JP2622908B2 - 遊星歯車装置 - Google Patents

遊星歯車装置

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JP2622908B2 JP23059191A JP23059191A JP2622908B2 JP 2622908 B2 JP2622908 B2 JP 2622908B2 JP 23059191 A JP23059191 A JP 23059191A JP 23059191 A JP23059191 A JP 23059191A JP 2622908 B2 JP2622908 B2 JP 2622908B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遊星歯車装置、特に、
各遊星歯車が相対回動自在に並設した一対の歯車から構
成されると共に、前記遊星歯車とかみ合う内歯車が、ケ
ーシングに固定された内歯車とケーシングに対してネジ
対偶する内歯車とから構成された形式の遊星歯車装置に
関するものである。
【0002】
【従来技術及び課題】遊星歯車装置は、減速装置等とし
て利用されるが、この形式の遊星歯車装置は、太陽歯車
とこれの外周においてかみ合う複数の遊星歯車と、これ
ら遊星歯車とかみ合う内歯車とから構成され、通常は、
前記内歯車がケーシング内周面に形成されている。
【0003】この遊星歯車装置を減速機として利用した
ものにつき、すでに、特願平3-173803号の提案を行っ
た。この提案は、遊星歯車式の減速機におけるバックラ
ッシュによるガタつきを防止できるようにすると共に、
サーボモータ(M) 等を減速機に直結できるようにするも
ので、図1及び図2に示すような構成を採用する。つま
り、太陽歯車(1) にかみ合う複数の遊星歯車(2)(2)を出
力軸(3) と一体のディスク(31)により軸支すると共に、
各遊星歯車(2) は各別に回転する第1歯車(21)と第2歯
車(22)とを並設した構成とし、ケーシング(4) の内周面
に形成した内歯車(40)を前記第1歯車(21)(21)とかみ合
う第1内歯車(41)と、前記第2歯車(22)(22)とかみ合う
第2内歯車(42)とから構成して一方の第2内歯車(42)を
ケーシング(4) と一体とすると共に、他方の第1内歯車
(41)はその外周面がケーシング(4) の内周面とネジ対偶
する構成とし、これら内歯車相互を圧縮バネ(46)により
離反する方向又は接近する方向に付勢させたものであ
る。
【0004】この先行技術のものでは、太陽歯車(1) →
第1歯車(21)→第1内歯車(41)の第1伝動系と、太陽歯
車(1) →第2歯車(22)→第2内歯車(42)の第2伝動系と
の2経路よってトルクが伝達される。しかも、ケーシン
グ(4) と第1内歯車(41)とのネジ対偶作用、及び、第1
内歯車(41)に作用する軸線方向の付勢力によって第1内
歯車(41)と第2内歯車(42)との間には相対回動力が作用
する。従って、この相対回動力により、第1歯車(21)及
び第1内歯車(41)の歯と、第2歯車(22)及び第2内歯車
(42)の歯との間には、円周方向のズレが生じる。一方、
第1歯車(21)及び第2歯車(22)は共に太陽歯車(1) にか
み合っていることから、この円周方向のズレは太陽歯車
(1) と遊星歯車(2) の間のバックラッシュと遊星歯車
(2) と内歯車(40)との間のバックラッシュとの和とな
る。つまり、太陽歯車(1) と遊星歯車(2) とのかみ合い
部、及び、遊星歯車(2) と内歯車(40)とのかみ合い部に
は、バックラッシュが生じない状態で伝動する。従っ
て、太陽歯車(1) 、遊星歯車(2)及び内歯車(40)が相互
にかみ合った伝動精度が向上するとともに静かな伝動状
態が得られる。又、各かみ合い部の歯が摩耗してこのか
み合い部のバックラッシュが拡大したとしても、第1内
歯車(41)と第2内歯車(42)の間には常時相対回動力が付
与されているから、このバックラッシュが解消された新
たなかみ合い状態にセットされる。
【0005】ところが、この先行技術のものでは、第1
内歯車(41)が細い環状となることから、又、第1内歯車
(41)の外周面とケーシング(4) の内周面とは、図2のよ
うに、ねじれスプライン(S) 相互のかみ合わせにより両
者をネジ対偶させる方式であるから、伝動時の音の点及
び伝動精度の点では今少し不十分であった。ねじれスプ
イライン(S) は、スプラインの溝を第1内歯車(41)の軸
線に対して一定角度ねじれたように形成したものである
が、スプライン相互の嵌合部にも一定の嵌合余裕があ
り、第1内歯車(41)には、この嵌合余裕に相当するガタ
つきが生じるからである。また、第1内歯車(41)の軸線
方向の幅が小さく直径が大きいことから、ねじれスプラ
イン(S) に沿ってこの第1内歯車(41)が移動される際に
傾き易いからである。
【0006】本発明は、『各遊星歯車(2) が太陽歯車
(1) に共にかみ合う第1歯車(21)と第2歯車(22)とから
構成され、内歯車(40)が、前記第1歯車(21)にかみ合う
第1内歯車(41)と前記第2歯車(22)にかみ合う第2内歯
車(42)とから構成され、前記第2内歯車(42)をケーシン
グ(4) に固定すると共に、第1内歯車(41)と第2内歯車
(42)の間に相対回転方向の付勢力を作用させた遊星歯車
装置』において、第1内歯車(41)のガタつきや傾きによ
る伝動精度の低下を防止すると共に、一層静かな伝動を
可能にすることを課題とする。 [請求項1の発明]
【0007】
【技術的手段】上記課題を解決するための本発明の技術
的手段は、『ケーシング(4) には第1内歯車(41)を収容
する筒部(43)を形成し、この筒部(43)の内周面と第1内
歯車(41)の外周面には、これらの軸線に対して一定角度
同方向にねじれた複数の溝(61)(61)及び溝(62)(62)を形
成し、溝(61)(62)を相互に対向させて各一対の前記溝(6
1)(62)間に複数のボール(60)(60)を圧入し、第1内歯車
(41)と第2内歯車(42)の間に両者を軸線方向に離反又は
接近させる付勢力を作用させた』ことである。
【0008】
【作用】上記技術的手段は次のように作用する。各溝(6
1)及び溝(62)は共に同方向にねじれた状態に形成されて
いるから、第1内歯車(41)と筒部(43)とはボール(60)(6
0)を介してネジ対偶する。そして、第1内歯車(41)と第
2内歯車(42)の間に両者を軸線方向に離反又は接近させ
る付勢力を作用させたから、第1内歯車(41)と第2内歯
車(42)との間には相対回転方向の付勢力が常時作用する
こととなり、従来と同様にバックラッシュが生じない状
態で伝動する。
【0009】又、筒部(43)と第1内歯車(41)とのネジ対
偶機構は、溝(61)と溝(62)との間にボール(60)(60)が圧
入された状態にあるから、このネジ対偶機構部分での嵌
合余裕が生じない。このネジ対偶機構部の作用により第
1内歯車(41)が軸線方向に回転しながら移動(ねじれ移
動)するとき、第1内歯車(41)と筒部(43)は、ボール(6
0)(60)を介して転がり接触状態で移動することとなるか
ら、軽い付勢力でねじれ移動する。つまり、第1内歯車
(41)は筒部(43)に対してボール(60)(60)を介して転がり
接触しながら円滑にねじれ移動する。又、このボール圧
入部が第1内歯車(41)の外周の複数箇所に形成されてい
るものであるから、第1内歯車(41)に作用させた付勢力
によってねじれ移動する際、各ボール圧入部での各ボー
ルの転がり移動量が一定となり、第1内歯車(41)が軸線
に対して傾斜状態になりにくい。
【0010】
【効果】筒部(43)と第1内歯車(41)とのネジ対偶機構部
分での嵌合余裕が生じないから、又、第1内歯車(41)が
軸線に対して傾斜状態になりにくいから、これらが原因
となるガタつきや伝動精度の低下が生じない。第1内歯
車(41)及び筒部(43)とボール(60)(60)との各転がり接触
部が円滑にねじれ移動するから、各歯車の歯に摩耗が生
じた場合において、新たなバックラッシュ解消状態への
移行が円滑である。[請求項2の発明]この発明は、請
求項1の発明と同様の課題を解決するものであり、第1
内歯車(41)をケーシング(4) に対してネジ対偶させるこ
となく、ケーシング(4) または第1内歯車(41)に対して
回り対偶状態にあるようにして前記課題を解決するもの
である。
【0011】
【技術的手段】上記課題を解決するための本発明の技術
的手段は、『ケーシング(4)には第2内歯車(42)
を固定すると共に第1内歯車(41)をケーシング
(4)又は第2内歯車(42)に対してまわり対偶さ
せ、ケーシング(4)又は第2内歯車(42)と第1内
歯車(41)との間にはこれらの軸線方向に付勢された
楔体(6)を介在させ、この楔体(6)の軸線方向移動
により第1内歯車(41)が第2内歯車(42)に対し
て相対回転されるようにした』ことである。
【0012】
【作用】上記技術的手段は次のように作用する。ケーシ
ング(4) 又は第2内歯車(42)と第1内歯車(41)との間に
はこれらの軸線方向に付勢された楔体(6) を介在させ、
この楔体(6) の軸線方向移動により第1内歯車(41)が第
2内歯車(42)に対して相対回転されるようにしたから、
第1内歯車(41)と第2内歯車(42)との間には相対回転方
向の付勢力が常時作用することとなり、従来と同様にバ
ックラッシュが生じない状態で伝動する。
【0013】又、第1内歯車(41)をケーシング(4) 又は
第2内歯車(42)に対して回り対偶させから、第1内歯車
(41)とケーシング(4) または第2内歯車(42)の間には、
ガタつきが生じないと共に第1内歯車(41)が軸線に対し
て傾斜状態にはならない。
【0014】
【効果】第1内歯車(41)とケーシング(4) または第2内
歯車(42)の間には、ガタつきが生じないと共に、第1内
歯車(41)が軸線に対して傾斜状態にはならないから、伝
動時のガタつきや伝動精度の低下が生じない。
【0015】
【実施例】次に、上記した本発明の実施例を図面に従っ
て詳述する。 [実施例1]この実施例は、大略既述従来例と同様に構
成されており、サーボモータ(M) に直結する形式の減速
機に本発明を実施したものである。
【0016】このものでは、図3のように、太陽歯車
(1) は、サーボモータ(M) の出力軸(J) に直接取付けら
れると共にケーシング(4) が直接サーボモータ(M) に取
付けられる。このため、前記ケーシング(4) は、一方に
開放する筒体となっており、この開放端部に前記サーボ
モータ(M) がネジ止めによって固定される。一方、出力
軸(3) がケーシング(4) の閉塞側の端面からは突出して
おり、この出力軸(3) の内側の端部にはディスク(31)が
一体的に連設されている。そして、このディスク(31)に
具備させた四つの取付け軸(5)(5)に遊星歯車(2) が回転
自在に取付けられている。前記各遊星歯車(2) は、相互
に独立して回転する第1歯車(21)と第2歯車(22)とから
なり、これら遊星歯車が共通の取付け軸(5) において並
設されている。
【0017】ケーシング(4) の内周には、前記遊星歯車
(2)(2)の第2歯車(22)(22)にかみ合う第2内歯車(42)が
形成されており、この第1内歯車(41)の形成部に続いて
設けた筒部(43)に第1内歯車(41)が収容され、第1内歯
車(41)は第1歯車(21)(21)と、第2内歯車(42)は第2歯
車(22)(22)とかみ合う。前記第1内歯車(41)は、同図に
示すように環状体内に一方の端面に開放する複数の孔部
(45)(45)を所定のピッチで形成するとともに、この環状
体の内周に歯を形成したものであり、環状体の外周面に
は、同図及び図4に示すように多数の溝(61)(61)が形成
されている。この溝(61)の軸線は、図5に示すように、
第1内歯車(41)の軸線(これの外周面の母線)に対して
一定角度(5度〜15度、好ましくは8度〜12度)傾
斜するようにねじれた態様に形成されると共に、その断
面は、円弧状又はV字状となっている。
【0018】筒部(43)の内周面には、前記溝(61)と同方
向に同じ角度ねじれた溝(62)(62)形成されており、この
溝(62)の断面も同様に円弧状又はV字状に形成されてい
る。そして、前記溝(62)(62)の配列ピッチを溝(61)(61)
のそれに一致させてあり、第1内歯車(41)を筒部(43)に
収容した状態では、各溝(61)と溝(62)が対向する。ま
た、相互に対向する溝(61)と溝(62)の間には複数のボー
ル(60)(60)が圧入されている。つまり、前記溝間に収容
された状態において、各ボールが前記溝によって加圧さ
れた状態にある。第1内歯車(41)は筒部(43)に対してネ
ジ対偶することとなり、しかも、第1内歯車(41)と筒部
(43)とは共にボール(60)(60)と転がり接触することとな
る。ここで、前記溝(61)(62)の断面が円弧の場合、この
断面の曲率はボール(60)の曲率よりも小さく設定されて
いる。従って、各ボールは前記各溝の谷部において点接
触することとなる。
【0019】前記筒部(43)の軸線方向の幅は、第1内歯
車(41)のそれよりも大きく設定されており、この両者の
幅の差の範囲内で第1内歯車(41)が軸線方向の移動が可
能である。第2内歯車(42)の形成部の端面(44)と孔部(4
5)の底部との間には圧縮バネ(46)が介装されており、こ
れにより、第1内歯車(41)が軸線方向の付勢力が付与さ
れる。
【0020】この実施例のものでは、第1内歯車(41)が
端面(44)から離反する方向に付勢されるものであるか
ら、図3のように、初期の取付け状態では端面(44)の反
対側の端面(47)と第1内歯車(41)の端面との間に一定の
間隙が生じるように、第1内歯車(41)が組み込まれる。
なお、前記間隙は、太陽歯車(1) 、遊星歯車(2) 及びケ
ーシング(4) をかみ合わせたときのバックラッシュの総
量に対する、第1内歯車(41)と筒部(43)とのネジ対偶部
のねじれ角度と、第1内歯車(41)の端面(44)からの離反
距離によって決定される。ここで、第1内歯車(41)が端
面(44)に対接した状態では、第1内歯車(41)の歯筋と第
2内歯車(42)のそれとが一致するように溝(61)及び溝(6
2)が形成されている。
【0021】この実施例では、図3に示すように、太陽
歯車(1) にサーボモータ(M) の出力軸(J) をキー(13)と
締付けナット(N) を用いて伝動状態に締結し、サーボモ
ータ(M) の本体部をケーシング(4) の開放端部に固定す
ると、出力軸(3) の回転数はサーボモータ(M) 出力軸
(J) のそれから減速されたものとなる。そして、第1内
歯車(41)と筒部(43)とが、溝(61)と溝(62)の間に複数の
ボール(60)(60)を介在させた多数のネジ対偶機構部によ
って、相互にネジ対偶することとなり、孔部(45)に収容
された圧縮バネ(46)の付勢力により、第1内歯車(41)と
第2内歯車(42)との間で相対回転付勢力が常時作用する
から、既述の作用でバックラッシュが生じない伝動が可
能となる。また、前記ネジ対偶機構部の作用により第1
内歯車(41)が傾斜することなくねじれ移動する。
【0022】[実施例2]この実施例2は、請求項2の
発明に対応するものであり、図6のように、入力軸(10)
に直接太陽歯車(1) を設け、この太陽歯車(1) に複数の
遊星歯車(2)(2)をかみ合わせている。そして、各遊星歯
車(2) は第1歯車(21)と第2歯車(22)から構成され、こ
れら遊星歯車(2) 遊星歯車(2) の外周でかみ合う内歯車
(40)はケーシング(4) と一体の第2内歯車(42)と別体の
第1内歯車(41)とから構成されている。
【0023】この実施例では、ケーシング(4)は、入
力軸(10)を回動自在に支持するケーシング半体(4
a)と出力軸(3)を回動自在に支持するケーシング半
体(4b)とを、両者の開放端部相互を合せた状態にネ
ジ止めして密閉状に構成されている。一方のケーシング
半体(4a)の胴部内周面には、第2内歯車(42)が
一体に形成されており、他方のケーシング半体(4b)
の開放端部には、第1内歯車(41)がまわり対偶状態
に装着されている。このまわり対偶を実現するため、ケ
ーシング半体(4b)の開放端部には、開放端側及び内
周側に開放する環状溝(63)が形成され、この環状溝
(63)の軸線方向の溝幅を第1内歯車(41)の厚さ
に略一致させると共にこの環状溝(63)の直径を第1
内歯車(41)の外径に一致させている。従って、ケー
シング半体(4a)とケーシング半体(4b)とを結合
させた状態において両者の結合端面相互間に介在される
第1内歯車(41)がケーシング(4)に対してまわり
対偶することとなる。
【0024】前記第1内歯車(41)の外周部には、図
7及び図8に示すように、外周側に開放する複数の切欠
部(7)(7)が形成されおり、各切欠部(7)におけ
る第1内歯車(41)の円周方向の一方の端面は、この
第1内歯車の母線に対して傾斜した傾斜面(71)とし
てある。そして、各切欠部(7)内に楔体(6)が各別
に挿入されている。これら楔体(6)(6)のそれぞれ
は、支持リング(64)の一端から同方向に突出し、各
楔体(6)は、図7に示すように、支持リング(64)
の円周方向における一方の側面が支持リング(64)の
母線に対して傾斜した傾斜面(65)となり、楔体
(6)の先端には軸部(66)が突出している。前記楔
体(6)(6)の配列位置は、第1内歯車(41)の外
周の切欠部(7)(7)のそれに一致させてあり、傾斜
面(65)の傾斜角度は傾斜面(71)のそれに一致さ
せてある。又、ケーシング半体(4a)の端面には楔体
(6)の前記軸部(66)(66)を挿入する複数の孔
部(48)(48)が形成されており、この孔部(4
8)の直径を軸部(66)のそれに略一致させると共
に、この孔部(48)の配列位置を支持リング(64)
から突出させた楔体(6)(6)の軸部(66)(6
6)のそれに一致させている。尚、切欠部(7)の円周
方向の幅は、楔体(6)のそれよりも大きく設定されて
いる。
【0025】従って、図6のように、切欠部(7)(7)に楔
体(6)(6)が各別に収容されるように組込み、傾斜面(71)
と傾斜面(65)とを対接させると共に、支持リング(64)と
ケーシング半体(4b)との間に複数の圧縮バネ(46)(46)を
介装すると、上記実施例1と同様に機能する。このこと
を以下において説明する。このものでは、複数の楔体
(6)(6)を具備させた支持リング(64)の軸部(66)(66)が複
数の孔部(48)(48)に各別に嵌入した状態にあるから、支
持リング(64)とケーシング半体(4a)とがすすみ対偶状態
にある。そして、各楔体(6) と切欠部 (7)の各傾斜面(7
1)とが傾斜面(65)と傾斜面(71)とで接触していることか
ら、支持リング(64)の全体が軸線方向に移動すると、前
記傾斜面相互の対接に応じて第1内歯車(41)が回転され
る。つまり、第1内歯車(41)は圧縮バネ(46)の付勢力に
より第2内歯車(42)に対して相対回転方向の付勢力が付
与されたものとなり、既述のバックラッシュ解消作用が
生じる。なお、支持リング(64)や第1内歯車(41)の母線
に対する前記傾斜面(65)及び傾斜面(71)の傾斜角度は5
度〜15度程度、好ましくは、8度〜12度に設定す
る。
【0026】尚、この実施例では、支持リング(64)に複
数の楔体(6)(6)を一体的に結合した構成としたが、各楔
体(6)(6)を分離し、これらを各別に軸線方向に付勢させ
る構成としてもよい。要するに、楔体(6) と第1内歯車
(41)の一部とが直動カム機構を構成するようにし、前記
楔体(6) の直移動によって第1内歯車(41)に回転力が付
与される構成となればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】先の出願の減速機の断面図
【図2】そのX−X断面図
【図3】請求項1の発明の実施例の断面図
【図4】これのY−Y断面図
【図5】第1内歯車(41)の部分拡大平面図
【図6】請求項2の発明の実施例の断面図
【図7】支持リング(64)と第1内歯車(41)との
関係を示す分解平面図
【図8】Z−Z断面図
【符号の説明】
(2) ・・・遊星歯車 (4) ・・・
ケーシング (1) ・・・太陽歯車 (43)・・・
筒部 (21)・・・第1歯車 (61)・・・
溝 (22)・・・第2歯車 (62)・・・
溝 (40)・・・内歯車 (41)・・・第1内歯車 (60)・・・
ボール (42)・・・第2内歯車

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各遊星歯車(2) が、太陽歯車(1) に共にか
    み合う第1歯車(21)と第2歯車(22)とから構成され、内
    歯車(40)が、前記第1歯車(21)にかみ合う第1内歯車(4
    1)と前記第2歯車(22)にかみ合う第2内歯車(42)とから
    構成され、前記第2内歯車(42)をケーシング(4) に固定
    すると共に、第1内歯車(41)と第2内歯車(42)の間に相
    対回転方向の付勢力を作用させた遊星歯車装置におい
    て、ケーシング(4) には第1内歯車(41)を収容する筒部
    (43)を形成し、この筒部(43)の内周面と第1内歯車(41)
    の外周面には、これらの軸線に対して一定角度ねじれた
    複数の溝(61)(61)及び溝(62)(62)を形成して溝(61)(62)
    を相互に対向させて各一対の前記溝(61)(62)間に複数の
    ボール(60)(60)を圧入し、第1内歯車(41)と第2内歯車
    (42)の間に両者を軸線方向に離反又は接近させる付勢力
    を作用させた遊星歯車装置。
  2. 【請求項2】各遊星歯車(2)が太陽歯車(1)に共に
    かみ合う第1歯車(21)と第2歯車(22)とから構
    成され、内歯車(40)が、前記第1歯車(21)にか
    み合う第1内歯車(41)と前記第2歯車(22)にか
    み合う第2内歯車(42)とから構成され、前記第2内
    歯車(42)をケーシング(4)に固定すると共に、第
    1内歯車(41)と第2内歯車(42)の間に相対回転
    方向の付勢力を作用させた遊星歯車装置において、第1
    内歯車(41)をケーシング(4)又は第2内歯車(4
    2)に対してまわり対偶させ、ケーシング(4)又は第
    2内歯車(42)と第1内歯車(41)との間にはこれ
    らの軸線方向に付勢された楔体(6)を介在させ、この
    楔体(6)の軸線方向移動により第1内歯車(41)が
    第2内歯車(42)に対して相対回転されるようにした
    遊星歯車装置。
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