JP2015137702A - 車両のディファレンシャル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドギヤの背面とデフケースの内面との間に付勢手段が介挿されている車両のディファレンシャル装置において、摩耗や焼き付きを抑制できる車両のディファレンシャル装置を提供する。【解決手段】螺旋溝24の切出し点30ないしは切抜け点32がデフケース12の円筒部12cとドライブシャフト20との摺動部A、Cから周方向で異なる位置に形成されることとなり、デフケース21の円筒部21cとドライブシャフト20との摺動部A、Cの接触面積Sが大きくなる。従って、この摺動部A、Cの面圧Pが低下するため、その摺動部A、Cで発生する摩耗や焼き付きを抑制することができる。【選択図】図4

Description

本発明は、車両のディファレンシャル装置に係り、特に、ディファレンシャル装置の耐久性向上に関するものである。
車両において、例えば傘歯車式のディファレンシャル装置が設けられており、例えば旋回走行中に左右の車輪に回転速度差を与えることで、滑らかな旋回を実現する。また、特許文献1に記載のディファレンシャル装置にあっては、サイドギヤの背面とデフケースの内面との間に皿バネを予荷重状態で介挿することで、サイドギヤとピニオンギヤとの間で発生するバックラッシュを低減している。
実開平6−80943号公報
特許文献1に示すサイドギヤの背面とデフケースの内面との間に付勢手段として例えば皿バネを介挿したディファレンシャル装置において、差動時であって特に低トルク領域で走行中、サイドギヤが軸方向に振動(移動)することがある。このとき、サイドギヤと嵌合するドライブシャフトも同様に軸方向に振動することとなり、デフケースに形成されているドライブシャフトを保持する円筒部の内周面とドライブシャフトとが軸方向に摺動する。このデフケースの円筒部とドライブシャフトとが摺動したときの摺動部の面圧Pが高くなると、この摺動部において摩耗や焼き付きが発生する可能性がある。
さらに、サイドギヤとデフケースとの間に皿バネなどの付勢手段を備えたディファレンシャル装置にあっては、サイドギヤとピニオンギヤとの上下の噛合点の位相差や噛合誤差によって付勢手段の変位量に差が生じてサイドギヤが傾くという現象が発生することが見出された。従って、サイドギヤと嵌合するドライブシャフトも同様に傾くことから、デフケースの円筒部とドライブシャフトとの間の摺動部の面圧が高くなる傾向にある。
また、一般にデフケースの円筒部の内周面には、デフケースの内部と外部とを連通する潤滑用の螺旋溝が形成されている。ここで、例えばディファレンシャル装置のピニオンギヤとサイドギヤとの噛合い点の周方向の位相と、デフケースの円筒部に形成されている螺旋溝の切出し点および切抜け点の周方向の位相とが、同位相ないしはその近傍にあると、デフケースとドライブシャフトとの摺動部の接触面積が小さくなり、摺動部の面圧が増大するため、摩耗や焼き付きが発生しやすくなる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、サイドギヤの背面とデフケースの内面との間に、例えば皿バネなどの付勢手段が介挿されている車両のディファレンシャル装置において、摩耗や焼き付きを抑制できる車両のディファレンシャル装置を提供することにある。
上記目的を達成するための、第1発明の要旨とするところは、(a)デフケースと、そのデフケースに固定されたピニオンシャフトに嵌め付けられた少なくとも2個のピニオンギヤと、そのピニオンギヤと噛み合う一対のサイドギヤと、そのサイドギヤに嵌合することで接続されるドライブシャフトと、そのサイドギヤの背面と前記デフケースとの間に予荷重状態で介挿されている付勢手段と、前記ドライブシャフトを嵌め入れるために前記デフケースに形成されている円筒部の内周面に形成されている螺旋溝とを、備えた車両のディファレンシャル装置において、(b)前記螺旋溝の切出し点ないしは切抜け点の少なくとも一方の周方向の位相が、前記サイドギヤと前記ピニオンギヤとの噛合点に対して異なる位置となるように、前記螺旋溝が形成されていることを特徴とする。
このようにすれば、螺旋溝の切出し点ないしは切抜け点が、デフケースの円筒部とドライブシャフトとの摺動部から周方向で異なる位置に形成されることとなり、デフケースの円筒部とドライブシャフトとの摺動部の接触面積が大きくなる。従って、この摺動部の面圧が低下するため、その摺動部で発生する摩耗や焼き付きを抑制することができる。
また、第2発明の要旨とするところは、第1発明の車両のディファレンシャル装置において、前記付勢手段は皿バネである。このような付勢手段として皿バネを備えた構造のディファレンシャル装置において、皿バネの付勢力に起因してサイドギヤが傾き、それに嵌合するドライブシャフトも同様に傾くため、サイドギヤとデフケースの円筒部との摺動部において皿バネの付勢力による荷重がかかるが、この摺動部の接触面積が大きくなるために面圧も低下する。従って、サイドギヤとデフケースとの間に皿バネが介挿されている構造であっても、デフケースの円筒部とドライブシャフトとの摺動部で発生する摩耗や焼き付きを抑制することができる。
また、第3発明の要旨とするところは、第1発明または第2発明の車両のディファレンシャル装置において、前記切出し点ないしは前記切抜け点の位相が、前記噛合点の位相に対して前記ピニオンギヤの個数をNとしたとき、少なくとも180/(2N)以上、270/N度未満だけ離れた位置に設定されている。このように、切出し点ないし切抜け点の位相が噛合点に対して離れた位置に設定されることで、摺動部と切出し点ないし切抜け点とが周方向で乖離するため、切出し点ないし切抜け点の影響が低減される。
本発明の一実施例である車両のディファレンシャル装置の斜視図であって、そのディファレンシャル装置のデフケースの一部を切断することで内部構造を示す図である。 図1のディファレンシャル装置において、サイドギヤにドライブシャフトがスプライン嵌合された状態を簡略化して示した断面図である。 図2において、サイドギヤが傾いた状態をを示す図である。 図1のディファレンシャル装置において、デフケースの円筒部に形成されている螺旋溝の切出し点および切抜け点の形成位置を示す図である。 図4の円筒部を斜視図で示したものである。 切出し点が形成される位相と、ドライブシャフトと円筒部との接触面積との関係を示す図である。 従来構造のディファレンシャル装置と、本実施例のディファレンシャル装置のPV値を比較する図である。
厳密には、噛合点が、ピニオンシャフトの軸心およびサイドギヤの軸心を含む平面上にあるとはいえないが、その近傍にあることは周知であるので、以下、噛合点は、ピニオンシャフトの軸心およびサイドギヤの軸心(ないしはデフケースの円筒部の軸心)を含む平面上に位置しているものとする。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である車両のディファレンシャル装置10の斜視図であって、そのディファレンシャル装置10のデフケース12の一部を切断する(断面はハッチングで表示)ことで内部構造を示している。ディファレンシャル装置10は、例えば図示しないプロペラシャフトと左右の車輪との間に介挿されており、旋回中に左右の車輪に適宜回転速度差を与えることで滑らかな旋回を実現する。なお、図1にあっては、後述するサイドギヤ18にスプライン嵌合されるドライブシャフト20が省略されている。
ディファレンシャル装置10は、ディファレンシャル装置10の保護部材としても機能するデフケース12と、デフケース12に固定されたピニオンシャフト14に嵌め付けられてそのピニオンシャフト14の軸心を中心に回転可能な2個のピニオンギヤ16と、デフケース12によって回転可能に支持された状態でピニオンギヤ16と噛み合う一対のサイドギヤ18と、端部がサイドギヤ18にスプライン嵌合によって接続される一対のドライブシャフト20(図2参照)と、サイドギヤ18の背面とデフケース12との間に予荷重状態で介挿されている皿バネ22とを、含んで構成されている。
デフケース12は、外周部に図示しないデフドリブンギヤが接続される円盤状のフランジ部12aと、外周部にフランジ部12aの内周端が接続される筒状の本体12bと、本体12bの左右両端にそれぞれ配置され中心軸がフランジ部12aの中心軸と一致する円筒状の一対の円筒部12cと、本体12bと円筒部12cとを接続する一対の壁部12dとを、含んで構成されている。そして、図示しないプロペラシャフトが回転すると、図示しないデフドライブギヤやデフドリブンギヤを介して、デフケース12がフランジ部12aおよび円筒部12cの軸心を中心に回転させられる。円筒部12cの内周にドライブシャフト20が嵌め入れられることで、ドライブシャフト20が保持される。また、円筒部12cの内周面には、潤滑用の螺旋溝24がそれぞれ形成されている。この螺旋溝24は、各円筒部12cの軸方向の両端まで連通するように連続的に形成されている。
ピニオンシャフト14は、デフケース12の本体12bの内部空間を通り、その両端が本体12bに固定されている。従って、デフケース12とともに公転させられる。ピニオンギヤ16は、傘歯車で構成され、ピニオンシャフト14に貫通した状態で嵌め付けられ、このピニオンシャフト14の軸心を中心に自転可能とされている。すなわち、ピニオンギヤ16は、ピニオンシャフト14に対して相対回転可能とされている。
一対のサイドギヤ18は、傘歯車から構成され、デフケース12の円筒部12cによって回転可能に支持された状態でピニオンギヤ16と噛み合わされている。サイドギヤ18の内周部には、ドライブシャフト20とスプライン嵌合するためのスプライン歯25が形成されている。
皿バネ22は、コーン状に形成されており、サイドギヤ18の背面26とデフケース12の壁部12dとの間に予荷重状態で介挿されている。この皿バネ22が介挿されることで、サイドギヤ18とピニオンギヤ16との間のバックラッシュが抑制される。特に、皿バネ22の付勢力がサイドギヤ18とピニオンギヤ16との噛合反力よりも大きい領域では、バックラッシュが常にゼロとなる。また、皿バネ22の付勢力を調整することで、ディファレンシャル装置10の差動を制限する差動制限機構としても機能する。なお、皿バネ22が、本発明の付勢手段に対応している。
図2は、図1のディファレンシャル装置10において、サイドギヤ18にドライブシャフト20がスプライン嵌合された状態を断面図で簡略的に示している。図2において、図2(a)は、皿バネ22の付勢力がサイドギヤ18とピニオンギヤ16との噛合反力よりも大きい状態を示しており、図2(b)は、サイドギヤ18とピニオンギヤ16との噛合反力が皿バネ22の付勢力よりも大きい状態を示している。
高トルク領域で走行中においては、サイドギヤ18とピニオンギヤ16との噛合反力が皿バネ22の付勢力よりも大きくなることから、図2(b)の状態となる。このとき、デフケース12の円筒部12cとドライブシャフト20との間では、摺動部Aおよび摺動部Cにおいて、旋回中の周方向の滑りのみ発生する。なお、ドライブシャフト20が傾く理由については後述する。
一方、低トルク領域で走行中においては、皿バネ22の付勢力がサイドギヤ18とピニオンギヤ16との噛合反力よりも大きい状態(図2(a))と、前記噛合反力が皿バネ22の付勢力よりも大きい状態(図2(b))とが切り換わることとなる。このとき、デフケース12の円筒部12cとドライブシャフト20との間では、摺動部Aおよび摺動部Cにおいて、旋回中の周方向の滑りに加えて、軸方向の滑り(摺動)が発生する。
また、図2にあっては、サイドギヤ18の軸心が円筒部12cの軸心と一致しているが、実際には、図3に示すようにサイドギヤ18は、円筒部12cの軸心に対して傾きが生じる。これは、上下の噛合点28の位相差や噛合誤差によって皿バネ22を変位させる量に差が生じ、上下の噛合点28を通る平面上でサイドギヤ18が傾く現象が発生するためである。従って、サイドギヤ18が傾くことから、サイドギヤ18にスプライン嵌合するドライブシャフト20についても傾きが生じ、図2(a),(b)に示すように、ドライブシャフト20は、噛合点28おおび円筒部12cの軸心を通る平面上において、円筒部12cの両端の摺動部Aおよび摺動部Cと摺動することとなる。なお、このサイドギヤ18が傾く現象は、サイドギヤ18の背面とデフケース12の内面との間に皿バネ22が介挿されている構成特有のものであり、これに関連してドライブシャフト20が傾くことで、皿バネ22を備えてない構成のものと比べて面圧Pが高くなる傾向にある。
ところで、従来のディファレンシャル装置にあっては、円筒部の内周面に形成されている螺旋溝の切出し点および切抜け点の周方向の位置(位相)については何ら考慮されていなかった。例えば、前記切出し点ないしは切抜け点の周方向の位相と、サイドギヤおよびピニオンギヤの噛合点の周方向の位相とが同相となった場合、ドライブシャフトと円筒部との摺動部と切出し点ないしは切抜け点が重なることとなり、結果として摺動部の接触面積Sが小さくなる。この状態で、低トルク領域で旋回中に、円筒部とドライブシャフトとの間の摺動部で周方向の滑り(摺動)と軸方向の滑り(摺動)とが生じると、これらの摺動部(図2において摺動部Aおよび摺動部Cに該当)の面圧Pが高くなることから摩耗しやすくなり、さらに摩耗から生じる異物によって焼き付きも生じやすくなる。そこで、ディファレンシャル装置10では、円筒部12cに形成されている螺旋溝24の切出し点30および切抜け点32の周方向の位相が、サイドギヤ18とピニオンギヤ16との噛合点28の位相に対して異なる位置となるように、螺旋溝24が形成されている。
図4に、本実施例のディファレンシャル装置10における、デフケース12の円筒部12cに形成されている螺旋溝24の切出し点30および切抜け点32の形成位置を示す。また、参考としてドライブシャフト20を破線で示す。図4に示すように、破線で示すドライブシャフト20は、噛合点28および円筒部12cの軸心を通る平面上において傾きが生じるために摺動部Aおよび摺動部Cで接触する。低トルク領域での旋回中にあっては、この摺動部Aおよび摺動部Cで周方向および軸方向の滑り(摺動)が発生する。これに対して、切出し点30は、摺動部Cに対して約90度だけ位相が離れた位置(言い換えれば、噛合点28および円筒部12cの軸心を通る平面に対して周方向に90度程度離れた位置)に形成されている。また、切抜け点32は、摺動部Aに対して約90度だけ位相が離れた位置(言い換えれば、噛合点28および円筒部12cの軸心を通る平面に対して周方向に90度程度離れた位置)に形成されている。図5に、図4の円筒部12cを斜視図で簡略的に示す。図4および図5に示す位置に切出し点30および切抜け点32が形成されることで、摺動部A、Cと同位相の位置に切出し点30および切抜け点32が形成される場合に比べて、摺動部での接触面積Sが大きくなる。
図6に、切出し点30が形成される位相と、ドライブシャフト20と円筒部20cとの摺動部Cの接触面積Sとの関係を示す。図6において、横軸が円筒部12c内周円上の位相を示し、縦軸が円筒部12cとドライブシャフト20との接触面積Sを示している。なお、切出し点30の位相は、円筒部12cの内周円上において、図1に示す円筒部20cの軸心C1を通るとともに、ピニオンシャフト14の軸心と平行な線C2と重なる位置が基準の位相として0度および180度に設定されている。すなわち、円筒部12cの内周円上において、サイドギヤ18とピニオンギヤ16との上下の噛合点28の位置が、位相0度および180度に設定されている。
図6において、破線が従来構造のディファレンシャル装置における位相と接触面積Sとの関係を示している。従来にあっては、例えば位相0度ないしは位相180度の位置に切出し点30が形成されることがあり、その場合には、位相0度ないしは位相180度において接触面積Sも小さくなる。ここで、円筒部12cの位相0度ないしは位相180度において、皿バネ22の付勢力に起因してドライブシャフト20が傾いて円筒部12cとドライブシャフト20とが接触することによる荷重が発生するが、位相0度ないしは位相180度において接触面積Sが小さいために面圧Pも高くなる。従って、従来構造のディファレンシャル装置にあっては摩耗や焼き付きが発生しやすくなる。
一方、実線が、本実施例のディファレンシャル装置10における位相と接触面積Sとの関係を示している。本実施例では、破線で示す従来の切出し点に対して、90度だけ切出し点30が変更されている。このように切出し点30が変更されることで、図6に示すように、位相が0度ないしは位相180度において接触面積Sが大きくなっている。これは、この位相0度ないしは位相180度の位置に切出し点30が形成されないためである。この位相0度ないしは位相180度の位置において、円筒部12cとドライブシャフト20との間で荷重が発生するが、これらの位相では接触面積Sも大きい値となるため、面圧Pも低下する。なお、切抜け点32においても同様に、位相0度および位相180の位置から90度程度離れた位置に設定される。また、本実施例では、切出し点30および切抜け点32の位相が噛合点28の位相(位相0度ないしは180度)から90度離れた位置に設定されているが、前記位相は45度以上135度未満離れていれば、切出し点30および切抜け点32が摺動部A、Cから周方向で十分に離れており、面圧Pが低下する。なお、本実施例のようにピニオンギヤ16が2個設けられている場合には、45度以上135度未満離れていることが好ましいとしたが、ピニオンギヤの個数が変更されると、この角度についても変更される。具体的には、ピニオンギヤの個数をNとすれば、180(2N)度以上、270/N度未満だけ離れた位置に設定することが好ましい。
図7に、従来構造のディファレンシャル装置と、本実施例のディファレンシャル装置10のPV値を比較する。なお、PV値とは、面圧Pと円筒部12およびドライブシャフト20の摺動部における滑り速度Vとの積に該当し、PV値が高くなるほど摩耗や焼き付きが発生しやすくなる。図7に示すように、本実施例のディファレンシャル装置10にあっては、従来構造のディファレンシャル装置に比べてPV値が半分程度まで低下している。すなわち、摩耗や焼き付きの発生する可能性が大幅に低下する。
上述のように、本実施例によれば、螺旋溝24の切出し点30ないしは切抜け点32がデフケース12の円筒部12cとドライブシャフト20との摺動部A、Cから周方向で異なる位置に形成されることとなり、デフケース21の円筒部21cとドライブシャフト20との摺動部A、Cの接触面積Sが大きくなる。従って、この摺動部A、Cの面圧Pが低下するため、その摺動部A、Cで発生する摩耗や焼き付きを抑制することができる。
また、本実施例によれば、サイドギヤ18とデフケース12との間に皿バネ22を備えた構造のディファレンシャル装置10において、皿バネの付勢力に起因してサイドギヤ18が傾き、それに嵌合するドライブシャフト20も同様に傾くため、サイドギヤ18とデフケース12の円筒部13cとの摺動部A、Cにおいて皿バネ22の付勢力による荷重がかかるが、この摺動部A、Cの接触面積Sが大きくなるために面圧Pも低下する。従って、サイドギヤ18とデフケース12との間に皿バネ22が介挿されている構造であっても、デフケース12の円筒部12cとドライブシャフト20との摺動部A、Cで発生する摩耗や焼き付きを抑制することができる。
また、本実施例によれば、切出し点30ないし切抜け点32の位相が噛合点28に対して45度以上135度未満だけ離れた位置(詳細には90度)に設定されることで、摺動部A、Cと切出し点30ないし切抜け点32とが十分に乖離するため、切出し点30ないし切抜け点32の影響が一層低減される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、ピニオンギヤ16が2個設けられていたが、ピニオンギヤ16の個数は特に限定されず、3個以上であっても構わない。
また、前述の実施例では、付勢手段として皿バネ22が使用されていたが、必ずしも皿バネ22に限定されず、ゴムや周方向に等角度間隔で配置されたコイルスプリングなど付勢力を発生できるものであれば適宜変更することができる。
また、前述の実施例では、切出し点30および切抜け点32が摺動点A、Cに対して90度離れた位置に形成されていたが、必ずしもこの数値に限定されない。しかしながら、本実施例のような2個のピニオンギヤが設けられるディファレンシャル装置にあっても、位相が45度以上離れることが好ましい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ディファレンシャル装置
12:デフケース
12c:円筒部
14:ピニオンシャフト
16:ピニオンギヤ
18:サイドギヤ
20:ドライブシャフト
22:皿バネ(付勢手段)
24:螺旋溝
26:背面
28:噛合点
30:切出し点
32:切抜け点
上記目的を達成するための、第1発明の要旨とするところは、(a)デフケースと、そのデフケースに固定されたピニオンシャフトに嵌め付けられた少なくとも2個のピニオンギヤと、そのピニオンギヤと噛み合う一対のサイドギヤと、そのサイドギヤに嵌合することで接続されるドライブシャフトと、そのサイドギヤの背面と前記デフケースとの間に予荷重状態で介挿されている付勢手段と、前記ドライブシャフトを嵌め入れるために前記デフケースに形成されている円筒部の内周面に形成されている螺旋溝とを、備えた車両のディファレンシャル装置において、(b)前記螺旋溝の切出し点および切抜け点が、前記円筒部の内周面において、前記サイドギヤと前記ピニオンギヤとの噛合点および前記円筒部の軸心を含む平面と接する点に対して該円筒部の周方向にそれぞれ所定量だけ離れていることを特徴とする。
このようにすれば、螺旋溝の切出し点および切抜け点が、前記円筒部の内周面において、前記サイドギヤと前記ピニオンギヤとの噛合点および前記円筒部の軸心を含む平面と接する点に対してその円筒部の周方向にそれぞれ所定量だけ離れるため、デフケースの円筒部とドライブシャフトとの摺動部の接触面積が大きくなる。従って、この摺動部の面圧が低下するため、その摺動部で発生する摩耗や焼き付きを抑制することができる。
また、第3発明の要旨とするところは、第1発明または第2発明の車両のディファレンシャル装置において、前記切出し点および前記切抜け点が、前記円筒部の内周面において、前記サイドギヤと前記ピニオンギヤとの噛合点および前記円筒部の軸心を含む平面と接する点に対してその円筒部の周方向に45度以上、135度未満だけ離れていることを特徴とする。このように、切出し点および切抜け点の位相が噛合点に対して45度以上、135度未満だけ離れことで、摺動部と切出し点および切抜け点とが周方向で乖離するため、切出し点ないし切抜け点の影響が低減される。

Claims (3)

  1. デフケースと、該デフケースに固定されたピニオンシャフトに嵌め付けられた少なくとも2個のピニオンギヤと、該ピニオンギヤと噛み合う一対のサイドギヤと、該サイドギヤに嵌合することで接続されるドライブシャフトと、該サイドギヤの背面と前記デフケースとの間に予荷重状態で介挿されている付勢手段と、前記ドライブシャフトを嵌め入れるために前記デフケースに形成されている円筒部の内周面に形成されている螺旋溝とを、備えた車両のディファレンシャル装置において、
    前記螺旋溝の切出し点ないしは切抜け点の少なくとも一方の周方向の位相が、前記サイドギヤと前記ピニオンギヤとの噛合点に対して異なる位置となるように、前記螺旋溝が形成されていることを特徴とする車両のディファレンシャル装置。
  2. 前記付勢手段は皿バネであることを特徴とする請求項1の車両のディファレンシャル装置。
  3. 前記切出し点ないしは前記切抜け点の位相が、前記噛合点の位相に対して前記ピニオンギヤの個数とNとしたとき、少なくとも180/(2N)度以上、270/N度未満だけ離れた位置に設定されていることを特徴とする請求項1または2の車両のディファレンシャル装置。
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