JP2003322819A - 板状部材の製造方法およびこれにより製造される回転多面鏡 - Google Patents

板状部材の製造方法およびこれにより製造される回転多面鏡

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転多面鏡のミラーブランクを製造する場
合、従来では材料歩留まりや生産効率が悪く、その生産
コストが嵩んでいた。 【解決手段】 本発明は、表裏面の少なくとも一方に凹
部を有すると共に外周が多角形状をなす複数の平坦面と
なった多角形板状部材を製造する方法であって、製造さ
れる多角形板状部材の外周輪郭形状とほぼ同一の外周輪
郭形状を有し、製造される多角形板状部材の最大板厚よ
りも薄い板厚の多角形板状素材を用意するステップと、
多角形板状素材の表裏面の少なくとも一方を凹部と対応
した所定形状に圧縮してこの表裏面の少なくとも一方の
残りの部分を圧縮方向と逆方向に流動させ、多角形板状
部材の表裏面および平坦面を成形するステップとを具え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定板厚の板状部
材から塑性加工によって板厚を部分的に増大させた多角
形板状部材または板状部材を製造する方法およびこれら
を後加工することによって製造される回転多面鏡に関す
る。
【0002】
【従来の技術】レーザビームプリンタなどの画像形成装
置にて用いられる金属製の回転多面鏡(ポリゴンミラ
ー)を製造する場合、外周面が鏡面加工機によって鏡面
加工される多角形の板材、すなわちミラーブランクを最
初に用意する必要がある。このようなミラーブランク
は、多角柱状の引抜材を丸鋸盤などを用いて所望の板厚
に切断したり、丸棒材を丸鋸盤などを用いて所望の板厚
に切断した後、これをプレス加工によって多角形に打ち
抜いたり、あるいは特開昭61−133920号公報や
特開平4−32815号公報に開示されているように、
金属製の圧延シート材からプレス加工にて打ち抜くこと
によって得られる。何れの場合も、後工程での仕上げ切
削代をできる限り少なくするため、極めて平滑な剪断面
が得られるファインブランキングプレス、すなわち静水
圧を利用した複動プレス装置によるプレス加工が行われ
る。
【0003】このようにして得られたミラーブランク
は、NC旋盤によって鏡面となる複数の外周面やモータ
軸嵌合穴などを切削加工し、必要に応じて焼鈍などの熱
処理を施して結晶粒径の均一化および残留応力の除去を
行った後、鏡面加工機によって外周面の仕上げ加工、つ
まり鏡面切削が行われる。あるいは、所望の板厚に切断
された円形の板材をプレス加工によって多角形状に打ち
抜く際に、モータ軸嵌合穴も同時に打ち抜き、その後、
精密フライス盤で外周面を修正加工すると共に精密旋盤
を用いて多角形状の板材の表裏両面およびモータ軸嵌合
穴を仕上げ、必要に応じて熱処理を施し、結晶粒径を均
一化すると共に加工歪みを除去した後、鏡面加工機によ
って外周面の鏡面切削が行われる。
【0004】金属製の圧延シート材からプレス加工にて
打ち抜かれた従来のミラーブランクの平面形状を図20
に示し、そのXXI−XXI矢視断面構造を図21に示す。す
なわち、輪郭形状が正六角形の板状をなすミラーブラン
ク1の中央には、モータ軸嵌合穴として仕上げ加工され
る中心穴2が形成され、外周にはそれぞれ鏡面加工され
る複数(図示例では6つ)の平坦面3が形成されてい
る。ミラーブランク1の外周側には、中心穴2に対して
同心状をなす傾斜段部4が形成され、この傾斜段部4よ
りも中心側の板厚が厚くなるように設定されている。こ
のようなミラーブランク1をファインブランキングプレ
スによって製造した場合、ミラーブランク1の傾斜段部
4よりも外周側の部分は塑性作用により圧縮されて薄肉
化され、中心穴2および平坦面3はそれぞれ剪断作用に
よって形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】丸棒材からすべて切削
加工によってミラーブランクを製造する従来の方法は、
大量の切粉が発生して原料に対する廃材の割合が多くな
りため、材料コストや加工時間が嵩み、製造コストが極
めて高価となる欠点がある。
【0006】丸棒材や多角柱状の引き抜き材を所望の板
厚に丸鋸盤などを用いて切断した後、これをプレス加工
によって成形する従来の方法も、切断に要する時間が嵩
む上、切断に用いられる鋸刃の厚みに応じた切粉が発生
して材料に対する廃材の割合が多くなり、すべて切削加
工する場合ほどではないけれども材料コストや加工時間
が嵩み、製造コストが高価となる欠点がある。
【0007】図20および図21に示すようなミラーブ
ランク1を圧延シート材からファインブランキングプレ
スにて製造する特開昭61−133920号公報や特開
平4−32815号公報に開示された従来の方法は、丸
棒材や多角形の引き抜き材を板状に切断する必要のある
上述した方法と比較すると、丸棒材や多角形の引き抜き
材を板状に切断するための工程を削減することができ
る。しかしながら、複動プレス装置の金型内に圧延シー
トを保持するための静水圧リングを組み込むスペース
や、金型内に圧延シートの位置決めを行うパイロット穴
を設けるスペースを確保しなければならず、その材料歩
留まりを50%以上にすることが難しく、前述した丸棒
材や多角形の引き抜き材を切断する場合よりも材料コス
トが嵩んでしまう欠点を有する。しかも、複動プレス装
置を使用する必要があることと相俟って設備コストが嵩
む上、通常の単動プレス装置を用いたものよりも生産効
率が低くなってしまう欠点を有する。
【0008】また、図21中の矢視XXII部を抽出拡大し
た図22に示すように、プレス加工によって平坦面3を
剪断成形した場合、ミラーブランク1の外周端縁にミラ
ーブランク1を構成する材料の一部が飛び出す「バリ」
5と、線状の稜が丸くつぶれた「ダレ」6とが必然的に
発生する。このうち、ダレ6は鏡面となる平坦面3の平
面度を損なうものであるので、これを除去するため、特
開平4−32815号公報に開示されているように、あ
らかじめミラーブランクの外周側の肉厚が厚めとなるよ
うにプレス成形しておき、しかる後、ミラーブランクの
外周部を切削加工によって所定の板厚まで削り落とし、
同時にダレの部分も削り落とす方法が提案されている。
【0009】しかしながら、この特開平4−32815
号公報に開示された方法は、プレス加工後にミラーブラ
ンクの外周側の板厚を薄く切削加工しなければならず、
ファインブランキングプレスに伴う材料歩留りの悪さを
さらに悪化させる原因となってしまう。
【0010】今日、回転多面鏡の主要な材料である高純
度アルミニウムにマグネシウムを3〜5%添加した合金
は、一般的なアルミニウム材料の3倍以上の材料単価を
有するため、材料歩留まりの悪さは、得られるミラーブ
ランクの製造コストダウンを図る上で最大の問題となっ
ており、何らかの改善が望まれている。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、ミラーブランクを製造
する際の材料歩留まりを飛躍的に改善し、生産効率が良
好で生産コストを低減させることができる板状部材の製
造方法およびこれによって製造される回転多面鏡を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の形態は、
表裏面の少なくとも一方に凹部を有すると共に外周が多
角形状をなす複数の平坦面となった多角形板状部材を製
造する方法であって、製造される多角形板状部材の外周
輪郭形状とほぼ同一の外周輪郭形状を有し、製造される
多角形板状部材の最大板厚よりも薄い板厚の多角形板状
素材を用意するステップと、前記多角形板状素材の表裏
面の少なくとも一方を前記凹部と対応した所定形状に圧
縮してこの表裏面の少なくとも一方の残りの部分を圧縮
方向と逆方向に流動させ、多角形板状部材の表裏面およ
び平坦面を成形するステップとを具えたことを特徴とす
るものである。
【0013】本発明の第2の形態は、表裏面の少なくと
も一方に凹部を有すると共にフランジ部を外周に有する
板状部材を製造する方法であって、製造される板状部材
の最大板厚よりも薄い板厚の板状素材を用意するステッ
プと、前記板状素材の表裏面の少なくとも一方を前記凹
部と対応した所定形状に圧縮してこの表裏面の少なくと
も一方の残りの部分を圧縮方向と逆方向に流動させ、板
状部材の板厚方向に沿った中間部分にフランジ部が形成
されるように、板状部材を成形するステップとを具えた
ことを特徴とするものである。
【0014】本発明の第3の形態は、本発明の第1の形
態による多角形板状部材の製造方法によって製造された
多角形板状部材または本発明の第2の形態による板状部
材の製造方法によって製造された板状部材を後加工する
ことによって製造された回転多面鏡にある。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第1の形態による多角形
板状部材の製造方法において、多角形板状部材が回転多
面鏡の中間加工製品であってよい。この場合、凹部が多
角形板状部材の中央部の円形領域およびこれを同心円状
に囲む環状領域に形成されているものであってよく、円
形領域に形成される凹部がモータ軸嵌合穴として後加工
され、環状領域に形成される凹部をバランス修正用ウエ
イト接着溝として用いることができる。
【0016】本発明の第2の形態による板状部材の製造
方法において、板状部材が多角形状をなす複数の平坦面
をさらに有し、フランジ部がこれら複数の平坦面から外
方に延在しているものであってよい。この場合、板状部
材が回転多面鏡の中間加工製品であり、凹部が板状部材
の中央部の円形領域およびこれを同心円状に囲む環状領
域に形成され、円形領域にある凹部が板状部材の表裏両
面に形成されるものであってよい。
【0017】
【実施例】本発明による板状部材の製造方法を六角形の
回転多面鏡に対応したミラーブランクに応用した実施例
について、図1〜図15を参照しながら詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例のみに限らず、これらをさ
らに組み合わせたり、この明細書の特許請求の範囲に記
載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正
が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の技術
にも当然応用することができる。
【0018】まず、本発明の対象となるミラーブランク
の一例の平面形状を図1に示し、そのII−II矢視断面構
造を図2に示す。すなわち、正六角形の板状をなすミラ
ーブランク10は、その外周にそれぞれ鏡面加工される
6つの平坦面11を有する。このミラーブランク10の
中央部には、円形のモータ軸嵌合穴12が形成されてお
り、さらにこのモータ軸嵌合穴12と同心状をなす環状
のバランス修正用ウエイト接着溝13が図示例では2
本、ミラーブランク10の一方の端面14側に形成され
ている。
【0019】このようなミラーブランク10を得るた
め、図3に示すような正六角形の板素材15をまず用意
する。この板素材15は、例えば図4に示すような所定
厚さの圧延シート材16をプレス加工することによっ
て、図中の二点鎖線で示すように3枚ずつ同時に打ち抜
くことができる。この場合、板素材15を打ち抜くこと
によって圧延シート材16に残る桟やキャリア17など
の廃材ができるだけ少なくなるように、板素材15の寸
法に応じて圧延シート材16の板幅寸法などを設定して
おくことが好ましい。また、この圧延シート材16の幅
方向両側縁部に沿ってあらかじめ位置決め用のパイロッ
ト穴18を形成しておき、このパイロット穴18を利用
して板素材15の打ち抜き位置を正確に設定することが
好ましい。本実施例では、桟無し打ち抜きを行っている
ため、ミラーブランク10の平坦面11となる外周面に
ダレ19やバリを左右非対称に有する板素材15が打ち
抜かれる。
【0020】圧延シート材16の厚み、つまり板素材1
5の厚みtは、上述したミラーブランク10の最大厚み
Tよりも薄いことが本発明の特徴の一つであり、後述す
る塑性流動を伴うミラーブランク10の成形加工を行っ
た場合、図2に示すような断面形状を持つミラーブラン
ク10が廃材を生ずることなく形成されるように、板素
材15の厚みtが適切に設定される。従って、板素材1
5の輪郭寸法は、ミラーブランク10の輪郭形状よりも
若干小さめでよいが、ミラーブランク10の輪郭形状
は、その平坦面11に対する超精密切削加工の仕上げ代
などを考慮して最終的な製品となる回転多面鏡の仕上げ
寸法よりも多少大きめに設定しておく必要がある。
【0021】板素材15は、上述したような圧延シート
材16からのプレス加工による打ち抜きの他に、図5に
示すような正六角柱の棒材20を所定の厚さtに切断す
ることによって得ることも可能である。ただし、この場
合には切削加工となるため、材料の歩留りや加工効率な
どが上述したプレス加工の場合よりも低下する可能性が
ある。
【0022】このようにして得られた板素材15を図6
に示すような金型内に装填し、密閉鍛造(閉塞鍛造)型
式でプレス加工を行う。この金型は、ミラーブランク1
0の一方の端面14に対応した形状の成形面21を有す
る六角柱状をなす溝パンチ22と、この溝パンチ22の
中央部を摺動自在に貫通してモータ軸嵌合穴12を形成
するための丸棒状をなす丸パンチ23と、ミラーブラン
ク10の他方の端面24に対応した形状の成形面25を
有する六角柱状をなす下型パンチ26と、ミラーブラン
ク10の平坦面11に対応した六角柱状のキャビティを
画成するダイ27とで主要部が構成されている。
【0023】板素材15は、型開き状態の下型パンチ2
6の上に載置され、図6に示すように丸パンチ23と下
型パンチ26とで板素材15を挟持した状態で型が閉じ
られ、加工が開始される。すなわち、図7に示すように
下型パンチ26がその上昇端まで上昇することにより、
丸パンチ23が板素材15の中央部に入り込み、板素材
15の中央部にモータ軸嵌合穴12の形成が始まる。こ
のようにして板素材15の中央部が圧縮を受けて塑性流
動を起こし、板素材15と溝パンチ22の成形面21と
の間の空隙に移動する。この状態から、溝パンチ22が
下型パンチ26側に移動してバランス修正用ウエイト接
着溝13の成形を始める。溝パンチ22の成形面21に
よって圧縮される板素材15は、この溝パンチ22の成
形面21との間に残された空隙に移動し、最終的に溝パ
ンチ22がその下降端まで移動することにより、板素材
15は溝パンチ22の成形面21と丸パンチ23と下型
パンチ26の成形面25とダイ27とで囲まれたキャビ
ティ、つまりミラーブランク10と対応した輪郭形状の
空隙内に充填された状態となって成形を終える。
【0024】このように、板素材15からミラーブラン
ク10への加工がニアネットシェイプ成形となるため、
回転多面鏡の反射面となるミラーブランク10の平坦面
11とその上下の両端面14,24とが交わる稜部にダ
レが発生しにくく、このダレを見込んでミラーブランク
10の外周側の板厚を厚く設定する必要がなく、材料コ
ストや後加工を最小限に抑えることができ、材料の歩留
まりを改善することも可能である。
【0025】板素材15の塑性流動は、その径方向外側
にも起こって板素材15の外周面に存在していたダレ1
9やバリの矯正も行われるが、主として圧縮方向と逆向
きの方向に発生し、これによって板素材15よりも板厚
の厚い部分を持つミラーブランク10を成形することが
できる。溝パンチ22の下降による最終的な成形工程
は、完全な閉塞鍛造となるため、溝パンチ22の下降端
位置およびその加圧力をインプロセスにてモニタリング
し、溝パンチ22が下降端に達する前に加圧力があらか
じめ設定した加圧力よりも高くなったり、あるいは溝パ
ンチ22が下降端に達してもその加圧力があらかじめ設
定した加圧力に到達していない場合には、成形不良と判
断するような制御を行うことが有効である。
【0026】しかる後、型開きを行って成形されたミラ
ーブランク10を下型パンチ26の上から取り出し、新
たな板素材15をこの下型パンチ26に載置して次の成
形作業を再開する。成形されたミラーブランク10は、
次工程にてモータ軸嵌合穴12が精密に打ち抜かれ、さ
らに平坦面11の修正切削加工などが行われた後、回転
多面鏡を製造するための最終的な鏡面仕上げ加工が行わ
れる。
【0027】上述した実施例では、最終製品である正六
角形の回転多面鏡の形状にほぼ対応した正六角形の板状
をなすミラーブランク10を製造する場合について説明
したが、材料の塑性流動に無理が生じないように、図9
に示すような余分なフランジ部28が平坦面11の周囲
に存在するミラーブランク29を製造する際にも本発明
を応用することができる。この場合、板素材30(図1
2参照)をほぼその板厚方向上下対称に加圧することに
より、フランジ部28がミラーブランク29の板厚の中
央部分に形成されるようにし、板素材30の反りや巻き
込み傷のない厚肉のミラーブランク29を得ることがで
きる。このようなミラーブランク29のフランジ部28
は、モータ軸嵌合穴12を打ち抜く際にこれと同時に平
坦面11から打ち抜き、この平坦面11の修正切削加工
などを行った後、回転多面鏡を製造するための最終的な
仕上げ加工を行えばよい。
【0028】かかるミラーブランク29を得るため、ま
ず正方形の板素材30を用意し、この板素材30の一方
の端面14に対して図10中の斜線で示す領域を圧縮す
ると同時に、他方の端面24の中央領域および外周領域
を同時に圧縮する。この成形状態を図11に示す。本実
施例の金型は、先の実施例に対し、下型パンチ26の中
央部を貫通する下型丸パンチ31をさらに具えており、
下型パンチ26の成形面25には正六角形の窪み32が
形成されている。
【0029】本実施例による板素材30の塑性流動過程
を図12〜図14に示す。図12は圧縮成形開始状態を
表し、図13はその成形途中を表し、図14は成形完了
時の状態を表している。
【0030】これに対し、板素材30の一方の端面14
側のみ圧縮成形した場合、この時の成形状態を図15に
示す。すなわち、板素材30の他方の端面24が平坦で
あって、この平坦な端面24からフランジ部28が延在
するような加工を行った場合、この時の板素材の塑性流
動過程を図16〜図19に示す。図16は圧縮成形開始
状態を表し、図17および図18はその成形途中を表す
が、板素材の他方の端面24側に反りが発生しているこ
とが理解されよう。また、図19は成形完了時の状態を
表しているが、上述した反りによって板素材30の他方
の端面24側に巻き込み傷33が発生している。
【0031】このように、板素材30をほぼその板厚方
向上下対称に加圧することにより、反りや巻き込み傷の
ない厚肉のミラーブランクを得ることができる。また、
圧延シート材から板素材30を板取りする際に、板素材
30の輪郭寸法をそれほど正確に設定する必要がない
上、圧延シート材の廃材をまったくなくすことができ
る。
【0032】
【発明の効果】本発明の多角形板状部材の製造方法によ
ると、製造される多角形板状部材の外周輪郭形状とほぼ
同一の外周輪郭形状を有し、製造される多角形板状部材
の最大板厚よりも薄い板厚の多角形板状素材の表裏面の
少なくとも一方を凹部と対応した所定形状に圧縮してこ
の表裏面の少なくとも一方の残りの部分を圧縮方向と逆
方向に流動させ、多角形板状部材の表裏面および平坦面
を成形するようにしたので、プレス加工の場合に発生す
る「ダレ」の部分を見込んで板厚を余分に厚く設定する
必要がなく、しかも加工に伴う廃材を実質的になくすこ
とができ、材料費を最小限に抑えることができる上、材
料歩留まりを大幅に改善することが可能となる。
【0033】多角形板状部材が回転多面鏡の中間加工製
品の場合には、その外周の平坦面を鏡面に仕上げるまで
の2次加工費を最小限に抑えることができる。特に、凹
部を多角形板状部材の中央部の円形領域およびこれを同
心円状に囲む環状領域に形成し、円形領域に形成される
凹部をモータ軸嵌合穴として後加工し、環状領域に形成
される凹部をバランス修正用ウエイト接着溝として用い
ることにより、2次加工に要する時間が短縮され、生産
効率を改善することができる。
【0034】本発明の板状部材の製造方法によると、製
造される板状部材の最大板厚よりも薄い板厚の板状素材
の表裏面の少なくとも一方を凹部と対応した所定形状に
圧縮してこの表裏面の少なくとも一方の残りの部分を圧
縮方向と逆方向に流動させ、板状部材の板厚方向に沿っ
た中間部分にフランジ部が形成されるように、板状部材
を成形するようにしたので、プレス加工の場合に発生す
る「ダレ」の部分を見込んで板厚を余分に厚く設定する
必要がなく、しかも材料欠陥のない高剛性の板状部材を
製造することができる。
【0035】板状部材が多角形状をなす複数の平坦面を
さらに有し、フランジ部がこれら複数の平坦面から外方
に延在している場合、特にこれを回転多面鏡の中間加工
製品として用い、凹部を板状部材の中央部の円形領域お
よびこれを同心円状に囲む環状領域に形成すると共に円
形領域にある凹部を板状部材の表裏両面に形成すること
により、環状領域に形成される凹部をバランス修正用ウ
エイト接着溝として用いることができ、円形領域に形成
された凹部をモータ軸嵌合穴として後加工すると共にフ
ランジ部を除去して平坦面を鏡面に仕上げるまでの2次
加工に要する時間が短縮され、生産効率を改善すること
ができる。
【0036】本発明の回転多面鏡によると、本発明の第
1の形態による多角形板状部材または本発明の第2の形
態による板状部材を後加工して製造するので、回転多面
鏡を効率よく生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる回転多面鏡の中間加工製品
としてのミラーブランクの一例を表す平面図である。
【図2】図1中のII−II矢視断面図である。
【図3】図1に示したミラーブランクに対応する板素材
の外観を表す斜視図である。
【図4】図3に示した板素材をシート材から打ち抜く場
合の一例を示す作業概念図である。
【図5】図3に示した板素材を正六角棒状材から切り出
す場合の一例を示す作業概念図である。
【図6】図7および図8と共に図1に示したミラーブラ
ンクの成形過程を表す作業概念図であり、成形開始直前
の状態を表す。
【図7】図6および図8と共に図1に示したミラーブラ
ンクの成形過程を表す作業概念図であり、成形途中の状
態を表す。
【図8】図6および図7と共に図1に示したミラーブラ
ンクの成形過程を表す作業概念図であり、成形完了の状
態を表す。
【図9】本発明の対象となる中間加工製品としてのミラ
ーブランクの他の一例の外観を表す斜視図である。
【図10】図9に示したミラーブランクを製造するため
の板素材に対する圧縮領域を表す平面図である。
【図11】図9に示したミラーブランクの成形状態を表
す作業概念図である。
【図12】図13および図14と共に図9に示したミラ
ーブランクの成形過程を材料の流線と共に表す作業概念
図であり、成形直前の状態を表す。
【図13】図12および図14と共に図9に示したミラ
ーブランクの成形過程を材料の流線と共に表す作業概念
図であり、成形途中の状態を表す。
【図14】図12および図13と共に図9に示したミラ
ーブランクの成形過程を材料の流線と共に表す作業概念
図であり、成形完了の状態を表す。
【図15】図9に示したミラーブランクとの比較のた
め、他の形状のミラーブランクの成形状態を表す作業概
念図である。
【図16】図17〜図19と共に図15に示した比較用
のミラーブランクの成形過程を材料の流線と共に表す作
業概念図であり、成形直前の状態を表す。
【図17】図16,図18および図19と共に図15に
示した比較用のミラーブランクの成形過程を材料の流線
と共に表す作業概念図であり、成形初期の状態を表す。
【図18】図16,図17および図19と共に図15に
示した比較用のミラーブランクの成形過程を材料の流線
と共に表す作業概念図であり、成形途中の状態を表す。
【図19】図16〜図18と共に図15に示した比較用
のミラーブランクの成形過程を材料の流線と共に表す作
業概念図であり、成形完了の状態を表す。
【図20】本発明の対象となった回転多面鏡に対応する
ミラーブランクの一例を表す平面図である。
【図21】図20中のXXI−XXI矢視断面図である。
【図22】図21中の矢視XXII部の抽出拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
10 ミラーブランク 11 平坦面 12 モータ軸嵌合穴 13 バランス修正用ウエイト接着溝 14 ミラーブランクの一方の端面 15 板素材 16 圧延シート材 17 キャリア 18 パイロット穴 19 ダレ 20 棒材 21 成形面 22 溝パンチ 23 丸パンチ 24 ミラーブランクの他方の端面 25 成形面 26 下型パンチ 27 ダイ 28 フランジ部 29 ミラーブランク 30 板素材 31 下型丸パンチ 32 窪み 33 巻き込み傷 t 板素材の厚み T ミラーブランクの最大厚み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C362 BA05 BA12 2H045 AA02 AA06 AA62 4E087 CA17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏面の少なくとも一方に凹部を有する
    と共に外周が多角形状をなす複数の平坦面となった多角
    形板状部材を製造する方法であって、 製造される多角形板状部材の外周輪郭形状とほぼ同一の
    外周輪郭形状を有し、製造される多角形板状部材の最大
    板厚よりも薄い板厚の多角形板状素材を用意するステッ
    プと、 前記多角形板状素材の表裏面の少なくとも一方を前記凹
    部と対応した所定形状に圧縮してこの表裏面の少なくと
    も一方の残りの部分を圧縮方向と逆方向に流動させ、多
    角形板状部材の表裏面および平坦面を成形するステップ
    とを具えたことを特徴とする多角形板状部材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 多角形板状部材が回転多面鏡の中間加工
    製品であることを特徴とする請求項1に記載の多角形板
    状部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記凹部は、多角形板状部材の中央部の
    円形領域およびこれを同心円状に囲む環状領域に形成さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の多角形板状
    部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記円形領域に形成される前記凹部は、
    モータ軸嵌合穴として後加工され、前記環状領域に形成
    される前記凹部は、バランス修正用ウエイト接着溝とし
    て用いられることを特徴とする請求項3に記載の多角形
    板状部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 表裏面の少なくとも一方に凹部を有する
    と共にフランジ部を外周に有する板状部材を製造する方
    法であって、 製造される板状部材の最大板厚よりも薄い板厚の板状素
    材を用意するステップと、 前記板状素材の表裏面の少なくとも一方を前記凹部と対
    応した所定形状に圧縮してこの表裏面の少なくとも一方
    の残りの部分を圧縮方向と逆方向に流動させ、板状部材
    の板厚方向に沿った中間部分にフランジ部が形成される
    ように、板状部材を成形するステップとを具えたことを
    特徴とする板状部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 板状部材は、多角形状をなす複数の平坦
    面をさらに有し、フランジ部がこれら複数の平坦面から
    外方に延在していることを特徴とする請求項5に記載の
    板状部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 板状部材が回転多面鏡の中間加工製品で
    あることを特徴とする請求項6に記載の板状部材の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記凹部は、板状部材の中央部の円形領
    域およびこれを同心円状に囲む環状領域に形成されてい
    ることを特徴とする請求項7に記載の板状部材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 円形領域にある凹部は、板状部材の表裏
    両面に形成されることを特徴とする請求項8に記載の板
    状部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項2から請求項4の何れかに記載
    の方法によって製造された多角形板状部材または請求項
    7から請求項9の何れかに記載の方法によって製造され
    た板状部材を後加工することによって製造された回転多
    面鏡。
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US9778457B2 (en) 2014-02-12 2017-10-03 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Light deflector and polygon mirror

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