JP2009288401A - 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体 Download PDF

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Abstract

【課題】感度や電位安定性に優れ、多数枚プリントしても画像欠陥が生じない感光体の製造方法及び感光体も提供。
【解決手段】導電性支持体上に電荷発生層を形成する工程、その上に電荷輸送層を形成する工程を有する電子写真感光体の製造方法において、該電荷発生層がCu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を含有し、該電荷輸送層が水を0.1〜10.0質量%含有する塗布液を塗布して形成されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法及び電子写真感光体に関する。
近年、電子機器の発達は著しいものがあり、コンピュータからのアウトに使うプリンターやデジタルコピアの需要が高まっている。これらの機器は光源に半導体レーザやLEDを使う関係で赤から近赤外光に感応する感光体が必要である。
これには従来のセレン系などの無機感光体では不十分であり、フタロシアニン類を分散した有機感光体(OPC)が数多く検討されている。
フタロシアニン類はその結晶型によって光電子特性が異なることが知られており、中でもCu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料(以下、Y型チタニルフタロシアニンともいう)は0.94と高い光量子効率を有する優れた素材である(Japan Hardcopy 89,論文集103,(1989))。
しかしながら、このY型フタロシアニンの結晶は準安定状態の結晶であり、熱分析を行うと10℃/分の昇温条件下で250℃付近に発熱ピークを示す(図6;コニカテクニカルレポート vol13,108,(1990))。加熱後にX線回折スペクトルを測定した結果、Y型からA型に転移していることが報告されている。この転移現象は粉体では200℃以下では見られず、粉体そのものの保存や完成した感光体の通常の条件での使用には全く支障はない。
しかしながら分散液中では室温付近においても安定結晶とは言い難く、分散液中で長期間保存されると他の結晶型に変わり、性能が劣化してくるという問題がある。
又、Y型フタロシアニンは溶媒に限らず機械的な力によっても結晶が変形を受けることが知られており、塗布液を製造する際の分散条件で結晶型が変わる可能性がある。
高感度の電子写真感光体として、電荷発生物質としてY型チタニルフタロシアニンを用いた電荷発生層と塗布液の溶媒としてハロゲン系溶媒を用いて形成した電荷輸送層を有するものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
ハロゲン系溶媒は、Y型チタニルフタロシアニンを良好に分散でき、且つ分散液中で結晶型を変化させにくいという優れた面を有する。
特開2001−125291号公報 特開2006−154749号公報
現在、環境問題への対応から塗布液の溶媒としてハロゲン系溶媒を用いない処方(非ハロゲン系溶媒処方)が望まれている。
しかしながら、非ハロゲン系溶媒は環境問題へは対応するものの、Cu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料(以下、単にY型チタニルフタロシアニンともいう)を含有する電荷発生層の上に、電荷輸送層を非ハロゲン系溶媒の塗布液を塗布して形成した感光体では、感度や電位安定性に不具合を生じ、連続してプリントすると画像欠陥が発生するという問題があった。
本発明は、結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層の上に、電荷輸送層を非ハロゲン系溶媒の塗布液を塗布して形成した感光体で、感度や電位安定性に優れ、多数枚プリントしても画像欠陥が生じない感光体の製造方法及び感光体を提供することにある。
本発明は、下記構成を採ることにより上記問題を解決できる。
1.導電性支持体上に電荷発生層を形成する工程、その上に電荷輸送層を形成する工程を有する電子写真感光体の製造方法において、
該電荷発生層がCu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を含有し、
該電荷輸送層が水を0.1〜10.0質量%含有する塗布液を塗布して形成されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
2.前記塗布液の溶媒として非ハロゲン系溶媒を用いることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体の製造方法。
3.導電性支持体上に電荷発生層、その上に電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷発生層がCu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を含有し、該電荷輸送層が水を0.1〜10.0質量%含有する塗布液を塗布して形成されたものであることを特徴とする電子写真感光体。
本発明の感光体の製造方法及び感光体は、感度や電位安定性に優れ、多数枚プリントしても画像欠陥(例えば、かぶりや黒ポチ)が生じない優れた効果を有する。
本発明者らは、電荷発生物質として結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層の上に、電荷輸送層を非ハロゲン系溶媒の塗布液を塗布して形成した感光体でも、感度や電位安定性に優れ、多数枚プリントしても画像欠陥が生じない感光体の製造方法及び感光体について検討を行った。
結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層の上に、電荷輸送層を非ハロゲン系溶剤の塗布液を塗布して形成された感光体が、感度や電位安定性が低下し、多数枚プリントすると画像欠陥が生じるのは、結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層(CGL)の上に電荷輸送層(CLT)を形成するとき、CTLの形成で用いた溶媒がCGL中に侵入し、侵入した溶媒により結晶型のチタニルフタロシアニン顔料の結晶が変換してしまうことによると推察した。
種々検討の結果、結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層の上に、非ハロゲン系溶媒と水を併用して調製した塗布液を塗布して電荷輸送層を形成した感光体では、高感度で残留電位の上昇を抑制でき、連続してプリントしても感度の変動が無く、かぶりや黒ポチ等の画像欠陥が発生せず、高品質の画像が継続して得られることを見いだした。
上記問題を解決できるようになったのは、結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層の上に、特定量の水を含有する塗布液を塗布して電荷輸送層を形成すると、電荷発生層中に侵入した水の働きにより結晶型のチタニルフタロシアニン顔料の結晶変換が防止できたことによると推察している。
具体的には、塗布液中に含有する水が、結晶型のチタニルフタロシアニン顔料の結晶変換を抑制する働きをしているものと推察している。
以下、本発明について詳細に説明する。
《チタニルフタロシアニン》
本発明に係るチタニルフタロシアニンは、Cu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料である。
具体的な構造は、下記構造式で示す通りである。
Figure 2009288401
Cu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料の製造方法は特開平3−35245号等に開示されており、これらの開示された製造方法を用いて作製することができ、これらの製造方法で作製したチタニルフタロシアニン顔料は、例えば図1に示したようなブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大ピークを有するX線回折スペクトルを示す結晶構造を有する。
該チタニルフタロシアニン顔料は上記27.3°の回折ピークの他に、ブラッグ角(2θ±0.2°)24.1°、14.3°、9.6°にも明瞭なピークを有することが好ましい。低角度側の回折ピークは結晶化度が低下すると9.3°、更には9.1°近辺までシフトする現象が見られるが、27.3°が最大ピークである限り、本発明に係るチタニルフタロシアニン顔料として定義する。
《電荷輸送層用塗布液中の水の量》
本発明で電荷輸送層の形成に用いられる塗布液には、水を0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%含有する。
水を0.1質量%以上含有する塗布液を用いることにより、Cu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料の結晶変換を防止できる。
水を10質量%以下含有する塗布液を用いることにより、均一な電荷輸送層の塗膜を形成することができる。
《感光体の層構成》
次に、感光体の層構成について説明する。
本発明に係る感光体は、基体上に電荷発生層と電荷輸送層からなる感光層、必要に応じ基体の上に中間層、電荷輸送層の上に保護層を塗布して形成される。
(基体)
感光体で用いられる基体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状基体の方が好ましい。
円筒状基体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の基体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の基体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を上記範囲にすることにより良好な画像形成ができる。
基体の材料としてはアルミニウム、ニッケル等の金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウム等を蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。基体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。
又、基体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
(中間層)
本発明では、基体と感光層の接着性改良、或いは該基体からの電荷注入を防止するために、基体と電荷発生層の間に中間層(下引層も含む)を設けることが好ましい。中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜1.0μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は0.1〜2μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層は無機粒子をバインダー樹脂中に分散した中間層が挙げられる。無機粒子の平均粒径は0.01〜1μmが好ましい。特に、表面処理をしたN型半導性微粒子をバインダー中に分散した中間層が好ましい。例えばシリカ・アルミナ処理及びシラン化合物で表面処理した平均粒径が0.01〜1μmの酸化チタンをポリアミド樹脂中に分散した中間層が挙げられる。このような中間層の膜厚は1〜20μmが好ましい。
(電荷発生層)
電荷発生層の形成に用いられる塗布液には、電荷発生物質(CGM)としてCu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料、溶媒、バインダー樹脂、及び溶媒を含有する。
Cu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料としては前記のものを用いる。
バインダー樹脂としては公知の樹脂を用いることができるが、好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷発生物質20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。
溶媒としては広く任意のものを用いることができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸t−ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、キシレン、アセトフェノン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。
電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)、水、非ハロゲン溶媒及びバインダー樹脂を含有する。その他の組成物として必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質としては通常、塗布液中に溶解するものから選択される。具体的にはトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物等を挙げることができる。
非ハロゲン溶媒としては、下記のものを挙げることができる。具体的には、メチルエチルケトン(MEK)、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトンアルコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフランジオキサン、トルエン、キシレン等をあげることができる。
これらの中で好ましくは、MEK、トルエン、酢酸エチルが挙げられるが、水との相溶性、塗布蒸発速度、粘度、塗膜形成性等から2種以上混合して用いてもよい。この場合上記以外の有機溶媒も用いられる。
バインダー樹脂としては、非ハロゲン溶媒と特定量の水を含有する溶液に溶解するものから選択される。具体的には、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂、或いはエポキシ、シリコーン若しくはアクリルで変成された変成ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、スチレン−アルキッド共重合体樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド共重合体樹脂、シリコーン−ブチラール共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂又は、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂等を挙げることができる。
電荷輸送層の膜厚は形成される塗膜の中では最も厚く、10〜40μmが好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し電荷輸送物質10〜200質量部が好ましい。
前記酸化防止剤とは、その代表的なものは感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし抑制する性質を有する物質である。酸化防止剤としては、公知のものを用いることができ、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールが挙げられる。
(保護層)
本発明に係る感光体は、保護層として電荷輸送層上に膜耐久性向上の目的で耐久性向上層、或いは電荷注入の働きをする電荷注入層を設けてもよい。
耐久性向上層は、基本的に硬化性のバインダー樹脂から構成され、必要に応じ電荷輸送物質が添加して構成された層であってもよい。耐久性向上層の膜厚は0.3〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
上記に本発明で用いる好ましい感光体の層構成を例示したが、上記以外の感光体の層構成でも良い。
又、これらの各層の塗布溶液は塗布工程に入る前に、塗布溶液中の異物や凝集物を除去するために、金属フィルター、メンブランフィルター等で濾過することが好ましい。例えば、日本ポール社製のプリーツタイプ(HDC)、デプスタイプ(プロファイル)、セミデプスタイプ(プロファイルスター)等を塗布液の特性に応じて選択し、濾過をすることが好ましい。
各塗布液を塗布して塗膜を形成する塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、これらの中では塗膜を均一に形成できる浸漬塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型)塗布が好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
《画像形成装置》
次に、本発明に係る感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1は、本発明に係る感光体を用いた画像形成装置の一例の断面図である。
図1において、50は像担持体である感光体ドラム(感光体)であり、塗設された感光層(有機感光層)をドラム上有し、接地されて時計方向に駆動回転される。
52はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与える。
この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
感光体への一様帯電の後、像露光手段としての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程(手段)により顕像化し、反転現像プロセスが行われて、画像形成される。
一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
静電潜像は次いで現像手段としての現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤撹拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は撹拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cmの範囲である。
現像剤は、例えばフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、スチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。
この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。又、現像剤は感光体に対して接触或いは非接触の状態で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547を図1のように現像位置上部に設けて行う。
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写手段:転写器)58が作動し、給紙された記録紙Pにトナーと反対極性の帯電を与えてトナーを転写する。
次いで記録紙Pは分離電極(分離器)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。尚、前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後、一次作動を中止し、次なるトナー像の形成に備える。図1では転写電極58にコロトロンの転写帯電極を用いている。転写電極の設定条件としては、感光体のプロセススピード(周速)等により異なり一概に規定することはできないが、例えば、転写電流としては+100〜+400μA、転写電圧としては+500〜+2000Vを設定値とすることができる。
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
本発明に係わる電子写真感光体は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更には、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
《感光体の作製》
下記のごとくして感光体を作製した。
〈感光体1の作製〉
(基体の準備)
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、十点表面粗さRz=1.5(μm)の鏡面を有する導電性支持体を準備した。これを「基体1」とする。
尚、十点表面粗さRzは、表面粗さ計「サーフコム1400D」(東京精密社製)により測定した値である。
(中間層の形成)
ポリアミド樹脂CM8000(東レ(株)製) 1.0質量部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3.0質量部
メタノール 10.0質量部
上記成分の混合物をホモジナイザーで分散して塗布液を調製した。この塗布液を「基体1」の上に浸漬塗布した後、120℃で20分間乾燥して厚さ2.5μmの「中間層1」を形成した。
(電荷発生層の形成)
シリコーン変性ブチラール樹脂(X41−1222固形分10%信越化学社製)
1.0質量部
酢酸t−ブチル 88.0質量部
メトキシメチルペンタノン 13.0質量部
Cu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料
2.0質量部
上記成分を混合後、直径1mmのガラスビーズを用いたバッチ式のサンドミル装置で10時間分散して塗布液を調製した。この塗布液を「中間層1」の上に浸漬塗布した後、乾燥して、厚さ0.8μm「電荷発生層1」を形成した。
(電荷輸送層の形成)
次に、下記組成物を溶解して電荷輸送層用の塗布液を調製した。この塗布液を「電荷発生層1」上に浸漬塗布法で塗布した後、110℃で2時間乾燥して膜厚が18μmの「電荷輸送層1」を形成した。これを「感光体1」とする。
4−メトキシ−4′−(4−メチル−β−フェニルスチリル)トリフェニルアミン
70質量部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート「ユーピロンZ00」(三菱ガス化学社製)
100質量部
酸化防止剤「イルガノール1010」(日本チバガイギー社製) 8質量部
テトラヒドロフラン 640質量部
トルエン 160質量部
水 8質量部
〈感光体2〜7の作製〉(水の量変更)
感光体1の電荷輸送層の形成で用いた塗布液中の水を表1のように変更した以外は同様にして「感光体2〜7」を作製した。
〈感光体8(B型のチタニルフタロシアニン顔料)〉
感光体1の電荷発生層の形成に用いたCu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を、CuKα特性X線に対するブラッグ角2θ(±0.2°)の7.5°、25.4°および28.6°にピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料(B型チタニルフタロシアニン顔料)に変更した以外は感光体1と同様にして「感光体8」を作製した。
表1に、感光体を作製するのに用いた電荷発生物質、電荷輸送層の形成で用いた塗布液中の水の割合(質量%)を示す。
Figure 2009288401
《評価》
〈電位特性評価〉
上記で作製した感光体の評価用の画像形成装置として「bizhub920」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の現像装置をはずして、その位置に電位測定器を取り付けたものを準備した。
(電位安定性)
電位安定性は、初期と30万回帯電露光繰り返し後の帯電電位(V0)と露光電位(Vi)を測定し、初期と30万回帯電露光繰り返し後の変化(ΔV0、ΔVi)で評価した。
尚、ΔV0は、50V以下を、ΔViは150V以下を合格とする。
〈画像特性評価〉
上記で準備した画像形成装置「bizhub920」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に上記で作製した感光体を順次装着し、低温低湿(10℃20%RH)環境下で、画素率が7%の文字画像、ハーフトーン画像、べた白画像、べた黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4判で1枚間欠モードにて30万枚のプリントを行った。
(画像かぶり)
画像かぶりは、30万枚プリント終了後に低温低湿環境(10℃20%RH)で白紙をA4判用紙にプリントし、プリント画像の白紙部を、マクベス社製RD−918を使用し反射濃度で測定して評価した。反射濃度は相対濃度(印刷していない用紙の濃度を0.000とする)で評価した。
評価基準
◎:かぶり濃度が0.010未満(良好)
○:かぶり濃度が0.010以上、0.020以下(実用上問題ないレベル)
×:かぶり濃度が0.020より高い(実用上問題となるレベル)。
(黒ポチ)
黒ポチは、30万枚プリント終了後に高温高湿環境(30℃80%RH)でべた黒画像をA4判用紙にプリントし、周期性が感光体の周期と一致し、直径0.4mm以上の黒ポチの画像欠陥が、感光体の一回転あたり何個あるかで判定した。
評価基準
◎:5個以下(良好)
○:6個〜8個(実用上問題なし)
×:9個以上発生(実用上問題有り)。
表2に、評価結果を示す。
Figure 2009288401
表2から明らかなように、本発明内の「実施例1〜5」の「感光体1〜5」はいずれの特性も良好であるが、本発明外の「比較例1〜3」の「感光体6〜8」は少なくとも何れかの特性に問題があることがわかる。
本発明に係る感光体を用いた画像形成装置の一例の断面図である。
符号の説明
50 感光体ドラム(又は感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
543、544 現像剤撹拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器
70 プロセスカートリッジ

Claims (3)

  1. 導電性支持体上に電荷発生層を形成する工程、その上に電荷輸送層を形成する工程を有する電子写真感光体の製造方法において、
    該電荷発生層がCu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を含有し、
    該電荷輸送層が水を0.1〜10.0質量%含有する塗布液を塗布して形成されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記塗布液の溶媒として非ハロゲン系溶媒を用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 導電性支持体上に電荷発生層、その上に電荷輸送層を有する電子写真感光体において、該電荷発生層がCu−Kα特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角2θ(±0.2°)の27.2に最大ピークを有する結晶型のチタニルフタロシアニン顔料を含有し、該電荷輸送層が水を0.1〜10.0質量%含有する塗布液を塗布して形成されたものであることを特徴とする電子写真感光体。
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