JPH10141448A - 遊星歯車減速装置 - Google Patents

遊星歯車減速装置

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JPH10141448A
JPH10141448A JP31417496A JP31417496A JPH10141448A JP H10141448 A JPH10141448 A JP H10141448A JP 31417496 A JP31417496 A JP 31417496A JP 31417496 A JP31417496 A JP 31417496A JP H10141448 A JPH10141448 A JP H10141448A
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JP
Japan
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carrier
support shaft
shaft
peripheral surface
retaining ring
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Application number
JP31417496A
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English (en)
Inventor
Shinobu Yamamoto
忍 山本
Nobuo Uzawa
信夫 鵜沢
Takeshi Kurihara
猛 栗原
Yuji Igawa
裕二 井川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/08General details of gearing of gearings with members having orbital motion
    • F16H57/082Planet carriers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 遊星歯車減速装置において、減速歯車機構を
なす支持軸をキャリアに片持するときの支持軸の抜止め
を簡単な構造で行うことができる。 【解決手段】 支持軸35の外周側には環状の係止溝3
5Bを形成し、キャリア36の軸穴36Cの内周面には
環状の係止溝36Eを形成し、各係止溝35Bと36E
との間には跨がっった状態で拡径型の止め輪37を係止
させる。この止め輪37によって、支持軸35のキャリ
ア36に対する抜止めを図った状態で、支持軸35をキ
ャリア36に片持支持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に設けられ、走行用油圧モータまたは旋
回モータ等の回転を減速するのに好適に用いられる遊星
歯車減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図11と図12に従来技術による遊星歯
車減速装置として油圧ショベルの旋回装置を例に挙げて
示す。
【0003】図中、1は下部走行体(図示せず)の一部
を構成する丸胴2と旋回フレーム3との間に設けられた
旋回装置で、該旋回装置1は、後述のカバー13の上面
側に設けられ、圧油の給排によって回転軸4Aを回転駆
動させる旋回モータ4と、該旋回モータ4と対向して丸
胴2の上端側に設けられた旋回輪5と、前記旋回モータ
4と該旋回輪5との間に設けられた後述する遊星歯車減
速装置9とから構成されている。
【0004】ここで、前記旋回輪5は、丸胴2の上端側
に固着され、内周面に内歯6Aが全周に亘って形成され
た内輪6と、旋回フレーム3の下面側に固着された外輪
7と、該外輪7と内輪6との間に多数個配設され、内輪
6に対して外輪7が旋回するのを補償する複数のボール
8(1個のみ図示)とから構成され、該内輪6の内歯6
Aは、後述するピニオンシャフト15に噛合している。
そして、該旋回輪5は、ピニオンシャフト15が回転し
たときに、外輪7が内輪6の周囲を旋回フレーム3と共
に旋回するのを許すものである。
【0005】9は旋回モータ4と旋回輪5との間に設け
られ、例えば1段の減速段からなる遊星歯車減速装置
で、該遊星歯車減速装置9は、旋回フレーム3上に固着
された段付筒状のハウジング10と、該ハウジング10
内に設けられた後述する減速歯車機構16と、ピニオン
シャフト15とから構成されている。そして、該遊星歯
車減速装置9は旋回モータ4の回転軸4Aの回転を減速
し、回転トルクを増大させて旋回輪5に伝達する。
【0006】ここで、前記ハウジング10は、段付の略
円筒状に形成された下側ハウジング11と、該下側ハウ
ジング11の上に設けられ、内周面に内歯車としての各
内歯12Aが全周に亘って形成された略円筒状の上側ハ
ウジング12と、該上側ハウジング12の上端側を施蓋
するように設けられ、上面側に旋回モータ4が取付けら
れたカバー13とから構成され、下側ハウジング11,
上側ハウジング12,カバー13は長尺なボルト14に
よって一体的に固着している。
【0007】15は下側ハウジング11に回転自在に支
持された出力軸としてのピニオンシャフトを示し、該ピ
ニオンシャフト15の上端側外周には全周に亘って外歯
15Aが形成され、該各外歯15Aは後述するキャリア
21の各内歯21Dと噛合することにより、ピニオンシ
ャフト15を旋回モータ4の回転に基づき減速回転させ
る。また、該ピニオンシャフト15の下端側は旋回フレ
ーム3の下側へと突出してピニオン15Bとなり、該ピ
ニオン15Bは旋回輪5の内輪6に形成された内歯6A
と噛合している。そして、該ピニオンシャフト15は旋
回輪5に対しピニオン15Bと共に内輪6の内歯6Aを
介して自転しつつ公転し、この公転力によりハウジング
10を介して旋回モータ4を下部走行体上で旋回させ
る。
【0008】16はカバー13の下側に位置して上側ハ
ウジング12内に配設された減速歯車機構を示し、該減
速歯車機構16は、旋回モータ4の回転軸4Aにスプラ
イン結合された太陽歯車17と、該太陽歯車17と上側
ハウジング12の各内歯12Aとに噛合し、該太陽歯車
17の周囲を自転しつつ公転する例えば3個の遊星歯車
18と、該各遊星歯車18を軸受19を介して回転可能
に支持する3本の支持軸20(1本のみ図示)と、該各
支持軸20を片持状態で支持し、前記各遊星歯車18の
公転のみを前記ピニオンシャフト15に伝達するキャリ
ア21とからなる。
【0009】ここで、前記支持軸20には、その上側に
後述する止め輪25が係止される環状溝20Aが全周に
形成され、下側に抜止めピン22が挿嵌されるピン挿嵌
穴20Bが径方向に穿設されている。
【0010】また、前記減速歯車機構16のキャリア2
1は、図12に示すように、略円板状に形成された支持
板21Aと、該支持板21Aから下側に突出したボス部
21Bと、前記支持板21Aに所定距離を離間して穿設
された3個の大径な軸穴21C(1個のみ図示)と、前
記支持板21Aとボス部21Bの内周面全周に亘って刻
設された内歯21Dと、前記支持板21Aの外周側から
軸穴21Cに向けて穿設され、前記抜止めピン22が挿
嵌される小径なピン挿嵌穴21Eとから構成されてい
る。
【0011】そして、前記キャリア21の各内歯21D
は、図11に示すように、ピニオンシャフト15の各外
歯15Aに噛合して該各外歯15Aと共にスプライン結
合することにより、ピニオンシャフト15をキャリア2
1と一体回転させ、減速歯車機構16によって減速され
た旋回モータ4の回転をピニオンシャフト15に大きな
回転トルクをもって伝達する。
【0012】22はピン挿嵌穴21Eと20B内にキャ
リア21の外側から挿嵌される抜止めピンで、該抜止め
ピン22によって支持軸20のキャリア21に対する抜
止めと回止めを行っている。
【0013】23,24は円板状のスペーサ、25はC
字状の止め輪をそれぞれ示し、該スペーサ23は軸受1
9の上側に配設され、スペーサ24は軸受19の下側に
位置して配設されている。また、止め輪25は支持軸2
0の上側に位置した環状溝20Aに係止されている。
【0014】このように、支持軸20に対して遊星歯車
18を支持するには、該支持軸20に、スペーサ24、
遊星歯車18に圧入嵌合された軸受19、スペーサ23
を順に挿入した後に、止め輪25を環状溝20Aに係止
して、支持軸20に対して遊星歯車18を回転支持す
る。また、支持軸20はキャリア21の軸穴21Cに挿
入し、ピン挿嵌穴21Eから支持軸20のピン挿嵌穴2
0Bに抜止めピン22を挿嵌し、支持軸20のキャリア
21に対する抜止めを図る。これにより、遊星歯車18
は支持軸20によってキャリア21に支持されている。
【0015】このように構成される旋回装置1では、下
部走行体上で上部旋回体を旋回させる場合に、旋回モー
タ4に外部から圧油を給排すると回転軸4Aが回転し、
この回転は遊星歯車減速装置9のハウジング10内で減
速歯車機構16の太陽歯車17から各遊星歯車18に伝
えられ、該各遊星歯車18は太陽歯車17と上側ハウジ
ング12の各内歯12Aとに噛合することにより、太陽
歯車17の周囲を自転しつつ公転し、この公転をキャリ
ア21からスプライン結合を介してピニオンシャフト1
5に伝えるので、旋回モータ4の回転は大きく減速さ
れ、ピニオンシャフト15に高トルクの回転が伝えられ
る。
【0016】そして、該ピニオンシャフト15のピニオ
ン15Bは旋回輪5の内歯6Aに噛合し、該旋回輪5は
内輪6が下部走行体の丸胴2に固着され、外輪7が上部
旋回体の旋回フレーム3に固着されているから、ピニオ
ン15Bは内輪6の内歯6Aを介して自転しつつ公転
し、この公転がピニオンシャフト15からハウジング1
0を介して旋回フレーム3に伝達され、上部旋回体の全
体が下部走行体上で旋回する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、図12に示す如く、支持軸20にピン挿嵌
穴20Bを穿設し、キャリア21にピン挿嵌穴21Eを
穿設し、該ピン挿嵌穴20Bと21Eとの間に抜止めピ
ン22を挿嵌することにより、キャリア21に対する支
持軸20の抜止めを行っていた。しかし、抜止めピン2
2は、キャリア21の外側からピン挿嵌穴21Eと20
B内に挿嵌されているから、遊星歯車減速装置9の駆動
によって生じるキャリア21の回転力等により、該支持
軸20がキャリア21から抜け落ちる可能性がある。
【0018】これを防止するために、従来技術では、抜
止めピン22をキャリア21に挿嵌した後に、ピン挿嵌
穴21Eの開口部分の周囲をかしめて、抜止めピン22
のストッパを形成している。このため、キャリア21に
支持軸20を支持するときの作業工数が増加してしまう
という問題が発生する。
【0019】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は簡単な構造で、キャリアに対し
て片持状態で支持された支持軸の抜止めを行うことので
きる遊星歯車減速装置を提供することを目的としてい
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明による遊星歯車減速装置は、内
周面に内歯車が形成され、外部に回転源が設けられる筒
状のハウジングと、該ハウジング内に設けられ、前記回
転源の回転を減速して出力軸に出力する1段または複数
段からなる減速歯車機構とを有し、該減速歯車機構は前
記回転源に連結された太陽歯車と、該太陽歯車と前記内
歯車とに噛合して該太陽歯車の周囲を自転しつつ公転す
る複数個の遊星歯車と、該各遊星歯車をそれぞれ回転可
能に支持する支持軸と、該各支持軸を片持状態で支持
し、前記遊星歯車の公転のみを次段の太陽歯車または前
記出力軸に出力するキャリアとを備えている。
【0021】そして、本発明が採用する構成の特徴は、
前記キャリアには前記支持軸の端部を挿入する軸穴を設
け、前記支持軸の端部外周面と前記軸穴の内周面にはそ
れぞれ係止溝を設け、前記キャリアの軸穴に対して前記
支持軸の端部を抜止め状態で係止させるために前記各係
止溝間に環状の係止リングを設けたことにある。
【0022】このように構成することにより、キャリア
側の係止溝と支持軸側の係止溝との間にそれぞれ跨がっ
て係止リングが係止され、支持軸はこの係止リングを介
してキャリアに対して抜止めされた状態で一体化され
る。
【0023】請求項2の発明では、係止リングを、拡径
型または縮径型のC字形状をなす止め輪によって形成し
たことにある。
【0024】このように構成することにより、止め輪が
拡径型の場合には、支持軸をキャリアの軸穴に挿入する
ときには、該止め輪は支持軸側の係止溝に縮径させて収
容した状態でキャリアの軸穴内に挿入することによっ
て、キャリア側の係止溝と支持軸側の係止溝とが一致し
たときに、止め輪が自動的に拡径し、止め輪を各係止溝
に係止させることができる。
【0025】一方、止め輪が縮径型の場合には、支持軸
をキャリアの軸穴に挿入するときには、該止め輪はキャ
リア側の係止溝に拡径させて収容した状態でキャリアの
軸穴内に挿入することによって、キャリア側の係止溝と
支持軸側の係止溝とが一致したときに、止め輪が自動的
に縮径し、止め輪を各係止溝に係止させることができ
る。
【0026】請求項3の発明では、支持軸の端部外周面
とキャリアの軸穴の内周面には回止め処理を施したこと
にある。
【0027】このように構成することにより、キャリア
の軸穴に対する支持軸の回転を防止でき、遊星歯車は支
持軸との間でのみ回転させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態を
添付図面の図1ないし図10に従って詳細に説明する。
なお、実施例では前述した従来技術と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0029】まず、図1ないし図6は本発明による第1
の実施例を示すに、図中31は従来技術による減速歯車
機構16に代えて用いられる減速歯車機構を示し、該減
速歯車機構31は、旋回モータの回転軸にスプライン結
合された太陽歯車32と、該太陽歯車32と上側ハウジ
ングの各内歯とに噛合し、該太陽歯車32の周囲を自転
しつつ公転する例えば3個の遊星歯車33(1個のみ図
示)と、該各遊星歯車33を軸受34を介して回転可能
に支持する3本の支持軸35(1本のみ図示)と、該各
支持軸35を片持状態で支持し、前記各遊星歯車33の
公転のみをピニオンシャフトに伝達するキャリア36と
から構成されている。
【0030】ここで、前記支持軸35には、その上側に
後述する止め輪40が係止される環状溝35Aが外周面
全周に形成され、下側には止め輪37が挿嵌される環状
の係止溝35Bが外周面全周に形成されている。さら
に、該係止溝35Bの上側外周面の径方向には、キー4
1が係合される2個のキー溝35C(図4参照)が軸方
向に形成されている。
【0031】また、前記キャリア36は、略円板状に形
成された支持板36Aと、該支持板36Aから下側に突
出したボス部36Bと、前記支持板36Aに所定距離を
離間して穿設された3個の大径な軸穴36C(1個のみ
図示)と、前記支持板36Aとボス部36Bの内周面全
周に亘って刻設された内歯36Dと、前記各軸穴36C
の内周面に形成され、止め輪37が係止される環状の係
止溝36Eとから構成され、係止溝36Eの上側内周面
の径方向には、キー41が係合される2個のキー溝36
F(図4参照)が軸方向に形成されている。そして、前
記各内歯36Dには、ピニオンシャフトの各外歯が噛合
して該各外歯と共にスプライン結合部を構成している。
【0032】37は係止リングとしての拡径型の止め輪
を示し、該止め輪37は支持軸35の下側に位置して外
周面の全周に亘って形成された係止溝35Bと、キャリ
ア36の軸穴36Cの内周面の全周に亘って形成された
係止溝36Eとの間に跨がって係止され、該止め輪37
によって支持軸35のキャリア36に対する抜止めを図
っている。
【0033】また、前記支持軸35側の係止溝35Bの
深さ寸法d1 は、止め輪37の径方向の厚さ寸法Lより
大きくし、キャリア36側の係止溝36Eの深さ寸法d
2 は、止め輪37の径方向の厚さ寸法Lよりも小さくな
るように形成されている。
【0034】38,39は円板状のスペーサ、40はC
字状の止め輪をそれぞれ示し、該スペーサ38は軸受3
4の上側に配設され、スペーサ39は軸受34の下側に
位置して配設されている。また、止め輪40は支持軸3
5の上側に位置した環状溝35Aに係止されている。
【0035】このように、支持軸35に対して遊星歯車
33を支持するには、該支持軸35に、スペーサ39、
遊星歯車33に圧入嵌合された軸受34、スペーサ38
を順に挿入した後に、止め輪40を環状溝35Aに係止
して、支持軸35に対して遊星歯車33を回転支持す
る。また、後述するように、支持軸35はキャリア36
の軸穴36Cに止め輪37によって抜止めされる。これ
により、遊星歯車33は支持軸35によってキャリア3
6に片持支持される。
【0036】なお、図4中で41,41は直方体状のキ
ーで、該各キー41は支持軸35側のキー溝35Cとキ
ャリア36側のキー溝36Fとの間に係合され、該支持
軸35のキャリア36に対する回止めを行っている。
【0037】次に、止め輪37の係止動作について説明
する。まず、図5と図6に示す如く、キャリア36の軸
穴36Cに支持軸35を挿入するときには、止め輪37
を支持軸35側の係止溝35B内に収容した状態で挿入
する。そして、支持軸35側の係止溝35Bとキャリア
36側の係止溝36Eとが一致したところで、図2と図
3に示すように、止め輪37は拡径して、該止め輪37
は係止溝35Bと36Eを跨ぐようにして係止する。こ
れにより、支持軸35はキャリア36に対して抜止めを
図った状態で片持支持することができる。
【0038】本実施例による減速歯車機構31は上述の
如き構成を有するもので、その基本的作動については従
来技術によるものと格別差異はない。
【0039】然るに本実施例では、支持軸35の端部外
周面に環状の係止溝35Bを形成すると共に、キャリア
36の軸穴36C内周面に環状の係止溝36Eを形成
し、該係止溝35Bと36Eとの間に跨がって拡径型の
止め輪37を係止するようにしたから、簡単な構造で、
該止め輪37によって支持軸35がキャリア36から抜
け落ちるのを防止することができる。
【0040】また、前記係止溝35Bと36Eとの深さ
寸法と止め輪37の径方向の厚さ寸法との関係は、支持
軸35側の係止溝35Bの深さ寸法d1 を止め輪37の
径方向の厚さ寸法Lより大きくし、キャリア36側の係
止溝36Eの深さ寸法d2 を止め輪37の径方向の厚さ
寸法Lよりも小さくなるように形成している。これによ
り、キャリア36の軸穴36C内に支持軸35を挿入す
るときには、止め輪37は該支持軸35側の係止溝35
B内に収容した状態で、軸穴36C内に容易に挿入する
ことができる。
【0041】そして、係止溝35Bと36Eとが一致し
たときには、止め輪37はキャリア36側の係止溝36
Eに向けて自動的に拡径し係止溝35Bと36Eに跨が
った状態で保持され、該止め輪37によって支持軸35
のキャリア36に対する抜止めを確実に行うことができ
る。
【0042】また、前記支持軸35の外周面にはキー溝
35Cを形成し、キャリア36の軸穴36Cの内周面に
はキー溝36Fを形成し、該キー溝35Cと36Fとの
間にキー41を係合して該支持軸35のキャリア36に
対する回止めを図るようにしたから、遊星歯車33は軸
受34を介して支持軸35に回転支持することができ、
支持軸35とキャリア36との間の回転による早期摩耗
を防止し、キャリア36に対する支持軸35の支持を強
固に行うことができる。
【0043】従って、本実施例では、支持軸35をキャ
リア36の軸穴36C内に挿入することにより、自動的
に止め輪37を係止溝35Bと36Eに係止することが
でき、簡単な作業によって、支持軸35はキャリア36
に対して抜止めした状態で確実に片持支持することがで
き、ひいては遊星歯車減速装置の寿命を延ばし、信頼性
を高めることができる。
【0044】この結果、従来技術において、必要であっ
た支持軸20側のピン挿嵌穴20Bとキャリア21側の
ピン挿嵌穴21Eとの位置合わせ作業や、ピン挿嵌穴2
1Eの開口部分のかしめ作業等を削減することができ
る。
【0045】また、前記支持軸35のキー溝35Cとキ
ャリア36のキー溝36Fとの間にキー41を係合する
ことによって、該キャリア36に対する支持軸35の回
止めを行っているから、キャリア36と支持軸35との
回転を防止し、遊星歯車33を軸受34により支持軸3
5に回転可能に支持することができる。この結果、軸穴
36C部分における偏摩耗をなくすことができる。
【0046】次に、図7ないし図10は本発明の第2の
実施例を示すに、本実施例の特徴は、係止リングに、縮
径型の止め輪を用いたことにある。なお、本実施例で
は、前述した第1の実施例と同一の構成要素に同一の符
号を付し、その説明を省略するものとする。
【0047】図中、51は減速歯車機構を構成する支持
軸を示し、該支持軸51には軸受を介して遊星歯車(い
ずれも図示せず)が支持され、該支持軸51の上側には
図示しない止め輪が係止される環状溝51Aが外周面に
形成され、下側には止め輪53が挿嵌される環状の係止
溝51Bが外周面に形成されている。
【0048】52は本実施例によるキャリアを示し、該
キャリア52は、第1の実施例で述べたキャリア36と
同様に、略円板状に形成された支持板52Aと、該支持
板52Aから下側に突出したボス部52Bと、前記支持
板52Aに所定距離を離間して穿設された3個の大径な
軸穴52C(1個のみ図示)と、前記支持板52Aとボ
ス部52Bの内周面全周に亘って刻設された内歯52D
と、前記各軸穴52Cの内周面に形成され、止め輪53
が係止される環状の係止溝52Eとから構成されてい
る。そして、前記各内歯52Dには、ピニオンシャフト
の各外歯が噛合するスプライン結合部となっている。
【0049】なお、前記支持軸51はキャリア52の軸
穴52C内にキー溝(図示せず)によって係止されてい
るから、該支持軸51はキャリア52に対して相対回転
することはない。
【0050】53は係止リングとしての縮径型の止め輪
を示し、該止め輪53は支持軸51の下側に位置して外
周面に亘って形成された係止溝51Bと、キャリア52
の軸穴52Cの内周面に形成された係止溝52Eとの間
に跨がって係止され、該止め輪53によって支持軸51
のキャリア52に対する抜止めを図っている。
【0051】また、前記支持軸51側の係止溝51Bの
深さ寸法d1 ′を、止め輪53の径方向の厚さ寸法L′
よりも小さくし、キャリア52側の係止溝52Eの深さ
寸法d2 ′を、止め輪53の径方向の厚さ寸法L′より
も大きくすればよい。
【0052】次に、図7ないし図10により、止め輪5
3の係止動作について説明するに、該止め輪53をキャ
リア52の係止溝52Eに収容した状態で、支持軸51
をキャリア52の軸穴52C内に挿入する。そして、支
持軸51側の係止溝51Bとキャリア52側の係止溝5
2Eとが一致したところで、止め輪53は縮径して、図
7と図8に示すように、該止め輪53は係止溝51Bと
52Eを跨ぐようにして係止される。これにより、支持
軸51はキャリア52に対して抜止めを図った状態で支
持される。
【0053】このように構成される遊星歯車減速装置に
おいても、前述した第1の実施例と同様の作用効果を得
ることができ、支持軸51をキャリア52に強固に片持
支持することができる。
【0054】然るに本実施例では、支持軸51の係止溝
51Bとキャリア52の係止溝52Eとの間に、縮径型
の止め輪53を跨がって係止するようにしたから、支持
軸51は簡単な構造でキャリア52から抜け落ちるのを
防止できると共に、支持軸51の回転を規制することが
できる。
【0055】また、前記係止溝51Bと52Eとの深さ
寸法と止め輪53の径方向の厚さ寸法との関係は、支持
軸51側の係止溝51Bの深さ寸法d1 ′を、止め輪5
3の径方向の厚さ寸法L′より小さくし、キャリア52
側の係止溝52Eの深さ寸法d2 ′を、止め輪53の径
方向の厚さ寸法L′よりも大きくなるように形成してい
る。
【0056】これにより、支持軸51の挿入時には、縮
径型の止め輪53をキャリア52の係止溝52E内に収
容した状態で、軸穴52C内に容易に挿入することがで
きる。さらに、係止溝51Bと52Eとが一致したとき
には、支持軸51側の係止溝51Bに向けて止め輪53
が自動的に縮径し、この止め輪53は係止溝51Bと5
2Eとに跨がった状態で支持される。そして、止め輪5
3によってキャリア52に対する止め輪53の抜止めを
確実に行うことができる。
【0057】なお、第1の実施例では、支持軸35の外
周面にキー溝35Cを形成し、キャリア36の軸穴36
Cの内周面にキー溝36Fを形成し、該キー溝35Cと
36Fとの間にキー41を係合して支持軸35の回止め
を図るようにしたが、本発明はこれに限らず、支持軸の
端部外周面とキャリアの軸穴内周面との間にローレッ
ト、スプライン等の回止め処理を施してもよく、また、
圧入によって回止めしてもよい。
【0058】また、各実施例では、ハウジング内に1段
の減速段からなる減速歯車機構を設けるものとして述べ
たが、これに替えて、ハウジング10内に2段以上の減
速段からなる減速歯車機構を設けるようにしてもよい。
【0059】また、実施例では、係止リングとしてC字
状の止め輪37,53を例示したが、リテイニングリン
グ、スナップリング、サークリップ等と呼ばれる各種の
形状をもった係止リングを適用することができる。
【0060】さらに、各実施例では、油圧ショベルの旋
回モータ用減速装置を例に挙げて説明したが、本発明は
これに限らず、例えば走行用油圧モータの遊星歯車減速
装置または油圧クレーン等の建設機械または産業機械等
に設ける種々の遊星歯車減速装置にも適用できる。
【0061】
【発明の効果】以上詳述した通り請求項1の発明によれ
ば、減速歯車機構を構成するキャリアには支持軸の端部
を挿入する軸穴を設け、前記支持軸の端部外周面と前記
軸穴の内周面にはそれぞれ係止溝を設け、該各係止溝間
に前記支持軸の端部を抜止め状態で係止させるために環
状の係止リングを設けることにより、各係止溝間に跨が
って被係止溝材を保持するという簡単な構造によって、
支持軸のキャリアに対する抜止めを確実に行うことがで
き、遊星歯車減速装置の信頼性を高めることができる。
【0062】請求項2の発明では、係止リングを拡径型
または縮径型のC字形状をなす止め輪によって形成する
ことにより、いずれか一方の係止溝に縮径または拡径さ
せて収容した状態で支持軸をキャリアの軸穴内に挿入す
ることによって、キャリア側の係止溝と支持軸側の係止
溝とが一致したときに、止め輪が自動的に拡径または縮
径し、止め輪を各係止溝に係止させることができ、簡単
な作業によって、支持軸のキャリアに対する抜止めを図
ることができ、作業工数も低減できる。
【0063】請求項3の発明では、支持軸の端部外周面
とキャリアの軸穴の内周面には回止め処理を施すことに
より、キャリアの軸穴に対する支持軸の回転を防止で
き、遊星歯車を支持軸との間でのみ回転させることがで
き、キャリアと支持軸とを強固に固定でき、遊星歯車減
速装置の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による減速歯車機構を示
す断面図である。
【図2】減速歯車機構をなすキャリアに対する支持軸の
支持状態を示す要部拡大断面図である。
【図3】図2中の矢示III −III 方向からみた横断面図
である。
【図4】図2中の矢示IV−IV方向からみた横断面図であ
る。
【図5】キャリアの軸穴に支持軸を挿入する状態を示す
説明図である。
【図6】図5中の矢示VI−VI方向からみた横断面図であ
る。
【図7】第2の実施例による減速歯車機構のキャリアに
対する支持軸の支持状態を示す要部拡大断面図である。
【図8】図7中の矢示VIII−VIII方向からみた横断面図
である。
【図9】キャリアの軸穴に支持軸を挿入する状態を示す
説明図である。
【図10】図9中の矢示X−X方向からみた横断面図で
ある。
【図11】従来技術による旋回装置を示す縦断面図であ
る。
【図12】図11中の減速歯車機構を示す拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
4 旋回モータ(回転源) 10 ハウジング 12A 内歯(内歯車) 15 ピニオンシャフト(出力軸) 31 減速歯車機構 32 太陽歯車 33 遊星歯車 34 軸受 35,51 支持軸(支持軸) 35B,36E,51B,52E 係止溝 35C,36F キー溝 36,52 キャリア 36C,52C 軸穴 37,53 止め輪(係止リング) 41 キー
フロントページの続き (72)発明者 井川 裕二 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機エ ンジニアリング株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に内歯車が形成され、外部に回転
    源が設けられる筒状のハウジングと、該ハウジング内に
    設けられ、前記回転源の回転を減速して出力軸に出力す
    る1段または複数段からなる減速歯車機構とを有し、 該減速歯車機構は前記回転源に連結された太陽歯車と、
    該太陽歯車と前記内歯車とに噛合して該太陽歯車の周囲
    を自転しつつ公転する複数個の遊星歯車と、該各遊星歯
    車をそれぞれ回転可能に支持する支持軸と、該各支持軸
    を片持状態で支持し、前記遊星歯車の公転のみを次段の
    太陽歯車または前記出力軸に出力するキャリアとを備え
    てなる遊星歯車減速装置において、 前記キャリアには前記支持軸の端部を挿入する軸穴を設
    け、前記支持軸の端部外周面と前記軸穴の内周面にはそ
    れぞれ係止溝を設け、前記キャリアの軸穴に対して前記
    支持軸の端部を抜止め状態で係止させるために前記各係
    止溝間に環状の係止リングを設けたことを特徴とする遊
    星歯車減速装置。
  2. 【請求項2】 前記係止リングは、拡径型または縮径型
    のC字形状をなす止め輪によって形成してなる請求項1
    記載の遊星歯車減速装置。
  3. 【請求項3】 前記支持軸の端部外周面とキャリアの軸
    穴の内周面には回止め処理を施してなる請求項1または
    2記載の遊星歯車減速装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002054698A (ja) * 2000-08-07 2002-02-20 Seirei Ind Co Ltd 走行車両
JP2009162337A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Univance Corp 動力伝達装置
KR20150042343A (ko) * 2013-10-10 2015-04-21 현대중공업 주식회사 감속기용 캐리어장치 및 이를 포함하는 건설기계
WO2019120120A1 (zh) * 2017-12-20 2019-06-27 日本电产新宝(浙江)有限公司 行星减速机
DE102022209234A1 (de) 2022-09-06 2024-03-07 Zf Friedrichshafen Ag Lenkantrieb für ein Flurförderzeug, lenkbare Antriebseinheit für ein Flurförderzeug, Flurförderzeug und Verfahren zur Montage eines Lenkantriebs für ein Flurförderzeug

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