JP2017009037A - 減速装置 - Google Patents

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寛司 大原
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Abstract

【課題】遊星歯車と他の部材との間における接触抵抗を低減して、動力損失の発生を抑制する減速装置を提供することを目的とする。【解決手段】減速装置は、揺動型の遊星歯車と、遊星歯車の自転に連動するキャリアと、遊星歯車の側面に中心軸方向に対向する対向面を有する対向部材とを備える。遊星歯車の側面および対向部材の対向面の少なくとも一方には、対向部材に対する遊星歯車の相対移動の移動軌跡に応じて閉曲線状に延在する軌道溝が形成される。減速装置は、軌道溝の溝方向に沿って移動可能に配置され、遊星歯車と対向部材との間に介在して対向部材に対する遊星歯車の傾動を規制する規制部材を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、減速装置に関するものである。
例えば特許文献1には、揺動型の遊星歯車機構を備える減速装置が開示されている。この遊星歯車機構は、中心部に配置された偏心部を回転させることにより、内歯歯車と噛合する遊星歯車を揺動させる。そして、遊星歯車機構は、遊星歯車を貫通するピン部材を介して、遊星歯車の自転に連動するキャリアから回転速度を減速された動力を出力する。
特開2011−208767号公報
ところで、減速装置の遊星歯車機構において、中心軸に対して遊星歯車が傾動することがある。この場合に、遊星歯車に並べて設けられた回転部材(例えば、別の遊星歯車やキャリア)に遊星歯車が接触すると、接触抵抗による動力損失が発生するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、遊星歯車と他の部材との間における接触抵抗を低減して、動力損失の発生を抑制する減速装置を提供することを目的とする。
(請求項1)本発明に係る減速装置は、中心軸から偏心した位置において自転可能に且つ前記中心軸周りに公転可能に支持された揺動型の遊星歯車と、前記遊星歯車の自転に連動するキャリアと、前記遊星歯車の側面に前記中心軸方向に対向する対向面を有する対向部材と、を備える。前記遊星歯車は、当該遊星歯車の公転により前記対向部材に対して相対移動する。前記遊星歯車の前記側面および前記対向部材の前記対向面の少なくとも一方には、前記対向部材に対する前記遊星歯車の相対移動の移動軌跡に応じて閉曲線状に延在する軌道溝が形成される。減速装置は、前記軌道溝の溝方向に沿って移動可能に配置され、前記遊星歯車と前記対向部材との間に介在して前記対向部材に対する前記遊星歯車の傾動を規制する規制部材を備える。
請求項1に記載の発明によると、遊星歯車と対向部材との間に規制部材が介在して、遊星歯車の傾動が規制される。これにより、遊星歯車と当該遊星歯車に並べて設けられた対向部材との直接的な接触が防止される。よって、両部材間に発生する接触抵抗を低減して、動力損失の発生を抑制できる。また、遊星歯車の傾動が規制されるので、遊星歯車の適正な姿勢を保持できる。
第一実施形態における減速装置の軸方向の断面図である。 軸方向視の第一遊星歯車を示す模式図である。 軸方向視の第一キャリア部材を示す模式図である。 第一遊星歯車と第二遊星歯車の位置関係を示す模式図である。 第一遊星歯車と第一キャリア部材の位置関係を示す模式図である。 減速装置の作動時における軌道溝の位置を示す図である。 第二実施形態における減速装置の軸方向の断面図である。
以下、本発明の減速装置を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。実施形態において、減速装置は、揺動型の遊星歯車機構を用いて、駆動源より入力した動力を減速して出力する。
<第一実施形態>
(減速装置1の全体構成)
第一実施形態の減速装置1は、図1に示すように、ハウジング10と、入力部材20と、内歯歯車30と、第一遊星歯車40と、第二遊星歯車50と、キャリア60とを備えて構成される。ハウジング10は、減速装置1の外周形状の一部を構成する固定部材である。ハウジング10は、減速装置1の中心軸である中心軸Acを中心として動力の変速を行う遊星歯車機構を収容する。
入力部材20は、減速装置1に動力を入力する軸部材である。入力部材20は、内歯歯車30やキャリア60などを介してハウジング10に、中心軸Ac周りに回転可能に支持される。入力部材20の一端は、例えば電動モータなどの駆動源の出力軸と一体回転するように連結される。
入力部材20は、第一カム部21および第二カム部22を有する。第一カム部21および第二カム部22は、円筒状外面を有する。第一カム部21および第二カム部22の各々は、当該円筒状外面の中心を通る第一偏心軸Ad1および第二偏心軸Ad2が中心軸Acに対して、所定の偏心量δだけ偏心して配置される。第一カム部21および第二カム部22は、それぞれの偏心方向が逆方向を向くように、即ち中心軸Ac周りに等間隔となるように180°間隔で配置される。第一カム部21および第二カム部22は、入力部材20と一体的に回転する。
内歯歯車30は、ハウジング10とは別部材からなる筒状部材である。内歯歯車30は、歯車本体31と、前記歯車本体31の内周面に形成された内歯32とを有する。歯車本体31は、ハウジング10の内周側に配置された後に、ハウジング10の内周面に形成された雌ねじ部に止めねじがねじ締結されて、ハウジング10に固定される。内歯歯車30の内歯32は、中心軸Acの同軸上に配置される。また、減速装置1は、ハウジング10の内周面に内歯32を直接的に形成される構成としてもよい。
第一遊星歯車40および第二遊星歯車50は、中心軸Ac方向に並べて配置される。第一遊星歯車40は、入力部材20の第一カム部21の外周側に配置される。第二遊星歯車50は、入力部材20の第二カム部22の外周側に配置される。第一遊星歯車40および第二遊星歯車50は、揺動型の同一構成の部材である。そのため、第一遊星歯車40の詳細構成について説明し、第二遊星歯車50の詳細構成の説明を省略する。
第一遊星歯車40は、図1および図2に示すように、遊星歯車本体41と、カム孔42と、外歯43と、複数のピン孔44とを有する。遊星歯車本体41は、全体形状としては環状に形成される。遊星歯車本体41は、中心軸Ac方向に所定の厚みに設定される。カム孔42は、遊星歯車本体41の中心部に形成された円筒状の貫通孔である。カム孔42は、入力部材20の第一カム部21を挿入される。第一遊星歯車40は、軸受を介して第一カム部21との間で動力を伝達可能に構成される。
外歯43は、遊星歯車本体41の外周面に形成され、内歯歯車30の内歯32に噛合する。複数のピン孔44の各々は、カム孔42と外歯43との間に設けられ、中心軸Acに平行な貫通孔である。ピン孔44には、後述するキャリア60のピン部材90が挿入される。複数のピン孔44は、第一遊星歯車40の周方向に等間隔(本実施形態においては、60度ごとに6箇所)に配置される。
ピン孔44の半径は、第一遊星歯車40の偏心量δ(中心軸Acと第一偏心軸Ad1との距離)や寸法公差を勘案して設定される。上記のような構成により、第一遊星歯車40および第二遊星歯車50は、中心軸Ac方向の異なる位置において、それぞれの外歯43,53が内歯32に噛合する。
このような構成により、第一遊星歯車40は、中心軸Acに対して公転可能に支持され、且つ第一カム部21の中心を通る第一偏心軸Ad1を中心に自転可能に支持される。同様に、第二遊星歯車50は、中心軸Acに対して公転可能に支持され、且つ第二カム部22の中心を通る第二偏心軸Ad2を中心に自転可能に支持される。
キャリア60は、揺動可能に支持された第一遊星歯車40および第二遊星歯車50の自転と連動して、回転速度を減速された動力を出力する。キャリア60は、第一キャリア部材70と、第二キャリア部材80と、複数のピン部材90とを有する。複数のピン部材90の各々は、第一遊星歯車40のピン孔44および第二遊星歯車50のピン孔54を貫通して配置される。
第一キャリア部材70および第二キャリア部材80は、第一遊星歯車40および第二遊星歯車50に対して中心軸Ac方向の両側に配置される。ピン部材90は、第一キャリア部材70および第二キャリア部材80により両持ちで支持される。第一キャリア部材70は、第一遊星歯車40に対して減速装置1の入力側(図1の左側)に配置され、内歯歯車30および軸受を介してハウジング10に回転可能に支持される。第二キャリア部材80は、第二遊星歯車50に対して減速装置1の出力側(図1の右側)に配置され、内歯歯車30および軸受を介してハウジング10に回転可能に支持される。
複数のピン部材90は、図3に示すように、中心軸Acを中心に周方向に等間隔で配置される。これにより、ピン部材90は、第一遊星歯車40のピン孔44および第二遊星歯車50のピン孔54の中心に対しては偏心した状態となり、第一遊星歯車40および第二遊星歯車50の自転に連動して中心軸Ac周りに公転する。第二キャリア部材80には、減速装置1から出力される動力により駆動される被駆動部材(図示しない)が取り付けられる。
上記の構成からなる減速装置1は、中心軸Acから偏心する方向が異なる複数の遊星歯車(第一遊星歯車40、第二遊星歯車50)を備える。この減速装置1によると、入力部材20より動力が入力されて第一カム部21および第二カム部22が偏心回転すると、第一遊星歯車40および第二遊星歯車50は、入力された動力の回転数で中心軸Ac周りに公転する。
このとき、第一遊星歯車40および第二遊星歯車50は、内歯32に対する外歯43,53の歯数差に応じた回転数で自転する。このように揺動する第一遊星歯車40および第二遊星歯車50の自転に連動してピン部材90が中心軸Ac周りに公転する。これにより、当該公転の回転数に減速された動力が複数のピン部材90と一体的に回転する第二キャリア部材80を介して出力される。
(減速装置1における傾動規制機構について)
減速装置1の遊星歯車機構を構成する第一遊星歯車40および第二遊星歯車50は、上記のように、第一カム部21および第二カム部22に軸受を介して回転可能に支持される。ここで、例えば第一遊星歯車40が中心軸Acに対して傾動して第一遊星歯車40の側面に対向する対向部材(第二遊星歯車50、第一キャリア部材70)に接触すると、接触抵抗による動力損失が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態の減速装置1は、第一遊星歯車40および第二遊星歯車50の傾動を規制して、それぞれの対向部材との直接的な接触による接触抵抗の発生を抑制する複数の傾動規制機構を備える。第一遊星歯車40における上記の「対向部材」は、中心軸Ac方向に並べて設けられた第二遊星歯車50および第一キャリア部材70である。また、第二遊星歯車50における上記の「対向部材」は、中心軸Ac方向に並べて設けられた第一遊星歯車40および第二キャリア部材80である。
(第一遊星歯車40と第二遊星歯車50との間の傾動規制機構)
ここで、第一遊星歯車40の両側の側面のうち第二遊星歯車50と対向する側面を第一Pa側面45とする。第一Pa側面45には、第二遊星歯車50に対する第一遊星歯車40の相対移動の移動軌跡に応じて閉曲線状に延在する第一Pa軌道溝46が複数形成される。具体的には、第一Pa軌道溝46は、断面略円弧状をなすとともに、第一Pa側面45を軸方向視すると環状をなしている。
同様に、第二遊星歯車50の両側の側面のうち第一遊星歯車40と対向する側面を第二Pa側面55とする。第二Pa側面55には、第一遊星歯車40に対する第二遊星歯車50の相対移動の移動軌跡に応じて閉曲線状に延在する第二Pa軌道溝56が複数形成される。具体的には、第二Pa軌道溝56は、断面略円弧状をなすとともに、第二Pa側面55を軸方向視すると環状をなしている。
第二遊星歯車50は、上述したように第一遊星歯車40と同一構成の部材であり、この第一遊星歯車40の第一Pa側面45に、第二Pa側面55が対向するように反転させた状態で配置される。つまり、第二遊星歯車50の第二Pa側面55は、第一遊星歯車40の第一Pa側面45の「対向面」に相当する。同様に、第一遊星歯車40の第一Pa側面45は、第二遊星歯車50の第二Pa側面55の「対向面」に相当する。
複数の第一Pa軌道溝46は、図2に示すように、第一偏心軸Ad1を中心に周方向に等間隔で配置される。なお、図2においては、第一遊星歯車40に対応する第二遊星歯車50の各部位の符号を括弧内に表している。ここで、第一Pa軌道溝46および第二Pa軌道溝56を円環体に見立て、この円環体の大円の直径、即ち前記各軌道溝46,56を後述する転動体95が移動する際、転動体95の中心がなす円の直径を、これら第一Pa軌道溝46および第二Pa軌道溝56の直径とする。第一Pa軌道溝46の直径および第二Pa軌道溝56の直径は、互いに等しい値に設定される。本実施形態において、第一Pa軌道溝46の直径および第二Pa軌道溝56の直径は、偏心量δの2倍にそれぞれ設定される。
第一Pa軌道溝46および第二Pa軌道溝56は、図4に示すように、第一遊星歯車40および第二遊星歯車50が中心軸Acに対して偏心して配置された状態において、常に一部が中心軸Ac方向に重畳する(重なり合う)。第一Pa軌道溝46および第二Pa軌道溝56の重畳する部分には、第一Pa軌道溝46および第二Pa軌道溝56の溝方向に沿って移動可能に、転動体95が配置される。
転動体95は、第一遊星歯車40と第二遊星歯車50との間に介在して、第二遊星歯車50に対する第一遊星歯車40の傾動を規制する規制部材である。より具体的には、転動体95は、本実施形態において球状に形成され、第一Pa軌道溝46および第二Pa軌道溝56を転動する。これにより、第二遊星歯車50に対する第一遊星歯車40の相対的な傾動が規制され、両部材の直接的な接触が防止される。
(第一、第二遊星歯車40,50とキャリア60との間の傾動規制機構)
ここで、第一遊星歯車40の両側の側面のうち第一Pa側面45とは反対側の側面を第一Pb側面47とする。第一Pb側面47には、キャリア60の第一キャリア部材70に対する第一遊星歯車40の相対移動の移動軌跡に応じて閉曲線状に延在する第一Pb軌道溝48が複数形成される。具体的には、第一Pb軌道溝48は、断面略円弧状をなすとともに、第一Pb側面47を軸方向視すると環状をなしている。
同様に、第二遊星歯車50の両側の側面のうち第二Pa側面55とは反対側の側面を第二Pb側面57とする。第二Pb側面57には、キャリア60の第二キャリア部材80に対する第二遊星歯車50の相対移動の移動軌跡に応じて閉曲線状に延在する第二Pb軌道溝58が複数形成される。具体的には、第二Pb軌道溝58は、断面略円弧状をなすとともに、第二Pb側面57を軸方向視すると環状をなしている。
複数の第一Pb軌道溝48および複数の第二Pb軌道溝58は、図2に示すように、第一偏心軸Ad1を中心に周方向に等間隔で配置される。第一Pb軌道溝48および第二Pb軌道溝58は、第一Pa軌道溝46および第二Pa軌道溝56の背面にそれぞれ位置する。ここで、第一Pb軌道溝48および第二Pb軌道溝58を円環体に見立て、この円環体の大円の直径、即ち前記各軌道溝48,58を後述する転動体96,97が移動する際、転動体96,97の中心がなす円の直径を、これら第一Pb軌道溝48および第二Pb軌道溝58の直径とする。第一Pb軌道溝48の直径および第二Pb軌道溝58の直径は、偏心量δと等しい値にそれぞれ設定される。
ここで、第一遊星歯車40の第一Pb側面47に対向する第一キャリア部材70の端面を第一対向面71とする。また、第二遊星歯車50の第二Pb側面57に対向する第二キャリア部材80の端面を第二対向面81とする。第一対向面71および第二対向面81は、複数のピン部材90を支持する部位を含む要部が同形状からなる。そこで、図3においては、第一対向面71に対応する第二対向面81の各部位の符号を括弧内に表している。
第一対向面71には、第一キャリア部材70に対する第一遊星歯車40の相対移動の移動軌跡に応じて閉曲線状に延在する第一キャリア軌道溝72が、第一Pb軌道溝48の位置に対応して複数形成される。同様に、第二対向面81には、第二キャリア部材80に対する第二遊星歯車50の相対移動の移動軌跡に応じて閉曲線状に延在する第二キャリア軌道溝82が、第二Pb軌道溝58に対応して複数形成される。
複数の第一キャリア軌道溝72および複数の第二キャリア軌道溝82は、図3に示すように、中心軸Acを中心に周方向に等間隔で配置される。ここで、第一キャリア軌道溝72および第二キャリア軌道溝82を円環体に見立て、この円環体の大円の直径、即ち前記各軌道溝72,82を後述する転動体96,97が移動する際、転動体96,97の中心がなす円の直径を、これら第一キャリア軌道溝72および第二キャリア軌道溝82の直径とする。第一キャリア軌道溝72の直径および第二キャリア軌道溝82の直径は、偏心量δと等しい値にそれぞれ設定される。即ち、第一キャリア軌道溝72の直径は、第一Pb軌道溝48の直径と等しい。また、第二キャリア軌道溝82の直径は、第二Pb軌道溝58の直径と等しい。
第一Pb軌道溝48および第一キャリア軌道溝72は、図5に示すように、第一遊星歯車40が中心軸Acに対して偏心して配置された状態において、常に一部が中心軸Ac方向に重畳する(重なり合う)。第一Pb軌道溝48および第一キャリア軌道溝72の重畳する部分には、第一Pb軌道溝48および第一キャリア軌道溝72の溝方向に沿って移動可能に、転動体96が配置される。
転動体96は、第一遊星歯車40と第一キャリア部材70との間に介在して、第一キャリア部材70に対する第一遊星歯車40の傾動を規制する規制部材である。より具体的には、転動体96は、本実施形態において球状に形成され、第一Pb軌道溝48および第一キャリア軌道溝72を転動する。これにより、第一キャリア部材70に対する第一遊星歯車40の相対的な傾動が規制され、両部材の直接的な接触が防止される。
なお、第二Pb軌道溝58および第二キャリア軌道溝82についても同様に構成されるとともに、これらの重畳する部分には転動体97が配置される。第二Pb軌道溝58および第二キャリア軌道溝82の位置関係、および転動体97の構成は、第一Pb軌道溝48および第一キャリア軌道溝72の位置関係、および転動体96の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。転動体97の転動により、第二キャリア部材80に対する第二遊星歯車50の相対的な傾動が規制され、両部材の直接的な接触が防止される。
(各傾動規制機構の関係について)
減速装置1は、上述したように、第一遊星歯車40と第二遊星歯車50との間、第一遊星歯車40と第一キャリア部材70との間、および第二遊星歯車50と第二キャリア部材80との間に、それぞれ傾動規制機構を備える。このような構成により、第一遊星歯車40および第二遊星歯車50は、中心軸Ac方向の両側に位置する傾動規制機構によって挟み込まれるように傾動を規制されて、適正な姿勢が保持される。
ここで、第一遊星歯車40と第二遊星歯車50との間に配置された転動体95は、減速装置1の動作中において、第一遊星歯車40および第二遊星歯車50が揺動するため中心軸Acからの距離が一定となる。これは、第一遊星歯車40および第二遊星歯車50が互いに反対方向に偏心して配置され、且つ第一Pa軌道溝46の直径と第二Pa軌道溝56の直径が等しく設定されていることに起因する。
これに対して、第一遊星歯車40と第一キャリア部材70との間に配置された転動体96は、減速装置1の作動中において、キャリア60を基準に軸方向視した場合に、第一キャリア軌道溝72の溝方向に沿って転動する。これは、減速装置1の作動中において、図6の矢印にて示すように、第一キャリア軌道溝72の周囲を第一Pb軌道溝48が周回するように移動することに起因する。
よって、第一Pb軌道溝48が位置する位相の径方向外方において遊星歯車40の外歯43と内歯歯車30の内歯32が噛合した状態(図1の状態)において、2つの転動体95,96は、中心軸Acからの距離が一致する。このように、2つの転動体95,96がそれぞれ配置された中心軸周りの角度および径方向位置は、2つの転動体95,96の一方を基準とした許容範囲(図6の角度範囲Ra、最大離間距離Lm)に他方が収まるように設定される。
つまり、本実施形態における傾動規制機構においては、基準の転動体95に対して相対移動する転動体96は、角度範囲Raに収まる範囲で、且つ最大離間距離Lmが偏心量δの2倍に収まる範囲で転動する。このような関係となるように、それぞれの傾動規制機構は、第一Pa軌道溝46、第二Pa軌道溝56、第一Pb軌道溝48、および第一キャリア軌道溝72の直径および位置を設定される。また、第二遊星歯車50と第二キャリア部材80との間に設けられた傾動規制機構についても同様であるため、詳細な説明を省略する。
<第二実施形態>
第二実施形態の減速装置101の全体構成について説明する。第二実施形態の構成は、一部の傾動規制機構の構成が第一実施形態とは相違する。その他の共通する構成については、第一実施形態と実質的に同一であるため、詳細な説明を省略する。以下、相違点のみについて説明する。
(減速装置101の全体構成および傾動規制機構)
第二実施形態の減速装置101は、図7に示すように、ハウジング10と、入力部材20と、内歯歯車30と、第一遊星歯車140と、第二遊星歯車150と、キャリア160とを備えて構成される。
第一遊星歯車140は、第一Pa側面45に形成された1つの第一Pa軌道溝46と、第一Pb側面47に形成された1つの第一Pb軌道溝148とを有する。第一Pb軌道溝148は、第一Pa軌道溝46の背面において、第一Pa軌道溝46と同軸上に配置され、且つ第一Pa軌道溝46と同径(直径が偏心量δ)からなる円形の環状溝である。このような構成により、揺動型の第一遊星歯車140は、第一実施形態の第一遊星歯車40と異なり、表裏の形状が同一に構成される。
第二遊星歯車150は、第二Pa側面55に形成された1つの第二Pa軌道溝56と、第二Pb側面57に形成された1つの第二Pb軌道溝158とを有する。第二Pb軌道溝158は、第二Pa軌道溝56の背面において、第一Pa軌道溝46と同軸上に配置され、且つ第二Pa軌道溝56と同径(直径が偏心量δ)からなる円形の環状溝である。このような構成により、揺動型の第二遊星歯車150は、表裏の形状が同一であり、且つ第一遊星歯車140と同一の部材である。
キャリア160は、第一キャリア部材170と、第二キャリア部材180と、複数のピン部材90とを有する。第一キャリア部材170は、第一プランジャ175を有する。第一プランジャ175は、本体部が第一キャリア部材170に埋め込まれ、且つ球状の転動体175aが第一対向面71から突出するように配置される。第一プランジャ175は、転動体175aを中心軸Ac方向に弾性力をもって進退可能に押し出す機構を有する。
また、第一プランジャ175は、第一遊星歯車140および第二遊星歯車150が中心軸Acに対して偏心してそれぞれ配置された状態において、これらの間に配置される転動体95と同位相且つ中心軸Acからの距離が同一となる位置に転動体175aが位置するように、第一キャリア部材170に配置される。
第二キャリア部材180は、第一キャリア部材170と同様に、第二プランジャ185を有する。第二プランジャ185の構成は、第一プランジャ175と同様であるため、詳細な説明を省略する。このような構成により、3つの転動体95,175a,185aは、減速装置101が作動して第一遊星歯車140および第二遊星歯車150が揺動しても、図7に示すように、常に直線上に位置する。
第一プランジャ175は、第一遊星歯車140と第一キャリア部材170との間に介在して、第一キャリア部材170に対する第一遊星歯車140の傾動を規制する規制部材である。同様に、第二プランジャ185は、第二遊星歯車150と第二キャリア部材180との間に介在して、第二キャリア部材180に対する第二遊星歯車150の傾動を規制する規制部材である。
本実施形態の減速装置101は、上述したように、第一遊星歯車140と第二遊星歯車150との間、第一遊星歯車140と第一キャリア部材170との間、および第二遊星歯車150と第二キャリア部材180との間に、それぞれ傾動規制機構を備える。このような構成により、第一遊星歯車140および第二遊星歯車150は、中心軸Ac方向の両側に位置する傾動規制機構によって挟み込まれるように傾動を規制されて、適正な姿勢が保持される。
<第一実施形態、および第二実施形態の構成による効果>
減速装置1,101は、中心軸Acから偏心した位置において自転可能に且つ前記中心軸Ac周りに公転可能に支持された揺動型の遊星歯車(第一遊星歯車40,140)と、遊星歯車(第一遊星歯車40,140)の自転に連動するキャリア60,160と、遊星歯車(第一遊星歯車40,140)の側面(第一Pa側面45,第一Pb側面47)に中心軸Ac方向に対向する対向面(第二Pa側面、第一対向面71)を有する対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70,170)と、を備える。
遊星歯車(第一遊星歯車40,140)は、当該遊星歯車(第一遊星歯車40,140)の公転により対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70,170)に対して相対移動する。
遊星歯車(第一遊星歯車40,140)の側面(第一Pa側面45,第一Pb側面47)および対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70,170)の対向面(第二Pa側面、第一対向面71)の少なくとも一方には、対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70,170)に対する遊星歯車(第一遊星歯車40,140)の相対移動の移動軌跡に応じて閉曲線状に延在する軌道溝(第一Pa軌道溝46、第二Pa軌道溝56、第一Pb軌道溝48、第一キャリア軌道溝72)が形成される。
減速装置1,101は、軌道溝(第一Pa軌道溝46、第二Pa軌道溝56、第一Pb軌道溝48、第一キャリア軌道溝72)の溝方向に沿って移動可能に配置され、遊星歯車(第一遊星歯車40,140)と対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70,170)との間に介在して対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70,170)に対する遊星歯車(第一遊星歯車40,140)の傾動を規制する規制部材(転動体95,96、第一プランジャ175)を備える。
このような構成によると、第一遊星歯車40,140と対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70,170)との間に規制部材(転動体95,96、第一プランジャ175)が介在して、第一遊星歯車40,140の傾動が規制される。これにより、第一遊星歯車40,140と当該第一遊星歯車40,140に並べて設けられた対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70,170)との直接的な接触が防止される。よって、両部材間に発生する接触抵抗を低減して、動力損失の発生を抑制できる。また、第一遊星歯車40,140の傾動が規制されるので、第一遊星歯車40,140の適正な姿勢を保持できる。第二遊星歯車50,150についても同様の効果を奏する。
また、減速装置1,101は、中心軸Acから偏心する方向が異なる複数の遊星歯車(第一遊星歯車40,140、第二遊星歯車50,150)を備える。対向部材は、複数の遊星歯車(第一遊星歯車40,140、第二遊星歯車50,150)の一方である。
このような構成によると、対向部材は、一の遊星歯車(第一遊星歯車40,140)と隣り合う別の遊星歯車(第二遊星歯車50,150)である。そして、2つの遊星歯車40,50(140,150)間に規制部材である転動体95を介在させることにより、遊星歯車40,50(140,150)同士の直接的な接触が抑制され、遊星歯車40,50(140,150)間に発生する接触抵抗を低減できる。
また、遊星歯車(第一遊星歯車40,140)は、中心軸Acに平行な貫通孔を有する。キャリア60,160は、貫通孔を貫通して配置されて遊星歯車(第一遊星歯車40,140)の自転に連動して中心軸Ac周りに公転するピン部材90と、遊星歯車(第一遊星歯車40,140)に対して中心軸Ac方向に並んで配置されてピン部材90を支持するキャリア60,160部材と、を有する。対向部材は、キャリア部材(第一キャリア部材70,170)である。
このような構成によると、対向部材は、第一遊星歯車40,140の自転と連動するキャリア60,160である。そして、第一遊星歯車40,140とキャリア60,160との間に規制部材である転動体96(または第一プランジャ175)を介在させることにより、第一遊星歯車40,140とキャリア60,160の直接的な接触が抑制され、両部材間に発生する接触抵抗を低減できる。
また、遊星歯車(第一遊星歯車40,140)の側面(第一Pa側面45,第一Pb側面47)および対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70)の対向面(第二Pa側面、第一対向面71)には、常に一部が中心軸Ac方向に重畳する環状の軌道溝(第一Pa軌道溝46、第二Pa軌道溝56、第一Pb軌道溝48、第一キャリア軌道溝72)がそれぞれ形成される。
このような構成によると、第一遊星歯車40,140と対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70)のそれぞれに環状の軌道溝46,56(48,72)が形成される。これにより、軌道溝46,56(48,72)の直径は、第一遊星歯車40,140および第二遊星歯車50,150(第一キャリア部材70,170)の一方のみに軌道溝が形成された場合における当該軌道溝の直径と比較して小径に設定することができる。
また、各軌道溝(第一Pa軌道溝46および第二Pa軌道溝56、第一Pb軌道溝48および第一キャリア軌道溝72)の直径は、互いに等しい値に設定される。
このような構成によると、各軌道溝46,56(48,72)の直径を最小にすることができる。また、第一遊星歯車40,140が揺動した場合に、第一Pa軌道溝46(第一Pb軌道溝48)おける転動体95(96)の移動速度と、第二Pa軌道溝56(第一キャリア軌道溝72)おける転動体95(96)の移動速度が等しくなる。これにより、各軌道溝(第一Pa軌道溝46および第二Pa軌道溝56、第一Pb軌道溝48および第一キャリア軌道溝72)における偏摩耗の発生を抑制できる。
また、規制部材(転動体95,96)は、球状の転動体である。
このような構成によると、軌道溝46,56(48,72)に対して転動体95,96が転動するため、摺動により発生する滑り抵抗と比較して、第一遊星歯車40,140の傾動を規制する際に発生する抵抗を小さくできる。これにより、減速装置1,101における動力損失の発生をさらに抑制できる。
また、減速装置1,101は、遊星歯車(第一遊星歯車40,140)に対して中心軸Ac方向の両側に配置された複数の対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70,170)と、遊星歯車(第一遊星歯車40,140)と複数の対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70,170)との間にそれぞれ介在する複数の規制部材(転動体95,96、第一プランジャ175)と、を備える。複数の規制部材(転動体95,96、第一プランジャ175)がそれぞれ配置された中心軸Ac周りの角度および径方向位置は、複数の規制部材(転動体95,96、第一プランジャ175)の一方を基準とした許容範囲(角度範囲Ra、最大離間距離Lm)に他方が収まるように設定される。
このような構成によると、第一遊星歯車40,140は、中心軸Ac方向の両側に配置された複数の規制部材(転動体95,96、第一プランジャ175)により両側への傾動を規制される。これにより、複数の規制部材(転動体95,96、第一プランジャ175)の位置関係によって挟み込まれるように支持されるので、複数の対向部材(第二遊星歯車50,150、第一キャリア部材70,170)に対する第一遊星歯車40,140の直接的な接触が防止されるとともに、第一遊星歯車40,140の適正な姿勢を保持できる。
第二実施形態において、規制部材は、中心軸Ac方向に進退可能に設けられたプランジャ(第一プランジャ175、第二プランジャ185)である。
このような構成によると、規制部材が第一プランジャ175および第二プランジャ185としてユニット化されるので、規制部材(第一プランジャ175、第二プランジャ185)の配置が容易になる。よって、減速装置1,101の組み付け性を向上できる。
<第一実施形態、および第二実施形態の変形態様>
第一、第二実施形態において、第一遊星歯車40,140と第二遊星歯車50,150との間に設けられた傾動規制機構は、第一Pa軌道溝46と第二Pa軌道溝56を同径(偏心量の2倍)に設定されるものとした。これに対して、少なくとも各軌道溝46,56の直径の和が偏心量δの4倍であれば、各軌道溝46,56が1箇所で重畳するため、当該重畳の部位に転動体95を配置して、傾動規制機構を構成できる。
なお、各軌道溝46,56の直径の和が偏心量δの4倍を超えるように設定した場合には、各軌道溝46,56が2箇所で重畳するため、当該重畳の部位の少なくとも一方に転動体95を配置して、傾動規制機構を同様に構成できる。第一Pb軌道溝48と第一キャリア軌道溝72、および第二Pb軌道溝58と第二キャリア軌道溝82の関係においても、各軌道溝48,72(58,82)の和が偏心量δの2倍を基準として、上記と同様の態様を採用することができる。このような構成においても、第一、第二実施形態と同様の効果を奏する。
また、各軌道溝46,56の直径の和が偏心量δの4倍となるように、一方の(例えば第一Pa軌道溝46)の直径を偏心量δの4倍としてもよい。但し、各軌道溝46,56の直径を等しくすることにより、遊星歯車40,50(140,150)が同一構成の部材とすることが可能となるため、組み付け性向上の観点からは、実施形態にて例示した態様が好適である。
なお、第二実施形態においては、第一遊星歯車140と第一キャリア部材170との間の傾動規制機構において、第一遊星歯車140の第一Pb軌道溝148の直径を偏心量δの2倍に設定し、第一キャリア部材170側に軌道溝を設けない構成とした。このように、第二実施形態にて例示したように、第一遊星歯車140の第一Pb側面47と対向部材(第一キャリア部材170)の対向面(第一対向面71)の一方のみに、軌道溝(第一Pb軌道溝148)が形成される構成としてもよい。一方で、第一実施形態にて例示したように、両方に軌道溝(第一Pa軌道溝46、第一キャリア軌道溝72)が形成される構成としてもよい。
また、第一、第二実施形態において、減速装置1,101の傾動規制機構の軌道溝(第一Pa軌道溝46、第一Pb軌道溝48、第二Pa軌道溝56、第二Pb軌道溝58、第一キャリア軌道溝72、および第二キャリア軌道溝82)は、何れも、各部材を軸方向視すると環状をなすようにした。これに限らず、傾動規制機構の軌道溝は、閉曲線状に延在し、転動体95〜97が軌道溝に沿って循環可能に移動できる構成であれば、環状以外の形状を採用することが可能である。このような構成においても、第一、第二実施形態と同様の効果を奏する。
また、第一、第二実施形態において、傾動規制機構における規制部材は、何れも球状の転動体95〜97,175a,185aであるものとした。これに対して、規制部材は、各遊星歯車40,140,50,150と対向部材の間に介在して、対向部材に対する各遊星歯車40,140,50,150の傾動を規制可能であれば、種々の態様を採用し得る。具体的には、規制部材としては、ニードルやブロック体、またはこれらを組み合わせたニードルユニットなどが採用され得る。また、各軌道溝48,72(58,82)は、採用される規制部材の態様に応じて、溝延伸方向に直交する断面形状を適宜設定される。このような構成においても、第一、第二実施形態と同様の効果を奏する。
1,101:減速装置、 40,140:第一遊星歯車(遊星歯車)、 41:歯車本体、 43:外歯、 44:ピン孔(貫通孔)、 45:第一Pa側面(側面,対向面)、 46:第一Pa軌道溝、 47:第一Pb側面(側面)、 48,148:第一Pb軌道溝、 50,150:第二遊星歯車(対向部材)、 51:歯車本体、 53:外歯、 54:ピン孔(貫通孔)、 55:第二Pa側面(側面,対向面)、 56:第二Pa軌道溝、 57:第二Pb側面(側面)、 58,158:第二Pb軌道溝、 60,160:キャリア、 70,170:第一キャリア部材(対向部材)、 71:第一対向面(対向面)、 72:第一キャリア軌道溝、 175:第一プランジャ(規制部材)、 175a:転動体、 80,180:第二キャリア部材(対向部材)、 81:第二対向面(対向面)、 82:第二キャリア軌道溝、 185:第二プランジャ(規制部材)、 185a:転動体、 90:ピン部材、 95〜97:転動体(規制部材)、 Ac:中心軸

Claims (8)

  1. 中心軸から偏心した位置において自転可能に且つ前記中心軸周りに公転可能に支持された揺動型の遊星歯車と、
    前記遊星歯車の自転に連動するキャリアと、
    前記遊星歯車の側面に前記中心軸方向に対向する対向面を有する対向部材と、を備え、
    前記遊星歯車は、当該遊星歯車の公転により前記対向部材に対して相対移動し、
    前記遊星歯車の前記側面および前記対向部材の前記対向面の少なくとも一方には、前記対向部材に対する前記遊星歯車の相対移動の移動軌跡に応じて閉曲線状に延在する軌道溝が形成され、
    前記軌道溝の溝方向に沿って移動可能に配置され、前記遊星歯車と前記対向部材との間に介在して前記対向部材に対する前記遊星歯車の傾動を規制する規制部材を備える減速装置。
  2. 前記減速装置は、前記中心軸から偏心する方向が異なる複数の前記遊星歯車を備え、
    前記対向部材は、複数の前記遊星歯車の一方である、請求項1に記載の減速装置。
  3. 前記遊星歯車は、前記中心軸に平行な貫通孔を有し、
    前記キャリアは、前記貫通孔を貫通して配置されて前記遊星歯車の自転に連動して前記中心軸周りに公転するピン部材と、前記遊星歯車に対して前記中心軸方向に並んで配置されて前記ピン部材を支持するキャリア部材と、を有し、
    前記対向部材は、前記キャリア部材である、請求項1または2に記載の減速装置。
  4. 前記遊星歯車の前記側面および前記対向部材の前記対向面には、常に一部が前記中心軸方向に重畳する円形の前記軌道溝がそれぞれ形成される、請求項2または3に記載の減速装置。
  5. 各前記軌道溝の直径は、互いに等しい値に設定される、請求項4に記載の減速装置。
  6. 前記規制部材は、球状の転動体である、請求項1−5の何れか一項に記載の減速装置。
  7. 前記減速装置は、
    前記遊星歯車に対して前記中心軸方向の両側に配置された複数の前記対向部材と、
    前記遊星歯車と複数の前記対向部材との間にそれぞれ介在する複数の前記規制部材と、を備え、
    複数の前記規制部材がそれぞれ配置された前記中心軸周りの角度および径方向位置は、複数の前記規制部材の一方を基準とした許容範囲に他方が収まるように設定される、請求項1−6の何れか一項に記載の減速装置。
  8. 前記規制部材は、前記中心軸方向に進退可能に設けられたプランジャである、請求項1−7の何れか一項に記載の減速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110953122A (zh) * 2019-09-25 2020-04-03 李荣德 一种流体动能发电机

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