JP2003321549A - 重合体粒子の製造方法 - Google Patents

重合体粒子の製造方法

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JP2003321549A
JP2003321549A JP2002130890A JP2002130890A JP2003321549A JP 2003321549 A JP2003321549 A JP 2003321549A JP 2002130890 A JP2002130890 A JP 2002130890A JP 2002130890 A JP2002130890 A JP 2002130890A JP 2003321549 A JP2003321549 A JP 2003321549A
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JP2002130890A
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English (en)
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Takashi Ueda
貴志 植田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度の改良に優
れ、脱水工程でのろ過性が良好であり、低含水率で乾燥
工程でのエネルギー消費量を大幅に削減でき、しかも乾
燥後粉体の粉体特性が良好である成形用熱可塑性重合体
粒子の製造方法を提案する。 【解決手段】 懸濁重合により製造したガラス転移温度
が25℃以下で、ポリ塩化ビニルとの界面張力が1.5
mN/m以下の重合体粒子からなる重合体懸濁液と、乳
化重合により製造した重合体ラテックスを、懸濁重合重
合体100重量部に対して22〜100重量部の比率で
混合し、この重合体混合懸濁液中の重合体粒子の固形分
濃度を25〜35重量%に調整した後、この混合物に乳
化重合重合体のビカット軟化温度以下の温度で電解質水
溶液を接触させ、乳化重合重合体のビカット軟化温度以
上の温度に加熱後、固液分離により重合体粒子を回収す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体粒子の製造
方法に関する。さらに詳しくは、本発明は懸濁重合によ
り製造したガラス転移温度が25℃以下で、ポリ塩化ビ
ニルとの界面張力が1.5mN/m以下の重合体粒子か
らなる重合体懸濁液と、乳化重合により製造した重合体
ラテックスを、懸濁重合重合体100重量部に対して2
2〜100重量部の比率で混合し、この重合体混合懸濁
液中の重合体粒子の固形分濃度を25〜35重量%に調
整した後、この混合物に乳化重合重合体のビカット軟化
温度以下の温度で電解質水溶液を接触させ、乳化重合重
合体のビカット軟化温度以上の温度に加熱後、固液分離
により重合体粒子を回収することを特徴とする重合体粒
子の製造方法に関する。本発明の重合体粒子組成物は、
ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃性強化剤として用いること
ができる。
【従来の技術】塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、アクリ
ロニトリル−スチレン樹脂、メチルメタクリレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂等の硬質
プラスチックは、剛性、透明性、および加工性に優れて
いるため広く用いられている。しかし、これらは脆いの
で、ゴム状ジエン系重合体あるいはアルキルアクリレー
ト系重合体にメタクリル酸メチルあるいはスチレン等を
グラフト共重合して得られる樹脂を混合して耐衝撃性を
改良する方法が広く採用されている。これらのグラフト
共重合体は一般に乳化重合法で作られる。その理由は、
造粒・回収後のグラフト共重合体樹脂を硬質プラスチッ
クと溶融混練した際、グラフト共重合体が重合時の粒子
径を維持した状態で硬質プラスチック中に再分散するこ
とにより耐衝撃強度が発現すると考えられているためで
ある。通常、乳化重合ラテックスから目的のグラフト共
重合体を回収するためには、ラテックスを凝析させて回
収する造粒操作が必要である。この造粒操作は、回収粒
子の粉体特性(粒子径分布、微粉量、流動性等)だけで
なく、脱水性や乾燥特性等、後処理時の生産性にも大き
な影響を与える。従来、乳化重合により製造された高分
子ラテックスから樹脂状重合体を回収する場合、一般に
はラテックス中に凝固剤を投入し、液相中で凝固させ熱
処理等の操作によりスラリー状にした後、脱水乾燥を経
て粉粒体状合成樹脂を得ている。しかし、この方法の場
合には、パウダーの形状は不定形となり、相当の微粉末
が含まれなど、工程上のトラブルの頻発、粉塵発生によ
る作業環境の悪化等の問題が頻発していた。このため、
気相凝固法(特開昭52−68285号)や緩凝析法
(特開昭60−217224号)等の新規造粒法が提案
されるなど、様々な改良検討がなされてきが、上記粉体
特性の問題を解消するには至っていない。また、上記の
乳化重合重合体回収プロセスの乾燥工程における電力使
用量は、懸濁重合プロセスと比較すると極めて大きい。
これは、懸濁重合重合体に比べ、凝析後の乳化重合重合
体造粒粒子の脱水後含水率が高く、乾燥操作に多大な時
間が必要となるためである。そこで、本発明者は、乳化
重合プロセス由来の粉体特性改良の問題、および乾燥時
のエネルギー消費量軽減の問題を同時に解決できる方法
を見出した。この方法は、懸濁重合により製造したガラ
ス転移温度が25℃以下で、ポリ塩化ビニルとの界面張
力が1.5mN/m以下の重合体粒子を、乳化重合によ
り製造した重合体が、懸濁重合重合体100重量部に対
して22〜100重量部被覆した成形用熱可塑性重合体
粒子として回収するものである。本発明に関係のある技
術としては、特開平06−179754号明細書に、不
粘着性顆粒を含有するかつ50℃より低いガラス転移温
度を有する懸濁重合体において、上記不粘着性顆粒が、
50℃より高いガラス転移温度を有する乳化重合体から
なる不粘着性被覆を有することを特徴とする懸濁重合体
及びその製造方法が開示されている。この方法は、ガラ
ス転移温度の低い懸濁重合重合体のブロッキングを防止
するために使用しうる方法であること、さらに過剰な量
の乳化重合重合体の被覆は脱水時の微粒子生成の原因と
なるため、乳化重合重合体を懸濁重合重合体100部に
対して2〜10部被覆するのが最も好ましいとの記載が
あるなど、本発明の乳化重合プロセス由来の粉体特性改
良の問題を解消するために懸濁重合重合体100部に対
して乳化重合重合体を22〜100部を被覆する方法と
は異なる。さらに、特開昭56−50907号等の明細
書には、乳化重合ラテックスを部分凝固し、そこへエチ
レン系単量体を撹拌下に加え、乳化系から懸濁系へ重合
系を転換した後、懸濁重合を行う方法として乳化−懸濁
重合法が開示されている。この方法では、通常熱可塑性
樹脂として用いられる懸濁重合重合体と耐衝撃強度改良
剤である乳化重合重合体粒子が一体化した複合粒子を製
造することができる。またこの手法を用いると、乳化重
合ラテックスの回収において必須となる凝固(造粒)工
程が省略できる、得られる粒子は優美な球形を有し極め
て微粉が少ない、乾燥負荷の低い(脱水後の含水率の低
い)造粒粒子が得られるのでエネルギー消費量の面で現
行乳化重合プロセスよりも有利となるなど、懸濁重合お
よび乳化重合プロセスの問題点を大幅に軽減することが
可能となる。しかしながら、この方法は、乳化系から懸
濁系に転換する際の系の粘度上昇が極めて著しいこと、
重合スケールの生成、あるいは乳化重合を完了した後、
さらに懸濁重合を連続して実施するためトータルの重合
時間が極めて長くなることなど、生産性の面で劣る。
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に解
決を与えるため、ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度の改
良に優れ、脱水工程でのろ過性が良好であり、低含水率
で乾燥工程でのエネルギー消費量を大幅に削減でき、し
かも乾燥後粉体の粉体特性が良好である成形用熱可塑性
重合体粒子の製造方法を提案することを課題とする。
【発明を解決するための手段】上記のような現状に鑑
み、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、懸濁重合により
製造したガラス転移温度が25℃以下で、ポリ塩化ビニ
ルとの界面張力が1.5mN/m以下の重合体粒子から
なる重合体懸濁液と、乳化重合により製造した重合体ラ
テックスを、懸濁重合重合体100重量部に対して22
〜100重量部の比率で混合し、この重合体混合懸濁液
中の重合体粒子の固形分濃度を25〜35重量%に調整
した後、この混合物に乳化重合重合体のビカット軟化温
度以下の温度で電解質水溶液を接触させ、乳化重合重合
体のビカット軟化温度以上の温度に加熱後、固液分離に
より重合体粒子を回収することで、ポリ塩化ビニル樹脂
の耐衝撃強度の改良に優れ、脱水工程でのろ過性が良好
であり、低含水率で乾燥工程でのエネルギー消費量を大
幅に削減でき、しかも乾燥後粉体の粉体特性が良好であ
る重合体粒子の製造方法を見出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明は、懸濁重合により製造したガラ
ス転移温度が25℃以下で、ポリ塩化ビニルとの界面張
力が1.5mN/m以下の重合体粒子からなる重合体懸
濁液と、乳化重合により製造した重合体ラテックスを、
懸濁重合重合体100重量部に対して22〜100重量
部の比率で混合し、この重合体混合懸濁液中の重合体粒
子の固形分濃度を25〜35重量%に調整した後、この
混合物に乳化重合重合体のビカット軟化温度以下の温度
で電解質水溶液を接触させ、乳化重合重合体のビカット
軟化温度以上の温度に加熱後、固液分離により重合体粒
子を回収することを特徴とする成形用熱可塑性重合体粒
子の製造方法(請求項1)、懸濁重合重合体のガラス転
移温度が0℃以下である請求項1記載の重合体粒子の製
造方法(請求項2)、懸濁重合により製造した重合体と
ポリ塩化ビニルとの界面張力が1.0mN/m以下であ
る請求項1記載の重合体粒子の製造方法(請求項3)、
懸濁重合重合体100重量部に対し、乳化重合重合体が
25〜100重量部被覆した請求項1記載の重合体粒子
の製造方法(請求項4)、懸濁重合重合体100重量部
に対し、乳化重合重合体が30〜100重量部被覆した
請求項1記載の重合体粒子の製造方法(請求項5)、重
合体混合懸濁液中の重合体粒子の固形分濃度が27〜3
3重量%である請求項1記載の重合体粒子の製造方法
(請求項6)、懸濁重合により製造した重合体懸濁液
が、(メタ)アクリル酸エステル70〜100重量%
と、これと共重合可能なビニルモノマー0〜30部から
なる単量体(混合物)を懸濁重合することにより得られ
る重合体懸濁液である請求項1記載の重合体粒子の製造
方法(請求項7)、乳化重合により製造した重合体粒子
が、アクリル酸エステル50〜100重量%、芳香族ビ
ニルモノマー0〜40重量%、これらと共重合可能なビ
ニルモノマー0〜10重量%ならびに多官能性モノマー
0〜5重量%を重合してなりガラス転移温度が0℃以下
のゴムラテックスの固形分50〜90重量部の存在下
に、メタクリル酸エステル10〜100重量%、芳香族
ビニルモノマー0〜90重量%、シアン化ビニルモノマ
ー0〜25重量%ならびにメタクリル酸エステル、芳香
族ビニルモノマーおよびシアン化ビニルモノマーと共重
合可能なビニルモノマー0〜20重量%からなる単量体
混合物10〜50重量部を重合することにより得られる
乳化重合体である請求項1記載の重合体粒子の製造方法
(請求項8)、乳化重合により製造した重合体粒子が、
メタクリル酸メチル50〜95重量%と炭素数2〜8の
アルキル基を有するメタクリル酸エステル5〜50重量
%とこれらと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量
%との混合物80〜95重量部をまず乳化重合し、その
生成重合体ラテックスの存在化にアクリル酸エステルお
よびメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルよ
り選ばれた1種以上の単量体20〜80重量%とメタク
リル酸メチル20〜80重量%とこれらと共重合可能な
ビニルモノマー0〜20重量%との混合物5〜40重量
部を合計量が100重量部になるように添加、重合する
ことにより得られる乳化重合体である請求項1記載の重
合体粒子の製造方法(請求項9)および電解質水溶液
が、無機塩の水溶液である請求項1記載の重合体粒子の
製造方法(請求項10)に関する。
【発明の実施の形態】本発明の懸濁重合により製造した
重合体粒子は、単量体または単量体混合物を懸濁重合す
ることにより得られるガラス転移温度が25℃以下で、
ポリ塩化ビニルとの界面張力が1.5mN/m以下の重
合体粒子が使用される。単量体または単量体混合物は好
ましくは、(メタ)アクリル酸エステル70〜100重
量%と、これと共重合可能なビニルモノマー0〜30部
からなる単量体または単量体混合物である。(メタ)ア
クリル酸エステルとしては、例えばメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート等の炭素数が10以下のアル
キル基を有するアルキルアクリレート類、またはメチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等の炭素
数が10以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレ
ート類があげられる。これらは単独でも2種以上の組み
合わせでも用いられる。また、共重合可能なビニルモノ
マーとしては、例えば(1)スチレン、α−メチルスチ
レン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン等のビニ
ルアレーン類、(2)アクリル酸、メタクリル酸等のビ
ニルカルボン酸類、(3)アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のビニルシアン類、(4)塩化ビニル、臭
化ビニル、クロロプレン等のハロゲン化ビニル類、
(5)酢酸ビニル、(6)エチレン、プロピレン、ブチ
レン、ブタジエン、イソブチレン等のアルケン類、
(7)ハロゲン化アルケン類、(8)アリルメタクリレ
ート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、
モノエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチ
レングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリシジ
ルメタクリレート等の多官能性モノマーなどがあげられ
る。これらは単独でも、2種以上の組み合わせでも用い
ることができる。懸濁重合重合体粒子の平均粒粒子径
は、通常の懸濁重合操作で得られる50〜500μmの
重合体粒子を用いるのが好ましい。懸濁重合重合体粒子
の平均粒粒子径が50μm以下の場合は、ろ過性の悪化
を招くため好ましくない。本発明の懸濁重合重合体粒子
のガラス転移温度は、25℃以下、好ましくは0℃以下
である。ガラス転移温度が25℃以上の場合は、本発明
の重合体粒子のポリ塩化ビニル樹脂への耐衝撃強度付与
効果が低下するため好ましくない。本発明の懸濁重合に
より製造した重合体粒子は、ポリ塩化ビニル樹脂との界
面張力が1.5mN/m以下、好ましくは1.0mN/
m以下のものが好適に使用され得る。この理由は、上記
界面張力が1.5mN/m以下であれば、塩化ビニル樹
脂と本発明の重合体粒子を溶融混練した際、平均粒子径
50〜500μmの懸濁重合重合体粒子がポリ塩化ビニ
ル樹脂マトリックス中に0.05〜0.5μmの粒子径
で微分散し、ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度改良に寄
与するためである。上記界面張力が1.5mN/m以上
の場合は、ポリ塩化ビニル樹脂と本発明の重合体粒子を
溶融混練した際の懸濁重合重合体粒子の分散粒子径が
0.5μmよりも大きくなり、ポリ塩化ビニル樹脂の耐
衝撃強度改良効果が得られないため好ましくない。本発
明の懸濁重合により製造した重合体粒子とポリ塩化ビニ
ル樹脂の界面張力は、次の理論式、式1(Poly.
Eng. Sci., 1987,vol.27,p33
5−343記載)より算出する。 (式1): γ=γMP+γSPP−〔(4γMP dγSPP d)/(γMP d+γSPP d)〕− 〔(4γMP pγSPP p)/(γMP p+γSPP p)〕 ここで、γ:ポリ塩化ビニル樹脂/懸濁重合粒子間の界
面張力[mN/m]、γMP:ポリ塩化ビニル樹脂の表面
張力[mN/m]、γSPP:懸濁重合粒子の表面張力
[mN/m]、γMP d:γMPの非極性成分[mN/
m]、γSPP d:γSPPの非極性成分[mN/m]、
γMP p:γMPの極性成分[mN/m]、γSPP p:γSPP
極性成分[mN/m]を示す。上記のこれらパラメータ
ーデータは、Poly. Eng. Sci., 198
7,vol.27,p335−343、POLYMER
HANDBOOK(WILEY−INTERSCIE
NCE PUBLICATION)、およびPOLYM
ER INTEFACE AND ADHESION
(MARCEL DEKKER INC、1982)等
に記載されている文献値を用いることができる。本発明
における、懸濁重合粒子とポリ塩化ビニル樹脂の界面張
力の算出方法は次のとおり。まず、懸濁重合粒子の組成
より(式2)から(式5)に従って、懸濁重合粒子の表
面張力およびその極性成分、非極性成分を算出する。 (式2): γSPP=γ1・x1+γ2・x2+γ3・x3+… ここで、γSPPは懸濁重合粒子の表面張力を、γnは懸濁
重合粒子中のポリマー成分nの表面張力を、xnは懸濁
重合粒子中のポリマー成分nのモル分率をそれぞれ示し
ている。 (式3): XSPP=Xp1・x1+Xp2・x2+Xp3・x3+… ここで、XSPPは懸濁重合の極性値を、Xpnは懸濁重合
粒子中のポリマー成分nの極性、xnは懸濁重合粒子中
のポリマー成分nのモル分率をそれぞれ示している。 (式4): γSPP p=γSPP・XSPP (式5): γSPP d=γSPP−γSPP p 懸濁重合粒子とポリ塩化ビニル樹脂の界面張力は、(式
4)および(式5)から得られた値、およびポリ塩化ビ
ニル樹脂のパラメーターデータより、(式1)に従って
算出する。従って本発明において、例えば、懸濁重合に
より製造した重合体粒子の組成がブチルアクリレートお
よびメチルメタクリレートの場合、上記計算結果より、
懸濁重合粒子のガラス転移温度が25℃以下で塩化ビニ
ル樹脂との界面張力が1.5mN/m以下である懸濁重
合粒子の組成は、ブチルアクリレート重量比率で58〜
95重量%の懸濁重合重合体粒子となる。本発明の懸濁
重合重合体粒子の製造方法であるが、懸濁重合の分散安
定剤としては通常の無機系分散剤や有機系分散剤が使用
できる。無機系分散剤としては、炭酸マグネシウム、第
三リン酸カルシウム等が、また、有機系分散剤として
は、でんぷん、ゼラチン、アクリルアミド、部分ケン化
ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリメタクリル酸メ
チル、ポリアクリル酸およびその塩、セルロース、メチ
ルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ポリアルキレンオキシド、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、スルホン化
ポリスチレン等の天然物および合成高分子分散剤、さら
には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩等の低
分子分散剤あるいは乳化剤が使用可能である。懸濁重合
の重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、ラウ
ロイルパーオキシド等の過酸化物や、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ化合物が使用できる。また、分子量
調節のために、連鎖移動剤を用いても良く、連鎖移動剤
としては炭素数2〜18のアルキルメルカプタン、チオ
グリコール酸エステル、β−メルカプトプロピオン酸等
のメルカプト酸、ベンジルメルカプタン、あるいはチオ
フェノール、チオクレゾール、チオナフトール等の芳香
族メルカプタン等が用い得るが、特に好ましいのは炭素
数4〜12のアルキルメルカプタンである。懸濁重合重
合体粒子の製造方法は、単量体あるいは単量体混合物を
水に懸濁させ、そのまま重合反応を実施する方法、単量
体あるいは単量体混合物の一部を水に懸濁させ重合反応
を開始し、重合反応の進行に伴い、残りの単量体あるい
は単量体混合物の水懸濁液を一段、あるいは数段に分け
て、あるいは連続的に重合反応槽へ追加して重合反応を
実施する方法、単量体あるいは単量体混合物の一部を水
に懸濁させ重合反応を開始し、重合反応の進行に伴い、
残りの単量体あるいは単量体混合物を一段、あるいは数
段に分けて、あるいは連続的に重合反応槽へ追加して重
合反応を実施する方法等、公知となっている全ての手法
を用いることができる。重合開始剤および連鎖移動剤の
添加方法には特に制限がないが、重合開始剤および連鎖
移動剤の両方を単量体に溶解した後、単量体を水中に懸
濁させ、そのまま重合反応を実施する手法が最も好まし
い。重合に要する時間は開始剤の種と量、あるいは重合
温度などによって異なるが通常1〜24時間である。ま
た、懸濁重合時に可塑剤、滑剤、安定剤、および紫外線
吸収剤等、ポリ塩化ビニル樹脂の成形加工時に通常添加
される成分を単量体に添加することも可能である。続い
て、本発明の乳化重合重合体粒子は、好ましくは(1)
アクリル酸エステル50〜100重量%、芳香族ビニル
モノマー0〜40重量%、これらと共重合可能なビニル
モノマー0〜10重量%ならびに多官能性モノマー0〜
5重量%を重合してなりガラス転移温度が0℃以下のゴ
ムラテックスの固形分50〜90重量%に、メタクリル
酸エステル10〜100重量%、芳香族ビニルモノマー
0〜90重量%、シアン化ビニルモノマー0〜25重量
%ならびにメタクリル酸エステル、芳香族ビニルモノマ
ーおよびシアン化ビニルモノマーと共重合可能なビニル
モノマー0〜20重量%からなる単量体混合物10〜5
0重量%をグラフト重合することにより得られる乳化重
合重合体粒子、より好ましくは(2)メタクリル酸メチ
ル50〜95重量%と炭素数2〜8のアルキル基を有す
るメタクリル酸エステル5〜50重量%とこれらと共重
合可能なビニルモノマー0〜20重量%との混合物80
〜95重量部をまず乳化重合し、その生成重合体ラテッ
クスの存在化にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸
メチルを除くメタクリル酸エステルより選ばれた1種以
上の単量体20〜80重量%とメタクリル酸メチル20
〜80重量%とこれらと共重合可能なビニルモノマー0
〜20重量%との混合物5〜40重量部を合計量が10
0重量部になるように添加、グラフト重合することによ
り得られる乳化重合重合体粒子が好適に使用され得る。
上記(1)および(2)の乳化重合重合体粒子の一般的
な製造方法は、例えば、特開平2−269755、特開
平8−217817公報に詳細に記述されている。しか
しこれに限定されるものではない。上記(1)および
(2)の乳化重合重合体粒子が好適に使用される理由
は、ポリ塩化ビニル樹脂の品質改良剤(モディファイヤ
ー)として上記乳化重合重合体粒子が広範に用いられて
おり、本発明の重合体粒子として回収した場合において
も、それらの有する品質向上効果を発現させることが可
能となるためである。しかしながら、本発明の乳化重合
重合体は、これらに限定されるものではなく、例えば次
のモノマー群から選ばれた1種または2種以上のモノマ
ーを主とする単量体組成物または共重合またはグラフト
重合させた重合体ラテックス粒子の単独または混合ラテ
ックス重合体粒子を用いることができる。(1)メチル
アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等の炭素数が10
以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート類、
(2)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート等の炭素数が10以下のアルキル基を有するアルキ
ルメタクリレート類、(3)スチレン、α−メチルスチ
レン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン等のビニ
ルアレーン類、(4)アクリル酸、メタクリル酸等のビ
ニルカルボン酸類、(5)アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等のビニルシアン類、(6)塩化ビニル、臭
化ビニル、クロロプレン等のハロゲン化ビニル類、
(7)酢酸ビニル、(8)エチレン、プロピレン、ブチ
レン、ブタジエン、イソブチレン等のアルケン類、
(9)アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、ト
リアリルシアヌレート、モノエチレングリコールジメタ
クリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジビ
ニルベンゼン、グリシジルメタクリレート等の多官能性
モノマーなど。乳化重合重合体粒子の平均粒子径には特
に制限はないが、通常の乳化重合で得られる平均粒子径
0.05〜0.5μmの重合体粒子を用いることができ
る。本発明の重合体粒子の製造方法であるが、懸濁重合
により製造した重合体懸濁液と、乳化重合により製造し
た重合体ラテックスを混合し、その混合物に電解質水溶
液を接触させることにより作成される。懸濁重合により
製造した重合体懸濁液と乳化重合により製造した乳化重
合ラテックスの混合は、撹拌下に、懸濁重合重合体懸濁
液へ乳化重合ラテックスを、あるいは乳化重合ラテック
スへ懸濁重合重合体懸濁液を添加することにより実施す
るのが好ましい。乳化重合ラテックスと懸濁重合重合体
懸濁液の混合時の乳化重合ラテックスおよび懸濁重合重
合体懸濁液の固形分濃度は、それぞれ25〜55重量%
が好ましいが、通常の重合操作で得られた乳化重合ラテ
ックスまたは懸濁重合重合体懸濁液をそのまま用いるの
が製造上最も簡便でありより好ましく、通常は30〜4
5重量%程度である。混合時の温度は5℃以上が好まし
く、5℃よりも低い場合はその後の熱処理操作のユーテ
ィリティー使用量が多大となるため好ましくない。本発
明の重合体粒子を製造するにあたり、上記の懸濁重合重
合体粒子懸濁液と乳化重合ラテックスの混合物に電解質
水溶液を接触させる。電解質水溶液との接触は、撹拌下
に、懸濁重合重合体懸濁液と乳化重合ラテックスの混合
物へ電解質水溶液を添加することにより実施するのが好
ましい。この操作により、乳化重合重合体粒子および懸
濁重合時に生成した微粒子重合体が懸濁重合重合体粒子
表面に凝析(析出)し、懸濁重合重合体粒子表面を被覆
する。本発明に用いることのできる電解質水溶液として
は、該高分子ラテックスを凝析・凝固し得る性質を有す
る有機酸(塩)または無機酸(塩)の水溶液であれば良
いが、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リ
チウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウ
ム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニ
ウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化カルシウ
ム、硫酸第一鉄、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸
銅、塩化バリウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化マグ
ネシウム、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウム、カリウムミ
ョウバン、鉄ミョウバン等の無機塩類の水溶液、塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類の水溶液、酢酸、ギ酸
等の有機酸類およびそれらの水溶液、酢酸ナトリウム、
酢酸カルシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム等の
有機酸塩類の水溶液を単独にまたは2種以上を混合して
用いることができる。特に、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシ
ウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化バリ
ウム、塩化第一鉄、硫酸アルミニウム、カリウムミョウ
バン、鉄ミョウバン、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸の水溶液
が好適に用いることができる。本発明において用いる電
解質水溶液の濃度は、好ましくは0.001重量%以
上、より好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましく
は1%以上である。電解質水溶液の濃度が0.001重
量%以下の場合は、乳化重合重合体粒子を凝析させるた
めに多量の電解質水溶液を添加する必要があり、その後
の熱処理操作時のユーティリティー使用量が多大となる
ためこの点で好ましくない。本発明における懸濁重合重
合体粒子懸濁液と乳化重合ラテックス混合物への電解質
水溶液の添加は、乳化重合重合体粒子のビカット軟化温
度以下の温度で実施するのが好ましい。電解質水溶液添
加時に懸濁重合重合体粒子懸濁液と乳化重合ラテックス
の混合物の温度が乳化重合ラテックス重合体のビカット
軟化温度を超えると、生成する重合体粒子の形状が歪に
なるだけでなく、重合体粒子間の凝集が併発し、その結
果として脱水後の含水率が高くなるため好ましくない。
また、本発明では、懸濁重合重合体粒子懸濁液と乳化重
合ラテックス混合物への電解質水溶液の添加は、懸濁重
合重合体粒子懸濁液と乳化重合ラテックスの混合の後に
実施する必要がある。この理由は、懸濁重合重合体粒子
懸濁液と乳化重合ラテックスの混合時に、電解質水溶液
が存在すると、生成する重合体粒子の形状が歪になり脱
水後含水率が高くなるだけでなく、未凝固の乳化重合重
合体が残存し極度のろ過性の悪化を招くためである。本
発明の重合体粒子の懸濁重合重合体と乳化重合重合体の
固形分比は、懸濁重合重合体100重量部に対して、乳
化重合重合体を22〜100重量部、好ましくは25〜
100重量部、さらに好ましくは30〜100重量部で
ある。懸濁重合重合体100重量部に対して、乳化重合
重合体が22重量部以下の場合は、電解質水溶液添加後
も系中に微粒子重合体が残存し、その結果として脱水工
程でろ過排水が白濁化するため好ましくない。また、懸
濁重合重合体100重量部に対して乳化重合重合体が1
00重量部を超える場合は、得られる重合体の脱水後含
水率が高くなるため好ましくない。さらに本発明では、
懸濁重合重合体と乳化重合重合体の混合懸濁液中の重合
体粒子の固形分濃度を25〜35重量%、好ましくは2
7〜33重量%に調整する必要がある。この理由は、電
解質水溶液を添加する際の混合懸濁液中の重合体粒子の
固形分濃度が25重量%よりも低い場合は、電解質水溶
液を添加し加熱処理を実施した後の重合体懸濁液中に粒
子径50μm以下の微小凝集体の生成が頻発し、ろ過性
が悪化するとともに脱水後含水率が高くなるためであ
る。また、電解質水溶液を添加する際の混合懸濁液中の
重合体粒子の固形分濃度が35重量%よりも高い場合
は、懸濁重合重合体と乳化重合重合体からなる粗大凝集
粒子の生成が頻発し、その結果として脱水後含水率が高
くなるためである。本発明の重合体粒子を製造するにあ
たり、懸濁重合重合体粒子懸濁液と乳化重合ラテックス
混合物中の乳化重合ラテックスの比率が高い場合、ある
いは電解質水溶液の添加速度が極端に速い場合、または
電解質水溶液濃度が極端に高い場合には、電解質水溶液
添加時に著しい粘度上昇が見られる場合がある。この様
な場合は、系中に適時水を加えるなど、通常の撹拌状態
が維持できる程度に系の粘度を低下させる操作を実施す
ればよい。電解質水溶液の量は、懸濁重合重合体粒子懸
濁液と乳化重合ラテックス混合物中の乳化重合重合体の
比率により当然異なるが、熱処理後に未凝固の乳化重合
重合体粒子が存在しなくなる量以上を添加すれば良い。
本発明の粒子状重合体組成物を製造するにあたっては、
懸濁重合重合体粒子懸濁液と乳化重合ラテックス混合物
に電解質水溶液を添加するだけでは低含水率の重合体粒
子は得られない。電解質水溶液が酸性水溶液で、造粒後
の懸濁液が酸性を示す場合は水酸化ナトリウム等のアル
カリで中和した後、また電解質水溶液が中性の水溶液の
場合はそのまま50〜120℃で熱処理するのが好まし
い。これにより、懸濁重合重合体粒子表面を被覆した乳
化重合重合体粒子の凝集体が緻密化し、重合体粒子の含
水率が低下する。その後、常法に従って脱水および乾燥
を行えば、本発明の重合体粒子が得られる。
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて更に詳細に説
明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもの
ではない。脱水後含水率の測定は、実施例および比較例
で得られた重合体懸濁液30g(固形分濃度:30重量
%)をアスピレーターで吸引ろ過した後、脱水樹脂を回
収し、100℃熱風対流型乾燥機に12時間入れて水分
を蒸発させた。脱水後含水率は、乾燥前の脱水直後樹脂
重量をWw、乾燥後樹脂重量をWdとし、式2から求め
た。 (式6): 脱水後含水率(%)=[(Ww−Wd)/Wd]×100 脱水時のろ過排水の白濁度合いの評価は、実施例および
比較例で得られた重合体粒子懸濁液500g(固形分濃
度:約30重量%)をアスピレーターで吸引ろ過した際
のろ過排水の色が、目視評価において、 透明なものを○ 少し白濁しているものを△ 大きく白濁しているものを× とした。粉体特性評価には、パウダーテスターPT−R
型(ホソカワミクロン社製)を用い、Carrの流動特
性評価法に基づいて(CHEMICAL ENGINE
ERING,1965,vol.18,p163−16
8)、安息角、崩壊角、スパチュラー角、ゆるみかさ密
度、固めかさ密度、凝集度、分散度、差角、圧縮度、お
よび均一度の測定を行い、得られた流動性指数から流動
性の程度を決定した。尚、粉体特性は、脱水後の重合体
粒子を55℃の乾燥温度で一晩乾燥して得た粉体につい
て測定したものである。アイゾット強度立ち上がり部数
は、ジオクチルスズメルカプチド(安定剤、勝田化工社
製、商品名:TM−188J)1.5部、ステアリン酸
カルシウム(滑剤、堺化学社製、商品名:SC−10
0)1.4部、パラフィンワックス(滑剤、日本精蝋社
製、商品名:HんP−10)1.5部、酸化チタン(顔
料、堺化学社製、商品名:TITONE R650)8
部、炭酸カルシウム(充填剤、OMYA社製、商品名:
OMYACARB UFT)4.5部、加工助剤(鐘淵
化学工業社製、商品名:PA−20)1.8部、塩化ビ
ニル(鐘淵化学工業社製、商品名:S−1001、重合
度:100)100部からなるコンパウンドと、本発明
の重合体粒子を5、7、9,11,13,および15部
をそれぞれブレンドした後、195℃のロールで5分間
混練り後、195℃のプレスで15分間加圧成形して、
厚さ4mmのプレス板を作成、このプレス板から長さ7
0mm、幅15mmの試験片を作成し、JIS K71
10に準拠して、23℃のアイゾット衝撃強度を測定
し、アイゾット衝撃強度が35kJ/cm2以上となる
本発明の重合体粒子の添加部数をアイゾット強度立ち上
がり部数とした。乳化重合重合体のビカット軟化温度の
測定は、JIS K7206に基づいて実施した。試験
片は、重合により得られた乳化重合重合体を、凝固、熱
処理、乾燥により回収し、押出し成形機でペレット化
後、プレス成形機でシート化し作成した。実施例および
比較例の中で用いる部および%は、それぞれ重量部およ
び重量%を示す。 (実施例1)水250部、オレイン酸ナトリウム0.0
4部、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002
部、EDTA・2Na塩0.008部およびホルムアル
デヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2部を、撹拌基付
反応器に仕込み、窒素置換後、50℃まで昇温した。こ
れにブチルアクリレート100部、アリルメタクリレー
ト1部およびクメンハイドロパーオキシド0.2部の混
合液の10重量%を加えた。その1時間後から混合液の
残りの90重量%を5時間かけて追加した。また、混合
液の残りの追加と同時に、1部のステアリン酸カリウム
を5%水溶液にしたものを5時間にわたり連続的に追加
した。さらに、1時間の重合を行い、重合転化率99
%、平均粒子径0.18μm、ガラス転移温度−40℃
のアクリル酸エステル系ゴムラテックスを得た。次い
で、前記アクリル酸エステル系ゴムラテックス275部
(固形分75部)、硫酸第一鉄FeSO4・7H2O)
0.002部、EDTA・2Na塩0.004部および
ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.1部
を、撹拌基付反応器に仕込み、窒素置換後、70℃まで
昇温した。これにメチルメタクリレート23部、ブチル
アクリレート2部およびクメンハイドロパーオキシド
0.1部の混合液を3時間かけて追加し、さらに1時間
の後重合を行って、平均粒子径が0.2μm、ビカット
軟化温度75℃のグラフト共重合体ラテックス(A)を
得た。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−P
VA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)
を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイ
ルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.
5部を溶解させたブチルアクリレート85部とメチルメ
タクリレート15部の混合単量体を加え、単量体の分散
粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調
整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、8
0℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重
合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合粒子スラリ
ーを作成した。この様にして得られたグラフト共重合体
ラテックス(A)99部(固形分33部)を、懸濁重合
ゴムスラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加
え、固形分濃度31%の乳化−懸濁混合スラリーとし
た。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、
1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分
間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌
下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施
した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。 (実施例2)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオ
ン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−1
7:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換
した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベン
ゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリ
レート80部とメチルメタクリレート20部の混合単量
体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるよ
うに撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時
間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間
と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30
%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られ
たグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33部)
を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹
拌下に加え、固形分濃度31%の乳化−懸濁混合スラリ
ーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した
後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に1
0分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、
撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を
実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。 (実施例3)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオ
ン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−1
7:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換
した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベン
ゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリ
レート70部とメチルメタクリレート30部の混合単量
体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるよ
うに撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時
間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間
と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30
%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られ
たグラフト共重合体ラテックス90部(固形分33部)
を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹
拌下に加え、固形分濃度31%の乳化−懸濁混合スラリ
ーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した
後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に1
0分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、
撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を
実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。 (実施例4)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオ
ン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−1
7:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換
した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベン
ゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリ
レート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量
体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるよ
うに撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時
間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間
と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30
%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られ
たグラフト共重合体ラテックス303部(固形分100
部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)
に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化
−懸濁混合スラリーに脱イオン水100部添加後(固形
分濃度27%)、50℃に調整し、1.0%塩化カルシ
ウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化
カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリー
を90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥
して粉体を回収した。 (実施例5)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオ
ン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−1
7:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換
した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベン
ゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリ
レート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量
体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるよ
うに撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時
間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間
と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30
%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られ
たグラフト共重合体ラテックス150部(固形分50
部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)
に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化
−懸濁混合スラリーに脱イオン水50部添加後(固形分
濃度28%)、50℃に調整し、1.0%塩化カルシウ
ム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カ
ルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを
90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥し
て粉体を回収した。 (実施例6)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオ
ン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−1
7:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換
した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベン
ゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリ
レート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量
体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるよ
うに撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時
間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間
と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30
%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られ
たグラフト共重合体ラテックス66部(固形分22部)
を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹
拌下に加え、固形分濃度31%の乳化−懸濁混合スラリ
ーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整し、
1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分
間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌
下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施
した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。 (実施例7)撹拌機付反応器に水200部、ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウム1部および過硫酸カリウム
0.03部を仕込み、窒素置換後、65℃に昇温した。
これにメチルメタクリレート84部およびブチルメタク
リレート16部よりなるモノマー混合物を4時間かけて
加えた後、1時間加熱撹拌を続け、重合反応を実質的に
完結させた。その後、ブチルアクリレート11部および
メチルメタクリレート9部よりなるモノマー混合物を1
時間かけて加えた後、さらに1.5時間65℃で重合を
行い、平均粒子径が0.1μm、ビカット軟化温度90
℃のグラフト共重合体ラテックス(B)を得た。撹拌機
付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液
5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、
反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキ
シド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解
させたブチルアクリレート85部とメチルメタクリレー
ト15部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約
250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。そ
の後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時
間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結さ
せ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。
この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス59
部(固形分22部)を、懸濁重合スラリー332部(固
形分100部)に撹拌下に加え、固形分濃度31%の乳
化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリー
を60℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液
50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム
水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを95℃ま
で昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を
回収した。 (実施例8)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオ
ン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(GH−2
0:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換
した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベン
ゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリ
レート70部と酢酸ビニル30部の混合単量体を加え、
単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機
の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃
で4時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に
昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重
合スラリーを作成した。この様にして得られたグラフト
共重合体ラテックス99部(固形分33部)を、懸濁重
合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加
え、固形分濃度31%の乳化−懸濁混合スラリーとし
た。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、
1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分
間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌
下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施
した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。 (実施例9)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオ
ン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(GH−2
0:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換
した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベン
ゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリ
レート75部と酢酸ビニル25部の混合単量体を加え、
単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機
の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃
で4時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に
昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重
合スラリーを作成した。この様にして得られたグラフト
共重合体ラテックス99部(固形分33部)を、懸濁重
合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加
え、固形分濃度31%の乳化−懸濁混合スラリーとし
た。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、
1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分
間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌
下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施
した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。 (実施例10)実施例1と同様にして、グラフト共重合
体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イ
オン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(GH−
20:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置
換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベ
ンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたエチルアク
リレート75部とメチルアクリレート25部の混合単量
体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるよ
うに撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時
間、70℃で4時間、80℃で2時間、90℃で1時間
と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30
%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られ
たグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33部)
を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹
拌下に加え、固形分濃度31%の乳化−懸濁混合スラリ
ーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した
後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に1
0分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、
撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を
実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。 (実施例11)実施例1と同様にして、グラフト共重合
体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イ
オン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−
17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置
換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベ
ンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアク
リレート90部とメチルメタクリレート10部の混合単
量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなる
ように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2
時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時
間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度3
0%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得ら
れたグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33
部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)
に撹拌下に加え、固形分濃度31%の乳化−懸濁混合ス
ラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整
し、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に1
0分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、
撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を
実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。 (比較例1)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオ
ン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−1
7:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換
した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベン
ゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリ
レート50部とメチルメタクリレート50部の混合単量
体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるよ
うに撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時
間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間
と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30
%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られ
たグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33部)
を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹
拌下に加え、固形分濃度31%の乳化−懸濁混合スラリ
ーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した
後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に1
0分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、
撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を
実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。 (比較例2)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオ
ン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−1
7:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換
した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベン
ゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリ
レート100部の単量体を加え、単量体の分散粒子径が
約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。
その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2
時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結
させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成し
た。この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス
99部(固形分33部)を、懸濁重合スラリー332部
(固形分100部)に撹拌下に加え、固形分濃度31%
の乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラ
リーを50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水
溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシ
ウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90
℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉
体を回収した。 (比較例3)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオ
ン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−1
7:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換
した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベン
ゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリ
レート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量
体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるよ
うに撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時
間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間
と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30
%の懸濁重合粒子スラリーを作成した。この様にして得
られたグラフト共重合体ラテックス364部(固形分1
20部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100
部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。
そこへ脱イオン水120部を加え(固形分濃度27%)
50℃に調整した後、50℃に調整した後、1.0%塩
化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下し
た。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合
スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱
水、乾燥して粉体を回収した。 (比較例4)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオ
ン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−1
7:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換
した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベン
ゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリ
レート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量
体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるよ
うに撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時
間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間
と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30
%の懸濁重合粒子スラリーを作成した。この様にして得
られたグラフト共重合体ラテックス60部(固形分20
部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)
に撹拌下に加え、固形分濃度31%の乳化−懸濁混合ス
ラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整
した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下
に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了
後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処
理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。 (比較例5)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。得られたグラフト共重合
体ラテックス(A)100重量部(固形分40部)に、
撹拌下で水150部加え、35℃に調整した。そこへ、
1.0%塩化カルシウム水溶液20部を加えて凝固を行
い、熱処理、脱水、洗浄、乾燥して粉体を回収した。 (比較例6)実施例1と同様にして、グラフト共重合体
ラテックス(A)を作成した。実施例1と同様にして、
懸濁重合重合体懸濁液を作成した。この様にして得られ
たグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33部)
を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹
拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸
濁混合スラリーに脱イオン水120部を加え(固形分濃
度24%)50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウ
ム水溶液100部を撹拌下に20分間で滴下した。塩化
カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリー
を90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥
して粉体を回収した。 (比較例7)実施例1と同様にして、乳化重合グラフト
共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器
に脱イオン水150部、3%−PVA水溶液15部(G
H−20:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒
素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5
部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチ
ルアクリレート85部とメチルメタクリレート15部の
混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μm
となるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60
℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃
で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、重合体
固形分濃度38%の懸濁重合重合体懸濁液を作成した。
この様にして得られた乳化重合グラフト共重合体ラテッ
クス(A)99部(固形分33部)を、懸濁重合重合体
懸濁液263部(固形分100部)に撹拌下に加え、こ
の混合物(固形分濃度37%)を50℃に調整した後、
1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分
間で滴下した。その後、撹拌下に90℃まで昇温して熱
処理を実施した。 (比較例8)実施例1と同様にして、懸濁重合重合体懸
濁液を作成した。実施例1と同様にして、ビカット軟化
温度75℃の乳化重合グラフト共重合体ラテックス
(A)を作成した。この様にして得られた乳化重合グラ
フト共重合体ラテックス(A)99部(固形分33部)
を、懸濁重合重合体懸濁液332部(固形分100部)
に撹拌下に加え、この混合物(固形分濃度31%)を8
0℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50
部を撹拌下に10分間で滴下した。その後、撹拌下に9
0℃まで昇温して熱処理を実施した。 (比較例9)実施例1と同様にして、懸濁重合重合体懸
濁液を作成した。実施例1と同様にして、ビカット軟化
温度75℃の乳化重合グラフト共重合体ラテックス
(A)を作成した。この様にして得られた懸濁重合重合
体懸濁液332部(固形分100部)を50℃に調整し
た後、攪拌下に1.0%塩化カルシウム水溶液50部、
続いて乳化重合グラフト共重合体ラテックス(A)99
部(固形分33部)を加えた(固形分濃度28%)。そ
の後、撹拌下に90℃まで昇温して熱処理を実施した。
表1には、実施例1〜11および比較例1〜5の重合体
粒子の、懸濁重合粒子ガラス転移温度、懸濁重合粒子と
ポリ塩化ビニル樹脂の界面張力、および懸濁重合粒子/
乳化重合ラテックス重合体粒子固形分重量比をそれぞれ
示した。
【表1】 実施例1〜11および比較例1〜9の重合体粒子の、脱
水後含水率、ろ過排水の色、粉体特性、およびアイゾッ
ト衝撃強度の評価結果を表2および表3に示した。
【表2】
【表3】 以上の結果より、まず、脱水工程でのろ過排水の色は、
本発明の実施例1〜11では透明であるのに対し、比較
例4の懸濁重合重合体100重量部に対して、乳化重合
重合体が22重量部以下の場合は、白濁化することがわ
かる。これは、電解質水溶液添加後も系中に微粒子重合
体が残存するためである。また、比較例6より、電解質
水溶液添加時の混合懸濁液中の重合体粒子の固形分濃度
が25重量%よりも低い場合は、ろ過性が悪化するとと
もに脱水後含水率が高くなることがわかる。これは、電
解質水溶液を添加し加熱処理を実施した後の重合体懸濁
液中に粒子径50μm以下の微小凝集体の生成が頻発す
るためである。また、比較例7より、電解質水溶液添加
時の混合懸濁液中の重合体粒子の固形分濃度が35重量
%よりも高い場合は、懸濁重合重合体と乳化重合重合体
からなる粗大凝集粒子の生成が頻発するため、脱水後含
水率が高くなることがわかる。次に、本発明の実施例1
〜11で得られる重合体粒子の脱水後含水率は、比較例
5の乳化重合重合体単独で回収した場合に比べて極めて
低く、乾燥時のエネルギー消費量を大幅に削減できるこ
とがわかる。また、比較例3より、懸濁重合重合体10
0重量部に対して、乳化重合重合体が100重量部以上
の場合は、乳化重合重合体単独で回収した場合と相違無
く、乾燥時のエネルギー消費量削減の面で優位性がない
ことがわかる。さらに、比較例8および9より、ビカッ
ト軟化温度以上で電解質水溶液を添加した場合、および
懸濁重合重合体懸濁液に電解質水溶液を添加した後に乳
化重合ラテックスを添加したした場合は、系中に未凝固
の乳化重合重合体が残存し、その結果として極度のろ過
性の悪化を招くことがわかる。また、本発明の実施例1
〜11の、懸濁重合重合体のガラス転移温度が25℃以
下で、懸濁重合重合体とポリ塩化ビニル樹脂の界面張力
が1.5mN/m以下の重合体粒子は、乳化重合ベース
重合体粒子と同程度の添加部数でポリ塩化ビニル樹脂の
耐衝撃強度を改良できることがわかる。また、比較例1
および2より、ガラス転移温度が25℃以上、または懸
濁重合粒子とポリ塩化ビニル樹脂の界面張力が1.5m
N/m以上の重合体粒子は、ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝
撃強度改良効果がないことがわかる。最後に、本発明の
実施例1〜11で得られる重合体粒子の粉体特性は、比
較例5の乳化重合重合体単独で回収した場合に比べて極
めて良好であることがわかる。
【発明の効果】本発明は、ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃
強度の改良に優れ、脱水工程でのろ過性が良好であり、
低含水率で乾燥工程でのエネルギー消費量を大幅に削減
でき、しかも乾燥後粉体の粉体特性が良好である成形用
熱可塑性重合体粒子の製造方法を実現することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 //(C08L 33/06 51:00 51:00) Fターム(参考) 4F070 AA17 AA32 AB08 AB11 AB21 DA38 DB01 4J002 BG041 BG051 BG061 BN122 HA09 4J011 JB14 JB26 4J026 AA16 AA45 AC09 AC31 AC32 AC34 BA01 BA04 BA05 BA07 BA08 BA09 BA10 BA20 BA25 BA27 BA28 BA30 BA31 BA40 BA46 BA47 BA49 DB04 FA04 FA07 GA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 懸濁重合により製造したガラス転移温度
    が25℃以下で、ポリ塩化ビニルとの界面張力が1.5
    mN/m以下の重合体粒子からなる重合体懸濁液と、乳
    化重合により製造した重合体ラテックスを、懸濁重合重
    合体100重量部に対して22〜100重量部の比率で
    混合し、この重合体混合懸濁液中の重合体粒子の固形分
    濃度を25〜35重量%に調整した後、この混合物に乳
    化重合重合体のビカット軟化温度以下の温度で電解質水
    溶液を接触させ、乳化重合重合体のビカット軟化温度以
    上の温度に加熱後、固液分離により重合体粒子を回収す
    ることを特徴とする成形用熱可塑性重合体粒子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 懸濁重合重合体のガラス転移温度が0℃
    以下である請求項1記載の重合体粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 懸濁重合により製造した重合体とポリ塩
    化ビニルとの界面張力が1.0mN/m以下である請求
    項1記載の重合体粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 懸濁重合重合体100重量部に対し、乳
    化重合重合体が25〜100重量部被覆した請求項1記
    載の重合体粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 懸濁重合重合体100重量部に対し、乳
    化重合重合体が30〜100重量部被覆した請求項1記
    載の重合体粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 重合体混合懸濁液中の重合体粒子の固形
    分濃度が27〜33重量%である請求項1記載の重合体
    粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 懸濁重合により製造した重合体懸濁液
    が、(メタ)アクリル酸エステル70〜100重量%
    と、これと共重合可能なビニルモノマー0〜30部から
    なる単量体(混合物)を懸濁重合することにより得られ
    る重合体懸濁液である請求項1記載の重合体粒子の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 乳化重合により製造した重合体粒子が、
    アクリル酸エステル50〜100重量%、芳香族ビニル
    モノマー0〜40重量%、これらと共重合可能なビニル
    モノマー0〜10重量%ならびに多官能性モノマー0〜
    5重量%を重合してなりガラス転移温度が0℃以下のゴ
    ムラテックスの固形分50〜90重量部の存在下に、メ
    タクリル酸エステル10〜100重量%、芳香族ビニル
    モノマー0〜90重量%、シアン化ビニルモノマー0〜
    25重量%ならびにメタクリル酸エステル、芳香族ビニ
    ルモノマーおよびシアン化ビニルモノマーと共重合可能
    なビニルモノマー0〜20重量%からなる単量体混合物
    10〜50重量部を重合することにより得られる乳化重
    合体である請求項1記載の重合体粒子の製造方法。
  9. 【請求項9】 乳化重合により製造した重合体粒子が、
    メタクリル酸メチル50〜95重量%と炭素数2〜8の
    アルキル基を有するメタクリル酸エステル5〜50重量
    %とこれらと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量
    %との混合物80〜95重量部をまず乳化重合し、その
    生成重合体ラテックスの存在下にアクリル酸エステルお
    よびメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルよ
    り選ばれた1種以上の単量体20〜80重量%とメタク
    リル酸メチル20〜80重量%とこれらと共重合可能な
    ビニルモノマー0〜20重量%との混合物5〜40重量
    部を合計量が100重量部になるように添加、重合する
    ことにより得られる乳化重合体である請求項1記載の重
    合体粒子の製造方法。
  10. 【請求項10】 電解質水溶液が、無機塩の水溶液であ
    る請求項1記載の重合体粒子の製造方法。
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