JP6182333B2 - グリセリン類含有重合体及びその製造方法 - Google Patents

グリセリン類含有重合体及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、グリセリン類含有重合体、その製造方法及びセメント混和剤に関する。より詳しくは、グリセリン類とカルボン酸系重合体とが結合した構造を有するグリセリン類含有重合体、その製造方法、グリセリン類含有重合体を含むセメント混和剤、及び、それを含むセメント組成物に関する。
グリセリンは、主に、油脂の加水分解やプロピレンを用いた合成手法等により得られ、医薬品、化粧品、樹脂、塗料等の原料として有用なものである。しかしながら、近年、グリセリンの有効利用が課題となっている。すなわち、環境保護の観点から、石油代替燃料としてバイオディーゼル燃料が注目されているが、バイオディーゼル燃料(脂肪酸エステル)を得るには、アルカリ触媒の存在下、植物油脂や動物油脂等の油脂と低級アルコールとをエステル交換反応させた後、副生されたグリセリンを除去して得る手法が一般的であり、このような手法では、原理的にグリセリンの副生を抑制することは難しい。今後、バイオディーゼル燃料の生産量増加に伴い、副生グリセリンが余剰となることが予想される一方で、現在のグリセリンの用途では消費量は限定されているため、グリセリンを有効に活用する技術が求められている。
グリセリンを有効活用する用途として、セメントやコンクリート、モルタル等のセメント組成物に添加される減水剤用途が検討されつつある。特許文献1には、グリセリン類にイオン性基含有単量体及び/又はそのエステルを含む単量体成分をグラフト重合させて得られるグラフト重合体がセメント混和剤等の各種用途に使用できることが記載されている。
国際公開2012/173218A1号
上述したように、グリセリン類の有効活用法が求められているが、減水剤用途へのグリセリンの活用方法の探索は、それほど行なわれておらず、グリセリンを特許文献1に記載のグラフト重合体として利用する方法の他に有効な手法がないか検討する余地があった。
本発明者らは、減水剤用途にグリセリンを有効活用する手法として、特許文献1に記載のグラフト重合体の他に有効な手法がないか検討した。
その結果、グリセリン類とカルボン酸系重合体とがエステル結合を介して結合した構造を有するグリセリン類含有重合体が、減水剤用途に好適に使用できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明のグリセリン類含有重合体は、グリセリン類と、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とがエステル結合を介して結合した構造を有することを特徴とする。
また、本発明は、上記グリセリン類含有重合体を含むセメント混和剤、及び、上記セメント混和剤を含むセメント組成物でもある。
さらに、本発明は、グリセリン類と、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とをエステル結合により結合させるエステル化工程を有することを特徴とするグリセリン類含有重合体の製造方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のグリセリン類含有重合体は、グリセリン類と、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とがエステル結合を介して結合した構造を有する。
グリセリン類及びカルボン酸系重合体は、それぞれ、1種のものを使用してもよいし、2種以上のものを使用してもよい。このような本発明のグリセリン類含有重合体は、後述するようにセメント混和剤用途に特に有用であるが、このようにグリセリン類と、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とがエステル結合を介して結合した構造を有するセメント混和剤用グリセリン類含有重合体は、本発明の1つである。
<グリセリン類>
本発明のグリセリン類含有重合体を構成するグリセリン類とは、1分子中に3個以上の水酸基を含有する化合物、又は、該化合物の重合物であって1分子中に平均3個以上の水酸基を有する重合物を意味し、炭素、水素及び酸素の3つの元素から構成される化合物又は重合物であることが好ましい。このようなグリセリン類が有する水酸基の数は、3個以上が適当であるが、エステル結合を形成する数を調整する観点から、100個以下であることが好適である。より好ましくは4〜50個、更に好ましくは5〜20個である。
上記グリセリン類はまた、不飽和結合を有しないことが好適である。
なお、上記グリセリン類含有重合体におけるグリセリン類に由来する骨格の結合形状は、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよいし、これらのうち2以上の結合形状を有するものであってもよい。
上記グリセリン類としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリグリシドール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ペンタトリオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等が好適である。また、糖類として、グルコース、フルクトース、マンノース、インドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、プシコース、アルトロース等のヘキソース類の糖類;アラビノース、リブロース、リボース、キシロース、キシルロース、リキソース等のペントース類の糖類;トレオース、エリトルロース、エリトロース等のテトロース類の糖類;ラムノース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュウクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース等のその他糖類;これらの糖アルコール、糖酸(糖類;グルコース、糖アルコール;グルシット、糖酸;グルコン酸)も好適である。更に、これら例示化合物のアルキレンオキシド付加物や、部分エーテル化物、部分エステル化物等の誘導体も好適である。なお、上記グリセリン類がアルキレンオキシド基を有する化合物(例えば、上記例示化合物のアルキレンオキシド付加物)である形態は、本発明の好適な形態の1つである。このアルキレンオキシド基を有する化合物として好ましくは、後述するようにポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物である。
上記グリセリン類の中でも、本発明においては、グリセリン、ポリグリセリン及びポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物が好適である。より好ましくは、ポリグリセリン及びポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物である。
なお、バイオディーゼル燃料の製造時に生じる副生グリセリンの有効活用の観点からは、副生グリセリンや、それを用いたポリグリセリン及びポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物を使用することが好適である。
上記ポリグリセリンは、分子内にグリセリン骨格(グリセリン単位)を2以上有する化合物を意味する。ポリグリセリンは、下記のように製造したものを用いてもよいし、種々の方法により製造された市販のものを用いてもよい。ポリグリセリンの製造方法としては、例えば、(1)グリセリンの脱水縮合反応、(2)グリセリン蒸留成分からの回収、(3)グリセリン類似化合物(例えば、グリシドール)からの合成、という3つの手法が挙げられる。一般に、手法(1)又は(2)のように出発原料をグリセリンとして得られるポリグリセリンは、直鎖状の構造を有する。また、手法(3)のうち、出発原料をグリシドールとして得られるポリグリセリンは、分岐状の構造を有する。例えば、阪本薬品工業社製のポリグリセリン(♯500、750)は、出発原料がグリセリンであり、直鎖状ポリグリセリンとなる。一方、株式会社ダイセル製のポリグリセリン(PGL 06、PGL 10)は、出発原料がグリシドールであり、分岐状ポリグリセリンとなる。
上記ポリグリセリンにおけるグリセリン骨格の平均繰り返し数は、2〜300であることが好ましく、より好ましくは2〜100、更に好ましくは2〜50である。
ポリグリセリンにおいてエステル化反応に用いられうる水酸基の数は「グリセリン骨格の平均繰り返し数+2」となる。
上記ポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物とは、ポリグリセリンの水酸基に、アルキレンオキシド(アルキレングリコール)を1種又は2種以上付加反応させて得られる化合物であり、その付加反応方法は特に限定されるものではない。例えば、アルキレンオキシドを付加させる際の反応温度は、副生成物の発生をより抑制するとともに、付加速度を高めて生産性を向上できる観点からは、60〜180℃とするのが好ましい。また、触媒として、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びそれらの水酸化物を用いることが好適である。更に、付加反応は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、より好ましくは窒素雰囲気下である。また加圧下で行うことも好適である。
上記アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜18のアルキレンオキシドが好適である。中でも、反応性の観点や、また分散性能の向上の観点、特にセメント混和剤用途に用いた場合にセメント粒子の分散性や親水性をより向上させる観点から、炭素数2〜8のアルキレンオキシドが好ましい。より好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキシド、更に好ましくは炭素数2〜3のアルキレンオキシドであり、特に好ましくは、炭素数2のアルキレンオキシド(エチレングリコール、エチレンオキシド)が主であることであり、これにより、グリセリン類含有重合体により充分な親水性及び分散性能が付与されることとなる。
ここで、「主である」とは、例えば、アルキレンオキシドの全量100モル%に対し、エチレンオキシドが50モル%以上であることが好ましい。より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは90モル%以上である。
上記ポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物において、アルキレンオキシド単位の平均繰り返し数は、例えば、1〜20であることが好適である。より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3である。
なお、1つのアルキレンオキシド鎖が2種以上のアルキレンオキシドから構成される場合、その結合形態はブロック状であってもよいし、ランダム状であってもよい。
上記ポリグリセリン及びポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物の重量平均分子量は、150〜25000であることが好適である。これにより、分散性能をより高めることができる。より好ましくは150〜7500、更に好ましくは150〜4000である。
なお、重量平均分子量は、例えば、ポリエチレングリコール換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって、後述するGPC測定条件にて測定することができる。
また、上記グリセリン類は、上述したポリグリセリン及び/又はポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物と、ポリグリセリン及び/又はポリグリセリンのアルキレンオキシド付加物と共重合可能なその他の単量体とが共重合してなる共重合体であってもよい。
その他の単量体については後述する。
<カルボン酸系重合体>
本発明のグリセリン類含有重合体を構成するカルボン酸系重合体は、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体である。
不飽和カルボン酸系単量体単位とは、不飽和二重結合(炭素炭素二重結合)と、カルボキシル基及び/又はカルボン酸塩とを含む不飽和カルボン酸系単量体に由来する構成単位である。
ここで、カルボキシル基及び/又はカルボン酸塩を含むとは、−COOZ(Zは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表される基を、1分子中に1個又は2種以上有することを意味する。金属原子としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の1価金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の2価金属;アルミニウム等の3価金属;鉄等のその他の金属;等が挙げられる。また、有機アミン基としては、例えば、モノエタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基;モノエチルアミン基、ジエチルアミン基、トリエチルアミン基等のアルキルアミン基;エチレンジアミン基、トリエチレンジアミン基等のポリアミン基等が挙げられる。上記カルボン酸塩としては、これらの中でも、アンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩である。
不飽和カルボン酸系単量体としては、1分子内に不飽和二重結合と1つのカルボキシル基又はカルボン酸塩とを含むモノカルボン酸系単量体や、1分子内に不飽和二重結合と2つのカルボキシル基又はカルボン酸塩とを含むジカルボン酸系単量体が好適である。カルボン酸系重合体は、これらの単量体に由来する構成単位、すなわちモノカルボン酸系単量体単位及び/又はジカルボン酸系単量体単位を含むことが好適である。この場合、本発明のグリセリン類含有重合体は、より高い分散性能を発揮できるため、セメント混和剤用の重合体としてより一層好適なものとなる。
上記モノカルボン酸系単量体として具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−ヒドロキシアクリル酸、α−ヒドロキシメチルアクリル酸及びその誘導体等の不飽和カルボン酸や、これらの塩等が挙げられる。また、モノカルボン酸系単量体として、ジカルボン酸系単量体とアルコール類とのハーフエステルを用いることもできる。なお、アクリル酸及びメタクリル酸を総称して「(メタ)アクリル酸」という。
上記ジカルボン酸系単量体として具体的には、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸、これらの塩、及び、これらの無水物等が挙げられる。
上述した中でも、カルボン酸系単量体としては、重合性の観点から、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及びこれらの塩が好適である。より好ましくは、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩(これらを総称して「(メタ)アクリル酸系単量体」という。)であり、上記カルボン酸系重合体が(メタ)アクリル酸系単量体に由来する構成単位を有することで、より少量で優れた分散性能を発揮することが可能になる。このように、上記カルボン酸系単量体が(メタ)アクリル酸系単量体である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。より好ましくは、アクリル酸系単量体(アクリル酸若しくはその塩)である。
カルボン酸系重合体に含まれるカルボン酸系単量体は1種類であってもよく、2種類以上のカルボン酸系単量体が共重合体となっていてもよい。
共重合体の例としては、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、メタクリル酸−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
また、カルボン酸系重合体は、不飽和カルボン酸系単量体と不飽和カルボン酸系単量体と共重合可能なその他の単量体とが共重合してなる共重合体であってもよい。
その他の単量体については後述する。
上記カルボン酸系重合体の重量平均分子量は、500〜500,000であることが好適である。これにより、分散性能をより高めることができる。
より好ましくは500〜100,000、更に好ましくは1,000〜50,000である。
なお、重量平均分子量は、例えば、ポリエチレングリコール換算によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって、後述するGPC測定条件にて測定することができる。
カルボン酸系重合体を得るには、重合開始剤を用いて上記カルボン酸系単量体を重合させれば良い。重合は、溶媒中での重合や塊状重合等の公知の方法により行なうことができ、水媒体中で重合を行なう時は、アンモニウム又はアルカリ金属の過硫酸塩、過酸化水素、水溶性アゾ化合物等の水溶性の重合開始剤が使用される。低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル化合物あるいはケトン化合物等の有機溶媒中で重合を行なう時は、ベンゾイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシド類やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が重合開始剤として用いられる。また、重合温度は、用いる溶媒や重合開始剤により適宜定められるが、通常0〜120℃の範囲内で行なわれる。
<グリセリン類含有重合体>
本発明のグリセリン類含有重合体は、グリセリン類と不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とがエステル結合を介して結合した構造を有する。
グリセリン類含有重合体の構造の例としては、下記一般式(1)で表されるポリグリセリン類と下記一般式(2)で表されるポリカルボン酸系重合体とがエステル結合を介して結合した構造が挙げられる。下記一般式(2)における不飽和カルボン酸系単量体はアクリル酸である。
Figure 0006182333
(nはグリセリン骨格の平均繰り返し数であり、2〜300であることが好ましい。ポリグリセリン類の重量平均分子量は150〜25,000であることが好ましい。)
Figure 0006182333
(mは不飽和カルボン系単量体の平均繰り返し数であり、10〜140であることが好ましい。ポリカルボン酸系重合体の重量平均分子量は1,000〜50,000であることが好ましい。)
なお、一般式(1)で表されるポリグリセリンは、下記一般式(1a)及び(1b)で示す単量体単位が共に含まれた構造を示す。
Figure 0006182333
Figure 0006182333
なお、以下に示す単量体単位(C)、(D)は一般式(1a)で示す単量体単位又は一般式(1a)から誘導される単量体単位で代表して示しており、下記一般式(3)〜(6)ではポリグリセリン骨格に含まれる単量体単位を一般式(1a)で示す単量体単位又は一般式(1a)から誘導される単量体単位で代表して示しているが、一般式(1b)で示す単量体単位又は一般式(1b)から誘導される単量体単位が含まれることを除外するものではない。
上記一般式(1)で表されるポリグリセリン類と上記一般式(2)で表されるポリカルボン酸系重合体とがエステル結合で結合してなるグリセリン類含有重合体の構造の例は、単量体単位(A)、単量体単位(B)、単量体単位(C)、単量体単位(D)を用いて以下のように表される。
Figure 0006182333
(式中、n及びnは、n+n=nとなる0以上の整数であり、m及びmは、m+m=mとなる0以上の整数である。単量体単位(A)と単量体単位(B)とは、ランダム、ブロック、交互等の重合形態で重合してポリカルボン酸系重合体を形成している。単量体単位(C)と単量体単位(D)とは、ランダム、ブロック、交互等の縮合形態で縮合してポリグリセリン類を形成している。単量体単位(B)と単量体単位(D)とは*の位置でエステル結合を形成している。
ポリカルボン酸系重合体鎖及びポリグリセリン類重合体鎖の末端はそれぞれ水素原子である。ポリカルボン酸系重合体及びポリグリセリン類は1分子中にそれぞれ1つ又は複数含まれていてもよい。)
グリセリン類含有重合体のより具体的な構造の例としては、下記一般式(3)〜(6)に示す構造が挙げられる。
下記一般式(3)に示す構造では、ポリグリセリン類とポリカルボン酸系重合体が1箇所のエステル結合を介して結合している。
Figure 0006182333
(n及びnはn+n+1=nとなる0以上の整数であり、m及びmはm+m+1=mとなる0以上の整数である。)
上記一般式(1)で表されるポリグリセリン類と上記一般式(2)で表されるポリカルボン酸系重合体とがエステル結合で結合する数は1箇所に限定されるものではなく、複数箇所で結合していてもよい。ポリグリセリン類とポリカルボン酸系重合体とが2箇所のエステル結合で結合した場合の例を下記一般式(4)に示す。
Figure 0006182333
(n、n及びnはn+n+n+2=nとなる0以上の整数であり、m1、及びmはm+m+m+2=mとなる0以上の整数である。)
上記一般式(1)で表されるポリグリセリン類1分子に対して上記一般式(2)で表されるポリカルボン酸系重合体が2分子以上結合していてもよい。ポリグリセリン類1分子に対してポリカルボン酸系重合体が2分子結合した場合の例を下記一般式(5)に示す。
Figure 0006182333
(n、n及びnはn+n+n+2=nとなる0以上の整数であり、m及びmはm+m+1=mとなる0以上の整数である。)
上記一般式(2)で表されるポリカルボン酸系重合体に対して上記一般式(1)で表されるポリグリセリン類が2分子以上結合していてもよい。ポリカルボン酸系重合体1分子に対してポリグリセリン類が2分子結合した場合の例を下記一般式(6)に示す。
Figure 0006182333
(n及びnはn+n+1=nとなる0以上の整数であり、m、m及びmはm+m+m+2=mとなる0以上の整数である。)
本発明のグリセリン類含有重合体の構造は、上記一般式(3)〜(6)に例示したような様々な化合物の混合物であってもよく、グリセリン類含有重合体に含まれる酸量、エステル化率等の指標は、上記混合物の平均値として算出される。
グリセリン類含有重合体に含まれる酸量(重量%)は10〜70であることが好ましく、20〜60であることがより好ましく、30〜50であることが特に好ましい。
上記酸量とは、グリセリン類含有重合体中に含まれるカルボン酸系重合体の含有割合(重量%)を意味する。
グリセリン類含有重合体中に含まれるカルボン酸系重合体の質量割合をaとし、グリセリン類の質量割合をbとし、その他の単量体の質量割合をcとすると、酸量は下記式で求めることができる。
酸量=100×a/(a+b+c)
カルボン酸系重合体とグリセリン類との反応の進行度合、即ち、エステル化率は、グリセリン類含有重合体の酸価を測定して未反応のカルボキシル基の量を算出することによって測定可能である。酸価を測定する方法としては電位差滴定等を用いることができる。
エステル化反応を進行させてエステル化率を高める方向に調節する方法の例としては、エステル化反応の反応系に存在するカルボキシル基と水酸基との比(COOH/OH比)を小さくする方法、反応時間を長くする方法等が挙げられる。
本発明のグリセリン類含有重合体の重量平均分子量は、500〜500,000であることが好ましく、500〜100,000であることがより好ましく、1,000〜50,000であることが特に好ましい。
本発明のグリセリン類含有重合体を製造する方法としては、グリセリン類と、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とをエステル結合によりエステル化工程を行う方法が挙げられる。上記方法によるグリセリン類含有重合体の製造方法も、本発明の1つである。
エステル化を行う方法は、特に限定されるものではないが、グリセリン類とカルボン酸系重合体とを混合して酸性触媒又は塩基性触媒の存在下あるいは無触媒で加熱することにより、反応を進行させることができる。
酸性触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、テトラフルオロホウ酸等の無機酸類;メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸水和物、キシレンスルホン酸、キシレンスルホン酸水和物、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸水和物、トリフルオロメタンスルホン酸等のアリールスルホン酸あるいはアルキルスルホン酸類;「Nafion」レジン(商品名)、「Amberlyst 15」レジン(商品名)等のスルホン酸型イオン交換樹脂;リンタングステン酸、リンタングステン酸水和物等のヘテロポリ酸類等が挙げられ、これらのうち、硫酸、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸水和物及びメタンスルホン酸が好ましく使用され、ポリアルキレングリコール鎖の切断しにくさを考慮すると、より好ましくは、パラトルエンスルホン酸及びパラトルエンスルホン酸水和物である。
なお、これらの酸性触媒は塩型で添加しても良く、酸性触媒の使用量は、グリセリン類100重量%に対して、0.01〜10重量%の範囲が適当であり、0.05〜5重量%の範囲が好ましく、特に0.1〜1重量%の範囲が好ましい。0.01重量%未満の量では触媒効果が充分発現されず、10重量%を超える量を使用するとグリセリン類のエーテル開裂反応が起こり易くなるため好ましくない。
塩基性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、ナトリウムイソプロポキサイド、カリウムメトキサイド、カリウムエトキサイド、カリウムイソプロポキサイド等のアルカリ金属アルコキサイド;アンモニウム塩型アミンを交換基に持つ強塩基性のイオン交換樹脂等がある。これらの塩基性触媒の中でもアルカリ金属水酸化物と金属アルコキサイドが好ましく、中でも、水酸化ナトリウムあるいはナトリウムメトキサイドが特に好ましい。塩基性触媒の使用量は、グリセリン類100重量%に対して、0.01〜20重量%の範囲が適当であり、0.05〜10重量%の範囲が好ましく、特に0.1〜5重量%の範囲が好ましい。0.01重量%未満の量では触媒効果が充分発現されず、20重量%を超える量を使用しても不経済なだけである。
また、エステル化反応における反応条件は、エステル化反応が円滑に進行する条件であればよいが、例えば、反応温度が30〜140℃、好ましくは60〜130℃、より好ましくは70〜125℃、最も好ましくは80〜100℃である。反応温度が30℃未満では、エステル化反応が進行しにくい為好ましくなく、逆に、140℃を超えると、グリセリン類のエーテル開裂反応が起こり易くなるため好ましくない。
また、反応時間は、カルボン酸系重合体やグリセリン類の種類、反応温度や触媒の添加量等により左右され一概には言えないが、通常、0.1〜30時間程度、好ましくは0.5〜20時間である。さらに、エステル化反応は、脱水溶剤、即ち、シクロヘキサン、トルエン、ジオキサン、ベンゼン、イソプロピルエーテル、ヘキサン、ヘプタン等の水と共沸する溶剤の使用、減圧や不活性ガスの導入等といった手段により水や副生成物の除去を行えば、反応の促進が可能である。
また、上記エステル化工程において、グリセリン類含有重合体に含まれる酸量(重量%)が10〜70となるように、グリセリン類とカルボン酸系重合体を混合することが好ましい。
また、本発明のグリセリン類含有重合体を製造する方法として、エステル結合を有する化合物に不飽和カルボン酸系単量体及び/又はグリセリン類を重合させる方法を用いてもよい。具体的には、ポリグリセリン等のグリセリン類に不飽和カルボン酸系単量体をエステル結合を介して結合させ、上記不飽和カルボン酸系単量体単位に対してさらに不飽和カルボン酸系単量体を重合させてカルボン酸系重合体部分を形成して、本発明のグリセリン類含有重合体とする方法が挙げられる。
また、カルボン酸系重合体にグリセリン等のポリマー化されていないグリセリン類をエステル結合を介して結合させ、上記ポリマー化されていないグリセリン類に対してさらにグリセリン類を重合させてポリマー化されたグリセリン部分を形成して、本発明のグリセリン類含有重合体とする方法が挙げられる。
<その他の単量体>
また、本発明のグリセリン類含有重合体には、単量体成分として、不飽和カルボン酸系単量体、グリセリン類以外の単量体(「その他の単量体」とも称する。)を含んでもよい。
その他の単量体単位とは、その他の単量体が有する不飽和二重結合部分が、単結合となった構造を意味する。
上記その他の単量体単位は、上記グリセリン類に由来する骨格に結合されていてもよいし、カルボン酸系重合体に由来する骨格に結合されていてもよく、その位置は特に限定されるものではない。
単量体成分中におけるその他の単量体の割合は、グリセリン類含有重合体の重量100重量%に対し、30質量%以下であることが好適である。より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
上記その他の単量体としては特に限定されないが、例えば、下記化合物の1種又は2種以上を使用することもできる。
まず、不飽和カルボン酸系単量体のカルボキシル基がエステルとなった形態の単量体が挙げられ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。また、メチルクロトネート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート等も挙げられる。これらの中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート等のアルキルアクリレートが好ましい。
また、その他の単量体としては、炭素数2〜18のアルキレングリコール(アルキレンオキシド)と(メタ)アクリル酸とのエステル化物である、(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;アルコールに炭素数2〜18のアルキレングリコールを付加して得られるアルコキシ(ポリ)アルキレングリコールと、(メタ)アクリル酸とのエステル化物である、アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物、等が挙げられる。
これらの単量体において、(ポリ)アルキレングリコール鎖の平均鎖長(オキシアルキレン基の平均付加モル数)は1〜300であることが好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとして好ましくは、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、重合性の観点から、ヒドロキシエチルアクリレート(特に2−ヒドロキシエチルアクリレート)、ヒドロキシプロピルアクリレート(特に2−ヒドロキシプロピルアクリレート)等のヒドロキシアルキルアクリレートが好ましい。
上記アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和アルコールポリアルキレングリコール付加物としては、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
また、その他の単量体として、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素原子数23〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;マレアミン酸と炭素原子数5〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類等も挙げられる。
本発明のグリセリン類含有重合体は、水に難溶性の無機物又は有機物の分散剤として良好な性能を発揮する。例えば、紙コーティングに用いられる重質又は軽質炭酸カルシウム、クレイ等の無機顔料の分散剤;セメント、石炭等の水スラリー用分散剤;等として良好な性能を発揮できる。その他にも、冷却水系、ボイラー水系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜でのスケール防止の水処理剤;スケール防止剤;染色助剤や繊維の帯電防止助剤等の繊維処理剤;接着剤;シーリング剤;各種重合体への柔軟性付与成分;洗剤ビルダー等にも好適に使用することができる。更には、シャンプー、リンス、ボディーソープ等の身体用洗剤、繊維加工、建材加工、塗料、窯業等の分野において幅広く応用することが可能である。中でも、セメント混和剤用途に用いることが好適であり、この場合、より低コストで、従来品と同等又はそれ以上のセメント分散性能を発揮するセメント混和剤を提供できる。このように、上記グリセリン類含有重合体がセメント混和剤用グリセリン類含有重合体である形態は、本発明の好適な形態であり、また、上記グリセリン類含有重合体を含むセメント混和剤は、本発明の1つである。
<セメント混和剤>
本発明のセメント混和剤は、上記グリセリン類含有重合体を含むが、この場合、上記グリセリン類含有重合体中の不飽和カルボン酸系単量体単位におけるカルボキシル基が、セメント粒子を吸着する吸着基として作用し、グリセリン類がセメント粒子を分散させる分散基として作用すると考えられ、これらの相互作用に起因して、高いセメント分散性能(減水性能)を発揮できると推測される。
上記セメント混和剤は、上記グリセリン類含有重合体を含むものであれば、その含有形態は特に限定されず、例えば、上記製造方法により得られた反応生成物をそのままセメント混和剤として使用してもよいし、上記グリセリン類含有重合体を単離して、セメント混和剤として使用してもよい。また、上記セメント混和剤は、必要に応じて溶剤や他の添加剤を含んでもよい。
上記他の添加剤は、通常、セメント分野で使用されるものであればよく特に限定されないが、例えば、減水剤、AE減水剤、流動化剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、増粘剤、消泡剤、収縮低減剤、膨張剤、防錆剤、強度増進剤、防カビ剤、セメント分散剤、AE(空気連行)剤、セメント湿潤剤、水溶性高分子物質、防水剤、硬化遅延剤、硬化促進剤、急結剤、凝集剤等が挙げられる。これらは1種類のみを用いてよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、その配合割合は特に限定されるものではない。
上記セメント混和剤は、各種水硬性材料、すなわちセメントや石膏等のセメント組成物やそれ以外の水硬性材料に用いることができる。このような水硬性材料と水と上記セメント混和剤とを含有し、更に必要に応じて骨材(砂等の細骨材や、砕石等の粗骨材)を含む水硬性組成物の具体例としては、セメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスター等が挙げられる。これらの水硬性組成物の中でも、水硬性材料としてセメントを使用するセメント組成物が最も好ましい。上記セメント混和剤、セメント及び水を含むセメント組成物もまた、本発明の1つである。
<セメント組成物>
本発明のセメント組成物は、上記セメント混和剤、セメント及び水を必須成分として含むが、セメントとしては、例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形);各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等の他、これらに高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加したもの等が挙げられる。
上記セメント組成物はまた、必要に応じて骨材を含んでもよい。骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等の他、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材等が挙げられる。
上記セメント組成物において、その1mあたりの単位水量、セメント使用量及び水/セメント比は特に限定されず、例えば、単位水量は100〜185kg/mであることが好ましく、より好ましくは120〜175kg/mである。セメント使用量は250〜800kg/mであることが好ましく、より好ましくは270〜800kg/mである。また、水/セメント比(質量比)は0.1〜0.7であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.65である。このように本発明のセメント組成物は、貧配合〜富配合まで幅広く使用可能であり、単位セメント量の多い高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。また、本発明のセメント組成物は、比較的高減水率の領域、すなわち、水/セメント比(質量比)=0.15〜0.6(好ましくは0.15〜0.5)といった水/セメント比の低い領域においても、良好に使用することができる。
ここで、本発明のセメント混和剤は、高減水率領域においても優れた諸性能を高性能で発揮でき、優れた作業性を有することから、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート)用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等にも有効に適用できるものである。また、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cmの範囲のコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70cmの範囲のコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルやコンクリートにも有効である。
上記セメント組成物において、本発明のセメント混和剤の配合割合としては、例えば、本発明の必須成分であるグリセリン類含有重合体が、有効成分換算添加量が固形分換算で、セメントの全量100質量%に対して、0.01〜10質量%となるように設定することが好ましい。0.01質量%未満では性能的に充分とはならないおそれがあり、逆に10質量%を超えると、その効果は実質上頭打ちとなり経済性の面からも不利となるおそれがある。より好ましくは0.02〜5質量%、更に好ましくは0.05〜3質量%である。なお、本明細書中、固形分含量は、以下のようにして測定することができる。
(固形分測定方法)
1、アルミ皿を精秤する。
2、1で精秤したアルミ皿に固形分測定物を精秤する。
3、窒素雰囲気下130℃に調温した乾燥機に、2で精秤した固形分測定物を1時間入れる。
4、1時間後、乾燥機から取り出し、室温のデシケーター内で15分間放冷する。
5、15分後、デシケーターから取り出し、アルミ皿+測定物を精秤する。
6、5で得られた質量から1で得られたアルミ皿の質量を差し引き、2で得られた固定分の質量を除することで固形分を測定する。
グリセリン類含有重合体の有効成分量(固形分換算)は、上記方法によりグリセリン類含有重合体中の固形分含量を求め、有効成分量(%)/100を乗じることにより得られる。
本発明のグリセリン類含有重合体は、上述のような構成よりなるので、特に分散性能に優れ、セメント混和剤等の各種用途に好適に使用でき、近年の課題であるグリセリンの有効利用に効果的である。また、グリセリンは廉価であるため、各種用途でこのグリセリン類含有重合体を原料とすれば、低コストで高性能の製品を提供することができる。また、このようなグリセリン類含有重合体を製造する際に、本発明の製造方法を採用すれば、グリセリン類含有重合体を効率よく製造することができるため、工業的に有用である。
図1(a)は比較製造例1で調製した混合物(1)のGPCチャートであり、図1(b)は製造例1で調製したグリセリン類含有重合体(1)を含む混合物のGPCチャートである。 図2は、表1の結果をグラフ化したものである。なお、表1の実施例1−1〜1−5は、製造例1で得たグリセリン類含有重合体(1)の添加量を異ならせたものであり、図2では「実施例1」と表記した。また、表1の比較例1−1〜1−2は、混合物(1)の添加量を異ならせたものであり、図2では「比較例1」と表記した。 図3は、表2の結果をグラフ化したものである。なお、表2の実施例1−6〜1−7、2−1〜2−2、3−1は、図3ではそれぞれ「実施例1」「実施例2」「実施例3」と表記した。また、表2の比較例1−3〜1−4は、図3では「比較例1」と表記した。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、GPC測定は、下記条件下で行った。
<GPC測定条件>
装置:Waters社製、Waters Alliance(2695)
解析ソフト:Waters社製、Empowerプロフェッショナル+GPCオプション
使用カラム:東ソー社製
・TSKguard column α
・TSKgel α―3000
・TSKgel α―4000
・TSKgel α―5000
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters社製、Waters 2414)
溶離液:100mMホウ酸水溶液14304gに50mM水酸化ナトリウム水溶液96gとアセトニトリル3600gを混合した溶媒
較正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール[ピークトップ分子量(Mp)300000、200000、107000、50000、27700、11840、6450、1470、1010、400]
較正曲線:上記ポリエチレングリコールのMp値と溶出時間とを基礎にして3次式で作成
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
測定時間:60分
試料液注入量:100μL(試料濃度0.5重量%の溶離液調製溶液)
<グリセリン類含有重合体の製造>
[製造例1]
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えたガラス製反応容器に、ポリアクリル酸(Aldrich製 Mw=1800)を6.1部、ポリグリセリン(株式会社ダイセル製 PGL−6)を35.5部仕込み、反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で100℃まで加温し、攪拌により内容物を均一に混合した。次に、パラトルエンスルホン酸1水和物0.8部を添加した。パラトルエンスルホン酸1水和物を添加した時間をエステル化開始時間とした。生成水を系外に留去しながら100℃を維持し、エステル化反応を維持した。エステル化開始から、75分後に反応容器を冷却することで、グリセリン類含有重合体(1)を得た。
グリセリン類含有重合体の酸価を測定したところ、未反応のカルボキシル基の量が72.8%、即ち、エステル化したカルボキシル基の量(エステル化率)が27.2%であった。酸価測定結果をもとに仕上がりの組成を計算したところ、ポリグリセリン(PGL):ポリアクリル酸(PAA)=70.6:29.4(重量%)であった。すなわち、酸量は29.4(重量%)であった。
その後、GPCによる分析結果において、有効成分(グリセリン類含有重合体)と未反応のポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=40:60であったことから、有効成分量を40.0%とした。
なお、本明細書においてGPCによる有効成分量の分析は、下記のようにして行った。
図1(a)は比較製造例1で調製した混合物(1)のGPCチャートであり、図1(b)は製造例1で調製したグリセリン類含有重合体(1)を含む混合物のGPCチャートである。
図1(a)に示すGPCチャートにおいて、S1はエステル化反応前のポリアクリル酸のピーク面積、S2はエステル化反応前のポリグリセリンのピーク面積である。
図1(b)に示すGPCチャートにおいて、S3は生成したグリセリン類含有重合体のピーク面積、S4はエステル化反応後の未反応のポリグリセリンのピーク面積である。
有効成分量は、図1(b)に示すS3及びS4の面積を用いて、
有効成分量(%)=[S3/(S3+S4)]×100
の式で算出する。
[製造例2]
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えたガラス製反応容器に、ポリアクリル酸(Aldrich製 Mw=1800)を8.0部、ポリグリセリン(株式会社ダイセル製 PGL−6)を52.0部仕込み、反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加温し、攪拌により内容物を均一に混合した。次に、パラトルエンスルホン酸1水和物1.1部を添加した。パラトルエンスルホン酸1水和物を添加した時間をエステル化開始時間とした。生成水を系外に留去しながら80℃を維持し、エステル化反応を維持した。エステル化開始から、4時間後に反応容器を冷却することで、グリセリン類含有重合体(2)を得た。
グリセリン類含有重合体の酸価を測定したところ、未反応のカルボキシル基の量が62.0%、即ち、エステル化したカルボキシル基の量(エステル化率)が38.0%であった。
酸価測定結果をもとに仕上がりの組成を計算したところ、ポリグリセリン(PGL):ポリアクリル酸(PAA)=79.8:20.2(重量%)であった。すなわち、酸量は20.2(重量%)であった。
その後、GPCによる分析結果において、有効成分(グリセリン類含有重合体)と未反応のポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=46.8:53.2であったことから、有効成分量を46.8%とした。
[製造例3]
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えたガラス製反応容器に、ポリアクリル酸(Aldrich製 Mw=1800)を1.1部、ポリグリセリン(株式会社ダイセル製 PGL−6)を33.1部仕込み、反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で100℃まで加温し、攪拌により内容物を均一に混合した。次に、パラトルエンスルホン酸1水和物0.1部を添加した。パラトルエンスルホン酸1水和物を添加した時間をエステル化開始時間とした。生成水を系外に留去しながら100℃を維持し、エステル化反応を維持した。エステル化開始から、14時間後に反応容器を冷却することで、グリセリン類含有重合体(3)を得た。
グリセリン類含有重合体の酸価を測定したところ、未反応のカルボキシル基の量が36.3%、即ち、エステル化したカルボキシル基の量(エステル化率)が63.7%であった。
酸価測定結果をもとに仕上がりの組成を計算したところ、ポリグリセリン(PGL):ポリアクリル酸(PAA)=91.9:8.1(重量%)であった。すなわち、酸量は8.1(重量%)であった。
その後、GPCによる分析結果において、有効成分(グリセリン類含有重合体)と未反応のポリグリセリンの面積比率が、有効成分:ポリグリセリン=13.2:86.8であったことから、有効成分量を13.2%とした。
[比較製造例1]
温度計を備えたガラス製容器に、ポリアクリル酸(Aldrich製 Mw=1800)を6.1部、ポリグリセリン(株式会社ダイセル製 PGL−6)を35.5部仕込み、ガラス容器を80℃まで加温し、攪拌により内容物を均一に混合することで混合物(1)を得た。
[実施例1−1〜1−5及び比較例1−1〜1−2、2−1]
<モルタル試験1>
製造例1で得たグリセリン類含有重合体(1)の水溶液を用いて、有効成分換算添加量を表1に示すようにしてモルタルを調製し、初期の空気量及び15打フロー値を測定した(実施例1−1〜1−5)。
また、比較のため、比較製造例1で得た、エステル化反応を施していない、ポリグリセリンとポリアクリル酸の混合物(混合物(1))を用いた例(比較例1−1〜1−2)及び添加剤を加えていない例(比較例2−1)についても、初期の空気量及び15打フロー値を測定した。結果を表1に示す。また、表1の結果をグラフ化したものを図2に示す。
なお、図2には、実施例1−1〜1−5の結果をまとめて実施例1として、比較例1−1〜1−2の結果をまとめて比較例1として、比較例2−1の結果を比較例2としてそれぞれ示した。
また、モルタル試験では比較例2−1を除き、消泡剤としてMA−404(BASFポゾリス社製)を有姿で10質量%対各成分固形分となる量を、各成分に添加した。
−モルタルフロー試験−
モルタル試験は、温度が20℃±1℃、相対湿度が60%±10%の環境下で行った。
モルタル配合は、C/S/W=450/1350/225(g)とした。
ただし、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:セメント強さ試験用標準砂(セメント協会製)
W:グリセリン類含有重合体の水溶液(実施例1−1〜1−5)又はポリグリセリンとポリアクリル酸の混合物(比較例1−1〜1−2)、及び、消泡剤のイオン交換水溶液
Wとして、表1に示した添加量の各成分を量り採り、消泡剤MA−404を有姿で各成分の固形分に対して10質量%加え、更にイオン交換水を加えて所定量とし、充分に均一溶解させた。表1において、各成分の有効成分換算添加量は、セメント質量100質量%に対する各成分の固形分の質量%で表されている。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)にステンレス製ビーター(撹拌羽根)を取り付け、C、Wを投入し、1速で30秒間混練した。更に1速で混練しながら、Sを30秒かけて投入した。S投入終了後、2速で30秒間混練することでモルタルを調製した。
−モルタル空気量(初期空気量)測定−
モルタルを500mLのガラス製メスシリンダーに約200mL詰め、径8mmの丸棒で突き、手で軽く振動させて粗い気泡を抜いた。更にモルタルを約200mL加えて同様に気泡を抜いた後、モルタルの体積と質量を測り、各材料の密度から空気量を計算した。
−15打フロー値測定−
モルタルを混練容器からポリエチレン製1L容器に移し、スパチュラで20回撹拌した後、直ちにフローテーブル(JIS R5201−1997に記載)に置かれたフローコーン(JIS R5201−1997に記載)に半量詰めて15回つき棒で突き、更にモルタルをフローコーンのすりきりいっぱいまで詰めて15回つき棒で突き、最後に不足分を補い、フローコーンの表面をならした。その後、直ちにフローコーンを垂直に引き上げ、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び上記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を0打フロー値とした。0打フロー値を測定後、直ちに15秒間に15回の落下運動を与え、広がったモルタルの直径(最も長い部分の直径(長径)及び上記長径に対して90度をなす部分の直径)を2箇所測定し、その平均値を15打フロー値とした。
なお、15打フロー値は、数値が大きいほど、分散性能が優れている。
Figure 0006182333
比較例1−1〜1−2の混合物(1)は、エステル化をしておらず、そのため添加量を0.60%から0.75%に増やしても、15打フロー値が7mmしか増大しないことが分かる。これに対し、実施例1−1〜1−2では、添加量を0.08%から0.12%に増やすことで、15打フロー値が7mm増加し、グリセリン類含有重合体(1)は優れた分散性を発現していることが明らかである。
[実施例1−6〜1−7、2−1〜2−2、3−1及び比較例1−3〜1−4、2−2]
<モルタル試験2>
製造例1〜3で得たグリセリン類含有重合体(1)〜(3)の水溶液を用いて、有効成分換算添加量を表2に示すようにしてモルタルを調製し、初期の空気量及び15打フロー値を測定した(実施例1−6〜1−7、実施例2−1〜2−2、実施例3−1)。
また、比較のため、比較製造例1で得た、エステル化反応を施していない、ポリグリセリンとポリアクリル酸の混合物(混合物(1))を用いた例(比較例1−3〜1−4)及び添加剤を加えていない例(比較例2−2)についても、初期の空気量及び15打フロー値を測定した。結果を表2に示す。また、表2の結果をグラフ化したものを図3に示す。
なお、図3には、実施例1−6〜1−7の結果をまとめて実施例1として、実施例2−1〜2−2の結果をまとめて実施例2として、実施例3−1の結果を実施例3として、比較例1−3〜1−4の結果をまとめて比較例1として、比較例2−2の結果を比較例2としてそれぞれ示した。
なお、モルタル試験では比較例2−2を除き、消泡剤としてMA−404(BASFポゾリス社製)を有姿で10質量%対各成分固形分となる量を、各成分に添加した。
−モルタルフロー試験−
モルタル試験は、温度が20℃±1℃、相対湿度が60%±10%の環境下で行った。
モルタル配合は、C/S/W=450/1350/225(g)とした。
ただし、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:セメント強さ試験用標準砂(セメント協会製)
W:グリセリン類含有重合体の水溶液(実施例1−6〜1−7、2−1〜2−2、3−1)又はポリグリセリンとポリアクリル酸の混合物(比較例1−3〜1−4)及び、消泡剤のイオン交換水溶液
Wとして、表2に示した添加量の各成分を量り採り、消泡剤MA−404を有姿で各成分の固形分に対して10質量%加え、更にイオン交換水を加えて所定量とし、充分に均一溶解させた。表2において、各成分の添加量は、セメント質量に対する各成分の固形分の質量%で表されている。
ホバート型モルタルミキサー(型番N−50;ホバート社製)にステンレス製ビーター(撹拌羽根)を取り付け、C、Wを投入し、1速で30秒間混練した。更に1速で混練しながら、Sを30秒かけて投入した。S投入終了後、2速で30秒間混練し、その後混練を90秒間停止した。最後に2速で60秒混練することでモルタルを調製した。
モルタル空気量(初期空気量)測定及び15打フロー値測定は上記モルタル試験1と同様にして行なった。
Figure 0006182333
比較例1−3〜1−4の混合物(1)は、エステル化をしておらず、そのため添加量を増やしても、15打フロー値が増大しないことが分かる。これに対し、実施例1−6〜1−7、2−1〜2−2、3−1のグリセリン類含有重合体(1)〜(3)は、15打フロー値が高く、分散性を発現していることが明らかである。

Claims (6)

  1. グリセリン類と、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とがエステル結合を介して結合した構造を有するグリセリン類含有重合体を含むセメント混和剤であり、
    該グリセリン類は、1分子中に3〜50個の水酸基を有し、
    該グリセリン類含有重合体に含まれる酸量(重量%)が、8.1〜60であり、
    単量体成分中の該不飽和カルボン酸系単量体、グリセリン類以外のその他の単量体の割合が、グリセリン類含有重合体の重量100重量%に対し、30重量%以下であり、
    該その他の単量体は、(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物;不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素原子数23〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;マレアミン酸と炭素原子数5〜18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;ビニル芳香族類;アルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ジエン類;不飽和アミド類;不飽和シアン類;不飽和エステル類からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とするセメント混和剤
  2. 前記不飽和カルボン酸系単量体は、(メタ)アクリル酸系単量体であることを特徴とする請求項1に記載のセメント混和剤
  3. グリセリン類含有重合体に含まれる酸量(重量%)が10〜60であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメント混和剤
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のセメント混和剤、セメント及び水を含むことを特徴とするセメント組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のセメント混和剤を製造する方法であって、
    該製造方法は、グリセリン類と、不飽和カルボン酸系単量体単位を有するカルボン酸系重合体とをエステル結合により結合させるエステル化工程を有することを特徴とするセメント混和剤の製造方法。
  6. グリセリン類含有重合体に含まれる酸量(重量%)が10〜60となるように、前記グリセリン類と前記カルボン酸系重合体とを混合することを特徴とする請求項に記載のセメント混和剤の製造方法。


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