JP2003314664A - 車両用差動歯車装置 - Google Patents

車両用差動歯車装置

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JP2003314664A
JP2003314664A JP2002122010A JP2002122010A JP2003314664A JP 2003314664 A JP2003314664 A JP 2003314664A JP 2002122010 A JP2002122010 A JP 2002122010A JP 2002122010 A JP2002122010 A JP 2002122010A JP 2003314664 A JP2003314664 A JP 2003314664A
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JP
Japan
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gear
axis
planetary gear
internal gear
peripheral surface
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JP2002122010A
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Takahiro Yoshiyama
高広 吉山
Shinichiro Nakajima
紳一郎 中島
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Bosch Corp
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Bosch Automotive Systems Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遊星歯車が早期に摩耗することのない車両用
差動歯車装置を提供する。 【解決手段】 キャリアには、円筒状をなす支持部4a
を形成する。この支持部4aには、収容孔4bを形成す
る。収容孔4bには、遊星歯車5を回動自在に収容す
る。支持部4aの周方向における収容孔4aの一側部内
周面と他側部内周面とを、遊星歯車5の半径と同一の曲
率半径を有する円弧面によって形成する。収容孔4aの
一側部内周面と他側部内周面とをそれぞれ形成する円弧
面の各曲率中心を、支持部4aの周方向に離間させる。
これにより、収容孔4aの一側部内周面と他側部内周面
との間隔を遊星歯車の外径より曲率中心の離間距離の分
だけ大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用遊星歯車
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用遊星歯車装置は、自転及
び公転する複数の遊星歯車を有している。各遊星歯車
は、通常、キャリアに形成された収容孔に回転(自転)
可能に収容されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】遊星歯車は、自転する
ものであるから、その外周面が収容孔の内周面に対して
滑り接触する。また、遊星歯車の端面が収容孔の底面又
は遊星歯車をその軸線方向に支持する部材に対して滑り
接触する。このため、従来の車両用遊星歯車装置におい
ては、遊星歯車が早期に摩耗し易いという問題があっ
た。
【0004】このような問題の一例をより具体的に述べ
ると、図4はキャリアQの収容孔Q1に遊星歯車Pが収
容された状態を示す断面図であり、収容孔Q1の内径
は、遊星歯車Pの自転を可能にするとともに、収容孔C
1の内周面と遊星歯車Pの外周面との間に潤滑油を収容
するために、遊星歯車Pの外径より大径になっている。
ところが、収容孔Q1の内径を遊星歯車Pの外径より大
径にすると、それらの径を同一にした場合に比して、遊
星歯車Pの外周面を収容孔C1の内周面に押し付けたと
きにおける収容孔Q1の内周面と遊星歯車Pの外周面と
の接触面積が小さくなってしまう。このため、遊星歯車
Pが早期に摩耗し易い。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、この発明の第1の態様は、内歯車と、この内歯車
の内側に軸線を上記内歯車の軸線と一致させて配置され
た太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間に軸線
を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させて挿入
された円筒状の支持部を有し、この支持部にその径方向
の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形成され
たキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在に収容
され、上記収容孔の外側の開放部において上記内歯車と
噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上記太陽
歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用遊星歯車装置
において、上記支持部の周方向における上記収容孔の内
周面の一側部を上記遊星歯車の半径と同一の曲率半径を
有する円弧面によって構成し、他側部を上記遊星歯車の
半径と同等以上の曲率半径を有する円弧面によって構成
し、上記遊星歯車を上記収容孔の内周面の一側部と他側
部とのいずれか一方に接触させたとき、他方と上記遊星
歯車の外周面との間に隙間が形成されるように構成した
ことを特徴としている。この場合、上記収容孔の内周面
の一側部及び他側部を、上記遊星歯車の半径と同一の曲
率半径を有する円弧面によって構成することが望まし
い。このように構成するときには、上記収容孔の内周面
の一側部及び他側部を構成する各円弧面の曲率中心を上
記支持部の周方向に離して配置することが望ましい。
【0006】この発明の第2の態様は、内歯車と、この
内歯車の内側に軸線を上記内歯車の軸線と一致させて配
置された太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間
に軸線を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させ
て挿入された円筒状の支持部を有し、この支持部にその
径方向の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形
成されたキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在
に収容され、上記収容孔の外側の開放部において上記内
歯車と噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上
記太陽歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用遊星歯
車装置において、上記遊星歯車の上記内歯車及び上記太
陽歯車と噛み合う部分を完全歯部とし、上記遊星歯車の
上記内歯車及び上記太陽歯車から軸線方向に突出した端
部を不完全歯部とし、上記遊星歯車の周方向における上
記不完全歯部の歯先面の幅を上記完全歯部の歯先面の幅
より広くしたことを特徴としている。この場合、上記収
容孔のうちの、上記不完全歯部が形成された上記遊星歯
車の端部を収容する部分を、全周にわたって連続した断
面円形の孔にするのが望ましい。
【0007】この発明の第3の態様は、ハウジングと、
上記ハウジング内に回転自在に設けられた、捩れ歯を有
する太陽歯車と、上記ハウジング内に自転可能に設けら
れ、上記太陽歯車と噛み合う遊星歯車とを備え、上記ハ
ウジングの内面には上記遊星歯車の端面が突き当たる当
接面が形成され、上記遊星歯車の端面の外周側には、遊
星歯車の径方向における幅が遊星歯車の歯の高さと同等
以上であるテーパ面状の面取りが形成された車両用差動
歯車装置において、上記遊星歯車の端面と上記面取りと
の交差部にそれらに滑らかに接する凸曲面部を形成した
ことを特徴としている。
【0008】この発明の第4の態様は、内歯車と、この
内歯車の内側に軸線を上記内歯車の軸線と一致させて配
置された太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間
に軸線を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させ
て挿入された円筒状の支持部を有し、この支持部にその
径方向の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形
成されたキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在
に収容され、上記収容孔の外側の開放部において上記内
歯車と噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上
記太陽歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用遊星歯
車装置において、上記内歯車の内周面に、内歯車の軸線
を中心として環状に延び、上記遊星歯車の外周面に当接
可能な第1ガイド部を設け、この第1ガイド部と対向す
る上記太陽歯車の外周面に、太陽歯車の軸線を中心とし
て環状に延び、上記遊星歯車の外周面に当接可能な第2
ガイド部を設けたことを特徴としている。
【0009】この発明の第5の態様は、内歯車と、この
内歯車の内側に軸線を上記内歯車の軸線と一致させて配
置された太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間
に軸線を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させ
て挿入された円筒状の支持部を有し、この支持部にその
径方向の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形
成されたキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在
に収容され、上記収容孔の外側の開放部において上記内
歯車と噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上
記太陽歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用遊星歯
車装置において、上記内歯車の内周面に、内歯車の軸線
を中心として環状に延び、上記遊星歯車の外周面に当接
可能な第1ガイド部を設け、上記内歯車の内側にガイド
部材を設け、このガイド部材の上記第1ガイド部と対向
する外周面に、上記内歯車の軸線を中心として環状に延
び、上記遊星歯車の外周面に当接可能な第3ガイド部を
設けたことを特徴としている。
【0010】この発明の第6の態様は、内歯車と、この
内歯車の内側に軸線を上記内歯車の軸線と一致させて配
置された太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間
に軸線を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させ
て挿入された円筒状の支持部を有し、この支持部にその
径方向の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形
成されたキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在
に収容され、上記収容孔の外側の開放部において上記内
歯車と噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上
記太陽歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用遊星歯
車装置において、上記遊星歯車の外周面に、上記内歯車
の内周面及び上記太陽歯車の外周面とそれぞれ回動可能
に当接可能なガイド軸部を設けたことを特徴としてい
る。
【0011】この発明の第7の態様は、内歯車と、この
内歯車の内側に軸線を上記内歯車の軸線を一致させて配
置された太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間
に軸線を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させ
て挿入された円筒状の支持部を有し、この支持部にその
径方向の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形
成されたキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在
に収容され、上記収容孔の外側の開放部において上記内
歯車と噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上
記太陽歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用遊星歯
車装置において、上記内歯車の内側に、軸線を上記内歯
車の軸線と一致させた断面円形のガイド部を有するガイ
ド部材を設け、上記遊星歯車の外周面に、上記内歯車の
内周面及び上記ガイド部の外周面に回動可能に当接可能
な環状のガイド軸部を設けたことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図1〜図17を参照して説明する。図1〜図3は、
この発明の第1の実施の形態を示すものである。この実
施の形態の車両用遊星差動歯車装置Aは、ハウジング
1、内歯車2、太陽歯車3、キャリア4及び遊星歯車5
を主な構成要素としている。
【0013】ハウジング1は、軸線Lを中心として回転
駆動される円筒部1aを有している。円筒部1aの一端
部(図1において左端部)には、底部1bが形成されて
いる。この底部1bの中央部には、円筒状をなす軸受部
1cが形成されている。軸受部1cの内部は、底部1b
に形成された貫通孔1dを介して円筒部1aの内部に連
通している。円筒部1aの内周面の他端部(図1におい
て右端部)には、キャリア4が回動不能に嵌合され、ス
トッパ6によって円筒部1aに位置固定されている。キ
ャリア4の内周面と上記軸受部1cの内周面とによって
ハウジング1が軸線Lを中心として回転するように支持
されている。
【0014】円筒部1aの内周面には、内歯車2がその
軸線を軸線Lと一致させて回転自在に嵌合されている。
この内歯車2の内周面の一端部(底部1b側の端部)に
は、環状連結部2aが形成されている。この環状連結部
2aの内周面には、出力部材7がスプライン嵌合によっ
て回動不能に連結されている。出力部材7には、軸受部
1cを貫通して円筒部1a内に挿通された第1出力軸
(図示せず)の一端部がスプライン嵌合によって回動不
能に連結されている。第1出力軸の他端部は、一対の前
輪の一方又は一対の後輪の一方(いずれも図示せず)に
接続されている。内歯車2の内周面の環状連結部2aか
ら他端面まで至る部分には、内歯車部2bが形成されて
いる。この内歯車部2bは、捩れ歯を有していてもよ
く、ストレート歯を有していてもよい。
【0015】内歯車2の内側には、円筒状をなす太陽歯
車3がその軸線を軸線Lと一致させた状態で回転自在に
配置されている。この太陽歯車3の外周面には、その全
長にわたって外歯車部3aが形成されている。太陽歯車
3の内周面には、第2出力軸(図示せず)の一端部がス
プライン嵌合によって回動不能に連結されている。この
第2出力軸の他端部は、一対の前輪の他方又は一対の後
輪の他方に接続されている。
【0016】上記キャリア4の底部1b側を向く端面に
は、円筒状をなす支持部4aが形成されている。この支
持部4aは、その軸線を軸線Lと一致させて配置されて
おり、内歯車2の内周面と外歯車3の外周面との間を底
部1b側へ向かって延びている。支持部4aには、その
先端面から基端側へ向かって軸線Lと平行に延びる複数
の収容孔4bが支持部4aの周方向へ等間隔だけ離れて
配置形成されている。
【0017】図3に示すように、支持部4aの周方向に
おける収容孔4bの一側部内周面4cは、曲率中心O1
を中心とする円弧面によって構成されており、収容孔4
bの他側部内周面4dは、曲率中心O2を中心とする円
弧面によって構成されている。曲率中心O1,O2は、
支持部4aの径方向に関しては支持部4aの内周面と外
周面との中央に位置するように配置されている。内周面
4c,4dの曲率半径は互いに同一であり、支持部4a
の厚さ(=(支持部4aの外径−内径)/2)より大径
になっている。したがって、支持部4aの径方向におけ
る収容孔4bの外側及び内側の両側部は、外部に開放さ
れている。また、内周面4c,4dの各曲率中心O1,
O2は、支持部4aの周方向に互いに離れて配置されて
いる。その結果、収容孔4bを構成する二つの内周面4
c,4dの間隔は、曲率中心O1,O2を互いに一致さ
せた場合における内周面4c,4dの間隔(=内周面4
c,4dの内径)より曲率中心O1,O2の距離の分だ
け大きくなっている。
【0018】収容孔4bには、遊星歯車5が回転自在に
挿入されている。遊星歯車5の外周には、その全長にわ
たって歯車部5aが形成されている。この歯車部5a
は、収容孔4bの外側の開放部において内歯車2の内歯
車部2bと噛み合い、収容孔4bの内側の開放部におい
て太陽歯車3の外歯車部3aと噛み合っている。したが
って、ハウジング1が回転駆動されると、その回転がキ
ャリア4及び遊星歯車5を介して内歯車2及び太陽歯車
3に伝達される。この場合、遊星歯車5が自転しないと
きには、内歯車2及び太陽歯車3が一体的に回転する
が、遊星歯車5が自転すると、内歯車2と太陽歯車3と
が差動回転する。
【0019】遊星歯車5の外径は、内周面4c,4dの
内径とほぼ同一になっている。したがって、遊星歯車5
の外周面と内周面4c,4dの少なくとも一方との間に
は、隙間が形成される。この隙間は、遊星歯車5の外周
面が内周面4c,4dの一方と接触したときに最大にな
り、その大きさは曲率中心O1,O2の間隔と同一であ
る。遊星歯車5の外周面と内周面4c,4dとの間に形
成される隙間には、潤滑油が充填されている。
【0020】上記構成の車両用遊星差動歯車装置Aにお
いて、収容孔4bの内周面4c,4dの内径(=曲率半
径×2)は遊星歯車5の外径と同一であるが、内周面4
c,4dの間隔は、それらの曲率中心O1,O2が互い
に離れている分だけ遊星歯車5の外径より大きくなって
いるので、収容孔4bに遊星歯車5を回動自在に収容す
ることができるのみならず、遊星歯車5の外周面と内周
面4c,4dとの各間に潤滑油を保持させることができ
る。しかも、内周面4c,4dの内径が遊星歯車5の外
径と同一であるから、遊星歯車5の外周面は、収容孔4
bの内周面4c,4dと接触するときには、内周面4
c,4d全体と面接触する。したがって、内周面4c,
4dと遊星歯車5の外周面との間に作用する面圧を小さ
くすることができ、それによって遊星歯車5の早期摩耗
を防止することができる。
【0021】また、遊星歯車5の外周面が内周面4c又
は4d全体と接触するので、遊星歯車5が安定して自転
する。したがって、遊星歯車5の自転時、すなわち差動
回転時には、ノイズを低減することができる。また、差
動歯車装置Aの使用目的により、内周面4c,4dの面
粗さを互いに異なるものとしたり、内周面4c,4dの
一方にのみ溝を形成したりすることにより、内周面4
c,4dの遊星歯車5の外周面に対する摩擦トルクを変
えることができる。
【0022】なお、この実施の形態の差動歯車装置Aに
おいては、内周面4c,4dの曲率半径を遊星歯車5の
半径とほぼ同一にしているが、内周面4c,4dのいず
れか一方の曲率半径だけを遊星歯車5の半径とほぼ同一
にし、他方の曲率半径については遊星歯車5の半径より
大きくしてもよい。また、遊星歯車5を内周面4c,4
dのいずれか一方に接触させたとき、他方と遊星歯車5
の外周面との間に隙間が形成されるよう、内周面4c,
4dの曲率中心O1,02を支持部4aの周方向に互い
に離しているが、他の方法を採用してもよい。収容孔4
bの内周面4c,4dの曲率半径及び曲率中心O1,O
2並びに遊星歯車5の半径に関する上記事項は、後述す
る遊星歯車装置B,Dにも適用可能である。
【0023】図5〜図8は、この発明の第2実施の形態
を示す。この実施の形態の車両用差動歯車装置Bは、遊
星差動歯車機構の内部に差動歯車機構を組み込んだいわ
ゆる混成差動歯車装置であり、軸線Lを中心として回転
駆動されるハウジング10を備えている。ハウジング1
0は、一対の半体10A,10Bから構成されている。
一方の半体10Aは平板状をなしており、他方の半体1
0Bは円筒状をなしている。そして、両半体10A,1
0Bは、それぞれの軸線を軸線Lと一致させた状態で突
き合わされ、ボルト等の締結手段(図示せず)によって
固定されている。
【0024】ハウジング10の内部には、内歯車20の
その軸線を軸線Lと一致させた状態で回動自在に収容さ
れている。内歯車20の一端部は、半体10Bから外部
に突出しており、その外部に突出した端部には、スプラ
イン部21が形成されている。このスプライン部21に
は、第1の出力軸(図示せず)の一端部が回転不能に連
結されている。第1出力軸の他端部は、例えばこの差動
歯車装置Bがセンター兼フロントデフとして用いられる
場合であれば、リヤデフ(図示せず)に接続される。内
歯車20の半体10B側の端部の内周面には、内歯車部
22が形成されている。
【0025】内歯車部20の内部には、軸線を軸線Lと
一致させた太陽歯車30が回動可能に配置されている。
太陽歯車30の外周面には、その全長にわたって外歯車
部31が形成されている。この外歯車部31は、ほぼ全
長にわたって内歯車部22と対向している。
【0026】上記半体10Aの内側を向く端面には、円
筒状をなす支持部11(図6参照)が形成されている。
この支持部11は、その軸線を軸線Lと一致させて形成
されており、内歯車部22と外歯車部31との間に挿入
されている。支持部11には、その先端面から軸線Lと
平行に延びる複数の収容孔12が形成されている。各収
容孔12は、支持部11の周方向に等間隔だけ離れて配
置されている。また、各収容孔12は、支持部11の先
端面からその基端を越えて半体10Aまで延びている。
収容孔12の中心は、支持部11の外周面と内周面との
中央に配置されている。しかも、収容孔12の内径は、
支持部11の厚さ(=(支持部11の外径−内径)/
2)より大径になっている。したがって、収容孔12の
うち支持部11に形成された部分は、支持部11の径方
向における外側の側部と内側の側部とが外部に開放され
ている。一方、収容孔12の底部側の端部(図5におい
て左側の端部)は、半体10Aに形成されているので、
内周面全体が周方向に連なった断面円形の孔として形成
されている。
【0027】収容孔12の内部には、遊星歯車40が回
転自在(自転自在)に収容されている。遊星歯車40の
外径は、収容孔12の内径とほぼ同一に設定されてお
り、遊星歯車40の外周面には、その全長にわたって延
びる歯車部41が形成されている。したがって、歯車部
41は、収容孔12の内外の開放部から外部に突出して
おり、収容孔12の外側の開放部において内歯車20の
内歯車部22と噛み合い、内側の開放部において太陽歯
車30の外歯車部31と噛み合っている。よって、ハウ
ジング10を回転駆動すると、その回転は支持部11を
介して遊星歯車40に伝達され、遊星歯車40から内歯
車20及び太陽歯車30に伝達される。この場合、遊星
歯車40が自転しないときには、ハウジング10、内歯
車20及び太陽歯車30が一体に回転し、遊星歯車40
が自転するときには内歯車20と太陽歯車30とが差動
回転する。これから明かなように、この差動歯車装置B
では、ハウジング10、特にその半体10Aがキャリア
として兼用されている。
【0028】太陽歯車40は、リング状をなしており、
その内周面には、軸線を軸線Lと一致させたケーシング
50が回動不能に連結されている。このケーシング50
には、軸線Lと直交する支持軸60が設けられている。
この支持軸60のケーシング50内における両端部に
は、一対のピニオンギヤ70A,70Bが回転自在に嵌
合されている。この一対のピニオンギヤ70A,70B
と噛み合うサイドギヤ80A,80Bがその軸線を軸線
Lと一致させて配置されている。したがって、太陽歯車
40が回転すると、それに伴ってピニオンギヤ70A,
70B及びサイドギヤ80A,80Bが回転する。この
場合、ピニオンギヤ70A,70Bが自転しないときに
は、サイドギヤ80A,80Bがケーシング50及び支
持軸60と共に一体に回転する。一方、ピニオンギヤ7
0A,70Bが自転すると、サイドギヤ80A,80B
が差動回転する。サイドギヤ80A,80Bには、第
2、第3出力軸(図示せず)の各一端部がそれぞれ回動
不能に連結されており、第2、第3出力軸の他端部は、
例えばこの差動歯車装置Bがセンター兼フロントデフと
して用いられる場合であれば、左右の前輪にそれぞれ接
続されている。
【0029】図5に示すように、遊星歯車40の歯車部
41のうちの大部分、つまり収容孔12のうちの支持部
11に形成された部分に収容された大部分は、内歯車2
0の内歯車部22及び太陽歯車30の外歯車部31と噛
み合っている。しかし、遊星歯車40の左端部は、内歯
車部22及び外歯車部31から図5の左方へ突出してお
り、収容孔12のうちの半体12Aに形成された部分、
つまり収容孔12のうちの断面円形をなす部分に収容さ
れている。図7及び図8に示すように、上記遊星歯車4
0の歯車部41のうち、内歯車20の内歯車部22及び
太陽歯車30の外歯車部31と噛み合う部分は、完全歯
部41aとされている。一方、歯車部41のうち、内歯
車20の内歯車部22及び太陽歯車30の外歯車部31
から左方に突出した端部は、不完全歯部41bとされて
いる。不完全歯部41bとされた部分においては、遊星
歯車40の周方向における歯先面の幅が完全歯部41a
の歯先面の幅より広くなっている。このような不完全歯
部41bは、例えば歯車部41をホブ(図示せず)で歯
切り加工するときに、ホブの中心が完全歯41aの左側
の端部に対応する位置に達したときに歯切り加工を終了
することによって形成することができる。
【0030】上記構成の遊星歯車装置Bにおいては、遊
星歯車40の周方向における不完全歯部41bの歯先面
の幅が完全歯部41aの歯先面の幅より広くなっている
ので、その分だけ遊星歯車40の外周面と収容孔12の
内周面との接触面積を増大させることができる。特に、
この実施の形態では、収容孔12のうちの不完全歯部4
1bが収容される部分が完全な円筒形状をなしているか
ら、遊星歯車40の外周面と収容孔12の内周面との接
触面積をより一層増大させることができる。したがっ
て、遊星歯車40の外周面と収容孔12の内周面との間
の接触面圧を減少させることができ、遊星歯車40の早
期摩耗を防止することができる。
【0031】また、遊星歯車40の外周面と収容孔12
の内周面との接触面積を増大させることができるので、
遊星歯車40を円滑に回転させることができる。これに
より、差動時におけるノイズを低減することができると
ともに、トルクバイアス比を安定させることができる。
【0032】なお、遊星歯車40の歯車部41のうちの
内歯車部22及び外歯車部31から軸線L方向へ突出し
た端部を不完全歯部41bとし、遊星歯車40の周方向
における不完全歯部41bの歯先面の幅を完全歯部41
abの歯先面の幅より広くすることにより、遊星歯車4
0の早期摩耗を防止することは、前述した差動歯車装置
A及び後述する差動歯車装置Dにも適用可能である。
【0033】図9〜図12は、この発明の第3実施の形
態を示す。この実施の形態の車両用差動歯車装置Cは、
図9及び図10に示すように、軸線Lを中心として回転
駆動されるハウジング100を有している。ハウジング
100は、本体部100Aと蓋部100Bとをから構成
されている。本体部100Aは、軸線を軸線Lと一致さ
せた円筒部101と、その一端部(図9において左端
部)に形成された底部102とを有している。底部10
2の中央部には、軸線を軸線Lと一致させた貫通孔10
3が形成されている。蓋部100Bは、円筒部101の
他端開口部を閉じるものであり、ボルトB等の締結手段
によって円筒部101の他端面に押圧固定されている。
蓋部100Bの中央部には、軸線を軸線Lと一致させた
貫通孔104が形成されている。
【0034】ハウジング100の内部には、一対のサイ
ドギヤ(太陽歯車)110,120が軸線L上に一列に
並んだ状態で回転自在に配置されている。サイドギヤ1
10は、サイドギヤ120に隣接する内側の端部に捩れ
歯を有する外歯車部111が形成され、外側の端部に外
歯車部111の歯底円径より小径の小径部112が形成
されている。サイドギヤ120は、サイドギヤ110に
隣接する内側の端部に外歯車部111と同一歯車諸元
(捩れ方向が逆の場合もある。)を有する外歯車部12
1が形成され、外側の端部に外歯車部121の歯底円径
より小径の小径部122が形成されている。各サイドギ
ヤ110,120の内周面には、貫通孔103,104
をそれぞれ貫通した出力軸(図示せず)の各一端部がそ
れぞれ回転不能に嵌合されている。各出力軸の他端部
は、例えばこの差動歯車装置がフロントデフとして用い
られる場合であれば、左右の前輪にそれぞれ接続され
る。
【0035】半体100Aの内周面には、円筒部101
の開口部側の端面から底部102まで達する少なくとも
一つの収容凹部105が形成されている。収容凹部10
5は、この実施の形態では、4つ形成されており、各収
容凹部105は、周方向に等間隔に配置されている。各
収容凹部105には、一対のピニオンギヤ(遊星歯車)
130,140が自転可能に、かつ軸線Lを中心として
ハウジング100と一体に回転(公転)するように収容
されている。
【0036】一方のピニオンギヤ130は、一端部(図
9において左端部)に形成された長歯車部131と、他
端部に形成された短歯車部132と、長歯車部131及
び短歯車部132の各歯底円径より小径の外径を有し、
ピニオンギヤ130の中央部に形成された首部133と
を有している。他方のピニオンギヤ140は、一端部
(図9において右端部)に形成された長歯車部(図示せ
ず)と、他端部に形成された短歯車部142と、長歯車
部及び短歯車部142の各歯底円径より小径の外径を有
し、ピニオンギヤ140の中央部に形成された首部(図
示せず)とを有している。一方のピニオンギヤ130の
長歯車部131は、その内側の端部において一方のサイ
ドギヤ110の外歯車部111と噛み合い、外側の端部
において他方のピニオンギヤ140の短歯車部142と
噛み合っている。他方のピニオンギヤ140の長歯車部
は、内側の端部において他方のサイドギヤ120と噛み
合い、外側の端部において一方のピニオンギヤ130の
短歯車部132と噛み合っている。したがって、ハウジ
ング100が回転すると、その回転が一対のピニオンギ
ヤ130,140を介して一対のサイドギヤ110,1
20に伝達される。この場合、一対のピニオンギヤ13
0,140が回転しないときには、一対のサイドギヤ1
10,120はハウジング100及びピニオンギヤ13
0,140と一体に回転するが、一対のピニオンギヤ1
30,140が互いに逆方向へ回転すると、一対のサイ
ドギヤ110,120が差動回転する。
【0037】図11及び図12に示すように、収容凹部
105の左端面(当接面)106と対向するピニオンギ
ヤ130の左端面134には、外周面との交差する面取
り135が形成されている。この面取り135は、左端
面134とのなす角度αが小さい(10〜15°程度)
テーパ面として形成されており、ピニオンギヤ130の
径方向の幅は、長歯車部131の歯の高さと同等かそれ
以上に設定されている。換言すれば、面取り135の小
径側の直径(面取り135の左端面134との交差部に
おける直径)は、長歯車部131の歯底円径と同等か若
干小径になっている。面取り135と左端面134との
交差部には、凸曲面部136が形成されている。この凸
曲面部136は、曲率半径Rの大きな円弧面によって形
成されている。凸曲面部136は、円弧面以外の凸曲面
によって形成してもよい。凸曲面部136の各端部は、
左端面134と面取り135とにそれぞれ滑らかに接し
ている。なお、ピニオンギヤ130の右端面137及び
ピニオンギヤ140の左右の端面(図示せず)にも、ピ
ニオンギヤ130の左端面134に形成された面取り1
35及び凸曲面部136と同様の面取り及び凸曲面部
(いずれも図示せず)が形成されており、ピニオンギヤ
130の右端面137及びピニオンギヤ14の右端面
は、蓋部100B収容凹部105と対向する左端面(当
接面)に突き当たり、ピニオンギヤ140の左端面は収
容凹部105の左端面106に突き当たるようになって
いる。
【0038】上記構成の差動歯車装置Cにおいて、ピニ
オンギヤ130が回転したとき、その軸線が軸線Lと平
行であるならば、ピニオンギヤ130の左端面134は
収容凹部105の左端面106に面接触する。したがっ
て、ピニオンギヤ130の左端面134が早期に摩耗す
ることはない。ところが、ピニオンギヤ130は、サイ
ドギヤ110及びピニオンギヤ140との噛み合いによ
る反力を受けて軸線Lに対して傾斜することがある。そ
のような場合には、仮に凸曲面部136が形成されてい
ないと、左端面134と面取り135との交差部に形成
される稜線が端面134と点接触に近い状態で接触す
る。このため、ピニオンギヤ130の左端面134と面
取り135との交差部が早期に摩耗してしまう。しかる
に、端面134と面取り135との交差部に凸曲面部1
36が形成されていると、ピニオンギヤ130が傾斜し
たときにおける左端面134及び面取り135の交差部
と左端面106との接触面積を大きくすることができ
る。したがって、ピニオンギヤ130の左端面134と
面取り135との交差部が早期に摩耗するのを防止する
ことができる。これは、ピニオンギヤ130の右端面1
37と面取りとの交差部及びピニオンギヤ140の左右
の端面と面取りとの交差部についても同様である。
【0039】なお、ピニオンギヤ(遊星歯車)の左右の
端面と面取りとの交差部に凸曲面部を形成する点は、前
述した差動歯車装置A、B及び次に述べる差動歯車装置
Dにも適用可能である。
【0040】図13〜図15は、この発明の第4実施の
形態を示す。この実施の形態の車両用差動歯車装置D
は、前述した差動歯車装置Aと一部の構成が異なるだけ
であり、その他の構成は差動歯車装置Aと同様である。
そこで、差動歯車装置Dについては、差動歯車装置Aと
異なる構成についてのみ説明することとし、同様な構成
については同一符合を付してその説明を省略する。
【0041】図13及び図15に示すように、この差動
歯車装置Dにおいては、内歯車2の環状連結部2aと内
歯車部2bとが軸線L方向に離間しており、それらの間
に位置する内歯車2の内周面には、軸線Lを中心として
環状に延びる断面円形の第1ガイド部2cが形成されて
いる。この第1ガイド部2cの内径は、各遊星歯車5が
配置された円周(各収容孔4bが配置された円周)の直
径に遊星歯車5の外径を加えた値とほぼ同一になってい
る。したがって、遊星歯車5が公転するときには、各遊
星歯車5の外周面が第1ガイド部2cに当接可能(摺接
可能)である。
【0042】第1ガイド部2cと対向する太陽歯車3の
外周面には、軸線Lを中心として環状に延びる断面円形
の第2ガイド部3bが形成されている。この第2ガイド
部3bの内径は、各遊星歯車5が配置された円周の直径
から遊星歯車5の外径を差し引いた値とほぼ同一になっ
ている。したがって、遊星歯車5が公転するときには、
各遊星歯車5の外周面が第2ガイド部3bに当接可能
(摺接可能)である。
【0043】上記構成の差動歯車装置Dにおいては、遊
星歯車5の公転時に遊星歯車5の外周面が第1ガイド部
2c及び第2ガイド部3bに摺接するので、遊星歯車5
が内歯車2及び太陽歯車3の径方向に傾くのを防止する
ことができる。したがって、遊星歯車5が傾斜した状態
で回転することによる偏摩耗を防止することができる。
しかも、遊星歯車5が公転する際には第1、第2ガイド
部2c,3bによって周方向にガイドされるので、遊星
歯車5が傾斜するのを防止することと相俟って差動時の
ノイズを低減することができるとともに、トルクバイア
ス比を安定させることができる。
【0044】図16は、この発明の第5実施の形態を示
すものである。この実施の形態においては、太陽歯車3
と出力部材7との間に円筒状をなすガイド部材8がその
軸線を軸線Lと一致させて配置されている。このガイド
部材8の外周面には、第3ガイド部8aが形成されてい
る。この第3ガイド部8aは、上記差動歯車装置Dにお
ける太陽歯車3の第2ガイド部3bに相当するものであ
り、第2ガイド部3bと同一の外径を有している。その
他の構成は、差動歯車装置Dと同様である。したがっ
て、この実施の形態においても、差動歯車装置Dと同様
の作用効果が得られる。
【0045】図17は、この発明の第6実施の形態を示
すものである。この実施の形態においては、遊星歯車5
の左端部が内歯車2の内歯車部2b及び太陽歯車3の外
歯車部3aから左方に突出しており、この突出した左端
部がガイド軸部5bになっている。このガイド軸部5b
は、断面円形の外周面を有しており、その軸線を遊星歯
車5の軸線と一致させて形成されている。ガイド軸部5
bは、遊星歯車5の右端部に形成してもよい。また、ガ
イド軸部5bの外径は、歯車部5aの歯底円径とほぼ同
一に設定されているが、任意に設定することができる。
例えば、歯車部5aの外径と同一であってもよく、ある
いはそれより小径又は大径であってもよい。一方、ガイ
ド軸部5bと対向する内歯車2の内周面には、その軸線
(軸線L)を中心として環状に延びる断面円形の外側ガ
イド部2dが形成され、ガイド軸部5bと対向する太陽
歯車3の外周面には、その軸線(軸線L)を中心として
環状に延びる断面円形の内側ガイド部3cが形成されて
いる。外側ガイド部2dの内径及び内側ガイド部3cの
外径は、遊星歯車5が軸線Lを中心として公転したと
き、ガイド軸部5bの外周面が外側ガイド部2dの内周
面及び内側ガイド部3cの外周面に当接(摺接)するよ
うに設定されている。その他の構成は、差動歯車装置D
と同様である。したがって、この実施の形態において
も、差動歯車装置Dと同様の効果が得られる。
【0046】なお、図17に示す実施の形態において
は、内側ガイド部3cを太陽歯車3に一体に形成してい
るが、図において想像線で示すように、内側ガイド部3
cを有する部分を太陽歯車3と別体に形成してこれをガ
イド部材9とし、このガイド部材9の外周面に内側ガイ
ド部3cに相当する内側ガイド部9aを形成してもよ
い。
【0047】また、内歯車2の内周面及び太陽歯車3の
外周面に第1、第2ガイド部2c,3bをそれぞれ形成
する点、内歯車2の内周面及びガイド部材8の外周面に
第1、第3ガイド部2c,8aをそれぞれ形成する点、
並びに遊星歯車5にガイド軸部5bを形成するととも
に、内歯車2の内周面及び太陽歯車3の外周面(又はガ
イド部材9の外周面)に外側ガイド部2d及び内側ガイ
ド部3c(9a)を形成する点については、前述した遊
星歯車装置A、Bにも適用可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、遊星歯車が早期に摩耗するのを防止することができ
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施の形態を示す断面図であ
る。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図である。
【図3】同実施の形態の要部を示す断面図である。
【図4】従来の車両用差動歯車装置の要部を示す図3と
同様の断面図である。
【図5】この発明の第2実施の形態を示す断面図であ
る。
【図6】図5のX−X線に沿う断面図である。
【図7】図5のY円部の拡大図である。
【図8】同実施の形態において用いられている遊星歯車
の正面図である。
【図9】この発明の第3実施の形態を示す断面図であ
る。
【図10】図9のX−X線に沿う断面図である。
【図11】図9のY円部の拡大図である。
【図12】同実施の形態に用いられている遊星歯車の要
部を示す拡大断面図である。
【図13】この発明の第4実施の形態を示す断面図であ
る。
【図14】図13のX−X線に沿う断面図である。
【図15】図13のY円部の拡大図である。
【図16】この発明の第5実施の形態を示す図15と同
様の断面図である。
【図17】この発明の第6実施の形態を示す図15と同
様の断面図である。
【符号の説明】
A 車両用差動歯車装置 B 車両用差動歯車装置 C 車両用差動歯車装置 D 車両用差動歯車装置 2 内歯車 2c 第1ガイド部 2d 外側ガイド部 3 太陽歯車 3b 第2ガイド部 3c 内側ガイド部 4 キャリア 4a 支持部 4b 収容孔 4c (収容孔の一側部)内周面 4d (収容孔の他側部)内周面 5 遊星歯車 5b ガイド軸部 8 ガイド部材 8a 第3ガイド部 9 ガイド部材 9a 内側ガイド部 10 ハウジング(キャリア) 11 支持部 12 収容孔 20 内歯車 30 太陽歯車 40 遊星歯車 41a 完全歯部 41b 不完全歯部 100 ハウジング 110 サイドギヤ(太陽歯車) 120 サイドギヤ(太陽歯車) 130 ピニオンギヤ(遊星歯車) 134 (ピニオンギヤ130の)左端面 135 面取り 136 凸曲面部 137 (ピニオンギヤ130の)右端面 140 ピニオンギヤ(遊星歯車)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年4月16日(2003.4.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項10
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用差動歯車
装置に関する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用差動歯車装置は、自転及
び公転する複数の遊星歯車を有している。各遊星歯車
は、通常、キャリアに形成された収容孔に回転(自転)
可能に収容されている。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】遊星歯車は、自転する
ものであるから、その外周面が収容孔の内周面に対して
滑り接触する。また、遊星歯車の端面が収容孔の底面又
は遊星歯車をその軸線方向に支持する部材に対して滑り
接触する。このため、従来の車両用差動歯車装置におい
ては、遊星歯車が早期に摩耗し易いという問題があっ
た。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、この発明の第1の態様は、内歯車と、この内歯車
の内側に軸線を上記内歯車の軸線と一致させて配置され
た太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間に軸線
を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させて挿入
された円筒状の支持部を有し、この支持部にその径方向
の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形成され
たキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在に収容
され、上記収容孔の外側の開放部において上記内歯車と
噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上記太陽
歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用差動歯車装置
において、上記支持部の周方向における上記収容孔の内
周面の一側部を上記遊星歯車の半径と同一の曲率半径を
有する円弧面によって構成し、他側部を上記遊星歯車の
半径と同等以上の曲率半径を有する円弧面によって構成
し、上記遊星歯車を上記収容孔の内周面の一側部と他側
部とのいずれか一方に接触させたとき、他方と上記遊星
歯車の外周面との間に隙間が形成されるように構成した
ことを特徴としている。この場合、上記収容孔の内周面
の一側部及び他側部を、上記遊星歯車の半径と同一の曲
率半径を有する円弧面によって構成することが望まし
い。このように構成するときには、上記収容孔の内周面
の一側部及び他側部を構成する各円弧面の曲率中心を上
記支持部の周方向に離して配置することが望ましい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】この発明の第2の態様は、内歯車と、この
内歯車の内側に軸線を上記内歯車の軸線と一致させて配
置された太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間
に軸線を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させ
て挿入された円筒状の支持部を有し、この支持部にその
径方向の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形
成されたキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在
に収容され、上記収容孔の外側の開放部において上記内
歯車と噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上
記太陽歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用差動歯
車装置において、上記遊星歯車の上記内歯車及び上記太
陽歯車と噛み合う部分を完全歯部とし、上記遊星歯車の
上記内歯車及び上記太陽歯車から軸線方向に突出した端
部を不完全歯部とし、上記遊星歯車の周方向における上
記不完全歯部の歯先面の幅を上記完全歯部の歯先面の幅
より広くしたことを特徴としている。この場合、上記収
容孔のうちの、上記不完全歯部が形成された上記遊星歯
車の端部を収容する部分を、全周にわたって連続した断
面円形の孔にするのが望ましい。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】この発明の第4の態様は、内歯車と、この
内歯車の内側に軸線を上記内歯車の軸線と一致させて配
置された太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間
に軸線を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させ
て挿入された円筒状の支持部を有し、この支持部にその
径方向の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形
成されたキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在
に収容され、上記収容孔の外側の開放部において上記内
歯車と噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上
記太陽歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用差動歯
車装置において、上記内歯車の内周面に、内歯車の軸線
を中心として環状に延び、上記遊星歯車の外周面に当接
可能な第1ガイド部を設け、この第1ガイド部と対向す
る上記太陽歯車の外周面に、太陽歯車の軸線を中心とし
て環状に延び、上記遊星歯車の外周面に当接可能な第2
ガイド部を設けたことを特徴としている。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】この発明の第5の態様は、内歯車と、この
内歯車の内側に軸線を上記内歯車の軸線と一致させて配
置された太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間
に軸線を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させ
て挿入された円筒状の支持部を有し、この支持部にその
径方向の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形
成されたキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在
に収容され、上記収容孔の外側の開放部において上記内
歯車と噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上
記太陽歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用差動歯
車装置において、上記内歯車の内周面に、内歯車の軸線
を中心として環状に延び、上記遊星歯車の外周面に当接
可能な第1ガイド部を設け、上記内歯車の内側にガイド
部材を設け、このガイド部材の上記第1ガイド部と対向
する外周面に、上記内歯車の軸線を中心として環状に延
び、上記遊星歯車の外周面に当接可能な第3ガイド部を
設けたことを特徴としている。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】この発明の第6の態様は、内歯車と、この
内歯車の内側に軸線を上記内歯車の軸線と一致させて配
置された太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間
に軸線を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させ
て挿入された円筒状の支持部を有し、この支持部にその
径方向の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形
成されたキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在
に収容され、上記収容孔の外側の開放部において上記内
歯車と噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上
記太陽歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用差動歯
車装置において、上記遊星歯車の外周面に、上記内歯車
の内周面及び上記太陽歯車の外周面とそれぞれ回動可能
に当接可能なガイド軸部を設けたことを特徴としてい
る。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】この発明の第7の態様は、内歯車と、この
内歯車の内側に軸線を上記内歯車の軸線を一致させて配
置された太陽歯車と、上記内歯車と上記太陽歯車との間
に軸線を上記内歯車及び上記太陽歯車の軸線と一致させ
て挿入された円筒状の支持部を有し、この支持部にその
径方向の外側及び内側の各側部が開放された収容孔が形
成されたキャリアと、このキャリアの収容孔に回転自在
に収容され、上記収容孔の外側の開放部において上記内
歯車と噛み合い、上記収容孔の内側の開放部において上
記太陽歯車と噛み合う遊星歯車とを備えた車両用差動歯
車装置において、上記内歯車の内側に、軸線を上記内歯
車の軸線と一致させた断面円形のガイド部を有するガイ
ド部材を設け、上記遊星歯車の外周面に、上記内歯車の
内周面及び上記ガイド部の外周面に回動可能に当接可能
な環状のガイド軸部を設けたことを特徴としている。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図1〜図17を参照して説明する。図1〜図3は、
この発明の第1の実施の形態を示すものである。この実
施の形態の車両用差動歯車装置Aは、ハウジング1、内
歯車2、太陽歯車3、キャリア4及び遊星歯車5を主な
構成要素としている。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】上記構成の車両用差動歯車装置Aにおい
て、収容孔4bの内周面4c,4dの内径(=曲率半径
×2)は遊星歯車5の外径と同一であるが、内周面4
c,4dの間隔は、それらの曲率中心O1,O2が互い
に離れている分だけ遊星歯車5の外径より大きくなって
いるので、収容孔4bに遊星歯車5を回動自在に収容す
ることができるのみならず、遊星歯車5の外周面と内周
面4c,4dとの各間に潤滑油を保持させることができ
る。しかも、内周面4c,4dの内径が遊星歯車5の外
径と同一であるから、遊星歯車5の外周面は、収容孔4
bの内周面4c,4dと接触するときには、内周面4
c,4d全体と面接触する。したがって、内周面4c,
4dと遊星歯車5の外周面との間に作用する面圧を小さ
くすることができ、それによって遊星歯車5の早期摩耗
を防止することができる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】なお、この実施の形態の差動歯車装置Aに
おいては、内周面4c,4dの曲率半径を遊星歯車5の
半径とほぼ同一にしているが、内周面4c,4dのいず
れか一方の曲率半径だけを遊星歯車5の半径とほぼ同一
にし、他方の曲率半径については遊星歯車5の半径より
大きくしてもよい。また、遊星歯車5を内周面4c,4
dのいずれか一方に接触させたとき、他方と遊星歯車5
の外周面との間に隙間が形成されるよう、内周面4c,
4dの曲率中心O1,02を支持部4aの周方向に互い
に離しているが、他の方法を採用してもよい。収容孔4
bの内周面4c,4dの曲率半径及び曲率中心O1,O
2並びに遊星歯車5の半径に関する上記事項は、後述す
差動歯車装置B,Dにも適用可能である。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】ハウジング10の内部には、内歯車20
その軸線を軸線Lと一致させた状態で回動自在に収容さ
れている。内歯車20の一端部は、半体10Bから外部
に突出しており、その外部に突出した端部には、スプラ
イン部21が形成されている。このスプライン部21に
は、第1の出力軸(図示せず)の一端部が回転不能に連
結されている。第1出力軸の他端部は、例えばこの差動
歯車装置Bがセンター兼フロントデフとして用いられる
場合であれば、リヤデフ(図示せず)に接続される。内
歯車20の半体10B側の端部の内周面には、内歯車部
22が形成されている。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】図5に示すように、遊星歯車40の歯車部
41のうちの大部分、つまり収容孔12のうちの支持部
11に形成された部分に収容された大部分は、内歯車2
0の内歯車部22及び太陽歯車30の外歯車部31と噛
み合っている。しかし、遊星歯車40の左端部は、内歯
車部22及び外歯車部31から図5の左方へ突出してお
り、収容孔12のうちの半体10Aに形成された部分、
つまり収容孔12のうちの断面円形をなす部分に収容さ
れている。図7及び図8に示すように、上記遊星歯車4
0の歯車部41のうち、内歯車20の内歯車部22及び
太陽歯車30の外歯車部31と噛み合う部分は、完全歯
部41aとされている。一方、歯車部41のうち、内歯
車20の内歯車部22及び太陽歯車30の外歯車部31
から左方に突出した端部は、不完全歯部41bとされて
いる。不完全歯部41bとされた部分においては、遊星
歯車40の周方向における歯先面の幅が完全歯部41a
の歯先面の幅より広くなっている。このような不完全歯
部41bは、例えば歯車部41をホブ(図示せず)で歯
切り加工するときに、ホブの中心が完全歯部41aの左
側の端部に対応する位置に達したときに歯切り加工を終
了することによって形成することができる。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】本体部100Aの内周面には、円筒部10
1の開口部側の端面から底部102まで達する少なくと
も一つの収容凹部105が形成されている。収容凹部1
05は、この実施の形態では、4つ形成されており、各
収容凹部105は、周方向に等間隔に配置されている。
各収容凹部105には、一対のピニオンギヤ(遊星歯
車)130,140が自転可能に、かつ軸線Lを中心と
してハウジング100と一体に回転(公転)するように
収容されている。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】また、内歯車2の内周面及び太陽歯車3の
外周面に第1、第2ガイド部2c,3bをそれぞれ形成
する点、内歯車2の内周面及びガイド部材8の外周面に
第1、第3ガイド部2c,8aをそれぞれ形成する点、
並びに遊星歯車5にガイド軸部5bを形成するととも
に、内歯車2の内周面及び太陽歯車3の外周面(又はガ
イド部材9の外周面)に外側ガイド部2d及び内側ガイ
ド部3c(9a)を形成する点については、前述した
動歯車装置A、Bにも適用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 紳一郎 ベルギー王国 ラルビエ パークインダス トリエル ドゥ ストリッピーブラックニ ーズ ルー ドゥ グラン ププリエ 11 ゼクセル トルセン エス.エー.内 Fターム(参考) 3J027 FA37 FB02 HB01 HB16 HC02 HC19 HC29

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内歯車と、この内歯車の内側に軸線を上
    記内歯車の軸線と一致させて配置された太陽歯車と、上
    記内歯車と上記太陽歯車との間に軸線を上記内歯車及び
    上記太陽歯車の軸線と一致させて挿入された円筒状の支
    持部を有し、この支持部にその径方向の外側及び内側の
    各側部が開放された収容孔が形成されたキャリアと、こ
    のキャリアの収容孔に回転自在に収容され、上記収容孔
    の外側の開放部において上記内歯車と噛み合い、上記収
    容孔の内側の開放部において上記太陽歯車と噛み合う遊
    星歯車とを備えた車両用遊星歯車装置において、上記支
    持部の周方向における上記収容孔の内周面の一側部を上
    記遊星歯車の半径と同一の曲率半径を有する円弧面によ
    って構成し、他側部を上記遊星歯車の半径と同等以上の
    曲率半径を有する円弧面によって構成し、上記遊星歯車
    を上記収容孔の内周面の一側部と他側部とのいずれか一
    方に接触させたとき、他方と上記遊星歯車の外周面との
    間に隙間が形成されるように構成したことを特徴とする
    車両用差動歯車装置。
  2. 【請求項2】 上記収容孔の内周面の一側部及び他側部
    を、上記遊星歯車の半径と同一の曲率半径を有する円弧
    面によって構成したことを特徴とする請求項1に記載の
    車両用差動歯車装置。
  3. 【請求項3】 上記収容孔の内周面の一側部及び他側部
    を構成する各円弧面の曲率中心を上記支持部の周方向に
    離して配置したことを特徴とする請求項2に記載の車両
    用差動歯車装置。
  4. 【請求項4】 内歯車と、この内歯車の内側に軸線を上
    記内歯車の軸線と一致させて配置された太陽歯車と、上
    記内歯車と上記太陽歯車との間に軸線を上記内歯車及び
    上記太陽歯車の軸線と一致させて挿入された円筒状の支
    持部を有し、この支持部にその径方向の外側及び内側の
    各側部が開放された収容孔が形成されたキャリアと、こ
    のキャリアの収容孔に回転自在に収容され、上記収容孔
    の外側の開放部において上記内歯車と噛み合い、上記収
    容孔の内側の開放部において上記太陽歯車と噛み合う遊
    星歯車とを備えた車両用遊星歯車装置において、 上記遊星歯車の上記内歯車及び上記太陽歯車と噛み合う
    部分を完全歯部とし、上記遊星歯車の上記内歯車及び上
    記太陽歯車から軸線方向に突出した端部を不完全歯部と
    し、上記遊星歯車の周方向における上記不完全歯部の歯
    先面の幅を上記完全歯部の歯先面の幅より広くしたこと
    を特徴とする車両用差動歯車装置。
  5. 【請求項5】 上記収容孔のうちの、上記不完全歯部が
    形成された上記遊星歯車の端部を収容する部分を、全周
    にわたって連続した断面円形の孔にしたことを特徴とす
    る車両用差動歯車装置。
  6. 【請求項6】 ハウジングと、上記ハウジング内に回転
    自在に設けられた、捩れ歯を有する太陽歯車と、上記ハ
    ウジング内に自転可能に設けられ、上記太陽歯車と噛み
    合う遊星歯車とを備え、上記ハウジングの内面には上記
    遊星歯車の端面が突き当たる当接面が形成され、上記遊
    星歯車の端面の外周側には、遊星歯車の径方向における
    幅が遊星歯車の歯の高さと同等以上であるテーパ面状の
    面取りが形成された車両用差動歯車装置において、 上記遊星歯車の端面と上記面取りとの交差部にそれらに
    滑らかに接する凸曲面部を形成したことを特徴とする車
    両用差動歯車装置。
  7. 【請求項7】 内歯車と、この内歯車の内側に軸線を上
    記内歯車の軸線と一致させて配置された太陽歯車と、上
    記内歯車と上記太陽歯車との間に軸線を上記内歯車及び
    上記太陽歯車の軸線と一致させて挿入された円筒状の支
    持部を有し、この支持部にその径方向の外側及び内側の
    各側部が開放された収容孔が形成されたキャリアと、こ
    のキャリアの収容孔に回転自在に収容され、上記収容孔
    の外側の開放部において上記内歯車と噛み合い、上記収
    容孔の内側の開放部において上記太陽歯車と噛み合う遊
    星歯車とを備えた車両用遊星歯車装置において、上記内
    歯車の内周面に、内歯車の軸線を中心として環状に延
    び、上記遊星歯車の外周面に当接可能な第1ガイド部を
    設け、この第1ガイド部と対向する上記太陽歯車の外周
    面に、太陽歯車の軸線を中心として環状に延び、上記遊
    星歯車の外周面に当接可能な第2ガイド部を設けたこと
    を特徴とする車両用遊星歯車装置。
  8. 【請求項8】 内歯車と、この内歯車の内側に軸線を上
    記内歯車の軸線と一致させて配置された太陽歯車と、上
    記内歯車と上記太陽歯車との間に軸線を上記内歯車及び
    上記太陽歯車の軸線と一致させて挿入された円筒状の支
    持部を有し、この支持部にその径方向の外側及び内側の
    各側部が開放された収容孔が形成されたキャリアと、こ
    のキャリアの収容孔に回転自在に収容され、上記収容孔
    の外側の開放部において上記内歯車と噛み合い、上記収
    容孔の内側の開放部において上記太陽歯車と噛み合う遊
    星歯車とを備えた車両用遊星歯車装置において、 上記内歯車の内周面に、内歯車の軸線を中心として環状
    に延び、上記遊星歯車の外周面に当接可能な第1ガイド
    部を設け、上記内歯車の内側にガイド部材を設け、この
    ガイド部材の上記第1ガイド部と対向する外周面に、上
    記内歯車の軸線を中心として環状に延び、上記遊星歯車
    の外周面に当接可能な第3ガイド部を設けたことを特徴
    とする車両用遊星歯車装置。
  9. 【請求項9】 内歯車と、この内歯車の内側に軸線を上
    記内歯車の軸線と一致させて配置された太陽歯車と、上
    記内歯車と上記太陽歯車との間に軸線を上記内歯車及び
    上記太陽歯車の軸線と一致させて挿入された円筒状の支
    持部を有し、この支持部にその径方向の外側及び内側の
    各側部が開放された収容孔が形成されたキャリアと、こ
    のキャリアの収容孔に回転自在に収容され、上記収容孔
    の外側の開放部において上記内歯車と噛み合い、上記収
    容孔の内側の開放部において上記太陽歯車と噛み合う遊
    星歯車とを備えた車両用遊星歯車装置において、 上記遊星歯車の外周面に、上記内歯車の内周面及び上記
    太陽歯車の外周面とそれぞれ回動可能に当接可能なガイ
    ド軸部を設けたことを特徴とする車両用遊星歯車装置。
  10. 【請求項10】 内歯車と、この内歯車の内側に軸線を
    上記内歯車の軸線を一致させて配置された太陽歯車と、
    上記内歯車と上記太陽歯車との間に軸線を上記内歯車及
    び上記太陽歯車の軸線と一致させて挿入された円筒状の
    支持部を有し、この支持部にその径方向の外側及び内側
    の各側部が開放された収容孔が形成されたキャリアと、
    このキャリアの収容孔に回転自在に収容され、上記収容
    孔の外側の開放部において上記内歯車と噛み合い、上記
    収容孔の内側の開放部において上記太陽歯車と噛み合う
    遊星歯車とを備えた車両用遊星歯車装置において、 上記内歯車の内側に、軸線を上記内歯車の軸線と一致さ
    せた断面円形のガイド部を有するガイド部材を設け、上
    記遊星歯車の外周面に、上記内歯車の内周面及び上記ガ
    イド部の外周面に回動可能に当接可能な環状のガイド軸
    部を設けたことを特徴とする車両用遊星歯車装置。
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