不溶分率を有することが望ましい。ここに、上記ゲル分率とは、多孔質フィルムに架橋性ポリマーA重量部とポリカルボン酸B重量部とを担持させ、架橋性ポリマーとポリカルボン酸とを反応させ、架橋性ポリマーを一部、架橋させて、反応性ポリマーとした後、この多孔質フィルムを酢酸エチルに温度23℃で7日間浸漬し、次いで、乾燥させた後、多孔質フィルム上に残存する反応性ポリマーをC重量部とするとき、(C/(A+B))×100(%)として定義される値である。
このように、架橋性ポリマーをポリカルボン酸と反応させ、一部、架橋させて、5〜90%の範囲のゲル分率を有する反応性ポリマーを得るには、限定されるものではないが、通常、架橋性ポリマーの有する反応性基1モル部に対して、ポリカルボン酸の有するカルボキシル基が0.01〜5.0モル部、好ましくは、0.05〜3.0モル部となるように用いると共に、架橋性ポリマーとポリカルボン酸との加熱反応条件を調節すればよく、このようにして、所望のゲル分率を有する反応性ポリマーを得ることができる。
一例として、架橋性ポリマーの有する反応性基1モル部に対して、ポリカルボン酸の有するカルボキシル基が0.5〜2.0モル部となるように用いると共に、架橋性ポリマーとポリカルボン酸とを50℃で12時間から7日間、加熱反応させることによって、ゲル分率5〜90%の反応性ポリマーを得ることができる。
反応性ポリマーのゲル分率が5%よりも少ないときは、後述するように、このような反応性ポリマーを担持させた多孔質フィルムに電極を圧着して、電極/多孔質フィルム積層体とし、これを電解液に浸漬したとき、反応性ポリマーの多くが電解液中に溶出、拡散して、反応性ポリマーを更にカチオン重合させ、架橋させても、電極と多孔質フィルムとの間に有効な接着を得ることができない。他方、反応性ポリマーの不溶分率が90%よりも多いときは、電極/多孔質フィルム積層体とし、これを電解液に浸漬したとき、反応性ポリマーの膨潤性が低く、得られる電極/多孔質フィルム接合体を有する電池が高い内部抵抗を有することとなり、電池特性に好ましくない。
本発明において、多孔質フィルムがその表面に反応性ポリマーを担持している割合を反応性ポリマー担持率ということとすれば、例えば、多孔質フィルムがその一表面の全面に反応性ポリマーを担持しているとき、その一表面における担持率は100%であり、例えば、多孔質フィルムがその表裏両面に筋状や点状に反応性ポリマーを担持しており、反応性ポリマーを担持している割合が各表面においてその面積の50%であるとき、担持率は表裏両面においてそれぞれ50%である。
本発明によれば、反応性ポリマーの担持率は、5〜100%の範囲が好ましく、特に、10〜90%の範囲が好ましい。例えば、多孔質フィルムに反応性ポリマーを担持させる際に、部分的に、即ち、例えば、筋状、斑点状、格子目状、縞状、亀甲模様状等に部分的に担持させて、担持率を10〜90%の範囲とすることが好ましい。このように、反応性ポリマーを多孔質フィルムに部分的に担持せることによって、電極と多孔質フィルム(従って、セパレータ)との間に強固な接着を得るのみならず、多孔質フィルム(セパレータ)にイオン透過性を確保せしめることによって、すぐれた特性を有する電池を得ることができる。
本発明による電極/多孔質フィルム積層体は、このように、反応性ポリマーを担持させてなる多孔質フィルムにこれを挟んで正極と負極を積層し、好ましくは、加熱下に加圧し、圧着して、正極と負極を反応性ポリマー担持多孔質フィルムに仮接着し、貼り合わせることによって得ることができる。
本発明において、負極と正極は、電池によって相違するが、一般に、導電性基材に活物質と、必要に応じて、導電剤とを樹脂バインダーを用いて、担持させてなるシート状のものが用いられる。
本発明において、電極/多孔質フィルム積層体は、反応性ポリマー担持多孔質フィルムに電極が積層されておればよい。従って、電池の構造や形態に応じて、電極/多孔質フィルム積層体として、例えば、負極/多孔質フィルム/正極、負極/多孔質フィルム/正極/多孔質フィルム等が用いられる。また、電極/多孔質フィルム積層体は、シート状でもよく、また、捲回されていてもよい。
本発明によれば、正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体において、上記反応性ポリマー担持多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量は0.3〜5.0g/m2 の範囲にあると共に、正極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量/負極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量の比(以下、反応性ポリマー担持量比という。)が0.1〜1.0の範囲にある。
多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量が0.3g/m2 よりも少ないときは、最終的に得られる電池において、電極と多孔質フィルム(セパレータ)との間の接着が十分でない。他方、多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量が5.0g/m2 よりも多いときは、最終的に得られる電池において、電極と多孔質フィルム(セパレータ)との間の内部抵抗が大きくなって、電池特性が著しく低下する。
また、多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量の比が0.1よりも小さいときは、正極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量が少なすぎて、正極と多孔質フィルム(セパレータ)との間の接着が不十分である。しかし、多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量の比が1.0よりも大きいときは、電極と多孔質フィルム(セパレータ)との間の接着性と電池特性の間にバランスが失われる。
このような正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体の調製に際して、多孔質フィルムの正極を積層する側(正極側)と負極を積層する側(負極側)とに反応性ポリマーを同じ割合で担持させるとき、このような積層体を用いて得られるリチウムイオン二次電池においては、正極活物質として用いられる粒状物質と負極活物質として用いられる粒状物質の粒子径の相違に起因して、反応性ポリマー担持多孔質フィルムと負極との間の接着性が反応性ポリマー担持多孔質フィルムと正極との間の接着性よりも低い。
即ち、リチウムイオン二次電池においては、代表的には、正極活物質としてコバルト酸リチウムが用いられ、負極活物質として種々の炭素質材料が用いられるが、ここに、正極活物質として用いられるコバルト酸リチウムは、平均粒子径が1〜10μm、好ましくは、3〜5μm程度の粒状物質であり、他方、負極活物質として用いられる炭素質材料は、平均粒子径が15〜100μm程度、好ましくは、20〜50μm程度の粒状物質であり、このように、負極活物質として用いられる炭素質材料は、正極活物質として用いられるコバルト酸リチウムに比べて、平均粒子径が大きい。
リチウムイオンの拡散速度が炭素におけるよりもコバルト酸リチウムにおいて著しく小さいことや、また、最初に充電されたリチウムイオンの一部が負極活物質である炭素質材料の表面で被膜を形成して、放電に用いられず、不可逆容量が生じる等の理由から、従来、リチウムイオン二次電池においては、正極活物質として用いるコバルト酸リチウムとしては、平均粒子径が小さいものを用いて、リチウムイオンの拡散を促進すると共に、負極活物質である炭素質材料は、平均粒子径の大きいものを用いることによって、リチウムイオンによって形成される被膜の表面積をできるだけ小さくするような対策が講じられている。
他方、本発明によれば、得られた電池において、多孔質フィルム(セパレータ)に担持させた反応性ポリマーは、正極又は負極と多孔質フィルム(セパレータ)の界面の付近においてのみ、ゲル状態の層をなしており、この反応性ポリマーの層は、リチウムイオンの拡散に対して抵抗層を形成している。前述したように、リチウムイオンの拡散速度は、炭素におけるよりもコバルト酸リチウムにおいて小さいので、正極側にある反応性ポリマーの層はリチウムイオンの拡散を阻害して、電池特性の低下を招く。しかし、負極側にある反応性ポリマーの層は、炭素質材料中へのリチウムイオンの拡散が速いので、電池特性に大幅な影響を与えない。
そこで、本発明によれば、電極の多孔質フィルム(セパレータ)への反応性ポリマーによる接着は、ゲル状態の反応性ポリマーの電極の細孔中へのアンカー効果によることを考慮して、上記正極活物質と負極活物質の平均粒子径の相違に基づいて、負極側での反応性ポリマーの担持量を正極側での反応性ポリマーの担持量よりも所定の範囲で大きくすると共に、反応性ポリマー担持多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量を所定の範囲とすることによって、得られる電池の特性の低下を招くことなく、正極と多孔質フィルムとの間と負極と多孔質フィルムとの間に同じ程度の接着力を与えることができるのである。
即ち、本発明によれば、正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体において、多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量と共に、反応性ポリマー担持量比をそれぞれ所定の範囲とすることによって、得られる電池において、その特性と電極と多孔質フィルム(セパレータ)との間の接着特性との間に適切なバランスを有せしめることができる。
特に、本発明によれば、多孔質フィルム(セパレータ)との間の接着性と得られる電池の特性との間のバランスがすぐれるように、電極/多孔質フィルム積層体において、多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量比を0.3〜0.9の範囲とすると共に、反応性ポリマー担持多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量を0.5〜3.0g/m2 の範囲にすることが好ましい。
本発明において、正極活物質の具体例として、例えば、コバルト酸リチウムのほか、コバルト、ニッケル及びマンガンから選ばれる少なくとも1種とリチウムの複合酸化物を挙げることができ、更に、このような複合酸化物は、種々の遷移金属等を含むものであってもよい。また、負極活物質である炭素質材料の具体例として、例えば、コークス、黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ等を挙げることができる。しかし、本発明において、リチウムイオン二次電池の正極活物質及び負極活物質は、上記例示に限定されるものではなく、従来、知られているものであれば、いずれでもそれぞれ適宜に用いることができる。
このように、本発明による電極/多孔質フィルム積層体は、特に、リチウムイオン二次電池を製造するための電極/多孔質フィルム積層体として好適に用いることができる。
既に知られているように、反応性ポリマーの有する反応性基である3−オキセタニル基やエポキシ基はポリカルボン酸との反応性を有すると共に、カチオン重合性を有する。そこで、本発明によれば、電池の製造に際して、このような電極/多孔質フィルム積層体をカチオン重合触媒を含む電解液、好ましくは、カチオン重合触媒を兼ねる電解質を含む電解液中に浸漬して、上記電極/多孔質フィルム積層体中の多孔質フィルムが担持している反応性ポリマーの少なくとも一部を電解液中で膨潤させ、又は電解液中に溶出、拡散させて、反応性ポリマーの有する残存反応性基のカチオン重合によって反応性ポリマーを更に架橋させ、多孔質フィルムと電極との界面の近傍で電解液をゲル化させることによって、電極と多孔質フィルムを接着し、かくして、電極/多孔質フィルム接合体を得る。即ち、電極を多孔質フィルムにいわば本接着させる。従って、このような電極/多孔質フィルム接合体においては、多孔質フィルムと電極が強固に接着されている。
しかも、本発明によれば、部分架橋させた反応性ポリマーは、上記範囲のゲル分率を有し、従って、電解液中に浸漬されても、電解液中への溶出、拡散が防止され、又は低減されて、電極と多孔質フィルムとの接着に有効に用いられるので、比較的少量の反応性ポリマーの使用によって、電極と多孔質フィルムとを安定して、しかも、より強固に接着することができる。
このように、本発明においては、反応性ポリマーは、その反応性基のカチオン重合による架橋によって、少なくとも多孔質フィルムと電極との界面の近傍にて電解液をゲル化させて、電極と多孔質フィルムとを接着するように機能する。
本発明において、反応性ポリマーは、その構造や多孔質フィルムへの担持量、カチオン重合触媒の種類や量にもよるが、常温においてもカチオン重合させ、架橋させることもできる。しかし、反応性ポリマーのカチオン重合は、加熱することによって促進することができる。この場合、電池を構成する材料の耐熱性や生産性との兼ね合いにもよるが、通常、40〜100℃程度の温度で0.5〜24時間程度加熱すればよい。また、電極を多孔質フィルムに接着させるに足る量のポリマーを膨潤させ、又は溶出、拡散させるために、電池容器内に電解液を注入した後、常温で数時間程度、放置してもよい。
このようにして得られる電極/多孔質フィルム接合体における多孔質フィルムは、電池に組み込まれた後は、セパレータとして機能する。ここに、本発明によるこのような電極/多孔質フィルム接合体においては、多孔質フィルム(即ち、セパレータ)は、高温下においても面積熱収縮率が小さく、通常、20%以下であり、好ましくは、15%以下である。
上記電解液は、電解質塩を適宜の溶媒に溶解してなる溶液である。上記電解質塩としては、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム等アルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、第三級又は第四級アンモニウム塩等をカチオン成分とし、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、ヘキサフルオロリン酸、過塩素酸等の無機酸、カルボン酸、有機スルホン酸又はフッ素置換有機スルホン酸等の有機酸をアニオン成分とする塩を用いることができる。これらのなかでは、特に、アルカリ金属イオンをカチオン成分とする電解質塩が好ましく用いられる。
このようなアルカリ金属イオンをカチオン成分とする電解質塩の具体例としては、例えば、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸アルカリ金属、テトラフルオロホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム等のテトラフルオロホウ酸アルカリ金属、ヘキサフルオロリン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム等のへキサフルオロリン酸アルカリ金属、トリフルオロ酢酸リチウム等のトリフルオロ酢酸アルカリ金属、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等のトリフルオロメタンスルホン酸アルカリ金属を挙げることができる。
特に、本発明に従って、リチウムイオン二次電池を得る場合には、電解質塩としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム等が好適に用いられる。
更に、本発明において用いる上記電解質塩のための溶媒としては、上記電解質塩を溶解するものであればどのようなものでも用いることができるが、非水系の溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類や、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類や、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状エステル類を単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、上記電解質塩は、用いる溶媒の種類や量に応じて適宜に決定されるが、通常、得られるゲル電解質において、1〜50重量%の濃度となる量が用いられる。
本発明において、カチオン重合触媒としては、オニウム塩が好ましく用いられる。そのようなオニウム塩として、例えば、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、ヨードニウム塩等のカチオン成分と、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、過塩素酸塩等のアニオン成分とからなるオニウム塩を挙げることができる。
しかし、本発明によれば、上述した電解質塩のなかでも、特に、テトラフルオロホウ酸リチウムとへキサフルオロリン酸リチウムは、それ自体、カチオン重合触媒としても機能するので、電解質塩を兼ねるものとして好ましく用いられる。この場合、テトラフルオロホウ酸リチウムとへキサフルオロリン酸リチウムは、いずれかを単独で用いてもよく、また、両方を併用してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下において、基材多孔質フィルムの物性と電池特性は以下のようにして評価した。
(多孔質フィルムの厚み)
1/10000mmシックネスゲージによる測定と多孔質フィルムの断面の10000倍走査型電子頭微鏡写真に基づいて求めた。
(多孔質フィルムの空孔率)
多孔質フィルムの単位面積S(cm2)当たりの重量W(g)、平均厚みt(cm)及び多孔質フィルムを構成する樹脂の密度d(g/cm3)から下式にて算出した。
空孔率(%)=(1−(W/S/t/d))×100
(反応性ポリマーのゲル分率)
多孔質フィルムに架橋性ポリマーA重量部とポリカルボン酸B重量部を担持させ、反応させて、架橋性ポリマーを一部、架橋させて、反応性ポリマーとした後、この多孔質フィルムを温度23℃にて酢酸エチルに7日間浸漬し、次いで、乾燥させた後、多孔質フィルム上に残存する反応性ポリマーをC重量部とするとき、反応性ポリマーのゲル分率を(C/(A+B))×100(%)として求めた。
(多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量と正極側と負極側での反応性ポリマーの担持量の比)
多孔質フィルムに担持させた架橋性ポリマーとポリカルボン酸の合計量を反応性ポリマーの担持量とし、多孔質フィルムに架橋性ポリマーとポリカルボン酸を担持させた後、その重量から多孔質フィルムの重量を減じて、担持量を求めた。また、多孔質フィルムの正極側と負極側において、それぞれ上述したようにして担持量を求め、これより担持量の比を求めた。
参考例1
(電極シートの調製)
正極活物質であるコバルト酸リチウム(日本化学工業(株)製セルシードC−5H、平均粒径5μm)85重量部と導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製デンカブラック)10重量部とバインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製KFポリマーL#1120)5重量部を混合し、これを固形分濃度15重量%となるように、N−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。このスラリーを厚み20μmのアルミニウム箔(集電体)上に厚み200μmに塗布し、80℃で1時間、120℃で2時間真空乾燥した後、ロールプレスにて加圧して、活物質層の厚みが100μmの正極シートを調製した。
また、負極活物質であるメソカーボンマイクロビーズ(大阪ガスケミカル(株)製MCMB25−28、平均粒径25μm)80重量部と導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製デンカブラック)10重量部とバインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製KFポリマーL#1120)10重量部を混合し、これを固形分濃度15重量%となるように、N−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。このスラリーを厚み20μmの銅箔(集電体)上に厚み200μmに塗布し、80℃で1時間乾燥し、120℃で2時間乾燥した後、ロールプレスにて加圧して、活物質層の厚みが100μmの負極シートを調製した。
参考例2
(架橋性ポリマーの調製)
還流冷却管を取り付けた500mL容量の三つ口フラスコにメチルメタクリレート60.0g、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート16.0g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート4.0g、エチレンカーボネート226.6g及びN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.15gを仕込み、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱して、ラジカル共重合を8時間行った。この後、得られた反応混合物を40℃まで冷却した。この反応混合物にジエチルカーボネート226.6gとN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.15gを加え、再度、70℃に加熱して、ラジカル共重合を更に8時間行った。この後、得られた反応混合物を40℃まで冷却し、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(容量比1/1)混合物を溶媒とする反応性ポリマーの溶液(濃度15重量%)を得た。
次に、この架橋性ポリマー溶液100gを高速ミキサーで攪拌しながら、600mLメタノール中に投入して、ポリマーを沈殿させた。このポリマーを濾別し、メタノールにて数回洗浄した後、乾燥管に入れ、これに液体窒素を気化させた乾燥窒素ガス(露点温度−150℃以下)を流通させて乾燥した後、更に、デシケータ中で6時間真空乾燥して、架橋性ポリマーを得た。この架橋性ポリマーは純白の粉末であって、GPCによる分子量測定の結果、重量平均分子量は344000、数平均分子量は175000であった。
実施例1
参考例2で得た架橋性ポリマーを酢酸エチルに溶解させて、10重量%濃度の架橋性ポリマーの溶液を得た。別に、10重量%濃度のアジピン酸のエタノール溶液を調製した。上記架橋性ポリマー溶液を攪拌しながら、これに上記アジピン酸のエタノール溶液を滴下して、上記架橋性ポリマーとアジピン酸を含む溶液を調製した。架橋性ポリマーの有する反応性基のモル数に対するアジピン酸の有するカルボキシル基のモル数の比率は0.5であった。
この架橋性ポリマーとアジピン酸とを含む溶液をポリエチレン樹脂多孔質フィルム(膜厚17μm、空孔率42%)の正極を積層する側にワイヤーバーにて0.76g/m2 の割合で塗布すると共に、負極を積層する側に同じワイヤーバーにて1.3g/m2 の割合で塗布した後、50℃で加熱し、用いた溶媒酢酸エチルとエタノールを揮散させて、架橋性ポリマーを担持させた多孔質フィルムを得た。
次いで、この架橋性ポリマー担持多孔質フィルムを50℃の恒温器に96時間投入して、多孔質フィルムに担持させた上記架橋性ポリマーをアジピン酸と反応させ、上記架橋性ポリマーを一部、架橋させて、かくして、反応性ポリマー担持多孔質フィルムを得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにおいて、反応性ポリマーのゲル分率は55%であり、また、多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量の比は0.58であった。
前記参考例1で得た負極シート、上記反応性ポリマー担持多孔質フィルム及び前記参考例1で得た正極シートをこの順序に積層して、温度80℃、圧力10kg/cm2 にて1分間プレス圧着して、正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体とし、これを正負極板を兼ねる2016サイズのコイン型電池用缶に仕込んだ。次いで、この電池用缶中に1.2モル/L濃度でヘキサフルオロリン酸リチウムを溶解させたエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(重量比1/2)混合溶媒からなる電解液を注入した後、電池缶を封口した。この後、50℃で24時間加熱して、上記反応性ポリマーをカチオン重合させ、架橋させて、電極シートを多孔質フィルム(セパレータ)に接着すると共に、電解液を一部、ゲル化させて、コイン型電池を得た。
この電池について、0.2CmAのレートにて3回充放電を行って、この3回目の放電において放電容量を求めた後に、0.2CmAのレートにて充電し、この後、1.0CmAのレートにて放電して、1.0CmAのレートでの放電容量を求め、1.0CmAのレートでの放電容量/0.2CmAのレートでの放電容量の比にて放電容量維持率を評価したところ、96%であった。
また、この電池を分解して、電極シートとセパレータとの間の接着力を測定したところ、正極では0.12N/cm、負極では0.11N/cmであった。
更に、上で得た正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体に前記電解液を含浸させた後、ガラス板の缶に挟み、電解液の揮発を抑制するために、この積層体をフッ素樹脂シートで包んだ。このようにフッ素樹脂シートで包んだ正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体の上に100gの錘を載せて、温度50℃の恒温室内に24時間投入して、正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体中の多孔質フィルムの担持する反応性ポリマーをカチオン重合、架橋させ、正負の電極を多孔質フィルムに接着させて、正極/多孔質フィルム/負極接合体を得た。
この後、この正極/多孔質フィルム/負極接合体をガラス板の間に挟んだまま、温度150℃の乾燥機中に1時間投入した。次いで、この正極/多孔質フィルム/負極接合体をガラス板の間から取り出した後、この接合体の正負の電極から多孔質フィルムを剥がし、これをスキャナで読み込んで、最初に電極/多孔質フィルム積層体の調製に用いた多孔質フィルムの面積と比較して、面積熱収縮率を求めたところ、14%であった。
実施例2
実施例1において、多孔質フィルムへの反応性ポリマーの担持量を正極側0.90g/m2 、負極側1.1g/m2 、反応性ポリマー担持量比0.82とした以外は、実施例1と同様にして、反応性ポリマー担持多孔質フィルムを得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムを用いて、実施例1と同様にして、コイン型電池を得、1.0CmA/0.2CmA放電容量維持率を求めたところ、94%であった。また、この電池を分解して、電極シートとセパレータとの間の接着力を測定したところ、正極では0.15N/cm、負極では0.09N/cmであった。また、実施例1と同様にして求めた多孔質フィルムの面積熱収縮率は4%であった。
実施例3
実施例1において、多孔質フィルムへの反応性ポリマーの担持量を正極側0.53g/m2 、負極側2.2g/m2 、反応性ポリマー担持量比0.24とした以外は、実施例1と同様にして、反応性ポリマー担持多孔質フィルムを得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムを用いて、実施例1と同様にして、コイン型電池を得、1.0CmA/0.2CmA放電容量維持率を求めたところ、91%であった。また、この電池を分解して、電極シートとセパレータとの間の接着力を測定したところ、正極では0.10N/cm、負極では0.20N/cmであった。また、実施例1と同様にして求めた多孔質フィルムの面積熱収縮率は0%であった。
比較例1
実施例1において、多孔質フィルムに架橋性ポリマーを担持させることなく、そのままを用いて、実施例1と同様にして、コイン型電池を得た。この電池の1.0CmA/0.2CmA放電容量維持率は97%であった。また、実施例1と同様にして求めた多孔質フィルムの面積熱収縮率は81%であった。
比較例2
実施例1において、多孔質フィルムへの反応性ポリマーの担持量を正極側2.5g/m2 、負極側0.70g/m2 、反応性ポリマー担持量比3.57とした以外は、実施例1と同様にして、反応性ポリマー担持多孔質フィルムを得た。この反応性ポリマー担持多孔質フィルムを用いて、実施例1と同様にして、コイン型電池を得、1.0CmA/0.2CmA放電容量維持率を求めたところ、74%であった。また、この電池を分解して、電極シートとセパレータとの間の接着力を測定したところ、正極では0.33N/cm、負極では0.05N/cmであった。また、実施例1と同様にして求めた多孔質フィルムの面積熱収縮率は2%であった。

Claims (8)

  1. 分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を有する架橋性ポリマーを用意し、この架橋性ポリマーをポリカルボン酸と反応させ、一部、架橋させて、反応性ポリマーとして、多孔質フィルムに担持させてなる反応性ポリマー担持多孔質フィルムとなし、この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにこれを挟んで正極と負極を積層してなる正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体において、上記反応性ポリマー担持多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量が0.3〜5.0g/m2 の範囲にあると共に、正極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量/負極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量の比が0.1〜1.0の範囲にあることを特徴とする電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体。
  2. 反応性ポリマーがゲル分率5〜90%を有するものである請求項1又は2に記載の電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体。
  3. 正極活物質としてリチウムの複合酸化物からなる粒状物質を用いると共に、負極活物質として炭素質材料からなる粒状物質を用いるリチウムイオン二次電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体であって、分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基とから選ばれる少なくとも1種の反応性基を有する架橋性ポリマーを用意し、この架橋性ポリマーをポリカルボン酸と反応させ、一部、架橋させて、反応性ポリマーとして、多孔質フィルムに担持させてなる反応性ポリマー担持多孔質フィルムとなし、この反応性ポリマー担持多孔質フィルムにこれを挟んで正極と負極を積層してなる正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体において、上記反応性ポリマー担持多孔質フィルムの片面当たりの反応性ポリマーの担持量が0.3〜5.0g/m2 の範囲にあると共に、正極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量/負極側の多孔質フィルム上の反応性ポリマーの担持量の比が0.1〜1.0の範囲にあることを特徴とする電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極積層体中の反応性ポリマーをカチオン重合させ、反応性ポリマーを更に架橋させて、電極と多孔質フィルムとを接着させてなる電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極接合体。
  5. 多孔質フィルムが150℃で1時間加熱した後の面積熱収縮率が20%以下である請求項4に記載の電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極接合体。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載の電池用正極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム/負極接合体を電池容器内に仕込んだ後、カチオン重合触媒を含む電解液を上記電池容器内に注入して、少なくとも多孔質フィルムと電極との界面の近傍にて、上記反応性ポリマーの少なくとも一部を電解液中で膨潤させ、又は電解液中に溶出させ、カチオン重合させて、電解液の少なくとも一部をゲル化させて、多孔質フィルムと電極を接着することを特徴とする電池の製造方法。
  7. カチオン重合触媒がオニウム塩である請求項6に記載の電池の製造方法。
  8. 電解液がカチオン重合触媒を兼ねる電解質塩としてヘキサフルオロリン酸リチウム及びテトラフルオロホウ酸リチウムから選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項7に記載の電池の製造方法。

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