JP6942332B2 - 全方向回転体、全方向駆動車輪および全方向移動体 - Google Patents

全方向回転体、全方向駆動車輪および全方向移動体 Download PDF

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Description

本発明は、全方向回転体、全方向駆動車輪および全方向移動体に関する。
従来、段差や隙間の乗り越え性能が高い全方向車輪として、それぞれ半径がほぼ等しい球面の左右を対称に切り落とした外面を有する円環形状を成し、互いの内側に挿入して鎖状に連結された第1回転体および第2回転体を有し、第1回転体と第2回転体とが互いに接触することなく、それぞれ独立に円周方向に沿って回転するよう構成されたものが、本発明者等により開発されている(例えば、非特許文献1または2参照)。
多田隈建二郎、他4名、「双リング式全方向車輪機構」、日本機械学会 ロボティクス・メカトロニクス講演会2016 講演論文集、2A2-07b6 小松洋音、他7名、「双リング式全方向車輪機構における軸受内蔵モデルの具現化と基礎実験−ヨー軸周り旋回速度の連続性向上の実機実験による確認−」、第34回日本ロボット学会学術講演会予稿集、2016、1D1-07
非特許文献1および2に記載の全方向車輪は、第1回転体および第2回転体がいずれも受動回転するものであり、任意の方向に移動するためには、他の駆動車輪が必要であるという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、段差や隙間の乗り越え性能が高く、能動回転して任意の方向に移動することができる全方向回転体、全方向駆動車輪および全方向移動体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る全方向回転体は、球面の左右を対称に切り落とした外面を有する円環形状を成し、互いの内側に挿入して鎖状に連結された第1回転体および第2回転体と、前記第2回転体の内側に位置する前記第1回転体の内側面、および、前記第1回転体の内側に位置する前記第2回転体の内側面にそれぞれ接触するよう、前記第1回転体および前記第2回転体の内側に配置され、所定の軸を中心として回転可能に設けられた回転伝達部とを有し、前記第2回転体の内側に位置する前記第1回転体の外面の幅方向の左右の両端縁が、前記第2回転体の内側面に接し、前記第1回転体の内側に位置する前記第2回転体の外面の幅方向の左右の両端縁が、前記第1回転体の内側面に接しており、前記回転伝達部が前記所定の軸を中心として正方向に回転するとき、前記第1回転体および前記第2回転体がそれぞれの円周方向に沿って所定の方向に回転し、前記回転伝達部が前記所定の軸を中心として逆方向に回転するとき、前記第1回転体および前記第2回転体がそれぞれの円周方向に沿って前記所定の方向とは逆の方向に回転するよう構成されていることを特徴とする。
本発明に係る全方向回転体は、回転伝達部を所定の軸を中心に回転させることにより、第1回転体および第2回転体を回転させることができ、能動回転することができる。本発明に係る全方向回転体は、車輪全体を回転可能に支持された状態で使用することにより、第1回転体および第2回転体の回転に加えて、車輪全体を回転させることができる。本発明に係る全方向回転体は、この第1回転体および第2回転体の回転と、車輪全体の回転とを組み合わせることにより、任意の方向に移動することができる。
本発明に係る全方向回転体は、例えば、回転伝達部を所定の軸を中心として正方向および逆方向に回転可能に設けられた駆動部を有することにより、能動回転することができる。また、駆動部は、さらに回転伝達部を所定の軸に対して垂直な軸を中心として、第1回転体および第2回転体とともに回転可能に設けられていることが好ましい。これにより、車輪全体の回転と、第1回転体および第2回転体の回転とを組み合わせて、任意の方向に能動的に移動することができる。駆動部は、それぞれの回転速度を変更可能に設けられていることが好ましい。また、駆動部は、第1回転体および第2回転体の内側や、回転伝達部に設けられていてもよく、第1回転体および第2回転体の外側に設けられていてもよい。
本発明に係る全方向回転体は、第1回転体および第2回転体の外面を成す球面の半径をほぼ等しくすることにより、第1回転体で乗り越えることができる段差や隙間、および、第2回転体で乗り越えることができる段差や隙間のいずれも大きくすることができ、段差や隙間の乗り越え性能を最大限まで高めることができる。また、走行時に接地位置が第1回転体から第2回転体、第2回転体から第1回転体に移動しても、がたつかずスムーズに走行することができる。第1回転体および第2回転体の外面を成す球面の半径は、等しいことが好ましいが、10%程度の範囲でずれていてもよい。10%程度以内のずれであれば、乗り越え性能をほとんど低下させることなく、スムーズな走行も維持することができる。
本発明に係る全方向回転体は、第1回転体の回転軸と第2回転体の回転軸とを、できるだけ近づけて構成されていることが好ましい。少なくとも第1回転体の回転軸が第2回転体の内側を通り、第2回転体の回転軸が第1回転体の内側を通るよう構成されていることが好ましい。また、第1回転体の回転軸と第2回転体の回転軸との距離が、第1回転体および第2回転体の外面を成す球面の半径の20%以下であることがより好ましい。これらの場合、第1回転体の外面および第2回転体の外面で形成される車輪面を、ほぼ球面状にすることができ、スムーズな走行を行うことができる。
本発明に係る全方向回転体は、第1回転体の幅方向に対する中心面と第2回転体の幅方向に対する中心面とがほぼ直交するよう構成されていることが好ましい。特に、第1回転体の幅方向に対する中心面と第2回転体の幅方向に対する中心面とは、80度〜90度で交差していることが好ましい。この場合、第1回転体の回転方向と第2回転体の回転方向とがほぼ直交し、よりスムーズに移動することができ、走行性能を高めることができる。なお、所定の軸は、第1回転体の円周方向に沿った回転の回転軸、および第2回転体の円周方向に沿った回転の回転軸に対して、いかなる角度を成していてもよい。
本発明に係る全方向回転体で、前記回転伝達部は、前記所定の軸を中心として回転可能に設けられたはすば歯車を有し、前記第1回転体および前記第2回転体は、前記回転伝達部のはすば歯車と噛み合うよう、それぞれ内側面に円周方向に沿って設けられたはすば内歯車を有することが好ましい。この場合、回転伝達部のはすば歯車の回転により、第1回転体および第2回転体を同時に回転させることができる。
本発明に係る全方向駆動車輪で、前記第1回転体は、円周方向に沿った回転の回転軸に対して垂直な面で2つの環状部に分割されており、各環状部の間に隙間をあけて配置されており、前記第2回転体は、円周方向に沿った回転の回転軸に対して垂直な面で2つの環状部に分割されており、各環状部の間に隙間をあけて配置されており、前記所定の軸は、前記第1回転体の円周方向に沿った回転の回転軸とほぼ平行を成し、前記駆動部は差動機構から成り、前記所定の軸の側方に向かって、前記第1回転体および前記第2回転体の内側から、前記第1回転体の前記隙間および前記第2回転体の前記隙間を通って、互いに反対側に伸びるよう設けられた1対の駆動軸と、各駆動軸に接触し、前記回転伝達部とともに前記所定の軸を中心として回転可能に設けられた連結部材とを有し、各駆動軸を中心軸周りに回転させたときのそれぞれの回転方向および回転速度に応じて、前記回転伝達部を前記所定の軸の回りに回転または停止するとともに、前記回転伝達部を各駆動軸の中心軸回りに回転または停止するよう構成されており、前記回転伝達部が各駆動軸の中心軸回りに回転するとき、前記回転伝達部と一体的に前記第1回転体および前記第2回転体も回転するよう構成されていることが好ましい。
この差動機構を有する場合、各駆動軸の回転方向および回転速度を制御することにより、差動機構を介して、所定の軸回りの回転伝達部の回転を制御し、第1回転体および第2回転体の円周方向に沿った回転を制御することができる。また、各駆動軸の回転方向および回転速度を制御することにより、差動機構を介して、各駆動軸の中心軸回りの回転伝達部の回転を制御し、回転伝達部、第1回転体および第2回転体が一体となった車輪全体の回転を制御することができる。これにより、本発明に係る全方向駆動車輪は、任意の方向に移動することができる。
差動機構は、各駆動軸の回転により、第1回転体および第2回転体の円周方向に沿った回転、および車輪全体の回転を制御可能であれば、いかなる構成であってもよい。差動機構は、例えば、各駆動軸が、前記所定の軸側の先端部に、周方向に沿って設けられたかさ歯車を有し、前記連結部材が、各駆動軸のかさ歯車に噛み合うよう設けられたかさ歯車から成っていてもよい。
本発明に関する全方向移動体は、差動機構を有していない1または複数の本発明に係る全方向駆動車輪と、前記全方向駆動車輪の外側から、前記回転伝達部を回転可能に支持する支持部と、前記全方向駆動車輪で支持されるよう、前記支持部で前記全方向駆動車輪が取り付けられ、前記駆動部を制御可能に構成された本体とを、有していてもよい。また、差動機構を有する1または複数の本発明に係る全方向駆動車輪と、前記全方向駆動車輪で支持されるよう、各駆動軸で前記全方向駆動車輪が取り付けられ、各駆動軸をそれぞれ独立して回転制御可能に構成された本体とを、有していてもよい。
本発明に係る全方向移動体は、本発明に係る全方向駆動車輪を使用して走行するため、他の駆動車輪が不要であり、任意の方向に移動することができる。また、段差や隙間の乗り越え性能が高く、スムーズに走行することができ、走行性能も高い。
本発明によれば、段差や隙間の乗り越え性能が高く、能動回転して任意の方向に移動することができる全方向回転体、全方向駆動車輪および全方向移動体を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態の全方向駆動車輪の、一部を切り欠いた斜視図である。 図1に示す全方向回転駆動機構の、(a)正面図、(b)右側面図、(c) (a)を90度回転させた正面図、(d) (c)の右側面図である。 図1に示す全方向回転駆動機構の、(a)A−A線断面図、(b)D−D線断面図、(c)B−B線断面図、(d)C−C線断面図である。 本発明の第2の実施の形態の全方向駆動車輪の、一部を切り欠いた斜視図である。 図4に示す全方向回転駆動機構の、(a)正面図、(b)右側面図、(c) (a)を90度回転させた正面図、(d) (c)の右側面図である。 図4に示す全方向回転駆動機構の、(a)A−A線断面図、(b)D−D線断面図、(c)B−B線断面図、(d)C−C線断面図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図3は、本発明の第1の実施の形態の全方向駆動車輪を示している。
図1乃至図3に示すように、全方向駆動車輪10は、第1回転体11と第2回転体12と回転伝達部13と駆動部(図示せず)とを有している。
第1回転体11および第2回転体12は、それぞれ同じ半径および厚みを有する球殻の左右を対称に切り落とした円環形状を成している。これにより、第1回転体11および第2回転体12は、同じ半径の球面の左右を対称に切り落とした外面を有している。また、第1回転体11および第2回転体12は、それぞれの外面を成す球面の中心を基準として、幅方向に対する中心面の両側で、その中心面との成す角度が45度以上の範囲を切り落とした形状を成している。第1回転体11および第2回転体12は、同じ大きさおよび形状を有している。
また、第1回転体11および第2回転体12は、それぞれ内側面に円周方向に沿って、同じピッチおよび深さで、45度のねじれ角を有する、はすば内歯車11a,12aが形成されている。第1回転体11および第2回転体12は、互いの内側に挿入して鎖状に連結されている。第1回転体11および第2回転体12は、第1回転体11の幅方向に対する中心面と第2回転体12の幅方向に対する中心面とが直交するよう連結されている。
回転伝達部13は、円柱形状を成し、第1回転体11および第2回転体12の幅よりも小さい高さ、および、第1回転体11および第2回転体12の内径より小さい外径を有している。回転伝達部13は、外周面に沿って歯を有するはすば歯車13aが形成されている。回転伝達部13は、第1回転体11および第2回転体12のはすば内歯車11a,12aと同じピッチで、45度のねじれ角を有している。
回転伝達部13は、高さ方向に対する中心面が、第1回転体11の幅方向に対する中心面と一致するよう、第1回転体11および第2回転体12の内側に配置されている。また、回転伝達部13のはすば歯車13aは、第2回転体12の内側に位置する第1回転体11の内側面のはすば内歯車11aと、第1回転体11の内側に位置する第2回転体12の内側面のはすば内歯車12aと噛み合っている。回転伝達部13は、中心軸を中心として回転して、第1回転体11および第2回転体12を同時に、それぞれの円周方向に沿って回転可能に設けられている。回転伝達部13の中心軸は、第1回転体11の円周方向に沿った回転の回転軸と平行を成している。
駆動部は、回転伝達部13をその中心軸を中心として正方向および逆方向に回転可能、かつ、その回転速度を変更可能に設けられている。また、駆動部は、回転伝達部13の回転軸に対して垂直で、第2回転体12の幅方向に対する中心面内の軸を中心として、第1回転体11、第2回転体12および回転伝達部13を一体的に回転可能、かつ、その回転速度を変更可能に設けられている。駆動部は、第1回転体11および第2回転体12の内側や、回転伝達部13に設けられていてもよく、第1回転体11および第2回転体12の外側に設けられていてもよい。
次に、作用について説明する。
図2および図3に示すように、全方向駆動車輪10は、駆動部により、回転伝達部13を、回転軸を中心として正方向(図中の矢印Oの方向)に回転させるとき、第1回転体11を円周方向に沿って回転Iの矢印方向に回転させ、第2回転体12を円周方向に沿って回転IIの矢印方向に回転させることができる。また、駆動部により、回転伝達部13を、回転軸を中心として逆方向(図中の矢印Oとは逆方向)に回転させるとき、第1回転体11を円周方向に沿って回転Iの矢印とは逆方向に回転させ、第2回転体12を円周方向に沿って回転IIの矢印とは逆方向に回転させることができる。また、駆動部により、回転IIIの矢印方向および矢印とは逆方向に、第1回転体11、第2回転体12および回転伝達部13を一体的に回転させることもできる。
このように、全方向駆動車輪10は、駆動部で回転伝達部13をその中心軸を中心に回転させることにより、第1回転体11の回転(図1の回転I)および第2回転体12の回転(図1の回転II)を行うことができ、能動回転することができる。また、駆動部で第1回転体11、第2回転体12および回転伝達部13を一体的に回転(図1の回転III)させることができ、能動回転することができる。これにより、全方向駆動車輪10は、車輪全体の回転(図1の回転III)と第1回転体11の回転(図1の回転I)および第2回転体12の回転(図1の回転II)とを組み合わせて、任意の方向に能動的に移動することができる。
全方向駆動車輪10は、第1回転体11および第2回転体12の外面を成す球面の半径が等しいため、第1回転体11で乗り越えることができる段差や隙間、および、第2回転体12で乗り越えることができる段差や隙間のいずれも大きくすることができ、段差や隙間の乗り越え性能を最大限まで高めることができる。また、走行時に接地位置が第1回転体11から第2回転体12、第2回転体12から第1回転体11に移動しても、がたつかずスムーズに走行することができる。また、全方向駆動車輪10は、第1回転体11の幅方向に対する中心面と第2回転体12の幅方向に対する中心面とが直交しているため、よりスムーズに移動することができ、走行性能が高い。
図4乃至図6は、本発明の第2の実施の形態の全方向駆動車輪を示している。
図4乃至図6に示すように、全方向駆動車輪20は、第1回転体11と第2回転体12と回転伝達部13と駆動部24とを有している。なお、以下の説明では、本発明の第1の実施の形態の全方向駆動車輪10と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
第1回転体11は、円周方向に沿った回転の回転軸に対して垂直な面のうち、幅方向に対する中心面で、同じ大きさの2つの環状部21aに分割されており、各環状部21aの間に隙間21bをあけて配置されている。第2回転体12も、円周方向に沿った回転の回転軸に対して垂直な面のうち、幅方向に対する中心面で、同じ大きさの2つの環状部22aに分割されており、各環状部22aの間に隙間22bをあけて配置されている。
回転伝達部13は、中心部に円柱状の中空室が形成され、その内側にほぼ嵌るよう設けられた円柱状の収納部23aを有している。収納部23aは、内部に矩形状の収納室23bを有している。また、回転伝達部13は、中心軸上に、収納室23bを貫通して両端面まで伸びる軸材23cを有している。回転伝達部13は、外周面の高さ方向に対する中心位置に、周方向に沿って1周設けられた周回溝23dを有している。周回溝23dは、収納部23aの外側面が底を成している。回転伝達部13は、周回溝23dが、第1回転体11の各環状部21aの間の隙間21bに連通するよう配置されている。
駆動部24は、差動機構から成り、1対の駆動軸24aと連結部材24bとを有している。各駆動軸24aは、回転伝達部13の軸材23cの側方に向かって、第1回転体11および第2回転体12の内側の収納室23bから、収納部23aを貫通し、回転伝達部13の周回溝23d、第1回転体11の各環状部21aの隙間21bおよび第2回転体12の各環状部22aの隙間22bを通って、互いに反対側に伸びるよう設けられている。各駆動軸24aは、その中心軸周りに回転可能に設けられ、収納部23aに対して独立してスムーズに回転するよう、ベアリング25を介して収納部23aに取り付けられている。また、各駆動軸24aは、軸材23cの側の先端部に、それぞれ周方向に沿って、同じピッチおよび深さで設けられたかさ歯車24cを有している。
連結部材24bは、各駆動軸24aのかさ歯車24cに噛み合うよう、軸材23cの周方向に沿って設けられたかさ歯車から成っている。連結部材24bは、回転伝達部13とともに軸材23cを中心として回転可能に設けられている。
次に、作用について説明する。
図5および図6に示すように、全方向駆動車輪20は、各駆動軸24aを中心軸周りに互いに逆の方向に回転させたとき、各駆動軸24aのかさ歯車24cが連結部材24bを同じ方向に回転させようとするため、連結部材24bが軸材23cとともに軸材23cを中心として回転し、回転伝達部13を所定の方向(例えば、図中の矢印Oの方向)に回転させることができる。これにより、第1回転体11を円周方向に沿って回転Iの矢印方向に回転させ、第2回転体12を円周方向に沿って回転IIの矢印方向に回転させることができる。また、それとは逆方向に各駆動軸24aを回転させたとき、回転伝達部13を逆方向(例えば、図中の矢印Oとは逆方向)に回転させることができる。これにより、第1回転体11を円周方向に沿って回転Iの矢印とは逆方向に回転させ、第2回転体12を円周方向に沿って回転IIの矢印とは逆方向に回転させることができる。
また、全方向駆動車輪20は、各駆動軸24aを中心軸周りに同じ方向に回転させたとき、各駆動軸24aのかさ歯車24cが連結部材24bを逆方向に回転させようとするため、連結部材24bが軸材23cを中心として回転せず、連結部材24bおよび軸材23cごと、回転伝達部13を各駆動軸24aの中心軸周りに各駆動軸24aの回転方向に回転させることができる。これにより、回転伝達部13と共に、第1回転体11および第2回転体12も、その方向(例えば、図中の回転IIIの矢印方向)に一体的に回転させることができる。また、それとは逆方向に各駆動軸24aを回転させたとき、回転伝達部13、第1回転体11および第2回転体12を逆方向(例えば、図中の回転IIIの矢印とは逆方向)に回転させることができる。
また、全方向駆動車輪20は、各駆動軸24aの回転方向が互いに逆向きで、その回転速度に差があるとき、各駆動軸24aの回転速度およびその差に応じた回転速度で、回転伝達部13をその回転軸周りに回転させて、第1回転体11および第2回転体12を円周方向に沿ってそれぞれ回転させることができる。また、回転速度が大きい方の駆動軸24aの回転方向に、各駆動軸24aの回転速度の差に応じた回転速度で、回転伝達部13、第1回転体11および第2回転体12を一体的に回転させることができる。
また、全方向駆動車輪20は、各駆動軸24aの回転方向が同じ向きで、その回転速度に差があるとき、各駆動軸24aの回転速度およびその差に応じた回転速度で、各駆動軸24aの回転方向に回転伝達部13、第1回転体11および第2回転体12を一体的に回転させることができる。また、各駆動軸24aの回転速度の差に応じた回転速度で、回転伝達部13をその回転軸周りに回転させて、第1回転体11および第2回転体12を円周方向に沿ってそれぞれ回転させることができる。
このように、全方向駆動車輪20は、各駆動軸24aを中心軸周りに回転させたときのそれぞれの回転方向および回転速度に応じて、回転伝達部13をその中心軸周りに回転または停止させたりすることができ、第1回転体11の回転(図4の回転I)および第2回転体12の回転(図4の回転II)を制御することができる。また、各駆動軸24aを中心軸周りに回転させたときのそれぞれの回転方向および回転速度に応じて、回転伝達部13を各駆動軸24aの中心軸回りに回転または停止させたりすることができ、第1回転体11、第2回転体12および回転伝達部13が一体的となった車輪全体の回転(図4の回転III)を制御することができる。これにより、全方向駆動車輪20は、車輪全体の回転(図4の回転III)と第1回転体11の回転(図4の回転I)および第2回転体12の回転(図4の回転II)とを組み合わせて、任意の方向に能動的に移動することができる。
本発明の第1の実施の形態の全方向駆動車輪10および本発明の第2の実施の形態の全方向駆動車輪20は、全方向移動体の車輪として使用することができる。この場合、その全方向移動体を任意の方向に任意の速度で移動させることができる。また、他の駆動車輪が不要であり、段差や隙間の乗り越え性能が高く、スムーズに走行することができ、走行性能も高い。
全方向駆動車輪10を使用する場合には、全方向移動体は、全方向駆動車輪10の外側から、回転伝達部13を回転可能に支持する支持部を有し、全方向駆動車輪10で支持されるよう、支持部で全方向駆動車輪10が取り付けられており、駆動部を制御可能に構成されていることが好ましい。また、全方向駆動車輪20を使用する場合には、全方向移動体は、全方向駆動車輪20で支持されるよう、各駆動軸24aで全方向駆動車輪20が取り付けられており、各駆動軸24aをそれぞれ独立して回転制御可能に構成されていることが好ましい。
10 全方向駆動車輪
11 第1回転体
11a はすば内歯車
12 第2回転体
12a はすば内歯車
13 回転伝達部
13a はすば歯車

20 全方向駆動車輪
21a,22a 環状部
21b,22b 隙間
23a 収納部
23b 収納室
23c 軸材
23d 周回溝
24 駆動部
24a 駆動軸
24b 連結部材
24c かさ歯車
25 ベアリング

Claims (7)

  1. 球面の左右を対称に切り落とした外面を有する円環形状を成し、互いの内側に挿入して鎖状に連結された第1回転体および第2回転体と、
    前記第2回転体の内側に位置する前記第1回転体の内側面、および、前記第1回転体の内側に位置する前記第2回転体の内側面にそれぞれ接触するよう、前記第1回転体および前記第2回転体の内側に配置され、所定の軸を中心として回転可能に設けられた回転伝達部とを有し、
    前記第2回転体の内側に位置する前記第1回転体の外面の幅方向の左右の両端縁が、前記第2回転体の内側面に接し、前記第1回転体の内側に位置する前記第2回転体の外面の幅方向の左右の両端縁が、前記第1回転体の内側面に接しており、前記回転伝達部が前記所定の軸を中心として正方向に回転するとき、前記第1回転体および前記第2回転体がそれぞれの円周方向に沿って所定の方向に回転し、前記回転伝達部が前記所定の軸を中心として逆方向に回転するとき、前記第1回転体および前記第2回転体がそれぞれの円周方向に沿って前記所定の方向とは逆の方向に回転するよう構成されていることを
    特徴とする全方向回転体
  2. 前記回転伝達部は、前記所定の軸を中心として回転可能に設けられたはすば歯車を有し、
    前記第1回転体および前記第2回転体は、前記回転伝達部のはすば歯車と噛み合うよう、それぞれ内側面に円周方向に沿って設けられたはすば内歯車を有することを
    特徴とする請求項1記載の全方向回転体
  3. 前記第1回転体および前記第2回転体は、前記球面の半径が等しく、
    前記第1回転体の幅方向に対する中心面と前記第2回転体の幅方向に対する中心面とがほぼ直交するよう構成されていることを
    特徴とする請求項1または2記載の全方向回転体
  4. 前記回転伝達部を前記所定の軸を中心として正方向および逆方向に回転可能かつ、その回転速度を変更可能に設けられた駆動部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の全方向回転体
  5. 請求項4記載の全方向回転体から成り、
    前記第1回転体は、円周方向に沿った回転の回転軸に対して垂直な面で2つの環状部に分割されており、各環状部の間に隙間をあけて配置されており、
    前記第2回転体は、円周方向に沿った回転の回転軸に対して垂直な面で2つの環状部に分割されており、各環状部の間に隙間をあけて配置されており、
    前記所定の軸は、前記第1回転体の円周方向に沿った回転の回転軸とほぼ平行を成し、
    前記駆動部は差動機構から成り、前記所定の軸の側方に向かって、前記第1回転体および前記第2回転体の内側から、前記第1回転体の前記隙間および前記第2回転体の前記隙間を通って、互いに反対側に伸びるよう設けられた1対の駆動軸と、各駆動軸に接触し、前記回転伝達部とともに前記所定の軸を中心として回転可能に設けられた連結部材とを有し、各駆動軸を中心軸周りに回転させたときのそれぞれの回転方向および回転速度に応じて、前記回転伝達部を前記所定の軸の回りに回転または停止するとともに、前記回転伝達部を各駆動軸の中心軸回りに回転または停止するよう構成されており、
    前記回転伝達部が各駆動軸の中心軸回りに回転するとき、前記回転伝達部と一体的に前記第1回転体および前記第2回転体も回転するよう構成されていることを
    特徴とする全方向駆動車輪。
  6. 各駆動軸は、前記所定の軸側の先端部に、周方向に沿って設けられたかさ歯車を有し、
    前記連結部材は、各駆動軸のかさ歯車に噛み合うよう設けられたかさ歯車から成ることを
    特徴とする請求項5記載の全方向駆動車輪。
  7. 1または複数の請求項5または6記載の全方向駆動車輪と、
    前記全方向駆動車輪で支持されるよう、各駆動軸で前記全方向駆動車輪が取り付けられ、各駆動軸をそれぞれ独立して回転制御可能に構成された本体とを、
    有することを特徴とする全方向移動体。
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