JP2003340952A - アディティブ用繊維布基材入りbステージ樹脂組成物シートの製造方法。 - Google Patents

アディティブ用繊維布基材入りbステージ樹脂組成物シートの製造方法。

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JP2003340952A
JP2003340952A JP2002153817A JP2002153817A JP2003340952A JP 2003340952 A JP2003340952 A JP 2003340952A JP 2002153817 A JP2002153817 A JP 2002153817A JP 2002153817 A JP2002153817 A JP 2002153817A JP 2003340952 A JP2003340952 A JP 2003340952A
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resin
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JP2002153817A
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Nobuyuki Ikeguchi
信之 池口
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 アディティブ法にてメッキ銅接着力、耐熱
性、弾性率、信頼性に優れたビルドアッププリント配線
板を作製するための接着シートの製造方法。 【解決手段】 繊維布基材の少なくとも片面に、金属箔
或いは離型フィルムの片面にアディティブ用Bステージ
樹脂組成物層厚さ 5〜50μmをラミネート接着する。
又、樹脂組成物は、硬化処理後に難溶性となる樹脂成分
として、(a)多官能性シアン酸エステルモノマー、シア
ン酸エステルプレポリマー100重量部に対し、(b)室温で
液状のエポキシ樹脂15〜500重量部を配合し、(c)熱硬化
触媒を、(a+b)100重量部に対し0.005〜10重量部配合
し、硬化処理後の粗化溶液に可溶性成分として、ブタジ
エン含有樹脂、有機粉体、無機粉体の3成分のうち2成
分以上を必須成分として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アディティブ法による
プリント配線板用繊維布基材入り金属箔或いは離型フィ
ルム付きBステージ樹脂組成物シートの製造方法に関す
るものであり、このシートを用いることにより、アディ
ティブ法で樹脂表面を粗化した時に繊維布面に粗化した
凸部先端が到達せず、銅接着力、耐熱性、信頼性等に優
れた高密度多層プリント配線板を作製可能であり、得ら
れた多層プリント配線板は、高密度の小型プリント配線
板として、半導体チップを搭載し、小型、軽量の新規な
半導体プラスチックパッケージ用等に主に使用される。
【0002】
【従来の技術】近年、ますます小型、薄型、軽量化する
電子機器において、高密度の多層プリント配線板が使用
されるようになってきている。この多層プリント配線板
は、細密回路が形成されており、従来のエポキシ樹脂内
に多量にゴムを添加した基材補強の無い接着剤を用いた
アディティブ法多層プリント配線板は、耐マイグレーシ
ョン性等の信頼性に劣り、更に電気的特性、耐熱性等に
も劣り、高密度プリント配線板として使用するのに限度
があった。又、内層板が薄い場合、この両側に基材補強
の無いアディティブ用接着フィルムを使用すると、ビル
ドアップして多層にしたプリント配線板は曲げ強度、引
張り強度等の機械的強度、弾性率(剛性)に劣り、ソリ
・ネジレも発生し易く、アッセンブリ等の工程で不良の
原因となっていた。上記で使用されている基材補強が無
いアディティブ用接着剤シートは、金属箔或いは離型フ
ィルム上に直接塗布してBステージ化して製造されてお
り、このような製造法で製造されたアディティブ用接着
シートは見られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決した、多層プリント配線板の機械的強度が高
く、銅接着力、耐熱性等に優れ、信頼性にも優れたアデ
ィティブ法高密度多層プリント配線板用の繊維布基材入
り金属箔或いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物
シートの製造方法を提供するものである。
【0004】
【発明が解決するための手段】本発明は、基板上に導体
回路と層間樹脂絶縁層とを順次積層し、アディティブ法
によって多層プリント配線板を製造するか、或いは両面
のプリント配線板を製造するための接着シートとして、
繊維布基材の少なくとも片面に、金属箔或いは離型フィ
ルム付きアディティブ用Bステージ樹脂組成物シートを
配置し、繊維布基材のもう一方の面には、アディティブ
用或いは積層用Bステージ樹脂組成物層を金属箔或いは
離型フィルムの片面に付着して配置し、ラミネートする
ときに一緒に繊維布基材に付着させて一体化し、金属箔
或いは離型フィルム付きアディティブ用Bステージ樹脂
組成物シートとする。この繊維布基材入り金属箔或いは
離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートは表面凹
凸を有する金属箔、或いは平滑又は表面凹凸を有する離
型フィルムの表面に形成した、好適には凸部先端から繊
維布基材表面間の厚さが5〜50μmのアディティブ用樹脂
組成物層が少なくとも片面に付着した繊維布基材入りB
ステージ樹脂組成物シートを用いる。
【0005】更に、該耐熱フィルム基材入り金属箔或い
は離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートの、少
なくとも金属箔側、離型フィルム側のアディティブ用絶
縁層は硬化処理後に粗化溶液で粗化した際に粗化溶液に
難溶性となる樹脂成分と可溶性の成分が配合されたもの
であり、該難溶性となる樹脂成分として、(a)多官能性
シアン酸エステルモノマー、該シアン酸エステルプレポ
リマー100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂
15〜500重量部を配合し、(c)熱硬化触媒を、(a+b)100重
量部に対し0.005〜10重量部配合した樹脂組成物を必須
成分とする硬化性樹脂組成物を用いるのが耐熱性、信頼
性等を向上させるのに好適であり、この硬化性樹脂組成
物に硬化処理後にも粗化溶液に可溶性の成分として、好
適にはブタジエン含有樹脂、有機粉体、無機粉体の3成
分のうち2成分以上を必須成分として使用することによ
り、メッキ銅接着力にも優れたものが得られる。
【0006】又、この基材入り金属箔或いは離型フィル
ム付きBステージ樹脂組成物シートは、繊維布基材が入
っているために、特に薄い内層板を使用してビルドアッ
プして得られたプリント配線板は、基材が入っていない
従来のBステージ樹脂組成物シート使用のプリント配線
板に比べて機械的強度が高く、ソリ・ネジレが小さく、
積層時の成形厚みに優れたものが得られ、薄型のアディ
ティブ法高密度プリント配線板に適したものが得られ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の繊維布基材入り金属箔或
いは離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートの金
属箔或いは離型フィルムに接着する樹脂組成物層は、ア
ディティブ法にて回路が形成できる樹脂組成物であり、
熱硬化型、光硬化と熱硬化併用型等一般に公知のものが
挙げられる。この基材入り金属箔或いは離型フィルム付
きBステージ樹脂組成物シートの樹脂組成物層は、特に
限定はなく、一般に公知のものが使用される。この樹脂
層には、硬化処理した場合に粗化溶液に可溶性の成分、
粗化溶液に難溶性となる樹脂成分が含まれており、可溶
性成分が難溶性となる樹脂成分中に均一に分散したもの
である。ここで、本発明で使用する「可溶性」、「難溶
性」の意味は、硬化処理後に同一の粗化溶液で同一時間
浸漬した場合に、相対的に溶解速度の速いものを「可溶
性」、遅いものを「難溶性」と表現している。
【0008】本発明の可溶性成分は、一般に公知のもの
が挙げられる。この樹脂は溶剤に可溶性のもの、液状の
ものであり、難溶性樹脂中に配合される。これらは特に
限定はないが、具体的にはポリブタジエンゴム、アクリ
ロニトリルーブタジエンゴム、これらのエポキシ化物、
マレイン化物、イミド化物、カルボキシル基含有物、イ
ミド化物、(メタ)アクリル化物等、スチレンーブタジ
エンゴム等公知のものが挙げられる。特に分子内にブタ
ジエン骨格が入ったものが、粗化液への溶解性、電気的
特性等の点から好適に使用される。又、無官能のものよ
り官能基を含むものが、後硬化処理で他の未反応の樹脂
の官能基と反応して架橋し、特性が向上するので好まし
い。
【0009】本発明の可溶性有機粉体としては特に限定
はないが、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の粉体が挙げ
られ、粗化溶液に浸漬した場合、硬化処理した難溶性樹
脂よりも溶解性が速いものであれば特に限定はない。形
状は、球状、破砕された無定形状のもの、針状等があ
り、組み合わせて使用可能である。球状、破砕したもの
が好適に使用され、粒径は特に限定はないが、好ましく
は平均粒径0.1〜10μm、更に好ましくは平均粒径0.2〜5
μmである。粒子径は大きいもの、小さいものを組み合
わせて使用するのが好ましい。この場合、金属箔上に塗
布した樹脂層厚みより最大径が小さいものを使用する。
例えば塗布樹脂層を金属箔の凸から7μmの厚みにする場
合、粒子の最大径は7μm以下、好ましくは6μm以下とし
て、塗布後に粒子が樹脂表面より出ないようにする。こ
の場合は平均粒径は6μm未満である。
【0010】具体例としては、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン
樹脂、シリコン樹脂、フェノール樹脂、アクリルゴム、
ポリスチレン、MBSゴム、ABS等の粉体、これらの多重構
造(コアーシェル)ゴム粉体等が挙げられる。これらは
1種或いは2種以上が適宜選択して配合される。
【0011】本発明の可溶性無機粉体としては、特に限
定はないが、例えばアルミナ、水酸化アルミニウム等の
アルミニウム化合物;炭酸カルシウム等のカルシウム化
合物類;マグネシア等のマグネシウム化合物類;シリ
カ、ゼオライト等のシリカ化合物類等が挙げられ、1種
或いは2種以上が組み合わせて使用される。粒径は上記
有機粉体と同様である。
【0012】本発明の難溶性樹脂としては、熱硬化性樹
脂、感光性樹脂等公知のものが1種或いは2種以上組み
合わせて使用され、特に限定はないが、具体的には、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、多官能性シアン酸エステ
ル樹脂、マレイミド樹脂、2重結合付加ポリフェニレン
エーテル樹脂、シアナト化或いはエポキシ化ポリフェニ
レンエーテル樹脂、エポキシアクリレート、不飽和基含
有ポリカルボン酸樹脂、多官能(メタ)アクリレート等
が挙げられる。更にこれらの公知の臭素化物、リン含有
化合物も使用される。この中で、耐マイグレーション
性、耐熱性等、吸湿後の耐熱性等の点から多官能性シア
ン酸エステル樹脂が好ましい。特に、好適には(a)多官
能性シアン酸エステルモノマー、該シアン酸エステルプ
レポリマー100重量部に対し、(b)室温で液状のエポキシ
樹脂を15〜500重量部配合し、(c)熱硬化触媒をこの(a+
b)成分100重量部に対し0.005〜10重量部配合した樹脂組
成物を必須成分とした熱硬化性樹脂組成物を用いる。
【0013】本発明で好適に使用される多官能性シアン
酸エステル化合物とは、分子内に2個以上のシアナト基
を有する化合物である。具体的に例示すると、1,3-又は
1,4-ジシアナトベンゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼ
ン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナト
ナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4-ジシ
アナトビフェニル、ビス(4-ジシアナトフェニル)メタ
ン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、2,2-ビス
(3,5-ジブロモー4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4
-シアナトフェニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニ
ル)チオエーテル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホ
ン、トリス(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス
(4-シアナトフェニル)ホスフェート、およびノボラック
とハロゲン化シアンとの反応により得られるシアネート
類等である。
【0014】これらのほかに特公昭41-1928、同43-1846
8、同44-4791、同45-11712、同46-41112、同47-26853及
び特開昭51-63149等に記載の多官能性シアン酸エステル
化合物類、シアナト化ポリフェニレンエーテル樹脂も用
いられ得る。また、これら多官能性シアン酸エステル化
合物のシアナト基の三量化によって形成されるトリアジ
ン環を有する分子量400〜6,000 のプレポリマーが使用
される。このプレポリマーは、上記の多官能性シアン酸
エステルモノマーを、例えば鉱酸、ルイス酸等の酸類;
ナトリウムアルコラート等、第三級アミン類等の塩基;
炭酸ナトリウム等の塩類等を触媒として重合させること
により得られる。この反応物中には一部未反応のモノマ
ーも含まれており、モノマーとプレポリマーとの混合物
の形態をしており、このような原料は本発明の用途に好
適に使用される。一般には可溶な有機溶剤に溶解させて
使用する。これらの臭素・リン含有付加化合物、液状の
樹脂等も使用できる。
【0015】室温で液状のエポキシ樹脂としては、一般
に公知のものが使用可能である。具体的には、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポ
キシ樹脂、ポリエーテルポリオールのジグリシジル化
物、酸無水物のエポキシ化物等が単独或いは2種以上組
み合わせて使用される。使用量は、多官能性シアン酸エ
ステル化合物、該シアン酸エステルプレポリマー 100重
量部に対し、15〜500重量部、好ましくは20〜300重量部
である。室温で液状とは、室温(25℃)で破砕できない
ものを言う。
【0016】これらの液状エポキシ化合物以外に、公知
の室温で破砕できる固形の上記エポキシ樹脂、更にはク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポ
キシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、エポキシ化ポリ
フェニレンエーテル樹脂等が難溶性樹脂として単独或い
は2種以上組み合わせて使用される。もちろん固形の樹
脂単独でも使用可能であるが、Bステージとした時に樹
脂の剥落が見られるため、好適には液状樹脂を主体に用
いる。
【0017】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、組成物
本来の特性が損なわれない範囲で、所望に応じて上記以
外の種々の添加物を配合することができる。これらの添
加物としては、各種樹脂類、この樹脂類の公知の臭素、
燐化合物、上記以外の公知の無機・有機の充填剤、染
料、顔料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング
剤、光増感剤、難燃剤、光沢剤、重合禁止剤、チキソ性
付与剤等の各種添加剤が、所望に応じて適宜組み合わせ
て用いられる。必要により、反応基を有する化合物は公
知の硬化剤、触媒が適宜配合される。
【0018】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、それ自体
は加熱により硬化するが硬化速度が遅く、作業性、経済
性等に劣るため使用した熱硬化性樹脂に対して公知の熱
硬化触媒を用い得る。使用量は、熱硬化性樹脂100重量
部に対し、0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部
である。
【0019】本発明の樹脂組成物中に均一分散している
可溶性樹脂、有機粉体、無機粉体の配合量は、特に限定
はないが、好適には全体の3〜50重量%、更に好適には5
〜35重量%を使用する.。これらの成分は3成分のうち2
成分以上を使用する。又、同一粒径よりは異なる粒径の
ものを用いることにより、凹凸の形状がより複雑となっ
てアンカー効果が増し、銅メッキ接着力に優れたものが
得られる。
【0020】本発明の各成分を均一に混練する方法は、
一般に公知の方法が使用され得る。例えば、各成分を配
合後、三本ロールにて、室温或いは加熱下に混練する
か、ボールミル、ライカイ機等、一般に公知のものが使
用される。また、無溶剤で使用するか、溶剤を添加して
加工法に合う粘度として使用する。
【0021】本発明で使用する表面に凹凸のある金属箔
は特に限定はなく、具体的にはアルミニウム箔、銅箔等
が挙げられる。樹脂を付着させる面の凹凸は特に限定は
ないが、好適には平均粗度Rzが1〜12μm、更に好ましく
は2〜10μmである。これは粗化前に凹凸が大きいと、粗
化時間が短く、且つ水分の浸透も少ないために、メッキ
した銅層の加熱による膨れ軽減等が図れる。なお、凹凸
が大きすぎた場合、細密回路作成が困難なことがあり、
この場合は凹凸が小さくても比較的銅接着力が高い樹脂
組成物とする。
【0022】金属箔の厚みは特に限定はないが、その後
にエッチング等して除去するために薄い方が良く、好ま
しくは9〜20μmを使用する。もちろん凹凸のない金属箔
も使用可能であるが、上記理由から、好適には表面凹凸
のあるものが好ましい。
【0023】金属箔にBステージ樹脂組成物層を付着さ
せる場合、方法は公知の方法が使用できる。例えば、金
属箔上に直接ロールで塗布、乾燥してBステージ化する
か、離型フィルムに塗布、乾燥してBステージ化した後
に樹脂組成物側に金属箔を配置して、加熱、加圧ロール
等で圧着し、一体化した金属箔付きBステージ樹脂組成
物シートとする。この場合樹脂組成物中に少量の溶剤が
残存しても良い。樹脂組成物の厚みは特に限定はなく、
繊維基材の厚さ、繊維の密度によって適宜選択するが、
ラミネートして繊維入りBステージ樹脂組成物シートと
した場合、一般的には金属箔の凸の先端から繊維布まで
の距離が3〜100μm、好ましくは4〜70μm、更に好適に
は5〜50μmとなるようにする。
【0024】又、離型フィルムは公知のものが使用でき
る。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ム、ポリ-4-メチルペンテン-1フィルム、ポリプロピレ
ンフィルム、フッ素樹脂系フィルム等、公知のフィルム
が使用できる。厚さは特に限定はないが、好ましくは厚
さ15〜50μmのものを使用する。このフィルム面は平滑
でも凹凸が付いていても良い。凹凸は上記金属箔と同等
が良い。更に、引き剥がす時に静電気が発生するため
に、帯電防止処理品、更には離型剤処理品等、公知のも
のが使用される。Bステージ樹脂層を離型フイルム上に
形成する方法は、上記の銅箔上に塗布する方法等が使用
できる。
【0025】本発明で使用される繊維布基材入りBステ
ージ樹脂組成物シートの繊維布基材は、種類、厚さには
特に制限はなく公知のものが使用できる。具体的には、
有機、無機繊維布基材を使用する。種類については特に
限定はないが、有機繊維布としては、好適には液晶ポリ
エステル繊維、ポリベンザゾール繊維、全芳香族ポリア
ミド繊維などの不織布、織布が使用される。特に、メカ
ニカルドリル、炭酸ガスレーザー等の孔あけの点から
は、液晶ポリエステル不織布が好適に使用される。不織
布とする場合、繊維同士をつなぐためにバインダーを付
着させるか、パルプと繊維を混抄し、300℃位の温度で
パルプを加熱溶融させてバインダー代わりに使用した特
開平11-255908の不織布などが使用できる。バインダー
の量は特に限定しないが、不織布の強度を維持するため
には、好適には3〜8重量%付着させる。
【0026】無機繊維布としては、一般の断面が円形状
のガラス繊維織布、不織布、更にはセラミック繊維織
布、不織布を用いる。円形のガラス繊維布を使用する
と、厚さが薄くできない、無機充填剤を多量に使用した
場合に含浸性が悪い等の欠点が生じることが有り、好ま
しくは、断面扁平な形状のガラス繊維で、その断面の長
径/短径で表す扁平率が3.1/1〜5/1 であり、換算繊維
径が5〜17μmである扁平ガラス繊維を90重量%以上含
み、厚さが100μm、好ましくは50μm以下であるガラス
繊維不織布を基材で用いる。
【0027】繊維布基材の両面にBステージ樹脂組成物
を付着させた基材入りBステージ樹脂組成物シートの製
造は、まず金属箔或いは離型フィルムの片面にBステー
ジ樹脂組成物層を所定厚み付着させ、この樹脂面を繊維
布基材側の両面に配置し、加熱、加圧下にラミネートし
て接着させて一体化し、金属箔或いは離型フィルム付き
Bステージ樹脂組成物シートを作製する。
【0028】このBステージ樹脂組成物層の少なくとも
片面に接着させる樹脂層はアディティブ用樹脂組成物を
使用する。ビルドアップ用として使用する場合には、内
層板側のBステージ樹脂組成物層は上記アディティブ用
樹脂組成物を使用しても良いが、耐マイグレーション性
等の信頼性に優れたものを得るためには、上記の難溶性
の樹脂組成物を主体に使用するのが良い。好適には多官
能性シアン酸エステル類を使用する。表層側のアディテ
ィブ用樹脂組成物は、金属箔凸部先端から繊維布基材ま
での厚さが3〜100μm、好ましくは4〜70μm、更に好ま
しくは5〜50μmとなるようにする。いずれにしても粗化
した凸部先端が繊維布基材に到達しないように樹脂層厚
さを設定する。又、内層基板側の積層用Bステージ樹脂
組成物層は内層基板の銅箔の厚さ、銅残存率、更に積層
時の樹脂流れを考えて適宜選択する。例えば内層銅箔の
厚みが12μmで銅残率50%であれば樹脂層厚さは7μm以
上、好適には8μm以上、更に好適には10μm以上とす
る。
【0029】又、内層銅箔の厚みが70μmで銅残率50%で
あれば樹脂層厚さは35μm以上、好適には36μm以上、更
に好適には40μm以上とする。これは内層回路銅箔が積
層後に繊維布基材に接触しない厚みである。もちろん、
繊維布基材が内層回路導体に接触しても良いが、耐マイ
グレーション性、半田耐熱性等を向上させるためには繊
維布基材が内層回路導体に接触しないことが好ましい。
【0030】本発明のビルドアップ多層化の場合、銅張
積層板や耐熱フィルム基材補強銅張シート等を用いて導
体回路を形成した内層基板を使用して、導体に公知の表
面処理を施した後、又は両面粗化箔を使用した内層用回
路板の表裏に上記繊維布基材入り金属箔或いは離型フィ
ルム付きBステージ樹脂組成物シートを配置し、公知の
方法にて加熱、加圧、好適には真空下に積層成形或いは
ラミネートしてアディティブ用樹脂組成物を粗化溶液で
粗化できるまで硬化処理を行う。積層又はラミネート後
にエッチング等で金属箔を除去する。或いは離型フィル
ムは剥離除去する。
【0031】本発明の多層化する際の硬化処理積層成形
条件は、特に限定はないが、酸或いは酸化剤等の粗化溶
液での粗化が適正にできる条件を、使用した樹脂組成に
よって適宜選択する。一般には温度60〜250℃、圧力2〜
50kgf/cm2 、時間は10分〜3時間である。又、真空下に
積層成形するのが好ましい。装置は真空ラミネータプレ
ス、一般の多段真空プレス等、公知のものが使用でき
る。
【0032】本発明で得られた金属箔張板或いは離型フ
ィルム付き板の表層の金属或いは離型フィルムを除去
後、公知の方法にて樹脂の粗化を酸或いは酸化剤等で行
う。使用する酸としては硫酸、塩酸、硝酸、燐酸、蟻酸
等が挙げられ、酸化剤としては過マンガン酸ナトリウ
ム、過マンガン酸カリウム、クロム酸、クロム硫酸等が
挙げられるが、これに限定されるものではない。この処
理前は必要により公知の膨潤液を使用し、処理後は中和
液で中和する。この粗化処理で形成する粗化面の平均粗
度は、金属箔の凹凸とは別に平均粗度Rz 0.1〜10μm、
好適には0.2〜5μmとする。金属箔の凹凸と粗化による
凹凸を合わせた粗度は、一般には平均粗度Rzが2〜15 μ
m、好適にはRz 3〜12 μmとする。
【0033】本発明の硬化性樹脂組成物は、粗化溶液に
溶解性が速い成分を2成分以上配合しているために、平
均粗度が余り大きくなくても、小さい凹凸が粗化された
凹みの中にあり、銅メッキした場合に接着力は高くな
る。1成分だと凹凸は複雑とならず、高い銅接着力を得
るのが困難である。
【0034】その後は、公知のセミアディティブ法、フ
ルアディティブ法等にて無電解メッキ、厚付け無電解メ
ッキ、電気メッキ等を行って導体を厚付けする。樹脂組
成によっても異なるが、一般には粗化できる硬化度で
は、このままプリント配線板にすると、銅接着力、耐熱
性、信頼性等が劣り、高密度プリント配線板としては使
用できない。従って、セミアディティブ法では一般には
回路形成前に後硬化する。樹脂組成によって異なるが、
一般には温度100〜250℃で30分〜5時間後硬化する。次
に公知の方法で回路を形成し、プリント配線板とする。
この同一工程を順次繰り返してビルドアップにて多層化
する。
【0035】この繊維布基材入りBステージ樹脂組成物
シートは一般の銅張積層板、多層板用の積層用Bステー
ジ樹脂組成物シートとしても使用でき、銅箔を使って積
層し、サブトラクティブ法でプリント配線板を製造する
ことも可能である。
【0036】
【実施例】以下に実施例、比較例で本発明を具体的に説
明する。尚、特に断らない限り、『部』は重量部を表
す。 実施例1 2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンモノマー400部
を150℃に溶融させ、撹拌しながら4時間反応させて平均
分子量1,900のモノマーとプレポリマーの混合物を得
た。これをメチルエチルケトンに溶解し、ワニスAとし
た。これに室温で液状のエポキシ樹脂として、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート828、ジャパ
ンエポキシレジン<株>製)100部、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂(商品名:EXA830LVP、大日本インキ化学
工業<株>製)50部、ノボラック型エポキシ樹脂(商品名:
DEN438、ダウケミカル<株>製)50部、室温で固形のエ
ポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商
品名:エピコート1001、ジャパンエポキシレジン<株>
製)350部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品
名:ESCN220F、住友化学工業<株>製)50部を配合し、熱
硬化触媒としてアセチルアセトン鉄0.3部をメチルエチ
ルケトンに溶解して加えた。これに液状のエポキシ化ポ
リブタジエン樹脂(商品名:E-1000-8.0、日本石油化学
<株>製)100部、エポキシ基変性アクリル多層構造有機
粉体(商品名:スタフィロイドIM-203、平均粒子径0.2
μm、Max.粒径0.5μm)30部、を加え、良く攪拌混合し
て均一なワニスBにした。
【0037】このワニスBを連続して厚さ18μmの銅箔マ
ット面(凹凸5.0〜8.7μm、平均粗度Rz:7.5μm)に塗
布、乾燥して銅箔のMax.凸部の先端から28.0μmの高さ
アディティブ用Bステージ樹脂組成物シート(170℃で
のゲル化時間49秒)を形成し、乾燥ゾーンから出てきた
時点で樹脂側に厚さ15μmの保護ポリロピレンフィルム
を配置し、90℃、4kgf/cmの線圧でラミネートして銅箔
付きBステージ樹脂組成物シートCを作製した。
【0038】又、上記ワニスBにおいて、エポキシ化ポ
リブタジエン樹脂及びエポキシ基変性アクリル多層構造
有機粉体を用いないでワニスDを作製し、このワニスD
を連続して厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムの片面に塗布、乾燥して厚さ27.0μmの積層用B
ステージ樹脂組成物シート(170℃でのゲル化時間50
秒)を形成し、乾燥ゾーンから出てきた時点で樹脂側に
厚さ15μmの保護ポリロピレンフィルムを配置し、90
℃、4kgf/cmの線圧でラミネートして離型フィルム付き
Bステージ樹脂組成物シートEを作製した。
【0039】上記銅箔付きBステージ樹脂組成物シート
C及び離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートEの
保護フィルムを剥がしながら、これを厚さ20μmのガラ
ス織布の両面に配置して連続的に、100℃、線圧7kgf/cm
でラミネートし、銅箔付き繊維布基材入りBステージ樹
脂組成物シートFを作製した。このシートFのガラス織布
両面の樹脂層はほぼ20μmであった。
【0040】一方、内層板として絶縁層厚さ0.2mm、12
μm両面銅箔のBTレジン銅張積層板(商品名:CCL-HL83
0、三菱ガス化学<株>製 )に回路を形成し、黒色酸化銅
処理を銅箔に施した板の両面に、上記基材入り銅箔付き
Bステージ樹脂組成物シートFを、離型フィルムを剥離
して、樹脂面が内層基板側を向くように配置し、プレス
装置に仕込んだ後、室温から170℃まで25分で温度を上
げ、圧力は最初から30kgf/cm2とし、真空度は0.5Torrで
165℃にて40分保持した後、冷却して取り出し、4層の多
層板Gを得た。この表面の銅箔をエッチング除去後、炭
酸ガスレーザー出力12mJで1ショット照射して孔径100μ
mのブラインドビア孔をあけた。過マンガン酸カリウム
系デスミア溶液(日本マクダーミッド<株>)で膨潤、デ
スミア(溶解)、中和して、表層からの凹凸合計で7.2
〜11.9μm(平均粗度Rz:9.2μm)、とした。同時にブラ
インドビア孔底部に残存している樹脂層を溶解除去し
た。次に、この粗化表面に無電解銅メッキを0.5μm、更
に電気銅メッキを25μm付着させ、加熱炉に入れて100℃
から徐々に温度を30分で150℃まで上げ、更に徐々に温
度を上げて190℃で60分加熱硬化した。クロスセクショ
ンで観察したが、繊維布には銅メッキの先端は到達して
いなかった。これを用いてセミアディティブ法にて銅導
体回路を形成し、更に導体回路表面黒色酸化銅処理して
同一工程を繰り返し、6層の多層プリント配線板を作製
した。評価結果を表1に示す。
【0041】実施例2 実施例1のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:
エピコ−ト1001)500部、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂(商品名:DEN438)500部、イミダゾール系硬
化剤(商品名:2E4MZ)30部、カルボキシル基変性アク
リル多層構造有機粉体(商品名:スタフィロイドIM-30
1、平均粒径0.2μm、Max.粒径0.5μm)50部、微粉砕シ
リカ(平均粒子径2.4μm、Max.粒径5.0μm)40部、及び
アクリロニトリルーブタジエンゴム(商品名:ニポール1
031、日本ゼオン<株>製)30部をメチルエチルケトンに溶
解した溶液を加え、3本ロールにて良く分散し、ワニス
Hを得た。これを厚さ25μmの表面平滑な離型PETフィル
ムに塗布、乾燥して厚さ35.4μmの樹脂層を形成した離
型フィルム付きBステージ樹脂組成物シート (170℃
でのゲル化時間53秒)を作製し、乾燥ゾーンから出てき
た時点で樹脂面に厚さ15μmの保護ポリプロピレンフィ
ルムを配置し、温度90℃、線圧5kgf/cmのロールにて連
続的にラミネートし、巻き取って離型フィルム付きBス
テージ樹脂組成物シート I とした 。
【0042】又、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商
品名:エピコ−ト1001)500部、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂(商品名:DEN438)450部、イミダゾー
ル系硬化剤(商品名:2E4MZ)30部、更にタルク(平均
粒径4.2μm)300部を加え、3本ロールにて良く均一分
散し、ワニスJとした。このワニスJを連続的に厚さ25μ
mのPETフィルムの片面に塗布、乾燥して樹脂組成物層厚
さ34.7μm、ゲル化時間が61秒のBステージ樹脂組成物
シート を作製し、乾燥ゾーンを出てきた時点で樹脂面
に厚さ15μmの保護ポリプロピレンフィルムを配置し、
温度100℃、線圧5kgf/cmの加熱ロールにて連続的にラミ
ネートし、巻き取って離型フィルム付きBステージ樹脂
組成物シートKを作製した。
【0043】上記離型フィルム付きBステージ樹脂組成
物シート I 、Kの保護フィルムを剥離して、厚さ30μm
の液晶ポリエステル不織布の両面に配置し、温度100
℃、線圧10kgf/cmの加熱ロールにて連続的にラミネート
し、巻き取って離型フィルム付き繊維布基材入りBステ
ージ樹脂組成物シートLを作製した。
【0044】一方、厚さ0.2mm、12μm両面銅箔のエポキ
シ系銅張積層板(商品名:CCL-EL170、三菱ガス化学<株
>製)回路を形成し、導体に黒色酸化銅処理後に、この
両面に上記繊維布基材入り離型フィルム付きBステージ
樹脂組成物シートL の離型フィルムを剥離して配置
し、プレス装置に仕込んで、170℃まで25分で温度を上
げ、圧力は最初から30kgf/cm2とし、真空度0.5Torrにて
温度170℃にて30分保持して硬化処理をした後、冷却し
て取り出し、4層多層板Mを得た。この表面の離型フィル
ムを除去後、炭酸ガスレーザー出力12mJで1ショット照
射して孔径100μmのブラインドビア孔をあけた。
【0045】クロム酸水溶液で粗化処理をして、表面か
らの凹凸を5.1〜10.9μm(平均粗度Rz:8.9μm)とした。
この際に粗化先端は繊維布基材には到達しなかった。同
時にブラインドビア孔底部に残存している樹脂層を溶解
除去した。次に、この粗化表面に無電解銅メッキを0.5
μm、更には電気銅メッキ25μm付着させ、加熱炉に入れ
て100℃から徐々に温度を150℃まで上げ、150℃で30
分、更に温度を上げて170℃で60分加熱硬化した。これ
を用いてセミアディティブ法にて導体回路を形成し、更
に導体回路を黒色酸化銅処理を行い、同様に加工して6
層の多層プリント配線板を作製した。評価結果を表1に
示す。
【0046】実施例3 実施例1の厚さ20μmのガラス織布の両面に実施例1の
銅箔付きBステージ樹脂組成物シートCの保護フイルム
を剥離して配置し、100℃、8kgf/cmの条件で連続的にラ
ミネートして両面銅箔付きBステージ樹脂組成物付きシ
ートNを作製した。これを連続的に温度170℃の乾燥ゾ
ーンを圧力10kgf/cmの加圧をしながらロール間を通し、
乾燥ゾーン内滞留時間30分で加熱を行い、出てきた時点
で巻き取った。これを連続的にエッチング装置の中を通
して表裏の銅箔をエッチング除去し、巻き取った後、更
に連続的に実施例1の粗化溶液中を通して両面の樹脂を
粗化し、更にこれを連続して無電解銅メッキ0.5μm、電
気銅メッキを25μm付着させてから巻き取った。この両
面に連続して厚さ20μmのエッチングレジストをラミネ
ートして付着させ、露光、現像、銅エッチング、レジス
ト剥離を行い、連続的に巻き取ってプリント配線板を作
製した。これを切断し、評価した。結果を表1に示す。
【0047】比較例1、2 実施例1、2においてワニスB、ワニスHを用い、それ
ぞれ銅箔、離型フィルムに付着するBステージの樹脂層
の厚さを、銅箔の場合は凸部先端から60μm、離型フイ
ルム上は70μm付着させて金属箔付きBステージ樹脂組
成物シート、離型フィルム付きBステージ樹脂組成物シ
ートを作製し、実施例1、2において繊維布基材を使用
せず、この金属箔付き、離型フィルム付きBステージ樹
脂組成物シートのみを使用して同様に積層硬化処理成形
し、粗化処理を同様に行って、実施例1,2と同様に表
層からの凹凸合計で5〜12μm(平均粗度Rz:8〜10μm)と
し、同様に6層の多層プリント配線板とした。この評価
結果を表1に示す。
【0048】比較例3 実施例1において、ワニスBを厚さ20μmのガラス織布
に含浸、乾燥して総厚さ(ガラス織布+樹脂組成物層)
40μm、ゲル化時間(170℃)が54秒のプリプレグOを製
造した。このプリプレグOを各1枚内層板の両側に配置
し、その外側に同じ18μmの銅箔を置き、同様に積層硬
化処理成形して4層の多層板を作製した。この表層の銅
箔をエッチング除去後に、ブラインドビア孔を形成し、
同様に粗化処理を行って、表層からの凹凸合計を5〜11
μmとし、銅メッキ後に同様に回路形成、導体黒色酸化
銅処理、プリプレグO配置、18μmの銅箔配置、同様に積
層してから表層の銅箔除去、ブラインドビア孔形成、デ
スミア処理、銅メッキ、回路形成を行って6層の多層プ
リント配線板を作製した。銅メッキ断面を観察すると、
ガラス布に粗化の凹が到達し、銅メッキが付着している
箇所多数があった。この評価結果を表1に示す。
【0049】比較例4 実施例2において、ワニスBのカルボキシル基変性アクリ
ル多層構造有機粉体、アクリロニトリルーブタジエンを
用いずにワニスを調整し、これを実施例1の凹凸を有す
る18μm銅箔上に塗布、乾燥して、ゲル化時間(170℃)が
80秒、厚さ70μmの離型フイルム付きBステージ樹脂組成
物シートを作成し、これを用いて同様にして4層板、6
層板を作成し、プリント配線板とした。この評価結果を
表1に示す。
【0050】 (表1) 項目 実施例 比較例 1 2 1 2 3 4 銅接着力 (kgf/cm) 1.26 1.37 1.25 1.37 1.15 0.47 半田耐熱性 異常なし 異常なし 異常なし 一部膨れ 一部膨れ 多数膨れ ガラス転移温度 DMA (℃) 197 154 197 154 198 169 弾性率25℃ (kgf/mm2) 1506 1187 913 798 - 755 ソリ・ネジレ(mm) 1.8 2.1 4.9 5.9 - 5.7 厚みバラツキ (μm) 10.9 11.2 20.4 22.5 - 22.9 ブラインドビア孔・ヒートサイクル試験 、 抵抗値変化率(%) 1.8 2.4 2.8 3.3 - >10 耐マイグレーション性 (Ω) 常態 6x1013 4x1013 5x1013 6x1013 4x1013 6x1013 200hrs. 7x1011 8x109 2x1010 4x108 5x109 8x109 500hrs. 2x1010 <108 8x109 <108 <108 <108
【0051】<測定方法> 1)銅接着力: JIS C6481に準じて測定した。 2)半田耐熱性: 6層のプリント配線板をプレッシャクッ
カー試験処理(PCT:121℃・203kPa・5hrs.)後に260℃の
半田中に30sec.浸漬してから異常の有無を観察した。 3)ガラス転移温度: 各ワニスを銅箔上に塗布、乾燥を重
ねて厚さ0.8mmとし、その後、この樹脂組成物面に銅箔
を置いて各積層硬化条件で硬化させてから、表層の銅箔
をエッチングし、DMA法にて測定した。尚、比較例3
はプリプレグを複数枚使用して積層成形して厚さをほぼ
0.8mmとしたものを使用した。 4)弾性率: 4層板の構成で銅箔は使用しないで積層成形
して基板を作製し、これを用いてDMA法で弾性率を測定
し、DMAのチャートの25℃での弾性率を示した。 5)ソリ、ネジレ: 250x250mmで作製した6層のプリント配
線板を用い、定盤上に置き、ソリ、ネジレの最大値を測
定した。 6)厚みバラツキ: 5)の250x250mmの6層のプリント配線板
の片面の積層した層の厚みのバラツキを厚み測定器で9
点措定し、1層当たりのバラツキの最大値を示した。 7)ブラインドビア孔・ヒートサイクル試験による抵抗
値変化: 各6層プリント配線板の2層から3層目に形成
したブラインドビア孔(孔径100μm、ランド180μmを2
層目と3層目を交互に1000孔つなぎ、-65℃/30分←→+
150℃/30分を1サイクルとして200サイクル繰り返し、抵
抗値の変化の最大値を測定した。 8)耐マイグレーション性: 各実施例、比較例の4層板の
表層にライン/スペース=50/50μmの回路を形成し、各
実施例、比較例の構成と同様に積層して6層板とした
後、表面の金属箔或いは離型フィルムを除去し、この試
験片を85℃・85%RHにて100VDC印加して端子間の絶縁抵
抗値を測定した。
【0052】
【発明の効果】繊維布基材の両面にBステージ樹脂組成
物シートを配置してラミネート接着させて一体化して得
られるシートの製造方法において、少なくとも片面に接
着させるシートは、金属箔或いは離型フィルムの片面に
アディティブ用Bステージ樹脂組成物層が付着したシー
トの樹脂面を配置し、繊維布表面から樹脂層厚さ 5〜50
μmとなるように形成して製造することを特徴とするア
ディティブ用繊維布基材入り金属箔或いは離型フィルム
付きBステージ樹脂組成物シートの製造方法であり、得
られたアデティブ用繊維布基材入り金属箔付き或いは離
型フィルム付きBステージ樹脂組成物シートを使用する
ことにより、弾性率(剛性)も高く、ソリ、ネジレ、厚
み精度に優れたプリント配線板を製造することができ
た。
【0053】又、金属箔或いは離型フィルム付き基材入
りBステージ樹脂組成物層の少なくともアディティブ用
樹脂組成物は、硬化処理後に難溶性となる樹脂成分とし
て、好適には(a)多官能性シアン酸エステルモノマー、
該シアン酸エステルプレポリマー100重量部に対し、(b)
室温で液状のエポキシ樹脂15〜500重量部を配合し、(c)
熱硬化触媒を、(a+b)100重量部に対し0.005〜10重量部
配合した樹脂組成物を必須成分とする硬化性樹脂組成物
を使用することにより、耐熱性が高く、耐マイグレーシ
ョン性等の信頼性に優れた多層プリント配線板を得るこ
とができた。更に硬化処理後にも粗化溶液に可溶性の成
分として、ブタジエン含有樹脂、樹脂粉体、無機粉体の
3成分のうち2成分以上を必須成分とすることにより、
粗化によるアンカー効果が増し、銅メッキの接着力の大
きいものが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AA08 AB09 AB30 AD11 AD23 AD25 AD28 AE01 AE23 AG03 AG18 AG19 AH02 AH25 AH43 AK14 AL13 4F100 AA01B AA01C AA17 AB01D AB01E AB17 AB33D AB33E AG00 AH02B AH02C AH03B AH03C AJ08B AJ08C AK01B AK01C AK07 AK25 AK29B AK29C AK42 AK53B AK53C AL05B AL05C AL06 AT00A BA04 BA05 BA06 BA10A BA10B BA10C BA10D BA10E CA02 DE01B DE01C DG01A DG11 DG11A EH46 EH462 EJ17 EJ172 EJ42 EJ422 EJ50 EJ502 EJ86 EJ862 GB43 JB04B JB04C JB12B JB12C JJ03 JL11 JL14D JL14E YY00B YY00C 4J002 AC053 AC073 AC083 BB013 BC033 BG043 BN153 BN163 CC033 CD003 CD01X CD02X CD04X CD05X CD06X CD07X CD10X CH073 CM02W CM043 DE076 DE146 DE236 DJ006 DJ016 GQ01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維布基材の両面にBステージ樹脂組成
    物シートを配置してラミネート接着させて一体化して得
    られるシートの製造法において、少なくとも片面に接着
    させるシートは、金属箔或いは離型フィルムの片面にア
    ディティブ用Bステージ樹脂組成物層が付着したシート
    を用い、繊維布表面から樹脂層厚さ 5〜50μmとなるよ
    うに形成して製造することを特徴とするアディティブ用
    繊維布基材入り金属箔或いは離型フィルム付きBステー
    ジ樹脂組成物シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 該アディティブ用樹脂組成物は硬化処理
    後に粗化溶液で粗化した際に粗化溶液に難溶性となる樹
    脂成分と可溶性の成分が配合されたものであり、該難溶
    性の樹脂成分として、(a)多官能性シアン酸エステルモ
    ノマー、該シアン酸エステルプレポリマー100重量部に
    対し、(b)室温で液状のエポキシ樹脂15〜500重量部を配
    合し、(c)熱硬化触媒を、(a+b)100重量部に対し0.005〜
    10重量部配合した樹脂組成物を必須成分とする硬化性樹
    脂組成物を使用した請求項1記載のアディティブ用繊維
    布基材入り金属箔或いは離型フィルム付きBステージ樹
    脂組成物シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 該硬化処理後にも粗化溶液に可溶性の成
    分として、ブタジエン含有樹脂、有機粉体、無機粉体の
    3成分のうち2成分以上を必須成分として使用する請求
    項1又は2記載のアディティブ用基材入り金属箔付きB
    ステージ樹脂組成物シートの製造方法。
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