JP2003338671A - 多層積層板及びこれを用いた多層プリント配線板 - Google Patents

多層積層板及びこれを用いた多層プリント配線板

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JP2003338671A
JP2003338671A JP2002148018A JP2002148018A JP2003338671A JP 2003338671 A JP2003338671 A JP 2003338671A JP 2002148018 A JP2002148018 A JP 2002148018A JP 2002148018 A JP2002148018 A JP 2002148018A JP 2003338671 A JP2003338671 A JP 2003338671A
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insulating layer
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Takashi Yamada
孝志 山田
Mitsuhiro Watanabe
充広 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度、耐熱性、接着強度、耐久性及び
寸法安定性が良好であるとともに、絶縁層を薄くして
も、絶縁信頼性が高く、配線の高密度化が可能な多層積
層板及びこれを用いた多層プリント配線板を提供する。 【解決手段】 絶縁層20を、高透磁性フィラーが含有
された高透磁性層22の両面に、低透磁性層21として
耐熱性フィルム21aと接着性樹脂層21bとを順次積
層させることで形成し、この絶縁層20の両面に回路を
形成した導体金属層10を積層し、多層プリント配線板
100Aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器、通
信機器などで使用される多層積層板及び多層プリント配
線板に関し、特に、インダクターを埋め込むのに最適な
多層積層板及び多層プリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器、特に携帯電話端末、モ
バイルコンピューターなどの携帯端末機器において、小
型化、薄型化、高密度化、及び高性能化が進んでおり、
今後、インターネットなどの各種メディアや通信を統合
した情報端末機器として、さらなる高性能化が要求され
ている。
【0003】一方、これらの電子機器において、メモリ
ーやCPUなど半導体素子の集積化が進み、性能は飛躍
的に向上しており、これに伴って半導体素子を実装する
ための半導体パッケージ及びプリント配線板の高密度化
が強く要求されている。さらに、パソコンのCPUの高
速化により、メモリーモジュールに対しても同様に信号
速度の高速化に対応することが必須となってきている。
ところが、信号が高速になると、デバイス間の境界部で
生じる信号の反射が雑音(ノイズ)となって伝送信号の
質を低下させてしまうという不具合があった。この不具
合を防ぐために、デバイス間の配線を短くすることで、
ノイズに強い配線レイアウトが必要とされている。
【0004】このような要求がなされる中、通常はプリ
ント配線板表層に配置される受動部品を、基板内部に埋
め込むことで、配線の自由度を向上させるとともに、高
密度化及び高速化を実現する技術が提案されている。こ
の手段を実現するために、受動部品そのものを基板内部
に埋め込む手段(第一の手段)と、絶縁以外の機能を付
加させた絶縁層及びその両面に積層した導体層からなる
構成体を受動部品として利用する手段(第二の手段)と
が知られている。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】ところで、上述した第
二の手段において、受動部品としてインダクターを形成
する場合には、透磁性を付加させた絶縁層と、この絶縁
層の両面に積層した導体層とからなる構成体が利用され
ている。しかしながら、インダクターとして十分なイン
ダクタンスを得るためには、絶縁層の透磁率を高くする
か、絶縁層の厚みを薄くして導体層間の距離を十分に近
づけることが必要とされている。
【0006】ここで、絶縁層の透磁率を高くするため
に、高透磁性材料であるフィラーを樹脂材料に分散させ
る方法をとると、その分散工程で導電性の異物が混入す
ることが実質的に避けられず、二つの導体層間における
絶縁信頼性が低下するという問題があった。また、高透
磁性材料は、金属や合金、或いは金属酸化物からなり、
その多くは導電性を有している。このため、高透磁性材
料であるフィラーの充填率を大きくすると、導体層間で
ショートが発生し、多層プリント配線板の製造時におけ
る収率が極めて低下してしまうという問題があった。
【0007】一方、絶縁層の厚みを薄くするという手段
をとると、導体層のコイルパターンが層間でショートし
てしまい、多層プリント配線板の製造時における収率が
極めて低下してしまうという問題があった。つまり、絶
縁層に透磁性を付加させたインダクター内蔵型多層プリ
ント配線板として、絶縁層の薄膜化、絶縁信頼性、及び
高透磁率を全て満たし、高いインダクタンスを有するも
のは未だ実現されていないのが現状である。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、配線の高密度化を実現するとともに、絶縁層の
薄膜化、絶縁信頼性、及び受動部品としての高性能化を
ともに実現することを可能とした多層積層板及びこれを
用いた多層プリント配線板を提供することを課題として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明者らが、鋭意検討を重ねた結果、絶縁
層を、高透磁性を有する高透磁性層と、この高透磁性層
の両面に積層され、機械強度及び絶縁性に優れた低透磁
性層と、から構成することで、上記課題を解決できるこ
とを見いだし、本発明をなすに至った。
【0010】すなわち、本発明の多層積層板は、少なく
とも二層の導体金属層が、絶縁層を介して積層されてな
る多層積層板であって、前記絶縁層は、高透磁性層と、
当該高透磁性層の両面に積層された低透磁性層とからな
ることを特徴としている。また、本発明の多層積層板に
おいて、前記絶縁層の厚さは、50μm以下となってい
ることが好ましい。
【0011】さらに、本発明の多層積層板において、前
記高透磁性層は、5重量%以上95重量%以下の高透磁
性フィラーが含有された接着性樹脂からなることが好ま
しい。さらに、本発明の多層積層板において、前記低透
磁性層は、耐熱性フィルムからなるようにしてもよい。
【0012】さらに、本発明の多層積層板において、前
記低透磁性層は、接着性樹脂層と耐熱性フィルムとから
なり、前記接着性樹脂層側が前記導体金属層と接着して
いるようにしてもよい。さらに、本発明の多層積層板に
おいて、前記耐熱性フィルムの厚みは、3μm以上9μ
m以下であることが好ましい。
【0013】さらに、本発明の多層積層板において、前
記耐熱性フィルムは、ガラス転移温度が200℃以上、
弾性率が2GPa以上、強度が200MPa以上である
樹脂から構成されていることが好ましい。さらに、本発
明の多層積層板において、前記樹脂は、芳香族ポリアミ
ド樹脂からなることが好ましい。
【0014】本発明の多層プリント配線板は、本発明の
多層積層板に対して、導体金属層が回路を構成してなる
ことを特徴としている。本発明の多層積層板によれば、
絶縁層を、高透磁性層と、この高透磁性層の両面に積層
された低透磁性層とから構成したことによって、高い透
磁率を確保することができるとともに、絶縁層を薄くし
ても導体金属層間の絶縁信頼性を十分に確保することが
可能となる。
【0015】すなわち、本発明の多層積層板によれば、
透磁性が付加された絶縁層と、この絶縁層の両面に積層
された導体金属層とからなる構成体をインダクターとし
て利用する場合、絶縁層を薄くしても、高いインダクタ
ンス及び高い絶縁信頼性を確保することが可能となる。
本発明の多層プリント配線板によれば、絶縁層を高透磁
性層と低透磁性層とから構成した本発明の多層積層板を
用いたことによって、配線の高密度化を実現するととも
に、絶縁層の薄膜化、絶縁信頼性、及び受動部品として
の高性能化をともに実現させることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。 (第一実施形態)図1は、本発明における多層プリント
配線板の第一実施形態に相当する断面図である。図2
は、本発明における多層プリント配線板に形成された回
路パターンの一構成例を示す平面図である。
【0017】本実施形態における多層プリント配線板1
00Aは、図1に示すように、二層の導体金属層10
と、その導体金属層10間に積層される絶縁層20とか
ら構成された多層積層板に対して、導体金属層10によ
って渦巻き状の回路が形成された構成を有している。ま
た、多層プリント配線板100Aに形成された渦巻き状
の回路の中央部には、両面に形成された導体金属層10
間を貫通するスルーホール(貫通孔)Hが形成されてお
り、このスルーホールHの内壁は導体金属層10と同様
の形成材料で覆われている。
【0018】この多層プリント配線板100Aは、導体
金属層10が導体を構成し、絶縁層20が磁極材を構成
したインダクターとして利用可能なインダクター内蔵型
多層プリント配線板100Aとなっている。絶縁層20
は、高透磁性層22と、この高透磁性層22の両面に積
層される低透磁性層21とから構成されており、その総
厚みは50μm以下となっている。特に、インダクタン
スを大きくするために、絶縁層20の総厚みを30μm
以下とするのが好ましい。
【0019】ここで、絶縁層20の総厚みが50μmよ
りも厚いと、インダクターの導体を構成する導体金属層
10間の距離が大きくなり、磁極材としての効果が失わ
れ、絶縁層の厚みが大きくなるにつれてインダクタンス
が低くなってしまうため好ましくない。高透磁性層22
は、接着性樹脂中に、5重量%以上95重量%以下の高
透磁性フィラーが含有されて構成されている。ここで、
高透磁性フィラーの含有濃度が5重量%以下であると、
十分なインダクタンスが得られないため好ましくない。
一方、高透磁性フィラーの含有濃度が95重量%以上と
なると、十分な相互インダクタンスは得られるが、高透
磁性層22全体が脆くなり、取り扱いが非常に困難にな
ってしまうため好ましくない。
【0020】高透磁性層22を構成する接着性樹脂は、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹
脂フッ素樹脂、或いはポリフェニレンエーテルなどを用
いることができる。特に、接着性、耐熱性、及びコスト
などのバランスを考慮し、エポキシ樹脂を用いることが
好ましい。このエポキシ樹脂の中でも、硬化剤などを含
有したエポキシ樹脂組成物を用いることがさらに好まし
い。
【0021】このようなエポキシ樹脂としては、例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、
ビフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型
エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールFノボラック型エポキシ樹脂、フェノールサリチ
ルアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂、シクロペンタ
ジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖
状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、
二官能フェノール類のグリシジルエーテル化物、二官能
アルコールのグリシジルエーテル化物、ポリフェノール
類のグリシジルエーテル化物、ヒダントイン型エポキシ
樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の多官能複素
環式エポキシ樹脂、及びそれらの水素添加物、ハロゲン
化物などが挙げられ、これらは単独或いは2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0022】また、エポキシ樹脂に含有される硬化剤と
しては、例えば、アミド系硬化剤(ジシアンジアミド、
脂肪族ポリアミンなど)、脂肪族アミン系硬化剤、(ト
リエチルアミン、ジエチルアミンなど)、芳香族アミン
系硬化剤(ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェ
ニルスルホン、メタフェニレンジアミンなど)、フェノ
ール系硬化剤(フェノールノボラック樹脂、クレゾール
ノボラック樹脂など)、イミダゾール系硬化剤(2-エチ
ル-4- メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾー
ル)、酸無水物系硬化剤(メチルヘキサヒドロフタル酸
無水物)などが挙げられ、これらは単独或いは2種以上
を組み合わせて用いることができる。
【0023】また、接着性樹脂は、互いの界面の接着強
度を維持するために、例えばエポキシ樹脂組成物として
は、エポキシポリマーの架橋点間の分子量、架橋密度の
調節、分子骨格の柔軟化、或いは第3成分の導入による
海島構造の形成などによって組成物の靱性を向上させた
ものを用いるのが好ましい。また、エラストマー成分や
熱可塑性ポリマーなどの添加剤を付与することもでき
る。
【0024】このようなエラストマー成分としては、両
末端にカルボキシル基やアミノ基を持つアクリロニトリ
ルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム、ニ
トリルゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブテン、フェ
ノール類付加ポリブタジエン化合物等の共役ジエン系ゴ
ム化合物や、ポリエチルビニルエーテル、エチレンビニ
ルエステルの加水分解共重合物、エチレン酢酸ビニルコ
ポリマー、エチレン酢酸ビニル無水マレイン酸グラフト
コポリマー、塩ビ酢ビ無水マレイン酸ターポリマー、ポ
リブチルアクリレートなどのビニル化合物を使用するこ
とができ、熱可塑性ポリマーとしてポリフェニレンオキ
サイド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポ
リアリルサルホン、ポリヒダントイン、ポリシロキサン
などが挙げられる。
【0025】さらに、接着性樹脂の硬化後のガラス転移
温度は、室温以上240℃以下程度のものが使用され
る。特に、表面実装用高密度配線板などに用いる場合に
は、半導体素子を実装する際の加熱プロセスにおいて、
熱変形の発生を防ぐため、ガラス転移温度が150℃以
上のものが好ましく用いられる。ここで、硬化後のガラ
ス転移温度を150℃以上とするためには、例えば、エ
ポキシ樹脂組成物を用いる場合、エポキシ樹脂、硬化剤
成分としての多官能成分或いは剛直成分の比率を高くす
ることによりエポキシ樹脂硬化物の架橋密度を高くした
り、分子鎖の剛直性を高めるなどの手段が用いられる。
【0026】さらに、接着性樹脂には、上記の成分に加
えて、硬化触媒や難燃剤のフィラーなどの添加剤を添加
することもできる。このような硬化触媒としては、例え
ば、イミダゾール類(2-メチルイミダゾール、2 −エチ
ル-4- メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、
1―ベンジル―2―メチルイミダゾール、1―ベンジル
―2―エチルイミダゾール、1―シアノエチル―2―メ
チルイミダゾール、1―シアノエチル―2―エチル―4
―メチルイミダゾール、1―メチル―2―エチルイミダ
ゾールもしくは1―イソブチル―2―メチルイミダゾー
ル等など)、三級アミン類(1,8-ジアザ- ビシクロ[5.
4.0] ウンデセン、トリエチレンジアミン、ベンジルジ
メチルアミンなど)、有機ホスフィン類(トリブチルホ
スフィン、トリフェニルホスフィンなど)、テトラフェ
ニルボロン塩(テトラフェニルホスホニウムテトラフェ
ニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニル
ボレートなど)、4級アンモニウム塩類(テトラエチル
アンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムク
ロライド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、ベ
ンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルト
リエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリブチル
アンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニ
ウムブロマイドもしくはフェニルトリメチルアンモニウ
ムクロライド)、三フッ化ホウ素モノメチルアミンなど
が挙げられ、これらは単独或いは2種以上を組み合わせ
て用いることができる。また、これらの硬化触媒の含有
量は、接着性樹脂組成物の固形分100重量部に対して
1重量部以下であることが好ましい。
【0027】高透磁性層22を構成する高透磁性フィラ
ーは、同じインダクタンスのインダクターをより小さい
面積で形成可能とするために、フェライトを用いること
が好ましい。低透磁性層21は、耐熱性フィルム21a
と、導体金属層10と接着される接着性樹脂層21bと
から構成された二層構造となっている。
【0028】低透磁性層21を構成する耐熱性フィルム
21aは、ガラス転移温度が200℃以上、弾性率が2
GPa以上、強度が200MPa以上の樹脂から構成さ
れている。ここで、弾性率、強度が上述の値よりも低い
と、耐熱性フィルム21aが接着する導体金属層10の
凸部で破られ、絶縁が取れなくなってしまうため、好ま
しくない。また、ガラス転移温度が上述の値よりも低い
と、導体金属層10と接着する場合におけるプレス加工
時の熱により、耐熱性フィルム21aが導体金属層10
の凸部で破られ、絶縁が確保できなくなってしまうた
め、好ましくない。上述の理由より、350℃未満の温
度で溶融及び分解しない樹脂から耐熱性フィルム21a
を構成することがさらに好ましい。
【0029】このような樹脂としては、芳香族ポリアミ
ド(以下アラミド樹脂)、芳香族ポリイミド(以下ポリ
イミド樹脂)、PBI(ポリパラベンゾビスイミダゾー
ル)、PBO(ポリパラベンゾビスオキサゾール)、P
BZ(ポリパラベンゾビスチアゾール)などが挙げられ
る。特に、上述の要求特性を余裕を持って満足するアラ
ミド樹脂を用いることが好ましい。
【0030】このようなアラミド樹脂は、実質的に下記
化1及び化2の繰り返し単位のうち、少なくとも一方で
構成されるものである。
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】ここで、Ar1 、Ar2 、Ar3 は少なく
とも1個の芳香環を含む基であり、互いに同一であって
もよいし、異なっていてもよい。このような基の代表例
として、下記の化3に示すものが挙げられる。
【0034】
【化3】
【0035】なお、化3の芳香環上の水素の一部が、ハ
ロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基などで
置換されているものも含む。また、Xは−O−、−CH
2 −、−SO2 −、−S−、−CO−などである。特
に、全ての芳香環の80モル%以上がパラ位にて結合さ
れているアラミド樹脂は、本発明に用いられる多層プリ
ント配線板100Aを製造する上で特に好ましい。
【0036】また、耐熱性フィルム21aを構成する樹
脂には、多層プリント配線板100Aの物性を損ねた
り、本発明の目的に反しない限り、易滑剤、染料や顔料
などの着色剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤、その
他添加剤や改質剤、或いはその他ポリマーなどが含まれ
ていてもよい。さらに、耐熱性フィルム21aの熱膨張
係数は、0〜15×10-6/℃であることが好ましい。
ここで、熱膨張係数が15×10-6/℃以上であると、
耐熱性フィルム21aを用いた多層プリント配線板10
0Aに半導体素子を実装する際、基板の熱膨張による寸
法変化が大きくなって、ボンディング精度が低下した
り、ボンディング後の温度変化による素子と基板の熱ス
トレスが大きく、クラックが発生しやすくなるなどの問
題が生じる恐れがある。特に、配線ピッチのさらなる精
細化に対応するためには、耐熱性フィルム21aの熱膨
張係数は、0〜7×10-6/℃であることがさらに好ま
しい。
【0037】さらに、耐熱性フィルム21aの熱収縮率
は、半導体素子の実装後における寸法精度を良好にする
ために、0.2%以下が好ましく、0.1%以下がさら
に好ましい。これらの耐熱性フィルム21aの特性は、
長尺方向及び幅方向のいずれにおいても満足される必要
がある。多層プリント配線板100Aの回路パターンに
よってはこれらが必ずしも同じである必要はないが、長
尺方向及び幅方向の特性ができる限り近い、いわゆるバ
ランスタイプの耐熱性フィルム21aが好ましい。
【0038】さらに、耐熱性フィルム21aの厚みは、
3μm以上9μm以下とするのが好ましい。ここで、耐
熱性フィルム21aの厚みを3μm未満とすると、十分
な絶縁を得るための強度が不十分となり、絶縁性が低下
するため、好ましくない。一方、耐熱性フィルム21a
の厚みを9μmを超えると、インダクターの導体として
機能する二層の導体金属層10間の距離が大きくなり、
十分な相互インダクタンスが得られなくなるため、好ま
しくない。
【0039】なお、耐熱性フィルム21aの製造方法
は、特に限定されるものではなく、それぞれの樹脂に適
した製造方法を採用すればよい。例えば、アラミド樹脂
については、有機溶剤に可溶のものであれば、溶剤中で
重合するか、又は、一旦ポリマーを単離した後再溶解す
るなどして溶液とし、次いで乾式法又は湿式法にて製膜
される。一方、ポリパラフェニレンテレフタルアミド
(以下、PPTAと称する)などの有機溶剤に難溶のも
のについては、濃硫酸などに溶解して溶液とし、次いで
乾湿式法又は湿式法にて製膜される。
【0040】湿式法では、溶液はダイから直接凝固液中
に押し出されるか、又は、乾式と同様に金属ドラムもし
くはエンドレスベルト上にキャストされた後に、凝固液
中に導かれ凝固される。そして、樹脂中残存する溶剤や
無機塩などを洗浄した後、延伸、乾燥、熱処理などの処
理が程される。このような耐熱性フィルム21aには、
高透磁性層22との接着性を向上させるために、プラズ
マ処理、コロナ処理などの表面処理を施してもよい。接
着力改良の効果、接着力の耐久性などを考慮すると、プ
ラズマ処理が特に好ましい。
【0041】プラズマ処理の方法としては、プラズマ放
電電極間を耐熱性フィルム21a1aが走行するように
した連続プラズマ処理装置が好ましく用いられる。この
ときの圧力は、真空〜大気圧近傍の圧力とする。プラズ
マ処理時に放電空間に供給する雰囲気ガスとしては、ア
ルゴン、キセノン、ネオン、クリプトンなどの不活性ガ
スや、窒素、酸素、水素、炭化水素系ガス、ケトン類、
アルコール類や、これらの混合物を使用することができ
る また、上記の表面処理に加えて、シランカップリング剤
による化学処理や、サンドブラスト、ウエットブラスト
処理などの物理的な粗化処理などの表面処理を併用する
ことも可能である。
【0042】低透磁性層21を構成する接着性樹脂層2
1bは、上述した高透磁性層22を構成する接着性樹脂
と同様の材料を用いることができる。導体金属層10
は、銅箔などの金属材料から構成され、例えば、図1に
示すように、導体金属層10の一部を除去することで必
要な回路が形成されている。次に、本実施形態における
多層プリント配線板100Aの製造方法について説明す
る。
【0043】図3は、本発明の多層プリント配線板の一
製造工程を示す断面図である。本実施形態における多層
プリント配線板100Aは、まず、図3に示すように、
絶縁層20の両面に導体金属層10を積層し、多層積層
板200を形成する。具体的には、まず、高透磁性層2
2の両面に、耐熱性フィルム21aと接着性樹脂層21
bとからなる低透磁性層21を、耐熱性フィルム21a
側が高透磁性層22側に位置するように積層し、加熱加
圧によって接着する。ここで、高透磁性層22の両面に
低透磁性層21が積層された絶縁層20を形成する。
【0044】なお、絶縁層20の形成方法としてはこれ
に限らず、例えば、高透磁性層22の両面に、低透磁性
層21を構成する耐熱性フィルム21aとなる樹脂材料
を溶剤に溶かしたワニスとして塗布し乾燥させ、さらに
この耐熱性フィルム21aの上面に接着性樹脂層21b
を同様に塗布し乾燥させ、絶縁層20を形成するように
してもよい。
【0045】そして、絶縁層20の両面に、導体金属層
10を接着することで、二層の導体金属層10が絶縁層
20を介して積層された多層積層板200を完成させ
る。具体的に、導体金属層10を絶縁層20に積層する
方法は、絶縁層20に直接積層する場合と、接着性樹脂
を介して絶縁層20に積層する場合とがある。ここで、
絶縁層20に直接積層する場合は、スパッタリング法、
蒸着、或いは無電解メッキ法などによって非常に薄い金
属層を形成した後に、電解メッキ法で導体金属層10の
厚みが20μm以上40μm以下となるように形成す
る。一方、接着性樹脂を介して絶縁層20に積層する場
合は、通常、銅箔が用いられる。この銅箔は、厚みが2
μm以上40μm以下で、表面粗さRzが0.2μm以
上10μm以下のものが用いられる。
【0046】次いで、この多層積層板の積層方向に貫通
するスルーホールHを、例えば、炭酸ガスレーザー、エ
キシマレーザー、YAGレーザーなどによって形成す
る。そして、公知のスルーホールプロセスによって処理
を行った後、スルーホールの内壁に、導体金属層10と
同様の金属層を形成する。次いで、導体金属層10の上
面に、回路を形成する部分のみを覆い、それ以外の部分
は露出した状態となるような回路パターンを、ドライフ
ィルムレジストの標準的な工程で形成する。そして、導
体金属層10のみを溶解可能なエッチング液を用いてエ
ッチングを行い、導体金属層10に回路パターンを形成
する。その後、導体金属層10の上面に形成されたドラ
イフィルムレジストを剥離する。
【0047】なお、回路を形成する方法としてはこれに
限らず、メッキによるアディチィブ法などによって形成
するようにしてもかまわない。このように、二層の導体
金属層10と、当該導体金属層10間に積層される絶縁
層20とからなる多層積層板200に対して、導体金属
層10に回路パターンが形成された多層プリント配線板
100Aを完成させることができる。
【0048】この多層プリント配線板100Aは、図1
の状態で利用してもよいが、必要に応じて、この図1で
示した多層プリント配線板100Aの最上面に、さらに
絶縁層20及び導体金属層10をビルドアップ層として
積層し、各導体金属層10間をスルーホール又はビアホ
ールによって導通させるようにして利用してもかまわな
い。
【0049】なお、多層プリント配線板100Aの製造
方法は、これに限らず、例えば片面の回路パターンを形
成しないままビルドアップ層を形成し、このビルドアッ
プ層の積層後、ビアホール穴あけ、パネルメッキを行っ
た後、上述の方法で回路パターンを形成するようにして
もよい。また、多層プリント配線板100Aに形成され
る回路パターンは、上述のように渦巻き状に限らず、そ
の他の形状としてもかまわない。
【0050】このように、本発明の多層プリント配線板
100Aによれば、絶縁層20を高透磁率を有する高透
磁性層22と、この高透磁性層22の両面に積層され、
機械的強度及び絶縁性に優れた低透磁性層21とから構
成したことによって、絶縁層20の薄膜化、絶縁信頼
性、並びに高透磁率のいずれも実現することが可能とな
る。
【0051】すなわち、絶縁層20を薄くしても、高透
磁率及び絶縁信頼性が確保でき、高いインダクタンスを
備えたインダクター内蔵型多層プリント配線板100A
を提供することができる。 (第二実施形態)図4は、本発明における多層プリント
配線板の第二実施形態に相当する断面図である。
【0052】本実施形態における多層プリント配線板1
00Bは、第一実施形態で示した多層プリント配線板1
00Aにおける低透磁性層21を耐熱性フィルム21a
のみで構成している。なお、この低透磁性層21以外の
構成は、第一実施形態で示した多層プリント配線板10
0Aと同様である。このように、本実施形態における多
層プリント配線板100Bによれば、第一実施形態と同
様の効果を得ることが可能となる。
【0053】
【実施例】次に、本発明の効果を、以下の実施例に基づ
いて検討する。 (実施例1)実施例1は、上述の第一実施形態と同様の
構成を有する。まず、高透磁率絶縁層用エポキシ系接着
剤プリプレグシートを作成する。
【0054】高透磁性フィラーとして、ソフトボンドマ
グネット用フェライト粉(戸田工業株式会社製、Ni−
Zn系KNS−415)93重量%と、接着性樹脂の接
着強度を維持するためのエラストマー成分として、ポリ
ブタジエン樹脂(商品名 B−3000)5重量%と、
接着性樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(商品名 エピコート828)1.5重量%と、接着性
樹脂の硬化剤として、1−(2−メタクリロイルオキシ
エチル)−2−メチルイミダゾール)0.25重量%と
を混合し、メチルエチルケトンに溶解してワニスを調製
した。そして、離型処理したPETフィルム上に、乾燥
後の厚みが25μmになるように塗工し、高透磁性層2
2として、フェライト粉を含む高透磁率エポキシ系接着
剤プリプレグシートを作成した。
【0055】次に、上述の高透磁率エポキシ系接着剤プ
リプレグシートの組成からソフトボンドマグネット用フ
ェライト粉のみを除いたワニスを調整した。その後、離
型処理したPETフィルム上に、乾燥後の厚みが6μm
になるよう塗工し、低透磁性層21を構成する接着性樹
脂層21bとして、低透磁率エポキシ系接着剤プリプレ
グシートを作成した。
【0056】次いで、耐熱性フィルム21aとしてアラ
ミドフィルム(旭化成株式会社製、アラミカ4.5R)
の片面に、厚さ6μmの低透磁率エポキシ接着材シート
を100℃でラミネートした後、さらにこの低透磁率エ
ポキシ接着材シートの上面に、導体金属層10として厚
さ12μの銅箔を100℃でラミネートし、導体金属層
−低透磁性層積層シートを形成した。
【0057】次いで、高透磁率エポキシ接着材シートの
両面に、導体金属層−低透磁性層積層シートを、低透磁
率エポキシ接着材シート側が高透磁率エポキシ接着材シ
ートと接着するように、100℃でラミネートした。そ
して、180℃、2MPa、60分の条件下、真空プレ
スによって加熱加圧した。この結果、銅箔と、低透磁率
エポキシ接着材シートと、アラミドフィルムと、高透磁
率エポキシ接着材シートと、アラミドフィルムと、低透
磁率エポキシ接着材シートと、銅箔とが順次積層された
多層積層板を形成した。この多層積層板における絶縁層
20の総厚みは、46μmであった。
【0058】次いで、多層積層板の中央に、3倍高調波
YAGレーザーを用いて、直径100μmのスルーホー
ルHを開けた。そして、通常のスルーホールメッキ工程
を利用して、デスミア処理、活性化処理、及び還元処理
を行った後、スルーホールHの内壁に、無電解メッキ法
で厚さ0.3μとなるように銅を形成し、さらに硫酸銅
メッキ法で厚さ10μmとなるように銅をメッキした。
【0059】次いで、多層積層板の両面に形成された導
体金属層10において、渦巻き状の回路形成予定部位は
覆い、それ以外の部分は露出した状態となるような回路
パターンを、ドライフィルムレジストの標準的な工程で
形成する。そして、エッチング装置でエッチングを行
い、最後にレジストを水酸化ナトリウムで除去して、多
層積層板の両面に導体金属層10からなる渦巻状コイル
回路が形成された多層プリント配線板100Aを完成さ
せた。
【0060】このように形成した多層プリント配線板1
00Aにおいて、周波数1MHzと10MHzでインピ
ーダンスを測定したところ、インダクタンスが2.5μ
H、直流抵抗が0.52Ωという結果を得た。また、J
IS−C6481に基づき試験片を作成し、温度20
℃、湿度65%で96時間処理し、絶縁抵抗を測定した
結果、1.5×1014Ωという結果を得た。次いで、温
度20℃、湿度65%で96時間処理後、煮沸水中にて
2時間処理した後、同様に測定を行った結果、5×10
12Ωであった。つまり、多層プリント配線板100Aに
おいて、高い絶縁信頼性が確認できた。 (実施例2)実施例2は、上述した第二実施形態と同様
の構成とした。
【0061】まず、耐熱性フィルム21aとして、アラ
ミドフィルム(アラミカ4.5R、旭化成株式会社製)
の片面に、導体金属層10として、銅を0.1μmの厚
みとなるようにスパッタリングし、低透磁性層−導体金
属層積層シートを形成した。次に、実施例1と同様の方
法で、高透磁性層22として、高透磁率エポキシ接着材
シートを、厚みが37μmとなるように形成した。そし
て、この高透磁率エポキシ接着材シートの両面に、低透
磁性層−導体金属層積層シートを、低透磁率エポキシ接
着材シート側が高透磁率エポキシ接着材シート側と接着
するように積層した。この状態で、180℃、2MP
a、60分の条件下、真空プレスによって加熱加圧し
た。この結果、銅箔と、アラミドフィルムと、高透磁率
エポキシ接着材シートと、アラミドフィルムと、銅箔と
が順次積層された多層積層板を形成した。この多層積層
板における絶縁層20の総厚みは、46μmであった。
【0062】次いで、実施例1と同様に、多層積層板の
中央にスルーホールを開け、スルーホールメッキ工程を
行った後、スルーホールHの内壁に、無電解メッキ法で
厚さ0.3μとなるように銅を形成し、さらに硫酸銅メ
ッキ法で厚さ22μmとなるように銅をメッキした。次
いで、実施例1と同様の工程を経て、多層プリント配線
板100Bを完成させた。
【0063】このように形成した多層プリント配線板1
00Bにおいて、周波数1MHzと10MHzでインピ
ーダンスを測定したところ、インダクタンスが5.5μ
H、直流抵抗が0.55Ωという結果を得た。また、実
施例1と同様の方法で絶縁信頼性を測定したところ、実
施例1と同様に、高い絶縁信頼性を確認することができ
た。 (比較例1)図5は、比較例1に相当する多層プリント
配線板の断面図である。なお、図5中、図1と同様の部
分は同様の符号とした。
【0064】まず、実施例1における多層プリント配線
板100Aにおいて、低透磁性層21として、低透磁率
エポキシ接着材シートを、厚み46μとなるように形成
した。そして、この低透磁率エポキシ接着材シートの両
面に、導体金属層10として、12μmの銅箔を積層
し、実施例1と同様の条件下で真空プレスによって加熱
加圧した。ここで、銅箔と、低透磁率エポキシ接着材シ
ートと、銅箔とが順次積層された多層積層板を形成し
た。
【0065】そして、実施例1と同様の工程を経て、多
層プリント配線板100Cを完成させた。このように形
成した多層プリント配線板100Cにおいて、周波数1
MHzと10MHzでインピーダンスを測定したとこ
ろ、インダクタンスが0.2μH、直流抵抗が0.51
Ωであった。また、実施例1と同様の方法で絶縁信頼性
を測定したところ、実施例1や実施例2と比べて、低い
絶縁信頼性が確認された。 (比較例2)図6は、比較例2に相当する多層プリント
配線板の断面図である。なお、図6中、図1と同様の部
分は同様の符号とした。
【0066】まず、実施例1における多層プリント配線
板100Aにおいて、高透磁性層22として、高透磁率
エポキシ接着材シートを、厚み46μとなるように形成
した。そして、この高透磁率エポキシ接着材シートの両
面に、導体金属層10として、12μmの銅箔を積層
し、実施例1と同様の条件下で真空プレスによって加熱
加圧した。ここで、銅箔と、高透磁率エポキシ接着材シ
ートと、銅箔とが順次積層された多層積層板を形成し
た。
【0067】そして、実施例1と同様の工程を経て、多
層プリント配線板100Dを完成させた。このように形
成した多層プリント配線板100Dにおいて、周波数1
MHzと10MHzでインピーダンスを測定したとこ
ろ、測定ができず、直流抵抗は0.01Ω以下であり両
面の銅箔間でショートしていた。
【0068】以上の結果より、絶縁層20を高透磁性層
22と、この高透磁性層22の両面に積層された低透磁
性層21とから構成した実施例1及び実施例2において
は、高い相互インダクタンス及び高い絶縁信頼性が得ら
れていたことが確認できた。特に、絶縁層20を構成す
る低透磁性層21を、アラミド樹脂からなる耐熱性フィ
ルム21aのみで構成した実施例2においては、特に高
い相互インダクタンスが得られていることが確認でき
た。
【0069】一方、絶縁層20を低透磁性層21のみで
構成した比較例1や、絶縁層20を高透磁性層22のみ
で構成した比較例2においては、いずれも適切な相互イ
ンダクタンスが得られず、且つ、絶縁信頼性も低いこと
が確認できた。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多層積層
板によれば、絶縁層を、高透磁性層と、この高透磁性層
の両面に積層された低透磁性層とから構成したことによ
って、配線の高密度化を実現するとともに、絶縁層の薄
膜化、絶縁信頼性、及び受動部品としての高性能化をと
もに実現することが可能となる。本発明の多層プリント
配線板によれば、本発明の多層積層板を用いることによ
って、配線の高密度化を実現するとともに、絶縁層の薄
膜化、絶縁信頼性、及び受動部品としての高性能化をと
もに実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における多層プリント配線板の第一実施
形態に相当する断面図である。
【図2】本発明における多層プリント配線板に形成され
た回路パターンの一構成例を示す平面図である。
【図3】本発明における多層プリント配線板の一製造工
程を示す断面図である。
【図4】本発明における多層プリント配線板の第二実施
形態に相当する断面図である。
【図5】比較例1に相当する多層プリント配線板の断面
図である。
【図6】比較例2に相当する多層プリント配線板の断面
図である。
【符号の説明】
10 導体金属層 20 絶縁層 21 低透磁性層 21a 耐熱性フィルム 21b 接着性樹脂層 22 高透磁性層 100 多層プリント配線板 200 多層積層板
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 充広 神奈川県横須賀市内川1丁目7番1号 株 式会社マルチ内 Fターム(参考) 4F100 AB01A AB01E AB17A AB17E AB33A AB33E AK01B AK01D AK01E AK47B AK47D AK53C AK53E AR00C BA05 BA06 BA10A BA10E BA13 CA23C DE01C DE01H GB43 JA05B JA05D JG01A JG01E JG04B JG04C JG04D JG10B JG10C JG10D JG10H JJ03B JJ03D JK01B JK01D JK07B JK07D JL11E YY00B YY00D 5E346 AA02 AA12 AA32 CC02 CC08 CC09 CC32 DD02 DD03 DD12 DD32 EE06 EE08 EE13 GG15 GG17 GG22 GG28 HH04 HH06 HH08 HH24 HH25 HH26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも二層の導体金属層が、絶縁層
    を介して積層されてなる多層積層板であって、 前記絶縁層は、高透磁性層と、当該高透磁性層の両面に
    積層された低透磁性層とからなることを特徴とする多層
    積層板。
  2. 【請求項2】 前記絶縁層の厚さは、50μm以下とな
    っていることを特徴とする請求項1に記載の多層積層
    板。
  3. 【請求項3】 前記高透磁性層は、5重量%以上95重
    量%以下の高透磁性フィラーが含有された接着性樹脂か
    らなることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層積
    層板。
  4. 【請求項4】 前記低透磁性層は、耐熱性フィルムから
    なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に
    記載の多層積層板。
  5. 【請求項5】 前記低透磁性層は、接着性樹脂層と耐熱
    性フィルムとからなり、前記接着性樹脂層側が前記導体
    金属層と接着していることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか一項に記載の多層積層板。
  6. 【請求項6】 前記耐熱性フィルムの厚みは、3μm以
    上9μm以下であることを特徴とする請求項4又は5に
    記載の多層積層板。
  7. 【請求項7】 前記耐熱性フィルムは、ガラス転移温度
    が200℃以上、弾性率が2GPa以上、強度が200
    MPa以上である樹脂から構成されていることを特徴と
    する請求項4乃至6のいずれか一項に記載の多層積層
    板。
  8. 【請求項8】 前記樹脂は、芳香族ポリアミド樹脂から
    なることを特徴とする請求項7に記載の多層積層板。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の
    多層積層板に対して、導体金属層が回路を構成してなる
    ことを特徴とする多層プリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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