JP2003342361A - アルコキシレート化合物の製造方法 - Google Patents

アルコキシレート化合物の製造方法

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JP2003342361A JP2002140264A JP2002140264A JP2003342361A JP 2003342361 A JP2003342361 A JP 2003342361A JP 2002140264 A JP2002140264 A JP 2002140264A JP 2002140264 A JP2002140264 A JP 2002140264A JP 2003342361 A JP2003342361 A JP 2003342361A
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康彦 佐藤
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義幸 恩田
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宏道 田中
Takeshi Hirata
健 枚田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘度が高い反応液を用いた場合であっても、
効率良くアルキレンオキサイドの活性水素含有化合物へ
の付加を成し得る方法を提供する。 【解決手段】 活性水素含有化合物にアルキレンオキサ
イドを付加する場合において、反応液の粘度が10mP
a・s以上の場合に、撹拌反応器内部に垂直方向に連続
的に設けられた羽根の回転により、下記式(1): 【数1】 (式中、Aはアルキレンオキサイドの供給により新たに
浸漬された羽根の長さ(m)であり、h1はアルキレン
オキサイド供給前の液面高さ(m)であり、h2はアル
キレンオキサイド供給後の液面高さ(m)である)で表
される数値Cが0.5以上となるように撹拌する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアルキレンイ
ミンや不飽和アルコールなどの活性水素含有化合物にア
ルキレンオキサイドを付加する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアルキレンイミンや不飽和アルコー
ルといった活性水素含有化合物のアルキレンオキサイド
付加物(アルコキシレート化合物)は、各種洗剤や化学
品等の原料として広く用いられている。アルキレンオキ
サイドの付加方法としては、活性水素含有化合物とアル
キレンオキサイドとを、酸触媒または塩基触媒の存在下
において反応させることが一般的である。例えば、PC
T国際公開公報97/23546にはポリアミンへのポ
リエチレンオキサイド付加の方法が開示されており、よ
り詳しくはポリアミンに含まれるNH結合1molに対
して約1molのエチレンオキサイドを付加し、触媒を
加えた後、さらに所定量のエチレンオキサイドを付加す
る方法が開示されている。
【0003】反応液中にアルキレンオキサイドを供給し
た場合、反応液の溶解度以上に供給されたアルキレンオ
キサイドは反応容器の気相中に存在する。気相中のアル
キレンオキサイドは、アルキレンオキサイド付加反応の
進行によって液相中のアルキレンオキサイド濃度が溶解
度以下に下がったとき液相中に吸収され、さらなるアル
キレンオキサイド付加反応に供される。
【0004】しかしながら、反応液の粘度が高い反応条
件下においては、気相中に存在するアルキレンオキサイ
ドの液相への吸収が遅いため、液相中において充分なア
ルキレンオキサイド量を確保できず、また、反応器の圧
力が下がりにくい。その結果、アルキレンオキサイドの
液相への吸収が律速段階となってしまい、目的であるア
ルキレンオキサイドと活性水素含有化合物との反応速度
が低下する問題があった。反応速度の低下は、生産性を
低めるのみならず、不純物の生成、反応液の着色などの
原因ともなる。
【0005】一方、アルキレンオキサイド付加反応にお
いては、一旦生成した付加物の分解や、反応系に存在す
る水とアルキレンオキサイドとの反応によって、アルコ
キシレート化合物の特性を低下させる成分が副生する問
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
とするところは、反応液の粘度が高い場合であっても、
効率良くアルキレンオキサイドを活性水素含有化合物へ
付加させうるアルコキシレート化合物の製造方法を提供
することである。
【0007】また本発明の目的とするところは、アルコ
キシレート化合物の特性低下の原因となる副生成物の含
有量を抑制しうるアルコキシレート化合物の製造方法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、撹拌反応器に
供給されてなる活性水素含有化合物に、アルキレンオキ
サイドを供給して、アルコキシレート化合物を製造する
方法であって、アルキレンオキサイド付加反応中の反応
液の最高粘度が10mPa・s以上であり、前記反応液
は、前記撹拌反応器内部に垂直方向に連続的に設けられ
た羽根の回転により撹拌され、下記式(1):
【0009】
【数5】
【0010】(式中、Aはアルキレンオキサイドの供給
により新たに浸漬された羽根の長さ(m)であり、h1
はアルキレンオキサイド供給前の液面高さ(m)であ
り、h2はアルキレンオキサイド供給後の液面高さ
(m)である)で表される数値Cが0.5以上であるこ
とを特徴とするアルコキシレート化合物の製造方法であ
る。
【0011】アルキレンオキサイドを活性水素含有化合
物に付加する際に、反応液表面近傍を上記条件を満足す
るように撹拌すると、気相中のアルキレンオキサイドの
液相への吸収を促進させることができる。このため、反
応液の粘度が高い場合であっても、効率良くアルキレン
オキサイドを活性水素含有化合物へ付加させることがで
きる。また、反応時間を短縮できるため、副生成物の生
成量を減少させることができる。
【0012】また本発明は、撹拌反応器に供給されてな
る活性水素含有化合物に、アルキレンオキサイドを供給
して、アルコキシレート化合物を製造する方法であっ
て、反応液は、前記撹拌反応器内部に垂直方向に連続的
に設けられた羽根の回転により撹拌され、アルキレンオ
キサイドを付加した後に、下記式(2):
【0013】
【数6】
【0014】(式中、Bは前記反応液の減少により気相
に新たに露出した羽根の長さ(m)であり、h2はアル
キレンオキサイド供給後の液面高さ(m)であり、h3
は不純物または溶剤除去処理後の液面高さ(m)であ
る)で表される数値C’が0.5以上となるように前記
反応液を前記羽根の回転により撹拌しながら、不純物ま
たは溶剤を除去することを特徴とするアルコキシレート
化合物の製造方法である。
【0015】アルキレンオキサイドを付加した後に、こ
のような条件を満足するように反応液表面近傍を撹拌す
ることによって、副生する不純物や溶剤を効率良く除去
できる。
【0016】さらに本発明は、触媒存在下、アルケニル
基含有ヒドロキシ化合物にアルキレンオキサイドを供給
して、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が40モ
ル以上のアルコキシレート化合物を製造する方法であっ
て、アルキレンオキサイド付加反応の際の反応温度
(X)、反応時間(Y)および触媒濃度(Z)が下記式
(3):
【0017】
【数7】
【0018】(式中、Xは反応温度(℃)であり、Yは
反応時間(アルキレンオキサイド投入時間(hr)+熟
成時間(hr))であり、Zは触媒濃度(仕込み原料か
ら算出されるアルコキシレート化合物理論量に対する触
媒の質量%)である)を満足することを特徴とする、ア
ルコキシレート化合物の製造方法である。
【0019】アルキレンオキサイド付加反応の際に、反
応温度(X)と反応時間(Y)と触媒濃度(Z)とが特
定の関係を満足する条件下で付加反応を行うことによ
り、ポリアルキレンオキサイドの副生を抑制することが
できる。
【0020】アルコキシレートの製造に関する上記発明
を組み合わせて用いてもよく、その場合には、それぞれ
の効果を発現させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】アルキレンオキサイド付加反応進
行中における、羽根と液面との関係について、図1を参
照しながら説明する。図1は、反応液3を撹拌する羽根
2を備えた撹拌反応器1の概略図である。h1はアルキ
レンオキサイド供給前の反応液の液面、即ち、活性水素
含有化合物を含む溶液の液面高さ(m)である。なお、
本発明において「液面高さ」とは静置時における反応器
底部からの液面高さをいう。また、「撹拌反応器」と
は、内部に羽根2が備えられ、活性水素含有化合物とア
ルキレンオキサイドとの反応が進行する容器をいい、
「反応液」とは撹拌反応器内部において液相として存在
し、活性水素含有化合物とアルキレンオキサイドとの反
応が進行する液体を指す。
【0022】撹拌されている反応液3にアルキレンオキ
サイドが供給され、反応液3の液面が上昇する。このと
き、羽根2を用いて気液境界面を撹拌することによっ
て、気相中に存在するアルキレンオキサイドを効果的に
液相中に吸収させることができる。従って、羽根2はア
ルキレンオキサイド供給前の液面よりも気相方向にまで
設けられてなり、反応液3の液面が上昇した場合であっ
ても、気液境界面に羽根が存在し、気液境界面が撹拌さ
れることが好ましい。羽根はアルキレンオキサイド供給
開始時に気液境界面に存在することが好ましいが、ない
場合を排除するものではない。具体的には、アルキレン
オキサイド供給後の液面高さ(アルキレンオキサイドの
供給終了時の液面高さ)をh2(m)としたとき、下記
式(1):
【0023】
【数8】
【0024】で表される数値Cが0.5以上であること
が本発明の効果を得るために必要である。なお、式中A
とは、アルキレンオキサイドの供給により新たに反応液
3中に浸漬された羽根の長さ(m)であり、アルキレン
オキサイドの供給により、羽根2が反応液3中に完全に
浸漬する場合には、開始時液面高さh1から羽根2の上
部端辺までの長さとして与えられる数値である。羽根が
間欠的に設けられてなる場合には、Aの長さは実際に羽
根が設けられてなる部分の合計を指し、例えば0.4m
の羽根が0.1m間隔で垂直方向に間欠的に設けられて
なる撹拌反応器において2mの液面高さ上昇があった場
合のA値は1.6mとなる。本発明の効果をより効果的
に得るためには、数値Cは0.6以上であることが好ま
しく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以
上であることがさらにより好ましく、0.9以上である
ことが特に好ましく、1であることが最も好ましい。な
お、数値Cが1の場合とは、反応中気液境界面に常に羽
根2が存在している撹拌条件である。
【0025】図2を参照して、アルキレンオキサイド付
加に対する撹拌羽根の影響を説明する。ライン1は気液
境界面が上昇した場合においても常に気液境界面に図7
に示すタイプの羽根が存在するように設計された撹拌反
応器(C=1)を用いたケースであり、ライン2は図6
に示す4つの羽根が間欠的に設けられた撹拌反応器(C
=0.11)を用いたケースであり、ライン3は気液境
界面が上昇した場合においても常に気液境界面に図4に
示すタイプの羽根が存在するように設計された撹拌反応
器(C=1)を用いたケースである。なお、ライン2の
ケースにおいては羽根と羽根との間隔は充分に広く設け
られている。アルキレンオキサイド付加反応は、撹拌反
応器中の気相の圧力が一定になるように進行させた。す
なわち、気相中のアルキレンオキサイドが溶液中に吸収
され、圧力が低下した場合に、低下した圧力を補うよう
に新たにアルキレンオキサイドを供給する方式とした。
グラフの横軸はアルキレンオキサイド供給開始からの経
過時間であり、縦軸は供給されたアルキレンオキサイド
量を示す。
【0026】ライン1およびライン3においては、気液
境界面に常に羽根が存在し、充分撹拌されるため、液相
へのアルキレンオキサイドの溶解が一定の速度で進行
し、溶解速度も充分速い。一方、ライン2においては羽
根が存在する場合(グラフ中、「2段目」、「3段
目」、「4段目」と記載した位置近傍)においては、液
相へのアルキレンオキサイドの溶解速度が上昇する。し
かしながら、アルキレンオキサイドの供給とともに気液
境界面が上昇し、気液境界面に羽根が存在しなくなると
溶解速度が低下する。その結果、図2に示すように溶解
に要する時間が長くなり、生産性の低下や不純物・着色
の発生といった弊害を招来する。
【0027】アルキレンオキサイド付加後の反応液中に
は、未付加の原料、エチレンオキサイド付加モル数の少
ない製品、副生した不純物(2,3−ブタンジオン、ア
セトニトリル、分子量200以下の低級アミンなど)、
活性水素含有化合物やアルキレンオキサイドを供給する
際に含まれ得る溶媒、触媒を添加する際に用いられる溶
媒などが含まれる。そこで、生成物の純度を高める目的
で不純物や溶剤を除去することが好ましい。このとき羽
根2の撹拌を利用して効率良く純度向上を図ることがで
きる。即ち、アルキレンオキサイドを供給する場合と同
様に、気液境界面を羽根2の作用で撹拌することによっ
て、液相中の不純物および/または溶剤を効率良く気化
させて除去することができる。従って、羽根2は反応液
3の液面が下降した場合であっても、気液境界面に羽根
が存在し、気液境界面が撹拌されることが好ましい。具
体的には、アルキレンオキサイド供給後の液面高さ
(m)をh2、不純物または溶剤除去処理後(処理終了
時の液面高さ(m)をh3としたとき、下記式(2):
【0028】
【数9】
【0029】で表される数値C’が0.5以上となるよ
うに反応液を羽根の回転により撹拌しながら不純物およ
び/または溶剤を除去することが好ましい。なお、式中
Bとは、不純物および/または溶剤の除去を伴う反応液
の減少によって気相に新たに露出した羽根の長さ(m)
であり、撹拌反応器の垂直方向の長さとして与えられる
数値である。活性水素含有化合物および/またはアルキ
レンオキサイドを供給する際に溶媒が用いられない場合
には液面の下降は実際には殆ど生じないが、このような
場合には、不純物および/または溶剤除去の開始時に気
液境界面に羽根が存在するように条件を調整すればよ
い。不純物および/または溶剤の除去は、アルキレンオ
キサイド付加反応に用いた撹拌反応器を用いて行っても
よく、別個に不純物を除去する撹拌反応器を設けてもよ
い。また、上記不純物および/または溶剤の除去は、後
述する不活性ガスによるバブリングと併用することによ
ってより一層の効果が得られる。単蒸留、薄膜蒸留、ス
プレードライヤー処理等を併用することも有用である。
本発明の効果をより効果的に得るためには、数値C’は
0.6以上であることが好ましく、0.7以上であるこ
とがより好ましく、0.8以上であることがさらにより
好ましく、0.9以上であることが特に好ましく、1で
あることが最も好ましい。なお、数値C’が1の場合と
は、プロセス中、気液境界面に常に羽根2が存在してい
る撹拌条件である。
【0030】本発明の方法は、反応液3の粘度に無関係
に適用できるものであるが、高粘度の反応液に適用した
場合に特に有益な効果が得られるものである。この観点
からは、反応液3の最高粘度が10mPa・s以上であ
る場合に本発明は有益である。また本発明は、最高粘度
が30mPa・s以上となる場合により有益であり、5
0mPa・s以上となる場合にさらにより有益であり、
100mPa・s以上となる場合に特に有益である。最
高粘度の上限は特に限定されるものではないが、一定値
以上に粘度が高くなると反応液を撹拌させることが困難
になるため、好ましくは200,000mPa・s以
下、より好ましくは30,000mPa・s以下、特に
好ましくは10,000mPa・s以下とするとよい。
反応液の粘度はB型粘度計を用いて測定することができ
る。
【0031】次に、撹拌反応器、羽根形状等の本発明に
用いられる装置について詳細に説明する。
【0032】撹拌反応器の形状は特に限定されるもので
はないが、効率のよい撹拌を達成するためには撹拌反応
器の横方向の断面が円形である撹拌反応器を用いること
が適切である。具体的には円筒形や、図3に示すような
撹拌反応器上部になるほど撹拌反応器直径が段階的に大
きくなる形状などが挙げられる。図3に示すような撹拌
反応器を用いた場合には、初期仕込み量に対する目的物
の仕上がり量の比を大きくすることができ、アルキレン
オキサイドの付加モル倍率を高めることができる。本発
明は、液面高さ変化が大きい場合に特に効果的であり、
具体的にはアルキレンオキサイド供給前の液面高さ
(m)に対するアルキレンオキサイド供給後の液面高さ
(m)の比(h2/h1)が1.5以上のときに効果的で
あり、2以上のときにより効果的であり、3以上の時に
特に効果的である。撹拌反応器は、反応液量に対する気
液境界面の面積を考慮すると、撹拌反応器における最大
液面の高さ(m)/撹拌反応器の直径(m)(L/S)
がより小さいことが好ましいが、本発明の効果は供給さ
れた液体の縦横比が1以上となるように設計されている
ときに有効であり、1.5以上であるときにより有効で
あり、2以上であるときに特に有効である。従って、装
置の反応液供給部の縦横比が上記値を満足するように設
計されていることが好ましい。縦横比の上限は特に限定
されるものではないが、縦横比が高すぎると装置の設計
上不具合が生じる恐れがあるため5以下であることが実
際的である。段階的に撹拌反応器直径が大きくなる形状
の撹拌反応器を用いる場合には、「撹拌反応器の直径」
とは直径が最大となる部分の直径を意味し、段階的な広
がり度合いは段階的に直径を大きくした効果を高めるた
めには30〜60°程度が好適である。しかしながら、
いずれの場合も上記範囲に限定されるものではなく、反
応条件や使用する活性水素含有化合物の種類に応じて適
宜変更することは勿論可能であり、そのような方法を排
除するものではない。
【0033】撹拌反応器底部および蓋部の形状も特に限
定されるものではなく、平面状、コニカル状、楕円状な
ど各種形状を有することが可能である。撹拌反応器スケ
ールに関しても特に制限はないが、本発明の効果を工業
的に得るためには撹拌反応器内部の体積が1m3以上で
あることが好ましく、5m3以上であることがより好ま
しく、10m3以上であることが特に好ましい。
【0034】撹拌反応器内部には反応液を撹拌するため
の羽根2が設けられる。羽根は、上記式(1)で表され
る数値Cに関する条件を満足するために、撹拌反応器内
部に垂直方向に連続的に設けられていることが好まし
い。なお、本発明において「垂直方向」とは水平面に対
して垂直な方向を意味する。また「連続的な羽根」と
は、図1に示すような平板タイプ、図4に示すような複
数枚の平板が組み合わさったタイプ(住友重機械工業株
式会社製トルネード翼等)のような垂直方向に切れ目が
ないタイプ、図5に示すような2以上の撹拌羽根が垂直
方向に切れ目なく設けられてなるタイプ(神鋼パンテッ
ク株式会社製フルゾーン翼、綜研化学株式会社製Hi−
Fミキサー等)などの種々の形態を含む概念であり、撹
拌力に問題が無ければ間欠的ではあるが略連続的に羽根
が設けられてなるタイプでもよい。羽根の具体例として
は、上記例示したものの他にも、図6に示すようなパド
ル羽根が間欠的に設けられてなるピッチドパドル型、図
7に示すような撹拌力を増すために羽根に切れ目が入っ
ているタイプ(住友重機械工業株式会社製マックスブレ
ンド等)、スクリュー型、ヘリカルリボン型、広幅パド
ル型、アンカー型、ピッチドパドル型、馬蹄型、ゲート
型、パドル多段翼、シングルリボンスクリュー翼、ダブ
ルリボンスクリュー翼、コーン型、ディスクタービン
型、ファンタービン型、ピッチドタービン型、ハイドロ
フォイル型、湾曲羽根ファンタービン型、矢羽根タービ
ン型、ファドラー型、フルマージン型、プロペラ型、往
復回転式翼などが挙げられ、使用する反応液の粘性や製
造スケールに応じて適宜使いわければよい。また、本発
明の効果が得られる限りにおいては各種改良を加えても
よい。市販の撹拌器を用いてもよく、スーパーミックス
HR−100、HR−320、HR−500i(いずれ
も佐竹化学機械株式会社製)、サンメラー(三菱重工業
株式会社製)、VCR(三菱重工業株式会社製)、ベン
ドリーフ(八光産業株式会社製)、スーパーブレンド
(住友重機械工業株式会社製)、ログボーン(神鋼パン
テック株式会社製)、ねじり格子翼(株式会社日立製作
所製)、ウォールウェッター(関西化学機械製作株式会
社製)などが挙げられる。
【0035】羽根は、反応液を均一に撹拌するためには
撹拌反応器の中心に回転軸があることが好ましい。羽根
の大きさは羽根の種類や撹拌反応器の大きさ、反応させ
る化合物の種類によって適宜選択すればよく一義的に決
定できないが、羽根の回転半径が撹拌反応器半径の30
〜90%程度であることが好適である。羽根の設けられ
る範囲は、各種反応条件に対応するためには、撹拌反応
器底部近傍から蓋部近傍に渡って設けられていることが
好ましいが、実際に反応液が供給される量が一定量なの
であればそれに応じて羽根の設置位置を限定することも
可能である。
【0036】撹拌反応器および羽根の材質は、ステンレ
スなど各種金属材を用いることができ、グラスライニン
グや電解研磨を利用した表面仕上げなどの改善処理を施
すこともできる。
【0037】撹拌反応器には反応液に徐々にアルキレン
オキサイドを供給するための供給手段が設けられること
が好ましい。供給手段についても特に限定はないが、ア
ルキレンオキサイドの液相への吸収効率を上げるために
は反応液を撹拌反応器上部からシャワーリングする供給
手段が設けられてなることが好ましい。
【0038】また、撹拌反応器にはアルキレンオキサイ
ド付加による結果物(アルコキシレート化合物)を、不
活性ガスによって脱臭するためのバブリング手段が設け
られてなることが好ましい。このようなバブリングによ
って反応液中の不純物を効果的に除去することができ、
純度の高く、臭気の少ないアルコキシレート化合物を得
ることができる。活性水素含有化合物としてポリアルキ
レン(C2−C4)イミンを用いた場合には不純物が生じ
やすいため脱臭工程により除去することが特に求められ
る。バブリングに用いられる不活性ガスとしてはアルゴ
ン、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、またはこれらの混合
ガスなどが挙げられ、効果的なバブリング処理を施すた
めには反応液への不活性ガス吹き出し口を2か所以上設
け、不活性ガスを供給することが好ましい。泡の大きさ
は微細であるほど好ましく、具体的にはノズルの径を4
0mm以下とすることが好ましく、30mm以下とする
ことがより好ましい。不活性ガスの供給にあたっては、
撹拌反応器内部に供給手段を設けることが好ましく、例
えばガス吹き出し口が設けられたリング状の不活性ガス
供給手段を反応液中に浸漬するように設けることができ
る。バブリングの代わりに、または併用して、単蒸留、
薄膜蒸留またはスプレードライヤー処理によって反応液
中の不純物を除去してもよい。単蒸留とは精留部分のな
い回分蒸留を意味し、一般的な装置によって実施するこ
とができる。薄膜蒸留は、ヒックマン型蒸留機、流下膜
式蒸留機、ロータートレイ型蒸留機、ブラシ式分子蒸留
機等を用いて行うことができ、圧力0.1mmHg以
下、温度100〜200℃の条件で行うことが適切であ
る。スプレードライヤー処理は、上部より目的物を噴霧
し、下部より100〜200℃の熱風不活性ガスを吹き
込むことにより実施できる。この場合、目的物を粒状に
して乾燥するため、蒸発表面積が大きく、液滴と熱風と
の接触時間が短くてすみ、目的物の熱負荷による変質を
低減できる。その他の脱臭方法としては活性炭、モレキ
ュラーシーブス、多孔質高分子、ゼオライトなどを挙げ
ることができる。ただし、これらを用いて脱臭した場合
には使用後の後処理が必要となることを留意して使用す
る必要がある。
【0039】撹拌反応器には、上記構成要素以外の構成
要素を付加してもよい。例えば、撹拌力を高めるために
撹拌反応器側面に沿って邪魔板を設けたり、冷却コイル
を設けることができる。冷却コイルは撹拌力低下の原因
となるが、本発明の方法を用いることによりこの弊害を
解決することができる。
【0040】続いて本発明のアルコキシレート化合物の
製造条件について詳細に説明する。
【0041】活性水素含有化合物は、アルキレンオキサ
イドと反応可能な化合物であれば特に限定されるもので
はない。例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ
ル基を含有する化合物が挙げられる。本発明を実施する
上で特に有効な化合物としては、ポリアルキレン(C2
−C4)イミン、ポリアルキレン(C2−C4)グリコー
ル、不飽和結合を有するアルコール、多価アルコールな
どが挙げられる。ポリアルキレン(C2−C4)イミンの
具体例としてはポリエチレンイミン、ポリプロピレンイ
ミン、ポリブチレンイミン、ポリイソプロピレンイミ
ン、ポリイソブチレンイミンなどが挙げられるが、製造
コストを考慮するとポリエチレンイミンであることが好
ましい。ポリアルキレン(C2−C4)グリコールの具体
例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリブチレングリコール、ポリイソプロピ
レングリコール、ポリイソブチレングリコールなどが挙
げられ、同様の理由によりポリエチレングリコールが好
ましい。ポリマーの重量平均分子量は特に制限はない
が、分子量が低すぎると高分子の有する本来の性質が得
られなくなる恐れがあり、高すぎると粘度が上昇し取り
扱いが不便になる恐れがある。この観点から重量平均分
子量は300以上であることが好ましく、600以上で
あることが好ましい。上限に関しては、2000000
以下であることが好ましく、500000以下であるこ
とがより好ましく、10000以下であることがさらに
より好ましく、5000以下であることが特に好まし
い。また、ポリマーは直鎖状、枝分かれ状のいずれも使
用可能である。不飽和結合を有するアルコールとして
は、アルケニル基含有ヒドロキシ化合物、イソプロパノ
ール、メタリルアルコールなどが挙げられる。アルケニ
ル基含有ヒドロキシ化合物は、特に制限されるものでは
ないが、例えば、アリルアルコール、メタリルアルコー
ル、3−ブテン−1−オール、2−メチル−2−ブテン
−1−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、
3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2
−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−
オール等の不飽和アルコール等;これら不飽和アルコー
ルに後述するアルキレンオキサイドを1〜25モル程度
付加させたアルコキシレート化合物;等が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上を用いることができる。活性
水素含有化合物へのアルキレンオキサイドの平均付加モ
ル数を40モル以上とすることを所望する場合には、ア
ルケニル基含有ヒドロキシ化合物として、不飽和アルコ
ールにアルキレンオキサイドを付加させたアルコキシレ
ート化合物を用い、多段階でアルキレンオキサイドを付
加することが好ましい。多価アルコールとしては、ソル
ビトール、グリセリンなどが挙げられる。
【0042】活性水素含有化合物は、各種公知の方法に
よって調製、精製することができる他、市販の化合物
(例えば、ポリアルキレンイミンとして株式会社日本触
媒製エポミン(登録商標)SP−018、SP−006
など)を使用することもできる。
【0043】これらの活性水素含有化合物は、アルキレ
ンオキサイドが供給される前に撹拌反応器に供給され、
予め撹拌されることが好ましい。撹拌反応器への活性水
素含有化合物の供給方法は特に限定されるものではな
く、化合物一般に通常要求される配慮をすればよい。活
性水素含有化合物の供給量も撹拌反応器の内部体積や使
用する化合物等によって決定されるため一義的に決定で
きないが、撹拌反応器の内部体積の5〜50体積%程度
供給することが適切である。活性水素含有化合物は単体
で供給してもよく、場合によっては水やアセトンなどの
溶媒と共に供給してもよい。ただし、溶媒と共に加える
場合には溶媒中の活性水素との反応に起因する不純物の
生成に留意する必要がある。また、活性水素含有化合物
を含む溶液は、気相中のアルキレンオキサイドの液相中
への溶解度や分配平衡を考慮すると、供給されるアルキ
レンオキサイドの極性との差が小さいことが好ましい。
【0044】本発明の製造方法において用いることので
きる前記アルキレンオキサイドは、特に制限されるもの
ではないが、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが好
ましい。具体的には、エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイド、イソプロピレンオキ
サイド、イソブチレンオキサイドなどが挙げられるが、
これらの中では反応性、製造コストの観点からエチレン
オキサイドまたはプロピレンオキサイドが好ましく、エ
チレンオキサイドがより好ましい。アルキレンオキサイ
ドは単独で用いても複数のアルキレンオキサイドを併用
してもよく、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等
のいずれの形態であってもよい。また、セメント分散剤
用の原料としてアルコキシレート化合物を用いる場合に
は、少なくともエチレンオキサイドが含まれることが望
ましく、このとき、全アルキレンオキサイドに対するエ
チレンオキサイドの割合は50〜100モル%とするの
がよい。エチレンオキサイドが50モル%未満である
と、得られるアルコキシレート化合物を用いてセメント
分散剤用ポリマーを得た場合に減水性能が低下する傾向
がある。全アルキレンオキサイドに対するエチレンオキ
サイドの割合は、好ましくは60モル%以上、より好ま
しくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以
上、最も好ましくは90モル%以上である。また、アル
キレンオキサイドの代わりに、グリシドールやエピクロ
ロヒドリン等のエポキシド含有化合物を用いてもよい。
【0045】アルキレンオキサイドの供給方法として
は、上述したようにシャワーリングする方法や、蓋や内
壁上部に注入口を設ける方法が挙げられる。アルキレン
オキサイドの供給量は、所望する生成物によって異なる
ため一義的に決定することは困難であるが、供給される
アルキレンオキサイド総量(mol)と活性水素含有化
合物中の活性水素基量(mol)との比(アルキレンオ
キサイド/活性水素基)が、0.5〜200程度となる
ように供給することが一般的である。一般に、付加させ
るアルキレンオキサイドの量が多くなるほど、副生成物
の生成も増す傾向がある。このことを考慮すると、本発
明によって生じる副生成物の生成を効率良く抑制する効
果は、アルキレン付加モル数が多いほど有益である。具
体的には、本発明は、アルキレンオキサイドの平均付加
モル数が40モル以上である場合に有益であり、45モ
ル以上である場合により有益であり、60モル以上であ
る場合にさらに有益であり、90モル以上である場合に
とりわけ有益であり、110モル以上である場合に最も
適している。
【0046】好ましいアルキレンオキサイドの供給速度
も、反応系や撹拌反応器によって異なるため一義的に定
義することは困難であるが、気相の圧力が一定値を上回
らないように供給するとよい。具体的には圧力が0.5
〜10kg/cm2程度となるように供給することが適
当である。アルキレンオキサイドは単体で供給してもよ
く、場合によっては水やアセトンなどの溶媒と共に供給
してもよい。ただし、溶媒と共に加える場合には溶媒中
の活性水素との反応に起因する不純物の生成に留意する
必要がある。
【0047】アルキレンオキサイド付加反応を行う際に
は、触媒として、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、およびこれらの水酸化物等の1種または2種以上
を用いるとよい。具体的には、例えば、ナトリウム、ナ
トリウムアマルガム、ナトリウムハライド、ナトリウム
メトキサイド、カリウム、カリウムアマルガム、カリウ
ムハライド、カリウムメトキサイド、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0048】本発明の方法によって得られるアルコキシ
レート化合物としては、ポリアルキレンイミンにアルキ
レンオキサイドが付加したポリアミンポリエーテルポリ
オール重合体、イソプレノールのエチレンオキサイド付
加物、ポリエチレングリコールのアルキレンオキサイド
付加物、アルケニル基含有ヒドロキシ化合物のアルキレ
ンオキサイド付加物などが挙げられる。アルコキシレー
ト化合物は、付加したアルキレンオキサイドの末端が水
素であってもよいし、その後アルキル化を行うことによ
り炭化水素基に変換されていてもよい。炭化水素基とし
ては、炭素数1〜30のものが好ましく、例えば、脂肪
族または脂環族アルキル基;フェニル基、アルキルフェ
ニル基、フェニルアルキル基、(アルキル)フェニル基
で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を
有する芳香族基;等が挙げられる。
【0049】反応中の羽根の撹拌動力についても、羽根
の種類、付加するアルキレンオキサイド、活性水素含有
化合物の種類によって適宜選択すべき数値であるため一
義的には規定できないが、一般的には撹拌不良による不
均一反応の発生や反応速度の低下を抑制する観点から、
撹拌動力が0.2〜3kW/m3が適当であり、0.5
〜2.5kW/m3がより適当である。撹拌動力は一定
に保つ必要は無く、反応条件に応じて撹拌動力を変化さ
せてもよい。
【0050】反応温度、反応圧力、反応方法などについ
ては、所望する最終生成物や求める純度、収率などに応
じて適宜選択すればよいが、反応温度については温度が
高いほど反応液におけるアルキレンオキサイドの溶解度
が低下する傾向がある。このため、本発明は、反応液温
度を100℃以上にする必要がある場合に有益であり、
120℃以上にする必要がある場合により有益であり、
140℃以上にする必要がある場合に特に有益である。
ただし、反応温度が低い条件に本発明を適用することを
除外するものではない。また、反応中の撹拌反応器中の
雰囲気は、減圧してアルキレンオキサイドを供給して、
雰囲気ガスの大部分をアルキレンオキサイドガスとして
もよく、アルキレンオキサイドの爆発性を低下させるた
めに窒素やアルゴン等の不活性ガスで置換してからアル
キレンオキサイドの供給を開始してもよい。
【0051】また、アルキレンオキサイドが付加される
活性水素含有化合物がアルケニル基含有ヒドロキシ化合
物である場合には、下記式(3):
【0052】
【数10】
【0053】を満足する条件でアルキレンオキサイド付
加反応を進行させることが好ましい。このような条件で
アルキレンオキサイド付加反応を進行させることによっ
て、アルコキシレート化合物製造に伴い生成する副生物
の量を抑制することができる。この効果は、前述のよう
にアルキレンオキサイドの平均付加モル数が40モル以
上である場合に有益であり、45モル以上である場合に
より有益であり、60モル以上である場合にさらに有益
であり、90モル以上である場合にとりわけ有益であ
り、110モル以上である場合に最も適している。な
お、式中、Xは反応温度(℃)であり、Yは反応時間
(アルキレンオキサイド投入時間(hr)+熟成時間
(hr))であり、Zは触媒濃度(仕込み原料から算出
されるアルコキシレート化合物理論量に対する触媒の質
量%)である。
【0054】反応温度(X)は、アルキレンオキサイド
付加反応の反応温度を表し、反応液の温度を測定するこ
とによって求め得る。また、反応温度がアルキレンオキ
サイド付加反応中に変化する場合には平均温度を、前記
式(3)における反応温度として用いる。例えば、一分
毎に温度を測定して平均温度を算出する。反応温度
(X)は、前記式(3)を満足するように設定すればよ
いのであるが、好ましくは80〜155℃の範囲内、よ
り好ましくは90〜140℃の範囲内、さらに好ましく
は100〜130℃の範囲内である。反応温度(X)が
高過ぎると、ポリアルキレンオキサイドの副生が増える
傾向があり、例えば、得られたアルコキシレート化合物
を用いてセメント分散剤用ポリマーを得た場合、減水性
能等が低下する傾向がある。一方、反応温度(X)が低
過ぎると、付加速度が遅くなり、生産性が低下する原因
となる。
【0055】反応時間(Y)は、アルキレンオキサイド
投入時間と熟成時間との合計時間を表す。例えば、アル
ケニル基含有ヒドロキシ化合物および触媒中に、前記ア
ルキレンオキサイドを連続的に投入して付加反応を行う
場合には、アルキレンオキサイドを投入している時間お
よび反応を完結させるために熟成させる時間の合計時間
となる。反応時間(Y)は、前記式(3)を満たすよう
反応時間(Y)をコントロールすればよいのであるが、
好ましくは50時間以内、より好ましくは40時間以
内、さらに好ましくは30時間以内である。反応時間
(Y)が長すぎると、副生成物の生成量が増える傾向が
ある。
【0056】触媒濃度(Z)は、仕込み原料から算出さ
れるアルコキシレート化合物理論量に対する触媒の質量
比を表す。前記式(3)を満足するように設定すればよ
いのであるが、好ましくは10000ppm以下、より
好ましくは8000ppm以下、さらに好ましくは50
00ppm以下、最も好ましくは3000ppm以下で
ある。触媒濃度が高すぎると、副生成物が多量に発生す
る傾向がある。
【0057】前記式(3)を満足する条件でアルコキシ
レート化合物を調製することによって、副生成物の生成
を効果的に抑制することが可能である。好ましくは、ア
ルキレンオキサイド付加反応で副生するポリアルキレン
オキサイドの生成量が、該付加反応で生成する全生成物
中15質量%以下、より好ましくは13質量%以下、さ
らに好ましくは10質量%以下となる。副生するポリア
ルキレンオキサイドの生成量が前記割合より多いと、ア
ルコキシレート化合物の特性が低下する恐れがある。例
えば、得られたアルコキシレート化合物を用いてセメン
ト分散剤用ポリマーを得た場合、減水性能等の性能が低
下する傾向がある。なお、ポリアルキレンオキサイドの
生成量は、通常の方法で測定することができ、例えば、
ポリエチレングリコールであれば、実施例で後述する測
定方法によって測定することができる。
【0058】また、アルキレンオキサイド付加反応にお
いては、副生成物としてイソプレンが生成することがあ
るが、本発明の製造方法によれば、イソプレンの生成量
を抑制することも可能である。好ましくは、該付加反応
で生成する全生成物中、好ましくは1000ppm以
下、より好ましくは900ppm以下、さらに好ましく
は800ppm以下、とりわけ好ましくは700ppm
以下となる。なお、イソプレンの生成量は、例えば、実
施例で後述する測定方法によって測定することができ
る。
【0059】以下には、活性水素含有化合物としてポリ
エチレンイミンを用いてポリアミンポリエーテルポリオ
ール重合体を得る際の反応について、本発明に係る一実
施形態として説明する。
【0060】まず、撹拌反応器にポリエチレンイミンを
供給する。これにポリエチレンイミンに含まれるNH結
合1モルに対して0.85〜1.05モル等量のエチレ
ンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドをそ
のまま、あるいは必要に応じて溶剤により希釈して、本
発明の方法に従って反応させる。エチレンオキサイドお
よび/またはプロピレンオキサイド付加は溶媒存在下に
おいて付加しても、無溶媒中で付加してもよい。反応時
の圧力は2.0〜4.2kg/cm2程度が好適であ
る。
【0061】次に、NaOH、KOH、NaOCH3
の触媒を系中に添加する。触媒はそのまま添加しても、
水やメタノール等に溶解して添加してもよい。このとき
触媒添加量が少なすぎると反応速度が遅くなり、多すぎ
ると不純物の生成量が増加する恐れがある。また、不純
物の生成を抑制する観点からは、触媒としてKOHを用
いることが最も好ましい。
【0062】溶媒を用いて触媒を添加した場合には、触
媒を脱気および/または加熱により揮発させた後、エチ
レンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを
そのまま、あるいは必要に応じて溶剤により希釈して、
100〜200℃の温度下、好ましくは150〜175
℃温度下で本発明の方法に従って反応させる。反応時の
圧力は2.5〜8kg/cm2程度が好適である。この
ようなアルキレンオキサイドの付加を二段階に分けて行
うことによって、不純物の生成や着色を好適に防止する
ことができる。
【0063】アルキレンオキサイド付加完了後、100
〜170℃程度の温度で0〜3時間熟成させ、触媒を中
和するために炭素数2〜6個のカルボン酸(CH3CO
OH、CH3CH2COOH、(CH32CHCOOH、
CH3CH(OH)COOHなど)、リン酸、塩酸、硫
酸等を用いて40〜60℃程度で処理する。
【0064】続いて、窒素、アルゴン等の不活性ガスを
通気することによって結果物を脱臭する。必要に応じ
て、水やエタノール等の揮発性溶媒をポリアミンポリエ
ーテルポリオール重合体質量に対して1〜10質量%加
え、100〜170℃において0〜0.01MPaに減
圧することによって脱臭してもよい。これらは併用して
もよく、例えば窒素を通気しながら、水を用いて0〜
0.005MPaに減圧して脱臭することができる。脱
臭時間は、1〜8時間が好適であり、3〜5時間がより
好適である。
【0065】ポリアミンポリエーテルポリオール重合体
は、1〜3級アミノ基、水酸基を利用して、反応性置換
基をもつ単量体もしくはポリマーにより、さらに変性も
しくは架橋することもできる。例えば、エポキシ基やイ
ソシアネート基、無水カルボン酸、アジリジン基、エピ
クロロヒドリン、アルキルクロライド等による4級化、
カルボン酸とのエステル化もしくはアミド化、不飽和性
単量体によるマイケル付加等が挙げられる。使用されう
る化合物の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン
酸等のカルボン酸基含有単量体、炭素数1〜20の(メ
タ)アクリル酸エステル、炭素数1〜20のアルキルア
リルエーテル等の不飽和結合を持つ単量体、(メタ)ア
クリル酸クロリド、グリシジル(メタ)アクリレート、
メチレンクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、トル
イレンジイソシアネート等のイソシアネート等が挙げら
れる。
【0066】得られるポリアミンポリエーテルポリオー
ル重合体の用途については特に制限がないが、例として
は潤滑剤、切削油剤、粘度指数向上剤、流動化剤、滑
剤、水性及び油性塗料、紙薬、カーボンブラック、シリ
カ等の無機及び有機分散剤、乳化剤、乳化重合用活性
剤、ゲル化剤、粘度調整剤、液体・ゲル状もしくは固体
洗剤用組成物(分散剤、ビルダー)、凝集剤、水性また
は油性インク組成物、インクジェットプリンター用イン
ク組成物、帯電防止剤、固体電解質、ブリーディング防
止剤、染料等が挙げられる。
【0067】また、活性水素含有化合物としてアルケニ
ル基含有ヒドロキシ化合物を用いる場合には、得られた
アルコキシレート化合物は、セメント添加剤用ポリカル
ボン酸を得るのに好適に用いることができる。その際に
は、不飽和ジカルボン酸類もしくはこれらのエステル
類、不飽和スルホン酸類、不飽和アミド類、ビニルエス
テル類、または芳香族ビニル類とアルコキシレート化合
物とを共重合させる。本発明の方法によって製造された
アルコキシレート化合物は不純物含有量が少ないため、
得られるセメント添加材用ポリカルボン酸は減水性能等
の性能に優れた効果を発揮するものとなる。以下、アル
コキシレート化合物をセメント添加剤用ポリカルボン酸
原料として用いる場合の一例について説明する。しかし
ながら、以下の用途に限定されるものではない。
【0068】セメント添加剤用ポリカルボン酸は、アル
ケニル基含有ヒドロキシ化合物から合成されたアルコキ
シレート化合物(A)と、不飽和カルボン酸類(B)
と、必要に応じて,これら(A)または(B)と共重合
可能な他の単量体(C)とを共重合することにより得ら
れる。
【0069】不飽和カルボン酸類(B)としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、およびこれらの一価金属塩(リチ
ウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)、二価金属塩
(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム
塩、有機アミン塩(エタノールアミン塩、ジエタノール
アミン塩、トリエチルアミン塩等);マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸等と炭素数1〜22のアルコールとの
ハーフエステル;炭素数2〜4のグリコールのハーフエ
ステルと炭素数1〜22のアミンとのハーフアミド;等
が挙げられる。
【0070】他の単量体(C)としては、例えば、スチ
レン、ブロモスチレン、クロロスチレン、メチルスチレ
ン等のスチレン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、
イソブチレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル
酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アク
リル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;炭
素数1〜30のアルコールに炭素数2〜18のアルキレ
ンオキサイドを1〜500モル付加させたアルコキシ
(ポリ)アルキレングリコールと、(メタ)アクリル酸
等の不飽和モノカルボン酸類とのエステル類;(ポリ)
エチレングリコールモノメタクリレート、(ポリ)プロ
ピレングリコールモノメタクリレート、(ポリ)ブチレ
ングリコールモノメタクリレート等の不飽和モノカルボ
ン酸類に炭素数2〜18のアルキレンオキサイドを1〜
500モル付加させた付加物類;ヘキセン、ヘプテン、
デセン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、
エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアル
キルビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル
類;酢酸アリル等のアリルエステル類;ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレ
ート類、およびこれらの一価金属塩、二価金属塩、アン
モニウム塩、有機アミン塩;ビニルスルホネート、(メ
タ)アリルスルホネート、スチレンスルホン酸等の不飽
和スルホン酸類、およびこれらの一価金属塩、二価金属
塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;(メタ)アクリル
アミド等の不飽和アミド類;アリルアルコール等のアリ
ル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の
不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコー
ルモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビ
ニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル類またはア
リルエーテル類;等が挙げられる。
【0071】アルコキシレート化合物(A)/前記不飽
和カルボン酸類(B)/前記他の単量体(C)の割合
は、1〜99/1〜99/0〜90(質量比)とするこ
とが好ましく、5〜99/2〜80/0〜50(質量
比)とすることがより好ましく、10〜95/2〜50
/0〜25(質量比)とすることがさらに好ましい。
【0072】前記(A)、(B)および必要に応じて
(C)を共重合する際の重合方法については、特に制限
はなく、重合開始剤を用いて、例えば、溶液重合や塊状
重合等の公知の方法で行なえばよい。また、前記共重合
は、回分式で行なってもよいし、連続式で行なってもよ
い。
【0073】前記重合開始剤としては、特に制限はない
が、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等
の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2−メチルプロピ
オンアミジン塩酸塩、アゾイソブチロニトリル等のアゾ
化合物;ベンゾイルパーオキサイド等のパーオキサイド
等を用いることができる。また、前記重合開始剤ととも
に促進剤を併用してもよく、促進剤としては、例えば、
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、
アスコルビン酸等の還元剤を用いることができる。さら
に、共重合の際には、必要に応じて、例えば、メルカプ
トプロピオン酸、ドデシルメルカプタン、デカンチオー
ル等の連鎖移動剤を用いることもできる。なお、これら
重合開始剤、促進剤および連鎖移動剤は、それぞれ単独
で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0074】また、前記共重合の際には、必要に応じ
て、溶媒を用いてもよい。使用できる溶媒としては、特
に制限はなく、例えば、水;メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール
類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、
n−ヘプタン等の芳香族または脂肪族炭化水素類;酢酸
エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類;等の1種または2種以上を用いることが
できる。
【0075】このようにして得られたセメント添加剤用
ポリカルボン酸は、重量平均分子量が3,000〜20
0,000、好ましくは5,000〜100,000、
より好ましくは10,000〜80,000であるのが
よい。
【0076】アルコキシレート化合物を用いて得られた
ポリカルボン酸は、例えば、セメント分散剤等の無機物
分散剤や増粘剤等の有効成分として用いられるが、特に
セメント分散剤として好適に用いられる。このとき、前
記ポリカルボン酸は、単独または混合物の形態や、水溶
液の形態でそのままセメント分散剤として使用すること
ができる。また、前記ポリカルボン酸を他の公知のセメ
ント添加剤と組み合わせて使用してもよく、このような
公知のセメント添加剤としては、例えば、従来のセメン
ト分散剤、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水
剤、遅延剤、急結剤、水溶性高分子物質、増粘剤、凝集
剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、および
消泡剤等を挙げることができる。
【0077】前記ポリカルボン酸を必須とするセメント
分散剤は、ポルトランドセメント、アルミナセメント、
ビーライト高含有セメントや各種混合セメント等の水硬
セメント、または、石膏等のセメント以外の水硬材料等
に用いることができる。また、セメント組成物に配合し
得る細骨材および粗骨材についても、特に制限されるも
のではなく、現在使用されている数多くの種類の細骨材
および粗骨材から適宜選択して使用することができる。
また、セメント組成物中への細骨材および粗骨材の配合
量等についても、特に制限されるものではなく、使用す
る材料等に応じて、適宜決定すればよい。
【0078】前記セメント分散剤を用いてなるセメント
組成物、すなわち、少なくともセメント、水および前記
セメント分散剤を含有する組成物における前記セメント
分散剤の配合割合は、セメント固形分に対して、0.0
1〜1.0質量%、好ましくは0.02〜0.5質量%
である。セメント分散剤が上記範囲を満たすように配合
されて調製されたセメント組成物では、例えば、スラン
プ保持時間がはるかに向上するほか、単位水量の低減、
コンクリート強度の増大、およびモルタルまたはコンク
リートの耐久性の向上等の各種好ましい諸効果がもたら
される。
【0079】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、ポリエチレングリコール、イソプレンおよび
2,3−ブタンジオンの生成量、ならびにポリカルボン
酸の重量平均分子量などについては、以下の条件で測定
した。
【0080】(ポリエチレングリコールの生成量) カラム:shodex製、LCカラム「GF−310
(長さ400mm)」 溶離液:水 流速:1ml/分 標準物質:ポリエチレングリコール(重量平均分子量
1,000) 検出器:RI (イソプレン、2,3−ブタンジオンの生成量) ヘッドスペース(TEKMER製)で80℃10分間加
熱処理後、GLサイエンス社製「GC353」で定量 カラム:J&W Scientific社製「DB−1
(長さ300mm)」検出器:FID (ポリカルボン酸の重量平均分子量) カラム:東ソー社製「TSKguardcolumnS
WXL」+「TSKgelG4000SWXL」+「T
SKgelG3000SWXL」+「TSKgelG2
000SWXL」 溶離液:水10999gとアセトニトリル6001gと
の混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶
解させ、さらに30%水酸化ナトリウム水溶液でpH
6.0に調整した溶液 流速:0.8ml/秒 カラム温度:35℃ 標準物質:ポリエチレングリコール(重量平均分子量2
72,500、219,300、85,000、46,
000、24,000、12,600、7,100、
4,250、1,470) 検出器:日本Waters社製、示差屈折検出器 解析ソフト:日本Waters社製「MILLENNI
UM ver2.18」 <実施例1>活性水素含有化合物(3−メチル−3−ブ
テン−1−オール)に平均10モルのエチレンオキサイ
ドが付加した不飽和アルコール(以下、「IPN−1
0」とも記載):粘度15mPa・s(120℃))を
図4に示すトルネードタイプの羽根が備えられた撹拌反
応器(住友重機器工業株式会社製「マックスブレン
ド」)に2.3m3供給した。触媒として水酸化ナトリ
ウム(5.4kg)を仕込み、撹拌しながら反応容器内
部を窒素置換し、窒素雰囲気下で120℃に加熱した。
仕込み原料から算出されるアルコキシレート化合物理論
量に対する触媒濃度は、0.05質量%であった。気相
部の濃度が45体積%に保たれるようにエチレンオキサ
イドを供給し、15時間かけて7.5m3供給した。な
お、反応温度は120℃であり、得られたイソプレノー
ルに平均50モルのエチレンオキサイドが付加した不飽
和アルコール(以下、「IPN−50」とも記載)を含
む反応液の粘度は56mPa・s(120℃)であっ
た。反応中の撹拌動力は1kW/m 3とした。本実施例
においては、製造中常に気液境界面に羽根が存在してい
た。即ち、上記式(1)のCの値は1であった。また、
上記式(3)のJ値は693であった。条件および結果
を表1に示す。着色はAPHAおよびガードナーで比較
した(以下同じ)。
【0081】<実施例2>撹拌反応器として図7に示す
マックスブレンド翼が備えられた撹拌反応器を用いた以
外は、実施例1と同様にしてエチレンオキサイド付加を
行った。製造に要した時間は7時間であった。製造中
は、常に気液境界面に羽根が存在しており、上記式
(1)のCの値は1であった。また、上記式(3)のJ
値は693であった。条件および結果を表1に示す。
【0082】<比較例1>撹拌反応器として5つの45
°傾斜パドル翼が備えられた撹拌反応器を用いた以外
は、実施例1と同様にしてエチレンオキサイド付加を行
った。製造に要した時間は70時間であった。製造前後
の液面高さから上記式(1)のCの値を算出したとこ
ろ、0.11であった。また、上記式(3)のJ値は2
079であった。条件および結果を表1に示す。
【0083】<実施例3>撹拌反応器として図5に示す
フルゾーン翼が備えられた撹拌反応器を用い、実施例1
と同様の手順により、ポリエチレングリコール(PE
G)に対するエチレンオキサイド付加を行った。反応液
粘度、付加温度等の条件は表1に示す通りである。製造
中は、常に気液境界面に羽根が存在しており、上記式
(1)のCの値は1であった。また、製造に要した時間
は8時間であった。結果を表1に示す。
【0084】<比較例2>撹拌反応器として5つの傾斜
パドル翼(傾斜角:最下部45°,その他90°)が設
けられた撹拌反応器を用いた以外は、実施例3と同様に
してポリエチレングリコール(PEG)に対するエチレ
ンオキサイド付加を行った。反応液粘度、付加温度等の
条件は表1に示す通りである。製造前後の液面高さから
上記式(1)のCの値を算出したところ、0.257で
あった。また、製造に要した時間は12時間であった。
結果を表1に示す。
【0085】<実施例4>撹拌反応器として図7に示す
マックスブレンド翼が備えられた撹拌反応器を用い、実
施例1と同様の手順により、ポリエチレンイミン(株式
会社日本触媒製SP−006;以下「PEI−6」とも
記載)に対するエチレンオキサイド付加を行った。反応
液粘度、付加温度等の条件は表1に示す通りである。製
造中は、常に気液境界面に羽根が存在しており、上記式
(1)のCの値は1であった。また、製造に要した時間
は8時間であった。結果を表1に示す。
【0086】<比較例3>撹拌反応器として5つの45
°傾斜パドル翼が備えられた撹拌反応器を用いた以外
は、実施例4と同様にしてポリエチレンイミンに対する
エチレンオキサイド付加を行った。反応液粘度、付加温
度等の条件は表1に示す通りである。製造前後の液面高
さから上記式(1)のCの値を算出したところ、0.4
2であった。また、製造に要した時間は15時間であっ
た。結果を表1に示す。
【0087】<実施例5>撹拌反応器として図7に示す
マックスブレンド翼が備えられた撹拌反応器を用い、実
施例1と同様の手順により、ポリエチレンイミン(株式
会社日本触媒製SP−018;以下「PEI−18」と
も記載)に対するエチレンオキサイド付加を行った。反
応液粘度、付加温度等の条件は表1に示す通りである。
製造中は、常に気液境界面に羽根が存在しており、上記
式(1)のCの値は1であった。また、製造に要した時
間は12時間であった。結果を表1に示す。
【0088】<比較例4>撹拌反応器として5つの45
°傾斜パドル翼が備えられた撹拌反応器を用いた以外
は、実施例5と同様にしてポリエチレンイミンに対する
エチレンオキサイド付加を行った。反応を継続したが、
実施例5と同量のエチレンオキサイドを付加することが
できず、途中で中止した。反応液粘度、付加温度等の条
件は表1に示す通りである。なお、反応中止時を終了時
として上記式(1)のCの値を算出したところ、0.4
5であった。
【0089】
【表1】
【0090】表1に示すように、本発明の方法を適用す
ることにより、アルキレンオキサイドの付加反応を促進
させることができ、生産性が向上することが示された。
また、副生する不純物量を低減させることができること
が示された。
【0091】続いて、前記式(3)で定義されるJ値と
不純物生成量との関係について、以下の実施例を用いて
説明する。
【0092】<実施例6>図4に示すトルネードタイプ
の羽根が備えられた撹拌反応器(住友重機器工業株式会
社製「マックスブレンド」;スケール2kg)に、IP
N−10を460g、水酸化ナトリウム1g(仕込み原
料から算出されるアルコキシレート化合物理論量に対し
て0.05質量%)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒
素置換し、窒素雰囲気下で120℃まで加熱した。そし
て、気相部のエチレンオキサイド濃度が50体積%以下
になるように120℃を保持したままエチレンオキサイ
ド1540gを26時間かけて反応器内に導入し、その
後2時間その温度を保持し、反応時間28時間で付加反
応を完結させ、IPN−50を得た。上記付加反応で副
生したポリエチレングリコールの生成量は全生成物中
8.7質量%であり、イソプレンの生成量は740pp
mであった。上記付加反応におけるJ値は1021であ
った。なお、上記付加反応において、撹拌反応器におけ
る最大液面の高さ(m)/撹拌反応器の直径(m)(L
/S)の値は1.1であった。結果を表2に示す。
【0093】<実施例7>温度計、窒素・酸素導入管、
および攪拌翼(神鋼バンテック(株)製「フルゾーン
翼」;C値1.0)を備えたステンレス製撹拌反応器を
用い、反応温度を100℃とした以外は、実施例6と同
様にしてIPN−50を得た。上記付加反応で副生した
ポリエチレングリコールの生成量は全生成物中3.1質
量%であり、イソプレンの生成量は220ppmであっ
た。上記付加反応におけるJ値は575であった。な
お、上記付加反応において、撹拌反応器における最大液
面の高さ(m)/撹拌反応器の直径(m)(L/S)の
値は1.1であった。結果を表2に示す。
【0094】<実施例8>実施例6と同様のタイプのス
テンレス製高圧反応器に、IPN−10を460g、水
酸化カリウム4g(仕込み原料から算出されるアルコキ
シレート化合物理論量に対して0.20質量%)を仕込
み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で
100℃まで加熱した。そして、気相部のエチレンオキ
サイド濃度が50体積%以下になるように100℃を保
持したままエチレンオキサイド1540gを5.5時間
かけて反応器内に導入し、その後2時間その温度を保持
し、反応時間7.5時間で付加反応を完結させ、IPN
−50を得た。上記付加反応で副生したポリエチレング
リコールの生成量は全生成物中3.3質量%であり、イ
ソプレンの生成量は140ppmであった。上記付加反
応におけるJ値は435であった。なお、上記付加反応
において、撹拌反応器における最大液面の高さ(m)/
撹拌反応器の直径(m)(L/S)の値は1.1であっ
た。結果を表2に示す。
【0095】<実施例9>反応時間を38時間とした以
外は実施例8と同様にしてIPN−50を得た。上記付
加反応で副生したポリエチレングリコールの生成量は全
生成物中6.0質量%であり、イソプレンの生成量は5
90ppmであった。上記付加反応におけるJ値は76
0であった。なお、上記付加反応において、撹拌反応器
における最大液面の高さ(m)/撹拌反応器の直径
(m)(L/S)の値は1.1であった。結果を表2に
示す。
【0096】<実施例10>実施例6と同様のタイプの
ステンレス製高圧反応器に、3−メチル−3−ブテン−
1−オール330g、水酸化ナトリウム4.4g(仕込
み原料から算出されるアルコキシレート化合物理論量に
対して0.22質量%)を仕込み、撹拌下に反応容器内
を窒素置換し、窒素雰囲気下で100℃まで加熱した。
そして、気相部のエチレンオキサイド濃度が50%以下
になるように100℃を保持したままエチレンオキサイ
ド1670gを8時間かけて反応器内に導入し、その後
2時間その温度を保持し、反応時間10時間で付加反応
を完結させ、IPN−10を得た。
【0097】続いて、反応器を50℃まで冷却した後、
生成物を1540g抜き出し、窒素雰囲気下で120℃
まで加熱した。そして、気相部のエチレンオキサイド濃
度が50体積%以下になるように120℃を保持したま
まエチレンオキサイド1540gを13時間かけて反応
器内に導入し、その後2時間その温度を保持し、反応時
間15時間で付加反応を完結させIPN−50を得た。
上記付加反応で副生したポリエチレングリコールの生成
量は全生成物中6.2質量%であり、イソプレンの生成
量は610ppmであった。また、上記付加反応におけ
るJ値は1159であった。なお、上記付加反応におけ
る触媒は、先に行なったIPN−10の合成時に使用し
た水酸化ナトリウムの残存分とし、その量は、仕込み原
料から算出されるアルコキシレート化合物理論量に対し
て0.05質量%であった。なお、上記付加反応におい
て、撹拌反応器における最大液面の高さ(m)/撹拌反
応器の直径(m)(L/S)の値は1.1であった。結
果を表2に示す。
【0098】<実施例11>実施例6と同様のタイプの
ステンレス製高圧反応器に、3−ブテン−1−オール2
80g、水酸化ナトリウム4.4g(仕込み原料から算
出されるアルコキシレート化合物理論量に対して0.2
2質量%)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換
し、窒素雰囲気下で100℃まで加熱した。そして、気
相部のエチレンオキサイド濃度が50体積%以下になる
ように100℃を保持したままエチレンオキサイド17
20gを8時間かけて反応器内に導入し、その後2時間
その温度を保持し、反応時間10時間で付加反応を完結
させ、3−ブテン−1−オールに平均10モルのエチレ
ンオキサイドを付加したアルコキシレート化合物(BP
N−10)を得た。
【0099】続いて、反応器を50℃まで冷却した後、
生成物を1550g抜き出し、窒素雰囲気下で120℃
まで加熱した。そして、気相部のエチレンオキサイド濃
度が50体積%以下になるように120℃を保持したま
まエチレンオキサイド1550gを13時間かけて反応
器内に導入し、その後2時間その温度を保持し、反応時
間15時間で付加反応を完結させ、3−ブテン−1−オ
ールに平均50モルのエチレンオキサイドを付加したア
ルコキシレート化合物(BPN−50)を得た。上記付
加反応で副生したポリエチレングリコールの生成量は全
生成物中6.3質量%であり、イソプレンの生成量は6
40ppmであった。また、上記付加反応におけるJ値
は1159であった。なお、上記付加反応における触媒
は、先に行なったBPN−10の合成時に使用した水酸
化ナトリウムの残存分とし、その量は、仕込み原料から
算出されるアルコキシレート化合物理論量に対して0.
05質量%であった。なお、上記付加反応において、撹
拌反応器における最大液面の高さ(m)/撹拌反応器の
直径(m)(L/S)の値は1.1であった。結果を表
2に示す。
【0100】<比較例5>温度計、窒素・酸素導入管、
および攪拌翼(「プロペラ型翼」;C値0(アルキレン
オキサイド供給前から羽根が全て浸かっている状態であ
った))を備えたステンレス製高圧反応器に、IPN−
10を460g、水酸化ナトリウム1g(仕込み原料か
ら算出されるアルコキシレート化合物理論量に対して
0.05質量%)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素
置換し、窒素雰囲気下で140℃まで加熱した。そし
て、気相部のエチレンオキサイド濃度が50体積%以下
になるように140℃を保持したままエチレンオキサイ
ド1540gを24時間かけて反応器内に導入し、その
後2時間その温度を保持し、反応時間26時間で付加反
応を完結させIPN−50を得た。なお、上記付加反応
で副生したポリエチレングリコールの生成量は全生成物
中20.0質量%であり、イソプレンの生成量は128
0ppmであった。また、上記付加反応におけるJ値は
2052であった。なお、上記付加反応において、撹拌
反応器における最大液面の高さ(m)/撹拌反応器の直
径(m)(L/S)の値は1.1であった。
【0101】
【表2】
【0102】表2に示すように、J値を用いて反応条件
を制御することによって、生成する不純物量を効果的に
抑制できることが示された。
【0103】<参考例1(セメント分散剤用ポリカルボ
ン酸の製造)>温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入
管および還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、実施
例1で製造したIPN−50を800g、マレイン酸を
83g、およびイオン交換水を546g仕込み、撹拌下
で65℃まで加熱した後に、30%過酸化水素水2.4
gを混合した。そして、イオン交換水39.1gにアス
コルビン酸0.9gを溶解させた溶液を1時間で滴下
し、その後、1時間その温度を保持して共重合反応を完
結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH
7.0まで中和し、重量平均分子量27,300のセメ
ント分散剤用ポリカルボン酸を得た。
【0104】<参考例2および3(セメント分散剤用ポ
リカルボン酸の製造)>実施例1で製造したIPN−5
0の代わりに、参考例2では実施例6で製造したIPN
−50を用い、参考例3では比較例1で製造したIPN
−50を用いたこと以外は、それぞれ参考例1と同様に
して、セメント分散剤用ポリカルボン酸を得た。参考例
2で得られたポリカルボン酸の重量平均分子量は23,
900であり、参考例3で得られたポリカルボン酸の重
量平均分子量は20,400であった。
【0105】以上の参考例1〜3で得られたセメント分
散剤用ポリカルボン酸を用いて、以下の方法でモルタル
フロー値を評価した。
【0106】すなわち、太平洋セメント普通ポルトラン
ドセメント400g、豊浦標準砂800g、およびセメ
ント分散剤用ポリカルボン酸を含むイオン交換水260
g(セメントに対して固形分が0.14質量%)を、室
温でモルタルミキサーを用いて3分間機械練りし、モル
タルを調製した。このモルタルを、ステンレス板上に載
置した直径55mm、高さ55mmの中空円筒に詰め、
この円筒を垂直に持ち上げたときにステンレス板上に広
がったモルタルの直径を2方向について測定し、その平
均値をモルタルフロー値とした。結果は以下に示す通り
であった。
【0107】参考例1(実施例1で製造したIPN−5
0を使用):110mm 参考例2(実施例2で製造したIPN−50を使用):
105mm 参考例3(比較例1で製造したIPN−50を使用):
68mm 上記結果から、本発明の製造方法を用いて製造されたア
ルコキシレート化合物から得られるポリカルボン酸は、
セメント分散剤として高いモルタルフロー値を発現しう
ることがわかる。
【0108】
【発明の効果】本発明の方法を用いることによって、効
率良くアルキレンオキサイドを活性水素含有化合物へ付
加させることができる。また、アルコキシレート化合物
の特性低下の原因となる副生成物の含有量を抑制するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 平板タイプの羽根が設けられた撹拌反応器に
おける撹拌状況を示す概略図である。
【図2】 アルキレンオキサイド付加に対する撹拌羽根
の影響を説明するグラフである。
【図3】 上部になるほど直径が段階的に大きくなる形
状を有する撹拌反応器の概略図である。
【図4】 複数枚の平板が組み合わさったタイプ(トル
ネードタイプ)の羽根の概略図である。
【図5】 2つの撹拌羽根が垂直方向に切れ目なく設け
られてなるタイプ(フルゾーンタイプ)の羽根の概略図
である。
【図6】 パドル羽根が間欠的に設けられてなるタイプ
の羽根の概略図である。
【図7】 穴を設けることによって撹拌力を向上させた
タイプ(マックスブレンドタイプ)の羽根の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 撹拌反応器 2 羽根 3 反応液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 恩田 義幸 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14番1号 株 式会社日本触媒内 (72)発明者 田中 宏道 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 枚田 健 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4J005 AA11 AA12 AA14 BB01 BB02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撹拌反応器に供給されてなる活性水素含
    有化合物に、アルキレンオキサイドを供給して、アルコ
    キシレート化合物を製造する方法であって、 アルキレンオキサイド付加反応中の反応液の最高粘度が
    10mPa・s以上であり、 前記反応液は、前記撹拌反応器内部に垂直方向に連続的
    に設けられた羽根の回転により撹拌され、 下記式(1): 【数1】 (式中、Aはアルキレンオキサイドの供給により新たに
    浸漬された羽根の長さ(m)であり、h1はアルキレン
    オキサイド供給前の液面高さ(m)であり、h2はアル
    キレンオキサイド供給後の液面高さ(m)である)で表
    される数値Cが0.5以上であることを特徴とするアル
    コキシレート化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記活性水素含有化合物は、ポリアルキ
    レン(C2−C4)イミンであることを特徴とする請求項
    1に記載のアルコキシレート化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記数値Cが0.7以上であることを特
    徴とする請求項1または2に記載のアルコキシレート化
    合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 撹拌反応器に供給されてなる活性水素含
    有化合物に、アルキレンオキサイドを供給して、アルコ
    キシレート化合物を製造する方法であって、 反応液は、前記撹拌反応器内部に垂直方向に連続的に設
    けられた羽根の回転により撹拌され、 アルキレンオキサイドを付加した後に、下記式(2): 【数2】 (式中、Bは前記反応液の減少により気相に新たに露出
    した羽根の長さ(m)であり、h2はアルキレンオキサ
    イド供給後の液面高さ(m)であり、h3は不純物また
    は溶剤除去処理後の液面高さ(m)である)で表される
    数値C’が0.5以上となるように前記反応液を前記羽
    根の回転により撹拌しながら、不純物または溶剤を除去
    することを特徴とするアルコキシレート化合物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 アルキレンオキサイドを付加した後に、
    2か所以上の吹き出し口から供給された不活性気体で、
    前記反応液をバブリングすることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載のアルコキシレート化合物の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記活性水素含有化合物はアルケニル基
    含有ヒドロキシ化合物であり、アルキレンオキサイド付
    加反応の際の反応温度(X)、反応時間(Y)および触
    媒濃度(Z)が下記式(3): 【数3】 (式中、Xは反応温度(℃)であり、Yは反応時間(ア
    ルキレンオキサイド投入時間(hr)+熟成時間(h
    r))であり、Zは触媒濃度(仕込み原料から算出され
    るアルコキシレート化合物理論量に対する触媒の質量
    %)である)を満足することを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1項に記載のアルコキシレート化合物の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記アルケニル基含有ヒドロキシ化合物
    に付加されるアルキレンオキサイドの平均付加モル数が
    40モル以上であることを特徴とする請求項6に記載の
    アルコキシレート化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アルキレンオキサイド付加反応で副
    生するポリアルキレンオキサイドの生成量が、前記アル
    キレンオキサイド付加反応で生成する全生成物に対して
    15質量%以下である、請求項6または7に記載のアル
    コキシレートの製造方法。
  9. 【請求項9】 触媒存在下、アルケニル基含有ヒドロキ
    シ化合物にアルキレンオキサイドを供給して、アルキレ
    ンオキサイドの平均付加モル数が40モル以上のアルコ
    キシレート化合物を製造する方法であって、アルキレン
    オキサイド付加反応の際の反応温度(X)、反応時間
    (Y)および触媒濃度(Z)が下記式(3): 【数4】 (式中、Xは反応温度(℃)であり、Yは反応時間(ア
    ルキレンオキサイド投入時間(hr)+熟成時間(h
    r))であり、Zは触媒濃度(仕込み原料から算出され
    るアルコキシレート化合物理論量に対する触媒の質量
    %)である)を満足することを特徴とする、アルコキシ
    レート化合物の製造方法。
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