JP2007176169A - プリプレグ、基板および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のプリプレグは、厚さ25μm以下の繊維基材に樹脂材料を担持してなるプリプレグであって、該プリプレグの厚さ方向に対して前記繊維基材が偏在していることを特徴とする。また、本発明の基板は、上記に記載のプリプレグを積層して得られることを特徴とする。また、本発明の半導体装置は、上記に記載の基板を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
しかし、近年の電子部品・電子機器等の小型化・薄膜化等に伴って、それに用いられる回路基板等にも小型化・薄膜化が要求される。それに伴い、回路基板には、より高密度の回路配線パターンを形成することが必要となってきている。
また、本発明の目的は、上記プリプレグを有する基板および半導体装置を提供することにある。
(1)厚さ25μm以下の繊維基材に樹脂材料を担持してなるプリプレグであって、該プリプレグの厚さ方向に対して前記繊維基材が偏在していることを特徴とするプリプレグ。
(2)前記プリプレグの厚さは、35μm以下である上記(1)に記載のプリプレグ。
(3)前記樹脂材料は、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物で構成されているものである上記(1)または(2)に記載のプリプレグ。
(4)前記熱硬化性樹脂は、シアネート樹脂を含むものである上記(3)に記載のプリプレグ。
(5)前記樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである上記(3)または(4)に記載のプリプレグ。
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のプリプレグを積層して得られることを特徴とする基板。
(7)厚さ25μm以下の繊維基材に樹脂材料を担持してなり、厚さ方向に対して前記繊維基材が偏在しているプリプレグの前記基材が偏在しているのと反対側の樹脂材料に回路配線部が埋設されていることを特徴とする基板。
(8)前記プリプレグ全体の厚さをT0[μm]とし、前記回路配線部の高さをt1[μm]としたとき、T0とt1の差が35μm以下である上記(7)に記載の基板。
(9)前記樹脂材料は、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物で構成されているものである上記(7)または(8)に記載の基板。
(10)前記熱硬化性樹脂は、シアネート樹脂を含むものである上記(7)ないし(9)のいずれかに記載の基板。
(11)前記樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである上記(7)ないし(10)のいずれかに記載の基板。
(12)前記プリプレグの面方向の熱膨張係数が、12ppm以下である上記(7)ないし(11)のいずれかに記載の基板。
(13)上記(6)ないし(12)のいずれかに記載の基板を有することを特徴とする半導体装置。
また、本発明によれば上記プリプレグを有する基板および半導体装置を提供することができ、それによって薄い厚さの基板および半導体装置を得ることができる。
本発明のプリプレグは、厚さ25μm以下の繊維基材に樹脂材料を担持してなるプリプレグであって、該プリプレグの厚さ方向に対して前記繊維基材が偏在していることを特徴とする。
また、本発明の基板は、上記に記載のプリプレグを積層して得られることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、上記に記載の基板を有することを特徴とする。
図1は、本発明のプリプレグの一例を示す断面図である。
プリプレグ10は、繊維基材1に樹脂材料2が担持されている。
繊維基材1は、プリプレグ10の厚さ方向(A方向)に対して偏在している。
この繊維基材1の厚さは、具体的には20μm以下が好ましく、特に10〜15μmが好ましい。繊維基材1の厚さが前記範囲内であると、後述する基板の薄膜化と基板の強度とのバランス、さらには層間接続の加工性や信頼性に優れる。
これに対して、本発明では、後述するようなプリプレグ10の製造方法を用いることにより、厚さが25μm以下の繊維基材1に対しても樹脂材料2を担持することができ、それによって通常の厚さのプリプレグ10に加えて、厚さが35μm以下のプリプレグ10を得ることができるものである。また、基板を成形した後のプリプレグ10の厚さが導体回路層間で35μm以下にもできるものである。導体回路層間の厚さを35μm以下にできると、最終的に得られる基板の厚さを薄くすることができる。
このような繊維基材1としては、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等を主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材等の有機繊維基材等が挙げられる。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグ10の強度を向上することができる。また、プリプレグ10の熱膨張係数を小さくすることができる。
樹脂材料2は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物で構成されていることが好ましい。これにより、プリプレグ10の耐熱性を向上することができる。
前記熱硬化性樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、特に、シアネート樹脂(シアネート樹脂のプレポリマーを含む)が好ましい。これにより、プリプレグ10の熱膨張係数を小さくすることができる。さらに、プリプレグ10の電気特性(低誘電率、低誘電正接)等にも優れる。
前記シアネート樹脂等の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
前記無機充填材としては、例えばタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。これらの中でもシリカが好ましく、溶融シリカ(特に球状溶融シリカ)が低熱膨張性に優れる点で好ましい。その形状は破砕状、球状があるが、繊維基材1への含浸性を確保するために樹脂組成物の溶融粘度を下げるには球状シリカを使う等、その目的にあわせた使用方法が採用される。
この平均粒子径は、例えば粒度分布計(HORIBA製、LA−500)により測定することができる。
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
前記フェノール樹脂の重量平均分子量は、例えばGPCで測定することができる。
前記カップリング剤としては、通常用いられるものなら何でも使用できるが、具体的にはエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、無機充填材の界面との濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることできる。
また、前記樹脂組成物には、必要に応じて、顔料、酸化防止剤等の上記成分以外の添加物を添加しても良い。
ここで、繊維基材1がプリプレグ10の厚さ方向に対して偏在している状態を図2に基づいて説明する。図2(a)、(b)は、繊維基材1がプリプレグ10に対して偏在している状態を模式的に示す断面図である。図2(a)、(b)に示すように、プリプレグ10の厚さ方向の中心線A−Aに対して、繊維基材1の中心がずれて配置されていることを意味する。図2(a)では、繊維基材1の下側(図2中下側)の面が、プリプレグ10の下側(図2中下側)の面とほぼ一致するようになっている。図2(b)では、繊維基材1が中心線A−Aと、プリプレグ10の下側(図2中下側)の面との間に配置されている。なお、繊維基材1が中心線A−Aに一部重なるようになっていても良い。
これに対して本発明のプリプレグ10では、繊維基材1をプリプレグ10の厚さ方向で偏在させることが可能となるため、ビルドアップする回路のパターンに応じた樹脂量を有するプリプレグ10を設計することが対応可能となる。さらに、厚さが35μm以下という薄いプリプレグ10を製造することが可能となり、かつ繊維基材1をプリプレグ10の厚さ方向で偏在させることにより、最終的に得られる半導体装置の厚さを薄くすることもできる。これはプリプレグ10の厚さが単純に薄いことに加え、回路パターンの残銅率等に対応してプリプレグ10の樹脂量を調整することができるので、余分な樹脂層を設ける必要が無くなるからである。
前記面方向の線膨張係数は、例えばTMA装置(TAインスツルメント社製)を用いて、10℃/分で昇温して評価することができる。
本発明では、例えば予め樹脂材料2をキャリアフィルムに塗布等したキャリア材料2a、2bを製造し、このキャリア材料2a、2bを繊維基材1にラミネートした後、キャリアフィルムを剥離する方法により、厚さが25μm以下の繊維基材1に樹脂材料2を担持して、通常の厚さのプリプレグ10および厚さが35μm以下のプリプレグ10を得ることが可能となった。
まず、厚さの異なる樹脂材料2が形成されたキャリア材料2aおよび2bを用意する。キャリア材料2a、2bは、例えばキャリアフィルムに樹脂材料2を塗工する方法等により得ることができる。
次に、真空ラミネート装置8を用いて、減圧下で繊維基材1の両面からキャリア材料2aおよび2bを重ね合わせてラミネートロール81で接合する。減圧下で接合することにより、繊維基材1の内部または樹脂材料2と繊維基材1との接合部位に非充填部分が存在しても、これを減圧ボイドあるいは実質的な真空ボイドとすることができる。ゆえに、最終的に得られるプリプレグ10に発生するボイドを低減することができる。なぜなら、減圧ボイドまたは真空ボイドは、後述する加熱処理で消し去ることができるからである。このような減圧下で繊維基材1と樹脂材料2とを接合する他の装置としては、例えば真空ボックス装置等を用いることができる。
前記加熱処理する他の方法は、例えば赤外線加熱装置、加熱ロール装置、平板状の熱盤プレス装置等を用いて実施することができる。
また、キャリアフィルムに形成する樹脂材料2の厚さを変えることにより、容易にプリプレグ10の厚さを35μm以下とすることもできる。プリプレグ10の厚さが35μm以下であると、多層の回路基板であっても、薄くすることができる。これにより、最終的に得られる半導体装置を薄型にすることができる。
このプリプレグ10の厚さは、具体的には30μm以下が好ましく、特に20〜25μm以下であることが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に6層以上に多層化しても基板を薄い状態に維持でき、最終的に薄い半導体装置を得ることができる。
図5に示すように、基板100は、コア基板3と、コア基板3の上側(図5中の上側)に設けられた3層のプリプレグ(10a、10b、10c)と、コア基板3の下側(図5中の下側)に設けられた3層のプリプレグ(10d、10e、10f)と、で構成されている。コア基板3とプリプレグ10aおよび10bとの間、各プリプレグ間(10aと10b、10bと10c、10dと10eおよび10eと10f)には、所定の回路配線部4が形成されている。また、プリプレグ10cおよび10fの表面には、パッド部5が設けられている。このようなプリプレグ10a〜10fの少なくとも1枚(好ましくは全部)に上述した厚さ35μm以下のプリプレグ10を用いることが好ましい。これにより、(回路)基板100の厚さを薄くすることができる。
各回路配線部4は、各プリプレグ10a〜10fを貫通して設けられたフィルドビア部6を介して電気的に接続されている。
基板100を構成する各プリプレグ10a〜10fは、繊維基材1が各プリプレグの厚さ方向で偏在しているので回路の高さ等の制限を少なくでき、それによって内層導体回路の設計の自由度が増える。すなわち、内層導体回路を形成するのが容易となる。さらに、内層導体回路が形成されるのと反対側に繊維基材1が配置するように設計できるので、内層導体回路と繊維基材1とが接触することによって生じる不具合も低減することができる。
そして、図3に示すように、プリプレグ10c全体の厚さをT0[μm]とし、図6に示すように、回路配線部4の高さをt1[μm]としたとき、T0とt1の差(特に、t3)は、特に限定されないが、35μm以下であることが好ましく、特に10〜30μmであることが好ましい。これにより、基板100の厚さが薄くても、絶縁信頼性を維持することができる。
ここで、t3は、回路配線部4の繊維基材1側の面41(図6中の上側の面)から、プリプレグ10cの繊維基材1が偏在している側の面221(図6中の上側の面)までの厚さに該当する。
ここで、t2の厚さは、特に限定されないが、0〜15μmが好ましい。また、回路配線部4と繊維基材1との接触による回路配線部4での絶縁性の低下等が懸念される場合は、t2を3〜15μmとすることが好ましい。一方、基板100の厚さを薄くする場合には、t2を0〜5μmとすることが好ましく、さらに絶縁性と薄さを両立するためには、t2を3〜5μmとすることが好ましい。これにより、プリプレグ10の一方の面側に回路配線部4への埋め込み性に優れ、かつ高い絶縁信頼性を付与することができる。
また、本発明の基板100では、上述したような繊維基材1が厚さ方向で偏在しているプリプレグ10と従来から用いられていたプリプレグとを併用しても構わない。さらに、繊維基材1の厚さ方向で偏在しているプリプレグ10においても、種々の偏在位置を有するプリプレグ10を併用しても構わない。
(実施例1)
1.樹脂材料ワニスの調整
熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット PT−30、重量平均分子量約2,600)15重量%、エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000P、エポキシ当量275)8重量%、フェノール樹脂としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851−S、水酸基当量203)7重量%およびカップリング剤としてエポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー社製、A−187)を、後述する無機充填材100重量部に対して0.3重量部をメチルエチルケトンに常温で溶解し、無機充填材として球状溶融シリカSFP−10X(電気化学工業社製、平均粒径0.3μm)20重量%および球状溶融シリカSO−32R(アドマテックス社製、平均粒径1.5μm)50重量%を添加し、高速攪拌機を用いて10分間攪拌して樹脂材料ワニスを調製した。
キャリアフィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル社製、SFB−38、厚さ38μm、幅480m)を用い、上述の樹脂材料ワニスをコンマコーター装置で塗工し、170℃の乾燥装置で3分間乾燥させ、厚さ15μm、幅410mmの樹脂層が、キャリアフィルムの幅方向の中心に位置するように形成してキャリア材料1(最終的に第1樹脂層を形成)を得た。
また、同様の方法で塗工する樹脂材料ワニスの量を調整して、厚さ8μm、幅360mmの樹脂層が、キャリアフィルムの幅方向の中心に位置するように形成してキャリア材料2(最終的に第2樹脂層を形成)を得た。
繊維基材としてガラス織布(クロスタイプ♯1015、幅360mm、厚さ15μm、坪量17g/m2)を用い、図4に示す真空ラミネート装置および熱風乾燥装置によりプリプレグを製造した。
具体的には、ガラス織布の両面に前記キャリア材料1およびキャリア材料2がガラス織布の幅方向の中心に位置するように、それぞれ重ね合わせ、750Torrの減圧条件下で、80℃のラミネートロールを用いて接合した。
ここで、ガラス織布の幅方向寸法の内側領域においては、キャリア材料1およびキャリア材料2の樹脂層を繊維布の両面側にそれぞれ接合するとともに、ガラス織布の幅方向寸法の外側領域においては、キャリア材料1およびキャリア材料2の樹脂層同士を接合した。
次いで、上記接合したものを、120℃に設定した横搬送型の熱風乾燥装置内を2分間通すことによって、圧力を作用させることなく加熱処理して、厚さ30μm(第1樹脂層:11μm、繊維基材:15μm、第2樹脂層:4μm)のプリプレグを得た。
キャリア材料1およびキャリア材料2の樹脂層の厚さを、それぞれ20μm(キャリア材料1)および8μm(キャリア材料2)とした以外は、実施例1と同様にした。得られたプリプレグの厚さは、35μm(第1樹脂層:16μm、繊維基材:15μm、第2樹脂層:4μm)であった。
繊維基材およびキャリア材料1、2を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
繊維基材としてガラス織布(クロスタイプ♯1037、厚さ24μm、坪量24g/m2)を用いた。得られたプリプレグの厚さは、40μm(第1樹脂層:12μm、繊維基材:24μm、第2樹脂層:4μm)であった。なお、キャリア材料1およびキャリア材料2の樹脂層の厚さを、それぞれ20μm(キャリア材料1)および11μm(キャリア材料2)とした。
樹脂ワニスとして以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製・「Ep5048」)100重量部、硬化剤(ジシアンジアミド)2重量部および硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)0.1重量部をメチルセルソルブ100重量部に溶解させて樹脂ワニスを得た。得られたプリプレグの厚さは、35μm(第1樹脂層:16μm、繊維基材:15μm、第2樹脂層:4μm)であった。
キャリア材料1、2を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
キャリア材料1およびキャリア材料2に樹脂層の厚さを、それぞれ25μm(キャリア材料1)および8μm(キャリア材料2)とした。得られたプリプレグの厚さは、40μm(第1樹脂層:21μm、繊維基材:15μm、第2樹脂層:4μm)であった。
繊維基材およびキャリア材料1、2を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
繊維基材としてガラス織布(クロスタイプ♯1080、厚さ55μm、坪量47g/m2)を用いた。なお、キャリア材料1およびキャリア材料2の樹脂層の厚さを、それぞれ25μm(キャリア材料1)および25μm(キャリア材料2)とした。
得られたプリプレグの厚さは、75μm(第1樹脂層:10μm、繊維基材:55μm、第2樹脂層:10μm)であった。
キャリア材料1、2および繊維基材をガラス織布(クロスタイプ♯1037、厚さ24μm、坪量24g/m2)を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。なお、キャリア材料1およびキャリア材料2の樹脂層の厚さを、それぞれ16μm(キャリア材料1)および16μm(キャリア材料2)とした。得られたプリプレグの厚さは、40μm(第1樹脂層:8μm、繊維基材:24μm、第2樹脂層:8μm)であった。
1.第1樹脂層の厚さと第2樹脂層の厚さとの比
得られたプリプレグの断面から各層の厚さを測定した。
プリプレグの面方向の熱膨張係数は、TMA装置(TAインスツルメント社製)を用いて、10℃/分で昇温して測定した。
得られたプリプレグの弾性率を、DMA(TAインスツルメント社製 DMA983)の共鳴周波数ズリモードを用いて、昇温速度5℃/分の条件で測定した。
また、実施例1〜5のプリプレグは、熱膨張係数が小さく、弾性率も高かった。これにより、基板を形成した後の基板の接続信頼性に優れることが予想される。
(実施例1A〜5A)
表面に導体間隔50μmのくし形パターンを有し、回路厚さ18μmで残銅率50%のコア基板に、各実施例で得られたプリプレグを重ね、さらに最外層に銅箔を重ねて、加熱、加圧成形(3MPa、200℃、90分間)して多層基板を得た。そして、最外層の銅箔(厚さ12μm)に回路形成した後に半導体素子を搭載して半導体装置を得た。
比較例1および比較例2で得られたプリプレグを用いた以外は、実施例1Aと同様に行なった。
1.基板の厚さ
得られた基板の厚さを測定した。
内外層に導体間隔50μmのくし形パターンを有する、絶縁信頼性試験用の4層プリント配線板を作製し、これらの絶縁抵抗を自動超絶縁抵抗計(ADVANTEST社製)で測定した後、PCT−130℃/85%の雰囲気中で、直流電圧50Vを印加、96時間経過後の絶縁抵抗を測定した。測定時の印加電圧は100Vで1分とし、絶縁抵抗が1×109Ω以上であるものを合格とした。
くし形パターン部の断面を顕微鏡で観察して樹脂層の埋め込み性を評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:全てのサンプルについて埋め込み性に優れていた。
○:ガラス織布への回路配線の接触が一部有るが、実用上問題無し。
△:ガラス織布への回路配線の接触が一部有り、実用不可。
×:樹脂層の埋め込みが、不十分でボイド等有り。
また、実施例1A〜5Aの多層基板は、絶縁信頼性および埋め込み性にも優れていた。
また、実施例1A〜5Aの半導体装置は、正常に作動することが確認された。
2 樹脂材料
2a、2b キャリア材料
21 第1樹脂層
22 第2樹脂層
221 繊維基材が偏在している側の面
3 コア基板
4 回路配線部
41 回路配線部の繊維基材側の面
5 パッド部
6 フィルドビア部
7 半導体素子
71 バンプ
8 真空ラミネート装置
81 ラミネートロール
9 熱風乾燥装置
10 プリプレグ
10a プリプレグ
10b プリプレグ
10c プリプレグ
10d プリプレグ
10e プリプレグ
10f プリプレグ
100 基板
200 半導体装置
Claims (13)
- 厚さ25μm以下の繊維基材に樹脂材料を担持してなるプリプレグであって、
該プリプレグの厚さ方向に対して前記繊維基材が偏在していることを特徴とするプリプレグ。 - 前記プリプレグの厚さは、35μm以下である請求項1に記載のプリプレグ。
- 前記樹脂材料は、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物で構成されているものである請求項1または2に記載のプリプレグ。
- 前記熱硬化性樹脂は、シアネート樹脂を含むものである請求項3に記載のプリプレグ。
- 前記樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである請求項3または4に記載のプリプレグ。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のプリプレグを積層して得られることを特徴とする基板。
- 厚さ25μm以下の繊維基材に樹脂材料を担持してなり、厚さ方向に対して前記繊維基材が偏在しているプリプレグの前記基材が偏在しているのと反対側の樹脂材料に回路配線部が埋設されていることを特徴とする基板。
- 前記プリプレグ全体の厚さをT0[μm]とし、前記回路配線部の高さをt1[μm]としたとき、T0とt1の差が35μm以下である請求項7に記載の基板。
- 前記樹脂材料は、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物で構成されているものである請求項7または8に記載の基板。
- 前記熱硬化性樹脂は、シアネート樹脂を含むものである請求項7ないし9のいずれかに記載の基板。
- 前記樹脂組成物は、さらに無機充填材を含むものである請求項7ないし10のいずれかに記載の基板。
- 前記プリプレグの面方向の熱膨張係数が、12ppm以下である請求項7ないし11のいずれかに記載の基板。
- 請求項6ないし12のいずれかに記載の基板を有することを特徴とする半導体装置。
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