JP2014125509A - 共重合体およびその用途 - Google Patents

共重合体およびその用途 Download PDF

Info

Publication number
JP2014125509A
JP2014125509A JP2012281774A JP2012281774A JP2014125509A JP 2014125509 A JP2014125509 A JP 2014125509A JP 2012281774 A JP2012281774 A JP 2012281774A JP 2012281774 A JP2012281774 A JP 2012281774A JP 2014125509 A JP2014125509 A JP 2014125509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monomer
cement
mass
glycol
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012281774A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomonori Shinokura
智則 篠倉
Takashi Tomita
高史 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2012281774A priority Critical patent/JP2014125509A/ja
Publication of JP2014125509A publication Critical patent/JP2014125509A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】減水性、早期強度発現性及び流動性保持性を同時に、かつバランス良く、顕著に発揮でき、分散剤やセメント混和剤等の各種用途に有用な共重合体、並びに、それを用いた分散剤、セメント混和剤及びセメント組成物を提供する。
【解決手段】不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系モノマー(a)由来の構成単位(A)と、不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー(b)由来の構成単位(B)と、加水分解性モノマー(c)由来の構成単位(C)とを含む共重合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、共重合体およびその用途に関する。より詳しくは、分散剤やセメント混和剤等の各種用途に有用な共重合体、並びに、それを含む分散剤、セメント混和剤及びセメント組成物に関する。
共重合体は、例えば、分散剤やセメント混和剤の他、水処理剤、スケール防止剤等の各種用途に用いられており、中でも、セメント混和剤の主成分として、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物から土木・建築構造物等を構築するために欠かすことのできないものとなっている。このような共重合体を含むセメント混和剤は、減水剤等として用いられ、セメント組成物の流動性を高めてセメント組成物を減水させることにより、硬化物の強度や耐久性等を向上させる作用を有することになる。なお、減水剤としては、従来、ナフタレン系等の減水剤が使用されていたが、これに比べてポリカルボン酸系共重合体等の共重合体を主成分とするセメント混和剤は高い減水性能を発揮できるため、高性能AE減水剤として多くの使用実績を有するに至っている。
このようなセメント混和剤には、最近では、セメント組成物に対する減水性能(分散性能)に加えて、硬化遅延を改善し、早期に強度を発現することを可能にするものが望まれている。例えば、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート製品)は、工場で型枠にコンクリートを流し込んで作られた後、それを現場に運び、組み立てることになるが、生産性の向上や作業の効率化及び省力化を図るため、早期に型枠から脱型できるようにすることが求められている。また、生コンクリートの分野でも、コンクリートを打設後、速く硬化すれば次の工程に速やかに移ることができるため、早期に強度が発現するようなセメント混和剤の開発が望まれている。しかしながら、従来のセメント混和剤では硬化遅延の度合いが大きく、硬化初期に充分な強度を発現することができなかった。
そこで、炭素数4のアルケニル基を有する不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー由来の構成単位と、不飽和モノカルボン酸系モノマー由来の構成単位とを含む共重合体を必須とするセメント分散剤(特許文献1参照)、長鎖アルキレングリコール鎖と短鎖アルキレングリコール鎖とを併せ持った共重合体を含むセメント混和剤(特許文献2、3参照)、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系モノマー由来の構成単位と、不飽和カルボン酸系モノマー由来の構成単位と、エステル系不飽和モノマー由来の構成単位とを含むセメント混和剤(特許文献4参照)等が開発され、分散性の発揮とともに、セメント組成物の硬化遅延の改善や、早期強度の発現を実現している。
特開2002−121055号公報 特開2003−221266号公報 特開2001−302305号公報 特開2011−84459号公報
上記のように、種々のセメント混和剤が開発されており、特に特許文献1〜4に記載のセメント混和剤用の共重合体は、当業界において極めて有用なものとなっている。しかしながら、早期強度発現性、特に硬化初期(12〜24時間後)の圧縮強度の発現性をより高めるとともに、更に優れた流動保持性を同時に発揮できる共重合体とすることで、セメント用途を含む各種用途により好適に適応できるものとするための工夫の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、減水性、早期強度発現性及び流動性保持性を同時に、かつバランス良く、顕著に発揮でき、分散剤やセメント混和剤等の各種用途に有用な共重合体、並びに、このような共重合体を含む分散剤、セメント混和剤及びセメント組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、セメント混和剤等の種々の用途に好適に適用できる共重合体について検討し、セメント組成物等の早期強度発現性を高めるためには、添加成分として長鎖(ポリ)アルキレングリコール鎖を有する共重合体を用いることを考えた。しかしながら、(ポリ)アルキレングリコール鎖を長鎖にすればするほど、セメント組成物等の流動保持性が不充分となり、また流動保持性を高めようとすれば、当該共重合体の添加量が多くなり、分散性が不充分となった。
上記検討を踏まえ更に検討を重ねた結果、本発明者らは、(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー由来の構成単位として、当該鎖の鎖長差(オキシアルキレン基の平均付加モル数の差)が20以上となる複数の不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー由来の構成単位を使用すると、分散性能(分散性、減水性又は流動性とも称す)に加えて、早期強度発現性能、特に硬化初期(例えば、12〜24時間後)の強度発現性能により優れると同時に、流動性の保持性能(流動保持性)にも優れる共重合体となることを見いだした。また、鎖長が長い不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系モノマー由来の構成単位のオキシアルキレン基の平均付加モル数を21〜90とし、鎖長が短い(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー由来の構成単位のオキシアルキレン基の平均付加モル数を1〜70とすることで、共重合体が、例えば分散剤やセメント混和剤等の各種用途に極めて有用なものとなることを見いだした。
さらに、上記複数の不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー由来の構成単位に加えて、さらに加水分解性モノマー由来の構成単位を加えてなる少なくとも3元系の共重合体にすることにより、流動性がさらに改善することを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系モノマー(a)由来の構成単位(A)と、不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー(b)由来の構成単位(B)と、加水分解性モノマー(c)由来の構成単位(C)とを含む共重合体であって、
該不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系モノマー(a)は、下記一般式(i):
O(RO) (i)
(式中、Yは、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。ROは、同一又は異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、ROで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、21〜90の数である。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)で表され、
該不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー(b)は、下記一般式(ii):
O(RO) (ii)
(式中、Yは、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。ROは、同一又は異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。mは、ROで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜70の数であり、n−m≧20を満たす。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)で表され、
該加水分解性モノマー(c)は、下記一般式(iii):
Figure 2014125509
(式中、R、R及びRは、水素原子又は炭素原子数1〜18の炭化水素基を表す。ROは、同一又は異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。lは、ROで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、0〜300の数である。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。ただし、l=0の場合、Rは、炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)で表されることを特徴とする共重合体である。
本発明はまた、上記共重合体を含む分散剤でもある。
本発明は更に、上記共重合体を含むセメント混和剤でもある。
本発明はそして、上記セメント混和剤、セメント及び水を含むセメント組成物でもある。
以下に本発明を詳述する。なお、以下において段落に分けて記載される本発明の好ましい形態の2つ又は3つ以上を組み合わせたものも本発明の好ましい形態である。
本明細書中、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系モノマー(a)を「モノマー(a)」とも称し、不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー(b)を「モノマー(b)」とも称し、加水分解性モノマー(c)を「モノマー(c)」とも称し、不飽和カルボン酸系モノマー(d)を「モノマー(d)」とも称し、他のモノマー(e)を「モノマー(e)」とも称す。
〔共重合体〕
本発明の共重合体は、上記一般式(i)で表される不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系モノマー(a)由来の構成単位(A)と、上記一般式(ii)で表される不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー(b)由来の構成単位(B)と、加水分解性モノマー(c)由来の構成単位(C)とを含むものであり、必要に応じて、後述する不飽和カルボン酸系モノマー(d)由来の構造単位(D)を更に含んでいてもよい。また、共重合体に含まれる各構成単位は、それぞれ1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
上記共重合体において、構成単位(A)、(B)及び(C)が占める割合としては、全構成単位100質量%に対し、それぞれ1質量%以上であることが好適である。構成単位(A)が1質量%未満であると、早期強度発現性が充分に発揮できないおそれがあり、構成単位(B)が1質量%未満であると、分散性及び分散性保持性を充分に発揮できないおそれがある。また、構成単位(C)が1質量%未満であると、分散性及び分散性保持性を充分に発揮できないおそれがある。
構成単位(A)、(B)及び(C)の合計量100質量%中に占める構成単位(A)の含有割合としては、好ましくは10〜98質量%、より好ましくは30〜98質量%、更に好ましくは50〜96質量%、特に好ましくは70〜94質量%である。また、構成単位(A)、(B)及び(C)の合計量100質量%中に占める構成単位(B)の含有割合としては、好ましくは1〜89質量%、より好ましくは1〜69質量%、更に好ましくは2〜48質量%、特に好ましくは3〜27質量%である。また、構成単位(A)、(B)及び(C)の合計量100質量%中に占める構成単位(C)の含有割合としては、好ましくは1〜89質量%、より好ましくは1〜69質量%、更に好ましくは2〜48質量%、特に好ましくは3〜27質量%である。
上記共重合体において、構成単位(A)、(B)及び(C)の合計の比率(質量%)としては、全構成単位100質量%に対し、70〜100質量%であることが好適である。すなわち、不飽和カルボン酸系モノマー(d)由来の構成単位(D)及び他のモノマー(e)由来の構成単位(E)の合計の含有割合は、全構成単位100質量%に対し、0〜30質量%であることが好ましい。全構成単位100質量%中の構成単位(A)、(B)及び(C)の合計の比率としてより好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは85〜100質量%、特に好ましくは90〜100質量%である。
なお、本明細書中、不飽和カルボン酸系モノマー(d)由来の構成単位(D)の割合を計算する場合は、構成単位(D)が、完全に中和されたモノマー(塩)由来の構成単位であるとして計算するものとし、また、上記不飽和カルボン酸系モノマー(d)の割合を計算する場合は、モノマー(d)が、完全に中和されたモノマー(塩)であるとして計算するものとする。例えば、上記モノマー(d)としてアクリル酸を用い、重合反応において水酸化ナトリウムで完全中和する場合には、モノマー(d)としてアクリル酸ナトリウムを用いたとして、質量割合(質量%)の計算をする。
上記共重合体において、構成単位(A)と(B)との合計が占める割合は、全構成単位100モル%に対して、50モル%以下であることが好適である。これは、構成単位(A)及び(B)を構成するモノマー(a)及び(b)の重合性が充分ではなく、分散性の高い共重合体を高収率で得るために、当該モノマー(a)及び(b)の合計使用割合を、全モノマー成分100モル%に対して50モル%以下とすることが好適であることに起因する。より好ましくは40モル%以下であり、更に好ましくは35モル%以下であり、特に好ましくは30モル%以下である。
次に、共重合体を形成するモノマー成分について、説明する。
なお、各モノマーは、各々1種又は2種以上を使用することができる。
上記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系モノマー(a)及び不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー(b)は、各々、上述した一般式(i)及び(ii)で表されるモノマーであるが、モノマー(a)由来の構成単位(A)とは、モノマー(a)が有する重合性二重結合(炭素炭素二重結合)部分が単結合となった構造を意味し、モノマー(b)由来の構成単位(B)とは、モノマー(b)が有する重合性二重結合(炭素炭素二重結合)部分が単結合となった構造を意味する。
上記一般式(i)中のYは、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。例えば、ビニル基等の炭素原子数2のアルケニル基;アリル基等の炭素原子数3のアルケニル基;メタリル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基等の炭素原子数4のアルケニル基;3−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−3−ブテニル基等の炭素原子数5のアルケニル基等が挙げられる。
中でも、早期強度発現性及び分散性をより発現させる観点からは、炭素原子数3〜8のアルケニル基が好適であり、より好ましくは炭素原子数3〜5のアルケニル基であり、更に好ましくは炭素原子数4のアルケニル基であり、特に好ましくはメタリル基である。
上記一般式(ii)中のYもまた、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す中でも、早期強度発現性及び分散性をより発現させる観点から、炭素原子数3〜8のアルケニル基が好適であり、炭素原子数5〜8のアルケニル基がより好適である。更に好ましくは、炭素原子数5のアルケニル基である。
なお、上記Yが炭素原子数3〜4のアルケニル基であり、かつ上記Yが炭素原子数5〜8のアルケニル基である形態は、本発明の好適な形態の1つである。
上記一般式(i)中のR、及び、一般式(ii)中のRは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表すが、炭化水素基の炭素原子数が増大するに従って疎水性が大きくなり、分散性がより充分なものとはならないため、炭化水素基の炭素原子数としては1〜20が好適である。より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜4である。
上記炭化水素基として具体的には、例えば、アルキル基(直鎖、分岐鎖又は環状)、フェニル基、アルキル置換フェニル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が好適である。中でも、アルキル基(直鎖、分岐鎖又は環状)が好ましい。
上記R及びRとして特に好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基である。
なお、R及びRは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記一般式(i)中のRO、及び、一般式(ii)中のROは、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。中でも、炭素数2〜8のオキシアルキレン基が好ましく、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシメチルエチレン基、オキシオクチレン基、オキシスチレン基等が挙げられる。より好ましくは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、更に好ましくはオキシエチレン基である。なお、RO及びROは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
ここで、(RO)で表されるポリアルキレングリコール鎖、及び、(RO)で表されるポリアルキレングリコール鎖は、それぞれ、2種以上のオキシアルキレン基により形成されるものであってもよい。この場合、2種以上のオキシアルキレン基の付加形態は、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態であってもよい。
上記一般式(i)及び(ii)ではまた、全オキシアルキレン基100モル%中に占めるオキシエチレン基の割合が、それぞれ50モル%以上であることが好適である。これによって、更に充分な分散性を発揮することができる。より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上、最も好ましくは100モル%、すなわちオキシエチレン基のみによって、(RO)で表されるポリアルキレングリコール鎖や、(RO)で表される(ポリ)アルキレングリコール鎖が構成されることである。また、2種以上のオキシアルキレン基を有する場合の組み合わせとしては、(オキシエチレン基、オキシプロピレン基)、(オキシエチレン基、オキシブチレン基)、(オキシエチレン基、オキシスチレン基)が好適である。中でも、(オキシエチレン基、オキシプロピレン基)がより好ましい。
ここで、nで表されるポリアルキレングリコール鎖の平均鎖長(オキシアルキレン基の平均付加モル数)とは、共重合体が有する、モノマー(a)に由来するポリアルキレングリコール鎖1モル中に付加しているオキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。また、mで表される(ポリ)アルキレングリコール鎖の平均鎖長(オキシアルキレン基の平均付加モル数)とは、共重合体が有する、モノマー(b)に由来する(ポリ)アルキレングリコール鎖1モル中に付加しているオキシアルキレン基のモル数の平均値を意味する。
上記一般式(i)におけるオキシアルキレン基の平均付加モル数n、及び、一般式(ii)におけるオキシアルキレン基の平均付加モル数mの組み合わせとしては、nが21〜90の数、mが1〜70の数であり、かつ当該差(n−m)が20以上となる組み合わせが適切である。これにより、共重合体が、減水性、早期強度発現性及び流動性保持性を同時にかつ顕著に、しかもバランス良く発揮することができるが、nとmとの差が大きい方が、このような本発明の効果を更に発揮することができるため、n−mが40以上であることが好ましい。より好ましくは50以上、更に好ましくは60以上である。また、n−mの上限は89以下であればよいが、例えば、79以下が好ましい。
上記nは、21〜90の数であるが、nの下限値としては、共重合体の早期強度発現性能をより向上させる観点から、40以上であることが好ましい。より好ましくは50以上、更に好ましくは60以上である。また、nが90を超えると、共重合性が充分とはならず、分散性の保持性能をより充分に発揮できなくなるおそれがある。nの上限値として好ましくは89以下、より好ましくは85以下、更に好ましくは80以下である。
上記mは、1〜70の数であるが、mの上限値としては、共重合体の分散保持性能をより向上させる観点から、60以下であることが好ましい。より好ましくは50以下、一層好ましくは25以下、更に好ましくは20以下である。また、分散性能をより充分に発現させる観点から、mの下限値として好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは7以上、特に好ましくは10以上である。
なお、上記nが41〜90の数であり、上記mが1〜50の数であり、n−m≧40を満たす形態;上記nが61〜90の数であり、上記mが1〜30の数であり、n−m≧60を満たす形態;上記nが71〜90の数であり、上記mが1〜20の数であり、n−m≧60を満たす形態;は、本発明の特に好適な形態である。
上記不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系モノマー(a)及び不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー(b)として具体的には、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレノールアルキレンオキシド付加物(3−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物)、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物等が好適である。
より具体的には、例えば、メトキシポリエチレングリコールメタリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールメタリルエーテル、プロポキシポリエチレングリコールメタリルエーテル、ブトキシポリエチレングリコールメタリルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールメタリルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノメタリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(1,1−ジメチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコール(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、エトキシポリエチレングリコール(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、1−プロポキシポリエチレングリコール(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、シクロヘキシルオキシポリエチレングリコール(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、フェノキシポリエチレングリコール(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールアリルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコール(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、エトキシポリエチレングリコール(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、フェノキシポリエチレングリコール(2−メチル−2−プロペニル)エーテル等が好適である。
上記加水分解性モノマー(c)は、上述した一般式(iii)で表されるモノマーであるが、上記モノマー(c)由来の構成単位(C)とは、モノマー(c)が有する不飽和二重結合(炭素炭素二重結合)部分が、単結合となった構造を意味する。
上記一般式(iii)において、R、R及びRは、水素原子又は炭素原子数1〜18の炭化水素基を表す。R、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、中でも、R、R及びRがいずれも水素原子であることが好ましい。また、R及びRが水素原子でありRがメチル基であることも好ましい。
上記一般式(iii)において、ROは、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。中でも、炭素数2〜8のオキシアルキレン基が好ましく、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシメチルエチレン基、オキシオクチレン基、オキシスチレン基等が挙げられる。より好ましくは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、特に好ましくはオキシエチレン基である。また、(RO)で表されるポリアルキレングリコール鎖は、2種以上のオキシアルキレン基により形成されるものであってもよく、この場合は、2種以上のオキシアルキレン基がランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの付加形態であってもよい。
上記一般式(iii)ではまた、全オキシアルキレン基100モル%中に占めるオキシエチレン基の割合が、50モル%以上であることが好適である。これによって、充分な分散性を発揮できる。より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上、最も好ましくは100モル%、すなわちオキシエチレン基のみによって、(RO)で表される(ポリ)アルキレングリコール鎖が形成されることである。
なお、2種以上のオキシアルキレン基を有する場合の組み合わせとしては、(オキシエチレン基、オキシプロピレン基)、(オキシエチレン基、オキシブチレン基)、(オキシエチレン基、オキシスチレン基)が好適である。中でも、(オキシエチレン基、オキシプロピレン基)がより好ましい。
上記一般式(iii)中、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す(ただし、l=0の場合は、炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す)が、炭化水素基の炭素原子数が増大するに従って疎水性が大きくなり、分散性が充分とはならないため、炭化水素基の炭素原子数としては、1〜20が好ましい。より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜6、最も好ましくは1〜4である。
上記炭化水素基としては、例えば、アルキル基(直鎖、分岐鎖又は環状)、フェニル基、アルキル置換フェニル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が好適である。中でも、アルキル基(直鎖、分岐鎖又は環状)が好ましい。
上記Rとして特に好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基である。
上記一般式(iii)において、(ポリ)アルキレングリコール鎖の平均鎖長(オキシアルキレン基の平均付加モル数)lは、0〜300の数である。このような形態とすることによって、共重合体が優れた分散性及び早期強度発現性と同時に分散保持性を発揮することが可能になる。ここで、lが300を超えると、共重合性が充分とはならず、分散性の保持性能を充分に発揮できなくなるおそれがある。よって、lの上限値としては、次の順で特定値以下であることが好ましい(数値が小さい方が好ましい。)。すなわち、250以下、200以下、150以下、100以下、75以下、50以下、25以下、10以下、7以下、5以下、3以下が好ましい。また、lが0の場合は、上記一般式(iii)で表される加水分解性モノマー(c)は不飽和カルボン酸アルキルエステルとなるが、このような形態であっても、セメントアルカリ中で経時的に加水分解し、分散保持性を発揮できるため好適である。また、lの下限値が1以上である形態も好適な形態の1つである。
上記加水分解性モノマー(c)として具体的には、例えば、アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物であるアルキル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル;炭素数2〜18のアルキレングリコール(アルキレンオキシド)と(メタ)アクリル酸とのエステル化物である、(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;アルコールに炭素数2〜18のアルキレングリコールを付加して得られるアルコキシ(ポリ)アルキレングリコールと、(メタ)アクリル酸とのエステル化物である、アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート等が好適である。
上記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数1〜30の脂肪族アルコール;シクロヘキサノール等の炭素数3〜30の脂環族アルコール;(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の炭素数1〜30の不飽和アルコール等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールが好適である。
上記炭素数2〜18のアルキレングリコールとしては、炭素数2〜8のアルキレングリコールが好ましく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、イソブチレングリコール、メチルエチレングリコール、オクチレングリコール、スチレングリコール等が挙げられる。より好ましくは炭素数2〜4のアルキレングリコールであり、特に好ましくはエチレングリコールである。また、2種以上のアルキレングリコールを用いてもよく、この場合、付加反応形態としては、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態であってもよい。
またアルキレングリコールの総使用量100モル%に占めるエチレングリコールの割合が、50モル%以上であることが好適である。これによって、充分な分散性を発揮できる。より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上、最も好ましくは100モル%、すなわち上記アルキレングリコールとしてエチレングリコールのみを使用することである。
上記不飽和カルボン酸アルキルエステルとして好ましくは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。また、メチルクロトネート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート等も挙げられる。これらの中でも、特に重合性と加水分解性の観点から、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート等のアルキルアクリレートが好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとして好ましくは、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、重合性と加水分解性の観点から、ヒドロキシエチルアクリレート(特に2−ヒドロキシエチルアクリレート)、ヒドロキシプロピルアクリレート(特に2−ヒドロキシプロピルアクリレート)等のヒドロキシアルキルアクリレートが好ましい。
上記アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとして好ましくは、例えば、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート;エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート;プロポキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート;ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート、ブトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート;ペンチルオキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンチルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンチルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}(メタ)アクリレート、ペンチルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート、ペンチルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート;
ヘキシルオキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘキシルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘキシルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}(メタ)アクリレート、ヘキシルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート、ヘキシルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート;ヘプチルオキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘプチルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘプチルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}(メタ)アクリレート、ヘプチルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート、ヘプチルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート;オクチルオキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクチルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクチルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}(メタ)アクリレート、オクチルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート、オクチルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート;ノニルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}(メタ)アクリレート、ノニルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート、ノニルオキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記共重合体はまた、必須モノマーであるモノマー(a)、(b)及び(c)に加えてさらに不飽和カルボン酸系モノマー(d)に由来する構成単位(D)を含むものであってもよい。
上記不飽和カルボン酸系モノマー(d)は、重合性二重結合(炭素炭素二重結合)と、カルボキシル基及び/又はカルボン酸塩とを含むモノマーである。なお、不飽和カルボン酸系モノマー(d)由来の構成単位(D)とは、モノマー(d)が有する重合性二重結合部分が単結合となった構造を意味する。
ここで、カルボキシル基及び/又はカルボン酸塩を含むとは、−COOZ(Zは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表される基を、1分子中に1種又は2種以上有することを意味する。金属原子としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;アルミニウム、鉄等が挙げられる。また、有機アミン基としては、モノエタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基;モノエチルアミン基、ジエチルアミン基、トリエチルアミン基等のアルキルアミン基;エチレンジアミン基、トリエチレンジアミン基等のポリアミン基等が挙げられる。上記カルボン酸塩としては、これらの中でも、アンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩である。
上記不飽和カルボン酸系モノマー(d)としては、1分子内に重合性二重結合と1つのカルボキシル基又はカルボン酸塩とを含む不飽和モノカルボン酸系モノマーや、1分子内に重合性二重結合と2つのカルボキシル基又はカルボン酸塩とを含む不飽和ジカルボン酸系モノマーが好適である。
上記不飽和モノカルボン酸系モノマーとして具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−ヒドロキシアクリル酸、α−ヒドロキシメチルアクリル酸及びその誘導体等の不飽和カルボン酸や、これらの塩等が挙げられる。
上記不飽和ジカルボン酸系モノマーとして具体的には、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸、これらの塩、及び、これらの無水物等が挙げられる。
これらの中でも、重合性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及びこれらの塩が好適である。中でも、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩がより好ましい。すなわち、上記不飽和カルボン酸系モノマー(d)としては、(メタ)アクリル酸又はその塩を含むことが好適である。より好ましくはアクリル酸又はその塩であり、アクリル酸又はその塩由来の構造を含むことによって、得られる共重合体が、より少量で更に優れた分散性を発揮することが可能になる。
なお、アクリル酸及びメタクリル酸を総称して「(メタ)アクリル酸」という。
上記共重合体はまた、その他のモノマー(e)に由来する構成単位(E)を含むものであってもよい。このようなモノマー(e)は、モノマー(a)、(b)及び/又は(c)と共重合可能なモノマーであればよく、例えば、下記化合物等の1種又は2種以上を使用することができる。
上記不飽和ジカルボン酸系モノマーと炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸系モノマーと炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン酸系モノマーとのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸系モノマーと炭素原子数2〜18のアルキレングリコール若しくは該アルキレングリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル類;
マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコール若しくはこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類及びこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;
ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類;ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体;等。
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)としては、その取り扱い性や流動保持性等を考慮すると、50万以下であることが好適である。より好ましくは30万以下、更に好ましくは20万以下、特に好ましくは10万以下である。また、分散性をより高める観点から、Mwは3000以上であることが好ましい。より好ましくは5000以上、更に好ましくは1万以上である。また、ある程度セメント粒子に吸着した方が性能を発揮しやすく、Mwが大きいほど吸着力が大きくなるという観点からも、Mwは1万以上であることが好ましい。より好ましくは10000〜100000、更に好ましくは20000〜80000である。
なお、上記共重合体の重量平均分子量は、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析法により求めることができる。
次に、上記共重合体を得る方法について、説明する。
上記共重合体を得る方法としては、重合開始剤を用いて、モノマー(a)、モノマー(b)及びモノマー(c)、並びに、必要に応じてモノマー(d)及びモノマー(e)を含むモノマー成分を共重合させればよいが、共重合体を構成する各構成単位が上述した範囲内となるように、モノマー成分に含まれるモノマーの種類や使用量を適宜設定することが好ましい。すなわち、上記共重合体を構成する構成単位の割合が上述した好適な範囲となるように、モノマー成分に含まれるモノマーの種類や使用量を適宜設定することが好ましい。
したがって、上記共重合体を得るために使用される全モノマー成分100質量%に対し、モノマー(a)、(b)及び(c)のそれぞれの含有量を1質量%以上とすることが好適である。また、モノマー(a)、(b)及び(c)の合計量100質量%中に占める、モノマー(a)、(b)及び(c)の各含有割合として好ましくは、(a)10〜98質量%、(b)1〜89質量%、(c)1〜89質量%であり、より好ましくは、(a)30〜98質量%、(b)1〜69質量%、(c)1〜69質量%であり、更に好ましくは、(a)50〜96質量%、(b)2〜48質量%、(c)2〜48質量%であり、特に好ましくは、(a)70〜94質量%、(b)3〜27質量%、(c)3〜27質量%である。
上記モノマー(a)、(b)及び(c)の合計の比率(質量%)としては、全モノマー成分100質量%に対し、70〜100質量%であることが好適である。すなわち、不飽和カルボン酸系モノマー(d)及び他のモノマー(e)の合計の含有割合は、全モノマー成分100質量%に対し、0〜30質量%であることが好ましい。全モノマー成分100質量%中のモノマー(a)、(b)及び(c)の合計の比率としてより好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは85〜100質量%、特に好ましくは90〜100質量%である。
また分散性の高い共重合体を高収率で得るためには、全モノマー成分100モル%に対して、モノマー(a)と(b)との合計が占める割合が、50モル%以下であることが好適である。より好ましくは40モル%以下であり、更に好ましくは35モル%以下であり、特に好ましくは30モル%以下である。
上記共重合体を得るための重合工程(共重合工程)は、溶液重合や塊状重合等の通常の方法で行うことができる。溶液重合は回分式でも連続式でも行うことができ、その際に使用される溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられる。中でも、原料モノマー及び得られる重合体の溶解性の観点から、水及び炭素数1〜4の低級アルコールからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、その中でも、水が脱溶剤工程を省略できる点でより好ましい。
上記重合工程を水溶液重合法にて行う場合には、ラジカル重合開始剤として、水溶性の重合開始剤、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2’−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2−カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等の水溶性アゾ系開始剤等を使用することが好適である。また、この際、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、メタ二亜硫酸塩、次亜燐酸ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等の促進剤を併用することもできる。中でも、過硫酸塩とL−アスコルビン酸(塩)等の促進剤との組み合わせ、過酸化水素とL−アスコルビン酸(塩)等の促進剤との組み合わせが好ましい。これらのラジカル重合開始剤や促進剤はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また低級アルコール、芳香族若しくは脂肪族炭化水素、エステル化合物又はケトン化合物を溶媒とする溶液重合を行う場合には、ラジカル重合開始剤として、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を用いることが好適である。また、この際、アミン化合物等の促進剤を併用することもできる。
更に水−低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上述した種々のラジカル重合開始剤、又は、ラジカル重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から適宜選択して用いることができる。
上記重合工程を塊状重合法にて行う場合には、例えば、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を用い、50〜200℃の温度で重合を行うことが好適である。
上記重合工程において、反応温度は特に限定されないが、例えば、過硫酸塩を開始剤とする場合は30〜100℃の範囲とすることが好ましい。より好ましくは40〜95℃の範囲、更に好ましくは45〜90℃の範囲である。また、過硫酸塩と、促進剤としてL−アスコルビン酸(塩)とを組み合わせて開始剤とする場合、反応温度は30〜100℃の範囲とすることが好ましい。より好ましくは40〜95℃の範囲、更に好ましくは45〜90℃の範囲である。
また重合時間は特に限定されないが、例えば、0.5〜10時間の範囲とすることが好ましい。重合時間がこの範囲より長すぎたり短すぎたりすると、重合率が充分とならなかったり、生産性を高めることができなかったりするおそれがある。より好ましくは0.5〜8時間、更に好ましくは1〜6時間の範囲である。
上記重合工程における全モノマー成分の使用量は、他の原料及び重合溶媒を含む全原料100質量%に対して10〜99質量%の範囲とすることが好適である。特に、全モノマー成分の使用量がこの範囲より低すぎると、重合率が充分とならなかったり、生産性を高めることができなかったりするおそれがある。より好ましくは20〜98質量%、更に好ましくは25〜95質量%、より更に好ましくは30〜90質量%、特に好ましくは30〜80質量%、最も好ましくは40〜70質量%の範囲である。
上記重合工程において、各モノマー成分の反応容器への投入方法は特に限定されず、全量を反応容器に初期に一括投入する方法;全量を反応容器に分割又は連続投入する方法;一部を反応容器に初期に投入し、残りを反応容器に分割又は連続投入する方法等が挙げられる。また、反応途中で各モノマーの反応容器への投入速度を連続的又は段階的に変えて、各モノマーの単位時間あたりの投入重量比を連続的又は段階的に変化させることにより、モノマー比が異なる2種以上の共重合体を重合反応中に同時に合成するようにしてもよい。なお、ラジカル重合開始剤は反応容器に初めから仕込んでもよく、反応容器へ滴下してもよく、また目的に応じてこれらを組み合わせてもよい。
上記重合工程ではまた、得られる共重合体の分子量調整のため、連鎖移動剤を用いることができる。特に、全モノマー成分の使用量が、重合時に使用する原料の全量100質量%に対して30質量%以上となる高濃度で重合反応を行う場合には、連鎖移動剤を用いるのが好ましい。連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系連鎖移動剤を用いることができ、2種類以上の連鎖移動剤の併用も可能である。更に、共重合体の分子量調整のためには、他のモノマー(e)として(メタ)アリルスルホン酸(塩)類等の連鎖移動性の高いモノマーを用いることも有効である。
また所定の分子量の共重合体を再現性よく得るには、共重合反応を安定に進行させることが重要であることから、溶液重合を行う場合には、使用する溶媒の25℃における溶存酸素濃度を5ppm以下とすることが好ましい。より好ましくは0.01〜4ppm、更に好ましくは0.01〜2ppm、最も好ましくは0.01〜1ppmである。なお、溶媒にモノマーを添加後、窒素置換等を行う場合には、モノマーを含んだ系の溶存酸素濃度を上記範囲とすればよい。また、溶媒の溶存酸素濃度の調整は、重合反応槽で行なってもよく、あらかじめ溶存酸素量を調整した溶媒を用いてもよい。溶媒中の酸素を追い出す方法としては、例えば、下記の(1)〜(5)の方法が挙げられる。
(1)溶媒を入れた密閉容器内に窒素等の不活性ガスを加圧充填した後、密閉容器内の圧力を下げることにより、溶媒中の酸素分圧を低くする。窒素気流下で密閉容器内の圧力を下げてもよい。
(2)溶媒を入れた容器内の気相部分を窒素等の不活性ガスで置換したまま、液相部分を長時間激しく攪拌する。
(3)容器内に入れた溶媒に、窒素等の不活性ガスを長時間バブリングする。
(4)溶媒を一旦沸騰させた後、窒素等の不活性ガス雰囲気下で冷却する。
(5)配管の途中に静止型混合機(スタティックミキサー)を設置し、溶媒を重合反応槽に移送する配管内で窒素等の不活性ガスを混合する。
上記重合工程において、溶媒を用いる場合、重合をpH5以上で行ってもよいが、その場合、重合率の低下が起こると同時に共重合性がより充分とはならず、例えば、セメント混和剤等としての性能をより充分に発揮できないおそれがあるため、pH5未満で共重合反応を行うことが好ましい。pHの調整は、例えば、一価金属又は二価金属の水酸化物や炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミン;等のアルカリ性物質又は塩酸、リン酸、硫酸等の無機酸類、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類を用いて行うことができる。
上記重合工程は、他の工程を更に有していてよい。他の工程としては、通常の共重合体の製法において行われる工程であれば特に限定されるものではない。
上記重合工程により得られた共重合体は、そのままでも各種用途に使用することができ、例えば、分散剤やセメント混和剤等の主成分として用いることもできるが、取り扱い性の観点からは、pHを5以上に調整しておくことが好ましい。上述したようにpH5未満で共重合反応を行うことが好ましく、共重合後にpHを5以上に調整することが好ましい。pHの調整は、例えば、一価金属又は二価金属の水酸化物や炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミン;等のアルカリ性物質を用いて行なうことができる。また、反応終了後、必要ならば濃度調整を行うこともできる。また、上記共重合体は、水溶液の形態で各種用途に使用してもよいし、また、カルシウム、マグネシウム等の二価金属の水酸化物で中和して多価金属塩とした後に乾燥させたり、シリカ系微粉末等の無機粉体に担持して乾燥させたりすることにより粉体化して使用してもよい。
上記重合工程により得られた共重合体はまた、必要に応じて、個々の重合体を単離する工程に付してもよいが、作業効率や製造コスト等の観点から、個々の重合体を単離することなく、各種用途に使用することができる。
〔共重合体の用途〕
本発明の共重合体は、水に難溶性の無機物又は有機物の分散剤として良好な性能を発揮する。例えば、紙コーティングに用いられる重質又は軽質炭酸カルシウム、クレイ等の無機顔料の分散剤;セメント、石炭等の水スラリー用分散剤;等として良好な性能を発揮できる。その他にも、冷却水系、ボイラー水系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜でのスケール防止の水処理剤;スケール防止剤;染色助剤や繊維の帯電防止助剤等の繊維処理剤;接着剤;シーリング剤;各種重合体への柔軟性付与成分;洗剤ビルダー等にも好適に使用することができる。更に、シャンプー、リンス、ボディーソープ等の身体用洗剤、繊維加工、建材加工、塗料、窯業等の分野において幅広く応用することが可能である。中でも、セメント混和剤用途に用いることが好適であり、この場合、減水性、早期強度発現性及び流動性保持性を同時に、かつバランス良く、顕著に発揮できるセメント混和剤を提供できる。なお、コンクリート2次製品(プレキャストコンクリート製品)用のセメント混和剤として特に有用である。このように、上記共重合体がセメント混和剤用共重合体である形態は、本発明の好適な形態であり、また、上記共重合体を含む分散剤、及び、上記共重合体を含むセメント混和剤もまた、本発明に含まれる。
以下、代表的な分散剤として、セメント混和剤について説明する。
〔セメント混和剤〕
本発明のセメント混和剤は、上記共重合体を必須とするものであるが、上記共重合体を2種以上含んでいてもよく、上記共重合体と異なる共重合体を1種以上含んでいてもよい。
上記セメント混和剤における上記共重合体の含有量(2種以上の共重合体を含む場合は、その総含有量)は、特に制限されないが、セメント混和剤中の固形分(すなわち不揮発分)100質量%中、20質量%以上、100質量%以下であることが好ましい。より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上である。
なお、本明細書中、「セメント混和剤」とは、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物へ添加されるセメント添加剤のことをいい、上記共重合体のみからなる剤であってもよいし、また、上記共重合体だけでなく、必要に応じて更に他の成分や添加剤等を含む剤であってもよい。
上記セメント混和剤はまた、上記共重合体以外に、更にポリアルキレングリコールを含むことが好適である。ポリアルキレングリコールの含有量としては、上記共重合体100質量%に対して1〜50質量%とすることが好ましい。ポリアルキレングリコールを更に含むことにより、モルタルやコンクリート等のセメント組成物のワーカビリティをより向上させることができるが、1質量%未満であると、このワーカビリティの向上効果がより充分とはならず、50質量%を超えると、セメントに対する分散性をより向上することができないおそれがある。より好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは2〜40質量%、特に好ましくは3〜30質量%である。
上記ポリアルキレングリコールとしては、これを形成するオキシアルキレン基が、炭素原子数が2〜18のオキシアルキレン基の1種又は2種以上から構成されるものであることが好適である。炭素原子数としてより好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜4である。また、上記ポリアルキレングリコールは水溶性であることが好適であるため、親水性が高い炭素数2のオキシアルキレン基、すなわちオキシエチレン基を少なくとも必須とするものであることが好ましい。より好ましくは、ポリアルキレングリコールを形成する全オキシアルキレン基100モル%中、オキシエチレン基が50モル%以上であることである。更に好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上である。また、オキシアルキレン基の繰り返し単位は同一であってもよいし、異なっていてもよく、オキシアルキレン基が2種以上の混合物の形態である場合には、ブロック状付加、ランダム状付加、交互状付加等のいずれの付加形態でもよい。
上記ポリアルキレングリコールの末端基は、水素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基又は(アルキル)フェニル基であることが好ましい。炭素原子数としては、好ましくは1〜22、より好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜4である。中でも、末端基が水素原子であることが好ましい。
上記ポリアルキレングリコールの平均分子量としては、500〜20万の範囲が好ましい。より好ましくは1000〜10万、更に好ましくは2000〜5万である。
上記ポリアルキレングリコールとして具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリブチレングリコール等が挙げられる。中でも、上記ポリアルキレングリコールは水溶性であることが好適であることから、親水性の高いオキシエチレン基を必須成分として含むポリエチレングリコール又はポリエチレンポリプロピレングリコールが好ましく、ポリエチレングリコールが最も好ましい。
上記ポリアルキレングリコールを更に含有するセメント混和剤は、例えば、上記共重合体の製造後にポリアルキレングリコールを配合することによって製造してもよいし、また、上記共重合体を製造する際、上記モノマー(a)、(b)及び(c)を必須とするモノマー成分を、更にポリアルキレングリコールを含むものとして、これを原料として共重合反応を行うことによっても得ることができる。また、上記モノマー(a)及びモノマー(b)は、(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール等の不飽和アルコールに、アルキレンオキシドを付加反応することによって得ることができるが、この付加反応の際に、反応系に該不飽和アルコール以外の飽和脂肪族アルコール(メタノール、エタノール等)や水等の活性水素を有する化合物が存在していると、目的とするモノマー(a)及び/又はモノマー(b)以外に、ポリアルキレングリコールが副生することがある。この副生したポリアルキレングリコールを除去することなく、付加反応で得られた生成物をそのまま原料(モノマー(a)及び/又はモノマー(b))として用いれば、精製工程等の簡略化が図れると同時に、上記ポリアルキレングリコールを更に含有するセメント混和剤を容易に得ることができる。このように、上記モノマー(a)及び/又はモノマー(b)として、ポリアルキレングリコールを不純物として含むモノマー組成物を用いて上記共重合を行うことによって、上記ポリアルキレングリコールを更に含有するセメント混和剤を得る形態は、本発明の好適な形態の1つである。
上記モノマー(a)として、ポリアルキレングリコールを不純物として含むモノマー組成物を用いる場合、該ポリアルキレングリコールの含有量は、モノマー(a)(純粋なモノマー(a))とポリアルキレングリコールとの合計量100質量%に対し、0.5〜50質量%であることが好ましい。ポリアルキレングリコールが50質量%を超えると、ポリアルキレングリコール自身のセメント粒子分散性能がより充分ではないことから、セメント混和剤としての使用量が増えることとなり好ましくない。より好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは2〜30質量%、特に好ましくは3〜20質量%である。
同様に、上記モノマー(b)として、ポリアルキレングリコールを不純物として含むモノマー組成物を用いる場合、該ポリアルキレングリコールの含有量は、モノマー(b)(純粋なモノマー(b))とポリアルキレングリコールとの合計量100質量%に対し、0.5〜50質量%であることが好ましい。ポリアルキレングリコールが50質量%を超えると、ポリアルキレングリコール自身のセメント粒子分散性能がより充分ではないことから、セメント混和剤としての使用量が増えることとなり好ましくない。より好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは2〜30質量%、特に好ましくは3〜20質量%である。
また、モノマー(a)及びモノマー(b)として、ともにポリアルキレングリコールを不純物として含むモノマー組成物を用いる場合、該ポリアルキレングリコールの含有量は、モノマー(a)(純粋なモノマー(a))と、モノマー(b)(純粋なモノマー(b))と、ポリアルキレングリコールとの合計量100質量%に対し、0.5〜50質量%であることが好ましい。ポリアルキレングリコールが50質量%を超えると、ポリアルキレングリコール自身のセメント粒子分散性能がより充分ではないことから、セメント混和剤としての使用量が増えることとなり好ましくない。より好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは2〜30質量%、特に好ましくは3〜20質量%である。
上記セメント混和剤はまた、上記共重合体を含むことに起因して、流動性(流し込んだときの流れやすさ)、早期強度発現性及び流動性保持性に加え、粘性(作業性、例えば、モルタルを練る際の練りやすさやコンクリートの現場でのスコップワーク)を良好にすることもできる。
上記セメント混和剤はまた、通常使用される他のセメント分散剤を更に含有していてもよく、複数の併用も可能である。他のセメント分散剤としては特に限定されず、例えば、分子中にスルホン酸基を有する各種スルホン酸系分散剤や、分子中にポリオキシアルキレン鎖とカルボキシル基とを有する各種ポリカルボン酸系分散剤等が挙げられる。また、例えば、水溶性高分子物質、高分子エマルジョン、遅延剤、早強剤・促進剤、鉱油系消泡剤、油脂系消泡剤、脂肪酸系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、オキシアルキレン系消泡剤、アルコール系消泡剤、アミド系消泡剤、リン酸エステル系消泡剤、金属石鹸系消泡剤、シリコーン系消泡剤、AE剤、界面活性剤、防水剤、防錆剤、ひび割れ低減剤、膨張材、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏等のセメント添加剤(材)の1種又は2種以上を含んでいてもよい。
これらセメント分散剤やセメント添加剤(材)の配合割合は、その合計量が、上記共重合体の固形分100質量%に対し、10質量%以下となるように設定することが好適である。
上記セメント混和剤は、各種水硬性材料、すなわちセメントや石膏等のセメント組成物やそれ以外の水硬性材料に用いることができる。このような水硬性材料と水と上記セメント混和剤とを含有し、更に必要に応じて細骨材(砂等)や粗骨材(砕石等)を含む水硬性組成物の具体例としては、セメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスター等が挙げられる。これらの水硬性組成物の中でも、水硬性材料としてセメントを使用するセメント組成物が最も好ましく、上記セメント混和剤、セメント及び水を必須成分として含むセメント組成物もまた、本発明の1つである。
〔セメント組成物〕
本発明のセメント組成物において、セメントとしては、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形);各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等の他、これらに高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加したもの等が挙げられる。
上記骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材等が挙げられる。
上記セメント組成物においては、その1mあたりの単位水量、セメント使用量及び水/セメント比は特に限定されず、例えば、単位水量100〜185kg/m、使用セメント量250〜800kg/m、水/セメント比(重量比)=0.12〜0.74であることが好ましい。より好ましくは、単位水量120〜175kg/m、使用セメント量270〜800kg/m、水/セメント比(重量比)=0.15〜0.65である。このように本発明のセメント組成物は、貧配合〜富配合まで幅広く使用可能であり、単位セメント量の多い高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。また、本発明のセメント組成物は、比較的高減水率の領域、すなわち、水/セメント比(重量比)=0.15〜0.5(好ましくは0.15〜0.4)といった水/セメント比の低い領域においても、良好に使用することができる。
また本発明のセメント混和剤は、高減水率領域においても優れた諸性能を高性能で発揮でき、優れた作業性を有することから、例えば、レディーミクストコンクリート、コンクリート2次製品用のコンクリート(プレキャストコンクリート)、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等にも有効に適用できるものである。また、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cmの範囲のコンクリート)、高流動コンクリート(スランプ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70cmの範囲のコンクリート)、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルやコンクリートにも有効である。
上記セメント組成物において、本発明のセメント混和剤の配合割合としては、例えば、本発明の必須成分である共重合体(複数含む場合はその合計量)が、固形分換算で、セメント質量の全量100質量%に対して、0.01〜10質量%となるように設定することが好ましい。0.01質量%未満では性能的に充分とはならないおそれがあり、逆に10質量%を超えると、その効果は実質上頭打ちとなり経済性の面からも不利となるおそれがある。より好ましくは0.02〜5質量%であり、更に好ましくは0.05〜3質量%である。なお、本明細書中、固形分含量は、以下のようにして測定することができる。
(固形分測定方法)
1.アルミ皿を精秤する。
2.1で精秤したアルミ皿に固形分測定物を精秤する。
3.窒素雰囲気下130℃に調温した乾燥機に2で精秤した固形分測定物を1時間入れる。
4.1時間後、乾燥機から取り出し、室温のデシケーター内で15分間放冷する。
5.15分後、デシケーターから取り出し、アルミ皿+測定物を精秤する。
6.5で得られた質量から1で得られたアルミ皿の質量を差し引き、2で得られた固形分測定物の質量で除することで固形分を測定する。
本発明のセメント混和剤は、上述のような構成であるので、高い減水性(分散性)を有するとともに、早期強度発現性能と流動性保持性能とを両立することができ、それを取り扱う分野において生産性や作業性をより向上することができる。したがって、これを含むセメント組成物は、土木・建築分野等で好適に使用される。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「%」は、「質量%」を意味するものとする。
なお、下記の製造例において、重量平均分子量の測定条件(GPC測定法)は、以下のようにした。
<GPC測定条件>
GPC測定条件は以下の通りである。
使用カラム:東ソー社製
TSK guard column SWXL
TSKgel G4000SWXL
TSKgel G3000SWXL
TSKgel G2000SWXLをこの順で連結させたもの。
溶離液:アセトニトリル6001g、水10999gの溶液に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に酢酸でpH6.0に調整したものを使用した。
サンプル:重合体水溶液を上記溶離液にて重合体濃度が0.5質量%となるように溶解させたもの。
サンプル打ち込み量:100μL
流速:1.0mL/分
カラム温度:40℃
検出器:日本Waters社製 Empower Software
検量線作成用標準物質:ポリエチレングリコール[ピークトップ分子量(Mp)272500、219300、107000、50000、24000、11840、6450、4250、1470]
検量線:上記ポリエチレングリコールのMp値と溶出時間を基にして3次式で作成した。
〔製造例1〕重合体1
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水105.4g、メタリルアルコールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル94.4g、メタリルアルコールに平均10モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル21.3g、アクリル酸0.209gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。反応容器内を58℃に維持した状態で、2%過酸化水素水溶液9.8gを添加した。反応容器内を58℃に維持した状態で、イオン交換水28.8gにアクリル酸7.15gと2−ヒドロキシエチルアクリレート12gを溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水20gにL−アスコルビン酸0.25gと3−メルカプトプロピオン酸0.77gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH6に中和し、重量平均分子量35000の重合体水溶液(重合体1)を得た。
〔製造例2〕重合体2
製造例1におけるメタリルアルコールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテルに代えて、メタリルアルコールに平均75モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテルを使用し表1に記載の単量体組成に調製した以外は、製造例1に準じて重合、中和反応を行い、重量平均分子量41000の重合体水溶液(重合体2)を得た。
〔製造例3〕重合体3
製造例1におけるメタリルアルコールに平均10モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテルに代えて、イソプレノールに平均10モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテルを使用し表1に記載の単量体組成に調製した以外は、製造例1に準じて重合、中和反応を行い、重量平均分子量35000の重合体水溶液(重合体3)を得た。
〔製造例4〕重合体4
製造例2におけるメタリルアルコールに平均10モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテルに代えて、イソプレノールに平均10モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテルを使用し表1に記載の単量体組成に調製した以外は、製造例2に準じて重合、中和反応を行い、重量平均分子量40000の重合体水溶液(重合体4)を得た。
〔製造例5〕重合体5
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水110.2g、メタリルアルコールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル100g、イソプレノールに平均10モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル23.2g、パラトルエンスルホン酸の15%水溶液2.464gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。反応容器内を58℃に維持した状態で、2%過酸化水素水溶液6.5gを添加した。反応容器内を58℃に維持した状態で、イオン交換水24.9gに2−ヒドロキシエチルアクリレート11.8gを溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水20.3gにL−アスコルビン酸0.17gと3−メルカプトプロピオン酸0.5gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH6に中和し、重量平均分子量36000の重合体水溶液(重合体5)を得た。
〔製造例6〕重合体6
製造例5におけるメタリルアルコールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテルに代えて、メタリルアルコールに平均75モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテルを使用し表1に記載の単量体組成に調製した以外は、製造例5に準じて重合、中和反応を行い、重量平均分子量40000の重合体水溶液(重合体6)を得た。
〔比較製造例1〕比較重合体1
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水116.3g、メタリルアルコールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル104.2g、メタリルアルコールに平均10モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル23.5g、アクリル酸0.231gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。反応容器内を58℃に維持した状態で、2%過酸化水素水溶液6.6gを添加した。反応容器内を58℃に維持した状態で、イオン交換水21.1gにアクリル酸7.13gを溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水20.3gにL−アスコルビン酸0.17gと3−メルカプトプロピオン酸0.51gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH6に中和し、重量平均分子量35000の重合体水溶液(比較重合体1)を得た。
〔比較製造例2〕比較重合体2
比較製造例1におけるメタリルアルコールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテルに代えて、メタリルアルコールに平均75モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテルを使用し表1に記載の単量体組成に調製した以外は、比較製造例1に準じて重合、中和反応を行い重量平均分子量40000の重合体水溶液(比較重合体2)を得た。
〔比較製造例3〕比較重合体3
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水105.4g、メタリルアルコールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル115.6g、アクリル酸0.209gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。反応容器内を58℃に維持した状態で、2%過酸化水素水溶液8.7gを添加した。反応容器内を58℃に維持した状態で、イオン交換水29.9gにアクリル酸7.15gと2−ヒドロキシエチルアクリレート12gを溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水20.1gにL−アスコルビン酸0.23gと3−メルカプトプロピオン酸0.68gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH6に中和し、重量平均分子量37000の重合体水溶液(比較重合体3)を得た。
〔比較製造例4〕比較重合体4
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置内に、イオン交換水110g、メタリルアルコールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル123.2g、パラトルエンスルホン酸の15%水溶液2.46gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で58℃まで加熱した。反応容器内を58℃に維持した状態で、2%過酸化水素水溶液5.3gを添加した。反応容器内を58℃に維持した状態で、イオン交換水26.2gに2−ヒドロキシエチルアクリレート11.8gを溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水20.4gにL−アスコルビン酸0.14gと3−メルカプトプロピオン酸0.41gを溶解させた水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて58℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。その後、酸性の反応溶液を反応温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH6に中和し、重量平均分子量41000の重合体水溶液(比較重合体4)を得た。
各製造例および比較製造例において得られた重合体の、原料単量体の種類、組成比を表1に示す。
Figure 2014125509
表1中の各略号等は、以下の通りである。
MAL10:メタリルアルコールに平均10モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル
MAL50:メタリルアルコールに平均50モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル
MAL75:メタリルアルコールに平均75モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル
IPN10:イソプレノールに平均10モルのエチレンオキシドを付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
AA:アクリル酸
〔モルタル試験〕
製造例1〜6で得た重合体、比較製造例1〜4で得た比較重合体を用いてモルタルを調整し、下記の方法でスランプフロー値、スランプフロー値の経時変化、空気量、圧縮強度を測定した。なお、モルタルの温度が20℃の試験温度になるように、試験に使用する材料、強制練りミキサー、測定器具類をこの試験温度雰囲気下で調温し、混練及び各測定もこの試験温度雰囲気下で行った。結果を表2及び表3に示す。
なお、表3に示す結果は、公知の重合体である比較重合体1と、製造例5、6で得た重合体5、6のいずれか、又は、比較製造例4で得た比較重合体4とを併用した場合の結果である。
なお、重合体使用量は、下記に示す「固形分測定」の方法により重合体水溶液中の不揮発分(固形分換算した共重合体の質量)を算出し、下記に示す「セメント混和剤水溶液」の欄で調製したセメント混和剤水溶液の組成及び「モルタル配合」の欄で調製したモルタルの組成から、セメント質量の全量100質量%に対する固形分換算した共重合体の質量の割合を質量%で求め、表2及び表3に示した。
なお、表2及び3において、「重合体使用量(%/セメント)」とは、セメント質量の全量100質量%に対する、固形分換算した共重合体の質量の割合(質量%)を意味する。
(セメント混和剤水溶液の調整)
所定量の重合体水溶液を量り採り、消泡剤MA404(ポゾリス物産社製)を有姿で重合体分に対して10質量%加え、更にイオン交換水を加えて210gとし、充分に均一溶解させた。
(モルタル配合)
モルタル配合は、C/S/W/=600/1350/210(g)とした。ただし、
C:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
S:ISO標準砂(セメント協会製)
W:セメント混和剤水溶液 である。
(モルタル試験環境)
試験環境は、温度20℃±1℃、相対湿度60%±10%とした。
(フロー値(15打フロー値)の測定)
上記セメント600g、セメント混和剤水溶液210gをホバート型モルタルミキサー(型番N−50:ホバート社製)により低速で30秒間空練りした後、上記ISO標準砂1350gを30秒かけて投入した。次いで、高速で30秒間混練後、混練を停止し、15秒かけて釜の壁についたモルタルを掻き落とした。更に75秒間放置した後、高速で60秒間混練してモルタルを調整した。
調整したモルタルを、水平なフローテーブル(JIS R5201;1997年)に置いた上底内径70mm、下底内径100mm、高さ60mmの中空円錐台のフローコーン(JIS R5201;1997年)に半量詰め、突き棒を使って15回突いた。更にモルタルをフローコーンのすりきりいっぱいまで詰め、突き棒を使って15回突いた。次いで、モルタルを詰めたフローコーンを静かに垂直に持ち上げた。その後、1秒間に1回の割合で15回ハンドルを回転させて上下運動を与え、テーブルに広がったモルタルの長径(mm)と短径(mm)を測定し、その平均値をフロー値(15打フロー値)とした。
この測定を行った時点を0分として、以後、モルタルの全量を密閉容器内で所定時間静置後、上と同様の操作を繰り返し、モルタルフロー値の経時変化を測定した。
表2、表3には、30分後、65分後、100分静置後のフロー値の経時変化を「フロー保持率」として示した。
(モルタル空気量の測定)
モルタルを500mLガラス製メスシリンダーに約200mL詰め、径8mmの丸棒で突いた後容器に振動を加え、粗い気泡を抜いた。更にモルタルを約200mL加えて同様に気泡を抜いた後、体積と質量を測定し、質量と各材料の密度から空気量を計算した。
(圧縮強度の測定)
上記方法により調整したモルタルを、水平なテーブルに置いた円筒形型枠(直径5cm、高さ10cm)に型枠容量の3分の1まで詰め、突き棒を使って20回突いた後、型枠容器に振動を加え、粗い気泡を抜いた。更に型枠のすりきりいっぱいまでモルタルを詰め、突き棒を使って20回突いた後、型枠容器に振動を加えた。乾燥を防ぐため、上面をPETフィルムで覆い、室温20℃の環境にて12時間及び24時間養生を行ったものを供試体とした。
上記方法により作製した供試体を用いて、コンクリート試験の圧縮強度測定方法(JIS A1108;2006年)に準じて圧縮強度を測定した。
Figure 2014125509
Figure 2014125509
表2において、重合体使用量が少ないほど減水性能が高く、圧縮強度が大きいほど早期強度発現性に優れていることを示す。また、フロー保持率が大きいほど流動保持性に優れていることを示すが、30分後及び65分後のフロー保持率が130%を超えると骨材分離が生じやすく、実用上弊害がある。以上の観点から、下記の基準に基づいて各測定値を評価した。その結果を表4に示す。
(評価基準)
重合体使用量は、0.15未満を○、0.15以上かつ0.16未満を△、0.16以上を×とした。
30分後のフロー保持率は、80%未満を×、80%以上かつ90%未満を△、90%以上かつ100%未満を○、100%以上かつ120%未満を◎、120%以上かつ130%未満を○、130%以上を×とした。
65分後のフロー保持率は、80%未満を×、80%以上かつ90%未満を△、90%以上かつ100%未満を○、100%以上かつ120%未満を◎、120%以上かつ130%未満を○、130%以上を×とした。
12時間後の圧縮強度は、11未満を×、11以上かつ12未満を○、12以上を◎とした。
24時間後の圧縮強度は、24未満を×、24以上かつ25未満を○、25以上を◎とした。
Figure 2014125509
表4の通り、製造例1〜4で得られた重合体1〜4は、比較製造例1〜3で得られた比較重合体1〜3と比較して、減水性、早期強度発現性、流動保持性のすべてをバランスよく発現する。
表3において、圧縮強度が大きいほど早期強度発現性に優れていることを示す。また、フロー保持率が大きいほど流動保持性に優れていることを示すが、30分、65分、100分後のフロー保持率が130%を超えると骨材分離が生じやすく、実用上弊害がある。以上の観点から、下記の基準に基づいて各測定値を評価した。その結果を表5に示す。
(評価基準)
30分後のフロー保持率は、80%未満を×、80%以上かつ90%未満を△、90%以上かつ100%未満を○、100%以上かつ120%未満を◎、120%以上かつ130%未満を○、130%以上を×とした。
65分後のフロー保持率は、80%未満を×、80%以上かつ90%未満を△、90%以上かつ100%未満を○、100%以上かつ120%未満を◎、120%以上かつ130%未満を○、130%以上を×とした。
100分後のフロー保持率は、70%未満を×、70%以上かつ80%未満を△、80%以上かつ90%未満を○、90%以上かつ120%未満を◎、120%以上かつ130%未満を○、130%以上を×とした。
12時間後の圧縮強度は、11未満を×、11以上かつ12未満を○、12以上を◎とした。
24時間後の圧縮強度は、24未満を×、24以上かつ25未満を○、25以上を◎とした。
Figure 2014125509
表5の通り、製造例5〜6で得られた重合体5〜6は、公知の重合体(比較重合体1)と併用することによって長時間の流動保持性を発現し、比較製造例4で得られた比較重合体4と比較して、減水性、早期強度発現性、流動保持性のすべてをバランスよく発現する。

Claims (5)

  1. 不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系モノマー(a)由来の構成単位(A)と、不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー(b)由来の構成単位(B)と、加水分解性モノマー(c)由来の構成単位(C)とを含む共重合体であって、
    該不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系モノマー(a)は、下記一般式(i):
    O(RO) (i)
    (式中、Yは、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。ROは、同一又は異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。nは、ROで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、21〜90の数である。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)で表され、
    該不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系モノマー(b)は、下記一般式(ii):
    O(RO) (ii)
    (式中、Yは、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表す。ROは、同一又は異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。mは、ROで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜70の数であり、n−m≧20を満たす。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)で表され、
    該加水分解性モノマー(c)は、下記一般式(iii):
    Figure 2014125509
    (式中、R、R及びRは、水素原子又は炭素原子数1〜18の炭化水素基を表す。ROは、同一又は異なって、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。lは、ROで表されるオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、0〜300の数である。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。ただし、l=0の場合、Rは、炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)で表されることを特徴とする共重合体。
  2. 更に不飽和カルボン酸系モノマー(d)由来の構成単位(D)を含むことを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
  3. 請求項1又は2に記載の共重合体を含むことを特徴とする分散剤。
  4. 請求項1又は2に記載の共重合体を含むことを特徴とするセメント混和剤。
  5. 請求項4に記載のセメント混和剤、セメント及び水を含むことを特徴とするセメント組成物。
JP2012281774A 2012-12-25 2012-12-25 共重合体およびその用途 Pending JP2014125509A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012281774A JP2014125509A (ja) 2012-12-25 2012-12-25 共重合体およびその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012281774A JP2014125509A (ja) 2012-12-25 2012-12-25 共重合体およびその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014125509A true JP2014125509A (ja) 2014-07-07

Family

ID=51405279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012281774A Pending JP2014125509A (ja) 2012-12-25 2012-12-25 共重合体およびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014125509A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017065993A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 株式会社日本触媒 水硬性材料用収縮低減剤
WO2019053781A1 (ja) * 2017-09-12 2019-03-21 竹本油脂株式会社 ビニル共重合体
WO2021070699A1 (ja) * 2019-10-08 2021-04-15 花王株式会社 遠心成形用水硬性組成物用分散剤組成物

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001302305A (ja) * 2000-04-20 2001-10-31 Nippon Shokubai Co Ltd セメント分散剤
JP2003221266A (ja) * 2002-01-30 2003-08-05 Nippon Shokubai Co Ltd セメント混和剤
JP2005035844A (ja) * 2003-07-15 2005-02-10 Nippon Shokubai Co Ltd セメント混和剤及びセメント組成物
JP2011084459A (ja) * 2009-09-18 2011-04-28 Nippon Shokubai Co Ltd セメント混和剤、セメント組成物及びセメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体
JP2014125366A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Nippon Shokubai Co Ltd 共重合体並びにその用途
JP2014125510A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Nippon Shokubai Co Ltd 共重合体及びその用途

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001302305A (ja) * 2000-04-20 2001-10-31 Nippon Shokubai Co Ltd セメント分散剤
JP2003221266A (ja) * 2002-01-30 2003-08-05 Nippon Shokubai Co Ltd セメント混和剤
JP2005035844A (ja) * 2003-07-15 2005-02-10 Nippon Shokubai Co Ltd セメント混和剤及びセメント組成物
JP2011084459A (ja) * 2009-09-18 2011-04-28 Nippon Shokubai Co Ltd セメント混和剤、セメント組成物及びセメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体
JP2014125366A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Nippon Shokubai Co Ltd 共重合体並びにその用途
JP2014125510A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Nippon Shokubai Co Ltd 共重合体及びその用途

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017065993A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 株式会社日本触媒 水硬性材料用収縮低減剤
WO2019053781A1 (ja) * 2017-09-12 2019-03-21 竹本油脂株式会社 ビニル共重合体
WO2021070699A1 (ja) * 2019-10-08 2021-04-15 花王株式会社 遠心成形用水硬性組成物用分散剤組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011084459A (ja) セメント混和剤、セメント組成物及びセメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体
JP6188412B2 (ja) 共重合体とその用途
JP2003221266A (ja) セメント混和剤
JP6514806B2 (ja) セメント組成物
JP4410438B2 (ja) セメント分散剤およびこれを用いたセメント組成物
JP6857500B2 (ja) セメント用添加剤およびセメント組成物
JP6145381B2 (ja) (ポリ)アルキレングリコール系ブロック共重合体及びその用途
JP4947856B2 (ja) セメント分散剤およびこれを用いたセメント組成物
JP5137368B2 (ja) セメント混和剤及びセメント組成物
JP6249630B2 (ja) 共重合体とその用途
JP2015187054A (ja) セメント分散剤組成物およびセメント組成物
JP5936504B2 (ja) ポリカルボン酸系共重合体及びその用途
JP4877691B2 (ja) セメント混和剤及びセメント組成物の施工方法
JP2014125509A (ja) 共重合体およびその用途
JP6715599B2 (ja) セメント分散性向上助剤およびセメント組成物
JP6042203B2 (ja) 共重合体並びにその用途
JP6251634B2 (ja) 超高強度セメント組成物
JP6747962B2 (ja) セメント用添加剤およびセメント組成物
JP2010189200A (ja) セメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体
JP6055304B2 (ja) 共重合体及びその用途
JP2008115371A (ja) 不飽和単量体、共重合体、それを用いた分散剤およびセメント混和剤
JP4822613B2 (ja) セメント混和剤及びセメント組成物
JP2003183338A (ja) 新規共重合体及びその用途
JP6602149B2 (ja) セメント用添加剤およびセメント組成物
JP2014031296A (ja) セメント混和剤用ポリカルボン酸系共重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150904

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160810

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170110