JP2012193374A - ビルドアップ用プリプレグ - Google Patents

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Abstract

【課題】内層回路の埋め込み性の向上と、厚み精度の向上との両立を図る。
【解決手段】ビルドアップ用プリプレグ1は、繊維基材2と、繊維基材2の両面に設けられた樹脂層3、4とを備え、IPC−TM−650 Method 2.3.17に準拠し、171±3℃、1380±70kPaの条件で5分間加熱加圧して測定された樹脂流れが、15重量%以上50重量%以下であり、対向する一対のゴム板によりプリプレグ1を挟んだ状態で、120℃、2.5MPaの条件下に加熱及び加圧したとき、平面視で繊維基材2の外縁からはみ出る樹脂層3、4の重量が、樹脂層3、4の全体に対して、5重量%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビルドアップ用プリプレグに関する。
回路基板上に絶縁層と導体層とを交互に積み重ねるビルドアップ方式による積層配線板の製造技術が知られている。
例えば、特許文献1には、紙または布基材に熱硬化性樹脂ワニスを含浸させたプリプレグと金属箔とからなる積層材料を鏡面板の間に挟み、多数積層させて、クッション材、キャリア材を介して熱板間に配置させ、熱板を加熱加圧することにより形成される熱硬化性樹脂積層板の製造方法において、クッション材は、各々の辺に沿った突起がその表面側に形成されていることを特徴とする熱硬化性樹脂積層板の製造方法が記載されている。この方法によれば、クッション材の表面には各辺に沿った突起が形成されているため、プレス成形時、積層材料の外周縁部が他の部分に比べ圧力が高くなり、成形時、内部の樹脂が外部にはみ出すことが少ないとされている。
また、特許文献2には、加熱及び加圧可能な真空積層装置を用いて、パターン加工された回路基盤上に、支持ベースフィルムと樹脂組成物層で構成される接着フィルムの樹脂組成物層面を積層する方法において、真空積層装置の少なくとも一つのプレス板と接着フィルムの支持ベースフィルム面の間に該接着フィルム表面積より小さいシミだし防止シートを設け、該シミだし防止シートが該接着フィルムの表面周囲のいずれの点に於いても外側にはみ出すことのないように設置することで接着剤のシミだしを防止できると記載されている。
特開平4−185408号公報 特開平11−340625号公報
しかしながら、特許文献1、2のプリプレグでは、真空ラミネーターに適用したとき樹脂のはみ出しを防ぐことを課題とするため、内層回路基板上の回路凹凸を埋め込むだけの十分な流動性を確保することが妨げられていた。一方、これら従来のプリプレグを用いた積層板では、回路間にボイドが残るという問題があった。本発明者らの確認によれば、こうした従来のプリプレグの樹脂流れは、5〜8重量%程度であり、最も高いものでも12重量%しかなかった。したがって、樹脂が回路凹凸に十分に追従できないために埋め込み低下が生じるものと本発明者らは考えた。
ところが、回路凹凸を十分に埋め込めるように、プリプレグの樹脂層を構成する樹脂組成物の流動性を確保した場合、樹脂組成物の流動性が大きくなりすぎるため、真空ラミネート時には、樹脂層が流れ出てしまい、得られる積層板の厚みにばらつきが生じてしまう。このように、内層回路の埋め込み性の向上と、厚み精度の向上とは、トレードオフの関係にあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内層回路の埋め込み性の向上と、厚み精度の向上との両立を図るビルドアップ用プリプレグを提供することにある。
本発明によれば、
繊維基材と、前記繊維基材の両面に設けられた樹脂層とを備えたビルドアップ用プリプレグであって、
IPC−TM−650 Method 2.3.17に準拠し、171±3℃、1380±70kPaの条件で5分間加熱加圧して測定された樹脂流れが、15重量%以上50重量%以下であり、
対向する一対のゴム板で該プリプレグを挟んだ状態で、120℃、2.5MPaの条件下で加熱及び加圧したとき、平面視で前記繊維基材の外縁からはみ出る前記樹脂層の重量が、前記樹脂層の全体に対して、5重量%以下であり、前記ゴム板が下記(i)〜(iii)を満たす、ビルドアップ用プリプレグが提供される。
(i)JIS K 6253 Aに準拠して測定したゴム硬度が60°
(ii)厚み3mm
(iii)材質がシリコン
また、本発明によれば、
片面又は両面に回路形成面を有するコア層と、
前記コア層の前記回路形成面に積層されたビルドアップ層と、
を備え、
前記ビルドアップ層は、上記のビルドアップ用プリプレグを硬化して形成したものである、積層板が提供される。
また、本発明によれば、
上記の積層板と、
前記積層板に実装された半導体素子と、
を備える半導体装置が提供される。
さらに、本発明によれば、
片面又は両面に回路形成面を有するコア層の前記回路形成面に、加熱加圧下、ビルドアップ用プリプレグをラミネートするラミネート工程と、
ラミネートした前記ビルドアップ用プリプレグの表面を平滑して積層板を得る平滑化工程と、
を連続的に行う積層板の製造方法であって、
前記ラミネート工程において、対向する一対の金属板で前記コア層と前記ビルドアップ用プリプレグとを挟んだ状態で加熱及び加圧し、
前記平滑化工程において、対向する一対の板状弾性体で前記コア層と前記ビルドアップ用プリプレグを、挟んだ状態で加熱および加圧し、
前記ビルドアップ用プリプレグとして、上記のビルドアップ用プリプレグを用いる、積層板の製造方法が提供される。
この発明によれば、IPC−TM−650 Method 2.3.17に準拠して、171±3℃、1380±70kPaの条件で5分間加熱加圧して測定された樹脂流れを15重量%以上とすることで、内層回路の埋め込み性に優れるプリプレグを得ることができる。また、樹脂流れの上限を50重量%以下とすることで、プリプレグを積層プレスしたときに、プリプレグを構成する樹脂層の流出を抑制することができる。さらに、対向する一対のゴム板でプリプレグを挟んだ状態で、120℃、2.5MPaの条件で加熱及び加圧したとき、平面視で繊維基材の外縁からはみ出る樹脂層の重量を5重量%以下とすることで、得られる積層板の厚み均一性を向上させることができる。したがって、回路形成面を有するコア層に積層させるとき、内層回路の埋め込み性に優れ、積層プレス時のプリプレグからの樹脂層の流出を抑制でき、かつ、厚み均一性を向上させることができるビルドアップ用プリプレグが実現可能になる。
本発明によれば、内層回路の埋め込み性の向上と、厚み精度の向上とを両立できるビルドアップ用プリプレグが提供される。
実施の形態に係るプリプレグを模式的に示した断面図である。 実施例に係るプリプレグの樹脂流れを測定する方法を説明する図である。
[プリプレグ]
図1は、本発明のプリプレグの一例を示す図である。プリプレグ1は、繊維基材2と、繊維基材2の両面に設けられた樹脂層3、4とを備える。プリプレグ1は、繊維基材2に樹脂組成物を含浸させて形成することができる。以下、プリプレグ1に用いられる樹脂組成物Pについて説明するが、樹脂層3、4を構成する樹脂組成物は、互いに同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
プリプレグ1に用いられる樹脂組成物Pは、(A)エポキシ樹脂を含有する。(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
(A)エポキシ樹脂の含有量は特に限定されないが、樹脂組成物P全体の15〜80重量%であることが好ましい。さらに好ましくは25〜50重量%である。また、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の液状のエポキシ樹脂を併用すると、繊維基材への含浸性を向上させることができるため好ましい。液状のエポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物P全体の3〜14重量%であると、より好ましい。また、固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を併用すると、導体への密着性を向上させることができる。
また、樹脂組成物Pには、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シアネートエステル樹脂などのエポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂を含んでいてもよく、シアネートエステル樹脂を併用すると好ましい。シアネート樹脂の種類としては特に限定されないが、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、フェノールノボラック型シアネート樹脂が低熱膨張性の点から好ましい。また、更に他のシアネート樹脂を1種類あるいは2種類以上併用したりすることもでき、特に限定されない。シアネート樹脂は、樹脂組成物P全体の8〜20重量%であると好ましい。
樹脂組成物Pは、(B)無機充填材を含むことが好ましい。(B)無機充填材としては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
これらの中でも特に、シリカが好ましく、溶融シリカ(特に球状溶融シリカ)が低熱膨張性に優れる点で好ましい。その形状は破砕状、球状があるが、繊維基材への含浸性を確保するために樹脂組成物Pの溶融粘度を下げるには球状シリカを使う等、その目的にあわせた使用方法が採用される。
(B)無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、0.01〜3μmが好ましく、特に0.02〜1μmが好ましい。(B)無機充填材の粒径を0.01μm以上とすることで、ワニスを低粘度にし、繊維基材に樹脂組成物Pを良好に含浸させることができる。また、3.0μm以下とすることで、ワニス中で(B)無機充填剤の沈降等を抑制することができる。この平均粒子径は、例えば粒度分布計(島津製作所社製、製品名:レーザ回折式粒度分布測定装置SALDシリーズ)により測定することができる。
また、(B)無機充填材は、特に限定されないが、平均粒子径が単分散の無機充填材を用いることもできるし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いることができる。さらに平均粒子径が単分散及び/または、多分散の無機充填材を1種類または2種類以上を併用したりすることもできる。
さらに平均粒子径3.0μm以下の球状シリカ(特に球状溶融シリカ)が好ましく、特に平均粒子径0.02〜1μmの球状溶融シリカが好ましい。これにより、(B)無機充填剤の充填性を向上させることができる。
(B)無機充填材の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物P全体の2〜70重量%が好ましく、特に5〜60重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に低熱膨張、低吸水とすることができる。必要に応じて、樹脂層3、4とで(B)無機充填材の含有量を変えて、導体との密着と低熱膨張の両立を図ることもできる。
プリプレグ1に用いられる樹脂組成物Pは、特に限定されないが、(C)カップリング剤を用いることが好ましい。(C)カップリング剤は、(A)エポキシ樹脂と、(B)無機充填材との界面の濡れ性を向上させることにより、繊維基材に対して(A)エポキシ樹脂及び(B)無機充填材を均一に定着させ、耐熱性、特に吸湿後の半田耐熱性を改良することができる。
(C)カップリング剤としては、通常用いられるものなら何でも使用できるが、具体的にはエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、(B)無機充填材の界面との濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることできる。
(C)カップリング剤の添加量は、(B)無機充填材の比表面積に依存するので特に限定されないが、(B)無機充填材100重量部に対して0.05〜3重量%が好ましく、特に0.1〜2重量%が好ましい。含有量を0.05重量%以上とすることで、(B)無機充填材を十分に被覆でき、耐熱性を向上させることができる。3重量%以下とすることで、反応が良好に進行し、曲げ強度等の低下を防ぐことができる。
樹脂組成物Pは、さらに(D)フェノール系硬化剤を使用することができる。フェノール系硬化剤としてはフェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類など公知慣用のものを単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
(D)フェノール系硬化剤の配合量は、(A)エポキシ樹脂との当量比(フェノール性水酸基当量/エポキシ基当量)が0.1〜1.0であると好ましい。これにより、未反応のフェノール硬化剤の残留がなくなり、吸湿耐熱性が向上する。樹脂組成物Pがエポキシ樹脂とシアネート樹脂とを併用する場合は、0.2〜0.5の範囲が特に好ましい。これは、フェノール樹脂は、硬化剤として作用するだけでなく、シアネート基とエポキシ基との硬化を促進するためである。
樹脂組成物Pには、必要に応じて(E)硬化促進剤を用いても良い。(E)硬化促進剤としては公知の物を用いることが出来る。例えばナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等、またはこの混合物が挙げられる。硬化促進剤として、これらの中の誘導体も含めて1種類を単独で用いることもできるし、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用したりすることもできる。
(E)硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物P全体の0.05〜5重量%が好ましく、特に0.2〜2重量%が好ましい。含有量を0.05重量%以上とすることで、十分に硬化を促進させることができ、5重量%以下とすることで、プリプレグ1の保存性の低下を防ぐことができる。
樹脂組成物Pは、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、シアネートエステル樹脂などのエポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等のポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマ−、ポリブタジエン、エポキシ変性ポリブタジエン、アクリル変性ポリブタジエン、メタクリル変性ポリブタジエン等のジエン系エラストマーを併用しても良い。また、この樹脂組成物Pには、必要に応じて、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の上記成分以外の添加物を添加しても良い。
樹脂組成物Pを含浸させる繊維基材2は、特に限定されないが、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材(ガラスクロス)、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等を主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材等の有機繊維基材等が挙げられる。これらの中でもガラスクロスが好ましい。これにより、低吸水性で、高強度、低熱膨張性のプリプレグを得ることができる。
ガラスクロスを構成するガラスは、例えばEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。これらの中でもEガラス、またはTガラスが好ましい。これにより、プルプレグの高弾性化を達成することができ、またプリプレグの熱膨張係数を小さくすることができる。
樹脂組成物Pを繊維基材2に含浸させる方法は、例えば、樹脂組成物Pを用いて樹脂ワニスVを調製し、繊維基材2を樹脂ワニスVに浸漬する方法、各種コーターにより塗布する方法、スプレーにより吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、繊維基材2を樹脂ワニスVに浸漬する方法が好ましい。これにより、繊維基材2に対する樹脂組成物Pの含浸性を向上することができる。なお、繊維基材2を樹脂ワニスVに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
樹脂ワニスVに用いられる溶媒は、樹脂組成物P中の樹脂成分に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒は、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系等が挙げられる。
樹脂ワニスVの固形分は、特に限定されないが、樹脂組成物Pの固形分20〜80重量%が好ましく、特に35〜65重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスVの繊維基材への含浸性を更に向上できる。繊維基材2に樹脂組成物Pを含浸させる所定温度は、特に限定されないが、例えば90〜220℃等で乾燥させることによりプリプレグ1を得ることができる。
プリプレグ1は、図1で示すように、繊維基材2を中心として相対的に厚い樹脂層3と相対的に薄い樹脂層4とを有していてもよいし、繊維基材2を中心として実質的に同じ厚みからなる樹脂層を有していてもよい。換言すれば、プリプレグ1は、繊維基材の厚み方向の中心5と、プリプレグの厚み方向の中心6とがずれていてもよい。樹脂層3、4の厚みは、図1に示すプリプレグ1の断面図において、繊維基材の厚み方向の中心5を基準線とし、この繊維基材の厚み方向の中心5からプリプレグ1の第1の面S1までの距離T1、及び、プリプレグ1の第2の面S2までの距離T2で得られるものであり、T1を厚い樹脂層3の厚みとし、T2を薄い樹脂層4の厚みとする。図1で示すように、第2の面S2は、第1の面S1の反対側の面である。プリプレグ1は、T1≧T2であるとき、T1/T2が1以上5以下であることが好ましく、2以上4以下がより好ましい。
プリプレグ1は、IPC−TM−650 Method 2.3.17に準拠して、171±3℃、1380±70kPaの条件で5分間加熱加圧して測定された樹脂流れを測定して評価することができる。
プリプレグ1の樹脂流れが15重量%以上であれば、配線回路の埋め込み性に優れるプリプレグとすることができる。また、この樹脂流れは、50重量%以下であれば、プリプレグを積層プレスしたときに、樹脂組成物Pの流出を抑制することができる。上限は、40重量%以下が好ましく、35重量%以下とするとより好ましい。こうすることで、プリプレグ1をビルドアップして得られる積層板の厚み均一性を向上させることができる。
プリプレグ1に用いられる樹脂組成物P中に含まれるエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の平均分子量を小さくすることで、樹脂流れを大きくすることができる。また、プリプレグ1に用いられる樹脂組成物P中に含まれる無機充填材の含量を多くすることで、樹脂流れを小さくすることができる。
また、ビルドアップ用のプリプレグ1の性能は以下のようにも評価することができる。すなわち、2つの金属板の間にプリプレグ1を戴置し、120℃、2.5MPaの条件で、ゴム板を介して60秒プレスしたとき、平面視で繊維基材2の外縁からはみ出る樹脂層3、4の重量を測定する。このとき、プリプレグ1は、平面視におけるサイズをいずれも200mm×200mmとする。金属板は、厚み1.5mmのSUSを用いる。ゴム板は、JIS K 6253 Aに準拠して測定したゴム硬度が60°であり、厚み3mmのシリコンゴムとする。具体的には、ニチゴ―・モートン(株)製CVP300のホットプレス装置を用いる。このようにして測定された樹脂層3、4のはみ出し量を、樹脂層3、4全体に対して5重量%以下とすることで、プリプレグ1をビルドアップして得られる積層板の厚み均一性を向上させることができる。下限は、特になく、樹脂層3、4全体に対して0重量%以上であることが望ましい。
プリプレグ1に用いられる樹脂組成物P中に含まれる液状樹脂を配合する、もしくは増量することで、上記の樹脂層3、4のはみ出し量が大きくなる。また、プリプレグ1に用いられる樹脂組成物P中に含まれるフェノキシ樹脂など重量平均分子量が10000を超えるような高分子樹脂を配合する、もしくは増量することで、樹脂層3、4のはみ出し量を小さくすることができる。
プリプレグ1は、金属箔あるいはフィルムを介して複数枚積層させたものであってもよい。金属箔は、例えば銅及び銅系合金、アルミ及びアルミ系合金、銀及び銀系合金、金及び金系合金、亜鉛及び亜鉛系合金、ニッケル及びニッケル系合金、錫及び錫系合金、鉄および鉄系合金等の金属箔が挙げられる。中でも銅箔が好ましい。
金属箔あるいはフィルムを介して複数枚積層させた後、加熱、加圧してもよい。加熱する温度は、特に限定されないが、120〜230℃が好ましく、特に150〜210℃が好ましい。また、加圧する圧力は、特に限定されないが、1〜5MPaが好ましく、特に2〜4MPaが好ましい。こうしたプリプレグ1を用いることで、誘電特性、高温多湿化での機械的、電気的接続信頼性に優れた積層板を得ることができる。
プリプレグ1は、ロール状に巻回積層されていてもよい。このとき、片面又は両面に支持基材を設け、この支持基材が介在した状態で巻回積層されていてもよい。プリプレグ1をロール状に巻回積層させる方法として、例えば、以下のものが挙げられる。
繊維基材2に樹脂組成物Pを含浸させた後、支持基材とともにロール式ラミネート装置に搬送し、金属ロール又は弾性材ロールで、支持基材をプリプレグ1に連続的に加圧及び加熱することによりラミネートする。その後、ロール状に巻き取ることで、プリプレグ1をロール状に巻回積層させることができる。
また、ロール状に巻き取られたシート状繊維基材2をロールにより連続的に搬送し、樹脂ワニスVへ含浸及び乾燥を行うことで、ロール状に巻回積層されたプリプレグ1を製造してもよい。
支持基材としては、プラスチックフィルムを用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂(PMMA)、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。中でもPETフィルム、PENフィルムが好ましく、PETフィルムが特に好ましい。支持基材には、樹脂層3、4の積層面にマット処理、コロナ処理を施してもよい。プリプレグ1の熱硬化後に、支持基材を剥離するため、プリプレグ1と接する面に離型層を有していてもよい。
また、片面に支持基材を設ける場合は、他方の面に保護材を設けても良い。この場合、第二の面S2に支持基材、第一の面S1に保護材が接するよう、ロール式ラミネート装置に搬送し、支持基材及び保護材双方の面から、金属ロール又は弾性材ロールで加圧及び加熱することによりラミネートさせることができる。保護材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、PET、PEN等のポリエステル、PC、ポリイミド等のプラスチックフィルムを用いることができる。保護材の厚みは、5〜30μmの範囲であるのが好ましい。
[積層板]
つづいて、プリプレグ1を用いた積層板について説明する。この積層板は、片面又は両面に回路形成面を有するコア層と、コア層の回路形成面に積層されたビルドアップ層と、を備える。ビルドアップ層は、上記のプリプレグ1を硬化して形成したものである。
コア層は、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板の片面又は両面がパターン加工された回路形成面を有するシート状のものをいう。また、コア層は、さらに、絶縁層及び配線層が形成されるべき中間製造物の内層回路基板も含まれる。
コア層の製造方法は、特に限定されないが、例えば、両面に金属箔を有するコア層を用い、ドリル機で所定のところを開孔して、無電解めっきにより、コア基板の両面の導通を図る。そして、金属箔をエッチングすることにより内線回路を形成する。なお、内線回路部分は、黒化処理等の粗化処理を施したものを好適に用いることができる。また開口部は、導体ペースト、または樹脂ペーストで適宜埋めることができる。
この積層板は、以下のように製造することができる。まず、ロール状に巻回されたプリプレグ1を用意し、上記のシート状のコア層とともにラミネーターに搬送する。ラミネーターは、対向する一対の金属板と、断熱ゴム等の板状弾性体とを備えており、弾性体を介してコア層とプリプレグとを挟んだ状態で、金属板により加熱及び加圧して、ラミネートする(ラミネート工程)。ラミネーターとしては、真空下で加熱加圧するラミネーター(真空ラミネーター)を用いると好ましい。金属板としては、例えば、SUS鏡板を用いることができる。加熱及び加圧は、80〜140℃、0.4〜1.5MPaの範囲で行うことが好ましい。
上記のラミネーター工程は、市販されている真空ラミネーターを用いて実行することができるが、例えば、ニチゴー・モートン(株)製CPV300が備える真空加圧式ラミネーター又はこれに同等なものを用いることができる。
ラミネーター工程の後は、プリプレグ1の樹脂層3、4が軟化してコア層の内層配線に追従して凹凸に変形している。そこで、ラミネートしたビルドアップ層とコア層とを、対向する一対の金属板による熱プレスにより、ラミネートされた接着シートの平滑化を行う(平滑化工程)。平滑化工程は、大気圧下で、加熱されたSUS鏡板等の金属板により、接着シートを加熱及び加圧することにより行われる。平滑化のためのプレスは、100〜170℃、0.4〜1.5MPaの範囲で行うことが好ましい。
このような平滑化工程は、市販されているホットプレス装置を用いて実行することができるが、例えば、ニチゴー・モートン(株)製CPV300が備えるホットプレス装置又はこれに同等なものを用いることができる。
その後、プリプレグ1の樹脂層3、4を加熱することにより硬化させる。硬化させる温度は、特に限定されないが、例えば、100〜250℃の範囲で硬化させることができ、好ましくは150〜200℃で硬化させることができる。硬化時間は、30〜75分程度とすることができる。
次に、硬化させた樹脂層に、レーザーを照射して、開口部を形成し、レーザー照射後の樹脂残渣等は過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤などにより除去することが好ましい。また、平滑な樹脂層の表面を同時に粗化することができ、続く金属メッキにより形成する導電配線回路の密着性を上げることができる。樹脂層は、上記粗化処理において微細な凹凸形状を均一に施すことができる。また、樹脂層表面の平滑性が高いため微細な配線回路を精度よく形成することができる。その後、最外層にソルダーレジストを形成し、露光・現像により半導体素子が実装できるよう接続用電極部を露出させ、ニッケル金メッキ処理を施し、所定の大きさに切断し、積層板を得ることができる。
プリプレグ1の樹脂量が第1の面S1側と第2の面S2側とで異なる場合、すなわち、図1でT1>T2である場合、樹脂量の多い第1の面S1側に回路形成面を配置することが好ましい。こうすることで、配線回路とプリプレグとの間に生じている空隙に樹脂を十分に供給して耐熱性を確保することができる。
[半導体装置]
次に、半導体装置について説明する。
この半導体装置は、上記の積層板に半導体素子を実装し、製造することができる。半導体素子の実装方法、封止方法は特に限定されない。例えば、次のような方法で製造することができる。
まずフリップチップボンダーなどを用いて積層板上の接続用電極部と半導体素子の半田バンプとの位置合わせを行う。次に、IRリフロー装置、熱板、その他加熱装置を用いて半田バンプを融点以上に加熱し、多層プリント配線板と半田バンプとを溶融接合することにより接続する。最後に、積層板と半導体素子との間に液状封止樹脂を充填し、硬化させることで半導体装置を得ることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
図1で示すプリプレグを作製した。
実施例及び比較例及において用いた原材料は以下の通りである。
無機充填材:球状シリカ(アドマテックス社製SO−25R,平均粒径0.5μm)
エポキシ樹脂:ビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製NC−3000)
エポキシ樹脂:ジシクロペンタジエン型ノボラックエポキシ樹脂(DIC社製、HP−7200L、HP−7200)
シアネート樹脂:ノボラック型シアネート樹脂(LONZA社製Primaset PT−30)
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER−828)
エポキシ樹脂:ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER−807)
フェノール硬化剤:ノボラック型フェノール樹脂(DIC社製、TD−2090−60M、60%(w/v)MEK溶液)
フェノキシ樹脂:三菱化学社製、YX6954BH30、30%(w/v)MEK/アノン溶液)
ポリビニルアセタール樹脂:積水化学社製KS−10(水酸基25mol%)
硬化触媒:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製2E4MZ)
カップリング剤:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)
実施例1
(1)ワニスの調製
エポキシ樹脂としてジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−7200)30重量部、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER807)3重量部、シアネート樹脂としてフェノールノボラック型シアネート樹脂(LONZA社製、PrimasetPT−30)14重量部、フェノキシ樹脂として三菱化学社製YX6954BH30を固形分換算で3重量部、硬化触媒としてイミダゾール(四国化成社製、2E4MZ)0.2重量部をメチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒で60分間撹拌し、溶解させた。さらにカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)0.1重量部と無機充填材として球状シリカ(アドマテックス社製SO−25R,平均粒径0.5μm)49.7重量部を添加して高速撹拌装置で10分撹拌し、固形分65%の樹脂ワニスを作製した。
(2)樹脂シートの作製
前記ワニスを厚さ36μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面に、コンマコーター装置を用いて塗工し、これを160℃の乾燥装置で3分間乾燥し、基材付き樹脂シートを形成した。
樹脂厚みは22μm(樹脂シート1)および13μm(樹脂シート2)の2種類の樹脂シートを作製した。
(3)プリプレグの作製
繊維基材としてガラス織布(ユニチカ社製、クロスタイプ♯1017、幅530mm、厚さ15μm、坪量12g/m)を用い、真空ラミネート装置および熱風乾燥装置によりプリプレグを製造した。
具体的には、ガラス織布の両面に前記樹脂シート1および樹脂シート2がガラス織布の幅方向の中心に位置するように、それぞれ重ね合わせ、0.1MPa(750Torr)の減圧条件下で、80℃のラミネートロールを用いて接合した。
ここで、ガラス織布の幅方向寸法の内側領域においては、樹脂シート1および樹脂シート2の樹脂層を繊維布の両面側にそれぞれ接合するとともに、ガラス織布の幅方向寸法の外側領域においては、樹脂シート1および樹脂シート2の樹脂層同士を接合した。
次いで、上記接合したものを、120℃に設定した横搬送型の熱風乾燥装置内を2分間通すことによって、圧力を作用させることなく加熱処理して、厚さ40μm(T1:17μm、繊維基材:15μm、T2:8μm)のプリプレグを得た。
実施例2
(1)ワニスの調製
実施例1と同様に調製した。
(2)樹脂シートの作製
基材上の樹脂厚みを20.5μm(樹脂シート1)と13.5μm(樹脂シート2)に変えた以外は実施例1と同様に作製した。
(3)プリプレグの作製
ガラス織布をクロスタイプ#1015(幅530mm、厚さ17μm、坪量15g/m)に変えた以外は実施例1と同様に作製した。
実施例3
樹脂組成物を表1に示す樹脂組成に変えた以外は実施例1と同様にワニス、樹脂シート、プリプレグを作製した。
実施例4
(1)ワニスの調製
樹脂組成物を表1に示す樹脂組成に変えた以外は実施例1と同様に調製した。
(2)樹脂シートの作製
基材上の樹脂厚みを樹脂シート1、2ともに16μmに変えた以外は実施例1と同様に作製した。
(3)プリプレグの作製
ガラス織布をクロスタイプ#1027(幅530mm、厚さ20μm、坪量20g/m)に変えた以外は実施例1と同様に作製した。
比較例1、2
樹脂組成物を表1に示す樹脂組成に変えた以外は実施例1と同様にワニス、樹脂シート、プリプレグを作製した。
[樹脂流れ(重量%)]
実施例1〜4、又は、比較例1、2のプリプレグを用いてIPC−TM−650 Method 2.3.17に準拠して測定した。すなわち、図2で示すように、実施例1〜4、又は、比較例1、2のプリプレグを102mm×102mmの正方形にカットし、これを4枚重ね、重量(W(g))を測定した。そして、プリプレグの最外層の両面には、離型フィルム(製品名:セパニウム20M2C−S、製造元:サン・アルミニウム工業株式会社、サイズ:200mm×240mm)を両面に貼り付けた(図2(a))。その後、2枚のSUS板の間にプリプレグを配置して、171℃、1.38MPaに加熱加圧して、5分間熱板プレスした(図2(b))。ついで、離型フィルムを剥離し、プリプレグの積層方向が高さ方向となるよう径81mmの円柱状にプリプレグを切り抜き(図2(c))、得られた円柱状のプリプレグの重量(W(g))を測定した。式(1)から樹脂流れを求めた。結果を表1に示す。なお、式(1)中、%は、重量%である。表1中、「樹脂流れ(IPC−TM−650)(重量%)」の行で結果を示す。
Figure 2012193374
[樹脂はみ出し量]
200mm×200mmにカットした実施例1〜4、又は、比較例1、2のプリプレグをニチゴ―・モートン(株)製CVP300のホットプレス装置を用いてプレスし、樹脂はみ出し量を測定した。具体的には、このホットプレス装置の2つの熱板(SUS1.5mm)に挟まれた2枚のゴム板の間に上記実施例又は比較例のプリプレグを戴置し、120℃、2.5MPaの条件で、60秒プレスした。ゴム板は、JIS K 6253 Aに準拠して測定したゴム硬度が60°であり、厚みが3mmのシリコンゴムとした。結果を表1に示す。なお、表1中、「樹脂流れ(ゴム板)(重量%)」の行で結果を示す。
実施例1〜4のプリプレグの樹脂はみ出し長さは、最大で20mm以上であることを目視で確認した。
[評価]
1.積層板の製造
ニチゴ―・モートン(株)製の2ステージビルドアップラミネーターCVP300を用いて、実施例1〜4、比較例1、2のPET基材付きプリプレグから積層板を製造した。具体的には、厚み200μmのELC−4785GS−B(住友ベークライト社製、銅箔12μm)を用いて、ドリル機で所定のところを開孔して、無電解めっきにより、導通を図り、銅箔をエッチングして回路形成面を有するコア層を作製した。また、実施例1〜4、比較例1、2のプリプレグを枚葉にカットし、上記CVP300にセットして上記コア層に仮付けし、真空ラミネーター内で120℃、0.7MPa、1分間真空ラミネーションを行い、その後、160℃、0.55MPa、2分間ホットプレスして平滑化した。その後、170℃で硬化した。
2.回路への埋め込み性
積層板の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、回路間に樹脂が埋め込まれているかを確認した。回路間に樹脂が埋め込まれているものを合格とし、回路間にボイド残りがあり、埋め込み不十分なものを不合格とした。結果を表1に示す。表1中、合格は、○とし、不合格は、×で示す。
3.厚みばらつき
積層板の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、隣接した、銅配線の有る部分と無い部分との厚み差を測定した。
n=10で厚み差を測定し、平均0.8μm未満のものを合格とし、平均0.8μm以上のものを不合格とした。結果を表1に示す。表1中、合格は、○とし、不合格は、×で示す。
Figure 2012193374
1 プリプレグ
2 繊維基材
3 樹脂層
4 樹脂層
5 繊維基材の厚み方向の中心
6 プリプレグの厚み方向の中心
S1 第一の面
S2 第二の面

Claims (10)

  1. 繊維基材と、前記繊維基材の両面に設けられた樹脂層とを備えたビルドアップ用プリプレグであって、
    IPC−TM−650 Method 2.3.17に準拠し、171±3℃、1380±70kPaの条件で5分間加熱加圧して測定された樹脂流れが、15重量%以上50重量%以下であり、
    対向する一対のゴム板で該プリプレグを挟んだ状態で、120℃、2.5MPaの条件下に加熱及び加圧したとき、平面視で前記繊維基材の外縁からはみ出る前記樹脂層の重量が、前記樹脂層の全体に対して、5重量%以下であり、前記ゴム板が下記(i)〜(iii)を満たす、ビルドアップ用プリプレグ。
    (i)JIS K 6253 Aに準拠して測定したゴム硬度が60°
    (ii)厚み3mm
    (iii)材質がシリコン
  2. ロール状に巻回積層された請求項1に記載のビルドアップ用プリプレグ。
  3. 片面又は両面に支持基材が設けられ、前記支持基材が介在した状態で巻回積層された請求項1又は2に記載のビルドアップ用プリプレグ。
  4. 前記繊維基材を中心として相対的に厚い樹脂層と相対的に薄い樹脂層とを有する、請求項1乃至3いずれか1項に記載のビルドアップ用プリプレグ。
  5. 片面又は両面に金属箔の設けられた請求項1乃至4いずれか1項に記載のビルドアップ用プリプレグ。
  6. 片面または両面に回路形成面を有するコア層と、
    前記コア層の前記回路形成面に積層されたビルドアップ層と、
    を備え、
    前記ビルドアップ層は、請求項1乃至5いずれか1項記載のビルドアップ用プリプレグを硬化して形成したものである、積層板。
  7. 前記ビルドアップ用プリプレグが繊維基材を中心として相対的に厚い樹脂層と相対的に薄い樹脂層とを有し、
    前記厚い樹脂層が前記回路形成面に積層された、請求項6に記載の積層板。
  8. 請求項6又は7に記載の積層板と、
    前記積層板に実装された半導体素子と、
    を備える半導体装置。
  9. 片面又は両面に回路形成面を有するコア層の前記回路形成面に、加熱加圧下、ビルドアップ用プリプレグをラミネートするラミネート工程と、
    ラミネートした前記ビルドアップ用プリプレグの表面を平滑して積層板を得る平滑化工程と、
    を連続的に行う積層板の製造方法であって、
    前記ラミネート工程において、対向する一対の金属板で前記コア層と前記ビルドアップ用プリプレグとを挟んだ状態で加熱及び加圧し、
    前記平滑化工程において、対向する一対の板状弾性体で前記コア層と前記ビルドアップ用プリプレグを挟んだ状態で加熱および加圧し、
    前記ビルドアップ用プリプレグとして、請求項1乃至5いずれか1項に記載のビルドアップ用プリプレグを用いる、積層板の製造方法。
  10. 前記ビルドアップ用プリプレグがロール状に巻回積層されており、
    巻回積層されたビルドアップ用プリプレグを搬送するとともに、シート状の前記コア層を搬送し、前記ラミネート工程、及び、前記平滑化工程を連続的に行う、請求項9に記載の積層板の製造方法。
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