JP6182333B2 - グリセリン類含有重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
その結果、グリセリン類とカルボン酸系重合体とがエステル結合を介して結合した構造を有するグリセリン類含有重合体が、減水剤用途に好適に使用できることを見出し、本発明に到達した。
また、本発明は、上記グリセリン類含有重合体を含むセメント混和剤、及び、上記セメント混和剤を含むセメント組成物でもある。
さらに、本発明は、グリセリン類と、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とをエステル結合により結合させるエステル化工程を有することを特徴とするグリセリン類含有重合体の製造方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
グリセリン類及びカルボン酸系重合体は、それぞれ、1種のものを使用してもよいし、2種以上のものを使用してもよい。このような本発明のグリセリン類含有重合体は、後述するようにセメント混和剤用途に特に有用であるが、このようにグリセリン類と、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とがエステル結合を介して結合した構造を有するセメント混和剤用グリセリン類含有重合体は、本発明の1つである。
本発明のグリセリン類含有重合体を構成するグリセリン類とは、1分子中に3個以上の水酸基を含有する化合物、又は、該化合物の重合物であって1分子中に平均3個以上の水酸基を有する重合物を意味し、炭素、水素及び酸素の3つの元素から構成される化合物又は重合物であることが好ましい。このようなグリセリン類が有する水酸基の数は、3個以上が適当であるが、エステル結合を形成する数を調整する観点から、100個以下であることが好適である。より好ましくは4〜50個、更に好ましくは5〜20個である。
上記グリセリン類はまた、不飽和結合を有しないことが好適である。
なお、上記グリセリン類含有重合体におけるグリセリン類に由来する骨格の結合形状は、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよいし、これらのうち2以上の結合形状を有するものであってもよい。
なお、バイオディーゼル燃料の製造時に生じる副生グリセリンの有効活用の観点からは、副生グリセリンや、それを用いたポリグリセリン及びポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物を使用することが好適である。
ポリグリセリンにおいてエステル化反応に用いられうる水酸基の数は「グリセリン骨格の平均繰り返し数+2」となる。
ここで、「主である」とは、例えば、アルキレンオキシドの全量100モル%に対し、エチレンオキシドが50モル%以上であることが好ましい。より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。
なお、1つのアルキレンオキシド鎖が2種以上のアルキレンオキシドから構成される場合、その結合形態はブロック状であってもよいし、ランダム状であってもよい。
なお、重量平均分子量は、例えば、ポリエチレングリコール換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって、後述するGPC測定条件にて測定することができる。
その他の単量体については後述する。
本発明のグリセリン類含有重合体を構成するカルボン酸系重合体は、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体である。
不飽和カルボン酸系単量体単位とは、不飽和二重結合(炭素炭素二重結合)と、カルボキシル基及び/又はカルボン酸塩とを含む不飽和カルボン酸系単量体に由来する構成単位である。
ここで、カルボキシル基及び/又はカルボン酸塩を含むとは、−COOZ(Zは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表される基を、1分子中に1個又は2種以上有することを意味する。金属原子としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の1価金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の2価金属;アルミニウム等の3価金属;鉄等のその他の金属;等が挙げられる。また、有機アミン基としては、例えば、モノエタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基;モノエチルアミン基、ジエチルアミン基、トリエチルアミン基等のアルキルアミン基;エチレンジアミン基、トリエチレンジアミン基等のポリアミン基等が挙げられる。上記カルボン酸塩としては、これらの中でも、アンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩である。
共重合体の例としては、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、メタクリル酸−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
その他の単量体については後述する。
より好ましくは500〜100,000、更に好ましくは1,000〜50,000である。
なお、重量平均分子量は、例えば、ポリエチレングリコール換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって、後述するGPC測定条件にて測定することができる。
本発明のグリセリン類含有重合体は、グリセリン類と不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とがエステル結合を介して結合した構造を有する。
なお、一般式(1)で表されるポリグリセリンは、下記一般式(1a)及び(1b)で示す単量体単位が共に含まれた構造を示す。
ポリカルボン酸系重合体鎖及びポリグリセリン類重合体鎖の末端はそれぞれ水素原子である。ポリカルボン酸系重合体及びポリグリセリン類は1分子中にそれぞれ1つ又は複数含まれていてもよい。)
下記一般式(3)に示す構造では、ポリグリセリン類とポリカルボン酸系重合体が1箇所のエステル結合を介して結合している。
上記酸量とは、グリセリン類含有重合体中に含まれるカルボン酸系重合体の含有割合(重量%)を意味する。
グリセリン類含有重合体中に含まれるカルボン酸系重合体の質量割合をaとし、グリセリン類の質量割合をbとし、その他の単量体の質量割合をcとすると、酸量は下記式で求めることができる。
酸量=100×a/(a+b+c)
エステル化反応を進行させてエステル化率を高める方向に調節する方法の例としては、エステル化反応の反応系に存在するカルボキシル基と水酸基との比(COOH/OH比)を小さくする方法、反応時間を長くする方法等が挙げられる。
エステル化を行う方法は、特に限定されるものではないが、グリセリン類とカルボン酸系重合体とを混合して酸性触媒又は塩基性触媒の存在下あるいは無触媒で加熱することにより、反応を進行させることができる。
なお、これらの酸性触媒は塩型で添加しても良く、酸性触媒の使用量は、グリセリン類100重量%に対して、0.01〜10重量%の範囲が適当であり、0.05〜5重量%の範囲が好ましく、特に0.1〜1重量%の範囲が好ましい。0.01重量%未満の量では触媒効果が充分発現されず、10重量%を超える量を使用するとグリセリン類のエーテル開裂反応が起こり易くなるため好ましくない。
また、反応時間は、カルボン酸系重合体やグリセリン類の種類、反応温度や触媒の添加量等により左右され一概には言えないが、通常、0.1〜30時間程度、好ましくは0.5〜20時間である。さらに、エステル化反応は、脱水溶剤、即ち、シクロヘキサン、トルエン、ジオキサン、ベンゼン、イソプロピルエーテル、ヘキサン、ヘプタン等の水と共沸する溶剤の使用、減圧や不活性ガスの導入等といった手段により水や副生成物の除去を行えば、反応の促進が可能である。
また、カルボン酸系重合体にグリセリン等のポリマー化されていないグリセリン類をエステル結合を介して結合させ、上記ポリマー化されていないグリセリン類に対してさらにグリセリン類を重合させてポリマー化されたグリセリン部分を形成して、本発明のグリセリン類含有重合体とする方法が挙げられる。
また、本発明のグリセリン類含有重合体には、単量体成分として、不飽和カルボン酸系単量体、グリセリン類以外の単量体(「その他の単量体」とも称する。)を含んでもよい。
その他の単量体単位とは、その他の単量体が有する不飽和二重結合部分が、単結合となった構造を意味する。
上記その他の単量体単位は、上記グリセリン類に由来する骨格に結合されていてもよいし、カルボン酸系重合体に由来する骨格に結合されていてもよく、その位置は特に限定されるものではない。
まず、不飽和カルボン酸系単量体のカルボキシル基がエステルとなった形態の単量体が挙げられ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。また、メチルクロトネート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート等も挙げられる。これらの中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート等のアルキルアクリレートが好ましい。
これらの単量体において、(ポリ)アルキレングリコール鎖の平均鎖長(オキシアルキレン基の平均付加モル数)は1〜300であることが好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとして好ましくは、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、重合性の観点から、ヒドロキシエチルアクリレート(特に2−ヒドロキシエチルアクリレート)、ヒドロキシプロピルアクリレート(特に2−ヒドロキシプロピルアクリレート)等のヒドロキシアルキルアクリレートが好ましい。
上記アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物としては、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
本発明のセメント混和剤は、上記グリセリン類含有重合体を含むが、この場合、上記グリセリン類含有重合体中の不飽和カルボン酸系単量体単位におけるカルボキシル基が、セメント粒子を吸着する吸着基として作用し、グリセリン類がセメント粒子を分散させる分散基として作用すると考えられ、これらの相互作用に起因して、高いセメント分散性能(減水性能)を発揮できると推測される。
上記他の添加剤は、通常、セメント分野で使用されるものであればよく特に限定されないが、例えば、減水剤、AE減水剤、流動化剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、増粘剤、消泡剤、収縮低減剤、膨張剤、防錆剤、強度増進剤、防カビ剤、セメント分散剤、AE(空気連行)剤、セメント湿潤剤、水溶性高分子物質、防水剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、急結剤、凝集剤等が挙げられる。これらは1種類のみを用いてよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、その配合割合は特に限定されるものではない。
本発明のセメント組成物は、上記セメント混和剤、セメント及び水を必須成分として含むが、セメントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形);各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等の他、これらに高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加したもの等が挙げられる。
上記セメント組成物はまた、必要に応じて骨材を含んでもよい。骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等の他、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材等が挙げられる。
(固形分測定方法)
1、アルミ皿を精秤する。
2、1で精秤したアルミ皿に固形分測定物を精秤する。
3、窒素雰囲気下130℃に調温した乾燥機に、2で精秤した固形分測定物を1時間入れる。
4、1時間後、乾燥機から取り出し、室温のデシケーター内で15分間放冷する。
5、15分後、デシケーターから取り出し、アルミ皿+測定物を精秤する。
6、5で得られた質量から1で得られたアルミ皿の質量を差し引き、2で得られた固定分の質量を除することで固形分を測定する。
グリセリン類含有重合体の有効成分量(固形分換算)は、上記方法によりグリセリン類含有重合体中の固形分含量を求め、有効成分量(%)/100を乗じることにより得られる。
装置:Waters社製、Waters Alliance(2695)
解析ソフト:Waters社製、Empowerプロフェッショナル+GPCオプション
使用カラム:東ソー社製
・TSKguard column α
・TSKgel α―3000
・TSKgel α―4000
・TSKgel α―5000
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters社製、Waters 2414)
溶離液:100mMホウ酸水溶液14304gに50mM水酸化ナトリウム水溶液96gとアセトニトリル3600gを混合した溶媒
較正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール[ピークトップ分子量(Mp)300000、200000、107000、50000、27700、11840、6450、1470、1010、400]
較正曲線:上記ポリエチレングリコールのMp値と溶出時間とを基礎にして3次式で作成
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
測定時間:60分
試料液注入量:100μL(試料濃度0.5重量%の溶離液調製溶液)
[製造例1]
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えたガラス製反応容器に、ポリアクリル酸(Aldrich製 Mw=1800)を6.1部、ポリグリセリン(株式会社ダイセル製 PGL−6)を35.5部仕込み、反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で100℃まで加温し、攪拌により内容物を均一に混合した。次に、パラトルエンスルホン酸1水和物0.8部を添加した。パラトルエンスルホン酸1水和物を添加した時間をエステル化開始時間とした。生成水を系外に留去しながら100℃を維持し、エステル化反応を維持した。エステル化開始から、75分後に反応容器を冷却することで、グリセリン類含有重合体(1)を得た。
グリセリン類含有重合体の酸価を測定したところ、未反応のカルボキシル基の量が72.8%、即ち、エステル化したカルボキシル基の量(エステル化率)が27.2%であった。酸価測定結果をもとに仕上がりの組成を計算したところ、ポリグリセリン(PGL):ポリアクリル酸(PAA)=70.6:29.4(重量%)であった。すなわち、酸量は29.4(重量%)であった。
その後、GPCによる分析結果において、有効成分(グリセリン類含有重合体)と未反応のポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=40:60であったことから、有効成分量を40.0%とした。
図1(a)は比較製造例1で調製した混合物(1)のGPCチャートであり、図1(b)は製造例1で調製したグリセリン類含有重合体(1)を含む混合物のGPCチャートである。
図1(a)に示すGPCチャートにおいて、S1はエステル化反応前のポリアクリル酸のピーク面積、S2はエステル化反応前のポリグリセリンのピーク面積である。
図1(b)に示すGPCチャートにおいて、S3は生成したグリセリン類含有重合体のピーク面積、S4はエステル化反応後の未反応のポリグリセリンのピーク面積である。
有効成分量は、図1(b)に示すS3及びS4の面積を用いて、
有効成分量(%)=[S3/(S3+S4)]×100
の式で算出する。
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えたガラス製反応容器に、ポリアクリル酸(Aldrich製 Mw=1800)を8.0部、ポリグリセリン(株式会社ダイセル製 PGL−6)を52.0部仕込み、反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加温し、攪拌により内容物を均一に混合した。次に、パラトルエンスルホン酸1水和物1.1部を添加した。パラトルエンスルホン酸1水和物を添加した時間をエステル化開始時間とした。生成水を系外に留去しながら80℃を維持し、エステル化反応を維持した。エステル化開始から、4時間後に反応容器を冷却することで、グリセリン類含有重合体(2)を得た。
グリセリン類含有重合体の酸価を測定したところ、未反応のカルボキシル基の量が62.0%、即ち、エステル化したカルボキシル基の量(エステル化率)が38.0%であった。
酸価測定結果をもとに仕上がりの組成を計算したところ、ポリグリセリン(PGL):ポリアクリル酸(PAA)=79.8:20.2(重量%)であった。すなわち、酸量は20.2(重量%)であった。
その後、GPCによる分析結果において、有効成分(グリセリン類含有重合体)と未反応のポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=46.8:53.2であったことから、有効成分量を46.8%とした。
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えたガラス製反応容器に、ポリアクリル酸(Aldrich製 Mw=1800)を1.1部、ポリグリセリン(株式会社ダイセル製 PGL−6)を33.1部仕込み、反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で100℃まで加温し、攪拌により内容物を均一に混合した。次に、パラトルエンスルホン酸1水和物0.1部を添加した。パラトルエンスルホン酸1水和物を添加した時間をエステル化開始時間とした。生成水を系外に留去しながら100℃を維持し、エステル化反応を維持した。エステル化開始から、14時間後に反応容器を冷却することで、グリセリン類含有重合体(3)を得た。
グリセリン類含有重合体の酸価を測定したところ、未反応のカルボキシル基の量が36.3%、即ち、エステル化したカルボキシル基の量(エステル化率)が63.7%であった。
酸価測定結果をもとに仕上がりの組成を計算したところ、ポリグリセリン(PGL):ポリアクリル酸(PAA)=91.9:8.1(重量%)であった。すなわち、酸量は8.1(重量%)であった。
その後、GPCによる分析結果において、有効成分(グリセリン類含有重合体)と未反応のポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=13.2:86.8であったことから、有効成分量を13.2%とした。
温度計を備えたガラス製容器に、ポリアクリル酸(Aldrich製 Mw=1800)を6.1部、ポリグリセリン(株式会社ダイセル製 PGL−6)を35.5部仕込み、ガラス容器を80℃まで加温し、攪拌により内容物を均一に混合することで混合物(1)を得た。
<モルタル試験1>
製造例1で得たグリセリン類含有重合体(1)の水溶液を用いて、有効成分換算添加量を表1に示すようにしてモルタルを調製し、初期の空気量及び15打フロー値を測定した(実施例1−1〜1−5)。
また、比較のため、比較製造例1で得た、エステル化反応を施していない、ポリグリセリンとポリアクリル酸の混合物(混合物(1))を用いた例(比較例1−1〜1−2)及び添加剤を加えていない例(比較例2−1)についても、初期の空気量及び15打フロー値を測定した。結果を表1に示す。また、表1の結果をグラフ化したものを図2に示す。
なお、図2には、実施例1−1〜1−5の結果をまとめて実施例1として、比較例1−1〜1−2の結果をまとめて比較例1として、比較例2−1の結果を比較例2としてそれぞれ示した。
また、モルタル試験では比較例2−1を除き、消泡剤としてMA−404(BASFポゾリス社製)を有姿で10質量%対各成分固形分となる量を、各成分に添加した。
モルタル試験は、温度が20℃±1℃、相対湿度が60%±10%の環境下で行った。
モルタル配合は、C/S/W=450/1350/225(g)とした。
ただし、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:セメント強さ試験用標準砂(セメント協会製)
W:グリセリン類含有重合体の水溶液(実施例1−1〜1−5)又はポリグリセリンとポリアクリル酸の混合物(比較例1−1〜1−2)、及び、消泡剤のイオン交換水溶液
Wとして、表1に示した添加量の各成分を量り採り、消泡剤MA−404を有姿で各成分の固形分に対して10質量%加え、更にイオン交換水を加えて所定量とし、充分に均一溶解させた。表1において、各成分の有効成分換算添加量は、セメント質量100質量%に対する各成分の固形分の質量%で表されている。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)にステンレス製ビーター(撹拌羽根)を取り付け、C、Wを投入し、1速で30秒間混練した。更に1速で混練しながら、Sを30秒かけて投入した。S投入終了後、2速で30秒間混練することでモルタルを調製した。
モルタルを500mLのガラス製メスシリンダーに約200mL詰め、径8mmの丸棒で突き、手で軽く振動させて粗い気泡を抜いた。更にモルタルを約200mL加えて同様に気泡を抜いた後、モルタルの体積と質量を測り、各材料の密度から空気量を計算した。
モルタルを混練容器からポリエチレン製1L容器に移し、スパチュラで20回撹拌した後、直ちにフローテーブル(JIS R5201−1997に記載)に置かれたフローコーン(JIS R5201−1997に記載)に半量詰めて15回つき棒で突き、更にモルタルをフローコーンのすりきりいっぱいまで詰めて15回つき棒で突き、最後に不足分を補い、フローコーンの表面をならした。その後、直ちにフローコーンを垂直に引き上げ、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び上記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を0打フロー値とした。0打フロー値を測定後、直ちに15秒間に15回の落下運動を与え、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び上記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を15打フロー値とした。
なお、15打フロー値は、数値が大きいほど、分散性能が優れている。
<モルタル試験2>
製造例1〜3で得たグリセリン類含有重合体(1)〜(3)の水溶液を用いて、有効成分換算添加量を表2に示すようにしてモルタルを調製し、初期の空気量及び15打フロー値を測定した(実施例1−6〜1−7、実施例2−1〜2−2、実施例3−1)。
また、比較のため、比較製造例1で得た、エステル化反応を施していない、ポリグリセリンとポリアクリル酸の混合物(混合物(1))を用いた例(比較例1−3〜1−4)及び添加剤を加えていない例(比較例2−2)についても、初期の空気量及び15打フロー値を測定した。結果を表2に示す。また、表2の結果をグラフ化したものを図3に示す。
なお、図3には、実施例1−6〜1−7の結果をまとめて実施例1として、実施例2−1〜2−2の結果をまとめて実施例2として、実施例3−1の結果を実施例3として、比較例1−3〜1−4の結果をまとめて比較例1として、比較例2−2の結果を比較例2としてそれぞれ示した。
なお、モルタル試験では比較例2−2を除き、消泡剤としてMA−404(BASFポゾリス社製)を有姿で10質量%対各成分固形分となる量を、各成分に添加した。
モルタル試験は、温度が20℃±1℃、相対湿度が60%±10%の環境下で行った。
モルタル配合は、C/S/W=450/1350/225(g)とした。
ただし、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:セメント強さ試験用標準砂(セメント協会製)
W:グリセリン類含有重合体の水溶液(実施例1−6〜1−7、2−1〜2−2、3−1)又はポリグリセリンとポリアクリル酸の混合物(比較例1−3〜1−4)及び、消泡剤のイオン交換水溶液
Wとして、表2に示した添加量の各成分を量り採り、消泡剤MA−404を有姿で各成分の固形分に対して10質量%加え、更にイオン交換水を加えて所定量とし、充分に均一溶解させた。表2において、各成分の添加量は、セメント質量に対する各成分の固形分の質量%で表されている。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)にステンレス製ビーター(撹拌羽根)を取り付け、C、Wを投入し、1速で30秒間混練した。更に1速で混練しながら、Sを30秒かけて投入した。S投入終了後、2速で30秒間混練し、その後混練を90秒間停止した。最後に2速で60秒混練することでモルタルを調製した。
モルタル空気量(初期空気量)測定及び15打フロー値測定は上記モルタル試験1と同様にして行なった。
Claims (6)
- グリセリン類と、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とがエステル結合を介して結合した構造を有するグリセリン類含有重合体を含むセメント混和剤であり、
該グリセリン類は、1分子中に3〜50個の水酸基を有し、
該グリセリン類含有重合体に含まれる酸量(重量%)が、8.1〜60であり、
単量体成分中の該不飽和カルボン酸系単量体、グリセリン類以外のその他の単量体の割合が、グリセリン類含有重合体の重量100重量%に対し、30重量%以下であり、
該その他の単量体は、(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物;不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素原子数23〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;マレアミン酸と炭素原子数5〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;ビニル芳香族類;アルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ジエン類;不飽和アミド類;不飽和シアン類;不飽和エステル類からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とするセメント混和剤。 - 前記不飽和カルボン酸系単量体は、(メタ)アクリル酸系単量体であることを特徴とする請求項1に記載のセメント混和剤。
- グリセリン類含有重合体に含まれる酸量(重量%)が10〜60であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメント混和剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のセメント混和剤、セメント及び水を含むことを特徴とするセメント組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のセメント混和剤を製造する方法であって、
該製造方法は、グリセリン類と、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とをエステル結合により結合させるエステル化工程を有することを特徴とするセメント混和剤の製造方法。 - グリセリン類含有重合体に含まれる酸量(重量%)が10〜60となるように、前記グリセリン類と前記カルボン酸系重合体とを混合することを特徴とする請求項5に記載のセメント混和剤の製造方法。
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