JP5260074B2 - 電池用セパレータとそれより得られる電極/セパレータ接合体 - Google Patents
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Description
で表される3−オキセタニル基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
で表されるエポキシ基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
で表される(メタ)アクリレートと一般式(IV)
で表されるビニルエステルから選ばれる少なくとも1種である。
これら以外にも、例えば、
等を挙げることができる。
あり、ここに、反応性ポリマーを基材多孔質フィルムに担持させるには、特に限定されないが、例えば、反応性ポリマーをアセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の適宜の有機溶剤に溶解させて反応性ポリマー溶液を調製し、この反応性ポリマー溶液を、例えば、基材多孔質フィルムの表面にキャスティングやスプレー等、適宜の手段。方法にて塗布した後、又は反応性ポリマー溶液中に基材多孔質フィルムを含浸させた後、乾燥して、用いた有機溶剤を除去すればよい。
きるが、しかし、加熱することによって、カチオン重合を促進することができる。この場合、電池を構成する材料の耐熱性や生産性との兼ね合いにもよるが、通常、40〜100℃程度の温度で0.5〜48時間程度加熱すればよい。また、電極を多孔質フィルムに接着させるに足る量のポリマーを膨潤させ、又は溶出させるために、電池容器内に電解液を注入した後、常温で数時間程度、放置してもよい。
1/10000mmシックネスゲージによる測定と多孔質フィルムの断面の10000倍走査型電子頭微鏡写真に基づいて求めた。
(多孔質フィルムの空孔率)
多孔質フィルムの単位面積S(cm2)当たりの重量W(g)、平均厚みt(cm)及び多孔質フィルムを構成する樹脂の密度d(g/cm3)から下式にて算出した。
(多孔質フィルムの通気度)
JIS P 8117に準拠して求めた。
(突き刺し強度)
カトーテック(株)製圧縮試験磯KES−G5を用いて突き刺し試験を行った。測定により得られた荷重変位曲線から最大荷重を読みとり、突き刺し強度とした。針は直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用いて、2cm/秒の速度で行った。
10cm四方に切り出した多孔質フィルムを折り畳んで、5cm×10cmの金属メッシュに挟み込み、5cm四方の試料とした。この試料の初期重量P0 を測定した。次いで、この試料をm−キシレン100mL (沸点139℃)中に浸漬した後、加熱し、キシレンを5時間、沸騰させた。この後、試料を取り出し、乾燥させて、このように、沸騰キシレン処理した後の重量Pを測定し、これらから次式によってゲル分率Rを測定した。
〈電極/セパレータ接着力の測定〉
実施例及び比較例で得られたそれぞれの電池について、充放電試験を行なう前に分解して、電極シート/セパレータ間の接着力を測定した。即ち、電池を分解して、電極シート/セパレータ接合体を取り出し、次に、この電極シート/セパレータ接合体の界面を端部から5mm剥がし、電極シートとセパレータの端部を相互に180°方向に引っ張って、その際の荷重を測定した。この荷重を電極シート/セパレータの幅にて除して、電極シート/セパレータ間の接着力とした。
実施例及び比較例で得られたそれぞれの電池を電池ホルダーに固定し、一定の面圧をかけて、160℃の恒温器中に放置した。電池の正負端子を抵抗計に接続し、抵抗計の示す抵抗が急激に低下した時間を測定して、これを短絡時間とした。試験は60分までとした。60分後に電池を恒温器から取り出し、放冷した後、電池を解体し、セパレータの面積を測定して、収縮率を測定した。但し、通常、セパレータは電極シートよりも面積が大きいので、セパレータは電極シートの周縁から外側にはみ出している。そこで、電池を解体したとき、セパレータの面積が電極シートの面積と等しい状態のときを収縮率0%とした。従って、例えば、セパレータの面積が電極シートの面積の80%まで収縮しておれば、この場合のセパレータの収縮率は20%である。
(電極シートの調製)
正極活物質であるコバルト酸リチウム(日本化学工業(株)製セルシードC−10)85重量部と導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製デンカブラック)10重量部とバインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製KFポリマーL#1120)5重量部を混合し、これを固形分濃度15重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。
(3−オキセタニル基含有反応性ポリマーAの製造、3−オキセタニル基含有モノマー成分25重量%)
還流冷却管を備えた500mL容量三つ口フラスコにメチルメククリレート60.0g、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート20.0g、酢酸エチル158.0g及びN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.16gを投人し、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、60℃に加熱した。
(3−オキセタニル基含有反応性ポリマーBの製造、3−オキセタニル基含有モノマー成分15重量%)
製造例1と同様に、還流冷却管を備えた500mL容量の三つ口フラスコにメチルメタクリレート68.0g、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート12.0g、酢酸エチル158.0g及びN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.15gを投入し、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合た後、70℃に加熱した。
(3−オキセタニル基含有反応性ポリマーCの製造、3−オキセタニル基含有モノマー成分40重量%)
製造例1と同様に、還流冷却管を備えた500mL容量の三つ口フラスコにメチルメタクリレート48.0g、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート32.0g、酢酸エチル58.0g及びN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.36gを投入し、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱した。
(エポキシ基含有反応性ポリマーDの製造、エポキシ基含有モノマー成分25重量%)
製造例1と同様に、還流冷却管を備えた500mL容量の三つ口フラスコにメチルメタクリレート60.0g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート20.0g、酢酸エチル158.0g及びN,N’−アゾビスイソブチロニトリル0.32gを投入し、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱した。
(3−オキセタニル基含有反応性ポリマーEの製造、3−オキセタニル基含有モノマー成分25重量%)
還流冷却管を備えた500mL容量の三つ口フラスコに完全ケン化ポリビニルアルコール(重量平均分子量2000、ケン化度99モル%)2.0g、部分ケン化ポリビニルアルコール(重量平均分子量2000、ケン化度80モル%)0.05g及び純水210gを投入し、90℃で15分間攪拌して、上記ポリビニルアルコールを溶解させた後、この溶液を40℃まで冷却した。
(多孔質フィルムAの作製)
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(JSR(株)製JSR−TR2601K、スチレン含有量30重量%)5重量%、変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)28.5重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン66.5重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。次いで、この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムBの作製)
製造例6におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体2.5重量%、高密度ポリエチレン(融点135℃)29.3重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン68.2重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムCの作製)
製造例6におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体5重量%、製造例6におけると同じ変性ポリオレフィン樹脂28.5重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン66.5重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムDの作製)
製造例6におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体10重量%、製造例6におけると同じ変性ポリオレフィン樹脂27重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン63重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムXの作製)
製造例6と同じ変性ポリオレフィン樹脂30.0重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン70.0重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムYの作製)
高密度ポリエチレン樹脂(三井化学(株)製3000B、融点135℃)30重量%と重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン70重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(反応性ポリマー担持多孔質フィルムA〜Eの製造)
製造例1〜5で得られた反応性ポリマーA〜Eをそれぞれ酢酸エチルに溶解して、10重量%濃度の反応性ポリマー溶液を調製した。製造例6〜9で得られた多孔質フィルムA〜Dに、表1に示すように、上記反応性ポリマー溶液を塗付して、それぞれ反応性ポリマー担持多孔質フィルムA〜Eを得た。ここに、多孔質フィルムの両面に反応性ポリマーを塗付し、担持させる場合は、先ず、多孔質フィルムの片面に塗付した後に、裏面にも同様にして、塗付した。このようにして得られた反応性ポリマー担持多孔質フィルムの名称とその構成を表1に示す。
(反応性ポリマー担持多孔質フィルムX及びYの製造)
ポリマーA、D又はEをそれぞれ酢酸エチルに溶解して、10重量%濃度のポリマー溶液を調製した。製造例10又は11で得られた多孔質フィルムX又はYに、表2に示すように、上記ポリマー溶液を塗付して、それぞれ反応性ポリマー担持多孔質フィルムX又はYを得た。このようにして得られた反応性ポリマー担持多孔質フィルムの名称とその構成を表2に示す。
(電池の組み立て)
製造例1〜9で得られた反応性ポリマー担持多孔質フィルムA〜Eをそれぞれ参考例1で得られた正極と負極の間に挟み、温度80℃の熱プレスを用いて、反応性ポリマー担持多孔質フィルムを正負両電極に圧着して、それぞれ電極/セパレータ積層体を製作した。電池セパレータの大きさは電極からはみ出る部分が1mmとなるようにした。
上記実施例において、反応性ポリマー担持多孔質フィルムとして、反応性ポリマー担持多孔質フィルムX又はYを用いた以外は、同様にして、それぞれ電池を作製した。これらの電池における電極/セパレータ接着力と電池の高温保存試験の結果を表4に示す。
上記実施例において、反応性ポリマー担持多孔質フィルムに代えて、製造例6〜9で得られた多孔質フィルムA〜Dを用いた以外は、同様にして、それぞれ電池を作製した。これらの電池における電極/セパレータ接着力と電池の高温保存試験の結果を表4に示す。
Claims (6)
- 多孔質フィルム上に反応性ポリマーの層を担持させてなる電池用セパレータであって、上記多孔質フィルムがポリオレフィンとスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物の架橋体からなり、5〜23%の範囲のゲル分率を有し、上記反応性ポリマーが分子中に3−オキセタニル基とエポキシ基から選ばれる少なくとも1種のカチオン重合性官能基を有するラジカル重合性モノマーと一般式(III)
で表される(メタ)アクリレートとのラジカル共重合体であることを特徴とする電池用セパレータ。 - 多孔質フィルムにおけるスチレン−ブタジエン共重合体の割合が2.5〜10重量%の範囲である請求項1に記載の電池用セパレータ用反応性ポリマー担持多孔質フィルム。
- 請求項1又は2に記載の多孔質フィルム上に反応性ポリマーの層を担持させてなる電池用セパレータに電極を積層して、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体を得、次いで、この積層体を電池容器内に仕込み、この電池容器内にカチオン重合触媒を溶解させた電解液を所定量注入し、上記電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体の有する反応性ポリマーに上記電解液を接触させ、次いで、電池容器を密封、封口して、上記反応性ポリマーの一部を少なくとも多孔質フィルムと電極との界面の近傍にて電解液中で膨潤させ、又は電解液中に溶出させて、カチオン重合によって架橋させ、電解液を少なくとも一部、ゲル化させて、電極を反応性ポリマーを介して多孔質フィルムと接着して得られる電極/セパレータ接合体。
- カチオン重合触媒がオニウム塩である請求項3に記載の電極/セパレータ接合体。
- 電解液がカチオン重合触媒を兼ねる電解質塩として、ヘキサフルオロリン酸リチウムとテトラフルオロホウ酸リチウムから選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項3に記載の電極/セパレータ接合体。
- 請求項3から5のいずれかに記載の電極/セパレータ接合体を有する電池。
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