JP3844618B2 - 内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置の内歯揺動体の製造方法 - Google Patents

内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置の内歯揺動体の製造方法 Download PDF

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    • F16H2001/323Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion in which the central axis of the gearing lies inside the periphery of an orbital gear comprising eccentric crankshafts driving or driven by a gearing

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外歯歯車と、該外歯歯車と噛合し自身を貫通する偏心体の回転によって揺動回転させられることで前記外歯歯車を回転させる内歯揺動体とを備えた内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置の前記内歯揺動体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内接噛合遊星歯車装置は、大トルクの伝達が可能であり且つ大減速比が得られるという利点があるので、種々の減速機分野で数多く使用されている。
【0003】
その中で、外歯歯車と噛合する内歯揺動体を偏心体によって揺動回転させることにより外歯歯車から回転出力を取り出す内歯揺動型の内接噛合遊星歯車装置が特許公報第2607937号にて知られている。
【0004】
図4、図5を用いて同歯車装置の一例を説明する。
【0005】
1はケーシングであり、互いにボルトやピン等の締結部材2で結合された第1支持ブロック1Aと第2支持ブロック1Bとからなる。5は入力軸で、入力軸5の端部にはピニオン6が設けられ、ピニオン6は、入力軸5の周りに等角度に配設された複数の伝動歯車7と噛合している。
【0006】
ケーシング1には、軸方向両端を軸受8、9によって回転自在に支持され且つ軸方向中間部に偏心体10A、10Bを有する3本の偏心体軸10が、円周方向に等角度間隔(120度間隔)で設けられており、前記伝動歯車7は各偏心体軸10の端部に結合されている。そして、入力軸5の回転を受けて伝動歯車7が回転することにより、各偏心体軸10が回転するようになっている。
【0007】
各偏心体軸10は、ケーシング1内に収容された2枚の内歯揺動体12A、12Bの偏心体孔11A、11Bをそれぞれ貫通しており、各偏心体軸10の軸方向に隣接した2段の偏心体10A、10Bの外周と、内歯揺動体12A、12Bの偏心体孔11A、11Bの内周との間にはコロ14A、14Bが設けられている。
【0008】
なお、内歯揺動体12A、12Bが2枚設けられているのは、トルク容量を確保することのほかに、該2枚の内歯揺動体12A、12Bが偏心揺動するときの位相を180°ずらす(互いに常に反対方向に揺動させる)ことにより、偏心揺動によって生じる遠心モーメントを相殺させ、軸周りの動荷重バランスをとるようにしているためである。
【0009】
従って、内歯揺動体は用途によっては3枚以上設けられることもある。内歯揺動体がN枚設けられた場合、各内歯揺動体の偏心位相を360°/Nずつ円周方向にずらすと、それぞれの内歯揺動体が偏心揺動することによって発生する遠心モーメントを全体としてほぼ相殺できる。
【0010】
ケーシング1内の中心部には、出力軸20の端部に一体化された外歯歯車21が回転自在に配されており、外歯歯車21の外歯23に、内歯揺動体12A、12Bの内歯13(後述)が噛合している。内歯揺動体12A、12Bは、偏心体10A、10Bを支持する部分と内歯13部分を除いて残りの部分を切り欠いて構成されており、これによって第1、第2の支持ブロック1A、1Bの特に結合部分の断面積を大きくとれるようになっている。
【0011】
この種の内接噛合遊星歯車装置においては、一般に、内歯揺動体12A、12Bの内歯13は、(該内歯揺動体12A、12Bの軸方向に形成された)半円筒状の溝(内歯ベース)13aと、この溝13aに係合するピン13bとによって構成されている。それは、この内歯揺動体12A、12Bの内歯13と外歯歯車21の外歯23は違いに擦れ合いながら噛合するため、両者の噛合時の摺動摩擦をできるだけ小さくするようにしたためである。このためピン13bは半円筒状の溝13a内で自由に回転できるようになっている。
【0012】
この溝(内歯ベース)13aは一般に「外ピン穴」と呼ばれている。また、この溝13aに係合されるピン13bは一般に「外ピン」と呼ばれている。
【0013】
この装置は次のように動作する。
【0014】
入力軸5の回転は、ピニオン6を介して伝動歯車7に与えられ、伝動歯車7によって偏心体軸10が回転させられる。偏心体軸10の回転により偏心体10が回転させられると、該偏心体10の回転によって内歯揺動体12A、12Bが揺動回転する。この場合、内歯揺動体12A、12Bの1回の揺動回転によって、該内歯揺動体12A、12Bと噛合する外歯歯車21はその歯数差だけ位相がずれるので、その位相差に相当する自転成分が外歯歯車21の(減速)回転となり、出力軸20から減速出力が取り出される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
この種の内接噛合遊星歯車装置においては、その構造上、外歯歯車の歯数と内歯揺動体の歯数との差が「1」であるときに最も高い減速比を得ることができる。そのため、該歯数差を1に設定するのが一般的である。
【0016】
ところが、歯数差を1に設定し、且つ内歯揺動体の枚数を例えば2枚に設定した場合、外歯歯車と内歯揺動体の各ペアの相対回転位相を互いに180°ずらすには該外歯歯車又は内歯揺動体のペアの組み込み位相を、他のペアのそれに対して半位相分(半歯分)分だけずらす必要がある。そのため、従来は次のような加工上の工夫をする必要があった。
【0017】
A)図7に示されるように、外歯歯車を共通を前提とし、2枚の内歯歯車の内歯入力用の偏心体孔11A、11Bの位相を各内歯13A、13Bに対して半位相分だけずらす。
【0018】
これを実現するには、もし、2枚の内歯13A、13Bを同時加工する場合は、該同時加工した内歯13A、13Bを基準に2枚の内歯揺動体の偏心体孔11A、11Bを互いに半位相分だけずらして後加工しなければならない。逆に、入力用の偏心体孔11A、11Bを同時加工する場合は、該同時加工した入力用の偏心体孔11A、11Bを基準に2枚の内歯揺動体の内歯を互いに半位相分だけずらして後加工しなければならない。
【0019】
B)図8に示されるように、各内歯揺動体12A、12Bの内歯と噛合する外歯歯車21の外歯23の部分をその軸方向で互いに半位相分ずらして加工する。
【0020】
これを実現するには、現実には例えば外歯歯車21を別々に歯切りし、互いに半位相分だけずらした状態で合体させる必要がある。
【0021】
A)、B)いずれの方法によっても、一度ある部分を加工した後、いずれかを相対的に半位相ずらした後に残った部分を後加工する必要があり、そのため、A)の場合は内歯揺動体12A、12Bの偏心体孔11A、11Bと内歯13A、13Bの(位相角を含めた)相対位置関係、B)の場合は外歯歯車21の軸芯Oと外歯23A、23Bの相対位置関係を高精度に維持するのが非常に難しく、極めて高度な加工技術が要求されるとともに、高コストな加工装置が必要とされた。
【0022】
言うまでもなく、これらの相対位置関係が高精度に維持された状態で加工されないと、2枚の内歯揺動体12A、12Bが円滑に共同して外歯歯車21の回りで噛合・揺動することができなくなり、噛合摩擦が激増し、騒音が増大するとともに、耐久性が低下し、またエネルギーロスも増大する。
【0023】
本発明は、このような従来の問題に鑑みて為されたものであって、この種の内接噛合歯車装置において、2枚、あるいは3枚以上の内歯揺動体を用いた場合であっても、高度な加工技術や高コストな製造装置を用いることなく、外歯歯車の軸芯と外歯、あるいは内歯揺動体の偏心体孔と内歯の(位相角を含めた)相対位置関係を常に高精度に維持し、以って、内歯揺動体の円滑な噛合・揺動を実現し、低騒音で耐久性が高く、かつエネルギーロスを低くすることのできる内歯揺動体の製造方法を提供することをその課題とする。
【0024】
【課題を解決するため手段】
本発明は、外歯歯車と、該外歯歯車と噛合し自身を貫通する偏心体の回転によって揺動回転させられることで前記外歯歯車を回転させる内歯揺動体とを備えた内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置の前記内歯揺動体の製造方法において、前記内歯揺動体を2枚備えると共に、前記内歯揺動体の各々の内歯又は内歯ベースの数を、偶数に設定し、前記内歯揺動体の内歯又は内歯ベースの数と前記外歯歯車の外歯の数との差を2に設定し、前記2枚の内歯揺動体を重ねた状態で、各々の内歯又は内歯ケース、及び内部に形成された貫通孔を含めて、該2枚の内歯揺動体を同一のチャッキングのまま加工することにより、上記課題を解決したものである。
【0025】
この請求項1に係る発明は、実用上最も多用される内歯揺動体が2枚の場合に限定して構成を特定したものである。
【0026】
これに対し、請求項2に係る発明は、内歯揺動体がN枚の場合に普遍的に適用できる。即ち、外歯歯車と、該外歯歯車と噛合し自身を貫通する偏心体の回転によって揺動回転させられることで前記外歯歯車を回転させる内歯揺動体とを備えた内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置の前記内歯揺動体の製造する場合であって、前記内歯揺動体をN枚備える場合は、前記内歯揺動体の各々の内歯又は内歯ベースの数を、前記Nの整数倍に設定し、前記内歯揺動体の内歯又は内歯ベースの数と前記外歯歯車の外歯の数との差をNの整数倍に設定し、前記N枚の内歯揺動体を重ねた状態で、各々の内歯又は内歯ケース、及び内部に形成された貫通孔を含めて、全内歯揺動体を同一のチャッキングのまま加工するようにすればよい。
【0027】
すなわち、一般に、前述したように内歯揺動体が2枚であるときは360゜/2=180゜だけ両内歯揺動体の最大偏心方向がずらされ、一方、内歯揺動体がN枚であったときには360゜/Nだけ各内歯揺動体の最大偏心方向の位相がずらされるように設定される。これは、各内歯揺動体のそれぞれの最大偏心方向を円周方向に均等に分散させることにより、増減速機の運転時の動的バランスを良好に維持することができるようになるためである。
【0028】
ここで本発明では、内歯揺動体の内歯(あるいは内歯ベース)の数を該内歯揺動体の枚数Nの整数倍に設定し、しかも内歯揺動体との歯数差もNの整数倍に設定するようにする。
【0029】
このように設定すると、複数の内歯揺動体の全てを(従来のように1度チャッキングを解いて回転させるのではなく)同一のチャッキングのまま同一形状に加工し、それぞれの内歯揺動体を最大偏心方向にそのまま平行移動した状態で組み付けれることができるようになり、且つ、運転状態においてもそれぞれをこの最大偏心方向にずらした状態を維持することができる。
【0030】
その結果、各内歯揺動体の偏心体孔と内歯との相対位置関係は、どの組み合わせにおいても必ず加工機械の精度そのものに維持されることになる。例えば、一方の内歯揺動体の偏心体孔は、同じ内歯揺動体の内歯との相対位置関係が精度良く維持されるのはもちろん、他方の内歯揺動体の偏心体孔及び内歯に対してもその相対位置関係が精度良く維持されることになる。従って、各内歯揺動体のそれぞれの最大偏心方向を円周方向に均等に分散させるようにしながら、全ての内歯揺動体の円滑な噛合・揺動を実現でき、低騒音で耐久性が高く、かつエネルギーロスをが低い装置を得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0032】
本発明が適用された内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置は、内歯揺動体112A、112Bの内歯113A、113B、及び外歯歯車121の外歯123の構成が異なるだけで、その他の構成は基本的に図4、図5を用いて説明した従来の内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置と基本的に同一であって構わない。
【0033】
よって、図1に、図6〜図8に相当する断面図を示し、先ず図1を用いて本実施形態の原理的な特徴を詳細に説明する。なお、理解を容易にするために、図1においては2枚の内歯歯車112A、113Bを同時に描き出しており、且つ、従来の装置と同一又は類似部分には下2桁が同一の符号を付してある。
【0034】
内歯揺動体112A、112Bには図示せぬ偏心体が貫通する偏心体孔111A、111Bが形成されている。この内歯揺動体112A、112Bは外歯歯車121と噛合しており、偏心体孔111A、11Bに挿入された偏心体の回転によって揺動回転させられ、この揺動回転によって外歯歯車121を回転させる。この基本構造自体は従来と同様である。内歯揺動体112A、112Bの内歯113A、113Bは、基本的に従来と同様に、半円筒状の外ピン穴(溝)113Aa、113Baこの外ピン穴113Aa、113Baと係合する外ピン113Ab、113Bbとによって構成されているが、逆に外歯123の方が外ピン構造とされていてもよい。なお必要時以外は以下単に内歯揺動体112、内歯113と言う。
【0035】
内歯揺動体112の枚数Nは、この実施形態では2枚、即ち、N=2である。従って、両内歯揺動体112は、互いに180°(即ち半位相分)位相がずれた状態で揺動回転させる必要があり、そのために内歯揺動体112の内歯113、及び外歯歯車121の外歯123は次のような構成とされている。
【0036】
即ち、この2枚の内歯揺動体112の各々の内歯113の数は80(偶数)に設定されている。一方、外歯歯車121の外歯123の歯数は78であり、内歯113との歯数の差が2(偶数)に設定されている。つまり、この実施形態の場合は内歯揺動体112の枚数が2枚(N=2)であることから、内歯揺動体112の内歯113の数をNの整数倍である80に設定し、一方、内歯揺動体112の内歯113の数80と外歯歯車121の外歯123の数78との差をNの整数倍である2に設定したものである。この2枚の内歯揺動体112は、それぞれの内歯113及び偏心体孔111とも同時に(同一のチャキングのまま)、2枚一緒に加工・製造される。即ち、2枚の内歯揺動体112は同一のチャッキングで同時に加工されており、偏心体孔111の位置、内歯(外ピン穴)113の数、形状とも全く同一である。
【0037】
従って、各内歯揺動体112の偏心体孔111と内歯113との相対位置関係は、どの組み合わせにおいても必ず加工機械の精度そのものに維持されることになる。例えば、一方の内歯揺動体112Aの偏心体孔111Aは、同じ内歯揺動体112Aの内歯113Aとの相対位置関係が精度良く支持されるのはもちろん、他方の内歯揺動体112Bの偏心体孔111B及び内歯113Bに対してもその相対位置関係が精度良く維持されることになる。
【0038】
この結果、内歯揺動体112の加工精度は、従来の1度チャッキングを解いて一方の内歯揺動体12A又は12Bのみを半位相分回転させた後に再加工して作製した内歯揺動体12のそれに比べて遙かに高く、それだけ運転時の噛合摩擦を低減できるようになる。
【0039】
しかも、この同時に同一形状に加工された2枚の内歯揺動体112は、自身の歯数、及び外歯歯車121の歯数に対する歯数差が上述したようにNの関数として設定されているため、それぞれを180°方向に(回転させずに)互いに離反させるようにして組み付けることができ、且つ、この離反状態をそのまま運転中においても維持することができる。
【0040】
この結果、各内歯揺動体112のそれぞれの最大偏心方向を180°ずらし、即ち、互いの遠心モーメントを相殺させるようにしながら(円周方向に均等に分散させるようにしながら)、該2枚の内歯揺動体112と外歯歯車121との円滑な噛合を実現でき、低騒音で耐久性が高く、かつエネルギーロスをが低い装置を得ることができる。
【0041】
次に、上記構成を具体的な内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置に適用した実施形態について説明する。
【0042】
この実施形態では、本発明により内歯揺動体の形状がどのようなものであっても、該内歯揺動体の内部に形成される偏心体孔と内歯(あるいは内歯ベース)とを同一のチャッキングで同時に加工でき、しかも、全ての内歯揺動体を内歯の位相を含めて同じ形状に加工すればよくなることを利用して、内歯揺動体を(用途に応じて)複雑な形状としている。このように、本発明では内歯揺動体の形状が複雑で、チャッキングを解いて所定の位相分だけ回転させたうえで再チェックキングするのが困難な場合に特に有益である。
【0043】
図2に示すこの内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置(以下、単に「歯車装置」という)200は、これ自体未だ公知になっていない構成であるため、少し詳しく説明する。図2は、この歯車装置200の軸方向に直交する断面図(図3のII− II矢視断面図)、図3は図2のIII−III矢視断面図である。
【0044】
この歯車装置200は、ボルト等の締結部材202によって互いに結合された第1支持ブロック201Aと第2支持ブロック201Bからなるケーシング201を有する。ケーシング201内の外周側の位置には、歯車装置200の中心 (外歯歯車221及び出力軸220の中心)Oの周りに、3本の偏心体軸210、215、215が、軸受208、209、218、219を介してそれぞれ回転自在に配されている。
【0045】
図2に示すように、3本の偏心体軸210、215、215のうち、2本の偏心体軸215、215は、120度より小さい角度間隔(本例では70度)で片側に寄せて配置され、残りの1本の偏心体軸210は、それらと歯車装置200の中心Oを挟んで反対側に離れて配置されている。ここでは、離れた方の偏心体軸210は、他の2本の偏心体軸215、215から等角度(本例では245度)の位置に配置されている。
【0046】
従って、3本の偏心体軸210、215、215は、歯車装置200の中心Oを基準とした円周方向に不等間隔で配置されている。但し、3本の偏心体軸210、215、215は、歯車装置200の中心Oを中心とする同一円周上に配されている。
【0047】
図3において、205は歯車装置200の中心Oと同心に配設された入力軸であり、この入力軸205の端部にはピニオン206が設けられている。ピニオン206は、各偏心体軸210、215の端部に結合された伝動歯車207と噛合している。そして、入力軸205の回転を受けて伝動歯車207が回転することにより、各偏心体軸210、215が回転するようになっている。
【0048】
各偏心体軸210、215は、ケーシング201内に収容した2枚の内歯揺動体212A、212Bの偏心体孔211A、211B、211A′、211B′をそれぞれ貫通しており、各偏心体軸210、215の軸方向中間部に隣接して形成された2段の偏心体210A、210B、215A、215Bの外周と、内歯揺動体212A、212Bの偏心体孔211A、211B、211A′、211B′の内周との間にはコロ214A、214B、214A′、214B′が設けられている。
【0049】
一方、ケーシング201内の中心部には、出力軸220の端部に一体化された外歯歯車221が配されており、外歯歯車221のトロコイド歯形よりなる外歯223に、内歯揺動体212A、212Bのピンからなる円弧歯形状の内歯213が噛合している。内歯揺動体212A、212Bは、偏心体210A、210B、215A′、215B′を支持する部分と内歯213A、211B部分を除いて、残りの余分な部分を切り欠いた形状に形成されている。
【0050】
ここで、接近した2本の偏心体軸215は小径に形成されているが、離れた1本の偏心体軸210は、それらよりも大径に形成されている。これは、偏心体軸210、215を不等間隔で配したことにより各偏心体軸210、215への負荷のかかり方が異なってくるので、その対策として実行したものである。これに伴って偏心体210A、210Bの径や、軸受208、209、218、219のサイズも異ならせている。但し、偏心体210A、120Bの偏心量は全部同じに設定している。このようにすることで、各偏心体軸210、215や軸受208、209、218、219の負担を平均化して、寿命の均等化、つまり偏心体軸210、215や軸受208、209、218、219等の耐久性が等しくなるようにしている。
【0051】
本実施形態の歯車装置200でも、入力軸205の回転が減速回転となって出力軸220に取り出される動作については従来例と同じであるが、偏心体軸210、215、215を円周方向に不等間隔で配置しており、特に片側に寄せた2本の偏心体軸215、215同士が互いに接近するので、それらを結ぶ直線方向の装置寸法が大幅に縮小できるようになる。例えば、従来は偏心体軸を円周方向に等配する関係上、装置が円形を基本とする形状になっていたが、本実施形態では、内歯揺動体212A、212Bを始めとしてケーシング201も、円形ではなく、細長い形状にすることができ、装置の幅寸法を大幅に短縮することができて、全体として細長い形状の歯車装置200を作ることができる。
【0052】
この実施形態に係る歯車装置200のように、内歯揺動型の内接噛合遊星歯車装置は、外周側の内歯揺動体が揺動する構成であるため、該内歯揺動体の形状を周囲の機械装置との関係で様々な形状とすることが要求される場合がある。
【0053】
従来のチャッキングを解いた上で内歯揺動体を回転させ、各内歯揺動体の内歯の位相を調整・加工する製造方法においては、このように内歯揺動体が特殊な形状とされていたり、偏心体孔が円周方向で等間隔に設けられていないような場合には、最終的に形成されるそれぞれの内歯揺動体の偏心体孔及び内歯の相対位置関係を精度良く規定するのは至難であった。
【0054】
その結果、現実的にはこの相対位置関係のばらつきが原因で噛合不良が発生し、これによって騒音の増大、耐久性の低下、あるいは伝達エネルギーのロス等が引き起こされていた。
【0055】
本発明では、この実施形態にかかる歯車装置200のように、内歯揺動体がたとえどんなに複雑な形状とされ、その内部にどのような形状の貫通孔がどのような位置に形成されていたとしても、全ての内歯揺動体を同一のチャッキングで同じ形状に形成できるようになると共に、該内歯揺動体を最大偏心方向に偏心させた状態で組み込みできるようになり、上述した問題をすべて解消することができる。
【0056】
なお、上記実施形態においては内歯揺動体の枚数が2枚、即ちNが2に設定されていたが、本発明はこの例に限定されず、内歯揺動体の枚数Nが3以上の場合でも適用可能である。その場合は、内歯揺動体の内歯(外ピン穴)の数を該内歯揺動体の枚数Nの整数倍に設定し、且つ、内歯揺動体と外歯歯車の外歯との歯数差がNの整数倍となるように設定する。
【0057】
具体的には、例えば、内歯揺動体の枚数が3(N=3)の場合に、外歯歯車の歯数が66、内歯揺動体の内歯の数が69であれば、N=3のときに内歯揺動体の歯数が3の倍数となっており、且つ内歯揺動体と外歯歯車上の歯数差が3の倍数となっているため、この3枚の内歯揺動体は、それぞれN/360°=120°の方向に互いに離反させるように平行移動して組み込むことができ、且つ、運転時においてもその離反状態を維持することができる。
【0058】
その結果、各内歯揺動体212の運転時の位相をN/360度ずつ(最大偏心方向に)精度良くずらすことができようになる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、内歯揺動体が複数枚ある場合であっても、それぞれの内歯揺動体の偏心体孔と内歯との位相との相対位置関係を位相角を含めて非常に高く維持でき、噛合摩擦を低減させることにより低騒音で耐久性を高く維持でき、かつエネルギーロスを小さくすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る内歯揺動体と外歯歯車との噛合状態を示す図3の要部に相当する断面図
【図2】上記噛合状態を具体的な内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置に適用した、図4相当の縦断面図
【図3】図2の矢印III− III線に沿う断面図
【図4】従来の内歯揺動体が2枚の内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置を示す縦断面図
【図5】図4の矢印V−V線に沿う断面図
【図6】従来の内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置において2枚の内歯揺動体の位相を考慮しなかった場合の干渉状態を示す図1相当の要部断面図
【図7】従来の内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置において2枚の内歯揺動体の位相を180°分(半位相)だけずらすための1つの方法を示す図1相当の要部断面図
【図8】同じく他の方法を示す図1相当の要部断面図
【符号の説明】
111A、111B…偏心体孔
112A、112B…内歯揺動体
113A、113B…内歯
121…外歯

Claims (2)

  1. 外歯歯車と、該外歯歯車と噛合し自身を貫通する偏心体の回転によって揺動回転させられることで前記外歯歯車を回転させる内歯揺動体とを備えた内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置の前記内歯揺動体の製造方法において、
    前記内歯揺動体を2枚備えると共に、
    前記内歯揺動体の各々の内歯又は内歯ベースの数を、偶数に設定し、
    前記内歯揺動体の内歯又は内歯ベースの数と前記外歯歯車の外歯の数との差を2に設定し、
    前記2枚の内歯揺動体を重ねた状態で、各々の内歯又は内歯ケース、及び内部に形成された貫通孔を含めて、該2枚の内歯揺動体を同一のチャッキングのまま加工する
    ことを特徴とする内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置の内歯揺動体の製造方法。
  2. 外歯歯車と、該外歯歯車と噛合し自身を貫通する偏心体の回転によって揺動回転させられることで前記外歯歯車を回転させる内歯揺動体とを備えた内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置の前記内歯揺動体の製造方法において、
    前記内歯揺動体をN枚備えると共に、
    前記内歯揺動体の各々の内歯又は内歯ベースの数を、前記Nの整数倍に設定し、
    前記内歯揺動体の内歯又は内歯ベースの数と前記外歯歯車の外歯の数との差をNの整数倍に設定し、
    前記N枚の内歯揺動体を重ねた状態で、各々の内歯又は内歯ケース、及び内部に形成された貫通孔を含めて、全内歯揺動体を同一のチャッキングのまま加工する
    ことを特徴とする内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置の内歯揺動体の製造方法。
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