JP2003335873A - 複合フィルムおよび粘着シート - Google Patents

複合フィルムおよび粘着シート

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JP2003335873A
JP2003335873A JP2002142435A JP2002142435A JP2003335873A JP 2003335873 A JP2003335873 A JP 2003335873A JP 2002142435 A JP2002142435 A JP 2002142435A JP 2002142435 A JP2002142435 A JP 2002142435A JP 2003335873 A JP2003335873 A JP 2003335873A
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film
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acrylate
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Hiroko Yamamoto
裕子 山本
Yoshihide Murakami
佳秀 村上
Yoshitoku Yoshida
良徳 吉田
Yohei Maeno
洋平 前野
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透湿度が高く、十分な強度を有し、応力緩和
性が良好で、かつ皮膚への追従性に優れた複合フィルム
を提供すること。 【解決手段】 複合フィルムは、ウレタンポリマーとラ
ジカル重合性系モノマーとを主成分とする混合物に、放
射線等の光を照射して硬化させてなるフィルムであっ
て、透湿度が500g/mm2以下である。ここで、複
合フィルムは、100%modが5N/mm2以上、1
5N/mm2以下であり、応力緩和時間が50秒以下で
あることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合フィルム、例
えば、ウレタン−アクリル複合フィルムおよびこのフィ
ルムを用いた粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】絆創膏等の医療用テープは、むれを防ぐ
ために透湿性を向上させるための研究が行われている。
医療用テープの基材として、例えば、塩化ビニル系フィ
ルムを使用すると、応力緩和性および強度に優れ、加工
性が良好であるが、透湿性がないので、フィルムに貫通
孔を付与して透湿性を向上させることが行われる。とこ
ろが、貫通孔を有する塩化ビニル系フィルムは、透湿性
のみならず透水性も高くなってしまい、また、環境保護
の観点からは非塩化ビニル系フィルムの使用が望まれ
る。粘着テープの基材として不織布を使用すると、透湿
性には優れるが、透水性も高くなり、強度も充分ではな
い。粘着テープの基材としてポリウレタンの使用が検討
されているが、十分な透湿性を有する組成の従来のポリ
ウレタンは、強度が不足し、取り扱いにくく、応力緩和
性に劣っており、医療用テープ等に要求される特性を満
たすものではなかった。ところで、ポリウレタンは、ポ
リオールやポリイソシアネートの種類などにより物性を
大きく変化させることができるので工業的に広く利用さ
れており、アクリル系ポリマーとポリウレタンの両ポリ
マーの特徴を生かした材料の開発が行われるようになっ
てきた。例えば特開平9−253964号公報には、エ
ステル・ジオールを主骨格とする2官能ウレタンアクリ
レートであるウレタンアクリレート系オリゴマーと、反
応性希釈モノマーとを放射線硬化させて得られる粘着テ
ープ用基材が開示されている。ここでは、ウレタンアク
リレート系オリゴマーに反応性希釈モノマーが付加し
て、架橋構造をとるため、得られたフィルムは強度の高
いフィルムとなるが、伸びや応力緩和性が低下し、皮膚
等への追従性や、加工性が低下するので、医療用テープ
等の粘着シートの基材としては満足するものではなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決すべくなされたものであり、本発明は十分な強度を
有し、応力緩和性が良好で、皮膚への追従性が良好であ
り、かつ、透湿性に優れた複合フィルムおよびこの複合
フィルムを用いた粘着シートを提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の複合フィルム
は、ウレタンポリマーとラジカル重合性モノマーとを主
成分とする混合物に、光を照射して硬化させてなる、透
湿度が500g/m2・24h以上であることを特徴と
する。ここで、照射する光は放射線であることが好まし
い。また照射する光は、近紫外領域から可視領域の波長
の光であることが好ましい。照射する光は、紫外線であ
ることが好ましい。また、上記複合フィルムは、さら
に、100%モジュラスが5N/mm2以上、15N/
mm2以下であり、応力緩和時間が50秒以下であるこ
とができる。また、ラジカル重合性モノマーは、アクリ
ル系モノマーであることができる。本発明の粘着シート
は、上記複合フィルムを支持体とし、この支持体の少な
くとも一方の面に粘着剤層を有することを特徴とする。
本発明の医療用テープは、上記粘着シートを用いて形成
することを特徴とする。本発明の絆創膏は、上記粘着シ
ートを用いて形成することを特徴とする。
【0005】本発明によれば、光照射によりフィルムを
形成することができるので、工程が簡易である。また、
溶剤等を必要とせず、環境保護の観点からも優れてい
る。また、乳化剤を使用することもないので、耐水性に
優れている。さらにまた、本発明によれば、ポリオー
ル、ポリイソシアネート、ラジカル重合性モノマーの種
類や混合量を選択することにより、任意の物性値の複合
フィルムが得られる。したがって、絆創膏等の医療用テ
ープやシート等の各種用途に適応しうるフィルム(本発
明において「フィルム」という場合には、シートを含
み、「シート」という場合には、フィルムを含む概念と
する)を提供することができる。本発明の複合フィルム
は、透湿性が良好であるので、例えば医療用テープとし
て人体等に使用した場合には、むれが少なく、貼着中、
不快感を与えない。また、皮膚への追従性も良好であ
り、例えば絆創膏として指等に貼着して屈曲運動をした
としても、剥がれ等を生じることがない。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の複合フィルムはウレタン
ポリマーとラジカル重合性モノマーとを主成分とする混
合物に放射線を照射して得られる複合フィルムであっ
て、この複合フィルムは、透湿度が500g/m2・2
4h以上である。ここで、透湿度とは、水蒸気が所定の
条件下でフィルム1m2当りを透過する量であり、所定
量の水を所定の口径を有する容器内部に入れた後、容器
の口をフィルムで覆い、温度40℃、相対湿度30%R
Hの条件下で24時間放置したときの水の減少量を1m
2当りに換算した値である。透湿度が高いほど、むれが
少ないフィルムであると言える。
【0007】また、本発明の複合フィルムは、100%
モジュラス(mod)が5N/mm 2以上、15N/m
2以下であり、応力緩和時間が50秒以下であること
が好ましい。ここで100%modとは、フィルムを1
00%伸張するのに必要な応力をいう。100%mod
が5N/mm2より小さいと、タックが生じたり、腰が
なくて扱い難いフィルムとなりやすい。一方、100%
modが15N/mm2より大きいと、皮膚への追従性
が低下しやすいので、ごわごわした触感で貼り付け感が
悪いフィルムとなる。したがって、本発明においては、
100%modが5N/mm2以上、15N/mm2以下
であることが望ましく、5N/mm2以上、10N/m
2以下であることが更に好ましい。また、応力緩和時
間とは、100%伸張状態を維持するときに、応力が最
初の値(100%伸張時の応力)の1/e(e=2.7
183)に減少するのに要する時間である。応力緩和時
間が短いほど応力緩和性が良い。
【0008】本発明においては、まずウレタンポリマー
を作製し、このウレタンポリマーとラジカル重合性モノ
マーとを混合して放射線などを照射し、重合させて、ウ
レタンポリマーとラジカル重合性ポリマーのハイブリッ
ド化された複合フィルムを製造する。ウレタンポリマー
は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得
られる。イソシアネートとポリオールの水酸基との反応
には、触媒を用いても良い。例えば、ジブチルすずジラ
ウレート、オクトエ酸すず、1,4−ジアザビシクロ
(2,2,2)オクタン等の、ウレタン反応において一
般的に使用される触媒を用いることができる。
【0009】ポリオールとしては、1分子中に2個また
はそれ以上の水酸基を有するものが望ましい。低分子の
ポリオールとしてはエチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコールなどの2価のアルコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリ
スリトールなどの3価または4価のアルコールなどが挙
げられる。また、高分子のポリオールとしてはポリエー
テルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポ
リオール、エポキシポリオールなどがある。これらの中
では、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ルが好ましい。ポリエ−テルポリオールとしてはポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールなどが挙げられる。ポリエステ
ルポリオールとしては前記の2価のアルコール、ジプロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアル
コールとアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの
2塩基酸との重縮合物が挙げられる。その他、ポリカプ
ロラクトンなどのラクトン系開環重合体ポリオールポリ
カーボネートジオールなどがある。アクリルポリオール
としてはヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基を
有するモノマーの共重合体の他、水酸基含有物とアクリ
ル系モノマーとの共重合体などが挙げられる。エポキシ
ポリオールとしてはアミン変性エポキシ樹脂などがあ
る。これらのポリオール類は単独あるいは併用して使用
することができる。強度を必要とする場合には、トリオ
ールによる架橋構造を導入したり、低分子量ジオールに
よるウレタンハードセグメント量を増加させると効果的
である。伸びを重視する場合には、分子量の大きなジオ
ールを単独で使用することが好ましい。また、ポリエー
テルポリオールは、一般的に、安価で耐水性が良好であ
り、ポリエステルポリオールは、強度が高い。本発明に
おいては、用途や目的に応じて、ポリオールの種類や量
を自由に選択することができ、また、ウレタン反応性、
アクリルとの相溶性などの観点からもポリオールの種
類、分子量や使用量を適宜選択することができる。
【0010】ポリイソシアネートとしては芳香族、脂肪
族、脂環族のジイソシアネート、これらのジイソシアネ
ートの二量体、三量体などが挙げられる。芳香族、脂肪
族、脂環族のジイソシアネートとしては、トリレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−
フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイ
ソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、
ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、
1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テト
ラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられ
る。また、これらの二量体、三量体や、ポリフェニルメ
タンポリイソシアネートが用いられる。三量体として
は、イソシアヌレート型、ビューレット型、アロファネ
ート型等が挙げられ、適宜、使用することができる。こ
れらのポリイソシアネート類は単独あるいは併用で使用
することができる。ウレタン反応性、アクリルとの相溶
性などの観点から、ポリイソシアネートの種類、組合せ
等を適宜選択すればよい。ポリオールとの速やかな反
応、および水との反応の抑制の観点からは、脂環族ジイ
ソシアネートを使用することが好ましい。
【0011】本発明において、ウレタンポリマーを形成
するためのポリオール成分とポリイソシアネート成分の
使用量は特に限定されるものではないが、例えば、ポリ
オール成分の使用量は、ポリイソシアネート成分に対
し、NCO/OH(当量比)が0.8以上であることが
好ましく、1以上であることがさらに好ましい。NCO
/OHが0.8未満では、ウレタンポリマーの分子鎖長
を充分に延ばすことができず、強度や、伸びが低下しや
すい。
【0012】ラジカル重合性モノマーとしては、ラジカ
ル重合可能な不飽和二重結合を有するものが使用され
る。反応性の点からは、アクリル系モノマーが好まし
い。本発明に好ましく用いられるラジカル重合性モノマ
ーとしては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタ
アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、n−ブチルメタアクリレート、2−エチルアクリレ
ート、i−オクチルアクリレート、i−ノニルアクリレ
ート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタク
リレート、t−ブチルアクリレート、i−ブチルメタク
リレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシル
メタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー
や、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレー
ト、ヒドロキシヘキシルアクリレート等のヒドロキシル
基を有するモノマーを用いることができる。また、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、マレイン酸のモノまたはジエス
テル、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、N、N−ジメチ
ルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノ
プロピリメタクリルアミド、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、オリゴエステルアクリレート、ε−カプロ
ラクトンアクリレート、モルホリンアクリレート、ジシ
クロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテ
ニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロドデカト
リエンアクリレート、メトキシエチルアクリレートなど
のモノマーを用いてもよい。本発明においては、必要に
応じて、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能
モノマーを架橋剤として用いてもよい。これらのモノマ
ーも、本発明に係るラジカル重合性モノマーに含まれ
る。
【0013】これらのラジカル重合性モノマーは、ウレ
タンとの相溶性、放射線等の光硬化時の重合性や、得ら
れる高分子量体の特性を考慮して、種類、組合せ、使用
量等が適宜決定される。
【0014】本発明の複合フィルムは、各成分の混合割
合を変えることにより、任意の物性値に設定することが
できるので、用途、目的に応じて、混合割合を選択す
る。本発明においては、必要に応じて、通常、フィルム
に通常使用される添加剤、例えば紫外線吸収剤、老化防
止剤、充填剤、顔料、着色剤、難燃剤、帯電防止剤など
を添加することができる。これらの添加剤は、その種類
に応じて通常の量で用いられる。これらの添加剤は、ポ
リイソシアネートとポリオールとの重合反応前に、あら
かじめ加えておいてもよいし、ウレタンポリマーと反応
性モノマーとを重合させる前に、添加してもよい。ま
た、塗工の粘度調整のため、少量の溶剤を加えてもよ
い。溶剤としては、通常使用される溶剤の中から適宜選
択することができるが、例えば、酢酸エチル、トルエ
ン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等が挙げられ
る。
【0015】本発明の複合フィルムは、ラジカル重合性
モノマー中でポリオールとイソシアネートの反応を行
い、ウレタンポリマーとラジカル重合性モノマーとの混
合物を、剥離処理した基材(剥離ライナー)上に塗布
し、光開始剤の種類等に応じて、可視光(近紫外領域も
含む)、紫外線や電子線等の放射線等を照射することに
より、光硬化して得られる。この際、酸素による重合阻
害を避けるために、剥離ライナー上に塗布したウレタン
ポリマーとラジカル重合性モノマーとの混合物の上に、
剥離処理したシートをのせて、酸素を遮断してもよい
し、不活性ガスを充填した容器内に剥離ライナーを入れ
て、酸素濃度を下げてもよい。紫外線などの照射量は、
要求されるフィルムの特性に応じて、任意に設定するこ
とができる。一般的には、紫外線の照射量は、100〜
5,000mJ/cm 2、好ましくは1,000〜4,
000mJ/cm2、更に好ましくは2,000〜3,
000mJ/cm2である。紫外線の照射量が100m
J/cm2より少ないと、十分な重合率が得られないこ
とがあり、5,000mJ/cm2より多いと、劣化の
原因となることがある。
【0016】ウレタンポリマーとラジカル重合性モノマ
ーとを主成分とする混合物には、光重合開始剤が含まれ
る。光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾイ
ンエーテル、アニソールメチルエーテルなどの置換ベン
ゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなど
の置換アセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシ
ル−フェニル−ケトン、2−メチル−2−ヒドロキシプ
ロピオフェノンなどの置換アルファーケトール、2−ナ
フタレンスルフォニルクロライドなどの芳香族スルフェ
ニルクロライド、1−フェニル−1,1−プロパンジオ
ン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどの
光活性オキシムが好ましく用いられる。
【0017】本発明の複合フィルムの厚みは、特に限定
されるものではなく、目的や用途に応じて、適宜設定す
ることができるが、一般的には、5〜500μm、好ま
しくは10〜200μm程度である。
【0018】本発明の複合フィルムは、そのままでも使
用することができるが、片面または両面に粘着剤層を形
成して粘着シートとすることもできる。粘着剤組成とし
ては特に限定されず、アクリル系、ゴム系等、一般的な
ものを使用することができる。粘着剤層の形成方法も特
に限定されるものではなく、複合フィルムに、溶剤系、
エマルジョン系の粘着剤を直接塗布し、乾燥する方法、
これらの粘着剤を剥離紙に塗布して、予め粘着剤層を形
成しておき、この粘着剤層を複合フィルムに貼り合わせ
る方法等を適用することができる。光硬化型粘着剤を複
合フィルムに塗布し、粘着剤層と、フィルムの両方に放
射線等の光を照射することにより、複合フィルムと粘着
剤層を同時に硬化させて、形成する方法も適用すること
ができる。なお、この場合には、粘着剤層と複合フィル
ム層は、多層構成となるように塗布することもできる。
本発明においては、この粘着シートを用いて、絆創膏等
の医療用テープを形成することができる。例えば、粘着
シートを適当な大きさに切断して絆創膏を形成したり、
粘着シートに他の基材等を組み合わせて固定用テープや
器具保持テープ等の医療用製品を形成することができ
る。
【0019】
【実施例】以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、以下の実施例において、部は重量部を意味する。 (実施例1)冷却管、温度計、および攪拌装置を備えた
反応容器に、アクリル系モノマーとして、イソボルニル
アクリレート49.7部、アクリル酸49.7部と、光
重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−
フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」、チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.1部
と、ポリオールとして、ポリオキシテトラメチレングリ
コール(分子量650、三菱化学(株)製)73.4部
と、ウレタン反応触媒として、ジブチルすずジラウレー
ト0.5部とを投入し、攪拌しながら、キシリレンジイ
ソシアネート26.6部を滴下し、65℃で2時間反応
させて、ウレタンポリマー−アクリル系モノマー混合物
を得た。なお、ポリイソシアネート成分とポリオール成
分の使用量は、NCO/OH(当量比)=1.25であ
った。ウレタンポリマー−アクリル系モノマー混合物
を、剥離処理したポリエステルフィルム(38μm厚)
上に、硬化後の厚みが70μmになるように塗布した。
これに、紫外線を2700mJ/cm2照射して硬化さ
せることにより、ウレタン−アクリル複合フィルムを作
製した。
【0020】(実施例2)実施例1において、ポリオー
ルの種類と使用量を、ポリカーボネートジオール(商品
名「ニッポラン164」、日本ポリウレタン工業(株)
製)75.5部に変更し、ポリイソシアネートの種類と
使用量を、水添メタンジフェニルジイソシアネート2
4.5部に変更した以外は実施例1と同様にして、ウレ
タン−アクリル複合フィルムを作製した。なお、ポリイ
ソシアネート成分とポリオール成分の使用量は、NCO
/OH(当量比)=1.25であった。
【0021】(実施例3)実施例1において、アクリル
系モノマーの種類と使用量を、t−ブチルアクリレート
75.5部、アクリル酸25部及びメトキシエチルアク
リレート75部に変更した以外は実施例1と同様にし
て、ウレタン−アクリル複合フィルムを作製した。な
お、ポリイソシアネート成分とポリオール成分の使用量
は、NCO/OH(当量比)=1.25であった。
【0022】(比較例1)実施例1において、アクリル
系モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレ
ート0.5部をさらに使用し、ポリオールとしてのポリ
テトラメチレングリコールと、ポリイソシアネートとし
てのキシリレンジイソシアネートを使用しなかった以外
は実施例1と同様にして、アクリルフィルムを作製し
た。
【0023】(比較例2)実施例1において、アクリル
系モノマーの種類と使用量を、アクリル酸100部に変
更した以外は実施例1と同様にして、ウレタン−アクリ
ル複合フィルムを作製した。
【0024】(比較例3)比較用フィルムとして、市販
のウレタンフィルム(商品名「DUS203H」、シー
ダム社製)を用意した。
【0025】(評価試験)実施例1〜3、比較例1〜3
で得られたフィルムについて、下記の試験を行った。 100%mod、破断伸度 20mm幅に切断したフィルムを、引張試験機として
「オートグラフAGS−50D型」(島津製作所製)を
用い、試験サンプルを、チャック間10mm、300m
m/分の引張り速度で引張試験を行い、応力−歪み曲線
を求めた。フィルムの100%伸張時における単位面積
当りの応力を100%modとして得た。 応力緩和時間 上記と同様のサンプルを、同じ装置を用いて、チャック
間10mm、300mm/分の引張り速度で引っ張り、
100%伸張時点で、引張試験機を止め、その後の応力
の変化を読み、100%伸張時点の応力に対して1/e
(e=2.7183)の応力に減少するまでに要する時
間を応力緩和時間とした。 透湿度 口径40mmのガラス容器に精製水20mlを入れ、ガ
ラス容器の口をサンプルで覆い、ガラス容器の口部分外
周に粘着テープを捲きつけて密封シールした。このガラ
ス容器の重量を測定した後これを、温度40℃、湿度3
0%RHの条件下で24時間保存した。24時間保存
後、ガラス容器の重量を測定して、保存前後の重量差か
ら、水蒸気が透過した量を求めた。この値からサンプル
の1m2当りの透湿量(透湿度)を算出した。 操作性、追従性、むれの評価 フィルムにアクリル系粘着剤(2−エチルヘキシルアク
リレート94部、アクリル酸6部、トリレンジイソシア
ネート5部からなる粘着剤)を、厚みが30μmとなる
ように塗布して粘着シートを作製した。この粘着シート
を、20mm×60mmの大きさに切断して絆創膏を作
成した。この絆創膏を、健康な男女6名の人差し指、中
指、薬指の第2関節に貼付し、この時の貼りつけ易さ
(操作性)、動き易さ(追従性)、むれの感覚につい
て、以下の基準に従い評価を行った。すなわち粘着シー
トの貼り付け易さ(操作性)について、きれいに貼付で
きた場合「○」、貼付しにくかった場合「△」、きちん
と貼付できなかった場合「×」の3段階で評価し、この
ときの各段階の人数を示した。また、貼着中の指の動き
易さ(追従性)について、指が動かし易かった場合
「○」、少し動き難い場合「△」、動き難い場合「×」
の3段階で評価し、このときの各段階の人数を示した。
貼着中のむれについては、貫通孔なしの塩化ビニル基材
の粘着テープを貼着し、これをむれの判断の基準とし
た。塩化ビニル基材のむれと比べてこれよりもむれない
場合「○」、基準となる塩化ビニル基材のむれと同等以
下である場合「×」の2段階で評価し、このときの人数
を示した。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかなように、本発明の実施例
1〜3のウレタン−アクリル複合フィルムは、透湿度が
高く、十分な操作性を有し、応力緩和性も良好で、皮膚
への追従性にも優れていることが分かった。また、実施
例1〜3のウレタン−アクリル複合フィルムは十分な強
度も有していた。比較例1では、フィルム化することが
できなかったので、100%mod、応力緩和時間、透
湿度等の評価試験をすることができなかった。比較例2
のフィルムは、100%modが15N/mm2を超え
ており、ごわごわした触感で皮膚への追従性に欠け、し
かも透湿度が低いので塩化ビニル基材と同等のむれを感
じた。比較例3のフィルムは、100%モジュラスが小
さくて操作性が悪く、かつ応力緩和時間が長く、追従性
にやや劣っていた。
【0028】なお、実施例1において、アクリル系モノ
マーの種類と使用量を、ブチルアクリレート99.4部
(Tg=−54℃)に変更した以外は実施例1と同様に
してフィルムを作成し、実施例1と同様の評価を行った
ところ、このフィルムは、応力緩和時間が50秒、透湿
度700g/m2・24hであり、追従性及びむれに関
しての評価は良好であった。ただし、100%modが
2N/mm2であったので、タックが発生しやすかっ
た。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、十分な強度を有し、透
湿度が高く、応力緩和性が良好で、かつ、皮膚への追従
性に優れた複合フィルムおよびこの複合フィルムを用い
た粘着シートを提供することができる。また、本発明に
よれば、さらに操作性が良好な複合フィルム及びこのフ
ィルムを用いた粘着シートを提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 7/02 C09J 201/00 4J040 201/00 C08L 51:08 // C08L 51:08 A61L 15/06 (72)発明者 吉田 良徳 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 前野 洋平 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4C081 AA03 AA12 BB01 BB02 BB07 BB08 CA011 CA081 CA211 CB031 DA02 DC11 4F071 AA32X AA53 AA77 AF08 AF14 AH19 BB02 BC01 4J004 AB01 CA06 4J011 PA95 PC02 QA03 4J026 AB02 BA27 DB06 DB36 GA08 4J040 JA09 JB09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタンポリマーとラジカル重合性モノ
    マーとを主成分とする混合物に、光を照射して硬化させ
    てなる、透湿度が500g/m2・24h以上であるこ
    とを特徴とする複合フィルム。
  2. 【請求項2】 前記照射する光が、放射線であることを
    特徴とする請求項1記載の複合フィルム。
  3. 【請求項3】 前記照射する光が、近紫外領域から可視
    領域の波長の光であることを特徴とする請求項1記載の
    複合フィルム。
  4. 【請求項4】 前記照射する光が、紫外線であることを
    特徴とする請求項1記載の複合フィルム。
  5. 【請求項5】 さらに、100%モジュラスが5N/m
    2以上、15N/mm2以下であり、応力緩和時間が5
    0秒以下であることを特徴とする請求項1から4のいず
    れか1項記載の複合フィルム。
  6. 【請求項6】 前記ラジカル重合性モノマーがアクリル
    系モノマーであることを特徴とする請求項1から5のい
    ずれか1項記載の複合フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の複合
    フィルムを支持体とし、該支持体の少なくとも一方の面
    に粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の粘着シートを用いて形成
    したことを特徴とする医療用テープ。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の粘着シートを用いて形成
    したことを特徴とする絆創膏。
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