JP2005338547A - 有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子写真方式の画像形成装置で用いられる有機感光体に起因する黒ポチ等の画像欠陥を防止し、カブリの発生や画像濃度の低下もなく、鮮鋭性が良好な画像が得られる有機感光体、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置の提供。
【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を有する有機感光体において、前記中間層がヒドロキシアルキル基を有する反応性樹脂を反応させて形成された硬化樹脂を含有し、有機感光体のアルデヒド化合物含有量が1000ppm以下であることを特徴とする有機感光体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複写機、プリンター等に用いられる有機感光体とそれを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
近年、電子写真方式の画像形成方法は種々の分野で利用されている。例えばモノクロ複写機のみならず、コンピュータの出力端末であるプリンターや、カラー複写機、カラープリンタ等の分野でも利用されている。
一方、電子写真方式の画像形成方法に用いられる感光体には、有機光導電性物質を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対して有利な点であるが、機械的強度が弱く、多数枚の複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷を発生させやすい。
又、近年の電子写真方式の画像形成方法は、パソコンのハードコピー用のプリンターとして、又通常の複写機においても画像処理の容易さや複合機への展開の容易さから、LEDやレーザを像露光光源とするデジタル方式の画像形成方式が急激に浸透してきた。更に、デジタル画像の精細化を進めて、高画質の電子写真画像を作製する技術が開発されている。
例えば、スポット面積の小さいレーザ光で像露光を行い、ドット潜像の密度を上げて、高精細の潜像を形成し、該潜像を小粒径トナーで現像し、高画質の電子写真画像を作製する技術が公開されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような高画質のデジタル画像の形成に際しては、高感度で且つ低温低湿から高温高湿の環境の変化に対して安定な特性を有する有機感光体が要求される。
従来、上記のような有機感光体の要求を満たすために、有機感光体は、感光層を電荷発生層と電荷輸送層に機能分離した層構成にし、該感光層の上下に中間層や保護層を設ける構成が研究されてきた。
即ち、有機感光体は、一般に有機感光体を構成する電荷発生層が不均一な顔料分散層から形成されるため、導電性支持体からのフリーキャリアの注入を受けやすく、黒ポチ等の画像欠陥を発生しやすい。又、有機感光体は、一般に表面硬度や耐摩耗性が低く、傷つきやすく、摩耗しやすい傾向にある。
上記のような問題を解決するために、中間層ではアルミニウム支持体からのフリーキャリアの注入を防止し、黒ポチ等の画像欠陥を防止する為に、或いはアルミニウム支持体との接着性を改善する為にメラミン樹脂やフェノール樹脂、尿素樹脂等の硬化性樹脂を用いた中間層が提案されている。例えば、メラミン樹脂と、酸とこれらに固定されたヨウ素を主成分とした硬化膜を中間層に適用した有機感光体が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
又、前記特許文献2の技術は、この硬化膜を保護層として用いても、繰り返し電位性能が良好が良好な有機感光体を提供できることが記載されている。
しかしながら、これらのメラミン樹脂として、市販のメラミン樹脂を用いて前記中間層や保護層を形成し、有機感光体を作製すると、しばしば残留電位の上昇や暗減衰の増加が発生しやすく、該有機感光体を用いて電子写真画像を作製すると、画像濃度の低下やカブリの上昇、周期性の有る画像欠陥を発生させやすい。
特開2003−255567号公報 特開平8−314173号公報
本発明の目的は、電子写真方式の画像形成装置で用いられる有機感光体(以下、単に感光体とも云う)に起因する黒ポチ等の画像欠陥を防止し、カブリの発生や画像濃度の低下がなく、周期性の有る画像欠陥の無い画像が得られる有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
本発明者等は、感光体の中間層や保護層をメラミン樹脂層で形成した場合に発生しやすい上記課題を解決するために、市販のメラミン樹脂成分を分析し、更に市販のメラミン樹脂を精製して検討を加えた結果、メラミン樹脂成分中に残存するアルデヒド化合物の残存量が多くなると、残留電位の上昇や暗減衰の増加により前記したカブリの発生や画像濃度の低下が発生するするという因果関係を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の目的は以下のような構成により達成される。
(請求項1)
導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を有する有機感光体において、前記中間層がヒドロキシアルキル基を有する反応性樹脂を反応させて形成された硬化樹脂を含有し、有機感光体のアルデヒド化合物含有量が1000ppm以下であることを特徴とする有機感光体。
(請求項2)
前記ヒドロキシアルキル基を有する反応性樹脂を反応させて得られた樹脂がメラミン樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂から選択された何れか1つの樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
(請求項3)
前記アルデヒド化合物がホルムアルデヒドであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機感光体。
(請求項4)
前記感光層が電荷発生層及び電荷輸送層で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項5)
導電性支持体上に少なくとも感光層及び保護層を有する有機感光体において、前記保護層がヒドロキシアルキル基を有する反応性化合物を反応させて形成された硬化樹脂を含有し、有機感光体のアルデヒド化合物含有量が1000ppm以下であることを特徴とする有機感光体。
(請求項6)
前記ヒドロキシアルキル基を有する反応性樹脂がメラミン樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂から選択された何れか1つの樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の有機感光体。
(請求項7)
前記ヒドロキシアルキル基を有する反応性樹脂がメラミン樹脂であることを特徴とする請求項5または6に記載の有機感光体。
(請求項8)
前記アルデヒド化合物がホルムアルデヒドであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項9)
前記感光層が電荷発生層及び電荷輸送層で構成されていることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の有機感光体。
(請求項10)
請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機感光体と該有機感光体上に帯電する帯電手段、静電潜像を形成する露光手段、静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段、有機感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び有機感光体上の残留トナーのクリーニング手段の少なくとも1つとが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(請求項11)
請求項10に記載のプロセスカートリッジを搭載し、電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
本発明により、高温高湿(例えば、30℃、80%RH)や低温低湿(例えば、10℃、20%RH)にプリント環境が変化しても、電位特性が安定し、且つ感光体に起因する黒ポチ等の画像欠陥が発生しにくい有機感光体、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
本発明に用いられる反応性樹脂はメラミン樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂等で、これらの反応性樹脂はメラミン、フェノール等を過剰のホルムアルデヒドとともに多量の溶媒中で、アルカリ触媒の下で、メチロール化及びメチレン縮合を行い、引き続き、酸触媒の下で、ブチルエーテル化を行うことによって合成される。その際使用する過剰のホルムアルデヒドがメラミン樹脂と共に残存している。
この過剰に残存するホルムアルデヒドを含有したメラミン樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂等の反応性樹脂を用いて、中間層や保護層の塗布液を調製し、中間層或いは保護層を形成すると、電荷キャリアのトラップサイトを形成し、各種品質問題を引き起こすと考えられる。
本発明では、これらトラップサイトの形成の原因となる感光体のアルデヒド化合物含有量を1000ppm以下に押さえることにより、該感光体を用いた画像形成時の残留電位の上昇や、帯電電位の環境依存性を改善し、感光体に起因する黒ポチ等の画像欠陥を改良した電子写真画像を提供することができる。
アルデヒド化合物の含有量は1000ppm以下、好ましくは30〜900ppm、より好ましくは70〜800ppmである。
ここで、感光体のアルデヒド化合物含有量とは、下記式に示すように感光体の塗膜体積中に含有されるアルデヒド化合物含有量のことである。

アルデヒド化合物含有量=アルデヒド化合物質量(g)/感光体の塗膜体積(cm3
感光体の塗膜中のアルデヒド化合物含有量を1000ppm以下に押さえる方法としては、使用するメラミン樹脂、フェノール樹脂等の硬化樹脂原料中の残留アルデヒド化合物を抑制することが好ましく、樹脂に対し0.5%以下にすることが好ましい。
又、高濃度のアルデヒド化合物を含有する樹脂を使用する場合には、硬化条件を工夫し、例えば、高温状態の保持時間を長くする、硬化温度を高める、或いは初期に低温で乾燥し後半に温度を高めて硬化させるといった方法の単独或いは組合せにより、所望の濃度までアルデヒド化合物含有量を低減することができる。
次に、これらメラミン樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂等の反応性樹脂からアルデヒド化合物を除去する精製法について、メラミン樹脂を例に説明する。
原料のメラミン樹脂としては市販のメラミン樹脂、例えばユーバン(三井東圧化学社製)、スーパーベッカミン(大日本インキ化学工業社製)等を用いることができる。
メラミン樹脂の精製は、溶媒の極性差によるアルデヒド化合物の溶解差を利用した再沈精製法、減圧乾燥法によるメラミン樹脂からアルデヒド化合物の除去、或いはこれらの方法を組み合わせた方法により行うことができる。
再沈精製法の場合、アルデヒド化合物を溶解しやすい極性の強い溶媒としては水、アルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、ケトン類、エステル類等があり、アルデヒド化合物の溶解性が前記溶媒に比べて比較的低い溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、シルロヘキサン等の炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族類がある。これらの溶媒は2種以上の溶媒の溶解度差を利用するため、良溶媒/貧溶媒の関係は相対値で決定され、溶媒で一義的に決定されるわけではない。具体的には、まずアルデヒド化合物及び樹脂のいずれもを溶解する良溶媒に樹脂を溶解した溶解液を作製し、次いで、樹脂に対して貧溶媒の溶媒にこの溶解液を投入し、樹脂を析出させ、得られた樹脂を濾過・乾燥してアルデヒド化合物を取り除く。この時、樹脂が固体で析出しない場合でも、減圧乾燥すると、アルデヒド化合物含有量は低下する。
特に、ここで用いる樹脂は反応性を有しているので、乾燥温度は低い方が好ましく、実際は60℃以下の温度で、102Pa以下の減圧状態で乾燥することが好ましい。乾燥時間は乾燥条件にもよるが、通常1〜40時間乾燥することが好ましい。
減圧乾燥法の場合には、大気圧よりも低い圧力に減圧し、加熱又は非加熱で乾燥する。
これらの精製後の樹脂の分子量は、メラミン樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂共、数平均分子量で500〜5000が好ましく、800〜4000がより好ましい。数平均分子量を前記範囲内にすると、中間層や保護層の塗布に適した粘度の塗布液を作製しやすく、又塗布液の保存安定性を確保しやすい。
次に、これら精製されたメラミン樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂等の反応性樹脂を用いて中間層や保護層を形成する際の塗布液の調製、塗膜の硬化について説明する。
中間層や保護層の形成に用いる塗布液は、前記残存アルデヒド化合物が0.5質量%以下に精製されたメラミン樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂等の反応性樹脂と、これら反応性樹脂の硬化反応を進行させ中間層や保護層の硬化膜を形成する為の触媒、溶媒等から調製される。
前記反応性樹脂の硬化反応を進行させる触媒としては、酸及び酸相当物が好ましく用いられる。該酸及び酸相当物とは、メラミン樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂等の反応性樹脂溶液に可溶なプロトン酸及びプロトン酸相当物、又は、ルイス酸及びルイス酸相当物である。
プロトン酸及びプロトン酸相当物とは、室温ないし加熱下の条件でプロトン(Hイオン)を生成するような化合物である。有機物としては、有機カルボン酸及び有機カルボン酸相当物、例えば、酢酸、プロピオン酸、カプロイン酸、クロロ酢酸、マロニック酸、アクリル酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸等の有機カルボン酸、それらの酸無水物、アンモニウム塩が挙げられる。その他では、有機スルホン酸(例えば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸)とそれらのアンモニウム塩や、有機リン酸(例えば、メチルリン酸、プロピルリン酸)とそれらのアンモニウム塩が挙げられる。又、無機物としては、硫酸、リン酸、塩酸、それらのアンモニウム塩(例えば、硫酸アンモン、リン酸アンモン、塩化アンモン等)が挙げられる。又、ルイス酸としては、3塩化アンモニウム、3フッ化ホウ素、3メチル化ホウ素、4塩化スズ等が挙げられる。
これら酸及び酸相当物の反応性樹脂に対して添加される酸及び/又は酸相当物の総量は、反応性樹脂100質量部に対して5〜100質量部が好ましい範囲である。上記範囲に添加量をすることにより、電荷発生層をその上に塗布する際に膜の膨潤や溶解等の不具合が発生しな程度に膜の硬化が進み、又、塗液のポットライフも充分確保できる。
前記溶媒としては、前記精製法で述べた良溶媒が用いられ、具体的には前記の他、ハロゲン化炭化水素、複素芳香族化合部等が用いられる。
反応性樹脂を含有した塗膜の硬化は、100〜200℃の条件で行うことが好ましく、103Paの減圧乾燥を組合せ、或いは硬化時間を1時間から4時間程度の長時間にすること、或いは初期に低温度で乾燥しその後に高温で乾燥するといった方法の組合せがより好ましい。上記条件で塗膜を形成することにより所望のアルデヒド化合物含有量の感光体が得られる。
感光体の塗膜中のアルデヒド化合物は以下の方法で測定することができる。
図1は、感光体の塗膜中のアルデヒド化合物量を測定するアルデヒド化合物捕集装置の一例を示す概略図である。
図1において、1はセパラブルフラスコ、2は試料室、3は感光体の断片、4はガスの流れ方向、5はアルデヒド化合物吸着用2,4ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)含浸シリカゲル、6はポンプ、7はクリーナカートリッジ(DNPH含浸シリカゲル)を示す。
具体的には、感光体の断片を試料室に投入し、250℃に加熱し、出てくるガスを2,4ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)含浸シリカゲルに1時間吸着させ、得られたシリカゲル中のアルデヒド化合物量を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)で分析する。アルデヒド化合物含有量は得られたピークのピーク面積より求める。
アルデヒド化合物含有量とは、前記のごとく求めたアルデヒド化合物質量を塗膜の体積で割った値である。なお、体積は感光体の塗膜膜厚をランダムに20点測定し、その平均膜厚に感光体の面積を掛け合わせて算出して値を使用した。
次に、本発明の感光体の層構成について詳細に説明する。
本発明の感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の感光体を全て含有する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体(以下、基体ともいう)としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲にすることにより、良好な画像形成を行うことができる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケル等の金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウム等を蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
中間層
本発明の一態様として、導電性支持体と感光層の間に、前記した反応性樹脂を用いたバリヤー機能を備えた中間層、或いは導電機能を有する中間層を設けることができる。これら反応性樹脂を用いた中間層の膜厚は0.1〜25μmが好ましく、2〜20μmがより好ましい。2μm以上の膜厚にすることにより、導電性支持体の表面凹凸を十分に中間層で覆うことができ、導電性支持体から感光層へのフリーキャリアの進入を効果的に防止でき、黒ポチ等の画像欠陥を十分の防止できる。又、膜厚を25μm以内にすることで残留電位の上昇等電子写真特性の劣化を防止できる。
又、本発明に係わる中間層は、無機粒子を前記反応性樹脂分散中に分散させ硬化させた構造のものが好ましい。例えば、表面処理をしたN型半導性微粒子や、導電性微粒子が好ましく、具体的には、導電性微粒子としては、SnO2、ITO、金属(特開昭58−181054号公報)や金属酸化物(特開昭54−151843号公報)、金属窒化物(特開平1−118848号公報)等が挙げられ、N型半導性微粒子としては、例えばシリカ・アルミナ処理及びシラン化合物で表面処理した酸化チタンが挙げられる。
N型半導性微粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型半導性微粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、支持体からのホール注入を効率的にブロックし、又、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
無機粒子の平均粒径は、数平均一次粒径0.01〜1μmのものが好ましく、10〜500nmのものがより好ましく、15〜200nmさらに好ましい。
数平均一次粒径の値が前記範囲内にある無機粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密なものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発生防止機能を有する。
前記無機粒子の数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。
感光層
本発明の感光体に係わる感光層構成は、前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料等を用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる電荷発生物質としては複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料が挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等の電荷発生物質は繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
電荷発生層は、主に電荷発生物質とバインダー樹脂とで構成される。バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができるが、好ましい樹脂としてホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷発生物質20〜600質量部が好ましい。これらのバインダー樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
電荷輸送層とは、電荷発生物質等で発生した電荷キャリア(電子又はホール)を輸送する機能を有する層を意味する。
電荷輸送層(CTL)には電荷輸送物質(CTM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤(例えば、酸化防止剤)を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質を用いることができ、例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等を併用して用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成して用いられる。
バインダー樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、これらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂等が挙げられる。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
電荷輸送層用のバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂は電荷輸送物質を電荷輸送層中に良好に分散させることができ、且つ良好な電子写真特性を確保することができる。又、電荷輸送層が感光体の表面層となってもポリカーボネート樹脂は機械的摩耗に強く好ましい。このようなポリカーボネート樹脂としては平均分子量が40,000〜25,000のものが好ましい。ここで平均分子量は数平均分子量、重量平均分子量、及び粘度平均分子量のいずれのものでもよい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷輸送物質10〜200質量部が好ましい。電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。酸化防止剤とは、感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし抑制する性質を有する物質である。代表的な酸化防止剤としては下記の化合物群が挙げられる。
Figure 2005338547
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保護層
請求項6〜10の感光体に用いる保護層は、アルデヒド化合物の含有量が0.5%以下で、且つヒドロキシアルキル基を有する反応性樹脂を反応させて形成された硬化樹脂を含有することを特徴とする。保護層には、電荷輸送物質を含有させ、繰り返し画像形成に伴う残留電位の上昇を抑えることが好ましい。電荷輸送物質(CTM)としは、前記電荷輸送層で記載された電荷輸送物質を用いることができる。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
本発明の感光体に用いる保護層の膜厚は0.5〜15μmが好ましい。保護層の膜厚を前記範囲にすることで耐摩耗性を確保し、且つ残留電位の上昇等電子写真特性の劣化を発生させない優れた感光体を得ることができる。
又、保護層の1つの形態として、本発明の保護層を電荷注入層にして用いると本発明の効果が顕著に表れる。ここで、電荷注入層とはバインダー樹脂中に導電性微粒子、無機顔料粒子等を含有させた感光体の表面層であり、感光体表面から電荷を注入させる注入帯電方式において必要な表面層である。電荷注入層に本発明が効果的な理由としては、注入帯電方式に必要なの特性である電荷注入性、電荷輸送性等が微量のアルデヒド化合物の影響を受けやすいことに起因すると考えられる。
本発明に用いられる電荷注入層として好ましい態様を下記に示す。
電荷注入層
本発明に用いられる電荷注入層は、電荷輸送層上に電荷注入層を設けた構成が好ましい。電荷注入層は基本的に導電性微粒子を分散したバインダー樹脂層から構成される。電荷注入層のバインダー樹脂としては、先に説明した電荷輸送層と同じ樹脂を使用することができる。
電荷注入層の導電性微粒子としては、脂肪酸塩類、高級アルコール類、硫酸エステル類、脂肪酸アミン類、第四級アンモニウム塩類、アルキルピリジウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、イミダゾリン誘導体等のアニオン系、カチオン系、又はノニオン系有機電解質、Au、Ag、Cu、Ni、Al等の金属、ZnO、TiO2、SnO2、In23、Sb23含有SnO2、In23含有SnO2等の金属酸化物、MgF2、CaF2、BiF2、AlF2、SnF2、SnF4、TiF4等の金属フッ化物、テトラインプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテートエチルエステル等の有機チタン化合物、及びそれらの混合物等が挙げられる。
又、電荷注入層には、電荷輸送物質を含有させることが好ましい。又、電荷注入層には前記した酸化防止機能を含有させることが好ましい。
電荷注入層の膜厚は、0.3〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。電荷注入層の体積抵抗は1010〜1015Ω・cmの範囲になるように設定するのが好ましく、1010〜1014Ω・cmがより好ましい。膜強度的には、導電性粒子の量が増えれば増えるほど弱くなるため、導電性粒子の量は、電荷注入層の抵抗及び残留電位が許容できる範囲において、少なくする方が好ましい。
中間層、感光層、保護層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。又、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
本発明の感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号公報及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
図2は、本発明の感光体を用いて画像形成を行うのに好適な画像形成装置の一例を示す概略図である。
図2において、50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
感光体への一様帯電の後、像露光手段としての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
ここで本発明の反転現像プロセスとは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程(手段)により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
その静電潜像は次いで現像手段としての現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547を図2のように現像位置上部に設けて行う。
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面の転写電極(転写手段:転写器)58が作動し、給紙された記録紙Pを挟着して転写される。
次いで記録紙Pは転写電極とほぼ同時に作動状態とされた分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。図2では転写電極58にコロトロンの転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件としては、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり一概に規定することはできないが、例えば、転写電流としては+100〜+400μA、転写電圧としては+500〜+2000Vを設定値とすることができる。
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
本発明の有機電子写真感光体は電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、文中の「部」は質量部を示す。
〈精製メラミン樹脂1の作製〉
メラミン樹脂「ユーバン21R」(三井化学社製)200gをテトラヒドロフラン(THF)450mlに溶解させた溶液を、撹拌しているヘキサン3Lにゆっくり滴下し、樹脂を析出させた。この樹脂を濾過後、65℃で2時間、102Paの減圧条件で乾燥・硬化を行い、「精製メラミン樹脂1」を得た。
〈精製フェノール樹脂前駆体1の作製〉
精製フェノール樹脂「プライオーフェン」(大日本インキ社製)200gをテトラヒドロフラン(THF)450mlに溶解させた溶液を、撹拌しているヘキサン3Lにゆっくり滴下し、樹脂を析出させた。この樹脂を濾過後、65℃で24時間、102Paの条件で減圧乾燥し「精製フェノール樹脂前駆体1」を得た。
感光体は下記のようにして作製した。
《感光体1の作製》
〈中間層〉
「精製メラミン樹脂1」 78部
ポリエステル樹脂「アルマテックスP645」(三井化学社製) 42部
無機微粒子「酸化チタン」(シリカ及びアルミナの一次処理、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン二次処理を行なった数平均粒径35nmの酸化チタン) 180部
テトラヒドロフラン(THF) 3000部
上記成分をサンドミルで溶解分散して「中間層塗布液1」を調製した。この「中間層塗布液1」を円筒状アルミニウム支持体上に浸漬塗布法で塗布し、140℃で1時間、103Paの減圧条件で乾燥・硬化を行い、膜厚5.0μmの「中間層1」を形成した。
〈電荷発生層〉
チタニルフタロシアニン 60部
シリコーン樹脂溶液「KR5240」(15質量%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製) 700部
メチルエチルケトン 2000部
上記成分を混合後、サンドミルを用いて10時間分散して「電荷発生層塗布液1」を調製した。この塗布液を前記「中間層」の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの「電荷発生層1」を形成した。チタニルフタロシアニンのCu−Kα特性X線回折スペクトルを測定した結果、ブラッグ角2θの最大ピークが27.2°に認められた。
〈電荷輸送層〉
〔4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル〕−ジ−p−トリルアミン150部
ポリカーボネート「ユーピロンZ300」(三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤「サノールLS2626」(三共社製) 1.7部
テトラヒドロフラン 2200部
上記成分を混合溶解して「電荷輸送層塗布液1」を調製した。この塗布液を前記「電荷発生層1」の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃で40分間乾燥して、膜厚18μmの「電荷輸送層1」を形成し「感光体1」を作製した。
《感光体2〜5の作製》
「感光体1」において、「中間層1」の硬化条件を変更した以外は同様にして「感光体2〜5」を作製した。
《感光体6の作製》
〈導電層〉
導電性酸化チタン(酸化スズ、酸化アンチモンコート、平均一次粒径0.4μm)
5部
高抵抗酸化チタン(アルミナコート、数平均一次粒径0.4μm) 5部
「精製フェノール樹脂前駆体1」 10部
メタノール 10部
ブタノール 10部
上記成分を混合後、サンドミルを用いて10時間分散して「導電層塗布液6」を調製した。この塗布液を円筒状アルミニウム支持体上に浸漬塗布し、120℃で60分間、103Paの減圧条件で乾燥・硬化を行い、体積抵抗5×109Ωcm、厚さ20μmの「導電層6」を形成した。
〈中間層〉
次に、6/66/610/12四元共重合ナイロン9質量部をイソプロパノール150質量部に溶解し「中間層塗布液6」を調製した。この塗布液を前記「導電層6」上に浸漬塗布し、1μmの「中間層6」を形成した。
続いて、「中間層6」の上に実施例1の電荷発生層、電荷輸送層を形成して「感光体6」を作製した。
表1に、「感光体1〜6」の中間層或いは導電層で用いた反応性樹脂、硬化条件(温度、時間、減圧)、アルデヒド化合物含有量を示す。
Figure 2005338547
《電位特性の評価》
評価装置として、市販のデジタル複写機「Di351」(コニカミノルタ社製)を帯電電源及び現像電源の電圧を任意に出力できるように改造し、現像位置に電位測定器を取り付けて用いた。この評価装置に「感光体1〜6」を順次装填し、環境条件が厳しい高温高湿(30℃80%RH)及び低温低湿(10℃20%RH)の環境下で、電位特性を評価した。
前記高温高湿(HH)及び低温低湿(LL)条件下で、画素率が7%の文字画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4版で1枚間欠モードにて1万枚のプリントを行い、スタートと1万枚プリント後の現像位置でのべた白画像部電位(VH)、べた黒画像部電位(VL)を評価した。
《画像特性の評価》
高温高湿(30℃80%RH)及び低温低湿(10℃20%RH)の環境下で1万枚プリント後、プリント画像のカブリ、画像濃度及び周期性の画像欠陥について評価を行なった。評価方法及び評価基準を下記に示す。
〈カブリ〉
べた白画像部の濃度は相対濃度(プリントしていない紙の濃度を0.00とする)で評価した。
評価基準
◎:カブリの発生なく問題なし
○:カブリ濃度が0.01〜0.02で実用上問題ないレベル
×:カブリ濃度が0.02を越え実用上問題となるレベル。
〈画像濃度〉
べた黒画像部の濃度は相対濃度(プリントしていない紙の濃度を0.00とする)で評価した。
評価基準
◎:べた黒濃度が1.2を越え良好
○:べた黒濃度が1.2〜0.8で実用上問題ないレベル
×:べた黒濃度が0.8未満で実用上問題となるレベル。
〈周期性の画像欠陥〉
周期性が感光体の周期と一致し、目視できる白ヌケ、黒ポチ、筋状等の0.4mm以上の画像欠陥が、A4版サイズあたり何個あるかを評価した。
評価基準
◎:0.4mm以上の画像欠陥が、6個未満で良好
○:0.4mm以上の画像欠陥が、6〜10個有るが実用上問題ないレベル
×:0.4mm以上の画像欠陥が10個を越え実用上問題有るレベル。
表2に、高温高湿条件での「感光体1〜6」の電位特性、画像特性の評価結果を示す。
表3に、低温低湿条件での「感光体1〜6」の電位特性、画像特性の評価結果を示す。
Figure 2005338547
Figure 2005338547
表2、表3より、感光体のアルデヒド化合物含有量が1000ppm以下である「感光体1〜4」及び「感光体6」は、高温高湿(HH)、低温低湿(LL)での電位特性(べた黒画像部電位(VL)、べた白画像部電位(VH))が安定しており、画像特性でも、カブリ、画像濃度の評価も良好で、周期性の画像欠陥の発生も少なく優れていることが判る。一方、「感光体5」は、べた黒画像部電位(VH)、べた黒画像部電位(VL)の電位の変化量が大きく、周期性の画像欠陥の発生が多く問題を有していることが判る。
《感光体7の作製》
〈中間層〉
ポリアミド樹脂「アミランCM−8000」(東レ社製) 60部
酸化チタン(シリカ及びアルミナの一次処理、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン二次処理を行なった数平均粒径35nmの酸化チタン) 180部
メタノール 1600部
1−ブタノール 400部
上記成分を混合溶解して「中間層塗布液7」を調製した。この中間層塗布液をの円筒状アルミニウム支持体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥後、膜厚5.0μmの「中間層7」を形成した。
〈電荷発生層〉
チタニルフタロシアニン 60部
シリコーン樹脂溶液「KR5240」(15%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製) 700部
メチルエチルケトン 2000部
上記成分を混合し、サンドミルを用いて10時間分散して「電荷発生層塗布液7」を調製した。この塗布液を前記「中間層」の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの「電荷発生層7」を形成した。チタニルフタロシアニンのCu−Kα特性X線回折スペクトルを測定した結果、ブラッグ角2θの最大ピークが27.2°に認められた。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送剤(〔4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル〕−ジ−p−トリルアミン) 150部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート
「ユーピロンZ300」(三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤「サノールLS2626」(三共社製) 1.7部
テトラヒドロフラン 2200部
上記成分を混合溶解して「電荷輸送層塗布液7」を調製した。この塗布液を前記「電荷発生層7」の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃で40分間乾燥して、膜厚18μmの「電荷輸送層7」を形成した。
〈保護層(電荷注入層)〉
「精製メラミン樹脂1」 300部
ポリエステル樹脂「アルマテックスP645」(三井化学社製) 100部
アンチモンドープ酸化スズ微粒子 250部
〔4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル〕−ジ−p−トリルアミン150部
酸化防止剤「サノールLS2626」(三共社製) 1.7部
テトラヒドロフラン 2200部
上記成分を混合溶解して「保護層塗布液7」を調製した。この電荷注入層塗布液を前記「電荷輸送層7」の上に浸漬塗布法で塗布し、120℃で2時間、常圧で乾燥・硬化を行い、膜厚2μmの「保護層7」を形成し「感光体7」を作製した。
《感光体8、9の作製》
「感光体7」において、保護層の硬化条件を変更した以外は同様にして「感光体8、9」を作製した。
表4に、「感光体7〜9」の保護層で用いた反応性樹脂、硬化条件(温度、時間、減圧)、アルデヒド化合物含有量を示す。
Figure 2005338547
《電位特性及び画像特性の評価》
評価装置として、市販のデジタルカラー複写機「C3200」(キャノン社製)の帯電電源及び現像電源の電圧を任意に出力できるように改造し、現像位置に電位測定器を取り付けて用いた。この評価装置に「感光体7〜9」を黒用感光体として順次装着し、前記と同じ環境条件で、電位特性及び画像特性の評価を行なった。
《画像特性の評価》
高温高湿(30℃80%RH)及び低温低湿(10℃20%RH)の環境下で1万枚プリント後、プリント画像のカブリ、画像濃度及び周期性の画像欠陥について評価を行なった。評価方法及び評価基準は前記と同じ条件で行った。
表5に、高温高湿条件での「感光体1〜6」の電位特性、画像特性の評価結果を示す。
表6に、低温低湿条件での「感光体1〜6」の電位特性、画像特性の評価結果を示す。
Figure 2005338547
Figure 2005338547
表5、表6より、感光体のアルデヒド化合物含有量が1000ppm以下である「感光体7、8」は、高温高湿条件(HH)、低温低湿条件(LL)での電位特性(べた黒画像部電位(VL)、べた白画像部電位(VH))が安定しており、画像特性でも、カブリ、画像濃度の評価も良好であり、周期性画像欠陥の発生も少なく優れていることが判る。一方、「感光体9」は、べた黒画像部電位(VH)、べた黒画像部電位(VL)の電位の変化量が大きく、周期性の画像欠陥の発生が多く問題を有していることが判る。
感光体の塗膜中のアルデヒド化合物量を測定するアルデヒド化合物捕集装置の一例を示す概略図である。 本発明の感光体を用いて画像形成を行うのに好適な画像形成装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
50 感光体ドラム(感光体)
51 帯電前露光部
52 スコロトロンの帯電器
53 像露光器
54 現像器
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極
60 定着装置
P 記録紙

Claims (11)

  1. 導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を有する有機感光体において、前記中間層がヒドロキシアルキル基を有する反応性樹脂を反応させて形成された硬化樹脂を含有し、有機感光体のアルデヒド化合物含有量が1000ppm以下であることを特徴とする有機感光体。
  2. 前記ヒドロキシアルキル基を有する反応性樹脂を反応させて得られた樹脂がメラミン樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂から選択された何れか1つの樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  3. 前記アルデヒド化合物がホルムアルデヒドであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機感光体。
  4. 前記感光層が電荷発生層及び電荷輸送層で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
  5. 導電性支持体上に少なくとも感光層及び保護層を有する有機感光体において、前記保護層がヒドロキシアルキル基を有する反応性化合物を反応させて形成された硬化樹脂を含有し、有機感光体のアルデヒド化合物含有量が1000ppm以下であることを特徴とする有機感光体。
  6. 前記ヒドロキシアルキル基を有する反応性樹脂がメラミン樹脂、フェノール樹脂及び尿素樹脂から選択された何れか1つの樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の有機感光体。
  7. 前記ヒドロキシアルキル基を有する反応性樹脂がメラミン樹脂であることを特徴とする請求項5または6に記載の有機感光体。
  8. 前記アルデヒド化合物がホルムアルデヒドであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機感光体。
  9. 前記感光層が電荷発生層及び電荷輸送層で構成されていることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の有機感光体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機感光体と該有機感光体上に帯電する帯電手段、静電潜像を形成する露光手段、静電潜像をトナー像に顕像化する現像手段、有機感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段及び有機感光体上の残留トナーのクリーニング手段の少なくとも1つとが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 請求項10に記載のプロセスカートリッジを搭載し、電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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JP2018072475A (ja) * 2016-10-26 2018-05-10 キヤノン株式会社 電子写真感光体保護層用塗布液

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