JP2003316060A - 電子写真装置、プロセスカートリッジおよび電子写真感光体 - Google Patents

電子写真装置、プロセスカートリッジおよび電子写真感光体

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JP2003316060A
JP2003316060A JP2002117703A JP2002117703A JP2003316060A JP 2003316060 A JP2003316060 A JP 2003316060A JP 2002117703 A JP2002117703 A JP 2002117703A JP 2002117703 A JP2002117703 A JP 2002117703A JP 2003316060 A JP2003316060 A JP 2003316060A
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photosensitive member
electrophotographic photosensitive
electrophotographic
process cartridge
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Koichi Nakada
浩一 中田
Yosuke Morikawa
陽介 森川
公博 ▲吉▼村
Kimihiro Yoshimura
Daisuke Tanaka
大介 田中
Shinji Takagi
進司 高木
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真感光体の支持体と感光層との剥離が
生じず、また、画像欠陥が生じない、注入帯電を採用し
た電子写真装置を提供する。 【解決手段】 支持体上に感光層と保護層を有する電子
写真感光体と、該電子写真感光体に接触配置され電圧が
印加されることにより該電子写真感光体を帯電する帯電
部材を有する帯電手段と、現像手段と、転写手段を有す
る電子写真装置において、該電子写真感光体の支持体の
感光層側の表面が陽極酸化処理されたアルミニウムであ
り、該帯電手段の帯電部材が弾性体で構成され、かつ、
該帯電部材の表面は該電子写真感光体の表面に対して速
度差を持っており、かつ、該帯電部材と該電子写真感光
体との接触面に帯電粒子が担持されており、該帯電手段
が注入帯電手段である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機またはレー
ザービームプリンターなどの電子写真装置およびこれら
電子写真装置に着脱可能なプロセスカートリッジ、これ
らの電子写真装置に用いられ、支持体上に感光層および
保護層を有する電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置の帯電手段としては
コロナ帯電装置が一般的に使用されてきた。また近年、
低オゾンなどの利点を有することから、電子写真感光体
に接触配置された帯電部材に電圧を印加することによっ
て電子写真感光体の帯電を行う装置(接触帯電装置)も
実用化されている。
【0003】しかしながら、コロナ帯電は無論、接触帯
電も帯電は帯電部材から電子写真感光体への放電によっ
て行われるため、放電開始電圧以上の電圧を印加するこ
とによって帯電が開始される。例えば、膜厚25μmの
電子写真感光体を帯電ローラーを用いて接触帯電するた
めには、帯電ローラーに対して少なくとも約640V以
上の電圧を印加しなければならない。約640V以上の
電圧を印加することによって初めて放電が開始され、電
子写真感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加
電圧に対して傾き1で線形に電子写真感光体の表面電位
が上昇する。以後、この放電開始電圧をVthと定義す
る。
【0004】つまり、電子写真プロセスに必要とされる
電子写真感光体の表面電位Vdを得るためには帯電ロー
ラーにはVd+VthのDC電圧が必要となる。このよ
うに、DC電圧のみを帯電部材に印加することによって
電子写真感光体の帯電を行う帯電方式をDC帯電方式と
称する。
【0005】このDC帯電方式では装置周辺の温湿度の
変動などにより接触帯電部材の抵抗値が変動するため、
あるいは電子写真感光体が使用に伴って削れることによ
って膜厚が変化するとVthが変動するため、電子写真
感光体の電位を所望する値にすることが困難であった。
このため、さらなる帯電の均一性を図るために特開昭6
3−149669号公報などに開示されるように、所望
のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上のピーク間
電圧を持つAC成分を重畳した振動電圧を接触帯電部材
に印加して電子写真感光体の帯電を行ういわゆるAC帯
電方式が用いられる。この帯電方式では電子写真感光体
の表面電位は、環境や電子写真感光体削れなどの外的要
因に影響されることもほとんどなく、Vdに収束する。
【0006】しかしながら、上述のような接触帯電装置
においても、その本質的な帯電機構は帯電部材から電子
写真感光体へのエアギャップを介した放電現象を用いて
いるため、先に述べたように帯電に必要とされる電圧は
電子写真感光体の表面電位を超える値であり、微量であ
るがオゾンも発生する。また、帯電均一化のためにAC
帯電方式を用いた場合には、オゾン発生量の増加、AC
電圧の電界による振動音の発生および放電による電子写
真感光体表面の劣化が顕著になるなどの問題点が発生し
ていた。
【0007】そこで、EPA0576203公報やEP
A0615177公報などには、実質的に放電を利用せ
ずに帯電部材から電子写真感光体の表面に直接電荷を注
入する帯電、いわゆる注入帯電が提案されている。ま
た、本注入帯電においては前記公報に示されるように、
電子写真感光体としてその表面に導電性粉体を含有する
層を有するものを用いた場合に良好な帯電が可能となっ
た。
【0008】しかし、従来注入帯電に用いる試みがなさ
れた電子写真感光体では帯電部材から電子写真感光体保
護層への電荷の注入性が十分ではなく、注入帯電を良好
に行うためには帯電部材と電子写真感光体表面との接触
面積を十分確保したり、接触圧を高くしたりして帯電に
十分長い時間をかけるなどの改良が必要であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に鑑
み、注入帯電性を改良する目的で、本発明のような電子
写真感光体表面には注入帯電性を良好にする保護層を有
し、帯電部材が弾性体で構成され、かつ、帯電部材表面
は該電子写真感光体に対して速度差を持もたせ、かつ、
少なくとも該帯電部材と該電子写真感光体との接触面に
帯電促進を目的とした帯電粒子を担持することを特徴と
する注入帯電手段を用いることにより帯電性の改良をす
る試みがなされており、帯電性の改良が成し遂げられて
いる。
【0010】しかしながら、このように帯電部材と電子
写真感光体表面の間に帯電粒子を用い、帯電部材と電子
写真感光体が速度差を持って回転する装置においては、
通常のアルミニウム支持体を用いた場合には、繰り返し
使用時において帯電部材と電子写真感光体との摺擦によ
って、感光層と支持体の間の剥離が発生し、これによっ
て電子写真感光体の耐久寿命が決定されてしまうという
問題が発生する。
【0011】したがって、本発明のような特定の注入帯
電において電子写真感光体のさらなる耐久性の向上を図
るためには、支持体表面と感光層との接着性を向上さ
せ、電子写真感光体の機械的摺擦に対する強度を向上さ
せなければならない。
【0012】また、帯電性の改良は成し遂げられてはい
るものの、通常のアルミニウム支持体を用いると、支持
体の表面欠陥などに起因する、支持体から感光層への余
分な電荷の注入などによる部分的帯電不良や帯電むらな
どにより、前回転プロセスにおける露光履歴の有無によ
り、次回転プロセスにおけるハーフトーン画像電位部が
前プロセスの露光のあるところとないところで変わって
しまう、いわゆるゴースト画像が得られるという問題が
発生する。
【0013】本発明の目的は、前出のような様々な問題
を効率的に解決した電子写真装置、該電子写真装置に着
脱自在であるプロセスカートリッジ、および、該電子写
真装置に用いられる電子写真感光体を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】電子写真装置などの特性
を決める要因は様々であるが、特に複雑なプロセスを組
み合わせて使用することで得られる画像の性質は決して
ある一部分の特性のみに左右されるものではなく、それ
それのデバイスやプロセスの組み合わせ方で得られる効
果は大きく変わるものである。
【0015】本発明者らは鋭意検討した結果、特定の構
成を有する注入帯電手段に、特定の支持体を有する電子
写真感光体とを組み合わせることによって、上記問題点
を良好に解決することを見いだした。
【0016】すなわち、本発明は、支持体上に感光層と
保護層を有する電子写真感光体と、該電子写真感光体に
接触配置され電圧が印加されることにより該電子写真感
光体を帯電する帯電部材を有する帯電手段と、現像手段
と、転写手段を有する電子写真装置において、該電子写
真感光体の支持体の感光層側の表面が陽極酸化処理され
たアルミニウムであり、該帯電手段の帯電部材が弾性体
で構成され、かつ、該帯電部材の表面は該電子写真感光
体の表面に対して速度差を持っており、かつ、該帯電部
材と該電子写真感光体との接触面に帯電粒子が担持され
ており、該帯電手段が注入帯電手段であることを特徴と
する電子写真装置である。
【0017】また、本発明は、支持体上に感光層と保護
層を有する電子写真感光体と、該電子写真感光体に接触
配置され電圧が印加されることにより該電子写真感光体
を帯電する帯電部材を有する帯電手段とを一体に支持
し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカート
リッジにおいて、該電子写真感光体の支持体の感光層側
の表面が陽極酸化処理されたアルミニウムであり、該帯
電手段の帯電部材が弾性体で構成され、かつ、該帯電部
材の表面は該電子写真感光体の表面に対して速度差を持
っており、かつ、該帯電部材と該電子写真感光体との接
触面に帯電粒子が担持されており、該帯電手段が注入帯
電手段であることを特徴とするプロセスカートリッジで
ある。
【0018】また、本発明は、上記電子写真装置に用い
られることを特徴とする電子写真感光体である。
【0019】上記構成を採ることで上記問題点を良好に
解決することができるメカニズムはよく解っていない
が、陽極酸化処理を施したアルミニウム支持体を用いる
ことにより支持体と感光層との密着性がよくなり、耐剥
離性などの機械的強度を高めたと考えられる。
【0020】同時に、特定の構成を有する注入帯電方法
と陽極酸化処理を施したアルミニウム支持体の組み合わ
せにより、支持体からの余計な電荷が注入することを阻
止し、帯電性さらに向上させることができるために部分
的な帯電不良に伴うゴーストや黒スジなどの画像欠陥の
発生が抑えられたものと思われる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真感光体の保護層
に用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、メタク
リル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキ
シ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、および不飽
和樹脂などから選ばれる公知の樹脂を用いることができ
る。
【0022】ただし、本発明においては、帯電部材と電
子写真感光体表面が帯電粒子を介して速度差を持ちなが
ら摺擦しているなどの理由から、より機械的強度に優れ
た樹脂として、硬化性アクリル樹脂、硬化性フェノール
樹脂、硬化性エポキシ樹脂、硬化性ウレタン樹脂、硬化
性メラミン樹脂、硬化性シロキサン樹脂などの硬化性樹
脂を用いることが非常に好ましい。
【0023】また、電子写真感光体の保護層に用いられ
る導電性粒子としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ス
ズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、
スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタ
ルをドープした酸化スズおよび酸化ジルコニウム、また
はカーボンブラックなどが挙げられる。
【0024】本発明においては、上述した各種導電性粒
子の中でも透明性の点から金属酸化物を用いることが好
ましい。さらに、これら金属酸化物の中でも透明性、分
散性、抵抗制御性などの点から酸化スズを用いることが
特に好ましい。
【0025】本発明において用いられる導電性粒子の平
均粒径は保護層の透明性の点で0.3μm以下、特に
0.1μm以下が好ましい。
【0026】本発明において用いられるフッ素原子含有
樹脂粒子としては、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エ
チレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化
ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エ
チレン樹脂およびこれらの共重合体のなかから1種ある
いは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、四
フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好まし
い。樹脂粒子の分子量分布や粒径は適宜選択することが
でき、特に制限されるものではない。
【0027】本発明で用いられる導電性微粒子やフッ素
原子含有樹脂粒子は溶剤と共に、ホモジナイザー、超音
波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミ
ルなどの公知の分散方法によりよく分散し、保護層用塗
料とする。
【0028】このフッ素原子含有樹脂を導電性粒子と共
に樹脂溶液中で相互の粒子を凝集させないように、フッ
素原子含有化合物を導電性粒子の分散時に添加したり、
また、導電性粒子の表面をフッ素原子含有化合物で表面
処理するとよい。フッ素原子含有化合物を添加または導
電性粒子に表面処理を行うことにより、フッ素原子含有
化合物のない場合に比べて、樹脂溶液中での導電性粒子
とフッ素原子含有樹脂粒子の分散性および分散安定性が
格段に向上した。また、フッ素原子含有化合物を添加し
導電性粒子を分散した液、または表面処理を施した導電
性粒子を分散した液に、フッ素原子含有樹脂粒子を分散
することによって分散粒子の二次粒子の形成もなく、経
時的にも非常に安定した分散性のよい塗工液が得られ
る。
【0029】本発明におけるフッ素原子含有化合物とし
ては、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリ
コーンオイル、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
表1〜3に好ましい化合物例をあげるが、本発明はこれ
らの化合物に限定されるものではない。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】導電性粒子の表面処理方法としては、導電
性粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、
表面処理剤を導電性粒子表面に付着させる。分散の方法
としてはボールミル、サンドミルなどの通常の分散手段
を用いることができる。次に、この分散溶液から溶剤を
除去し、導電性粒子表面に固着させればよい。また、必
要に応じて、この後さらに熱処理を行ってもよい。ま
た、処理液中には反応促進のための触媒を添加すること
もできる。さらに、必要に応じて表面処理後の導電性粒
子にさらに粉砕処理を施すことができる。
【0034】導電性粒子に対するフッ素原子含有化合物
の割合は、粒子の粒径、形状および表面積などに影響を
受けるが、表面処理済みの導電性粒子全重量に対し、1
〜65質量%が好ましく、特には1〜50質量%が好ま
しい。
【0035】さらに、本発明においては、より環境安定
性のある保護層とするために、下記式(1)で示される
シロキサン化合物を導電性粒子分散時に添加したり、
【外1】 (1)または、上記式(1)で示されるシロキサン化合
物で表面処理を施した導電性粒子を混合することによ
り、さらに環境安定性により優れた保護層を得ることが
できる。
【0036】このシロキサン化合物を添加後分散した塗
工液、または、これを表面処理した導電性金属酸化物微
粒子を溶剤に溶かした結着樹脂中に分散することによっ
て、分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的にも安定
した分散性のよい塗工液が得られ、さらにこの塗工液よ
り形成した保護層は透明性が高く、耐環境性に特に優れ
た膜が得られる。
【0037】上記式(1)で示されるシロキサン化合物
の分子量は特に制限されるものではないが、表面処理を
する場合は、その容易さからは粘度が高すぎない方がよ
く、重量平均分子量で数百〜数万程度が適当である。
【0038】表面処理の方法としては湿式、乾式の二通
りがある。湿式では導電性金属酸化物粒子などを上記式
(1)で示されるシロキサン化合物とを溶剤中で分散
し、該シロキサン化合物を微粒子表面に付着させる。分
散の手段としてはボールミル、サンドミルなど一般の分
散手段を使用することができる。次に、この分散溶液を
導電性金属酸化物微粒子表面に固着させる。この熱処理
においてはシロキサン中のSi―H結合が熱処理過程に
おいて空気中の酸素によって水素原子の酸化が起こり、
新たなシロキサン結合ができる。その結果、シロキサン
が三次元構造にまで発達し、導電性金属酸化物微粒子な
どの表面がこの網状構造で包まれる。このように表面処
理は、該シロキサン化合物を導電性金属酸化物微粒子表
面に固着させることによって完了するが、必要に応じて
処理後の微粒子に粉砕処理を施してもよい。乾式処理に
おいては、溶剤を用いずに該シロキサン化合物と導電性
金属酸化物微粒子とを混合し混練を行うことによってシ
ロキサン化合物を微粒子表面に付着させる。その後は湿
式処理と同様に熱処理、粉砕処理を施して表面処理を完
了する。
【0039】保護層の塗料を分散する溶剤としては、結
着樹脂(結着樹脂が硬化性樹脂の場合にはモノマーやオ
リゴマーなどの可溶性前駆体)をよく溶解し、導電性微
粒子の分散性がよく、さらに本発明に用いるフッ素原子
含有化合物、フッ素原子含有樹脂粒子、シロキサン化合
物との相溶性や処理性が良好で、さらに、保護層の塗料
と接触する電荷輸送層に悪影響を与えない溶剤が好まし
い。
【0040】したがって、溶剤としてはメタノール、エ
タノール、2−プロパノールなどのアルコール類、アセ
トン、MEKなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル
などのエステル類、THF、ジオキサンなどのエーテル
類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロ
ロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン系炭化水素
類など公知の様々な溶剤が使用可能である。
【0041】本発明の保護層の塗布方法としては、浸漬
コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナー
コーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバ
ーコーティング法およびブレードコーティング法などの
一般的な塗工方法を用いることができる。
【0042】本発明の保護層の膜厚は、薄すぎると電子
写真感光体の耐久性を損ない、厚すぎると保護層を設け
たことによる残留電位が上昇するため、適度な厚さにす
る必要がある。具体的には0.1μm〜10μmの範囲
にするべきであり、好ましくは0.5μm〜7μmの範
囲にすべきである。
【0043】本発明においては、前記保護層中に、帯電
時に発生するオゾンやNOxなどの活性物質の付着によ
る保護層の劣化などを防止する目的で、酸化防止剤の添
加材を加えてもよい。
【0044】次に本発明の支持体の処理について説明す
る。一般に、アルミニウムの陽極酸化膜は緻密なバリア
層および多孔性の多孔質層からなっている。バリア層は
支持体からの正孔注入阻止能を有し、ある程度の厚みが
必要であるが、厚すぎると残留電位の上昇、感度の悪化
などを招く。また、多孔質層は感光層との接着力を高め
るが、厚すぎるとバリア層の場合と同様に残留電位の上
昇、感度の悪化などを招く。
【0045】本発明の電子写真感光体に用いられる陽極
酸化膜においては、バリア層膜厚は50〜1000Åが
好ましく、特には100〜500Åが好ましく、多孔質
層膜厚は1〜15μmが好ましく、特には3〜10μm
が好ましい。
【0046】本発明の電子写真感光体に用いられる陽極
酸化膜は硫酸、クロム酸などの無機酸やシュウ酸、スル
ホン酸などの有機酸を電解液として用い、印加電圧、電
流密度、処理温度、時間などの条件は、前述の電解液の
種類や膜厚に応じて選択できる。
【0047】また、本発明の電子写真感光体に用いられ
る陽極酸化膜は電解処理した後、封孔処理を施してもよ
い。封孔処理の方法としては熱水処理、水蒸気処理、酢
酸ニッケルやフッ化ニッケルなどの各種封孔剤を用いて
もよいが、効率よく微細孔を封孔処理できる酢酸ニッケ
ルを用いて処理するのが好ましい。
【0048】次に、感光層について以下に説明する。
【0049】本発明に用いられる電子写真感光体の層構
成の例を図1に示す。図中、1は電子写真感光体の保護
層、2は感光層、4はアルミニウム支持体、3が本発明
の構成要素のひとつである陽極酸化被膜を示す。
【0050】図中2の感光層の層構成は、電荷発生物質
と電荷輸送物質の両方を同一の層に含有する単層型、支
持体側から電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸
送物質を含有する電荷輸送層を順次積層した順層型、お
よび基体側から電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と電
荷発生物質を含有する電荷発生層を順次積層した逆層型
の何れかが主に用いられる。
【0051】これらの中でも本発明においては、順層型
の積層感光層を用いることが最も好ましい。
【0052】また、2の感光層と3の陽極酸化皮膜の間
には、バリア機能と接着機能などを持つ結着層(接着
層)を設けることができる。
【0053】結着層は感光層の接着性改良、塗工性改
良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの
電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護など
のために形成される。結着層にはカゼイン、ポリビニル
アルコール、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸
コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタ
ン、ゼラチン、酸化アルミニウムなどによって形成でき
る。結着層の膜厚は、5μm以下が好ましく、0.1〜
3μmがより好ましい。
【0054】本発明に用いられる電荷発生物質として
は、(1)モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ
系顔料、(2)金属フタロシアニンおよび非金属フタロ
シアニンなどのフタロシアニン系顔料、(3)インジゴ
およびチオインジゴなどのインジゴ系顔料、(4)ペリ
レン酸無水物およびペリレン酸イミドなどのペリレン系
顔料、(5)アンスラキノンおよびピレンキノンなどの
多環キノン系顔料、(6)スクワリリウム色素、(7)
ピリリウム塩およびチアピリリウム塩類、(8)トリフ
ェニルメタン系色素、(9)セレン、セレンーテルル、
アモルファスシリコンなどの無機物質、(10)キナク
リドン顔料、(11)アズレニウム塩顔料、(12)シ
アニン染料、(13)キサンテン色素、(14)キノン
イミン色素、(15)スチリル色素、(16)硫化カド
ミウムおよび(17)酸化亜鉛などが挙げられる。
【0055】積層電子写真感光体を用いる場合の電荷発
生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブ
チラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタ
クリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコ
ーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共
重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂
および塩過ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。これらは
単独、混合あるいは共重合体ポリマーとして1種または
2種以上用いることができる。
【0056】電荷発生層用塗料に用いる溶剤は、使用す
る樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択さ
れるが、有機溶剤としてはアルコール類、スルホキシド
類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロゲ
ン化炭化水素類または芳香族化合物などを用いることが
できる。
【0057】電荷発生層は、前記の電荷発生物質を0.
3〜4倍量の結着樹脂、および溶剤と共に、ホモジナイ
ザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライタ
ー、ロールミルなどの方法でよく分散し、塗布、乾燥さ
れて形成される。その厚みは、5μm以下が好ましく、
特には0.01〜1μmが好ましい。
【0058】また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤または公知の電荷発生
物質を必要に応じて添加することもできる。
【0059】電荷発生層が感光層の最上層の場合、本発
明ではさらに、この電荷発生層の上に前記保護層を塗布
して成膜することで完成される。
【0060】本発明に用いられる電荷輸送物質としては
各種トリアリールアミン系化合物、各種ヒドラゾン系化
合物、各種スチリル系化合物、各種スチルベン系化合
物、各種ピラゾリン系化合物、各種オキサゾ−ル系化合
物、各種チアゾ−ル系化合物、各種トリアリールメタン
系化合物など、公知の電荷輸送物質であればいかなるも
のを用いてもよい。
【0061】積層電子写真感光体の電荷輸送層を形成す
るのに用いられる結着樹脂としては、アクリル樹脂、ス
チレン系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、
ポリアリレート、ポリサルホン、ポリフェニレンオキシ
ド、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、
および不飽和樹脂などから選ばれる樹脂が好ましい。特
に好ましい樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、
ポリスチレン、スチレンーアクリロニトリル共重合体、
ポリカーボネート樹脂またはジアリルフタレート樹脂が
挙げられる。
【0062】電荷輸送層は一般的には前記の電荷輸送物
質と結着樹脂を溶剤に溶解し,塗布して形成する。電荷
輸送物質と結着樹脂との混合割合は2:1〜1:2程度
である。溶剤としてはアセトン、メチルエチルケトンな
どのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル
類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロ
ロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などの塩素系炭
化水素類などが用いられる。この溶液を塗布する際に
は、例えば浸漬コーティング法、スプレーコーティング
法、スピンナーコーティング法などのコーティング法を
用いることができ、乾燥は10℃〜200℃、好ましく
は20℃〜150℃の範囲の温度で、5分〜5時間、好
ましくは10分〜2時間の時間で送風乾燥または静止乾
燥下で行うことができる。
【0063】電荷輸送層は、上述の電荷発生層と電気的
の接続されており、電界の存在下で電荷発生層から注入
された電荷キヤリアを受け取ると共に、これらの電荷キ
ヤリアを保護層との界面まで輸送する機能を有してい
る。この電荷輸送層は電荷キヤリアを輸送する限界があ
るので必要以上に膜厚を厚くすることができないが、5
〜40μmが好ましく、特には7〜30μmが好まし
い。
【0064】さらに、電荷輸送層中に酸化防止剤、紫外
線吸収剤、可塑剤または公知の電荷輸送物質を必要に応
じて添加することもできる。
【0065】電荷輸送層が感光層の最上層の場合、本発
明ではさらに、この電荷輸送層の上に前記保護層を塗布
して成膜することで完成される。
【0066】次に、本発明の電子写真装置の帯電手段に
ついて説明する。
【0067】本発明の注入帯電は弾性体で構成された帯
電部材と電子写真感光体保護層の間に帯電を促進する帯
電粒子が介在し、帯電部材と電子写真感光体が速度差を
持ちながら接触することで構成される。したがって、帯
電部材、帯電粒子、及び必要に応じて塗布手段である規
制部材から構成される。
【0068】電子写真感光体の形状がシリンダー状であ
れば、帯電部材もローラー状をとることが好ましく、芯
金の上に弾性を有する中抵抗の層を設けることで形成さ
れる。
【0069】ただし、電子写真感光体も帯電部材も必ず
しも上記のような形状をとる必要はなく、本発明の要件
が満たされれば、シート状、ベルト状など他の様々な形
態をとることができる。
【0070】帯電部材と電子写真感光体の接触ニップに
は帯電粒子が塗布された状態で電子写真感光体の帯電が
行われる。これにより、帯電部材は電子写真感光体と速
度差をもって接触できると同時に、帯電粒子を介して密
に電子写真感光体に電荷を直接注入できるものである。
【0071】したがって、本発明の注入帯電において
は、従来の放電を伴う接触帯電では得られなかった高い
帯電効率が得られ、帯電部材に印加した電位とほぼ同等
の電位を電子写真感光体に与えることが可能である。
【0072】すなわち、帯電に必要なバイアスは電子写
真感光体に必要な表面電位相当の電圧で十分であり、放
電現象を用いない安定かつ安全な帯電方式である。
【0073】図2と図3は本発明に従う接触帯電装置の
一例の概略構成模型図である。
【0074】図中の11は電子写真感光体、12は電子
写真感光体に接触させて配設した接触帯電部材、13は
帯電粒子、14は帯電粒子供給手段である。
【0075】図2は帯電粒子供給手段14を電子写真感
光体11側に配置した装置であり、図3は導電性粒子供
給手段14を電子写真感光体側ではなく接触帯電部材1
2側に配置した装置の例である。
【0076】なお、帯電粒子13は現像剤と混合してト
ナー容器中に蓄積され、トナーの現像とともに電子写真
感光体11上に移動し、転写手段によりトナーだけが転
写され、被記録体に転写されずに電子写真感光体11上
に残留することで帯電手段12に供給される構成をとる
こともできる。この際、帯電粒子供給手段14は必ずし
も必要ではない。
【0077】電子写真感光体11は一定周速度で矢印の
時計方向に回転駆動される。接触帯電部材12は導電性
弾性ローラー(以下、帯電ローラーと記す)である。帯
電ローラー12は芯金12a上に可撓性部材であるゴム
あるいは発泡体の中抵抗層12bを形成することにより
作製される。中抵抗層12bは樹脂(例えばウレタ
ン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化
剤、発泡剤などにより処方され、芯金12aの上にロー
ラー状に形成した。その後必要に応じて表面を研磨して
帯電ローラー12を作製した。
【0078】ここで、導電性弾性ローラーである帯電ロ
ーラー12は電極として機能することが重要である。つ
まり、弾性を持たせて被帯電体との十分な接触状態を得
ると同時に、移動する被帯電体を充電するに十分低い抵
抗を有する必要がある。一方では被帯電体にピンホール
などの欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止す
る必要がある。被帯電体として電子写真用電子写真感光
体を用いた場合、十分な帯電性と耐リークを得るには1
〜10Ωの抵抗が好ましい。
【0079】上記のような電子写真感光体と帯電手段を
用いた電子写真装置などについて例を図4示す。
【0080】図4は転写式電子写真プロセス利用、プロ
セスカートリッジ着脱方式、トナーリサイクルプロセス
(クリーナーレスシステム)を利用したレーザービーム
プリンター(記録装置)の一例である。本発明に従う接
触帯電装置を像担持体の帯電処理手段として用いること
で、特にクリーニング装置を持たないクリーナーレスシ
ステムの画像形成装置においても良好な直接帯電性能を
得ることができる。
【0081】11は像担持体としての電子写真感光体で
あり、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピー
ドPS)をもって回転駆動される。12は、帯電手段が
有する電子写真感光体11に対する接触帯電部材として
の帯電ローラーである。本例は帯電ローラー12側に帯
電粒子供給手段14を配設してある。この帯電ローラー
12は帯電ニップ部nにおいて帯電ローラー表面と電子
写真感光体表面と互いに逆方向に移動するよう周速差を
もって矢印の時計方向に回転駆動される。また該帯電ロ
ーラー12の芯金12aには帯電バイアス印加電源S1
から直流電圧を印加する。
【0082】したがって、回転する電子写真感光体11
の表面は、前述したように、帯電ローラー12が電子写
真感光体に周速差をもって接触すること、帯電ローラー
12に対して帯電粒子供給手段14により塗布された帯
電粒子13が帯電ニップ部nに存在することから、帯電
ローラー12による電子写真感光体11の帯電は直接注
入帯電が支配的となり、帯電ローラー12に印加した帯
電バイアス電圧とほぼ同電位に一様に帯電処理される。
【0083】15は露光手段としてのレーザーダイオー
ド・ポリゴンミラーなどを含むレーザービームスキャナ
ー(露光装置)である。このレーザービームスキャナー
は目的の画像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対
応して強度変調されたレーザー光を出力し、該レーザー
光で上記回転電子写真感光体11の一様帯電面を走査露
光Lする。この走査露光Lにより回転電子写真感光体1
1の面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成され
る。
【0084】16は露光手段(現像装置)である。回転
電子写真感光体11面の静電潜像はこの現像装置により
トナー像として現像される。現像装置16は、例えば、
マグネットローラー16aを内包した非磁性現像スリー
ブ16bを現像剤担持搬送部材として具備させた、1成
分あるいは2成分非接触型反転現像装置などである。a
は電子写真感光体11と現像スリーブ16bの対向部で
ある現像領域部である。S2は現像スリーブ16bに対
する現像バイアス印加電源である。
【0085】17は転写手段としての転写ローラーであ
り、電子写真感光体11に所定に圧接させて転写ニップ
部bを形成させてある。この転写ニップ部bに不図示の
給紙部から所定のタイミングで記録媒体としての転写材
Pが給紙され、かつ転写ローラー17に電源S3から所
定の転写バイアスが印加されることで、電子写真感光体
11側のトナー像が転写ニップ部bに給紙された転写材
Pの面に順次に転写されていく。
【0086】18は定着手段(定着装置)である。転写
ニップ部bに給紙されて電子写真感光体11側のトナー
像の転写を受けた転写材Pは回転電子写真感光体11の
面から分離されて定着装置8に導入され、トナー像の定
着を受けて画像形成物(プリント、コピー)となる。
【0087】なお、本発明の電子写真装置などは、本発
明の要件を満たしていれば必ずしも上記の例のみに限定
されるものではない。
【0088】次に、帯電粒子について説明する。
【0089】本発明における帯電粒子としては、例え
ば、銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微
粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニ
ウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウ
ム、酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タン
グステンなどの金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カド
ミウム、チタン酸カリなどの金属化合物、あるいはこれ
らの複合酸化物などの導電性微粉末が使用できる。
【0090】これらの中でも、酸化亜鉛、酸化スズ及び
酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の酸化物を含有
していることが、帯電粒子の抵抗を低く設定できるこ
と、白色或いは淡色であり、転写材上に転写される帯電
粒子がカブリとして目立たないこと、という点で好まし
い。
【0091】また、帯電粒子の抵抗値を制御する等の目
的で、アンチモン、アルミニウムなどの元素を含有させ
た金属酸化物の微粒子、導電性材料を表面に有する微粒
子なども帯電粒子として使用できる。例えば、アルミニ
ウム元素を含有する酸化亜鉛微粒子、アンチモン元素を
含有する酸化スズ微粒子などである。
【0092】但し、一般にアンチモン元素の導入による
抵抗制御は粉末の青黒色性が増すため好ましくない。直
接注入帯電速度が速く、色味も淡色で適正な抵抗制御が
可能な、還元処理型酸化スズを帯電粒子として用いるこ
とがより好ましい。
【0093】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0094】(実施例1)長さ260.5mm、直径3
0mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003
アルミニウムの合金)を引き抜き加工により作製した。
このシリンダーを洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤
化学(株)製)を含む純水中で超音波洗浄を行い、続い
て洗剤洗い流し工程を経た後、さらに純水中で超音波洗
浄を行って脱脂処理した。
【0095】このシリンダーを7%硝酸に25℃で1分
間浸漬した。さらに水洗後、180g/lの硫酸電解液
中で、1.0A/dmの電流密度で陽極酸化を行い、
平均膜厚6μmの陽極酸化被膜を形成した。次いで水洗
後、酢酸ニッケルを主成分とする高温封孔剤の10g/
lの水溶液に90℃で20分間浸漬し封孔処理を行っ
た。続いて水洗を行った後、95℃の純水熱水浴に10
分間浸漬した後、取り出し乾燥した。
【0096】次に、オキシチタニウムフタロシアニン顔
料4質量部、ポリビニルブチラ−ル樹脂(商品名:エス
レックBX−1、積水化学工業(株)製)2質量部、シ
クロヘキサノン70質量部からなる混合溶液をサンドミ
ルで10時間分散した後、酢酸エチル100質量部を加
えて電荷発生層用塗工液を調製した。この塗工液を上記
陽極酸化皮膜を形成させたアルミニウム支持体上に浸漬
塗布し、90℃で10分間加熱乾燥して、膜厚0.2μ
mの電荷発生層を形成した。
【0097】次に、下記式(2)で示されるトリアリー
ルアミン系化合物40質量部と、
【外2】 (2) ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ型、粘度平均
分子量20000)50質量部をクロロベンゼン350
質量部に溶解して調製した溶液を、上記電荷発生層上に
浸漬塗布し、110℃で1時間加熱乾燥して、膜厚20
μmの電荷輸送層を形成した。
【0098】次いで、平均粒径0.02μmのアンチモ
ンド−プ酸化スズ(商品名:T−1、三菱マテリアル
(株)製)100質量部、下記式(3)のフッ素原子含
有化合物(商品名LS―1090、信越シリコーン
(株)製)10質量部、
【外3】 (3) エタノ−ル250質量部を撹拌装置で48時間撹拌した
後、ろ過、洗浄後、さらに150℃で2時間加熱処理を
行い、酸化スズの表面処理を行った。(以下、処理量:
10%と表す)次に、下記式(4)で示されるアクリル
モノマー18質量部、
【外4】 (4) 光開始剤として2−メチルチオキサントン6.8質量
部、前記表面処理済酸化スズ45部、ポリテトラフルオ
ロエチレン微粒子(数平均粒径:0.18μm)14質
量部、エタノ−ル150質量部を混合してサンドミルで
90時間分散し、保護層用分散液を調製した。この分散
液を前記電荷輸送層上に浸漬塗布し、乾燥後、高圧水銀
灯にて250W/cmの光強度で60秒間紫外線照射
した後、120℃で2時間熱風乾燥して膜厚3μmの保
護層を形成した。
【0099】なお、保護層の体積抵抗率の測定は、PE
Tフィルム上に180μmのギャップを持つ櫛形電極を
金蒸着により作製し、その上に保護層を塗布し、硬化条
件および膜厚などは上記電子写真感光体作製時と同様に
行いサンプルを作製した。そのサンプルをヒューレット
・パッカード社製PAメーター 4140Bを用いて1
00Vの電圧を印加して測定した。測定環境は温度/湿
度が23℃/50RH%で行った。
【0100】作製された保護層の体積抵抗は2.7×1
12Ω・cmであった。
【0101】作製した電子写真感光体を、本発明の注入
帯電用の帯電ローラーなどを装備した、ヒューレット・
パッカード社製レーザープリンター、HPレーザージェ
ット4000の改造機に装着した。
【0102】この帯電ローラーは芯金上にゴムの中抵抗
層を形成することにより作製された。中抵抗層はウレタ
ン樹脂、導電性粒子(カーボンブラック)、硫化剤およ
び発泡剤などにより処方され、芯金の上にローラー状に
成形した後、表面を研磨して直径12mm、長手長さ2
50mmの弾性導電ローラーを作製した。このローラー
の抵抗を測定したところ100kΩであった。ローラー
の芯金に総圧1kgの加重がかかるように電子写真感光
体に圧着した状態で、芯金と支持体に100Vを印加す
ることで計測した。
【0103】本実施例では、電子写真感光体と帯電ロー
ラーが導電性粒子を介して注入帯電されるための導電性
粒子(帯電粒子)として、比抵抗が2×10Ω・c
m、平均粒径3μmの導電性酸化スズ粒子を用いた。こ
こで抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化して求め
た。底面積2.26cm2の円筒内に0.5gの粉体試
料を入れ上下電極に15kgの加圧を行うと同時に10
0Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して比
抵抗を算出した。
【0104】また、帯電粒子をローラーと電子写真感光
体の接触ニップに均一に供給するために、帯電粒子塗布
手段を設けた。供給手段としては規制ブレードを電子写
真感光体に当接させ、電子写真感光体と規制ブレードの
間に帯電粒子を保持する構成をとる。そして、電子写真
感光体の回転にともない一定量の帯電粒子が帯電ローラ
ーに塗布される。
【0105】本実施例では、帯電ローラーを電子写真感
光体に対して速度差を持って回転させている。本電子写
真感光体は直径30mmのドラム状であり、周速が約5
0mm/sの一定速度で回転する。まず、この電子写真
感光体表面に帯電粒子が規制ブレードによって塗布され
る。その後帯電ローラー部に到達する。帯電ローラーは
その表面が電子写真感光体と互いに逆方向に等速度で移
動するよう約80rpmで駆動し、そのローラー芯金に
印加電圧としてDC電圧−700Vを印加した。これに
より、電子写真感光体表面は印加電圧と等しい電位に帯
電される。本実施例において帯電は、ローラーと被帯電
体の接触ニップに存在する帯電粒子が被帯電体表面を隙
間無く摺擦することで注入帯電が行われるものである。
【0106】電子写真感光体の耐剥離性の評価として、
A4サイズ紙に面積比率4%印字の文字パターンで15
000枚の連続画出し耐久試験を行った後、プリンター
本体から電子写真感光体を取り出し、電子写真感光体の
表面を目視または顕微鏡で観察して支持体と感光層の剥
離の有無を観察した。
【0107】観察した結果を表4に示す。
【0108】また、同様の装置において以下のプロセス
条件に設定してゴーストおよび黒ズジなどの初期画像評
価を行った。
【0109】電子写真感光体暗部電位:−600V 電子写真感光体明部電位:−150V 現像バイアス:−350V 評価は、23℃/50RH%の環境下で初期画像評価を
行った。画像の評価は以下のように行った。
【0110】プリント画像を書き出しから電子写真感光
体1回転の部分に25mm角の正方形のベタ黒画像部を
並べ、電子写真感光体の2回転目以降に孤立1ドットを
桂馬パターンで印字したハーフトーンのテストチャー
ト、およびベタ黒画像により帯電むらによるスジ画像の
評価を行った。評価結果を表4に示す。
【0111】この評価結果、不要なゴーストや黒スジ画
像がなく、かつ、他の画像においてもトナ−の飛び散り
などのない高品位な画像が得られた。
【0112】(実施例2)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に陽極酸化被膜を形成させた後、実施例1と同様の方
法で電荷発生層、および電荷輸送層を形成した。
【0113】保護層として実施例1に示されるUV硬化
性樹脂をバインダーとして用いる保護層において、前記
構造式(3)記載の化合物で表面処理したアンチモンド
ープ酸化スズ微粒子を20部に減らし、その代わりにメ
チルハイドロジェンシリコーンオイル(商品名:KF9
9、信越シリコーン(株)製)で処理(処理量:20
%)したアンチモンドープ酸化スズ(商品名:T−1、
三菱マテリアル(株)製)25部を添加した以外は実施
例1と全く同じ条件で電子写真感光体を作製した。保護
層の体積抵抗は1.3×1012Ω・cmであった。
【0114】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。
【0115】結果を表4に示す。
【0116】(実施例3)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に陽極酸化被膜を形成させた後、実施例1と同様の方
法で電荷発生層、および電荷輸送層を形成した。
【0117】保護層として実施例1に示されるUV硬化
性樹脂をバインダーとして用いる保護層において、前記
構造式(3)記載の化合物で表面処理したアンチモンド
ープ酸化スズ微粒子に変えて、表面処理を施していない
アンチモンドープ酸化スズ微粒子(商品名:T−1、三
菱マテリアル(株)製)を45部、さらに前記構造式
(3)記載のフッ素原子含有化合物(商品名LS―10
90、信越シリコーン(株)製)の4.5部を添加し、
分散した以外は実施例1と全く同じ条件で電子写真感光
体を作製した。保護層の体積抵抗は9.6×1011Ω
・cmであった。
【0118】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。
【0119】結果を表4に示す。
【0120】(実施例4)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に陽極酸化被膜を形成させた後、実施例1と同様の方
法で電荷発生層、および電荷輸送層を形成した。
【0121】保護層として実施例3において、さらにメ
チルハイドロジェンシリコーンオイル(商品名:KF9
9、信越シリコーン(株)製)の4.5部を添加し、分
散した以外は実施例1と全く同じ条件で電子写真感光体
を作製した。保護層の体積抵抗は9.0×1011Ω・
cmであった。
【0122】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。
【0123】結果を表4に示す。
【0124】(実施例5)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに実施例1と同様の陽極酸化処理被膜を形
成した。
【0125】次に、実施例1と同様の電荷発生層と電荷
輸送層を作製し、その上に実施例1の保護層に変えて以
下の保護層を形成した。
【0126】保護層として、平均粒径0.02μmのア
ンチモンドープ酸化スズ微粒子(商品名:T−1、三菱
マテリアル(株)製)100部を前記式のフッ素原子含
有化合物(商品名LS―1090、信越シリコーン
(株)製)7部で表面処理した(処理量:7%)、処理
済み酸化スズ微粒子50部と、エタノ−ル150質量部
をサンドミルで48時間分散を行い、その後さらに、ポ
リテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径:0.18
μm)18部を加えて20時間分散を行った。その後、
レゾール型フェノール樹脂(商品名:PL−4804;
群栄化学工業(株)製)を樹脂成分として20部とエタ
ノールを溶解しよく攪拌して保護層用塗料とした。
【0127】この塗料を用いて、先の電荷輸送層上に浸
漬塗布法により、保護層膜を形成した後145℃、1時
間熱風乾燥して膜厚3μmの保護層を作製した。
【0128】保護層塗料の分散状態は良好で、作製され
た保護層はムラのない均一な膜であった。作製された保
護層の体積抵抗は5.6×1012Ω・cmであった。
【0129】このようにして得られた電子写真感光体を
実施例1と同じプリンターに装着し、実施例1と同様に
耐剥離性と初期画像の評価を行った。
【0130】結果を表4に示す。
【0131】(実施例6)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に陽極酸化皮膜を形成させた後、実施例1と同様の方
法で電荷発生層、および電荷輸送層を形成した。
【0132】保護層として実施例5に示される熱硬化性
樹脂をバインダーとして用いる保護層において、前記構
造式(3)記載の化合物で表面処理したアンチモンドー
プ酸化スズ微粒子を20部に減らし、その代わりにメチ
ルハイドロジェンシリコーンオイル(商品名:KF9
9、信越シリコーン(株)製)で処理(処理量:20
%)したアンチモンドープ酸化スズ(商品名:T−1、
三菱マテリアル(株)製)30部を添加した以外は実施
例5と全く同じ条件で電子写真感光体を作製した。作製
された保護層の体積抵抗は3.6×1012Ω・cmで
あった。
【0133】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。
【0134】結果を表4に示す。
【0135】(実施例7)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に陽極酸化被膜を形成させた後、実施例1と同様の方
法で電荷発生層、および電荷輸送層を形成した。
【0136】保護層として実施例5に示される熱硬化性
樹脂をバインダーとして用いる保護層において、前記構
造式(3)記載の化合物で表面処理したアンチモンドー
プ酸化スズ微粒子に変えて、表面処理を施していないア
ンチモンドープ酸化スズ微粒子(商品名:T−1、三菱
マテリアル(株)製)を50部、さらに前記構造式
(3)記載のフッ素原子含有化合物(商品名LS―10
90、信越シリコーン(株)製)の5部を添加し、分散
した以外は実施例5と全く同じ条件で電子写真感光体を
作製した。作製された保護層の体積抵抗は1.4×10
12Ω・cmであった。
【0137】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。
【0138】結果を表4に示す。
【0139】(実施例8)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に陽極酸化被膜を形成させた後、実施例1と同様の方
法で電荷発生層、および電荷輸送層を形成した。
【0140】保護層として実施例7において、さらにメ
チルハイドロジェンシリコーンオイル(商品名:KF9
9、信越シリコーン(株)製)の5部を添加し、分散し
た以外は実施例2と全く同じ条件で電子写真感光体を作
製した。作製された保護層の体積抵抗は9.1×10
11Ω・cmであった。
【0141】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。
【0142】結果を表4に示す。
【0143】(実施例9)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーを洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤化
学(株)製)を含む純水中で超音波洗浄を行い、続いて
洗剤洗い流し工程を経た後、さらに純水中で超音波洗浄
を行って脱脂処理した。
【0144】このシリンダーに対して、5%の硝酸によ
り25℃で2分間エッチング処理した後、純水で流水洗
浄した。次に、電解液として160g/lの硫酸を用い
て、電流密度0.8A/dm2、液温25℃で20分間
陽極酸化処理を行い、平均膜厚7μmの陽極酸化被膜を
形成した。
【0145】これを純水で流水洗浄した後、赤血塩を主
成分とする低温封孔剤(CS−1;クラリアント社製)
水溶液(濃度15g/l、pH5.8)を用いて、25
℃で10分間低温封孔処理を行った。次に、これを純水
で流水洗浄した後、酢酸ニッケルを主成分とする高温封
孔剤(DX−500;奥野製薬工業社製)水溶液(濃度
7g/l、pH5.8)を用いて、85℃で20分間高
温封孔処理を行い、純水洗浄後、乾燥させ、電子写真感
光体基体を得た。
【0146】次に、このシリンダー上に実施例1と同様
の方法で電荷発生層、および電荷輸送層を形成した。
【0147】さらに、この感光層上に保護層として、実
施例1と同様の保護層を作製した。
【0148】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。結果を表4に示す。
【0149】(実施例10)実施例1と同様のアルミニ
ウムシリンダーを洗剤を含む純水中で超音波洗浄を行
い、続いて洗剤洗い流し工程を経た後、さらに純水中で
超音波洗浄を行って脱脂処理した。
【0150】これを、実施例9と同様に陽極酸化処理を
して陽極酸化被膜を形成した。
【0151】次に、このシリンダー上に実施例1と同様
の方法で電荷発生層、および電荷輸送層を形成した。
【0152】さらに、この感光層上に保護層として、実
施例5と同様の保護層を作製した。
【0153】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。結果を表4に示す。
【0154】(実施例11)実施例1と同様のアルミニ
ウムシリンダーを洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤
化学(株)製)を含む純水中で超音波洗浄を行い、続い
て洗剤洗い流し工程を経た後、さらに純水中で超音波洗
浄を行って脱脂処理した。
【0155】このシリンダーに対して、電解質溶液とし
て純水中に120g/lのホウ酸アンモニウムを含む溶
液を用いて、処理温度90℃にして、0.8A/dm^
2の電流密度で陽極酸化を行い、平均膜厚5μmの陽極
酸化被膜を形成した。このアルミニウムシリンダーを8
0℃の純水で10分間超音波洗浄し、取り出した後乾燥
した。
【0156】次に、このシリンダー上に実施例1と同様
の方法で電荷発生層、および電荷輸送層を形成した。
【0157】さらに、この感光層上に保護層として、実
施例1と同様の保護層を作製した。
【0158】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。結果を表4に示す。
【0159】(実施例12)実施例1と同様のアルミニ
ウムシリンダーを洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤
化学(株)製)を含む純水中で超音波洗浄を行い、続い
て洗剤洗い流し工程を経た後、さらに純水中で超音波洗
浄を行って脱脂処理した。
【0160】これを、実施例11と同様に陽極酸化処理
をして陽極酸化被膜を形成した。
【0161】次に、このシリンダー上に実施例1と同様
の方法で電荷発生層、および電荷輸送層を形成した。
【0162】さらに、この感光層上に保護層として、実
施例5と同様の保護層を作製した。
【0163】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。結果を表4に示す。
【0164】(実施例13)実施例1と同様のアルミニ
ウムシリンダーに実施例1と同様の陽極酸化処理被膜を
形成した。
【0165】次に、この陽極酸化被膜の上に感光層を塗
布する前に、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8
000、東レ(株)製)の5%メタノール溶液を浸漬法
で塗布し、膜厚0.5μmの結着層を設けた。
【0166】さらに、この上に実施例1と同様の電荷発
生層と電荷輸送層を作製し、その上に実施例5と同様の
保護層を形成した。
【0167】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。結果を表4に示す。
【0168】(比較例1)実施例1において用いた、引
き抜き加工により作製した長さ260.5mm、直径3
0mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003
アルミニウムの合金)について、洗剤(商品名:ケミコ
ールCT、常盤化学(株)製)を含む純水中で超音波洗
浄を行い、続いて洗剤洗い流し工程を経た後、さらに純
水中で超音波洗浄を行って脱脂処理した。
【0169】このシリンダーに対して、陽極酸化処理を
施さずにそのまま用いた以外は実施例1と同様に感光層
と保護層を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を
表4に示す。
【0170】(比較例2)実施例1において用いた、ア
ルミニウムシリンダーにおいて、切削加工したアルミニ
ウムシリンダーにした以外は実施例1と同様に作製し、
洗剤を含む純水中で超音波洗浄を行い、続いて洗剤洗い
流し工程を経た後、さらに純水中で超音波洗浄を行って
脱脂処理した。
【0171】このシリンダーに対して、陽極酸化処理を
施さずにそのまま用いた以外は実施例1と同様に感光層
と保護層を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を
表4に示す。
【0172】(比較例3)比較例1において作製した電
子写真感光体の保護層を実施例4により作製した保護層
に変えた以外は比較例1と同様に作製し、評価した。結
果を表4に示す。
【0173】(比較例4)比較例2において作製した電
子写真感光体の保護層を実施例4により作製した保護層
に変えた以外は比較例2と同様に作製し、評価した。結
果を表4に示す。
【0174】(比較例5)実施例1において用いた、引
き抜き加工により作製した長さ260.5mm、直径3
0mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003
アルミニウムの合金)について、洗剤を含む純水中で超
音波洗浄を行い、続いて洗剤洗い流し工程を経た後、さ
らに純水中で超音波洗浄を行って脱脂処理した。
【0175】このシリンダーに対して、陽極酸化処理を
施さず、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM800
0、東レ(株)製)の5%メタノール溶液を浸漬法で塗
布し、膜厚0.5μmの結着層を設けた。
【0176】さらに、この上に実施例1と同様の電荷発
生層と電荷輸送層を作製し、その上に実施例5と同様の
保護層を形成した。
【0177】得られた電子写真感光体を実施例1と同様
に評価した。結果を表4に示す。
【0178】
【表4】
【0179】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム支持体を
陽極酸化処理し、その上に感光層と保護層を作製した電
子写真感光体と特定の注入帯電手段を組み合わせて用い
ることで、該注入帯電手段を有した電子写真装置などに
おいても、繰り返し使用による支持体と感光層の間の剥
離がなく、かつ、ゴーストや黒スジのない極めて安定な
画像が得られるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真感光体の層構成の例を示す図である。
【図2】本発明に従う接触帯電装置の一例の概略構成模
型図である。
【図3】本発明に従う接触帯電装置の一例の概略構成模
型図である。
【図4】転写式電子写真プロセス利用、プロセスカート
リッジ着脱方式、トナーリサイクルプロセス(クリーナ
レスシステム)を利用したレーザープリンター(記録装
置)の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体の保護層 2 感光層 3 陽極酸化膜 4 導電性支持体 9 プロセスカートリッジ 11 電子写真感光体 12 接触帯電部材または帯電ローラー 13 帯電粒子 14 帯電粒子供給手段 15 レーザービームスキャナ 16 現像装置 17 転写手段 18 定着装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼村 公博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 田中 大介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 高木 進司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA04 AA05 AA08 AA52 CA29 CA32 CA33 CA37 CA40 FA27 2H200 FA02 FA16 GA15 GA23 HA03 HA21 HA28 HB12 HB47 MC01

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光層と保護層を有する電子
    写真感光体と、該電子写真感光体に接触配置され電圧が
    印加されることにより該電子写真感光体を帯電する帯電
    部材を有する帯電手段と、現像手段と、転写手段を有す
    る電子写真装置において、 該電子写真感光体の支持体の感光層側の表面が陽極酸化
    処理されたアルミニウムであり、 該帯電手段の帯電部材が弾性体で構成され、かつ、 該帯電部材の表面は該電子写真感光体の表面に対して速
    度差を持っており、かつ、 該帯電部材と該電子写真感光体との接触面に帯電粒子が
    担持されており、 該帯電手段が注入帯電手段であることを特徴とする電子
    写真装置。
  2. 【請求項2】 前記電子写真感光体の保護層の体積抵抗
    率が、1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm以
    下である請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 【請求項3】 前記電子写真感光体の保護層が、導電性
    粒子を含有する請求項1または2に記載の電子写真装
    置。
  4. 【請求項4】 前記帯電粒子を供給する帯電粒子供給手
    段を有する請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真装
    置。
  5. 【請求項5】 前記帯電粒子供給手段が、前記帯電粒子
    を前記帯電部材に直接塗布する手段である請求項4に記
    載の電子写真装置。
  6. 【請求項6】 前記帯電粒子供給手段が、前記帯電粒子
    を前記電子写真感光体に直接塗布する手段である請求項
    4に記載の電子写真装置。
  7. 【請求項7】 前記現像手段内には前記帯電粒子と現像
    剤の混合剤が蓄えられ、前記帯電粒子は前記電子写真感
    光体に転写後被記録体に転写されずに電子写真感光体上
    に残留することで前記帯電手段に供給される請求項1〜
    3のいずれかに記載の電子写真装置。
  8. 【請求項8】 前記帯電粒子の体積抵抗率が、1×10
    −1Ω・cm以上1×10Ω・cm以下である請求項
    1〜7のいずれかに記載の電子写真装置。
  9. 【請求項9】 前記帯電粒子の粒径が、10nm以上1
    0μm以下である請求項1〜8のいずれかに記載の電子
    写真装置。
  10. 【請求項10】 前記帯電手段表面上に担持する前記帯
    電粒子の担持量を帯電手段表面粗さRa(μm)で除し
    た値が0.005〜1mg/cm/μmである請求項
    1〜9のいずれかに記載の電子写真装置。
  11. 【請求項11】 前記帯電部材が、前記電子写真感光体
    に対してカウンター方向で回転する請求項1〜10のい
    ずれかに記載の電子写真装置。
  12. 【請求項12】 前記帯電部材が、弾性発泡体で構成さ
    れている請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真装
    置。
  13. 【請求項13】 支持体上に感光層と保護層を有する電
    子写真感光体と、該電子写真感光体に接触配置され電圧
    が印加されることにより該電子写真感光体を帯電する帯
    電部材を有する帯電手段とを一体に支持し、電子写真装
    置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおい
    て、 該電子写真感光体の支持体の感光層側の表面が陽極酸化
    処理されたアルミニウムであり、 該帯電手段の帯電部材が弾性体で構成され、かつ、 該帯電部材の表面は該電子写真感光体の表面に対して速
    度差を持っており、かつ、 該帯電部材と該電子写真感光体との接触面に帯電粒子が
    担持されており、 該帯電手段が注入帯電手段であることを特徴とするプロ
    セスカートリッジ。
  14. 【請求項14】 前記電子写真感光体の保護層の体積抵
    抗率が、1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm
    以下である請求項13に記載のプロセスカートリッジ。
  15. 【請求項15】 前記電子写真感光体の保護層が、導電
    性粒子を含有する請求項13または14のいずれかに記
    載のプロセスカートリッジ。
  16. 【請求項16】 前記帯電粒子を供給する帯電粒子供給
    手段を有する請求項13〜15のいずれかに記載のプロ
    セスカートリッジ。
  17. 【請求項17】 前記帯電粒子供給手段が、前記帯電粒
    子を前記帯電部材に直接塗布する手段である請求項16
    に記載のプロセスカートリッジ。
  18. 【請求項18】 前記帯電粒子供給手段が、前記帯電粒
    子を前記電子写真感光体に直接塗布する手段である請求
    項16に記載のプロセスカートリッジ。
  19. 【請求項19】 前記プロセスカートリッジまたは、電
    子写真装置が有する現像手段内には前記帯電粒子と現像
    剤の混合剤が蓄えられ、前記帯電粒子は前記電子写真感
    光体に転写後被記録体に転写されずに電子写真感光体上
    に残留することで前記帯電手段に供給される請求項13
    〜15のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  20. 【請求項20】 前記帯電粒子の体積抵抗率が、1×1
    −1Ω・cm以上1×10Ω・cm以下である請求
    項13〜19のいずれかに記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  21. 【請求項21】 前記帯電粒子の粒径が、10nm以上
    10μm以下である請求項13〜20のいずれかに記載
    のプロセスカートリッジ。
  22. 【請求項22】 前記帯電手段表面上に担持する前記帯
    電粒子の担持量を帯電手段表面粗さRa(μm)で除し
    た値が0.005〜1mg/cm/μmである請求項
    13〜20のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  23. 【請求項23】 前記帯電部材が、前記電子写真感光体
    に対してカウンター方向で回転する請求項13〜22の
    いずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  24. 【請求項24】 前記帯電部材が、弾性発泡体で構成さ
    れている請求項13〜23のいずれかに記載のプロセス
    カートリッジ。
  25. 【請求項25】 請求項13〜24のいずれかに記載の
    プロセスカートリッジに用いられることを特徴とする電
    子写真感光体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011248087A (ja) * 2010-05-27 2011-12-08 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、及び画像形成装置

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JP2011248087A (ja) * 2010-05-27 2011-12-08 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、及び画像形成装置

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