JPH11228636A - (メタ)アクリル酸系重合体の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法

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JPH11228636A
JPH11228636A JP2692198A JP2692198A JPH11228636A JP H11228636 A JPH11228636 A JP H11228636A JP 2692198 A JP2692198 A JP 2692198A JP 2692198 A JP2692198 A JP 2692198A JP H11228636 A JPH11228636 A JP H11228636A
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acrylic acid
acid
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Kengo Shibata
賢吾 柴田
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晴也 美納
Haruyuki Sato
治之 佐藤
Daisuke Hamada
大輔 浜田
Yoshinao Kono
良直 光野
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/10Esters
    • C08F20/26Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen
    • C08F20/28Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen containing no aromatic rings in the alcohol moiety

Abstract

(57)【要約】 【課題】 品質の安定したセメント用分散剤として好適
な(メタ)アクリル酸系重合体を製造する。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸とポリアルキレング
リコールモノアルキルエーテルをモル比5:1〜50:
1の範囲で添加し、酸触媒及び重合禁止剤の存在下でエ
ステル化反応させたのち、アルカリ剤で酸触媒を失活さ
せ、次いで未反応の(メタ)アクリル酸の留去処理をし
て、(メタ)アクリル酸エステル及び未反応の(メタ)
アクリル酸残留物を含むエステル化反応物を得る工程1
と、工程1で得られたエステル化物を酸によりpHを
1.5〜3.5の範囲に調整し、(メタ)アクリル酸エ
ステルと未反応の(メタ)アクリル酸残留物を共重合さ
せる工程2とを具備する(メタ)アクリル酸系重合体の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメントペース
ト、モルタル、コンクリート等の水硬性組成物におい
て、セメント粒子の分散性を向上させるセメント用分散
剤として有用な(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリカ
ルボン酸系重合体はセメント用分散剤として有用であ
り、それに関する種々の技術が提案されている。このよ
うなセメント用分散剤として、特公昭59−18338
号公報には、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体及び(メタ)アクリル酸系単
量体、さらにこれらの単量体と共重合可能な単量体を特
定の比率で反応させることによって製造された共重合体
を含むものが開示され、特開平5−238795号公報
には、不飽和結合を有するポリアルキレングリコールジ
エステル系単量体と解離基を有する単量体を重合して得
られる共重合体を含むものが開示され、特開平8−12
396号公報には、不飽和結合を有するポリアルキレン
グリコールエステル単量体と特定の単量体との共重合体
を含むものが開示されている。しかし、これらの従来技
術においては、具体的な重合条件については記載されて
おらず、例えば、特開平8−12396号公報第4欄に
おいては、本発明における重合体は公知の方法で製造す
ることができる、と記載されている。
【0003】本発明は、重合条件を具体的に設定するこ
とにより、セメント用分散剤として好適な(メタ)アク
リル酸系重合体を、安定した品質で得ることができる
(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸触媒及
び重合禁止剤を含有するエステル化反応物にアルカリ剤
を添加して酸触媒を失活させ、さらに特定範囲のpHに
調整して重合反応をさせることにより、上記目的を達成
できることを見出し、本発明を完成したものである。
【0005】即ち本発明は、(メタ)アクリル酸とポリ
アルキレングリコールモノアルキルエーテルをモル比
5:1〜50:1の範囲で添加し、酸触媒及び重合禁止
剤の存在下でエステル化反応させたのち、アルカリ剤で
酸触媒を失活させ、次いで未反応の(メタ)アクリル酸
を留去して、(メタ)アクリル酸エステル及び未反応の
(メタ)アクリル酸残留物を含むエステル化反応物を得
る工程1と、工程1で得られたエステル化反応物を、酸
によりpH1.5〜3.5の範囲に調整し、(メタ)ア
クリル酸エステルと未反応の(メタ)アクリル酸残留物
を共重合させる工程2とを具備することを特徴とする
(メタ)アクリル酸系重合体の製造方法を提供するもの
である。
【0006】なお、本発明における「(メタ)アクリル
酸」は、アクリル酸とメタクリル酸の両方を意味するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】工程1においては、まず、(メ
タ)アクリル酸とポリアルキレングリコールモノアルキ
ルエーテルを、酸触媒及び重合禁止剤の存在下でエステ
ル化反応させる。
【0008】エステル化反応で用いる(メタ)アクリル
酸としては特に限定されるものではなく、市販されてい
る予め重合禁止剤を含むもの等を用いることができる。
【0009】エステル化反応で用いるポリアルキレング
リコールモノアルキルエーテルとしては、ポリアルキレ
ン部分が、エチレンオキシド単独の付加物又はエチレン
オキシドとプロピレンオキシドの混合付加物等のアルキ
レンオキシド付加物からなるものを挙げることができ、
アルキレンオキシドの総付加モル数は1〜300のもの
が好ましい。また、モノアルキルエーテル部分を構成す
るアルキル基としては、炭素数1〜3のものが好まし
い。
【0010】(メタ)アクリル酸とポリアルキレングリ
コールモノアルキルエーテルの反応系における配合比率
は、エステル化反応速度をより高めるため、モル比で
5:1〜50:1の範囲であり、好ましくは10:1〜
40:1の範囲である。
【0011】エステル化反応で用いる酸触媒としては、
p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸等のスルホン酸類、硫酸、リン酸等の鉱酸類
等を挙げることができる。
【0012】酸触媒の使用量は、ポリアルキレングリコ
ールモノアルキルエーテル100重量部に対して0.1
〜10重量部が好ましい。0.1重量部以上であると反
応速度を適度に保つことができ、10重量部以下である
と経済的であり、ポリアルキレングリコールモノアルキ
ルエーテルのアルキレンオキシド鎖を開裂させることな
く、円滑に反応を進行させることができるため好まし
い。
【0013】エステル化反応で用いる重合禁止剤として
は、ハイドロキノン、ベンゾキノン、メトキノン、BH
T等から選ばれる1種以上のものの任意比率の組み合わ
せを挙げることができる。また、反応系に酸素を含む気
体を通気することにより、さらに重合禁止効果を高める
ことができる。
【0014】重合禁止剤の使用量は、ポリアルキレング
リコールモノアルキルエーテル100重量部に対して
0.001〜1重量部が好ましい。
【0015】エステル化反応における反応温度は、80
〜130℃が好ましい。80℃以上であると適度な反応
速度を保つことができ、130℃以下であるとポリアル
キレングリコールモノアルキルエーテルの品質の劣化を
防止でき、反応系の粘度を適度に保つことができるため
好ましい。
【0016】エステル化反応における反応系の圧力は特
に限定されるものではないが、反応により生成した水を
系外に留去する観点から減圧であることが好ましい。
【0017】工程1においては、エステル化反応後、ア
ルカリ剤を添加して酸触媒を失活させる。このアルカリ
剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土
類金属水酸化物等を挙げることができる。アルカリ剤の
使用量は、使用した酸触媒に対して0.9〜1.5当量
倍が好ましく、1.0〜1.3当量倍が特に好ましい。
【0018】工程1においては、酸触媒を失活させたの
ち、未反応の(メタ)アクリル酸を留去して、下記の一
般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルを主
として含み、それとともに下記の一般式(II)で表され
る未反応の(メタ)アクリル酸残留物を含むエステル化
反応物を得る。
【0019】
【化1】
【0020】[式中、R1は水素原子又はメチル基を示
し、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示し、AOは炭
素数2〜3のオキシアルキレン基を示し、nは2〜30
0の数を示し;R3は水素原子又はメチル基を示し、M
は水素原子、アルカリ金属原子又はアルカリ土類金属原
子を示す]。
【0021】工程1のエステル化反応においては、反応
を円滑に進行させるために大過剰量の(メタ)アクリル
酸を用いる。従って、工程2における所望量の(メタ)
アクリル酸よりも大過剰量の(メタ)アクリル酸が存在
するため、工程1において、未反応の(メタ)アクリル
酸を留去するものである。この未反応の(メタ)アクリ
ル酸の留去の程度は、次の工程2における(メタ)アク
リル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合モル比
により、適宜設定する。工程2において、(メタ)アク
リル酸エステルと未反応の(メタ)アクリル酸残留物と
を共重合させる場合には、未反応の(メタ)アクリル酸
残留物の含有量は1.0〜25.0重量%が好ましく、
(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体をさ
らに添加して共重合させる場合には、未反応の(メタ)
アクリル酸残留物の含有量は0.5〜10.0重量%が
好ましい。
【0022】未反応の(メタ)アクリル酸を留去する方
法としては、真空蒸留法、水蒸気蒸留法又は常圧でキャ
リアガスとともに留去させる方法等を適用することがで
きる。
【0023】工程2においては、工程1で得られたエス
テル化反応物中に含まれる上記した(メタ)アクリル酸
エステルと未反応の(メタ)アクリル酸残留物とを、p
H1.5〜3.5の範囲で共重合反応させる。
【0024】共重合反応においては、さらに一般式
(I)で表される(メタ)アクリル酸エステルと共重合
可能な単量体を添加することができる。この単量体とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びこれ
らのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウ
ム塩又はアミン塩等のアクリル酸系単量体;無水マレイ
ン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、無水
シトラコン酸、シトラコン酸、フマル酸及びこれらのア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩又
はアミン塩等の不飽和ジカルボン酸系単量体;(メタ)
アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシアルキルエステル、メトキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレンポリ
プロピレングリコール(メタ)アクリレート、スチレ
ン、(メタ)アクリアミド、アクリロニトリル、スチレ
ンスルホン酸及びその塩、スルホアルキル(メタ)アク
リレート及びその塩、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸及びその塩等を挙げることができ
る。
【0025】このような(メタ)アクリル酸エステルと
共重合可能な単量体の使用量は、一般式(I)で表され
る(メタ)アクリル酸エステル100重量部に対して
0.5〜100重量部が好ましく、0.5〜50重量部
が特に好ましい。
【0026】反応系のpHは1.5〜3.5の範囲であ
るが、pH2.0〜3.0が好ましい。pHを1.5以
上にすると重合反応時における(メタ)アクリル酸エス
テルの加水分解反応が生じることを抑制することができ
る。pHを3.5以下にすると共重合速度を高く保つこ
とができるとともに、共重合体中の各単量体の配列を適
切に制御することができ、これらの結果として、安定し
た品質のセメント用分散剤として有用な(メタ)アクリ
ル酸系重合体を得ることができる。なお、工程2におけ
るpHは、重合反応系混合物の5重量%水溶液のpHで
ある。
【0027】pHの調整に用いる酸としては、リン酸、
硫酸、硝酸、アルキルリン酸、アルキル硫酸、アルキル
スルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸等を挙げることができる。これらの中でも、p
H緩衝作用があり、pHの所定範囲への調整が容易で、
重合反応系の泡立ちを抑制できるため、リン酸が好まし
い。
【0028】工程2においては、重合反応系の粘度を低
下させるため、溶媒の存在下で反応を行うことができ
る。この溶媒としては、水、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコール;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シク
ロヘキサン等の脂環式炭化水素;n−ヘキサン等の脂肪
族炭化水素;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類等を挙げることができ
る。これらの中でも、取り扱いが容易で、留去も容易で
あることから、水、低級アルコールが好ましい。
【0029】工程2においては、重合開始剤を添加する
ことができる。重合開始剤としては、有機過酸化物、無
機過酸化物、ニトリル系化合物、アゾ系化合物、ジアゾ
系化合物、スルフィン酸系化合物等を挙げることができ
る。重合開始剤の添加量は、一般式(I)、一般式(I
I)及び他の単量体の合計に対して1〜50モル倍が好
ましい。
【0030】工程2においては、連鎖移動剤を添加する
ことができる。連鎖移動剤としては、低級アルカリメル
カプタン、低級メルカプト脂肪酸、チオグリセリン、チ
オリンゴ酸、2−メルカプトエタノール等を挙げること
ができる。特に水を溶媒として用いる場合には、これら
の連鎖移動剤を添加することで、分子量調整をより安定
に行うことができる。
【0031】工程2における共重合反応の反応温度は、
0〜120℃が好ましい。
【0032】上記した工程1及び工程2の処理を経て得
られた(メタ)アクリル酸系重合体は、必要に応じて、
さらに脱臭処理をすることができる。特に連鎖移動剤と
してメルカプトエタノール等のチオールを用いた場合に
は、不快臭が重合体中に残存するため、脱臭処理をする
ことが望ましい。
【0033】連鎖移動剤としてチオールを用いた場合の
脱臭処理法としては、酸化剤によりチオールをジスルフ
ィドにする方法を挙げることができる。この方法で用い
る酸化剤としては、過酸化水素、空気、酸素等を挙げる
ことができるが、酸化による脱臭効果が高い点から過酸
化水素が好ましい。過酸化水素の添加量は、重合体に対
して100〜2000ppmが好ましく、100〜100
0ppmが特に好ましい。100ppm以上であると充分な脱
臭処理をすることができ、2000ppm以下であると過
剰の過酸化水素が残存し、それが重合開始剤として作用
して重合を進行させたり、過酸化水素が分解して酸素を
発生させたり、金属容器中における重合体溶液のゲル化
等の問題が生じない。脱臭温度は70〜100℃が好ま
しく、80〜90℃が特に好ましい。70℃以上である
と脱臭効果が高まり、100℃以下であると重合物の熱
分解による副生物の生成を防止できる。
【0034】本発明の製造方法により得られる(メタ)
アクリル酸系重合体は、酸のままでもセメント用分散剤
として適用することができるが、酸によるエステルの加
水分解を抑制する観点から、アルカリによる中和によっ
て塩の形にすることが好ましい。このアルカリとして
は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、ア
ンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアミ
ン、N−アルキル置換ポリアミン、エチレンジアミン、
ポリエチレンポリアミン等を挙げることができる。(メ
タ)アクリル酸系重合体をセメント用分散剤として使用
する場合は、中和によりpHを5〜7にすることが好ま
しい。
【0035】本発明の製造方法により得られる(メタ)
アクリル酸系重合体の重量平均分子量(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー法。ポリエチレンオキシド換
算)は、セメント用分散剤として充分な分散性を得るた
め、10,000〜200,000が好ましく、20,
000〜100,000が特に好ましい。
【0036】本発明の製造方法により得られる(メタ)
アクリル酸系重合体は、ポルトランドセメント、アルミ
ナセメント、各種混合セメント等の水硬セメント、石膏
等のセメント以外の水硬材料等の分散剤として用いるこ
とができる。
【0037】
【実施例】以下の例において「%」は「重量%」を表
す。
【0038】実施例1 (工程1)80℃で溶融したエチレンオキシド付加モル
数120のポリエチレングリコールモノメチルエーテル
(重量平均分子量5312)1000重量部を、温度
計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を
備えたガラス製反応容器に仕込んだ。次に、ハイドロキ
ノン3重量部、p−トルエンスルホン酸32重量部を投
入した。ここでポリエチレングリコールモノメチルエー
テルとメタクリル酸の合計重量1kg当たり6ml/minと
なる流量で空気を反応液中に導入し、さらに反応容器の
気相部に12ml/minの流量で窒素を導入しながら、メ
タクリル酸486重量部(ポリエチレングリコールモノ
メチルエーテルに対して30モル倍となる量)を投入
し、加熱及び反応容器内の減圧を開始した。圧力は2
6.7kPaに制御し、反応液温度が105℃に到達した
時点を反応開始時刻とし、引き続き加熱して反応液温度
を110℃に維持して反応を行った。圧力は、反応開始
1時間後に12〜13.3kPaに減圧したのち、そのま
ま維持した。反応開始から6時間後に圧力を常圧に戻
し、p−トルエンスルホン酸に対して1.05倍当量の
48%水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和し、反応
を終了させた。反応終了後、反応液温度を130℃以下
に維持し、真空蒸留法により、未反応のメタクリル酸を
回収し、エステル化反応物(A)−1を得た。この
(A)−1の酸価は40mg−KOH/g、重合禁止剤濃
度0.1%、触媒塩(p−トルエンスルホン酸ナトリウ
ム)濃度3%、メタクリル酸濃度6.1%であった。
【0039】(工程2)工程1と同様のガラス製反応容
器に水800重量部を仕込み、攪拌しながら反応容器の
気相部を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで昇温し
た。次に、エステル化反応物(A)−1を600重量
部、メタクリル酸35重量部、2−メルカプトエタノー
ル3重量部、ディクエスト(ホスホン酸系キレート剤;
日本モンサント社製)0.7重量部及び85%リン酸5
重量部を混合溶解した液と、5%過硫酸アンモニウム水
溶液120重量部の2液を同時に滴下し、両液とも90
分かけて滴下を終了させた。次に、5%過硫酸アンモニ
ウム水溶液44重量部を30分かけて滴下し、1時間程
度80℃で熟成させた。重合反応中のpHは2.5であ
った。さらに、48%水酸化ナトリウム水溶液30重量
部を加えて中和したのち、35%過酸化水素0.7重量
部を滴下し、1時間90℃で熟成させて、(メタ)アク
リル酸系重合体を得た。この(メタ)アクリル酸系重合
体の粘度を測定(東京計器製造所社製B型粘度計,ロー
ターNo.2,30rpm)したところ、420mPa・sであ
った。
【0040】このようにして得られた(メタ)アクリル
酸系重合体を用い、セメント分散剤としての評価試験を
下記の方法により行った。結果を表1に示す。 (ペーストフロー値の測定)普通ポルトランドセメント
700g及び水210gに、(メタ)アクリル酸系重合
体の40%水溶液0.9gを添加し、モルタルミキサー
(三英製作所製)にて63rpmで1分間混合し、さらに
126rpmで2分間混合した。混合終了後、平面上に下
部開口部を押しつけた状態のペーストフロー測定用コー
ン(上部直径76mm、下部直径86mm、高さ40mm)の
上部開口部から前記混合物を流し込み、測定用コーンを
平面に垂直方向に引き上げて取り外した後の平面上に円
形に広がったセメントペーストの直径を2点において測
定し、その平均値をもってペーストフロー値(mm)とし
た。このペーストフロー値が大きいほど、分散性が優れ
ていることを示している。
【0041】実施例2 実施例1の工程2において、リン酸5重量部に代えて硫
酸5重量部を用いたほかは実施例1と同様にして、(メ
タ)アクリル酸系重合体を得た。なお、工程2における
重合反応中のpHは2.2〜2.8であった。得られた
(メタ)アクリル酸系重合体の粘度は450mPa・sであ
った。この(メタ)アクリル酸系重合体について、実施
例1と同様の方法によりペーストフロー値を求めた。結
果を表1に示す。
【0042】実施例3 実施例1の工程2において、メタクリル酸35重量部を
メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート
(新中村化学社製,エチレンオキシド平均付加モル数2
3)120重量部に代えたほかは実施例1と同様にし
て、(メタ)アクリル酸系重合体を得た。なお、工程2
における重合反応中のpHは3.1であった。得られた
(メタ)アクリル酸系重合体の粘度は440mPa・sであ
った。この(メタ)アクリル酸系重合体について、実施
例1と同様の方法によりペーストフロー値を求めた。結
果を表1に示す。
【0043】実施例4 実施例1の工程2において、メタクリル酸35重量部を
アクリル酸メチル60重量部に代えたほかは実施例1と
同様にして、(メタ)アクリル酸系重合体を得た。な
お、工程2における重合反応中のpHは3.0であっ
た。得られた(メタ)アクリル酸系重合体の粘度は45
0mPa・sであった。この(メタ)アクリル酸系重合体に
ついて、実施例1と同様の方法によりペーストフロー値
を求めた。結果を表1に示す。
【0044】実施例5 (工程1)実施例1の工程1において、ポリエチレング
リコールモノメチルエーテル(エチレンオキシド平均付
加モル数200,重量平均分子量8864)1000重
量部とメタクリル酸291重量部とを用いたほかは実施
例1と同様にして、エステル化反応物(A)−2を得
た。この(A)−2の酸価は10mg−KOH/g、重合
禁止剤濃度0.1%、触媒塩(p−トルエンスルホン酸
ナトリウム)濃度5%、メタクリル酸濃度1.5%であ
った。
【0045】(工程2)エステル化反応物(A)−2を
用い、実施例1の工程2においてメタクリル酸35重量
部を添加しなかったほかは実施例1と同様にして、(メ
タ)アクリル酸系重合体を得た。なお、工程2における
重合反応中のpHは3.1であった。得られた(メタ)
アクリル酸系重合体の粘度は450mPa・sであった。こ
の(メタ)アクリル酸系重合体について、実施例1と同
様の方法によりペーストフロー値を求めた。結果を表1
に示す。
【0046】比較例1 実施例1の工程2において、リン酸5重量部を添加しな
かったほかは実施例1と同様にして、(メタ)アクリル
酸系重合体を得た。なお、工程2における重合反応中の
pHは4.0であった。得られた(メタ)アクリル酸系
重合体の粘度は480mPa・sであった。この(メタ)ア
クリル酸系重合体について、実施例1と同様の方法によ
りペーストフロー値を求めた。結果を表1に示す。
【0047】比較例2 実施例5の工程2において、リン酸5重量部を用いなか
ったほかは実施例5と同様にして、(メタ)アクリル酸
系重合体を得た。なお、工程2における重合反応中のp
Hは4.2であった。得られた(メタ)アクリル酸系重
合体の粘度は460mPa・sであった。この(メタ)アク
リル酸系重合体について、実施例1と同様の方法により
ペーストフロー値を求めた。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】実施例1〜5の製造方法により得られた
(メタ)アクリル酸系重合体は、いずれもペーストフロ
ー値が高く、しかも実施例1〜5におけるペーストフロ
ー値の差は最大でも5mmとほぼ近似した値が得られた。
よって、本発明の製造方法を適用することにより、ペー
ストフロー値の分布幅の狭い(メタ)アクリル酸系重合
体を得ることができ、その結果、安定した、しかも高い
品質を有するセメント用分散剤が提供できることが確認
された。
【0050】これに対して、比較例1、2の製造方法に
より得られた(メタ)アクリル酸系重合体は、工程2に
おける重合反応系のpHが本発明で規定する範囲外であ
るため、ペーストフロー値が大きく劣っており、その差
も13mmと大きかった。よって、本発明の製造方法を適
用しない場合は、ペーストフロー値の分布幅の広い(ペ
ーストフロー値にばらつきが大きい)(メタ)アクリル
酸系重合体が得られ、品質の安定したセメント用分散剤
を提供できないことが確認された。
【0051】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、品質が安定
した、しかも高いセメント分散性を有する、セメント用
分散剤として好適な(メタ)アクリル酸系重合体を得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 大輔 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 光野 良直 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸とポリアルキレング
    リコールモノアルキルエーテルをモル比5:1〜50:
    1の範囲で添加し、酸触媒及び重合禁止剤の存在下でエ
    ステル化反応させたのち、アルカリ剤で酸触媒を失活さ
    せ、次いで未反応の(メタ)アクリル酸を留去して、
    (メタ)アクリル酸エステル及び未反応の(メタ)アク
    リル酸残留物を含むエステル化反応物を得る工程1と、 工程1で得られたエステル化反応物を、酸によりpH
    1.5〜3.5の範囲に調整し、(メタ)アクリル酸エ
    ステルと未反応の(メタ)アクリル酸残留物を共重合さ
    せる工程2とを具備することを特徴とする(メタ)アク
    リル酸系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程2において、さらに(メタ)アクリ
    ル酸エステルと共重合可能な単量体を添加し、共重合さ
    せる請求項1記載の(メタ)アクリル酸系重合体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 工程2において用いる酸がリン酸である
    請求項1又は2記載の(メタ)アクリル酸系重合体の製
    造方法。
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