JP5547678B2 - 積層板の製造方法 - Google Patents
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Description
片面又は両面に回路形成面を有するコア層の前記回路形成面に、加熱加圧下、ビルドアップ用プリプレグをラミネートするラミネート工程と、
ラミネートした前記ビルドアップ用プリプレグの表面を平滑化して積層板を得る平滑化工程と、
を連続的に行う積層板の製造方法であって、
前記ラミネート工程において、対向する一対の金属板で前記コア層と前記ビルドアップ用プリプレグとを挟んだ状態で加熱及び加圧し、
前記平滑化工程において、対向する一対の板状弾性体で前記コア層と前記ビルドアップ用プリプレグを挟んだ状態で加熱および加圧し、
前記ビルドアップ用プリプレグとして、ガラス織布と、前記ガラス織布の両面に設けられ、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(ポリフェニレンエーテル及び相互侵入ポリマー網目構造の樹脂を除く。)を含有する樹脂層とを備えたビルドアップ用プリプレグであって、
IPC−TM−650 Method 2.3.17に準拠し、171±3℃、1380±70kPaの条件で5分間加熱加圧して測定された樹脂流れが、15重量%以上50重量%以下であり、
対向する一対のゴム板で、200mm×200mmにカットした該プリプレグを挟んだ状態で、120℃、2.5MPaの条件下に60秒加熱及び加圧したとき、平面視で前記ガラス織布の外縁からはみ出る前記樹脂層の重量が、前記樹脂層の全体に対して、5重量%以下であり、前記ゴム板が下記(i)〜(iii)を満たし、ロール状に巻回積層されたビルドアップ用プリプレグを用いる、積層板の製造方法が提供される。
(i)JIS K 6253 Aに準拠して測定したゴム硬度が60°
(ii)厚み3mm
(iii)材質がシリコン
図1は、本発明のプリプレグの一例を示す図である。プリプレグ1は、繊維基材2と、繊維基材2の両面に設けられた樹脂層3、4とを備える。プリプレグ1は、繊維基材2に樹脂組成物を含浸させて形成することができる。以下、プリプレグ1に用いられる樹脂組成物Pについて説明するが、樹脂層3、4を構成する樹脂組成物は、互いに同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
また、ロール状に巻き取られたシート状繊維基材2をロールにより連続的に搬送し、樹脂ワニスVへ含浸及び乾燥を行うことで、ロール状に巻回積層されたプリプレグ1を製造してもよい。
つづいて、プリプレグ1を用いた積層板について説明する。この積層板は、片面又は両面に回路形成面を有するコア層と、コア層の回路形成面に積層されたビルドアップ層と、を備える。ビルドアップ層は、上記のプリプレグ1を硬化して形成したものである。
次に、半導体装置について説明する。
この半導体装置は、上記の積層板に半導体素子を実装し、製造することができる。半導体素子の実装方法、封止方法は特に限定されない。例えば、次のような方法で製造することができる。
実施例及び比較例及において用いた原材料は以下の通りである。
無機充填材:球状シリカ(アドマテックス社製SO−25R,平均粒径0.5μm)
エポキシ樹脂:ビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製NC−3000)
エポキシ樹脂:ジシクロペンタジエン型ノボラックエポキシ樹脂(DIC社製、HP−7200L、HP−7200)
シアネート樹脂:ノボラック型シアネート樹脂(LONZA社製Primaset PT−30)
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER−828)
エポキシ樹脂:ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER−807)
フェノール硬化剤:ノボラック型フェノール樹脂(DIC社製、TD−2090−60M、60%(w/v)MEK溶液)
フェノキシ樹脂:三菱化学社製、YX6954BH30、30%(w/v)MEK/アノン溶液)
ポリビニルアセタール樹脂:積水化学社製KS−10(水酸基25mol%)
硬化触媒:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製2E4MZ)
カップリング剤:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)
(1)ワニスの調製
エポキシ樹脂としてジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−7200)30重量部、ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製、jER807)3重量部、シアネート樹脂としてフェノールノボラック型シアネート樹脂(LONZA社製、PrimasetPT−30)14重量部、フェノキシ樹脂として三菱化学社製YX6954BH30を固形分換算で3重量部、硬化触媒としてイミダゾール(四国化成社製、2E4MZ)0.2重量部をメチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒で60分間撹拌し、溶解させた。さらにカップリング剤としてN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)0.1重量部と無機充填材として球状シリカ(アドマテックス社製SO−25R,平均粒径0.5μm)49.7重量部を添加して高速撹拌装置で10分撹拌し、固形分65%の樹脂ワニスを作製した。
(2)樹脂シートの作製
前記ワニスを厚さ36μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面に、コンマコーター装置を用いて塗工し、これを160℃の乾燥装置で3分間乾燥し、基材付き樹脂シートを形成した。
樹脂厚みは22μm(樹脂シート1)および13μm(樹脂シート2)の2種類の樹脂シートを作製した。
(3)プリプレグの作製
繊維基材としてガラス織布(ユニチカ社製、クロスタイプ♯1017、幅530mm、厚さ15μm、坪量12g/m2)を用い、真空ラミネート装置および熱風乾燥装置によりプリプレグを製造した。
具体的には、ガラス織布の両面に前記樹脂シート1および樹脂シート2がガラス織布の幅方向の中心に位置するように、それぞれ重ね合わせ、0.1MPa(750Torr)の減圧条件下で、80℃のラミネートロールを用いて接合した。
ここで、ガラス織布の幅方向寸法の内側領域においては、樹脂シート1および樹脂シート2の樹脂層を繊維布の両面側にそれぞれ接合するとともに、ガラス織布の幅方向寸法の外側領域においては、樹脂シート1および樹脂シート2の樹脂層同士を接合した。
次いで、上記接合したものを、120℃に設定した横搬送型の熱風乾燥装置内を2分間通すことによって、圧力を作用させることなく加熱処理して、厚さ40μm(T1:17μm、繊維基材:15μm、T2:8μm)のプリプレグを得た。
(1)ワニスの調製
実施例1と同様に調製した。
(2)樹脂シートの作製
基材上の樹脂厚みを20.5μm(樹脂シート1)と13.5μm(樹脂シート2)に変えた以外は実施例1と同様に作製した。
(3)プリプレグの作製
ガラス織布をクロスタイプ#1015(幅530mm、厚さ17μm、坪量15g/m2)に変えた以外は実施例1と同様に作製した。
樹脂組成物を表1に示す樹脂組成に変えた以外は実施例1と同様にワニス、樹脂シート、プリプレグを作製した。
(1)ワニスの調製
樹脂組成物を表1に示す樹脂組成に変えた以外は実施例1と同様に調製した。
(2)樹脂シートの作製
基材上の樹脂厚みを樹脂シート1、2ともに16μmに変えた以外は実施例1と同様に作製した。
(3)プリプレグの作製
ガラス織布をクロスタイプ#1027(幅530mm、厚さ20μm、坪量20g/m2)に変えた以外は実施例1と同様に作製した。
樹脂組成物を表1に示す樹脂組成に変えた以外は実施例1と同様にワニス、樹脂シート、プリプレグを作製した。
実施例1〜4、又は、比較例1、2のプリプレグを用いてIPC−TM−650 Method 2.3.17に準拠して測定した。すなわち、図2で示すように、実施例1〜4、又は、比較例1、2のプリプレグを102mm×102mmの正方形にカットし、これを4枚重ね、重量(W0(g))を測定した。そして、プリプレグの最外層の両面には、離型フィルム(製品名:セパニウム20M2C−S、製造元:サン・アルミニウム工業株式会社、サイズ:200mm×240mm)を両面に貼り付けた(図2(a))。その後、2枚のSUS板の間にプリプレグを配置して、171℃、1.38MPaに加熱加圧して、5分間熱板プレスした(図2(b))。ついで、離型フィルムを剥離し、プリプレグの積層方向が高さ方向となるよう径81mmの円柱状にプリプレグを切り抜き(図2(c))、得られた円柱状のプリプレグの重量(W2(g))を測定した。式(1)から樹脂流れを求めた。結果を表1に示す。なお、式(1)中、%は、重量%である。表1中、「樹脂流れ(IPC−TM−650)(重量%)」の行で結果を示す。
200mm×200mmにカットした実施例1〜4、又は、比較例1、2のプリプレグをニチゴ―・モートン(株)製CVP300のホットプレス装置を用いてプレスし、樹脂はみ出し量を測定した。具体的には、このホットプレス装置の2つの熱板(SUS1.5mm)に挟まれた2枚のゴム板の間に上記実施例又は比較例のプリプレグを戴置し、120℃、2.5MPaの条件で、60秒プレスした。ゴム板は、JIS K 6253 Aに準拠して測定したゴム硬度が60°であり、厚みが3mmのシリコンゴムとした。結果を表1に示す。なお、表1中、「樹脂流れ(ゴム板)(重量%)」の行で結果を示す。
1.積層板の製造
ニチゴ―・モートン(株)製の2ステージビルドアップラミネーターCVP300を用いて、実施例1〜4、比較例1、2のPET基材付きプリプレグから積層板を製造した。具体的には、厚み200μmのELC−4785GS−B(住友ベークライト社製、銅箔12μm)を用いて、ドリル機で所定のところを開孔して、無電解めっきにより、導通を図り、銅箔をエッチングして回路形成面を有するコア層を作製した。また、実施例1〜4、比較例1、2のプリプレグを枚葉にカットし、上記CVP300にセットして上記コア層に仮付けし、真空ラミネーター内で120℃、0.7MPa、1分間真空ラミネーションを行い、その後、160℃、0.55MPa、2分間ホットプレスして平滑化した。その後、170℃で硬化した。
積層板の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、回路間に樹脂が埋め込まれているかを確認した。回路間に樹脂が埋め込まれているものを合格とし、回路間にボイド残りがあり、埋め込み不十分なものを不合格とした。結果を表1に示す。表1中、合格は、○とし、不合格は、×で示す。
積層板の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、隣接した、銅配線の有る部分と無い部分との厚み差を測定した。
n=10で厚み差を測定し、平均0.8μm未満のものを合格とし、平均0.8μm以上のものを不合格とした。結果を表1に示す。表1中、合格は、○とし、不合格は、×で示す。
2 繊維基材
3 樹脂層
4 樹脂層
5 繊維基材の厚み方向の中心
6 プリプレグの厚み方向の中心
S1 第一の面
S2 第二の面
Claims (5)
- 片面又は両面に回路形成面を有するコア層の前記回路形成面に、加熱加圧下、ビルドアップ用プリプレグをラミネートするラミネート工程と、
ラミネートした前記ビルドアップ用プリプレグの表面を平滑化して積層板を得る平滑化工程と、
を連続的に行う積層板の製造方法であって、
前記ラミネート工程において、対向する一対の金属板で前記コア層と前記ビルドアップ用プリプレグとを挟んだ状態で加熱及び加圧し、
前記平滑化工程において、対向する一対の板状弾性体で前記コア層と前記ビルドアップ用プリプレグを挟んだ状態で加熱および加圧し、
前記ビルドアップ用プリプレグとして、ガラス織布と、前記ガラス織布の両面に設けられ、エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂(ポリフェニレンエーテル及び相互侵入ポリマー網目構造の樹脂を除く。)を含有する樹脂層とを備えたビルドアップ用プリプレグであって、
IPC−TM−650 Method 2.3.17に準拠し、171±3℃、1380±70kPaの条件で5分間加熱加圧して測定された樹脂流れが、15重量%以上50重量%以下であり、
対向する一対のゴム板で、200mm×200mmにカットした該プリプレグを挟んだ状態で、120℃、2.5MPaの条件下に60秒加熱及び加圧したとき、平面視で前記ガラス織布の外縁からはみ出る前記樹脂層の重量が、前記樹脂層の全体に対して、5重量%以下であり、前記ゴム板が下記(i)〜(iii)を満たし、ロール状に巻回積層されたビルドアップ用プリプレグを用いる、積層板の製造方法。
(i)JIS K 6253 Aに準拠して測定したゴム硬度が60°
(ii)厚み3mm
(iii)材質がシリコン - 前記ビルドアップ用プリプレグとして、片面又は両面に支持基材が設けられ、前記支持基材が介在した状態で巻回積層されたものを用いる、請求項1に記載の積層板の製造方法。
- 前記ビルドアップ用プリプレグとして、前記ガラス織布を中心として相対的に厚い樹脂層と相対的に薄い樹脂層とを有するものを用いる、請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
- 前記ビルドアップ用プリプレグとして、片面又は両面に金属箔の設けられたものを用いる、請求項1乃至3いずれか1項に記載の積層板の製造方法。
- 巻回積層された前記ビルドアップ用プリプレグを搬送するとともに、シート状の前記コア層を搬送し、前記ラミネート工程、及び、前記平滑化工程を連続的に行う、請求項1乃至4いずれか1項に記載の積層板の製造方法。
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