JP2003334689A - ろう材箔、ろう材箔付熱交換チューブ、それを用いた熱交換器及びその製造方法 - Google Patents

ろう材箔、ろう材箔付熱交換チューブ、それを用いた熱交換器及びその製造方法

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JP2003334689A
JP2003334689A JP2002147587A JP2002147587A JP2003334689A JP 2003334689 A JP2003334689 A JP 2003334689A JP 2002147587 A JP2002147587 A JP 2002147587A JP 2002147587 A JP2002147587 A JP 2002147587A JP 2003334689 A JP2003334689 A JP 2003334689A
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JP2002147587A
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English (en)
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Hiroyuki Kawabata
博之 川畑
Masahiro Omori
将弘 大森
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ろう材の使用量を少なくできるとともに安定
したろう付性を発揮できるろう材箔、ろう付用材料、こ
のろう付用材料を用いたろう付品及びろう付品の製造方
法を提供し、さらには、熱交換チューブ、この熱交換チ
ューブを用いた熱交換器、及び熱交換器の製造方法を提
供する。 【解決手段】 図1に示す点A(Si:13質量%、Z
n:1質量%)、点B(Si:13質量%、Zn:50
質量%)、点C(Si:30質量%、Zn:50質量
%)、点D(Si:50質量%、Zn:30質量%)、
点E(Si:50質量%、Zn:1質量%)で囲まれる
範囲内のSi及びZnを含有し、残部がAl及び不純物
からなるろう材箔が表面に設けられているろう付用材料
である。前記ろう材箔はバインダを介して表面に付着さ
れているのが良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ろう付用材料、
このろう付用材料を用いたろう付品及びろう付品の製造
方法、さらには、例えば自動車用、家庭用、業務用のエ
アコンにおける凝縮器、蒸発器の他、ラジエータ等とし
て使用されるアルミニウムまたはアルミニウム合金製の
熱交換器に用いられる熱交換チューブ、この熱交換チュ
ーブを用いた熱交換器、及び熱交換器の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、カーエアコン用凝縮器等の熱交換
器として、熱交換チューブとコルゲートフィンとが交互
に積層配置された状態でろう付け一体化された熱交換器
コア部を有するものが周知である。
【0003】このような熱交換器の製造においては、外
面に亜鉛を溶射したアルミニウムまたはアルミニウム合
金製の熱交換チューブと、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金心材の両面にろう材をクラッドしたブレージン
グシートからなるフィンとを用い、これら熱交換チュー
ブとフィンとを交互に積層配置した状態にコア部組し、
ろう付けにより接合一体化することが、一般に行われて
いる。
【0004】また、最近では、ろう材をクラッドしない
ベアフィンと熱交換チューブを用い、粉末状のろう材を
塗布してろう付けする方法も提案されている(例えば特
開平10−323792号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ブ
レージングシートからなるフィンを用いたものでは、接
合部の面積が少ないにもかかわらず多量のろう材がクラ
ッドされているため、ろう材を無駄に消費し、材料コス
トの増大及び高重量化を来す恐れがある。
【0006】また、粉末ろう材を用いたものにおいて
は、そのろう付け性が粉末粒子径の均一性、塗布の均一
性に大きく影響されるため、実生産での制御に困難を来
す恐れがある。
【0007】このような欠点は、熱交換器だけでなく他
のろう付品のろう付接合においても同様に生じるもので
あった。
【0008】この発明は、このような技術的背景に鑑み
てなされたものであって、ろう材の使用量を少なくでき
るとともに安定したろう付性を発揮できるろう付用材
料、このろう付用材料を用いたろう付品及びろう付品の
製造方法を提供し、さらには、熱交換チューブ、この熱
交換チューブを用いた熱交換器、及び熱交換器の製造方
法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、発明者は鋭意研究し、この発明を完成し得たもので
ある。
【0010】即ち、この発明の一つは、図1に示す点A
(Si:13質量%、Zn:1質量%)、点B(Si:
13質量%、Zn:50質量%)、点C(Si:30質
量%、Zn:50質量%)、点D(Si:50質量%、
Zn:30質量%)、点E(Si:50質量%、Zn:
1質量%)で囲まれる範囲内のSi及びZnを含有し、
残部がAl及び不純物からなるろう材箔が表面に設けら
れているろう付用材料にある。
【0011】ろう付用材料の一例としては、自動車用、
家庭用、業務用のエアコンにおける凝縮器、蒸発器の
他、ラジエータ等として使用されるアルミニウムまたは
アルミニウム合金製の熱交換器に用いられる熱交換チュ
ーブを挙げることができる。
【0012】以下の説明においては、ろう付用材料が熱
交換チューブであり、ろう付品が熱交換器である場合を
例にとって説明するが、ろう付用材料、ろう付品の種類
はこれに限定されるものではない。
【0013】上記熱交換チューブの表面に設けられたろ
う材箔において、Si及びZnの含有量は、図1の点A
〜Eで囲まれた範囲内(各点を結ぶ線上を含む)に限定
される。図1は横軸にSi含有量を、縦軸にZn含有量
をとったものであり、各点の含有量は、点Aについては
Si:13質量%、Zn:1質量%、点BについてはS
i:13質量%、Zn:50質量%、点CについてはS
i:30質量%、Zn:50質量%、点DについてはS
i:50質量%、Zn:30質量%、点EについてはS
i:50質量%、Zn:1質量%である。
【0014】Siは箔をろう材として機能させるもので
あるが、13質量%未満の含有量では、ろう材箔の箔厚
が薄い場合にSiの絶対量が不足して十分なろう付が得
られにくくなる。一方、50質量%を超えると、脆性の
ためろう材箔を作製しにくくなる。
【0015】Znはろう付時の加熱により熱交換チュー
ブの表面に拡散して、犠牲防食のためのZn拡散層を形
成し、ろう付後の耐食性を向上させる役割を果たす。し
かし、1質量%未満の含有量ではZnの絶対量が不足し
て十分な耐食性が得られない。一方、50質量%を超え
るとZnの拡散集中が生じやすくなり、熱交換チューブ
に接合された他の接合部材であるフィンの剥がれの原因
ともなり、Znの均一拡散が困難となる。
【0016】Alはろう材箔の母材として含有されるも
のである。
【0017】また、点C、点D及び点F(Si:50質
量%、Zn:50質量%)を結ぶ線で囲まれた範囲内
(点C及び点Dを結ぶ線上を除く)では、Alの量が少
なすぎて、脆性のためろう材箔を作製しにくくなる。
【0018】特に好ましいSi、Znの含有量は、図1
で示す点G(Si:15質量%、Zn:5質量%)、点
H(Si:15質量%、Zn:40質量%)、点I(S
i:30質量%、Zn:40質量%)、点J(Si:3
0質量%、Zn:5質量%)で囲まれた範囲内(各点を
結ぶ線上を含む)の値である。
【0019】なお、熱交換チューブの材質は特に限定さ
れることはなく、各種のアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金等を用いればよいが、主としてJIS A100
0系合金が用いられることが多い。また、熱交換チュー
ブ以外のろう付用材料についても、各種アルミニウムま
たはアルミニウム合金等の中から用途との関係で適宜材
質を選択すればよい。
【0020】前記ろう材箔は熱交換チューブの全表面に
設けられる必要なく、フィンとの接合が必要な部位のみ
に設けられても良い。また、ろう材箔のろう付用材料へ
の付与方法は特に限定されることはないが、バインダ、
若しくはフラックスを含有したバインダを介して付着さ
れるのが、作業の簡易性、付着の確実性等の観点から望
ましい。バインダとしては、接合部の特性を低下させな
いでろう材箔と熱交換チューブを付着できるものであれ
ばよく、例えばホットメルト系、アクリル系、メタクリ
ル系、EVA系、ゴム系の樹脂や接着剤等が挙げられ
る。
【0021】またバインダには、所望によりフッ化物系
その他のろう付用フラックスを含有させても良い。この
場合、ろう付時に、ろう付用フラックスがろう付用材料
に既に存在することになり、新たなフラックスの供給が
不要となるかあるいは少なくてすむ。尚、本発明におい
て、バインダとフラックスの混合比やフラックスの種
別、バインダの種別は所望により任意に選択すればよ
く、限定されるものではない。
【0022】上記のろう材箔は、常法による箔の製造方
法と同じ方法によって製造しうるが、その厚みを1〜1
00μmとするのが望ましい。厚みが1μm未満では、
ろう材の組成にもよるが、ろう材量が少なすぎて十分な
ろう付を行うことができないおそれがある。一方、10
0μmを超えると、ろう材の組成にもよるが、ろう材量
が多すぎてエロージョンを助長するおそれがありZnの
均一拡散が困難となる。またコストアップにもなる。ろ
う材箔の特に好ましい厚みは7〜50μmであり、とり
わけ10〜30μmが好ましい。
【0023】次に、ろう付品の一例としての図2に示す
パラレルフロータイプの熱交換器の製造方法について説
明する。
【0024】図2において、1、2はヘッダー、3はア
ルミニウムまたはアルミニウム合金製の熱交換チュー
ブ、4はコルゲート状フィン、5は熱交換媒体の導入
口、6は熱交換媒体の導出口、8及び9はサイドプレー
ト、10は熱交換器コア部である。
【0025】まず、図3に示すように、厚さ方向の両面
にろう材箔11が付与された熱交換チューブ3を複数本
準備した後、これらの熱交換チューブ3の両端部を、ヘ
ッダー1,2の長さ方向に形成されたチューブ挿入孔に
挿入し、次いでコルゲート状フィン4を各熱交換チュー
ブ3、3間に組み付けて熱交換器コア部10を有する熱
交換器組立体を製作する。
【0026】ついで、必要に応じてフラックスを供給し
たのち加熱する。この加熱により、熱交換チューブ3の
表面のろう材箔11が溶融して、熱交換チューブ3とコ
ルゲート状フィン4とが良好にろう付接合される。同時
に、ろう材箔11中のZnが熱交換チューブ3の表層部
に均一に拡散してZn拡散層が形成され、このZn拡散
層により熱交換チューブ3自体の耐食性が向上し、ひい
ては熱交換器全体の耐食性が向上する。
【0027】しかも、従来のように、フィン4としてろ
う材をクラッドしたブレージングシートを用いなくても
良く、ろう材をクラッドしないベア材を用いることがで
きるから、ろう付品の重量減、コストダウンの効果が得
られる。
【0028】
【実施例】〈実施例1〉Si、Zn含有量を表1のよう
に各種に設定したAl−Si−Zn合金ろう材箔(箔厚
30μm)を用意した。一方、フッ化物系フラックスを
質量比で1:1の割合で混合したアクリル系接着剤をバ
インダとして用い、前記各ろう材箔を、熱交換チューブ
用基材としてのJIS A1100合金からなる縦40
mm×横60mm×厚さ2mmの板材の表面に接着し
た。
【0029】次に、前記ろう材箔付きの板材を、同じく
JIS A1100合金からなるコルゲート状フィンと
層状に組み合わせて、不活性雰囲気下で600℃×5m
inの加熱を行った。 〈実施例2〉Si、Zn含有量を表2のように各種に設
定したAl−Si−Zn合金ろう材箔(箔厚30μm)
を用意した。一方、フッ化物フラックスを質量比1:1
の割合で混合したEVA系接着剤をバインダとして用
い、前記各ろう材箔を、熱交換チューブ用基材としての
JIS A1100合金からなる縦40mm×横60m
m×厚さ2mmの板材の表面に接着した。
【0030】次に、前記ろう材箔付きの板材を、同じく
JIS A1100合金からなるコルゲート状フィンと
層状に組み合わせて、不活性雰囲気下で600℃×5m
inの加熱を行った。 〈実施例3〉表3に示すように、Al−20質量%Si
−30質量%Znのアルミニウム合金ろう材箔で箔厚を
1、5、10、20、30、70、100各μmに設定
したものを用意した。一方、フッ化物系フラックスを質
量比で1:1の割合で混合したホットメルト系接着剤を
バインダとして用い、前記各ろう材箔を、熱交換チュー
ブ用基材としてのJIS A1100合金からなる縦4
0mm×横60mm×厚さ2mmの板材の表面に接着し
た。
【0031】次に、前記ろう材箔付きの板材に、同じく
JIS A1100合金からなるコルゲート状フィンと
層状に組み合わせて、不活性雰囲気下で600℃×5m
inの加熱を行った。 〈比較例1〉Si、Zn含有量を表1のように各種に設
定したAl−Si−Zn合金ろう材箔(箔厚30μm)
を用意した。ただし、試料No19、21、23、2
5、27のものは、脆性のため箔そのものに成形するこ
とができなかった。
【0032】そして、Si含有量8質量%のろう材箔
を、板材の表面に接着し、さらにコルゲート状フィンと
組み合わせて加熱した。板材、バインダ、コルゲート状
フィン、コルゲート状フィンとの組み合わせ状態、加熱
条件は実施例1と同じとした。 〈比較例2〉Si、Zn含有量を表2のように各種に設
定したAl−Si−Zn合金ろう材箔(箔厚30μm)
を用意した。
【0033】そして、これらのろう材箔を、板材の表面
に接着し、さらにコルゲートフィンを組み合わせて加熱
した。板材、バインダ、コルゲートフィン、コルゲート
フィンとの組み合わせ状態、加熱条件は実施例2と同じ
とした。
【0034】以上により得た各ろう付品のサンプルにつ
き、以下のような評価を実施した。 〈評価方法1〉実施例1と比較例1についてろう付性を
調べた。ろう付性は、作製したサンプルにおいてフィン
の接合率が90%以上のものを◎、90%未満80%以
上のものを○、80%未満のものを×とした。 〈評価方法2〉実施例2と比較例2について腐食試験に
おけるフィン部の腐食と板材表面の腐食形態を調べた。
腐食試験としてはCASS試験1000時間を行った。
フィン部の腐食では、作製したサンプルのフィン剥がれ
率が30%以上のものを×とし、それ未満のものを○と
した。腐食形態では、作製したサンプルの板材表面の腐
食形態が孔食と面腐食のどちらであるか調べた。そし
て、フィン剥がれ率、腐食形態ともに極めて優れている
ものを◎、優れているものを○、フィン剥がれ率、腐食
形態のうちの少なくともいずれかが劣るものを×で評価
した。 〈評価方法3〉実施例3について拡散深さを調べた。拡
散深さは、作製したサンプルにおいて板材表面位置から
のZn拡散距離を各10点測定し、平均拡散深さ、最大
拡散深さを測定し、均一かつ良好に拡散しているものを
○、そうでないものを×とした。
【0035】以上の評価結果を表1〜3に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表1〜3の結果からわかるように、本発明
実施品はろう付性が良好で、ろう付後の耐食性にも優れ
ていることがわかる。
【0040】これに対し、Si含有量が本発明範囲の下
限値を下回る比較例1のNo18、20、22、24、
26は、ろう付性に問題があり、Si含有量が本発明範
囲の上限値を上回る比較例1のNo19、21、23及
びAlが不足するNo25、27は、前述の通り、ろう
材箔に成形できなかった。
【0041】また、Zn含有量が本発明範囲の下限値を
下回る比較例2のNo48、50、52、54は、腐食
形態が孔食を示し、耐食性に問題があり、Zn含有量が
本発明範囲の上限値を上回る比較例2のNo49、5
1、53、55は、フィン剥がれが発生した。これはZ
nの拡散集中によるものと考えられる。
【0042】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、良好で安
定したろう付性を発揮できるとともに、ろう材をクラッ
ドしたブレージングシートを用いなくても良いから、ろ
う材の使用量を少なくでき、ろう付品の重量減、コスト
ダウンの効果を得ることができる。しかも、ろう材箔中
のZnがろう付用材料の表面に拡散する結果、耐食性に
も優れたろう付品を提供できる。
【0043】請求項2に係る発明によれば、さらに良好
なろう付性、耐食性を発揮させることができる。
【0044】請求項3に係る発明によれば、ろう材箔の
厚みが1〜100μmであるから、ろう材量が少なすぎ
て十分なろう付を行うことができないとか、ろう材量が
多すぎてエロージョンを助長することもなく、良好なろ
う付を行うことができるとともに、Znを均一拡散させ
ることができる。
【0045】請求項4に係る発明によれば、良好で安定
したろう付性を発揮できるとともに、ろう材をクラッド
したブレージングシートを用いなくても良いから、ろう
材の使用量を少なくでき、ろう付品の重量減、コストダ
ウンの効果を得ることができる。しかも、ろう材箔中の
Znがろう付用材料の表面に拡散する結果、耐食性にも
優れたものとなし得る。
【0046】請求項5に係る発明によれば、さらに良好
なろう付性、耐食性を発揮させうるろう付材料となし得
る。
【0047】請求項6に係る発明によれば、ろう材箔が
バインダを介して表面に接着されているから、ろう材箔
を簡易にしかも確実にろう付用材料の表面に設けること
ができる。
【0048】請求項7に係る発明によれば、ろう材箔が
フラックスを含有したバインダを介して表面に接着され
ているから、ろう材箔を簡易にしかも確実にろう付用材
料の表面に設けることができるのに加えて、ろう付に際
してフラックスを別途供給する必要がなくなるか、ある
いは少ない供給量で済むから、ろう付作業の簡素化を図
ることができる。
【0049】請求項8に係る発明によれば、ろう材箔の
厚みが1〜100μmであるから、ろう材量が少なすぎ
て十分なろう付を行うことができないとか、ろう材量が
多すぎてエロージョンを助長することもなく、良好なろ
う付を行うことができるとともに、Znを均一拡散させ
ることができるろう付材料となし得る。
【0050】請求項9に係る発明によれば、ろう付用材
料と他の接合部材とが、ろう材の使用量を少なくして良
好に接合された、耐食性に優れたたろう付品となし得
る。
【0051】請求項10に係る発明によれば、ろう付用
材料と他の接合部材とが、ろう材の使用量を少なくして
良好に接合された、耐食性に優れたろう付品を製造でき
る。
【0052】請求項11に係る発明によれば、ろう付
性、耐食性にさらに優れたろう付品を製造できる。
【0053】請求項12に係る発明によれば、接合部材
の表面にバインダを介してろう材箔を接着するから、ろ
う材箔を簡易にしかも確実に接合部材の表面に設けるこ
とができ、ひいてはろう付品の製造工程を簡素化でき
る。
【0054】請求項13に係る発明によれば、接合部材
の表面にフラックスを含有したバインダを介してろう材
箔を接着するから、ろう材箔を簡易にしかも確実にろう
付用材料の表面に設けることができるのに加えて、ろう
付に際してフラックスを別途供給する必要がなくなる
か、あるいは少ない供給量で済むから、ろう付品の製造
工程を簡素化できる。
【0055】請求項14に係る発明によれば、良好で安
定したろう付性を発揮できるとともに、ろう材をクラッ
ドしたブレージングシートを用いなくても良いから、ろ
う材の使用量を少なくでき、熱交換器の重量減、コスト
ダウンの効果を得ることができる。しかも、ろう材箔中
のZnが熱交換チューブの表面に拡散する結果、耐食性
にも優れたものとなし得る。
【0056】請求項15に係る発明によれば、さらに良
好なろう付性、耐食性を発揮することができる。
【0057】請求項16に係る発明によれば、ろう材箔
がバインダを介して表面に接着されているから、ろう材
箔を簡易にしかも確実に熱交換チューブの表面に設ける
ことができる。
【0058】請求項17に係る発明によれば、ろう材箔
がフラックスを含有したバインダを介して表面に接着さ
れているから、ろう材箔を簡易にしかも確実に熱交換チ
ューブの表面に設けることができるのに加えて、ろう付
に際してフラックスを別途供給する必要がなくなるか、
あるいは少ない供給量で済むから、熱交換器の製造に際
してのろう付作業の簡素化を図ることができる。
【0059】請求項18に係る発明によれば、ろう材箔
の厚みが1〜100μmであるから、ろう材量が少なす
ぎて十分なろう付を行うことができないとか、ろう材量
が多すぎてエロージョンを助長することもなく、良好な
ろう付を行うことができるとともに、Znを均一拡散さ
せることができる。
【0060】請求項19に係る発明によれば、熱交換チ
ューブとフィンとが、ろう材の使用量を少なくして良好
に接合された、耐食性に優れた熱交換器となし得る。
【0061】請求項20に係る発明によれば、熱交換チ
ューブとフィンとが、ろう材の使用量を少なくして良好
に接合された、耐食性に優れた熱交換器を製造できる。
【0062】請求項21に係る発明によれば、ろう付
性、耐食性にさらに優れた熱交換器を製造できる。
【0063】請求項22に係る発明によれば、熱交換チ
ューブの表面にバインダを介してろう材箔を接着するか
ら、ろう材箔を簡易にしかも確実に熱交換チューブの表
面に設けることができ、ひいては熱交換器の製造工程を
簡素化できる。
【0064】請求項23に係る発明によれば、熱交換チ
ューブの表面にフラックスを含有したバインダを介して
ろう材箔を接着するから、ろう材箔を簡易にしかも確実
に熱交換チューブの表面に設けることができるのに加え
て、ろう付に際してフラックスを別途供給する必要がな
くなるか、あるいは少ない供給量で済むから、熱交換器
の製造工程を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ろう材箔におけるSiとZnとの含有量の関係
を示すグラフである。
【図2】この発明の一実施形態に係る熱交換器の正面図
である。
【図3】同じく熱交換器のコア部の要部を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
3・・・・・・熱交換チューブ(ろう付用材料) 4・・・・・・フィン 10・・・・・コア部 11・・・・・ろう材箔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 21/00 C22C 21/00 D J F28D 1/053 F28D 1/053 A Fターム(参考) 3L103 AA05 BB14 BB38 BB39 BB42 CC22 CC28 DD08 DD12 DD32 DD34 DD85

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図1に示す点A(Si:13質量%、Z
    n:1質量%)、点B(Si:13質量%、Zn:50
    質量%)、点C(Si:30質量%、Zn:50質量
    %)、点D(Si:50質量%、Zn:30質量%)、
    点E(Si:50質量%、Zn:1質量%)で囲まれる
    範囲内のSi及びZnを含有し、残部がAl及び不純物
    からなるろう材箔。
  2. 【請求項2】 ろう材箔におけるSi含有量が15〜3
    0質量%、Zn含有量が5〜40質量%である請求項1
    に記載のろう材箔。
  3. 【請求項3】 前記ろう材箔の厚みが1〜100μmで
    ある請求項1または2に記載のろう材箔。
  4. 【請求項4】 図1に示す点A(Si:13質量%、Z
    n:1質量%)、点B(Si:13質量%、Zn:50
    質量%)、点C(Si:30質量%、Zn:50質量
    %)、点D(Si:50質量%、Zn:30質量%)、
    点E(Si:50質量%、Zn:1質量%)で囲まれる
    範囲内のSi及びZnを含有し、残部がAl及び不純物
    からなるろう材箔が表面に設けられているろう付用材
    料。
  5. 【請求項5】 ろう材箔におけるSi含有量が15〜3
    0質量%、Zn含有量が5〜40質量%である請求項4
    に記載のろう付用材料。
  6. 【請求項6】 前記ろう材箔がバインダを介して表面に
    付着されている請求項4または5に記載のろう付用材
    料。
  7. 【請求項7】 前記ろう材箔がフラックスを含有したバ
    インダを介して表面に付着されている請求項4または5
    に記載のろう付用材料。
  8. 【請求項8】 前記ろう材箔の厚みが1〜100μmで
    ある請求項4〜7のいずれか1項に記載のろう付用材
    料。
  9. 【請求項9】 請求項4〜8のいずれか1項に記載のろ
    う付用材料と他の接合部材とが、前記ろう付用材料の表
    面のろう材箔を介してろう付されてなることを特徴とす
    るろう付品。
  10. 【請求項10】 図1に示す点A(Si:13質量%、
    Zn:1質量%)、点B(Si:13質量%、Zn:5
    0質量%)、点C(Si:30質量%、Zn:50質量
    %)、点D(Si:50質量%、Zn:30質量%)、
    点E(Si:50質量%、Zn:1質量%)で囲まれる
    範囲内のSi及びZnを含有し、残部がAl及び不純物
    からなるろう材箔を、接合部材の表面に設けてろう材箔
    付ろう付用材料を準備する工程と、前記ろう材箔付ろう
    付用材料と他の接合部材とを組み合わせて加熱すること
    により、前記ろう材箔を介して前記2つの接合部材をろ
    う付接合する工程と、を含むことを特徴とするろう付品
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 ろう材箔におけるSi含有量が15〜
    30質量%、Zn含有量が5〜40質量%である請求項
    10に記載のろう付品の製造方法。
  12. 【請求項12】 接合部材の表面にバインダを介してろ
    う材箔を付着する請求項10または11に記載のろう付
    品の製造方法。
  13. 【請求項13】 接合部材の表面にフラックスを含有し
    たバインダを介してろう材箔を付着する請求項10また
    は11に記載のろう付品の製造方法。
  14. 【請求項14】 図1に示す点A(Si:13質量%、
    Zn:1質量%)、点B(Si:13質量%、Zn:5
    0質量%)、点C(Si:30質量%、Zn:50質量
    %)、点D(Si:50質量%、Zn:30質量%)、
    点E(Si:50質量%、Zn:1質量%)で囲まれる
    範囲内のSi及びZnを含有し、残部がAl及び不純物
    からなるろう材箔が表面に設けられている熱交換チュー
    ブ。
  15. 【請求項15】 ろう材箔におけるSi含有量が15〜
    30質量%、Zn含有量が5〜40質量%である請求項
    14に記載の熱交換チューブ。
  16. 【請求項16】 前記ろう材箔がバインダを介して表面
    に付着されている請求項14または15に記載の熱交換
    チューブ。
  17. 【請求項17】 前記ろう材箔がフラックスを含有した
    バインダを介して表面に付着されている請求項14また
    は15に記載の熱交換チューブ。
  18. 【請求項18】 前記ろう材箔の厚みが1〜100μm
    である請求項14〜17のいずれか1項に記載の熱交換
    チューブ。
  19. 【請求項19】 請求項14〜18のいずれか1項に記
    載の熱交換チューブとフィンとが、前記熱交換チューブ
    の表面のろう材箔を介してろう付されてなることを特徴
    とする熱交換器。
  20. 【請求項20】 熱交換チューブの表面にフィンが接合
    されたコア部を有する熱交換器の製造方法であって、 図1に示す点A(Si:13質量%、Zn:1質量
    %)、点B(Si:13質量%、Zn:50質量%)、
    点C(Si:30質量%、Zn:50質量%)、点D
    (Si:50質量%、Zn:30質量%)、点E(S
    i:50質量%、Zn:1質量%)で囲まれる範囲内の
    Si及びZnを含有し、残部がAl及び不純物からなる
    ろう材箔を、前記熱交換チューブの表面に設けてろう材
    箔付熱交換チューブを準備する工程と、 前記ろう材箔付熱交換チューブと前記フィンとを組み合
    わせて加熱することにより、前記ろう材箔を介して前記
    熱交換チューブと前記フィンとをろう付接合する工程
    と、 を含むことを特徴とする熱交換器の製造方法。
  21. 【請求項21】 ろう材箔におけるSi含有量が15〜
    30質量%、Zn含有量が5〜40質量%である請求項
    20に記載の熱交換器の製造方法。
  22. 【請求項22】 熱交換チューブの表面にバインダを介
    してろう材箔を付着する請求項20または21に記載の
    熱交換器の製造方法。
  23. 【請求項23】 熱交換チューブの表面にフラックスを
    含有したバインダを介してろう材箔を付着する請求項2
    0または21に記載の熱交換器の製造方法。
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JP2011021859A (ja) * 2009-07-21 2011-02-03 Showa Denko Kk 熱交換器用チューブ
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