JPH1047456A - ディファレンシャル装置の差動制限機構 - Google Patents
ディファレンシャル装置の差動制限機構Info
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Abstract
っても、摺動部が小径端に偏ることなく、耐久性を向上
できるディファレンシャル装置のコーンクラッチの提供
を課題とする。 【解決手段】 デフケース1と、ピニオンギヤ15と、
ピニオンギヤ15と噛み合う一対のサイドギヤ17,1
9と、サイドギヤ17,19間の差動を制限するコーン
クラッチ25とを備えるディファレンシャル装置におい
て、コーンクラッチ25は、デフケース1の内周に形成
された雌側コーン部7と、一対のサイドギヤ17,19
の外周に形成された雄側コーン部23とからなり、雌側
コーン部7はデフケース1の軸方向外方に向って小径に
なる円錐母線が直線の円錐台状に形成され、雄側コーン
部23は所定の曲率を与えられ雌側コーン部7に対して
凸状の母線を有することを特徴とする。
Description
ディファレンシャル装置の差動制限機構に関する。
限機構には、例えば特公昭39−29513号公報に図
5に示すようなものが記載されている。この差動制限機
構はコーンクラッチ113,113よりなる。そして、
このコーンクラッチ113,113は、それぞれデフケ
ース101の内部に設けられた円錐台状の一対の雌側コ
ーン部103,103と、サイドギヤ105,107の
背後に該サイドギヤ105,107と一体的に回転する
ように配置されたクラッチ体109,109の外周に設
けられた雄側コーン部111,111とから構成されて
いる。
構Cの付勢力により常時押圧されると共に、ディファレ
ンシャル装置の作動時には各サイドギヤ105,107
が受けるスラストにより押圧される。左右の出力軸11
5,117間に駆動抵抗差が生じると、雌側コーン部1
03と雄側コーン部111間に回転差が生じるためコー
ンクラッチ113に摺動摩擦が発生し、この摩擦力が両
出力軸115,117の差動回転を制限するように作用
する。
ッチ113の受けるスラストが大きいと、図6に示すよ
うに、それまでテーパ角度が雄側コーン部111と一致
していたデフケース101の雌側コーン部103が変形
して103´のように拡がる。その結果、コーンクラッ
チ113の小径端、すなわち図6のE部に強い当りが生
じ、この部に摩耗、かじり、焼付き等が生じ易く、耐久
性が低下する問題がある。
るスラストが大きい場合も、摺動部が小径端に偏ること
なく、耐久性を向上できるディファレンシャル装置のコ
ーンクラッチの提供を課題とする。
に、請求項1に記載の発明は、エンジンにより回転駆動
されるデフケースと、前記デフケースと一体的に回転す
るピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフト上に回転
自在に支持されたピニオンギヤと、前記ピニオンギヤと
噛み合う一対の出力側サイドギヤと、前記一対のサイド
ギヤ間の差動を制限する差動制限機構とを備えるディフ
ァレンシャル装置において、差動制限機構は、前記デフ
ケースの内周に形成された雌側コーン部と、一対のサイ
ドギヤの外周に形成されまたは該サイドギヤと一体的に
回転する部材の外周に形成され前記デフケースの雌側コ
ーン部と摺動する雄側コーン部とからなり、雌側コーン
部はデフケースの軸方向外方に向って小径になる円錐母
線が直線の円錐台状に形成され、前記雄側コーン部は所
定の曲率を与えられ雌側コーン部に対して凸状の母線を
有することを特徴とする。
の中間部にて当りが生じ、かつ大、小径端ではすきまが
生じるように雄側コーン部を形成すれば、コーン部にか
かるスラストが小さいときは円錐母線の中間部で両コー
ン部が当り、大きなスラストにより雌側コーン部が変形
して径が拡がっても当りの範囲の小径端への集中が抑制
されるので、小径端のかじり、焼付き等の発生が防止さ
れ、安定した差動制限力が得られると共に差動制限機構
の耐久性が向上する。
のディファレンシャル装置の差動制限機構であって、雄
側コーン部は、デフケースの雌側コーン部の円錐母線の
2等分線上よりもデフケースの軸方向内方に所定量オフ
セットした曲率中心を持つ円錐母線を有することを特徴
とする。
効果に加え、雄側コーン部の曲率中心を軸方向内方にオ
フセットしてあるので、組み込み時にはコーン部小径端
のすきまが大きく形成されてる。これにより、大きなス
ラストがかかっても、コーン部の当りが小径端に集中す
る恐れは確実に避けられる。
のディファレンシャル装置の差動制限機構であって、雄
側コーン部は大径側と小径側とで異なる曲率を有し、小
径側の曲率が大径側よりも小さく設定されてなることを
特徴とする。
効果に加え、請求項2の発明と同様の作用・効果が得ら
れる。
回転駆動されるデフケースと、前記デフケースと一体的
に回転するピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフト
上に回転自在に支持されたピニオンギヤと、前記ピニオ
ンギヤと噛み合う一対の出力側サイドギヤと、前記一対
のサイドギヤ間の差動を制限する差動制限機構とを備え
るディファレンシャル装置において、差動制限機構は、
デフケースの内周に形成された雌側コーン部と、一対の
サイドギヤの外周または該サイドギヤと一体的に回転す
る部材の外周に形成され前記デフケースの雌側コーン部
と摺動する雄側コーン部とからなり、雌側コーン部と雄
側コーン部とはデフケースの軸方向外方に向って小径に
なる円錐母線が直線の円錐台状に形成され、雄側コーン
部のテーパ角度が雌側コーン部のテーパ角度よりも所定
量大きく形成されることを特徴とする。
小さいときはコーン部の大径端で摺動し、スラストが大
きくなるとコーン部で全体的に摺動するようになる。こ
れにより、安定した差動制限力が得られると共に、差動
制限機構(雌、雄コーン部)の耐久性が向上する。
より説明する。図1は本実施形態のコーンクラッチ(差
動制限機構)を備えたディファレンシャル装置の断面図
である。図2はコーンクラッチの説明図である。
ト6により結合されてなり、これに固定された図示しな
いリングギヤを介してエンジンにより回転駆動される。
そして、このディファレンシャル装置全体が図示しない
デフキャリア内に回転可能に支持され、油浴潤滑され
る。デフケース1には、内部を潤滑するための開口1
a,1bおよび油溝1c,1dが設けられている。
軸方向外方に向って小径となる円錐母線が直線の円錐台
状の雌側コーン部7,7がテーパ角度α°(本実施形態
では25°)に形成されている(図2参照)。
11がスプリングピン13により一体化されている。ピ
ニオンシャフト11上には2個のピニオンギヤ15が回
転自在に支持され、対向配置された左右一対の出力側サ
イドギヤ17,19と噛み合っている。サイドギヤ1
7,19の内周には図示しない左右の出力軸がそれぞれ
スプライン連結される。また、ピニオンギヤ15のスラ
ストは球面ワッシャ21が受ける。
の雄側コーン部23,23が形成され、デフケース1の
雌側コーン部7,7とそれぞれ摺動する。ただし、雌側
コーン部7と異なり、この雄側コーン部23には相手コ
ーン部7に対して凸になる所定の曲率の円錐母線が与え
られている。
は、図2に示すように、雌側コーン部7の中間部にてこ
れに接し、曲率中心Bが雌側コーン部7の円錐母線の2
等分線A上から軸方向内方(左方)に所定量オフセット
され、そのBを曲率中心にして形成されている。こうし
て、両コーン部7,23間の組み込み時すきま(当初す
きま)は、大径端の片側すきまがa(5μm)、小径端
の片側すきまがb(15μm)に設定され、b>aに設
定されている。こうして、差動制限機構としてのコーン
クラッチ25,25が構成されている。
説明する。
右のサイドギヤ17,19はピニオンギヤ15との噛み
合いによりスラストを受けるため、雄側コーン部23,
23はそれぞれ雌側コーン部7,7に押圧される。左右
のサイドギヤ17,19が同一回転数のときはコーンク
ラッチ25は一体に回転するが、サイドギヤ17,19
間に駆動抵抗差が生じるとコーンクラッチ25は入力ト
ルクに応じたスラストを受けた状態で相対回転しコーン
部7,23は摺動する。そして、この摺動摩擦によりサ
イドギヤ17,19間の差動が制限される。
きは、図2のように、雌側コーン部7のほぼ中央部(中
間部)の斜線部Cに摺動範囲が形成される。そして、ス
ラストが大きくなると、雌側コーン部7は7´のように
変形し、摺動範囲は斜線部Dに移動するが、小径端に強
い当りが発生する恐れはない。
開口1a,1bおよび油溝1c,1dからデフキャリア
内の潤滑油が流出入し、コーンクラッチ25やデフケー
ス1内部の各ギヤの噛み合い部等を潤滑する。
が大きくなっても、雄側コーン部23の円錐母線の曲率
中心Bのオフセットによりコーンクラッチ25の小径端
の当初すきまを大きく形成してあるので、前記従来例と
異なり、小径端に強い当りが生じることがないので、小
径端のかじり、焼付き等の発生が防止され、安定した差
動制限力が得られると共に、コーンクラッチ25の耐久
性が向上する。
とは異なり、図5に示した従来例の構成のように、クラ
ッチ体109をサイドギヤ105,107と一体に回転
するように隣接配置し、そのクラッチ体109の外周に
雄側コーン部を形成してもよいことはもちろんである。
図3により説明する。図3はコーンクラッチの説明図で
ある。
ヤ37,39の雄側コーン部33の形状が上記第1実施
形態と異なるだけで、その他の構成は同じである。した
がって、この相違点を説明し、重複する説明は省略す
る。
うに、雌側コーン部7のほぼ中央部を境にして大径側と
小径側との円錐母線に異なる曲率が与えられ形成されて
いる。すなわち、大径側と小径側のそれぞれの曲率半径
R1 (690mm),R2 (130mm)はR1 〉R2
に設定され、小径端の当初すきまは大径端よりも大きく
設定されている。こうして、差動制限機構としてのコー
ンクラッチ35が構成されている。
ル装置の作動時には、入力トルク(つまりスラスト)が
小さいときは、図3のように、雌側コーン部7のほぼ中
央部(中間部)の斜線部Cに摺動範囲が形成される。そ
して、スラストが大きくなると、雌側コーン部7は7´
のように変形し、摺動範囲は斜線部Dに移動するが、小
径端に強い当りが発生する恐れはない。
側、小径側共に各一つに限定されるものではなく、複数
の曲率を用いてももちろんよい。
が大きくなっても、雄側コーン部33の大径側と小径側
の曲率半径をR1 〉R2 に設定し、小径端のすきまを大
径端よりも大きく形成しているので、前記従来例と異な
り、小径端に強い当りが生じることがないので、小径端
のかじり、焼付き等の発生が防止され、安定した差動制
限力が得られると共に、コーンクラッチ35の耐久性が
向上する。
図4により説明する。図4はコーンクラッチの説明図で
ある。
ン部7とサイドギヤ47,49の雄側コーン部43の両
方の円錐母線が直線である点が上記第1実施形態と異な
り、その他の構成は同じである。したがって、この相違
点を説明し、重複する説明は省略する。
施形態と同じく25°)に形成されている。一方、雄側
コーン部43は、図4に示すように、片側でθ°だけ大
きいテーパ角度に形成され、その大径端で雌側コーン部
7と当接している。こうして、差動制限機構としてのコ
ーンクラッチ45が構成されている。
ル装置の作動時には、入力トルク(つまりスラスト)が
小さいときは、図4のように、コーンクラッチ45の大
径端の斜線部Cに摺動範囲が形成される。そして、スラ
ストが大きくなると、雌側コーン部7の変形により摺動
範囲は斜線部Dに移動し、ほぼ全体的に摺動するように
なる。これにより、小径端のかじり、焼付き等の発生が
防止され、安定した差動制限力が得られると共に、コー
ンクラッチ45の耐久性が向上する。
1に記載の発明によれば、組み込み時に円錐母線の中間
部にて当りが生じ、かつ大、小径端ではすきまが生じる
ように雄側コーン部を形成すれば、コーン部にかかるス
ラストが小さいときは円錐母線の中間部で両コーン部が
当り、大きなスラストにより雌側コーン部が変形して径
が拡がっても当りの範囲の小径端への集中が抑制される
ので、小径端のかじり、焼付き等の発生が防止され、安
定した差動制限力が得られると共に差動制限機構の耐久
性が向上する。
の発明による効果に加え、雄側コーン部の曲率中心を軸
方向内方にオフセットしてあるので、コーン部小径端の
すきまが大きく形成されている。これにより、大きなス
ラストがかかっても、コーン部の当りが小径端に集中す
る恐れは確実に避けられる。
の発明による効果に加え、コーン部小径端のすきまが大
きく形成されているので、請求項2の発明と同様の効果
が得られる。
ン部のテーパ角度が雌側コーン部のテーパ角度がよりも
大きく形成されているので、コーン部にかかるスラスト
が小さいときはコーン部の大径端で摺動し、スラストが
大きくなるとコーン部のほぼ全体で摺動するようにな
る。これにより、小径端のかじり、焼付き等の発生が防
止され、安定した差動制限力が得られると共に、差動制
限機構(雌、雄コーン部)の耐久性が向上する。
レンシャル装置の断面図である。
る。
る。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 エンジンにより回転駆動されるデフケー
スと、前記デフケースと一体的に回転するピニオンシャ
フトと、前記ピニオンシャフト上に回転自在に支持され
たピニオンギヤと、前記ピニオンギヤと噛み合う一対の
出力側サイドギヤと、前記一対のサイドギヤ間の差動を
制限する差動制限機構とを備えるディファレンシャル装
置において、 前記差動制限機構は、前記デフケースの内周に形成され
た雌側コーン部と、一対のサイドギヤの外周に形成され
または該サイドギヤと一体的に回転する部材の外周に形
成され前記雌側コーン部と摺動する雄側コーン部とから
なり、 前記雌側コーン部はデフケースの軸方向外方に向って小
径になる円錐母線が直線の円錐台状に形成され、前記雄
側コーン部は所定の曲率を与えられ雌側コーン部に対し
て凸状の母線を有することを特徴とするディファレンシ
ャル装置の差動制限機構。 - 【請求項2】 請求項1に記載のディファレンシャル装
置の差動制限機構であって、 前記雄側コーン部は、前記デフケースの雌側コーン部の
円錐母線の2等分線上よりもデフケースの軸方向内方に
所定量オフセットした曲率中心を持つ円錐母線を有する
ことを特徴とするディファレンシャル装置の差動制限機
構。 - 【請求項3】 請求項1に記載のディファレンシャル装
置の差動制限機構であって、 前記雄側コーン部は、大径側と小径側とで異なる曲率を
有し、小径側の曲率が大径側よりも小さく設定されてな
ることを特徴とするディファレンシャル装置の差動制限
機構。 - 【請求項4】 エンジンにより回転駆動されるデフケー
スと、前記デフケースと一体的に回転するピニオンシャ
フトと、前記ピニオンシャフト上に回転自在に支持され
たピニオンギヤと、前記ピニオンギヤと噛み合う一対の
出力側サイドギヤと、前記一対のサイドギヤ間の差動を
制限する差動制限機構とを備えるディファレンシャル装
置において、 前記差動制限機構は、前記デフケースの内周に形成され
た雌側コーン部と、一対のサイドギヤの外周に形成され
または該サイドギヤと一体的に回転する部材の外周に形
成され前記デフケースの雌側コーン部と摺動する雄側コ
ーン部とからなり、 前記雌側コーン部と雄側コーン部とはデフケースの軸方
向外方に向って小径になる円錐母線が直線の円錐台状に
形成され、雄側コーン部のテーパ角度が雌側コーン部の
テーパ角度よりも所定量大きく形成されることを特徴と
するディファレンシャル装置の差動制限機構。
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