JP4073243B2 - 重合体粒子 - Google Patents
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Description
本発明は、成形用熱可塑性重合体粒子に関する。さらに詳しくは、懸濁重合により製造した重合体粒子を、乳化重合により製造した重合体が被覆した形態を有する作業性に優れた懸濁−乳化複合成形用熱可塑性重合体粒子に関する。本発明の重合体粒子組成物は、ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃性強化剤として用いることができる。
【従来の技術】
塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、メチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂等の硬質プラスチックは、剛性、透明性、および加工性に優れているため広く用いられている。しかし、これらは脆いので、ゴム状ジエン系重合体あるいはアルキルアクリレート系重合体にメタクリル酸メチルあるいはスチレン等をグラフト共重合して得られる樹脂を混合して耐衝撃性を改良する方法が広く採用されている。 これらのグラフト共重合体は一般に乳化重合法で作られる。その理由は、造粒・回収後のグラフト共重合体樹脂を硬質プラスチックと溶融混練した際、グラフト共重合体が重合時の粒子径を維持した状態で硬質プラスチック中に再分散することにより耐衝撃強度が発現すると考えられているためである。
通常、乳化重合ラテックスから目的のグラフト共重合体を回収するためには、ラテックスを凝析させて回収する造粒操作が必要である。この造粒操作は、回収粒子の粉体特性(粒子径分布、微粉量、流動性等)だけでなく、脱水性や乾燥特性等、後処理時の生産性にも大きな影響を与える。従来、乳化重合により製造された高分子ラテックスから樹脂状重合体を回収する場合、一般にはラテックス中に凝固剤を投入し、液相中で凝固させ熱処理等の操作によりスラリー状にした後、脱水乾燥を経て粉粒体状合成樹脂を得ている。しかし、この方法の場合には、パウダーの形状は不定形となり、相当の微粉末が含まれるなど、工程上のトラブルの頻発、粉塵発生による作業環境の悪化等の問題が頻発していた。このため、気相凝固法(特開昭52−68285号)や緩凝析法(特開昭60−217224号)等の造粒法が提案されるなど、様々な改良検討がなされてきが、上記粉体特性の問題を解消するには至っていない。
また、上記の乳化重合重合体回収プロセスの乾燥工程における電力使用量は、懸濁重合プロセスと比較すると極めて大きい。これは、懸濁重合重合体に比べ、凝析後の乳化重合重合体造粒粒子の脱水後含水率が高く、乾燥操作に多大な時間が必要となるためである。
本発明に関係のある技術としては、特開平06−179754号明細書に、不粘着性顆粒を含有し、かつ50℃より低いガラス転移温度を有する懸濁重合体において、上記不粘着性顆粒が、50℃より高いガラス転移温度を有する乳化重合体からなる不粘着性被覆を有することを特徴とする懸濁重合体及びその製造方法が開示されている。この方法は、ガラス転移温度の低い懸濁重合重合体のブロッキングを防止するために使用しうる方法であること、さらに過剰な量の乳化重合重合体の被覆は脱水時の微粒子生成の原因となるため、乳化重合重合体を懸濁重合重合体100部に対して2〜10部被覆するのが最も好ましいとの記載があるなど、本発明の乳化重合プロセス由来の粉体特性改良の問題を解消するために懸濁重合重合体100部に対して乳化重合重合体を22〜100部を被覆する本発明とは異なる。
さらに、特開昭56−50907号等の明細書には、乳化重合ラテックスを部分凝固し、そこへエチレン系単量体を撹拌下に加え、乳化系から懸濁系へ重合系を転換した後、懸濁重合を行う方法として乳化−懸濁重合法が開示されている。この方法では、通常熱可塑性樹脂として用いられる懸濁重合重合体と耐衝撃強度改良剤である乳化重合重合体粒子が一体化した複合粒子を製造することができる。またこの手法を用いると、乳化重合ラテックスの回収において必須となる凝固(造粒)工程が省略できる、得られる粒子は優美な球形を有し極めて微粉が少ない、乾燥負荷の低い(脱水後の含水率の低い)造粒粒子が得られるのでエネルギー消費量の面で現行乳化重合プロセスよりも有利となるなど、懸濁重合および乳化重合プロセスの問題点を大幅に軽減することが可能となる。しかしながら、この方法は、乳化系から懸濁系に転換する際の系の粘度上昇が極めて著しいこと、重合スケールの生成、あるいは乳化重合を完了した後、さらに懸濁重合を連続して実施するためトータルの重合時間が極めて長くなることなど、生産性の面で劣る。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度の改良に優れ、脱水工程でのろ過性が良好であり、低含水率で乾燥工程でのエネルギー消費量を大幅に削減でき、しかも乾燥後粉体の粉体特性が良好である成形用熱可塑性重合体粒子を提案する。
【発明を解決するための手段】
上記のような現状に鑑み、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、懸濁重合により製造した平均粒子径が50〜500μmの懸濁重合体粒子を含み、
該懸濁重合体粒子が、(メタ)アクリル酸エステル70〜100重量%と、これと共重合可能なビニルモノマー0〜30部とからなる単量体または単量体混合物を懸濁重合することにより得られる懸濁重合体粒子であり、
該懸濁重合体粒子のガラス転移温度が25℃以下、かつ、該懸濁重合体粒子とポリ塩化ビニルとの界面張力が1.5mN/m以下であり、
さらに、該懸濁重合重合体粒子100重量部を被覆してなる予め乳化重合により重合した乳化重合体22〜100重量部を含み、
該乳化重合体粒子が、アクリル酸エステル50〜100重量%、芳香族ビニルモノマー0〜40重量%、これらと共重合可能なビニルモノマー0〜10重量%ならびに多官能性モノマー0〜5重量%を重合してなりガラス転移温度が0℃以下のゴムラテックスの固形分50〜90重量部に、メタクリル酸エステル10〜100重量%、芳香族ビニルモノマー0〜90重量%、シアン化ビニルモノマー0〜25重量%ならびにメタクリル酸エステル、芳香族ビニルモノマーおよびシアン化ビニルモノマーと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%からなる単量体または単量体混合物10〜50重量部をグラフト重合することにより得られる乳化重合体粒子、又は、
メタクリル酸メチル50〜95重量%と炭素数2〜8のアルキル基を有するメタクリル酸エステル5〜50重量%とこれらと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%との混合物80〜95重量部をまず乳化重合し、その生成重合体ラテックスの存在化にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルより選ばれた1種以上の単量体20〜80重量%とメタクリル酸メチル20〜80重量%とこれらと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%との混合物5〜20重量部を合計量が100重量部になるように添加、グラフト重合することにより得られる乳化重合体粒子であることを特徴とする塩化ビニル成形用熱可塑性重合体粒子とすることで、ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度の改良に優れ、脱水工程でのろ過性が良好であり、低含水率で乾燥工程でのエネルギー消費量を大幅に削減できる成形用熱可塑性重合体粒子を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、懸濁重合により製造した平均粒子径が50〜500μmの懸濁重合体粒子を含み、
該懸濁重合体粒子が、(メタ)アクリル酸エステル70〜100重量%と、これと共重合可能なビニルモノマー0〜30部とからなる単量体または単量体混合物を懸濁重合することにより得られる懸濁重合体粒子であり、
該懸濁重合体粒子のガラス転移温度が25℃以下、かつ、該懸濁重合体粒子とポリ塩化ビニルとの界面張力が1.5mN/m以下であり、
さらに、該懸濁重合重合体粒子100重量部を被覆してなる予め乳化重合により重合した乳化重合体粒子22〜100重量部を含み、
該乳化重合体粒子が、アクリル酸エステル50〜100重量%、芳香族ビニルモノマー0〜40重量%、これらと共重合可能なビニルモノマー0〜10重量%ならびに多官能性モノマー0〜5重量%を重合してなりガラス転移温度が0℃以下のゴムラテックスの固形分50〜90重量部に、メタクリル酸エステル10〜100重量%、芳香族ビニルモノマー0〜90重量%、シアン化ビニルモノマー0〜25重量%ならびにメタクリル酸エステル、芳香族ビニルモノマーおよびシアン化ビニルモノマーと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%からなる単量体または単量体混合物10〜50重量部をグラフト重合することにより得られる乳化重合体粒子、又は、
メタクリル酸メチル50〜95重量%と炭素数2〜8のアルキル基を有するメタクリル酸エステル5〜50重量%とこれらと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%との混合物80〜95重量部をまず乳化重合し、その生成重合体ラテックスの存在化にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルより選ばれた1種以上の単量体20〜80重量%とメタクリル酸メチル20〜80重量%とこれらと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%との混合物5〜20重量部を合計量が100重量部になるように添加、グラフト重合することにより得られる乳化重合体粒子であることを特徴とする塩化ビニル成形用熱可塑性重合体粒子、前記ガラス転移温度が0℃以下である塩化ビニル成型用熱可塑性重合体粒子、前記界面張力が1.0mN/m以下である塩化ビニル成型用熱可塑性重合体粒子、さらに、前記懸濁重合重合体粒子100重量部を被覆してなる前記乳化重合体粒子が、30〜100重量部である塩化ビニル成型用熱可塑性重合体粒子に関する。
【発明の実施の形態】
本発明の懸濁重合により製造した重合体粒子は、単量体または単量体混合物を懸濁重合することにより得られるガラス転移温度が25℃以下で、ポリ塩化ビニルとの界面張力が1.5mN/m以下の重合体粒子が使用される。好ましくは(メタ)アクリル酸エステル70〜100重量%と、これと共重合可能なビニルモノマー0〜30部からなる単量体または単量体混合物を懸濁重合することにより得られるガラス転移温度が25℃以下で、ポリ塩化ビニルとの界面張力が1.5mN/m以下の重合体粒子が使用される。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の炭素数が10以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート類、またはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等の炭素数が10以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート類があげられる。
また、共重合可能なビニルモノマーとしては、例えば(1)スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン等のビニルアレーン類、(2)アクリル酸、メタクリル酸等のビニルカルボン酸類、(3)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン類、(4)塩化ビニル、臭化ビニル、クロロプレン等のハロゲン化ビニル類、(5)酢酸ビニル、(6)エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソブチレン等のアルケン類、(7)ハロゲン化アルケン類、(8)アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、モノエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリシジルメタクリレート等の多官能性モノマーなどがあげられる。
懸濁重合重合体粒子の平均粒粒子径は、通常の懸濁重合操作で得られる50〜500μmの重合体粒子を用いるのが好ましい。懸濁重合重合体粒子の平均粒粒子径が50μm以下の場合は、ろ過性の悪化を招くため好ましくない。
本発明の懸濁重合重合体粒子のガラス転移温度は、25℃以下、好ましくは0℃以下である。ガラス転移温度が25℃以上の場合は、本発明の重合体粒子のポリ塩化ビニル樹脂への耐衝撃強度付与効果が低下するため好ましくない。次に、本発明の懸濁重合により製造した重合体粒子は、ポリ塩化ビニル樹脂との界面張力が1.5mN/m以下、好ましくは1.0mN/m以下のものが好適に使用され得る。この理由は、上記界面張力が1.5mN/m以下であれば、塩化ビニル樹脂と本発明の重合体粒子を溶融混練した際、平均粒子径50〜500μmの懸濁重合重合体粒子がポリ塩化ビニル樹脂マトリックス中に0.05〜0.5μmの粒子径で微分散し、ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度改良に寄与するためである。上記界面張力が1.5mN/m以上の場合は、ポリ塩化ビニル樹脂と本発明の重合体粒子を溶融混練した際の懸濁重合重合体粒子の分散粒子径が0.5μmよりも大きくなり、ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度改良効果が得られないため好ましくない。
本発明の懸濁重合により製造した重合体粒子とポリ塩化ビニル樹脂の界面張力は、次の理論式(Poly. Eng. Sci., 1987,vol.27,p335−343記載)より算出した。
(式1)
ここで、γ:ポリ塩化ビニル樹脂/懸濁重合粒子間の界面張力[mN/m]、γMP:ポリ塩化ビニル樹脂の表面張力[mN/m]、γSPP:懸濁重合粒子の表面張力[mN/m]、γMP d:γMPの非極性成分[mN/m]、γSPP d:γSPPの非極性成分[mN/m]、γMP p:γMPの極性成分[mN/m]、γSPP p:γSPPの極性成分[mN/m]を示す。
これらパラメーターのデータは、Poly. Eng. Sci., 1987,vol.27,p335−343、POLYMER HANDBOOK(WILEY−INTERSCIENCE PUBLICATION)、およびPOLYMER INTEFACE AND ADHESION(MARCEL DEKKER INC、1982)等に記載されている文献値を用いることができる。懸濁重合粒子とポリ塩化ビニル樹脂の界面張力の算出方法は次のとおり。
まず、懸濁重合粒子の組成より(式2)から(式5)に従って、懸濁重合粒子の表面張力およびその極性成分、非極性成分を算出した。
(式2)
ここで、γSPPは懸濁重合粒子の表面張力を、γnは懸濁重合粒子中のポリマー成分nの表面張力を、xnは懸濁重合粒子中のポリマー成分nのモル分率をそれぞれ示している。
(式3)
ここで、XSPPは懸濁重合の極性値を、Xpnは懸濁重合粒子中のポリマー成分nの極性、xnは懸濁重合粒子中のポリマー成分nのモル分率をそれぞれ示している。
(式4)
(式5)
懸濁重合粒子とポリ塩化ビニル樹脂の界面張力は、(式4)および(式5)から得られた値、およびポリ塩化ビニル樹脂のパラメーターデータより、(式1)に従って算出した。
従って本発明において、例えば、懸濁重合により製造した重合体粒子の組成がブチルアクリレートおよびメチルメタクリレートの場合、上記計算結果より、懸濁重合粒子のガラス転移温度が25℃以下で塩化ビニル樹脂との界面張力が1.5mN/m以下である懸濁重合粒子の組成は、ブチルアクリレート重量比率で58〜95重量%の懸濁重合重合体粒子となる。
本発明の懸濁重合重合体粒子の製造方法であるが、懸濁重合の分散安定剤としては通常の無機系分散剤や有機系分散剤が使用できる。無機系分散剤としては、炭酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム等が、また、有機系分散剤としては、でんぷん、ゼラチン、アクリルアミド、部分ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸およびその塩、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、スルホン化ポリスチレン等の天然物および合成高分子分散剤、さらには、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩等の低分子分散剤あるいは乳化剤が使用可能である。
懸濁重合の重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物が使用できる。
また、分子量調節のために、連鎖移動剤を用いても良く、連鎖移動剤としては炭素数2〜18のアルキルメルカプタン、チオグリコール酸エステル、β−メルカプトプロピオン酸等のメルカプト酸、ベンジルメルカプタン、あるいはチオフェノール、チオクレゾール、チオナフトール等の芳香族メルカプタン等が用い得るが、特に好ましいのは炭素数4〜12のアルキルメルカプタンである。
懸濁重合重合体粒子の製造方法は、単量体あるいは単量体混合物を水に懸濁させ、そのまま重合反応を実施する方法、単量体あるいは単量体混合物の一部を水に懸濁させ重合反応を開始し、重合反応の進行に伴い、残りの単量体あるいは単量体混合物の水懸濁液を一段、あるいは数段に分けて、あるいは連続的に重合反応槽へ追加して重合反応を実施する方法、単量体あるいは単量体混合物の一部を水に懸濁させ重合反応を開始し、重合反応の進行に伴い、残りの単量体あるいは単量体混合物を一段、あるいは数段に分けて、あるいは連続的に重合反応槽へ追加して重合反応を実施する方法等、公知となっている全ての手法を用いることができる。
重合開始剤および連鎖移動剤の添加方法には特に制限がないが、重合開始剤および連鎖移動剤の両方を単量体に溶解した後、単量体を水中に懸濁させ、そのまま重合反応を実施する手法が最も好ましい。重合に要する時間は開始剤の種と量、あるいは重合温度などによって異なるが通常1〜24時間である。また、懸濁重合時に可塑剤、滑剤、安定剤、および紫外線吸収剤等、ポリ塩化ビニル樹脂の成形加工時に通常添加される成分を単量体に添加することも可能である。
続いて、本発明の乳化重合重合体粒子は、好ましくは(1)アクリル酸エステル50〜100重量%、芳香族ビニルモノマー0〜40重量%、これらと共重合可能なビニルモノマー0〜10重量%ならびに多官能性モノマー0〜5重量%を重合してなりガラス転移温度が0℃以下のゴムラテックスの固形分50〜90重量部に、メタクリル酸エステル10〜100重量%、芳香族ビニルモノマー0〜90重量%、シアン化ビニルモノマー0〜25重量%ならびにメタクリル酸エステル、芳香族ビニルモノマーおよびシアン化ビニルモノマーと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%からなる単量体混合物10〜50重量部をグラフト重合することにより得られる乳化重合重合体粒子、より好ましくは(2)メタクリル酸メチル50〜95重量%と炭素数2〜8のアルキル基を有するメタクリル酸エステル5〜50重量%とこれらと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%との混合物80〜95重量部をまず乳化重合し、その生成重合体ラテックスの存在化にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルより選ばれた1種以上の単量体20〜80重量%とメタクリル酸メチル20〜80重量%とこれらと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%との混合物5〜40重量部を合計量が100重量部になるように添加、グラフト重合することにより得られる乳化重合重合体粒子が用いられる。
上記(1)および(2)の乳化重合重合体の一般的な製造方法は、例えば、特開平2−269755、特開平8−217817公報に詳細に記述されている。しかしこれに限定されるものではない。
上記(1)および(2)の乳化重合重合体が好適に使用される理由は、ポリ塩化ビニル樹脂の品質改良剤(モディファイヤー)として上記乳化重合重合体が広範に用いられており、本発明の重合体粒子として回収した場合においても、それらの有する品質向上効果を発現させることが可能となるためである。しかしながら、本発明の乳化重合重合体は、これらに限定されるものではなく、例えば次のモノマー群から選ばれた1種または2種以上のモノマーを主とする単量体組成物または共重合またはグラフト重合させた重合体ラテックス粒子の単独または混合ラテックス重合体粒子を用いることができる。(1)メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の炭素数が10以下のアルキル基を有するアルキルアクリレート類、(2)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等の炭素数が10以下のアルキル基を有するアルキルメタクリレート類、(3)スチレン、α−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン等のビニルアレーン類、(4)アクリル酸、メタクリル酸等のビニルカルボン酸類、(5)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン類、(6)塩化ビニル、臭化ビニル、クロロプレン等のハロゲン化ビニル類、(7)酢酸ビニル、(8)エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソブチレン等のアルケン類、(9)アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、モノエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリシジルメタクリレート等の多官能性モノマー。乳化重合重合体粒子の平均粒子径には特に制限はないが、通常の乳化重合で得られる平均粒子径0.05〜0.5μmの重合体粒子を用いることができる。本発明の重合体粒子の製造方法であるが、懸濁重合により製造した重合体懸濁液と、乳化重合により製造した重合体ラテックスを混合し、その混合物に電解質水溶液を接触させることにより作成される。懸濁重合により製造した重合体懸濁液と乳化重合により製造した乳化重合ラテックスの混合は、撹拌下に、懸濁重合重合体懸濁液へ乳化重合ラテックスを、あるいは乳化重合ラテックスへ懸濁重合重合体懸濁液を添加することにより実施するのが好ましい。乳化重合ラテックスと懸濁重合重合体懸濁液の混合時の乳化重合ラテックスおよび懸濁重合重合体懸濁液の固形分濃度は、それぞれ25〜55重量%が好ましいが、通常の重合操作で得られた乳化重合ラテックスまたは懸濁重合重合体懸濁液をそのまま用いるのが製造上最も簡便でありより好ましく、通常は30〜45重量%程度である。混合時の温度は5℃以上が好ましく、5℃よりも低い場合はその後の熱処理操作のユーティリティー使用量が多大となるため好ましくない。
続いて本発明の重合体粒子を製造するにあたり、上記の懸濁重合重合体粒子懸濁液と乳化重合ラテックスの混合物に電解質水溶液を接触させる。電解質水溶液との接触は、撹拌下に、懸濁重合重合体懸濁液と乳化重合ラテックスの混合物へ電解質水溶液を添加することにより実施するのが好ましい。この操作により、乳化重合重合体粒子および懸濁重合時に生成した微粒子重合体が懸濁重合重合体粒子表面に凝析(析出)し、懸濁重合重合体粒子表面を被覆する。本発明に用いることのできる電解質水溶液としては、該高分子ラテックスを凝析・凝固し得る性質を有する有機酸(塩)または無機酸(塩)の水溶液であれば良いが、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化カルシウム、硫酸第一鉄、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、塩化バリウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄、硫酸アルミニウム、カリウムミョウバン、鉄ミョウバン等の無機塩類の水溶液、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類の水溶液、酢酸、ギ酸等の有機酸類およびそれらの水溶液、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム等の有機酸塩類の水溶液を単独にまたは2種以上を混合して用いることができる。特に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化バリウム、塩化第一鉄、硫酸アルミニウム、カリウムミョウバン、鉄ミョウバン、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸の水溶液が好適に用いることができる。
本発明において用いる電解質水溶液の濃度は、0.001重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは1%以上が好ましい。電解質水溶液の濃度が0.001重量%以下の場合は、乳化重合重合体粒子を凝析させるために多量の電解質水溶液を添加する必要があり、その後の熱処理操作時のユーティリティー使用量が多大となるため好ましくない。
本発明における懸濁重合重合体粒子懸濁液と乳化重合体ラテックス混合物への電解質水溶液の添加は、乳化重合重合体のビカット軟化温度以下の温度で実施するのが好ましい。電解質水溶液添加時に懸濁重合重合体粒子懸濁液と乳化重合体ラテックスの混合物の温度が乳化重合ラテックス重合体のビカット軟化温度を超えると、生成する重合体粒子の形状が歪になるだけでなく、重合体粒子間の凝集が併発し、その結果として脱水後の含水率が高くなるため好ましくない。
本発明の重合体粒子の懸濁重合重合体と乳化重合重合体の固形分比は、懸濁重合重合体100重量部に対して、乳化重合重合体を22〜100重量部、好ましくは25〜100重量部、さらに好ましくは30〜100重量部である。懸濁重合重合体100重量部に対して、乳化重合重合体が22重量部以下の場合は、電解質水溶液添加後も系中に微粒子重合体が残存し、その結果として脱水工程でろ過排水が白濁化するため好ましくない。また、懸濁重合重合体100重量部に対して乳化重合重合体が100重量部を超える場合は、得られる重合体の脱水後含水率が高くなるため好ましくない。
本発明の重合体粒子を製造するにあたり、懸濁重合重合体粒子懸濁液と乳化重合ラテックス混合物中の乳化重合ラテックス重合体の比率が高い場合、あるいは電解質水溶液の添加速度が極端に速い場合、または電解質水溶液濃度が極端に高い場合には、電解質水溶液添加時に著しい粘度上昇が見られる場合がある。この様な場合は、系中に適時水を加えるなど、通常の撹拌状態が維持できる程度に系の粘度を低下させる操作を実施すればよい。電解質水溶液の量は、懸濁重合重合体粒子懸濁液と乳化重合ラテックス混合物中の乳化重合重合体の比率により当然異なるが、熱処理後に未凝固の乳化重合重合体粒子が存在しなくなる量以上を添加すれば良い。
本発明の粒子状重合体組成物を製造するにあたっては、懸濁重合重合体粒子懸濁液と乳化重合ラテックス混合物に電解質水溶液を添加するだけでは低含水率の重合体粒子は得られない。電解質水溶液が酸性水溶液で、造粒後の懸濁液が酸性を示す場合は水酸化ナトリウム等のアルカリで中和した後、また電解質水溶液が中性の水溶液の場合はそのまま50〜120℃で熱処理するのが好ましい。これにより、懸濁重合重合体粒子表面を被覆した乳化重合重合体粒子の凝集体が緻密化し、重合体粒子の含水率が低下する。
その後、常法に従って脱水および乾燥を行えば、本発明の重合体粒子が得られる。
【実施例】
次に本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
脱水後含水率の測定は、実施例および比較例で得られた重合体懸濁液30g(固形分濃度:30重量%)をアスピレーターで吸引ろ過した後、脱水樹脂を回収し、100℃熱風対流型乾燥機に12時間入れて水分を蒸発させた。脱水後含水率は、乾燥前の脱水直後樹脂重量をWw、乾燥後樹脂重量をWdとし、式2から求めた。
(式6)
脱水時のろ過排水の白濁度合いの評価は、実施例および比較例で得られた重合体粒子懸濁液500g(固形分濃度:約30重量%)をアスピレーターで吸引ろ過した際のろ過排水の色が、目視評価において、
透明なものを○
少し白濁しているものを△
大きく白濁しているものを×
とした。
粉体特性評価には、パウダーテスターPT−R型(ホソカワミクロン社製)を用い、Carrの流動特性評価法に基づいて(CHEMICAL ENGINEERING,1965,vol.18,p163−168)、安息角、崩壊角、スパチュラー角、ゆるみかさ密度、固めかさ密度、凝集度、分散度、差角、圧縮度、および均一度の測定を行い、得られた流動性指数から流動性の程度を決定した。尚、粉体特性は、脱水後の重合体粒子を55℃の乾燥温度で一晩乾燥して得た粉体について測定したものである。
アイゾット強度立ち上がり部数は、ジオクチルスズメルカプチド(安定剤、勝田化工社製、商品名:TM−188J)1.5部、ステアリン酸カルシウム(滑剤、堺化学社製、商品名:SC−100)1.4部、パラフィンワックス(滑剤、日本精蝋社製、商品名:HんP−10)1.5部、酸化チタン(顔料、堺化学社製、商品名:TITONE R650)8部、炭酸カルシウム(充填剤、OMYA社製、商品名:OMYACARB UFT)4.5部、加工助剤(鐘淵化学工業社製、商品名:PA−20)1.8部、塩化ビニル(鐘淵化学工業社製、商品名:S−1001、重合度:100)100部からなるコンパウンドと、本発明の重合体粒子を5、7、9,11,13,および15部をそれぞれブレンドした後、195℃のロールで5分間混練り後、195℃のプレスで15分間加圧成形して、厚さ4mmのプレス板を作成、このプレス板から長さ70mm、幅15mmの試験片を作成し、JIS K7110に準拠して、23℃のアイゾット衝撃強度を測定し、アイゾット衝撃強度が35kJ/cm2以上となる本発明の重合体粒子の添加部数をアイゾット強度立ち上がり部数とした。
乳化重合重合体のビカット軟化温度の測定は、JIS K7206に基づいて実施した。試験片は、重合により得られた乳化重合重合体を、凝固、熱処理、乾燥により回収し、押出し成形機でペレット化後、プレス成形機でシート化し作成した。
実施例および比較例の中で用いる部および%は、それぞれ重量部および重量%を示す。
(実施例1)
水250部、オレイン酸ナトリウム0.04部、硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O)0.002部、EDTA・2Na塩0.008部およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2部を、撹拌基付反応器に仕込み、窒素置換後、50℃まで昇温した。これにブチルアクリレート100部、アリルメタクリレート1部およびクメンハイドロパーオキシド0.2部の混合液の10重量%を加えた。その1時間後から混合液の残りの90重量%を5時間かけて追加した。また、混合液の残りの追加と同時に、1部のステアリン酸カリウムを5%水溶液にしたものを5時間にわたり連続的に追加した。さらに、1時間の重合を行い、重合転化率99%、平均粒子径0.18μm、ガラス転移温度−40℃のアクリル酸エステル系ゴムラテックスを得た。次いで、前記アクリル酸エステル系ゴムラテックス275部(固形分75部)、硫酸第一鉄FeSO4・7H2O)0.002部、EDTA・2Na塩0.004部およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.1部を、撹拌基付反応器に仕込み、窒素置換後、70℃まで昇温した。これにメチルメタクリレート23部、ブチルアクリレート2部およびクメンハイドロパーオキシド0.1部の混合液を3時間かけて追加し、さらに1時間の後重合を行って、平均粒子径が0.2μm、ビカット軟化温度75℃のグラフト共重合体ラテックス(A)を得た。
撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合粒子スラリーを作成した。
この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス(A)99部(固形分33部)を、懸濁重合ゴムスラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(実施例2)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート80部とメチルメタクリレート20部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(実施例3)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート70部とメチルメタクリレート30部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス90部(固形分33部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(実施例4)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス303部(固形分100部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーに脱イオン水100部添加後、50℃に調整し、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(実施例5)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス150部(固形分50部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーに脱イオン水50部添加後、50℃に調整し、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(実施例6)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス66部(固形分22部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーに脱イオン水50部添加後、50℃に調整し、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(実施例7)
撹拌機付反応器に水200部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1部および過硫酸カリウム0.03部を仕込み、窒素置換後、65℃に昇温した。これにメチルメタクリレート84部およびブチルメタクリレート16部よりなるモノマー混合物を4時間かけて加えた後、1時間加熱撹拌を続け、重合反応を実質的に完結させた。その後、ブチルアクリレート11部およびメチルメタクリレート9部よりなるモノマー混合物を1時間かけて加えた後、さらに1.5時間65℃で重合を行い、平均粒子径が0.1μm、ビカット軟化温度90℃のグラフト共重合体ラテックス(B)を得た。
撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。
この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス59部(固形分22部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを60℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを95℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(実施例8)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(GH−20:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート70部と酢酸ビニル30部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で4時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。
この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(実施例9)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(GH−20:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート75部と酢酸ビニル25部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で4時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。
この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(実施例10)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(GH−20:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたエチルアクリレート75部とメチルアクリレート25部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で4時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。
この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(実施例11)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート90部とメチルメタクリレート10部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。
この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整し、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(比較例1)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート50部とメチルメタクリレート50部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。
この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(比較例2)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート100部の単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合スラリーを作成した。
この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス99部(固形分33部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液100部を撹拌下に20分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(比較例3)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合粒子スラリーを作成した。
この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス364部(固形分120部)を、懸濁重合スラリー334部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。そこへ水120部を加え50℃に調整した後、50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(比較例4)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。撹拌機付反応器に脱イオン水220部、3%−PVA水溶液5.0部(KH−17:日本合成化学社製)を仕込み、反応機内を窒素置換した。そこへ、ラウロイルパーオキシド0.5部、ベンゾイルパーオキシド0.5部を溶解させたブチルアクリレート85部とメチルメタクリレート15部の混合単量体を加え、単量体の分散粒子径が約250μmとなるように撹拌機の回転数を調整した。その後、60℃で2時間、70℃で2時間、80℃で2時間、90℃で1時間と段階的に昇温加熱し重合を完結させ、固形分濃度30%の懸濁重合粒子スラリーを作成した。
この様にして得られたグラフト共重合体ラテックス60部(固形分20部)を、懸濁重合スラリー332部(固形分100部)に撹拌下に加え、乳化−懸濁混合スラリーとした。乳化−懸濁混合スラリーを50℃に調整した後、1.0%塩化カルシウム水溶液50部を撹拌下に10分間で滴下した。塩化カルシウム水溶液添加終了後、撹拌下に、混合スラリーを90℃まで昇温して熱処理を実施した後、脱水、乾燥して粉体を回収した。
(比較例5)
実施例1と同様にして、グラフト共重合体ラテックス(A)を作成した。得られたグラフト共重合体ラテックス(A)100重量部(固形分40部)に、撹拌下で水150部加え、35℃に調整した。そこへ、1.0%塩化カルシウム水溶液20部を加えて凝固を行い、熱処理、脱水、洗浄、乾燥して粉体を回収した。
表1には、実施例1〜11および比較例1〜5の重合体粒子の、懸濁重合粒子ガラス転移温度、懸濁重合粒子とポリ塩化ビニル樹脂の界面張力、および懸濁重合粒子/乳化重合ラテックス重合体粒子固形分重量比をそれぞれ示した。
【表1】
実施例1〜11および比較例1〜5の重合体粒子の、脱水後含水率、およびアイゾット衝撃強度の評価結果を表2および表3に示した。
【表2】
【表3】
以上の結果より、まず、脱水工程でのろ過排水の色は、本発明の実施例1〜11では透明であるのに対し、比較例4の懸濁重合重合体100重量部に対して、乳化重合重合体が22重量部以下の場合は、白濁化することがわかる。これは、電解質水溶液添加後も系中に微粒子重合体が残存するためである。
次に、脱水後含水率に着目すると、本発明の実施例1〜11で得られる重合体粒子は、比較例5の乳化重合重合体単独で回収した場合に比べて極めて低く、乾燥時のエネルギー消費量を大幅に削減できることがわかる。
また、比較例3より、懸濁重合重合体100重量部に対して、乳化重合重合体が100重量部以上の場合は、乳化重合重合体単独で回収した場合と相違無く、乾燥時のエネルギー消費量削減の面で優位性がないことがわかる。また、本発明の実施例1〜11の、懸濁重合重合体のガラス転移温度が25℃以下で、懸濁重合粒子とポリ塩化ビニル樹脂の界面張力が1.5mN/m以下の重合体粒子は、乳化重合ベース重合体粒子と同程度の添加部数でポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度を改良できることがわかる。さらに、比較例1および2より、ガラス転移温度が25℃以上、または懸濁重合粒子とポリ塩化ビニル樹脂の界面張力が1.5mN/m以上の重合体粒子は、ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度改良効果がないことがわかる。
最後に、本発明の実施例1〜11で得られる重合体粒子の粉体特性は、比較例5の乳化重合重合体単独で回収した場合に比べて極めて良好であることがわかる。 図1には本発明で得られた重合体粒子の、 図2には比較例5で得られた不定形粒子の顕微鏡写真を示した。この写真からも、本発明で得られた重合体粒子は極めて美しい球形粒子であり、粉体特性が良好であることがわかる。
【発明の効果】
本発明は、ポリ塩化ビニル樹脂の耐衝撃強度の改良に優れ、脱水工程でのろ過性が良好であり、低含水率で乾燥工程でのエネルギー消費量を大幅に削減でき、しかも乾燥後粉体の粉体特性が良好である成形用熱可塑性重合体粒子組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【 図1】 実施例1で得られた重合体粒子の顕微鏡写真。
【 図2】 比較例5で得られた重合体粒子の顕微鏡写真。
Claims (4)
- 懸濁重合により製造した平均粒子径が50〜500μmの懸濁重合体粒子を含み、
該懸濁重合体粒子が、(メタ)アクリル酸エステル70〜100重量%と、これと共重合可能なビニルモノマー0〜30部とからなる単量体または単量体混合物を懸濁重合することにより得られる懸濁重合体粒子であり、
該懸濁重合体粒子のガラス転移温度が25℃以下、かつ、該懸濁重合体粒子とポリ塩化ビニルとの界面張力が1.5mN/m以下であり、
さらに、該懸濁重合重合体粒子100重量部を被覆してなる予め乳化重合により重合した乳化重合体粒子22〜100重量部を含み、
該乳化重合体粒子が、アクリル酸エステル50〜100重量%、芳香族ビニルモノマー0〜40重量%、これらと共重合可能なビニルモノマー0〜10重量%ならびに多官能性モノマー0〜5重量%を重合してなりガラス転移温度が0℃以下のゴムラテックスの固形分50〜90重量部に、メタクリル酸エステル10〜100重量%、芳香族ビニルモノマー0〜90重量%、シアン化ビニルモノマー0〜25重量%ならびにメタクリル酸エステル、芳香族ビニルモノマーおよびシアン化ビニルモノマーと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%からなる単量体または単量体混合物10〜50重量部をグラフト重合することにより得られる乳化重合体粒子、又は、
メタクリル酸メチル50〜95重量%と炭素数2〜8のアルキル基を有するメタクリル酸エステル5〜50重量%とこれらと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%との混合物80〜95重量部をまず乳化重合し、その生成重合体ラテックスの存在化にアクリル酸エステルおよびメタクリル酸メチルを除くメタクリル酸エステルより選ばれた1種以上の単量体20〜80重量%とメタクリル酸メチル20〜80重量%とこれらと共重合可能なビニルモノマー0〜20重量%との混合物5〜20重量部を合計量が100重量部になるように添加、グラフト重合することにより得られる乳化重合体粒子であることを特徴とする塩化ビニル成形用熱可塑性重合体粒子。 - 前記ガラス転移温度が0℃以下である請求項1記載の塩化ビニル成型用熱可塑性重合体粒子。
- 前記界面張力が1.0mN/m以下である請求項1記載の塩化ビニル成型用熱可塑性重合体粒子。
- 前記懸濁重合重合体粒子100重量部を被覆してなる前記乳化重合体粒子が、30〜100重量部である請求項1記載の塩化ビニル成型用熱可塑性重合体粒子。
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