JP2003314378A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

蒸発燃料処理装置

Info

Publication number
JP2003314378A
JP2003314378A JP2002115336A JP2002115336A JP2003314378A JP 2003314378 A JP2003314378 A JP 2003314378A JP 2002115336 A JP2002115336 A JP 2002115336A JP 2002115336 A JP2002115336 A JP 2002115336A JP 2003314378 A JP2003314378 A JP 2003314378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
concentration
canister
fuel
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002115336A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3932963B2 (ja
Inventor
Susumu Kojima
進 小島
Tsugufumi Aikawa
嗣史 藍川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2002115336A priority Critical patent/JP3932963B2/ja
Priority to US10/401,577 priority patent/US6772740B2/en
Priority to DE10317583A priority patent/DE10317583B4/de
Publication of JP2003314378A publication Critical patent/JP2003314378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3932963B2 publication Critical patent/JP3932963B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/02Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by adsorption, e.g. preparative gas chromatography
    • B01D53/04Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by adsorption, e.g. preparative gas chromatography with stationary adsorbents
    • B01D53/0407Constructional details of adsorbing systems
    • B01D53/0446Means for feeding or distributing gases
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/22Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by diffusion
    • B01D53/229Integrated processes (Diffusion and at least one other process, e.g. adsorption, absorption)
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M25/00Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture
    • F02M25/08Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture adding fuel vapours drawn from engine fuel reservoir
    • F02M25/089Layout of the fuel vapour installation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2259/00Type of treatment
    • B01D2259/45Gas separation or purification devices adapted for specific applications
    • B01D2259/4516Gas separation or purification devices adapted for specific applications for fuel vapour recovery systems

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は燃料タンク内で発生する蒸発燃料を
分離膜で凝縮して処理する蒸発燃料処理装置に関し、分
離膜による処理のみで十分に蒸発燃料を凝縮させること
を目的とする。 【解決手段】 燃料タンク10内で発生する蒸発燃料を
吸着するキャニスタ20を設ける。キャニスタ20から
キャニスタ出ガスを流出させるパージガス循環ポンプ3
2を設ける。キャニスタ出ガスを高濃度の処理ガスと、
中濃度のガスとに分離する高濃度用分離ユニット34を
設ける。高濃度用分離ユニット34から流出してくる中
濃度のガスを中濃度の循環ガスと低濃度のキャニスタ入
ガスとに分離する中濃度用分離ユニット44を設ける。
処理ガスは燃料タンク10に導く。循環ガスはポンプ3
2の上流に循環させる。そして、キャニスタ入ガスをキ
ャニスタ20の上流に循環させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸発燃料処理装置
に係り、特に、内燃機関の燃料タンク内で発生する蒸発
燃料を大気に放出させることなく処理するための蒸発燃
料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平10−274106
号公報に開示されるように、燃料タンク内で生じた蒸発
燃料を吸着するためのキャニスタを備える蒸発燃料処理
装置が知られている。この装置は、キャニスタに吸着さ
れている蒸発燃料を空気の流れによりパージさせる機構
と、パージガス中から蒸発燃料を分離する分離膜とを備
えている。更に、この装置は、分離膜により分離された
蒸発燃料を液化するための凝縮ユニットと、凝縮された
燃料を燃料タンクに還流させる還流経路とを備えてい
る。このような蒸発燃料処理装置によれば、燃料タンク
内で発生した蒸発燃料を、キャニスタを含む閉じた系の
中で処理することができる。このため、上述した従来の
装置によれば、燃料噴射量の補正のような複雑な制御を
必要とすることなく、蒸発燃料の大気放出を有効に防止
することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】既述した通り、上記従
来の装置は、分離膜を用いてパージガス中から蒸発燃料
を抽出している。しかしながら、既存の分離膜では、キ
ャニスタからパージされてくるパージガス中から、十分
に高い濃度で蒸発燃料を取り出すことはできない。濃度
の薄い燃料ガスがそのまま燃料タンクに還流されるとす
れば、燃料ガスに含まれる空気の影響で種々の不都合が
生ずる。このため、上記従来の装置は、分離膜の後段
に、燃料ガスを凝縮するための凝縮ユニットを配置する
こととしている。
【0004】このように、上記従来の装置は、分離膜に
よって高濃度の燃料ガスが生成できないため、分離膜の
後段に凝縮ユニットを設けることを必須とするものであ
った。本発明は、上記のような課題を解決するためにな
されたもので、分離膜による処理のみで十分に蒸発燃料
を凝縮させることができ、凝縮ユニットを用いることな
く蒸発燃料の燃料タンクへの還流を可能とする蒸発燃料
処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、燃料タンク内で
発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと、前記キャニ
スタから、キャニスタ出ガスを流出させるキャニスタ出
ガス生成手段と、前記キャニスタ出ガスを、高濃度で蒸
発燃料を含む処理ガスと、中濃度で蒸発燃料を含む循環
ガスと、低濃度で蒸発燃料を含むキャニスタ入ガスとに
分離するベーパ濃縮手段と、前記処理ガスを前記燃料タ
ンクに導く処理ガス通路と、前記循環ガスを前記ベーパ
濃縮手段の上流に循環させる循環ガス通路と、前記キャ
ニスタ入ガスを前記キャニスタの上流に循環させるキャ
ニスタ入ガス通路と、を備えることを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の蒸
発燃料処理装置であって、前記キャニスタ出ガス生成手
段は、前記キャニスタに連通するパージガス循環ポンプ
を含み、前記ベーパ濃縮手段は、蒸発燃料を含むガスを
高濃度で蒸発燃料を含む高濃度ガスと低濃度で蒸発燃料
を含む低濃度ガスとに分離する第1の分離膜を有し、前
記キャニスタ出ガスと前記循環ガスとの混合ガスを前記
処理ガスと中濃度ガスとに分離する高濃度用分離ユニッ
トと、前記高濃度分離ユニットの下流に配置され、前記
第1の分離膜と同様に機能する第2の分離膜を有し、前
記中濃度ガスを前記循環ガスと前記キャニスタ入ガスと
に分離する中濃度用分離ユニットとを含むことを特徴と
する。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項2記載の蒸
発燃料処理装置であって、前記第1の分離膜の面積は、
前記第2の分離膜の面積に比して小さいことを特徴とす
る。
【0008】請求項4記載の発明は、請求項3記載の蒸
発燃料処理装置であって、前記第1の分離膜の面積と、
前記第2の分離膜の面積との比は、キャニスタ出ガスの
蒸発燃料濃度が15%である場合に、前記処理ガスの蒸
発燃料濃度が95%以上となり、かつ、前記キャニスタ
入ガスの蒸発燃料濃度が5%以下となるように設定され
ていることを特徴とする。
【0009】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記燃料
タンク内の燃料を内燃機関に向けてフィードするフィー
ドポンプを備え、前記処理ガス通路は、前記フィードポ
ンプの燃料吸引口に前記処理ガスを導くことを特徴とす
る。
【0010】請求項6記載の発明は、請求項5記載の蒸
発燃料処理装置であって、前記フィードポンプの燃料吸
引口に負圧を発生させるためのベンチュリを備えること
を特徴とする。
【0011】請求項7記載の発明は、請求項2乃至6の
何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記パー
ジガス循環ポンプは、前記キャニスタと前記高濃度用側
分離ユニットとの間に配設されると共に、前記キャニス
タ入ガス通路は、前記中濃度用分離ユニット側の圧力を
前記キャニスタ側の圧力に比して高圧とする調圧弁を備
えることを特徴とする。
【0012】請求項8記載の発明は、請求項7記載の蒸
発燃料処理装置であって、前記ベーパ濃縮手段が前記処
理ガスを生成する際の処理能力を可変とする処理能力可
変手段と、蒸発燃料の処理必要量を求める処理必要量取
得手段と、前記処理必要量に基づいて、前記処理能力可
変手段を制御する処理能力制御手段と、を備えることを
特徴とする。
【0013】請求項9記載の発明は、請求項8記載の蒸
発燃料処理装置であって、前記処理能力可変手段は、前
記第1の分離膜に触れる前記混合ガスの圧力、および前
記第2の分離膜に触れる前記中濃度ガスの圧力の少なく
とも一方の圧力を可変とする圧力可変手段を含み、前記
処理能力制御手段は、前記処理必要量が多いほど前記圧
力を高圧とする圧力制御手段を含むことを特徴とする。
【0014】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
蒸発燃料処理装置であって、前記圧力可変手段は、前記
調圧弁の設定圧力を可変とする調圧弁設定圧力可変手段
を含み、前記処理能力制御手段は、前記処理必要量が多
いほど前記設定圧力を高圧とする設定圧力制御手段を含
むことを特徴とする。
【0015】請求項11記載の発明は、請求項9または
10記載の蒸発燃料処理装置であって、前記圧力可変手
段は、前記パージガス循環ポンプの吐出能力を可変とす
る吐出能力可変手段を含み、前記処理能力制御手段は、
前記処理必要量が多いほど前記吐出能力を高める吐出能
力制御手段を含むことを特徴とする。
【0016】請求項12記載の発明は、請求項8乃至1
1の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記
処理能力可変手段は、前記キャニスタを加熱するキャニ
スタ加熱手段を含み、前記処理能力制御手段は、前記処
理必要量が多いほど前記キャニスタ加熱手段に多くの熱
量を発生させる発熱量制御手段を含むことを特徴とす
る。
【0017】請求項13記載の発明は、請求項7乃至1
2の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記
キャニスタと前記パージガス循環ポンプとの間に配設さ
れ、前記パージガス循環ポンプの作動時に、前記循環ガ
ス通路に負圧を生じさせる負圧調整弁を備えることを特
徴とする。
【0018】請求項14記載の発明は、請求項1乃至1
3の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記
キャニスタからの蒸発燃料の脱離を促進する脱離促進手
段を備えることを特徴とする。
【0019】請求項15記載の発明は、請求項14記載
の蒸発燃料処理装置であって、前記脱離促進手段は、前
記キャニスタを加熱するキャニスタ加熱手段を含むこと
を特徴とする。
【0020】請求項16記載の発明は、請求項15記載
の蒸発燃料処理装置であって、前記キャニスタと前記パ
ージガス循環ポンプとは、当該パージガス循環ポンプの
作動に伴う熱が前記キャニスタに伝わるように配置され
ており、前記キャニスタ加熱手段は、当該パージガス循
環ポンプを含むことを特徴とする。
【0021】請求項17記載の発明は、請求項14乃至
16の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前
記キャニスタ出ガスの濃度、前記混合ガスの濃度、およ
び前記処理ガスの濃度の少なくとも1つを検出する濃度
検出手段と、前記脱離促進手段の作動時における前記濃
度検出手段の検出結果と、前記脱離促進手段の非作動時
における前記濃度検出手段の検出結果との差に基づい
て、前記脱離促進手段の異常を判定する異常判定手段
と、を備えることを特徴とする。
【0022】請求項18記載の発明は、請求項2乃至1
7の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記
高濃度用分離ユニットは、前記中濃度用分離ユニットの
下方に配置されていることを特徴とする。
【0023】請求項19記載の発明は、請求項2乃至1
8の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記
燃料タンクは、前記高濃度用分離ユニットおよび前記中
濃度用分離ユニットの何れよりも下方に配置されること
を特徴とする。
【0024】請求項20記載の発明は、請求項2乃至1
9の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記
キャニスタ出ガスの濃度、前記混合ガスの濃度、および
前記処理ガスの濃度の少なくとも1つを検出する濃度検
出手段と、前記第1の分離膜の面積と、前記第2の分離
膜の面積との比率を可変とする面積比可変手段と、前記
濃度検出手段の検出結果に基づいて、前記面積比可変手
段を制御する面積比制御手段と、を備えることを特徴と
する。
【0025】請求項21記載の発明は、請求項20記載
の蒸発燃料処理装置であって、前記高濃度用分離ユニッ
トは複数の処理室を備え、前記第1の分離膜は、前記複
数の処理室のそれぞれを上室と下室に区分する複数の部
分を含み、前記複数の処理室は、複数の上室が互いに直
列に導通すると共に、複数の下室の全てが前記処理ガス
通路に連通するように設けられ、前記面積比可変手段
は、前記混合ガスを少なくとも2つの上室にそれぞれ導
くための少なくとも2本の通路と、前記少なくとも2本
の通路を流れる前記混合ガスの比率を可変とする弁機構
とを含み、前記面積比制御手段は、前記濃度検出手段の
検出結果に基づいて前記弁機構を制御する弁機構制御手
段を含むことを特徴とする。
【0026】請求項22記載の発明は、請求項1乃至2
1の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記
処理ガス通路に連通して前記処理ガスを蓄える処理ガス
タンクと、内燃機関の始動時に、前記処理ガスタンクに
蓄えられている前記処理ガスを内燃機関に対して燃料と
して供給する燃料ガス供給手段と、を備えることを特徴
とする。
【0027】請求項23記載の発明は、請求項7乃至2
2の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記
パージガス循環ポンプの出口部における圧力を検出する
ポンプ出口圧力検出手段と、前記パージガス循環ポンプ
が作動すべき状況下で検出された前記出口部における圧
力が所定の値から外れている場合に、当該パージガス循
環ポンプ、若しくは当該パージガス循環ポンプから前記
調圧弁までの経路に異常が生じていることを認識する異
常認識手段と、を備えることを特徴とする。
【0028】請求項24記載の発明は、請求項7乃至2
3の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記
パージガス循環ポンプの出口部における圧力を検出する
ポンプ出口圧力検出手段と、前記パージガス循環ポンプ
の作動停止直後に前記出口部に生ずる圧力変化に基づい
て、当該パージガス循環ポンプから前記調圧弁までの経
路に漏れが生じているか否かを判断する漏れ判定手段
と、を備えることを特徴とする。
【0029】請求項25記載の発明は、請求項1乃至2
4の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置であって、前記
キャニスタを流通するガスの流量を検出するキャニスタ
流通ガス検出手段と、前記キャニスタを流通するガスの
流量に基づいて、前記キャニスタ出ガス生成手段の作動
完了を判定するパージ完了判定手段と、を備えることを
特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。尚、各図において共通す
る要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略す
る。
【0031】実施の形態1.図1は、本発明の実施の形
態1の蒸発燃料処理装置の構成を説明するための図であ
る。図1に示すように、本実施形態の装置は燃料タンク
10を備えている。燃料タンク10の内部には低圧フィ
ードポンプ12(以下、単に「フィードポンプ12」と
称す)が配置されている。フィードポンプ12には、燃
料タンク10内の燃料を吸引するための吸引管14が連
通していると共に、図示しない内燃機関に燃料をフィー
ドするための燃料管16が連通している。
【0032】燃料タンク10には、ベーパ通路18を介
してキャニスタ20が連通している。キャニスタ20
は、その内部に活性炭を有している。燃料タンク10の
内部で発生する蒸発燃料は、ベーパ通路18を通ってキ
ャニスタ20に流入し、その活性炭に吸着される。
【0033】キャニスタ20の内部には、活性炭と共に
ヒータ22が配置されている。ヒータ22によれば、活
性炭を適当に加熱することができる。キャニスタ20
は、また、大気口24を備えている。大気口24には、
キャニスタ20の内部に過大な圧力が生ずるのを防止す
るための過圧防止弁26が設けられている。過圧防止弁
26は、キャニスタ20の内部から流出する流体の流れ
のみを許容する一方向弁であり、図示しないエアクリー
ナを介して大気に開放されている。
【0034】キャニスタ20には、パージ通路28が連
通している。パージ通路28は、負圧調整弁30を備え
ており、その調整弁30の下流においてパージガス循環
ポンプ32の吸入口に連通している。負圧調整弁30
は、キャニスタ20からパージガス循環ポンプ32へ向
かう流体の流れのみを許容する一方向弁であり、パージ
ガス循環ポンプ32の作動時に、その吸入口付近に所定
の負圧を発生させるために設けられている。
【0035】パージガス循環ポンプ32の吐出口には、
高濃度用分離ユニット34が連通している。高濃度用分
離ユニット34は、第1の分離膜36を備えていると共
に、第1の分離膜36により隔絶されている上室38お
よび下室40を備えている。上述したパージガス循環ポ
ンプ32は、より具体的には、高濃度用分離ユニット3
4の上室38に連通している。一方、高濃度用分離ユニ
ット34の下室40には処理ガス通路42が連通してい
る。処理ガス通路42は、燃料タンク10の内部におい
て、吸引管14に、すなわち、フィードポンプ12の吸
引口に連通している。高濃度用分離ユニット34は、3
次元的な配置において、燃料タンク10より高い位置に
配置される。このため、処理ガス通路42は、上方から
下方へ向かうように延在している。
【0036】高濃度用分離ユニット34の上方には、中
濃度用分離ユニット44が配置されている。中濃度用分
離ユニット44は、第2の分離膜46を備えていると共
に、第2の分離膜46により隔絶されている上室48お
よび下室50を備えている。中濃度用分離ユニット44
の上室48は、連通路52を介して高濃度用分離ユニッ
ト34の上室38と連通している。中濃度用分離ユニッ
ト44は、3次元的な配置において、高濃度用分離ユニ
ット34より高い位置に配置されているため、連通路5
2は上方から下方へ向かうように延在している。
【0037】中濃度用分離ユニット44の上室48に
は、更に、キャニスタ入ガス通路54が連通している。
キャニスタ入ガス通路54は、上述したキャニスタ20
に連通しており、中濃度用分離ユニット44から流出し
てくるガスをキャニスタ20に還流させることができ
る。また、キャニスタ入ガス通路54は、中濃度用分離
ユニット44側の端部の近傍に調圧弁56を備えている
と共に、キャニスタ20側の端部の近傍に負圧防止弁5
8を備えている。
【0038】調圧弁56は、中濃度用分離ユニット44
からキャニスタ20へ向かう流体の流れのみを許容する
一方向弁であり、その上流側に、より具体的には、パー
ジガス循環ポンプ32から調圧弁56に至る経路内に、
所定の正圧を発生させるために設けられている。一方、
負圧防止弁58は、図示しないエアクリーナを介して大
気に連通しており、キャニスタ入ガス通路54への大気
の流入のみを許容する一方向弁である。負圧防止弁58
は、キャニスタ入ガス通路54の内部、乃至はキャニス
タ20の内部に不当に大きな負圧が生ずるのを防ぐため
に設けられている。
【0039】中濃度用分離ユニット44の下室50に
は、循環ガス通路60が連通している。循環ガス通路6
0は、負圧調整弁30の下流においてパージ通路28に
連通している。従って、循環ガス通路60によれば、中
濃度用分離ユニット44の下室50と、パージガス循環
ポンプ32の吸入口とを導通状態にすることができる。
【0040】図1に示す通り、本実施形態の装置は、エ
バポ処理制御コンピュータ62を備えている(以下、EC
U:Electronic Control Unit)と称す)。上述したヒー
タ22やパージガス循環ポンプ32などは、ECU62に
よって制御されている。
【0041】次に、図2を参照して、第1の分離膜36
および第2の分離膜46の特性について説明する。第1
の分離膜36および第2の分離膜46は、ポリイミドな
どの高分子材料で構成された薄膜であり、空気と燃料を
含むガスに晒された場合に、膜に対する空気の溶解度と
燃料の溶解度との違いにより、両者を分離する特性を示
す。
【0042】図2は、上記構造を有する分離膜64が蒸
発燃料を凝縮する原理を模式的に表した図である。図2
は、具体的には、分離膜64の上流空間66(左上の空
間)に蒸発燃料を15%の濃度で含むガスが30kPaの
圧力で導かれ、かつ、その下流空間68(右下の空間)
に100kPaの圧力が作用している状態を示す。
【0043】分離膜64は、理想的には、空気の通過を
阻止しつつ蒸発燃料を自由に通過させる。この場合、蒸
発燃料の蒸気分圧は分離膜64の両側で等しくなる。図
2に示す状態において、分離膜64の上流空間66(2
00kPa、15%)には、170kPaの空気分圧と30kP
aの燃料分圧とが生じている。燃料分圧が分離膜64の
両側で同じであるとすれば、その下流空間68には、7
0kPaの空気分圧と30kPaの燃料分圧が発生する。つま
り、この場合、蒸発燃料の濃度は、分離膜64の機能に
より15%から30%に高められている。
【0044】以上説明した通り、本実施形態において用
いられる分離膜64によれば、分離膜64の上流側に高
圧のガスを導き、その下流側の圧力を低く維持すること
により、ガス中の蒸発燃料濃度を高めることができる。
この際、蒸発燃料を濃縮する能力は、分離膜の両側に生
ずる差圧が大きいほど、また、分離膜下流の圧力が低圧
であるほど大きなものとなる。従って、第1の分離膜3
6および第2の分離膜46によれば、それらの上流側
(上室38,48)に高い圧力を導き、また、それらの
下流側(下室40,50)に低い圧力を導くほど、蒸発
燃料の濃縮能力を高めることができる。
【0045】次に、図3を参照して、分離膜を利用し
て、蒸発燃料と空気の混合ガスから、燃料濃度が十分に
高いガスと、その濃度が十分に低いガスを取り出す原理
について説明する。図3(A)は、分離膜64の上流空
間66に60%の蒸発燃料ガス(燃料60%、空気40
%)が流入し、分離膜64により、そのガスが、5%の
低濃度ガス(燃料5%、空気95%)と、72.5%の
中濃度ガス(燃料72.5%、空気27.5%)とに分
離されている状態を示す。
【0046】図3(B)は、図3(A)に示す分離がど
のように行われているかをより詳細に示した図である。
図3(B)に示す通り、蒸発燃料ガスの濃度は、上流空
間66に流入した直後は60%である。蒸発燃料ガスの
濃度がこのように高い部分では、分離膜64の下流に極
めて濃度の高い蒸発燃料ガスを生成することができる。
具体的には、95%程度の濃度で燃料を含むガスを生成
することができる。
【0047】上流空間66に流入した蒸発燃料ガスの濃
度は、ガス中の蒸発燃料が下流空間68に分離されるに
つれて低下する。このため、上流空間66内の濃度は、
図3(B)に示すように、上流空間66の左側から右側
にかけて低下する。そして、蒸発燃料ガスが上流空間6
6から流出する段階では、その濃度が5%程度に低下し
ている。下流空間68で生成される濃縮ガスの濃度は、
分離膜64の上流側のガス濃度に応じた値となる。この
ため、下流空間68内のガス濃度も、上流空間66内の
濃度と同様に、図中左側から右側にかけて低下する。
【0048】図3(A)に示す72.5%の濃縮ガス
は、下流空間68内部で生成される蒸発燃料ガスの平均
濃度である。つまり、上述した72.5%の濃度は、図
3(B)に示すように、95%〜45%程度の分布をも
って下流空間68内に生成される濃縮ガスをまとめて取
り出した場合の燃料濃度である。
【0049】図3(C)は、下流空間68が、仕切壁7
0により高濃度下流空間72と中濃度下流空間74とに
仕切られた状態を示す。図3(C)において、仕切壁7
0は、高濃度下流空間72内に生成される蒸発燃料の濃
度が95%となるように下流空間68を区分している。
この場合、高濃度下流空間72内に生成される蒸発燃料
ガスは95%の高濃度ガスとなり、一方、中濃度下流空
間74内に生成されるガスは、65%の中濃度ガスとな
る。
【0050】以上説明した通り、60%程度の蒸発燃料
ガスを分離膜64で処理することにより低濃度(5%程
度)のガスとする場合、生成される濃縮ガスを、更に高
濃度のガスと中濃度のガスに分離して取り出せば、極め
て濃度の高い蒸発燃料ガス(95%程度)を生成するこ
とができる。つまり、ある濃度を有する蒸発燃料ガスを
分離膜64で処理する場合、高濃度のガスと低濃度のガ
スに加えて中濃度のガスを生成することによれば、十分
に濃度の高いガス(95%程度)と十分に濃度の低いガ
ス(5%程度)を生成することが可能である。
【0051】図4は、本実施形態の装置が蒸発燃料を濃
縮するために有する機構を簡略化して表した図を示す。
図4は、本実施形態の装置において、パージ通路28に
15%の蒸発燃料ガスが供給されている状態を示す。パ
ージガス循環ポンプ32は、定常状態では、パージ通路
28から供給される蒸発燃料ガス(キャニスタ出ガス)
と、循環ガス通路60から供給される循環ガスとの混合
ガスを圧縮して高濃度用分離ユニット34の上室38に
供給する。
【0052】高濃度用分離ユニット34の上室38に流
入した蒸発燃料ガスは、その内部で処理された後、次に
中濃度用分離ユニット44の上室48に流入する。そし
て、中濃度用分離ユニット44の上室48に流入した蒸
発燃料ガスは、その内部で処理された後、キャニスタ入
ガス通路54に流入する。この場合、上述した2つの上
室38,48は、図3(C)に示す上流空間66に相当
している。また、高濃度用分離ユニット34が有する下
室40および中濃度用分離ユニット44が有する下室5
0は、それぞれ図3(C)に示す高濃度用下流空間72
および中濃度用下流空間74に相当している。
【0053】更に、本実施形態の装置において、高濃度
用分離ユニット34が有する第1の分離膜36の面積
と、中濃度用分離ユニット44が有する第2の分離膜4
6の面積との比は、図3(C)に示す高濃度用下流空間
72の面積と中濃度用下流空間74の面積との比に対応
している。つまり、本実施形態において、第1の分離膜
36の面積と第2の分離膜46の面積との比は、高濃度
用分離ユニット34の上室38に60%の蒸発燃料ガス
が流入した場合に、高濃度用分離ユニット34の下室4
0に95%のガスが生成され、中濃度用分離ユニット4
4の下室50に65%のガスが生成されるように設計さ
れている。
【0054】加えて、本実施形態の装置は、パージ通路
28に15%のキャニスタ出ガスが供給された場合に、
定常状態では、そのガスと循環ガスとの混合ガスが60
%の燃料濃度となるように設計されている。このため、
図4に示すように、本実施形態の装置によれば、パージ
通路28に供給されるキャニスタ出ガスの濃度が15%
であれば、高濃度用分離ユニット34から処理ガス通路
42に95%の高濃度ガスを流出させることができ、か
つ、中濃度用分離ユニット44からキャニスタ出ガス通
路54に5%の低濃度ガスを流出させることができる。
【0055】次に、図1と共に図5および図6を参照し
て、本実施形態の装置の動作について説明する。本実施
形態の装置において、ECU62は、所定のパージ条件が
成立する場合にパージガス循環ポンプ32を作動させ
る。パージガス循環ポンプ32が作動すると、その吸引
口側に生ずる負圧がキャニスタ20に導かれ、パージ通
路28にキャニスタ出ガスが流出する。ECU62は、キ
ャニスタ出ガスの燃料濃度が15%以上である場合に限
りパージ条件の成立を判断する。従って、パージガス循
環ポンプ32の作動は、キャニスタ出ガスの燃料濃度が
15%以上である場合にのみ継続される。
【0056】既述した通り、キャニスタ出ガスの濃度が
15%である場合、高濃度用分離ユニット34の下室4
0には、95%の燃料濃度を有する高濃度の処理ガスが
生成される。キャニスタ出ガスの濃度が15%を超える
場合は、より高濃度の処理ガスが生成される。このよう
にして生成される高濃度の処理ガスは、処理ガス通路4
2を通って燃料タンク10内のフィードポンプ12の吸
引口に供給される。
【0057】本実施形態において、フィードポンプ12
は、燃料を300kPa程度に過圧する能力を有してい
る。フィードポンプ12に吸入された処理ガスは、この
ような圧力で加圧されると液体燃料となる。この際、処
理ガスに多量の空気が含まれていると、フィードポンプ
12のベーパーロックや異音の発生といった不都合が生
ずる。これに対して、処理ガスに含まれている空気が少
量であれば、処理ガスの加圧に伴って空気が燃料に溶解
することからそれらの問題は生じない。
【0058】ベーパーロックや異音を生じさせることの
ない空気の比率は、フィードポンプ12の能力、すなわ
ち、フィードポンプ12が発生させる燃料流量および燃
料圧力に応じて決定される。一般的に車両に搭載される
フィードポンプでは、処理ガス中の空気濃度が5%未満
であれば、つまり、処理ガスの燃料濃度が95%以上で
あればベーパーロックや異音の問題が生ずることはな
い。このため、本実施形態のシステムによれば、車両に
搭載される一般的なフィードポンプ12との組み合わせ
において、ベーパーロックや異音の問題を生じさせるこ
となく、処理ガスを燃料タンク10に還流させることが
できる。
【0059】ところで、本実施形態の装置は、上述した
通り、処理ガスの燃料濃度が常に95%以上となるよう
に設計されているが、その燃料濃度の下限値は、ベーパ
ーロックや異音の発生を防止する観点より定められた値
である。つまり、その下限値(95%)は、フィードポ
ンプ12の能力との関係で定めたものであり、より能力
の高いフィードポンプが用いられる場合には、処理ガス
の燃料濃度の下限値を、95%より小さな値としてもよ
い。
【0060】本実施形態の装置において、15%の濃度
を有するキャニスタ出ガスがパージ通路28に供給され
ている場合、高濃度用分離ユニット34の上室38から
中濃度用分離ユニット44の上室48には、40%程度
の濃度を有する蒸発燃料ガスが流入する(図4参照)。
キャニスタ出ガスの濃度が15%より高い場合は、40
%より濃度の濃いガスが中濃度用分離ユニット44の上
室48に流入する。
【0061】中濃度用分離ユニット44は、このように
して上室48に流入してくる蒸発燃料ガスを濃縮して、
65%程度の濃度を有する中濃度の循環ガスをその下室
50に発生させる。中濃度の循環ガスは、循環ガス通路
60を通ってパージガス循環ポンプ32の吸入口側に還
流される。その結果、高濃度用分離ユニット34には、
常に60%以上の濃度を有する混合ガスが供給される。
このため、本実施形態の装置によれば、パージ条件が成
立している間中、95%以上の濃度を有する処理ガスを
安定して生成することができる。
【0062】本実施形態の装置において、中濃度用分離
ユニット44の上室48には、既述の通り40%以上の
濃度を有する蒸発燃料ガスが流入する。このようにして
上室48に流入してくる蒸発燃料ガスは、上室48内を
移動するに従って低濃度となり、やがて5%程度の低濃
度に収束する。中濃度用分離ユニット44が有する第2
の分離膜46には、40%以上の蒸発燃料ガスを、常に
5%程度の低濃度ガスに収束させるに足る面積が与えら
れている。このため、本実施形態の装置によれば、キャ
ニスタ入ガスの濃度を常に5%程度にすることができ
る。
【0063】キャニスタ入ガスは、キャニスタ入ガス通
路54を通ってキャニスタ20に流入し、その後、キャ
ニスタ20の内部を流通した後、再びパージ通路28へ
と流出する。キャニスタ20の内部をガスが流通する場
合、そのガス中に含まれている蒸発燃料の濃度が十分に
低い場合は、活性炭に吸着されている蒸発燃料を、その
ガスの流通に伴って脱離させることができる。本実施形
態の装置では、既述の通り、キャニスタ入ガスの燃料能
動が常に5%以下に抑えられている。このため、本実施
形態の装置によれば、吸着燃料をパージさせるためのガ
スとしてキャニスタ入ガスを利用することができ、キャ
ニスタ20に吸着された蒸発燃料を閉じた系の中で効率
的に処理することができる。
【0064】以下、上述した蒸発燃料の処理機能を実現
するために本実施形態の装置に施されている詳細な設定
の内容について説明する。図5は、第1の分離膜36と
第2の分離膜46との面積比と、蒸発燃料ガスの濃度と
の関係を説明するための図である。より具体的には、図
5(A)は、上記の面積比と、高濃度用分離ユニット3
4により生成される処理ガスの濃度との関係を示す。ま
た、図5(B)は、上記の面積比と、中濃度用分離ユニ
ット44により生成されるキャニスタ入ガスの濃度との
関係を示す。
【0065】図5(A)に示すように、処理ガスの濃度
は、第1の分離膜36と第2の分離膜46との面積比が
大きくなるほど高くなる。一方、図5(B)に示すよう
に、キャニスタ入ガスの濃度は、第1の分離膜36と第
2の分離膜46との面積比が大きくなるほど低くなる。
つまり、第1の分離膜36に対して第2の分離膜46が
大きくなるほど、処理ガスの濃度は高くなり、一方、キ
ャニスタ入ガスの濃度は低くなる。
【0066】キャニスタ出ガスの濃度が15%であり、
第1の分離膜36に作用する圧力が150kPaである場
合、処理ガス濃度の目標値(下限値)である95%、お
よびキャニスタ入ガス濃度の目標値(上限値)である5
%は、上記の面積比を1:140とすることで満たすこ
とができる。このため、本実施形態の装置では、第1の
分離膜36が第2の分離膜46の140倍以上となるよ
うに両者の面積を設定している。
【0067】本実施形態の装置は、図1に示すように、
中濃度用分離ユニット44の下流に調圧弁56を備えて
いる。このため、パージガス循環ポンプ32から調圧弁
56に至る経路内には、調圧弁の設定圧力(例えば15
0kPa)が作用している。つまり、本実施形態におい
て、第1の分離膜36の両側には、燃料タンク内圧(ほ
ぼ大気圧)と調圧弁56の設定圧との差圧が作用し、一
方、第2の分離膜46の両側には、パージガス循環ポン
プ32の吸気口付近に生ずる負圧と調圧弁56の設定圧
との差圧が作用している。
【0068】それらの差圧は、調圧弁56が存在しない
場合に比して高圧である。また、第1の分離膜36およ
び第2の分離膜46は、既に述べた通り上室38,48
と下室40,50に大きな差圧が生じているほど優れた
濃縮能力を発揮する(図2参照)。このため、本実施形
態の装置では、調圧弁56が存在することにより、第1
の分離膜36の燃料凝縮能力、および第2の分離膜46
の燃料凝縮能力が、それぞれ高められている。
【0069】また、本実施形態の装置は、図1に示すよ
うに、パージガス循環ポンプ32とキャニスタ20との
間に負圧調整弁30を備えている。負圧調整弁30によ
れば、パージガス循環ポンプ32の吸入口付近に負圧を
生じさせることができる。また、このようにして生じた
負圧は、循環ガス通路60を介して中濃度用分離ユニッ
ト44の下室50に導かれる。
【0070】下室50に負圧が導かれると、上室48の
内圧を高めることなく第2の分離膜46に作用する差圧
を大きくすることができる。第2の分離膜46は、作用
する差圧の大きさに応じた燃料濃縮能力を発揮する。従
って、本実施形態の装置によれば、上室48側の圧力を
過大な値にすることなく、第2の分離膜46の両側に大
きな差圧を作用させ、中濃度用分離ユニット44に優れ
た燃料濃縮能力を発揮させることができる。
【0071】中濃度用分離ユニット44の上室48に大
きな圧力を導く場合は、パージガス循環ポンプ32から
調圧弁56に至る経路を、その圧力に見合った耐圧構造
としなければならない。本実施形態の装置によれば、上
室48に生じさせる圧力を比較的低く抑えることができ
るため、その経路の構造を簡単化することができる。こ
の点、本実施形態の装置は、システムの低コスト化や軽
量化を図る上で有利である。
【0072】本実施形態の装置において、パージガス循
環ポンプ32の作動中は、一定の能力で蒸発燃料ガスが
吐出され続ける。その際、高濃度用分離ユニット34お
よび中濃度用分離ユニット44は、調圧弁56や負圧調
整弁30の設定圧力に応じた一定の分離能力を発揮す
る。この場合、高濃度用分離ユニット34は、キャニス
タ出ガスの濃度が高いほど処理ガス(95%以上の高濃
度ガス)を多量に生成し、また、中濃度用分離ユニット
44に向けて濃度の高い中濃度ガス(40%程度)を流
出させる。そして、中濃度用分離ユニット44は、高濃
度用分離ユニット34から供給される中濃度ガスの濃度
が高いほど、循環ガス(60%程度の中濃度ガス)を多
量に生成し、キャニスタ入ガス(5%未満の低濃度ガ
ス)の量を少量とする。
【0073】つまり、本実施形態の装置において、キャ
ニスタ入ガスの流量は、キャニスタ出ガスの濃度が高い
ほどが少量となり、キャニスタ出ガスの濃度が低いほど
多量となる。キャニスタ出ガスの濃度は、パージの開始
直後など、キャニスタ20に多量の蒸発燃料が吸着され
ている場合に高くなり、パージの進行に伴ってキャニス
タ20に吸着されている蒸発燃料の量が減るに従って少
量となる。このため、本実施形態において、キャニスタ
入ガスの流量は、パージの進行に伴って増大する。
【0074】キャニスタ20に吸着されている蒸発燃料
の脱離は、キャニスタ入ガスの流量が増すほど促進され
る。このため、本実施形態の装置によれば、蒸発燃料の
吸着量の減少に対して蒸発燃料の脱離量の減少を緩やか
にすることができる。従って、本実施形態の蒸発燃料処
理装置によれば、パージの実行中、常に効率的にパージ
を進行させることができ、キャニスタ20に吸着されて
いる蒸発燃料のパージを短時間で完了させることができ
る。
【0075】図6は、キャニスタ入ガスの燃料濃度とパ
ージ量との関係を示す図である。図6に示すパージ量
は、キャニスタ20を基準の吸着状態として、キャニス
タ20に適当な濃度のキャニスタ入ガスを供給した場合
に、そのガスによりキャニスタ20からパージされた燃
料の量を意味している。また、図6において、符号を
付して示す曲線は、キャニスタ20のヒータ22が発熱
していない場合の特性であり、符号を付して示す曲線
は、ヒータ22が所望の熱を発している場合の特性であ
る。
【0076】図6に示すように、キャニスタ20からパ
ージされる燃料の量は、キャニスタ入ガスの濃度が高く
なるに連れて低下する。このため、キャニスタ入ガスに
蒸発燃料が含まれている場合、キャニスタ20に空気を
流通させた場合と同等のパージ能力を得ることはできな
い。
【0077】ところが、特性およびに示すように、
キャニスタ20のパージ能力は、ヒータ22によりキャ
ニスタ20を加熱することにより改善される。このた
め、ヒータ22が適切な熱量を発する環境下では(特性
)、キャニスタ入ガスの濃度が5%以下の領域におい
て、非加熱の環境下で空気により達成されるパージ能力
(特性)と同等以上のパージ能力を確保することがで
きる。
【0078】本実施形態において、ECU62は、キャニ
スタ20内の蒸発燃料をパージすべき場合に、ヒータ2
2に対して適当な電力を供給する。このため、本実施形
態の装置においては、5%程度の燃料濃度を有するキャ
ニスタ入ガスによっても、キャニスタ20内に吸着され
ている蒸発燃料を、効率的にパージさせることができ
る。
【0079】本実施形態において、中濃度用分離ユニッ
ト44は、既に述べた通り、3次元的な配置において高
濃度用分離ユニット34の上方に配置されている。この
ため、パージガス循環ポンプ32から吐出された蒸発燃
料ガスは、高濃度用分離ユニット34の上室38で処理
された後、その上方に位置する中濃度用分離ユニット4
4の上室48に流入する。
【0080】蒸発燃料は、空気に比して比重が大きいた
め、同一の空間内ではその下方側に濃いガスが分布し易
い。従って、上述した3次元的な配置によれば、高濃度
用分離ユニット34の上室38には、中濃度用分離ユニ
ット44の上室48に比して、濃度の濃いガスが分布し
易い。高濃度用分離ユニット34により生成される処理
ガスの濃度を高め、また、中濃度用分離ユニット44か
ら流出するキャニスタ入ガスの濃度を低く抑えるうえで
は、高濃度用分離ユニット34の上室38に濃いガスが
存在し、中濃度用分離ユニット44の上室48に薄いガ
スが存在することが望ましい。本実施形態の装置によれ
ば、それら2つの分離ユニット34,44の位置関係に
より、そのような要求が満たされている。このため、本
実施形態の装置によれば、十分に濃度の濃い処理ガス
と、十分に濃度の薄いキャニスタ入ガスを効率的に生成
することができる。
【0081】本実施形態において、燃料タンク10は、
既に述べた通り、3次元的な配置において高濃度用分離
ユニット34の下方に配置されている。このため、高濃
度用分離ユニット34の下室40において生成された処
理ガスは、処理ガス通路422を下って燃料タンク10
に流入する。
【0082】高濃度用分離ユニット34の下室40にお
いて生成された処理ガスは、自然冷却により液化するこ
とがある。上述した3次元的な配置によれば、このよう
にして生じた液体燃料は、燃料タンク10内に自然滴下
する。このため、本実施形態の装置によれば、高濃度用
分離ユニット34や処理ガス通路42の中に液体燃料が
溜まるのを確実に防ぐことができる。
【0083】ところで、上述した実施の形態1において
は、キャニスタ20の内部に、キャニスタ20を加熱す
るためのヒータ22を設けることとしているが、キャニ
スタ20を加熱するための機構は、必ずしもヒータ22
に限るものではない。すなわち、図1に示す構成におい
て、パージガス循環ポンプ32は、蒸発燃料のパージが
必要な状況下では、必ず作動に伴う熱を発生する。この
ため、例えばパージガス循環ポンプ32をキャニスタ2
0と一体的に設けるなど、ポンプ32の発する熱がキャ
ニスタ20に伝達される構造を実現する場合には、ヒー
タ22を省略して、キャニスタ20を加熱するための機
構としてパージガス循環ポンプ32を用いることとして
もよい。
【0084】尚、上述した実施の形態1においては、パ
ージガス循環ポンプ32が前記請求項1記載の「キャニ
スタ出ガス生成手段」に、高濃度用分離ユニット34お
よび中濃度用分離ユニット44が前記請求項1記載の
「ベーパ濃縮手段」に、それぞれ相当している。
【0085】また、上述した実施の形態1においては、
ヒータ22が前記請求項14記載の「脱離促進手段」、
および前記請求項15記載の「キャニスタ加熱手段」に
相当している。
【0086】実施の形態2.次に、図7および図8を参
照して本発明の実施の形態2について説明する。図7
は、本実施形態の蒸発燃料処理装置の構造を説明するた
めの図である。尚、図7において、上記図1に示す構成
要素と同一の部分については、同一の符号を付してその
説明を省略または簡略する。
【0087】本実施形態の装置は、複数の高濃度用分離
ユニット34を備えている。具体的には、2つの高濃度
用分離ユニット34を備えている。それらの高濃度用分
離ユニット34の下室40は、何れも処理ガス通路42
と導通している。また、前段の高濃度用分離ユニット3
4の上室38は、制御弁80を介してパージガス循環ポ
ンプ32の吐出口に連通している。一方、後段の高濃度
用分離ユニット34の上室38は、3方制御弁82を介
して、前段の高濃度用分離ユニット34の上室38およ
びパージガス循環ポンプ32の吐出口に連通している。
【0088】制御弁80は、ECU62に制御されること
により開閉する弁である。制御弁80によれば、前段の
高濃度用分離ユニット34の上室38がパージガス循環
ポンプ32の吐出口に導通する状態と、前者が後者から
遮断された状態とを選択的に実現することができる。3
方制御弁82は、ECU62に制御されることにより、後
段の高濃度用分離ユニット34の上室38が、前段の高
濃度用分離ユニット34の上室38に導通する状態と、
パージガス循環ポンプ32の吐出口に導通する状態とを
選択的に実現する弁である。
【0089】本実施形態において、ECU62は、制御弁
80および3方制御弁82を制御することにより、パー
ジガス循環ポンプ32から吐出された蒸発燃料ガスが、
前段の高濃度用分離ユニット34の上室38を経て後段
の高濃度用分離ユニット34の上室38に流入する状態
と、そのガスが、前段の上室38をバイパスしてポンプ
32の吐出口から直接後段の上室38に流入する状態と
を選択的に実現することができる。以下、前者を「高濃
度ユニット2段化状態」と称し、後者を「高濃度ユニッ
ト1段化状態」と称す。
【0090】本実施形態の装置において、パージ通路2
8には、キャニスタ出ガスの濃度を測定するための濃度
センサ84が配設されている。ECU62は、濃度センサ
84の出力に基づいて、キャニスタ20からパージされ
てくるキャニスタ出ガスの燃料濃度を検知することがで
きる。
【0091】本実施形態の装置において、パージガス循
環ポンプ32から吐出された蒸発燃料ガスが、常に同じ
条件で高濃度用分離ユニット34により処理されるとす
れば、燃料タンク10に供給される処理ガスの濃度や、
中濃度用分離ユニット44に供給される中濃度ガスの濃
度は、キャニスタ出ガスの濃度が高いほど高くなる。そ
して、中濃度用分離ユニット44に供給される中濃度ガ
スの濃度が不当に高い場合は、キャニスタ入ガスの濃度
が5%未満に抑えられない事態も生じ得る。
【0092】これに対して、高濃度用分離ユニット34
が有する第1の分離膜36と、中濃度用分離ユニット4
4が有する第2の分離膜46との面積比を、キャニスタ
出ガスの濃度に応じて変更することによれば、キャニス
タ出ガスの濃度変化に対する処理ガスやキャニスタ入ガ
スの濃度変化を小さく抑制することができる。
【0093】本実施形態の装置によれば、上述した高濃
度ユニット2段化状態と高濃度ユニット1段化状態とを
切り換えることにより、第1の分離膜36と第2の分離
膜46の面積比を変化させることができる。そこで、本
実施形態の装置は、処理ガスやキャニスタ入ガスの濃度
が目標値から大きく外れないように、キャニスタ出ガス
の濃度に応じて、高濃度ユニット2段化状態と高濃度ユ
ニット1段化状態とを適宜切り換えることとしている。
【0094】図8は、本実施形態において、ECU62が
上記の機能を実現するため実行する制御ルーチンのフロ
ーチャートである。図8に示すルーチンでは、先ず、濃
度センサ84の出力に基づいてキャニスタ出ガスの濃度
が検出される(ステップ90)。次に、検出されたキャ
ニスタ出ガスの濃度が、所定の判定値α以上であるか否
かが判別される(ステップ92)。その結果、キャニス
タ出ガスの濃度がα以上であると判別された場合は、高
濃度ユニット2段化状態が形成されるように、制御弁8
0および3方制御弁82が制御される(ステップ9
4)。一方、キャニスタ出ガスの濃度がα以上でないと
判別された場合は、高濃度ユニット1段化状態が形成さ
れるように、制御弁80および3方制御弁82が制御さ
れる(ステップ96)。
【0095】以上説明した通り、図8に示すルーチンに
よれば、キャニスタ出ガス濃度がα以上である場合に
は、高濃度ユニット2段化状態を形成することができ
る。高濃度ユニット2段化状態によれば、高い濃度を有
するキャニスタ出ガスは、先ず前段の高濃度用分離ユニ
ット34で処理され、次いで、後段の高濃度用分離ユニ
ット34で処理された後、中濃度用分離ユニット44に
供給される。この場合、中濃度用分離ユニット44に供
給される中濃度ガスは、キャニスタ出ガスが高濃度であ
るにも関わらず、さほど濃度の高いものにはならない。
このため、本実施形態の装置によれば、このような環境
下でも、中濃度用分離ユニット44から流出するキャニ
スタ入ガスを確実に濃度5%以下のガスとすることがで
きる。
【0096】また、高濃度ユニット2段化状態が実現さ
れている場合、処理ガス通路42には、前段の高濃度用
分離ユニット34で生成された濃度の高い処理ガスと、
後段の高濃度用分離ユニット34で生成された比較的濃
度の低い処理ガスとが供給される。この場合、処理ガス
通路42に対して、適度な濃度(95%程度)を有する
処理ガスを多量に流通させることができる。従って、本
実施形態の装置によれば、キャニスタ出ガスの濃度が高
い場合に、優れた蒸発燃料処理能力を発揮することがで
きる。
【0097】更に、図8に示すルーチンによれば、キャ
ニスタ出ガス濃度がαに満たない場合には、高濃度ユニ
ット1段化状態を形成することができる。高濃度ユニッ
ト1段化状態によれば、キャニスタ出ガスは、パージガ
ス循環ポンプ32から吐出された後、後段の高濃度用分
離ユニット34で処理され、その後中濃度用分離ユニッ
ト44に供給される。この場合、キャニスタ出ガスの濃
度が比較的低いにも関わらず、処理ガスの濃度を高く維
持することができる。このため、本実施形態の装置によ
れば、このような環境下でも、十分に高い濃度で処理ガ
スを生成することができる。
【0098】ところで、上述した実施の形態2において
は、キャニスタ出ガスの濃度に基づいて高濃度ユニット
2段化状態と、高濃度ユニット1段化状態とを切り換え
ることとしているが、その切り換えの基礎とするデータ
は、キャニスタ出ガスの濃度そのものには限られない。
すなわち、その基礎とするデータは、キャニスタ出ガス
の濃度と相関を有するものであれば足り、例えば、パー
ジガス循環ポンプ32から吐出されてくる混合ガスの濃
度、或いは、高濃度用分離ユニット34により生成され
る処理ガスの濃度などに基づいて、高濃度ユニット2段
化状態と高濃度ユニット1段化状態とを切り換えること
としてもよい。
【0099】また、上述した実施の形態2においては、
キャニスタ出ガスが、前段の高濃度用分離ユニット34
を流れる状態と、これをバイパスする状態とを選択的に
実現することとしているが、制御の手法は、このような
手法に限定されるものではない。すなわち、制御弁80
および3方制御弁82をリニアに制御して、前段の高濃
度用分離ユニット34を流れるガス流量と、これをバイ
パスするガス流量との比率を、キャニスタ出ガスの濃度
に対してリニアに変化させることとしてもよい。このよ
うな制御手法によれば、第1の分離膜36と第2の分離
膜46の面積比を、キャニスタ出ガスの濃度に応じてリ
ニアに変化させるのと実質的に同等の状態を作り出すこ
とができる。
【0100】尚、上述した実施の形態2においては、濃
度センサ84が前記請求項20記載の「濃度検出手段」
に、制御弁80および3方制御弁82が前記請求項20
記載の「面積比可変手段」に、それぞれ相当していると
共に、ECU62が、上記ステップ94および96の処理
を実行することにより前記請求項20記載の「面積比制
御手段」が、それぞれ実現されている。
【0101】また、上述した実施の形態2においては、
2つの高濃度用分離ユニット34がそれぞれ備える室
(上室38と下室40を合わせた室)が、前記請求項2
1記載の「処理室」に相当していると共に、2つの高濃
度用分離ユニット34がそれぞれ備える第1の分離膜3
6が、前記請求項20記載の「複数の部分」のそれぞれ
に相当している。また、パージガス循環ポンプ32の吐
出口と前段の上室38とをつなぐ通路、およびパージガ
ス循環ポンプ32の吐出口と後段の上室38とをつなぐ
通路が、前記請求項21記載の「2本の通路」に、更
に、制御弁80および3方制御弁82が前記請求項21
記載の「弁機構」に、それぞれ相当している。そして、
ECU62が上記ステップ94および96の処理を実行す
ることにより前記請求項21記載の「弁機構制御手段」
が実現されている。
【0102】実施の形態3.次に、図9を参照して本発
明の実施の形態3について説明する。図9は、本実施形
態の蒸発燃料処理装置の構成を説明するための図を示
す。尚、図9において、図1に示す構成部分と同一の部
分については、同一の符号を付してその説明を省略また
は簡略する。
【0103】図9に示すように、本実施形態の蒸発燃料
処理装置は、処理ガス通路42に連通する処理ガスタン
ク100を備えている。処理ガスタンク100は、高濃
度用分離ユニット34の下室40で生成される処理ガス
を蓄えることができる。処理ガスタンク100には、図
示しない内燃機関に配置される燃料ガス噴射弁102が
連通している。燃料ガス噴射弁102は、液体の燃料を
噴射するための通常の燃料噴射弁とは別個に設けられた
噴射弁であり、内燃機関に対して燃料として処理ガスを
噴射することができる。
【0104】本実施形態において、ECU62は、内燃機
関の始動時に内燃機関に対して処理ガスが噴射されるよ
うに燃料ガス噴射弁102を制御する。処理ガスは気体
であるため、液体燃料より燃焼し易い。このため、本実
施形態の装置によれば、内燃機関の始動時における燃料
の燃焼性を高めて、内燃機関の始動性、および始動時に
おけるエミッション特性を改善することができる。
【0105】ところで、上述した実施の形態3では、内
燃機関の始動時には常に処理ガスを噴射することとして
いるが、本発明はこれに限定されるものではない。すな
わち、処理ガスの噴射は、内燃機関の始動性が特に悪化
し易い低温始動時に限って噴射することとしてもよい。
【0106】尚、上述した実施の形態3においては、EC
U62が、内燃機関の始動時に、処理ガスが噴射される
ように燃料ガス噴射弁102を制御することにより、前
記請求項22記載の「燃料ガス供給手段」が実現されて
いる。
【0107】実施の形態4.次に、図10を参照して本
発明の実施の形態4について説明する。図10は、本実
施形態の蒸発燃料処理装置の構成を説明するための図を
示す。尚、図10において、図1に示す構成部分と同一
の部分については、同一の符号を付してその説明を省略
または簡略する。
【0108】図10に示すように、本実施形態の装置
は、フィードポンプ12に通じる吸引管14と処理ガス
通路42との接続部に、ベンチュリ110を備えてい
る。ベンチュリ110は、フィードポンプ12により液
体燃料が吸引された場合に、吸引管14と処理ガス通路
42との接続部に負圧が生ずるように設けられている。
【0109】上記の接続部に負圧が生ずると、処理ガス
通路42内の処理ガスを、効率的に吸引管14内部に吸
引させることができる。このため、本実施形態の装置に
よれば、高濃度用分離ユニット34により生成された処
理ガスを、特別な加圧機構などを設けることなくフィー
ドポンプ12に吸引させることができ、簡単なシステム
構成を用いつつ優れた蒸発燃料処理能力を確保すること
ができる。
【0110】実施の形態5.次に、図11乃至図13を
参照して、本発明の実施の形態5について説明する。図
11は、本実施形態の蒸発燃料処理装置の構成を説明す
るための図を示す。尚、図11において、図1に示す構
成部分と同一の部分については、同一の符号を付してそ
の説明を省略または簡略する。
【0111】上述した実施の形態1の装置は、高濃度用
分離ユニット34や中濃度用分離ユニット44、或いは
調圧弁56や負圧調整弁30などの仕様により決定され
る一定の能力で蒸発燃料の濃縮処理を実行する。ところ
で、燃料タンク10の内部には、その雰囲気温度が高い
ほど多量の蒸発燃料が生じ易い。このため、キャニスタ
20には、燃料タンク10の雰囲気温度が高いほど多量
の蒸発燃料が流入する。また、燃料の給油時には、燃料
タンク10内での液面上昇に伴って、タンク内に存在し
ていた蒸発燃料が多量にキャニスタ20に流入する。
【0112】蒸発燃料処理装置に無駄な負荷をかけるこ
となく蒸発燃料の大気放出を防ぐうえでは、キャニスタ
20に流入する蒸発燃料の量に応じて装置の燃料処理能
力を変化させることが有効である。そこで、本実施形態
の装置は、外気温が高い場合や、給油の直後など、多量
の蒸発燃料が発生すると予測される環境下では、装置の
燃料処理能力を高めることとしている。
【0113】上記の機能を実現するため、本実施形態の
装置は、中濃度用分離ユニット44の下流に、可変調圧
弁120を備えている。可変調圧弁120は、ECU62
から供給される制御信号に応じて設定圧を変化させるこ
とのできる弁機構である。可変調圧弁120によれば、
高濃度用分離ユニット34の上室38および中濃度用分
離ユニット44の上室48に発生する圧力を変化させる
ことにより、第1の分離膜36および第2の分離膜46
の分離能力を変化させること、つまり、蒸発燃料処理装
置の燃料処理能力を変化させることができる。
【0114】また、本実施形態の装置は、図示しない内
燃機関に吸入される空気の温度、すなわち吸気温THAを
検出するための吸気温センサ122、および燃料タンク
10内の燃料残量を検出するための燃料残量センサ12
4を備えている。ECU62は、それらのセンサ122,
124の出力に基づいて、吸気温THAおよび燃料残量を
検知することができる。
【0115】図12は、本実施形態において、ECU62
が、外気温に応じて装置の燃料処理能力を変化させるべ
く実行する制御ルーチンのフローチャートである。図1
2に示すルーチンでは、先ず、吸気温センサ122の出
力に基づいて吸気温THAが検出される(ステップ13
0)。次に、検出された吸気温THAに基づいて可変調圧
弁120の設定圧力が演算される(ステップ132)。
次いで、上記の如く演算された設定圧を可変調圧弁12
0の状態に反映させるための処理、具体的には、可変調
圧弁120に対して、その設定圧力に応じた制御信号を
出力する処理が行われる(ステップ134)。
【0116】可変調圧弁120の設定圧は、装置の燃料
処理能力を決める因子であり、蒸発燃料の発生量に応じ
て設定されるべき値である。ここで、蒸発燃料の発生量
は、吸気温THAに対して相関を有する量である。従っ
て、可変調圧弁120の設定圧は、吸気温THAとの関係
で特定されるべき値である。本実施形態において、ECU
62は、適正な設定圧と吸気温THAとの関係を定めたマ
ップを記憶している。上記ステップ132では、そのマ
ップを参照して、吸気温THAに対する設定圧、つまり、
蒸発燃料の発生状況に応じた設定圧が求められる。
【0117】上述した図12に示すルーチンによれば、
外気温が低く、蒸発燃料の発生量が少ないと予想される
環境下では、可変調圧弁120の設定圧を低くすること
ができる。このため、本実施形態の装置によれば、可変
調圧弁120の上流側の圧力が常に高圧となる場合に比
して、システムの耐圧構造を簡略化することができ、軽
量化および低コスト化を実現することができる。
【0118】また、上述した図12に示すルーチンによ
れば、外気温が高く、蒸発燃料の発生量が多いと予想さ
れる環境下では、可変調圧弁120の設定圧を高くする
ことで十分な蒸発燃料処理能力を確保することができ
る。このため、本実施形態の装置によれば、外気温が高
い環境下でも、蒸発燃料が大気に放出されるのを有効に
防止することができる。
【0119】図13は、本実施形態において、ECU62
が、給油時の燃料処理能力を高めるために実行する制御
ルーチンのフローチャートである。図13に示すルーチ
ンでは、先ず、燃料残量センサ124の出力に基づいて
燃料残量が検出される(ステップ140)。このように
して検出された燃料残量は、少なくとも次回の処理サイ
クル時まで記憶される。また、燃料残量が記憶された
後、車両のイグニッションスイッチ(IGスイッチ)がOF
Fされた場合、ECU62は、その後IGスイッチがONとさ
れ、少なくとも1回本ルーチンが実行されるまではその
残量を記憶する。
【0120】次に、今回の処理サイクルが、イグニッシ
ョン(IG)スイッチがOFFからONに切り換えられた後、
初回のサイクルであるか否かが判別される(ステップ1
42)。
【0121】上記ステップ142の条件が成立する場合
は、IGスイッチがOFFされる前に記憶された最新の燃料
残量が読み出される(ステップ144)。燃料の給油
は、通常、IGスイッチがOFFとされた状態で行われる。
本ステップ144の処理によれば、そのようにして給油
が行われた場合に、給油が終了してIGスイッチがONとさ
れた時点で、給油が行われる直前の燃料残量を検知する
ことができる。
【0122】上記ステップ142において、今回の処理
サイクルが、IGスイッチがONとされた後初回のサイクル
ではないと判別された場合は、前回の処理サイクル時に
記憶された燃料残量が読み出される(ステップ14
2)。
【0123】上述したステップ144または146の処
理が終了すると、次に、それらのステップで読み出され
た燃料残量と、上記ステップ140で検出された現在の
燃料残量との比較に基づいて、給油が実行されたか、ま
たは実行中であるかが判別される(ステップ148)。
【0124】その結果、給油が実行された、または給油
が実行中であると判別された場合は、可変調圧弁120
の設定圧が、所定の高圧設定値とされる(ステップ15
0)。本ステップ150の処理により、設定圧が高圧設
定値とされると、第1の分離膜36および第2の分離膜
46に作用する圧力が高圧となり、蒸発燃料処理能力が
高められる。このため、本実施形態の装置によれば、蒸
発燃料が多量に発生する給油時にも、蒸発燃料がキャニ
スタから溢れて大気に放出されるのを有効に防止するこ
とができる。
【0125】一方、上記ステップ148において給油が
実行されていないと判断された場合は、可変調圧弁12
0の設定圧が、所定の低圧設定値とされる(ステップ1
52)。本ステップ152の処理により、設定圧が低圧
設定値とされると、パージガス循環ポンプ32から可変
調圧弁120に至る経路に作用する圧力が低圧となる。
このため、本実施形態の装置によれば、その圧力が常に
高圧となる場合に比して、システムの耐圧構造を簡略化
することができ、軽量化および低コスト化を実現するこ
とができる。
【0126】ところで、上述した実施の形態5において
は、可変調圧弁120の設定圧を変えることにより蒸発
燃料の処理能力を変化させることとしているが、蒸発燃
料の処理能力を変化させる手法はこれに限定されるもの
ではない。例えば、調圧弁の設定圧が一定であっても、
パージガス循環ポンプ32から吐出されるガス流量が変
化すれば、調圧弁における流通抵抗が変化し、その結
果、第1の分離膜36および第2の分離膜46に作用す
る圧力は変化する。このため、蒸発燃料の処理能力は、
パージガス循環ポンプ32の吐出量を変えることにより
変化させることとしてもよい。
【0127】また、本実施形態の装置においては、キャ
ニスタ20に内蔵されているヒータ22の発熱量を変化
させることにより、キャニスタ出ガスの濃度を変えるこ
とができる。本実施形態の装置は、キャニスタ出ガスの
濃度が高いほど蒸発燃料を多量に処理することができ
る。従って、蒸発燃料の処理能力は、ヒータ22に供給
する電力を変えることにより変化させることとしてもよ
い。
【0128】また、上述した実施の形態5においては、
可変調圧弁120として、電気的に設定圧を変えること
のできる弁機構を用いているが、可変調圧弁120は、
このような弁機構に限られるものではない。すなわち、
可変調圧弁120は、形状記憶合金等の機能により、雰
囲気温度に応じて開放加重を変化させる機械式の弁機構
で実現してもよい。このような弁機構によれば、給油時
の処理能力を変えることはできないが、外気温に応じて
処理能力を変化させる機能を簡単な構成により実現する
ことができる。
【0129】尚、上述した実施の形態5においては、可
変調圧弁120が前記請求項8記載の「処理能力可変手
段」に相当していると共に、ECU62が、上記ステップ
130またはステップ148の処理を実行することによ
り、前記請求項8記載の「処理必要量取得手段」が、上
記ステップ132および134、またはステップ150
および152の処理を実行することにより前記請求項8
記載の「処理能力制御手段」が、それぞれ実現されてい
る。
【0130】また、上述した実施の形態5においては、
可変調圧弁120が前記請求項9記載の「圧力可変手
段」および前記請求項10記載の「調圧弁設定圧力可変
手段」に相当していると共に、ECU62が、上記ステッ
プ132および134、またはステップ150および1
52の処理を実行することにより前記請求項9記載の
「圧力制御手段」および前記請求項10記載の「設定圧
力制御手段」が実現されている。
【0131】また、上述した実施の形態5においては、
パージガス循環ポンプ32の吐出量により蒸発燃料の処
理能力を変化させる構成を採用した場合に、その吐出量
を可変とする機構により前記請求項11記載の「吐出能
力可変手段」を実現することができ、また、ECU62に
その吐出量を変化させる処理を実行させることにより前
記請求項11記載の「吐出能力制御手段」を実現するこ
とができる。
【0132】また、上述した実施の形態5においては、
キャニスタ20のヒータ22により蒸発燃料の処理能力
を変化させる構成を採用した場合に、ヒータ22により
前記請求項12記載の「キャニスタ加熱手段」を実現す
ることができ、また、ECU62にヒータ22の発熱量を
変化させる処理を実行させることにより前記請求項12
記載の「発熱量制御手段」を実現することができる。
【0133】実施の形態6.次に、図14および図15
を参照して、本発明の実施の形態6について説明する。
図14は、本実施形態の蒸発燃料処理装置の構成を説明
するための図である。尚、図14において、上記図1に
示す構成要素と同一の部分については、同一の符号を付
してその説明を省略または簡略する。
【0134】本実施形態の装置は、図14に示すよう
に、高濃度用分離ユニット34の下室40に配設された
濃度センサ160を備えている。濃度センサ160は、
高濃度用分離ユニット34によって生成される処理ガス
の濃度に応じた出力を発する。ECU62は、濃度センサ
160の出力に基づいて、処理ガスの濃度を検知するこ
とができる。
【0135】本実施形態の装置は、実施の形態1の装置
と同様に、蒸発燃料を脱離させるためのガスとして、5
%程度の濃度で蒸発燃料を含むキャニスタ入ガスを用い
ている。そして、そのようなガスによる効率的なパージ
を可能とするため、キャニスタ20をヒータ22で加熱
することとしている。このため、本実施形態の装置を正
常に機能させるうえでは、ヒータ22が適正に機能して
いることが必要である。従って、本実施形態の装置にお
いては、ヒータ22の異常を速やかに検知することが重
要である。
【0136】図15は、ECU62が、ヒータ22が正常
であるか否かを判断するための実行する制御ルーチンの
フローチャートである。図15に示すルーチンは、適当
な頻度で実行されるように、例えば、車両の始動時毎、
所定の時間間隔毎、或いは所定の走行距離毎などに起動
される。
【0137】図15に示すルーチンでは、先ず、ヒータ
22をONとした状態で、濃度センサ160の出力に基づ
いて処理ガス濃度が検出される(ステップ170)。次
に、ヒータ22をOFFとした状態で、処理ガス濃度が検
出される(ステップ172)。
【0138】ヒータ22が正常であれば、ヒータ22が
ONである場合には、ヒータ22がOFFである場合に比し
て、キャニスタ出ガスの濃度が高くなる。処理ガスの濃
度は、キャニスタ出ガスの濃度に対して相関を有するた
め、ヒータ22が正常であれば、処理ガスの濃度も、ヒ
ータ22がONである場合にヒータ22がOFFである場合
に比して高くなる。従って、本実施形態の装置において
は、ヒータ22ON時の処理ガス濃度がヒータOFF時の処
理ガス濃度に比して十分に高い場合には、ヒータ22が
正常であると判断することができる。反対に、それらの
濃度に有意な差が認められない場合は、ヒータ22が正
常に機能していないと判断することができる。
【0139】図15に示すルーチンでは、上記ステップ
172の処理に次いで、ヒータ22ON時の処理ガス濃度
が、ヒータOFF時の処理ガス濃度に比して十分に高いか
否かが判別される(ステップ174)。その結果、ON時
の濃度がOFF時の濃度に比して十分に高いと判断された
場合は、ヒータ22が正常であるとの判断がなされる
(ステップ176)。一方、上記の条件が成立しないと
判別された場合は、ヒータ22に、断線や劣化などの異
常が生じているとの判断がなされる(ステップ17
8)。
【0140】以上説明した通り、図15に示すルーチン
によれば、処理ガス濃度に基づいて、ヒータ22の状態
を精度良く判断することができる。このため、本実施形
態の装置によれば、ヒータ22に異常が生じた場合に、
その異常を精度良く速やかに検知することができる。
【0141】ところで、上述した実施の形態6において
は、ヒータ22の状態を、処理ガス濃度に基づいて判断
することとしているが、判断の基礎とするデータは処理
ガス濃度に限定されるものではない。すなわち、その基
礎とするデータは、キャニスタ出ガスの濃度と相関を有
するものであれば足り、キャニスタ出ガスの濃度そのも
のの、或いは、パージガス循環ポンプ32から吐出され
てくる混合ガスの濃度などに基づいてヒータ22の状態
を判断することとしてもよい。
【0142】尚、上述した実施の形態6においては、ヒ
ータ22が前記請求項17記載の「脱離促進手段」に、
濃度センサ160が前記請求項17記載の「濃度検出手
段」にそれぞれ相当していると共に、ECU62が、上記
ステップ174の処理を実行することにより前記請求項
17記載の「異常判定手段」が実現されている。
【0143】実施の形態7.次に、図16乃至図18を
参照して、本発明の実施の形態7について説明する。図
16は、本実施形態の蒸発燃料処理装置の構成を説明す
るための図である。尚、図16において、上記図1に示
す構成要素と同一の部分については、同一の符号を付し
てその説明を省略または簡略する。
【0144】本実施形態の装置は、図16に示すよう
に、パージガス循環ポンプ32の吐出口付近に、圧力検
出機構180を備えている。圧力検出機構180は、例
えば、公知の圧力センサや、配管内に配置されるピトー
管或いはベンチュリなどを利用した流量センサにより実
現することができる。
【0145】本実施形態の装置は、パージガス循環ポン
プ32が蒸発燃料ガスを圧送することにより蒸発燃料の
処理を可能としている。このため、本実施形態の装置が
適正に蒸発燃料処理能力を発揮するためには、パージガ
ス循環ポンプ32が正常に機能することが必須である。
【0146】また、本実施形態の装置は、実施の形態1
の場合と同様に、第1の分離膜36や第2の分離膜46
に作用する圧力を調圧弁56により高めることにより、
所望の蒸発燃料処理を確保している。このため、本実施
形態の装置が適正に蒸発燃料処理能力を発揮するために
は、調圧弁56が正常に機能することが必須である。
【0147】更に、本実施形態の装置において、パージ
ガス循環ポンプ32から調圧弁56に至る経路に漏れが
生じていれば、その漏れの箇所から蒸発燃料が大気中に
流出し、車両の排気エミッションが悪化する。このた
め、本実施形態の装置においては、パージガス循環ポン
プ32の異常、調圧弁56の異常、更には、パージガス
循環ポンプ32から調圧弁56に至る経路の漏れ異常を
速やかに検知することが重要である。
【0148】図17は、上述した異常を検知するための
ECU62が実行する第1のルーチンのフローチャートで
ある。図17に示すルーチンでは、先ず、パージガス循
環ポンプ32が運転中であるか否かが判別される(ステ
ップ190)。
【0149】その結果、パージガス循環ポンプ32が運
転中でないと判別された場合は、そのまま今回の処理サ
イクルが終了される。一方、パージガス循環ポンプ32
が運転中であると判別された場合は、次に、圧力検出機
構180の出力に基づいてポンプ32の吐出口圧力が検
出される(ステップ192)。
【0150】ポンプ32の吐出口圧力が検出されると、
次に、その圧力が、所定の判定値P 以上であるか否か
が判別される(ステップ194)。上記の吐出圧力は、
パージガス循環ポンプ32が適正に作動していない場合
は、正常値に比して低い値となる。また、その圧力は、
ポンプ32から調圧弁56に至る系内に漏れ故障が生じ
る場合や、調圧弁56に開故障が生じている場合にも正
常値に比して低い値となる。本ステップ194で用いら
れる判定値Pは、それらの異常の存在を判別するため
に、正常な吐出口圧力に基づいて予め設定された値であ
る。
【0151】図17に示すルーチンにおいて、上記ステ
ップ194の条件が成立すると判別された場合は、パー
ジガス循環ポンプ32から調圧弁56に至る系が正常で
あることが判断される(ステップ196)。一方、上記
ステップ194の条件が成立しないと判別された場合
は、パージガス循環ポンプ32から調圧弁56に至る系
に異常が生じていることが判断される(ステップ19
8)。
【0152】以上説明した通り、図17に示すルーチン
によれば、パージガス循環ポンプ32や調圧弁56に異
常が生じているか否かを精度良く判断することができ
る。このため、本実施形態の装置によれば、パージガス
循環ポンプ32から調圧弁56に至る系に何らかの異常
が生じた場合に、その異常を速やかに検知することがで
きる。
【0153】図18は、装置の異常を検出するためのEC
U62が実行する第2のルーチンのフローチャートを示
す。図18に示すルーチンでは、先ず、今回の処理サイ
クルがパージガス循環ポンプ32の停止直後に起動され
たサイクルであるか否かが判別される(ステップ20
0)。
【0154】その結果、今回の処理サイクルがポンプ3
2の停止直後に起動されたものではないと判別された場
合は、速やかに今回の処理サイクルが終了される。一
方、上記ステップ200の条件が成立すると判別された
場合は、次に、圧力検出機構180の出力に基づいて、
パージガス循環ポンプ32の吐出口圧力が検出され、か
つ、記録される(ステップ202)。
【0155】次に、所定期間が経過したか否かが判別さ
れる(ステップ204)。尚、上記の所定期間は、ポン
プ32の停止後にその吐出口圧力がどのような変化を示
しているかを判断するのに必要な期間である。
【0156】所定期間が経過したと判別されるまでは、
繰り返し上記ステップ202および204の処理が実行
される。一方、所定期間が経過したと判別されると、次
に、記録された吐出圧力の変化に基づいて、その圧力が
急激に降下しているか否かが判別される(ステップ20
6)。
【0157】パージガス循環ポンプ32から調圧弁56
に至る経路に漏れ異常が生じていない場合は、ポンプ3
2が停止された後、その吐出口圧力は緩やかな変化を示
す。一方、上記の経路に漏れ異常が生じている場合は、
ポンプ32の停止後に、その吐出口圧力が急激な降下を
示す。上記ステップ206では、所定の判定値に基づい
て、漏れ異常の発生を判断するに足る圧力降下が生じて
いたか否かが判別される。
【0158】そして、パージガス循環ポンプ32の吐出
口圧力に急激な降下が生じていたと判別された場合は、
ポンプ32から調圧弁56に至る系に漏れ異常が生じて
いると判断される(ステップ208)。一方、そのよう
な急激な圧力降下が生じていないと判別された場合は、
ポンプ32から調圧弁56に至る系が正常であると判断
される(ステップ210)。
【0159】以上説明した通り、図18に示すルーチン
によれば、パージガス循環ポンプ32の停止直後におけ
る吐出口圧力の変化に基づいて、ポンプ32から調圧弁
56に至る系、つまり、正圧の作用する系に漏れ異常が
生じているか否かを判断することができる。このため、
本実施形態の装置によれば、そのような漏れ異常の発生
を速やかに検知して、蒸発燃料の大気放出を防止するこ
とができる。
【0160】尚、上述した実施の形態7においては、圧
力検出機構180が前記請求項23記載の「ポンプ出口
圧力検出手段」に相当していると共に、ECU62が上記
図17に示すルーチンを実行することにより前記請求項
23記載の「異常認識手段」が実現されている。
【0161】また、上述した実施の形態7においては、
圧力検出機構180が前記請求項24記載の「ポンプ出
口圧力検出手段」に相当していると共に、ECU62が上
記図18に示すルーチンを実行することにより前記請求
項24記載の「漏れ判定手段」が実現されている。
【0162】実施の形態8.次に、図19および図20
を参照して、本発明の実施の形態8について説明する。
図19は、本実施形態の蒸発燃料処理装置の構成を説明
するための図である。尚、図19において、上記図1に
示す構成要素と同一の部分については、同一の符号を付
してその説明を省略または簡略する。
【0163】本実施形態の装置は、図19に示すよう
に、パージ通路28に、キャニスタ出ガスの量を計測す
るための流量センサ220を備えている。流量センサ2
20は、パージ通路28の内部に配置されるピトー管或
いはベンチュリなどを利用した、公知の構造を有するセ
ンサである。
【0164】本実施形態の装置において、中濃度用分離
ユニット44で生成される循環ガスは、実施の形態1の
場合と同様に、キャニスタ出ガスの濃度が高いほどが多
量となる。パージガス循環ポンプ32の能力は一定であ
るから、キャニスタ出ガスの流量は、循環ガスが多量で
あるほど少量となる。このため、キャニスタ出ガスの流
量は、キャニスタ出ガスの濃度が濃いほど少量となり、
その濃度が薄くなるに連れて増量される。従って、本実
施形態の装置においては、キャニスタ出ガスの流量か
ら、そのガスの濃度、つまり、キャニスタ20内におけ
る燃料の吸着状態を推定することができる。
【0165】蒸発燃料のパージは、キャニスタ20内に
燃料が多量に吸着されている状況下で実行すれば足り、
その量が十分に少ない状況下では実行する必要がない。
このため、蒸発燃料のパージが開始された後、キャニス
タ20内の吸着燃料量が十分に少量になったら、その時
点でパージを完了させることが望ましい。そこで、本実
施形態の装置は、キャニスタ出ガスの流量から、キャニ
スタ内での燃料吸着状態を推定し、その量が十分に少な
いと推定できる場合には蒸発燃料のパージを完了させる
こととしている。
【0166】図20は、上記の機能を実現するために本
実施形態においてECU62が実行する制御ルーチンのフ
ローチャートである。図20に示すルーチンでは、先
ず、蒸発燃料のパージが行われているか否か、より具体
的には、パージガス循環ポンプ32が作動しているか否
かが判別される(ステップ230)。
【0167】その結果、蒸発燃料がパージされていない
と判別された場合は、そのまま今回の処理サイクルが終
了される。一方、蒸発燃料がパージされていると判別さ
れた場合は、次に、流量センサ220の出力に基づい
て、キャニスタ出ガスの流量が検出される(ステップ2
32)。
【0168】そして、検出されたキャニスタ出ガスの流
量が、所定の判定値Q以上であるか否かが判別される
(ステップ234)。
【0169】判定値Qは、キャニスタ出ガスの濃度
が、パージを終了させるべき濃度(例えば15%)にな
った時点で生ずるキャニスタ出ガスの流量である。従っ
て、その流量がQ以上でないと判別された場合は、未
だ、キャニスタ出ガスがパージを終了させるべき濃度に
低下していないと判断できる。この場合、以後、パージ
を終了させることなく、速やかに今回のルーチンが終了
される。
【0170】一方、上記ステップ234において、キャ
ニスタ出ガスの流量が判定値Q以上であると判別され
た場合は、キャニスタ出ガスの濃度が、パージを終了さ
せるべき濃度に低下したと判断できる。この場合、図2
0に示すルーチンでは、次に、パージを終了させるため
の処理、つまり、パージガス循環ポンプ32を停止させ
るための処理等が行われる。
【0171】以上説明した通り、本実施形態の装置によ
れば、キャニスタ出ガスの流量に基づいて、そのガスの
濃度が適当に低下した時点で、つまり、キャニスタ20
内の蒸発燃料の吸着量が十分に少量となった時点で、パ
ージを終了させることができる。このため、本実施形態
の装置によれば、蒸発燃料ガスの濃度を検出するセンサ
を用いることなく、適切なタイミングでパージを完了さ
せることができる。
【0172】ところで、上述した実施の形態8において
は、キャニスタ20内の燃料吸着状態が、キャニスタ出
ガスの流量に反映させることから、その流量に基づいて
パージの完了時期を決定することとしているが、パージ
の完了時期を決める要素はこれに限定されるものではな
い。つまり、キャニスタ20内の燃料吸着状態は、キャ
ニスタ出ガスの流量に反映されると共に、処理ガスや、
循環ガス、更にはキャニスタ入ガスなどの流量にも反映
される。従って、パージの完了時期は、それらのガス流
量に基づいて決定することとしてもよい。
【0173】尚、上述した実施の形態8においては、流
量センサ220が前記請求項25記載の「キャニスタ流
通ガス検出手段」に相当していると共に、ECU62が上
記ステップ234の処理を実行することにより前記請求
項25記載の「パージ完了判定手段」が実現されてい
る。
【0174】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。請求項1
記載の発明によれば、キャニスタからパージされるキャ
ニスタ出ガスをベーパ濃縮手段で処理することにより、
高濃度の処理ガスと、中濃度の循環ガスと、低濃度のキ
ャニスタ入ガスとに分離することができる。この際、中
濃度の循環ガスはベーパ濃縮手段に循環されて繰り返し
濃縮処理に付される。このため、本発明によれば、処理
ガスを十分に高濃度とし、かつ、キャニスタ入ガスを十
分に低濃度とすることができる。十分に高濃度の処理ガ
スは、燃料タンクに導くことで燃料として利用すること
ができる。また、十分に低濃度のキャニスタ入ガスは、
キャニスタに導くことで、キャニスタ内に吸着されてい
る蒸発燃料をパージさせるためのガスとして利用するこ
とができる。従って、本発明によれば、キャニスタに吸
着されている蒸発燃料を、効率的に燃料として利用可能
な状態にすることができる。
【0175】請求項2記載の発明によれば、パージガス
循環ポンプによってキャニスタ出ガスを生成することが
できる。また、高濃度用分離ユニットと中濃度用分離ユ
ニットとを用いて、キャニスタ出ガスから、高濃度の処
理ガスと、中濃度の循環ガスと、低濃度のキャニスタ入
ガスを生成することができる。
【0176】請求項3記載の発明によれば、高濃度用分
離ユニットが備える第1の分離膜の面積を、中濃度用分
離ユニットが有する第2の分離膜の面積より小さくする
ことにより、混合ガスが第1の分離膜で処理される際に
効率的に高濃度の処理ガスを取り出すことができ、ま
た、中濃度ガスが第2の分離膜で処理される際に効率的
に低濃度のキャニスタ入ガスを取り出すことができる。
【0177】請求項4記載の発明によれば、第1の分離
膜の面積と第2の分離膜の面積との比が適切な値である
ことから、キャニスタ出ガスの蒸発燃料濃度が15%以
上であれば、処理ガスの蒸発燃料濃度を95%以上と
し、かつ、キャニスタ入ガスの蒸発燃料濃度を5%以下
とすることができる。このため、本発明によれば、キャ
ニスタ出ガスの濃度が15%になるまで、キャニスタ内
の蒸発燃料を燃料化するための処理を継続することがで
きる。
【0178】請求項5記載の発明によれば、処理ガスを
フィードポンプの燃料吸引口に導くことができる。フィ
ードポンプに吸い込まれた処理ガスは、その内部で圧縮
されることにより液化する。このため、本発明によれ
ば、処理ガスを液化するための機構を特別に設けること
なく、処理ガスを燃料として利用可能な状態にすること
ができる。
【0179】請求項6記載の発明によれば、フィードポ
ンプの燃料吸引口にベンチュリを設けることで、処理ガ
スを円滑にフィードポンプに吸い込ませることができ
る。
【0180】請求項7記載の発明によれば、キャニスタ
と高濃度用分離ユニットの間にパージガス循環ポンプが
配置され、中濃度用分離ユニットとキャニスタの間に調
圧弁が配置される。パージガス循環ポンプと調圧弁との
間には、調圧弁の設定圧力が作用する。高濃度用分離ユ
ニットおよび中濃度分離ユニットは、それらの作用する
圧力が高いほど優れた分離能力を発揮する。このため、
本発明によれば、優れた蒸発燃料処理能力を発揮するこ
とができる。また、本発明の構成によれば、キャニスタ
出ガスの濃度が薄くなり、処理ガス量が減少し、また、
循環ガス量が減少するに連れて、キャニスタ入ガス量が
増量する。このため、本発明によれば、キャニスタ内の
蒸発燃料が少なくなるほど、その蒸発燃料がパージされ
易い状態を作り出すことができる。
【0181】請求項8記載の発明によれば、蒸発燃料の
処理必要量に応じて、ベーパ濃縮手段の処理能力を変化
させることができる。このため、本発明によれば、内燃
機関の状態に応じた適正な蒸発燃料処理を実現すること
ができる。
【0182】請求項9記載の発明によれば、第1の分離
膜に触れる混合ガスの圧力、或いは第2の分離膜に触れ
る中濃度ガスの圧力を変化させることにより、所望の処
理能力を実現することができる。
【0183】請求項10記載の発明によれば、調圧弁の
設定圧力を変化させることにより所望の圧力を作り出す
ことができる。
【0184】請求項11記載の発明によれば、パージガ
ス循環ポンプの吐出能力を変化させることにより所望の
処理能力を作り出すことができる。
【0185】請求項12記載の発明によれば、キャニス
タを加熱する程度を変化させることにより所望の処理能
力を作り出すことができる。
【0186】請求項13記載の発明によれば、キャニス
タとパージガス循環ポンプとの間に負圧調整弁を配置す
ることで、循環ガス通路に負圧を生じさせることができ
る。循環ガス通路に生ずる負圧は、第2の分離膜に作用
し、その膜の両側に作用する差圧を増大させる。このた
め、本発明によれば、第2の分離膜に過大な正圧を加え
ることなくその両側に大きな差圧を発生させることがで
き、中濃度用分離ユニットに高い濃縮能力を発揮させる
ことができる。
【0187】請求項14記載の発明によれば、キャニス
タからの蒸発燃料の脱離を促進する脱離促進手段を備え
ていることから、キャニスタ入ガスに蒸発燃料が含まれ
ているにも関わらず、キャニスタ内の蒸発燃料を適正に
パージさせることができる。
【0188】請求項15記載の発明によれば、キャニス
タを加熱することにより、蒸発燃料の脱離を有効に促進
することができる。
【0189】請求項16記載の発明によれば、パージガ
ス循環ポンプが発する熱を利用してキャニスタを加熱す
ることができる。
【0190】請求項17記載の発明によれば、キャニス
タからの蒸発燃料の脱離状態を表す濃度(キャニスタ出
ガス濃度など)を、脱離促進手段の作動時と非作動時と
で比較することにより、脱離促進手段が適正に機能して
いるか否か、すなわち、脱離促進手段に異常が生じてい
るか否かを判断することができる。
【0191】請求項18記載の発明によれば、高濃度用
分離ユニットが中濃度用分離ユニットの下方に配置され
ているため、より比重の重い高濃度のガスを、高濃度用
分離ユニットに効率的に存在させることができる。この
ため、本発明によれば、高い処理能力を確保することが
できる。
【0192】請求項19記載の発明によれば、燃料タン
クが高濃度用分離ユニットや中濃度用分離ユニットの下
方に配置されているため、それらのユニット内で液化し
た燃料を効率的に燃料タンクに回収することができる。
【0193】請求項20記載の発明によれば、キャニス
タからの蒸発燃料の脱離状態を表す濃度(キャニスタ出
ガス濃度など)に応じて第1の分離膜の面積と第2の分
離膜の面積との比率を変化させることにより、キャニス
タの状態に応じて適正な蒸発燃料処理能力を実現するこ
とができる。
【0194】請求項21記載の発明によれば、高濃度用
分離ユニットが備える複数の上室をどのように混合ガス
が流通するかを変化させることにより、実質的に第1の
分離膜の面積と第2の分離膜の面積との比率を変化させ
ることができる。
【0195】請求項22記載の発明によれば、処理ガス
タンクに蓄えた処理ガスを内燃機関の始動時に燃料とし
て利用することにより、内燃機関の指導性を高めること
ができる。
【0196】請求項23記載の発明によれば、パージガ
ス循環ポンプが作動すべき場合に、ポンプの出口部に適
正な圧力が生じているか否かに基づいて、ポンプが適正
に作動しているか、およびポンプから調圧弁までの経路
に異常が生じていないかを判断することができる。
【0197】請求項24記載の発明によれば、パージガ
ス循環ポンプが停止した後、その出口部の圧力が適正な
圧力変化を示すか否かに基づいて、ポンプから調圧弁ま
での経路に漏れが生じているか否かを判断することがで
きる。
【0198】請求項25記載の発明によれば、キャニス
タを流通するガスの流量に基づいて、パージの完了を判
断することができる。それらのガス流量は、キャニスタ
内の蒸発燃料量が減って処理ガス流量および循環ガス流
量が減るに連れて増加する。従って、本発明によれば、
キャニスタ内の蒸発燃料が適正に処理された時点でパー
ジを完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の蒸発燃料処理装置の
構成を説明するための図である。
【図2】 実施の形態1の装置が備える分離膜の原理を
説明するための図である。
【図3】 実施の形態1の装置が備える分離膜により高
濃度のガスと低濃度のガスを生成する原理を説明するた
めの図である。
【図4】 実施の形態1の装置が蒸発燃料ガスを処理す
る様子を説明するための図である。
【図5】 第1の分離膜と第2の分離膜の面積比と、処
理ガス或いはキャニスタ入ガスの濃度との関係を示す図
である。
【図6】 キャニスタからパージされる蒸発燃料の量と
キャニスタ入ガスの濃度との関係を、加熱の有無に応じ
て表した図である。
【図7】 本発明の実施の形態2の蒸発燃料処理装置の
構成を説明するための図である。
【図8】 実施の形態2の装置において実行される制御
ルーチンのフローチャートである。
【図9】 本発明の実施の形態3の蒸発燃料処理装置の
構成を説明するための図である。
【図10】 本発明の実施の形態4の蒸発燃料処理装置
の構成を説明するための図である。
【図11】 本発明の実施の形態5の蒸発燃料処理装置
の構成を説明するための図である。
【図12】 実施の形態5の装置において実行される第
1の制御ルーチンのフローチャートである。
【図13】 実施の形態5の装置において実行される第
2の制御ルーチンのフローチャートである。
【図14】 本発明の実施の形態6の蒸発燃料処理装置
の構成を説明するための図である。
【図15】 実施の形態6の装置において実行される制
御ルーチンのフローチャートである。
【図16】 本発明の実施の形態7の蒸発燃料処理装置
の構成を説明するための図である。
【図17】 実施の形態7の装置において実行される第
1の制御ルーチンのフローチャートである。
【図18】 実施の形態7の装置において実行される第
2の制御ルーチンのフローチャートである。
【図19】 本発明の実施の形態8の蒸発燃料処理装置
の構成を説明するための図である。
【図20】 実施の形態8の装置において実行される制
御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 燃料タンク 12 低圧フィードポンプ 20 キャニスタ 22 ヒータ 28 パージ通路 30 負圧調整弁 32 パージガス循環ポンプ 34 高濃度用分離ユニット 36 第1の分離膜 38,48 上室 40,50 下室 42 処理ガス通路 44 中濃度用分離ユニット 46 第2の分離膜 54 キャニスタ入ガス通路 60 処理ガス通路 62 ECU(Electronic Control Unit) 64 分離膜 66 上流空間 68 下流空間 80 制御弁 82 3方制御弁 100 処理ガスタンク 102 燃料ガス噴射弁 110 ベンチュリ 120 可変調圧弁 160 濃度センサ 180 圧力検出機構 220 流量センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 25/08 F02M 25/08 311M 21/02 301 21/02 301R Fターム(参考) 3G044 BA20 BA23 CA03 CA17 DA03 DA07 EA32 EA55 FA02 FA10 FA14 FA15 FA36 GA00 GA18 GA23 GA26 GA29 GA30

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、 燃料タンク内で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタ
    と、 前記キャニスタから、キャニスタ出ガスを流出させるキ
    ャニスタ出ガス生成手段と、 前記キャニスタ出ガスを、高濃度で蒸発燃料を含む処理
    ガスと、中濃度で蒸発燃料を含む循環ガスと、低濃度で
    蒸発燃料を含むキャニスタ入ガスとに分離するベーパ濃
    縮手段と、 前記処理ガスを前記燃料タンクに導く処理ガス通路と、 前記循環ガスを前記ベーパ濃縮手段の上流に循環させる
    循環ガス通路と、 前記キャニスタ入ガスを前記キャニスタの上流に循環さ
    せるキャニスタ入ガス通路と、 を備えることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 【請求項2】 前記キャニスタ出ガス生成手段は、前記
    キャニスタに連通するパージガス循環ポンプを含み、 前記ベーパ濃縮手段は、 蒸発燃料を含むガスを高濃度で蒸発燃料を含む高濃度ガ
    スと低濃度で蒸発燃料を含む低濃度ガスとに分離する第
    1の分離膜を有し、前記キャニスタ出ガスと前記循環ガ
    スとの混合ガスを前記処理ガスと中濃度ガスとに分離す
    る高濃度用分離ユニットと、 前記高濃度分離ユニットの下流に配置され、前記第1の
    分離膜と同様に機能する第2の分離膜を有し、前記中濃
    度ガスを前記循環ガスと前記キャニスタ入ガスとに分離
    する中濃度用分離ユニットとを含むことを特徴とする請
    求項1記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の分離膜の面積は、前記第2の
    分離膜の面積に比して小さいことを特徴とする請求項2
    記載の蒸発燃料処理装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の分離膜の面積と、前記第2の
    分離膜の面積との比は、キャニスタ出ガスの蒸発燃料濃
    度が15%である場合に、前記処理ガスの蒸発燃料濃度
    が95%以上となり、かつ、前記キャニスタ入ガスの蒸
    発燃料濃度が5%以下となるように設定されていること
    を特徴とする請求項3記載の蒸発燃料処理装置。
  5. 【請求項5】 前記燃料タンク内の燃料を内燃機関に向
    けてフィードするフィードポンプを備え、 前記処理ガス通路は、前記フィードポンプの燃料吸引口
    に前記処理ガスを導くことを特徴とする請求項1乃至4
    の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置。
  6. 【請求項6】 前記フィードポンプの燃料吸引口に負圧
    を発生させるためのベンチュリを備えることを特徴とす
    る請求項5記載の蒸発燃料処理装置。
  7. 【請求項7】 前記パージガス循環ポンプは、前記キャ
    ニスタと前記高濃度用側分離ユニットとの間に配設され
    ると共に、 前記キャニスタ入ガス通路は、前記中濃度用分離ユニッ
    ト側の圧力を前記キャニスタ側の圧力に比して高圧とす
    る調圧弁を備えることを特徴とする請求項2乃至6の何
    れか1項記載の蒸発燃料処理装置。
  8. 【請求項8】 前記ベーパ濃縮手段が前記処理ガスを生
    成する際の処理能力を可変とする処理能力可変手段と、 蒸発燃料の処理必要量を求める処理必要量取得手段と、 前記処理必要量に基づいて、前記処理能力可変手段を制
    御する処理能力制御手段と、 を備えることを特徴とする請求項7記載の蒸発燃料処理
    装置。
  9. 【請求項9】 前記処理能力可変手段は、前記第1の分
    離膜に触れる前記混合ガスの圧力、および前記第2の分
    離膜に触れる前記中濃度ガスの圧力の少なくとも一方の
    圧力を可変とする圧力可変手段を含み、 前記処理能力制御手段は、前記処理必要量が多いほど前
    記圧力を高圧とする圧力制御手段を含むことを特徴とす
    る請求項8記載の蒸発燃料処理装置。
  10. 【請求項10】 前記圧力可変手段は、前記調圧弁の設
    定圧力を可変とする調圧弁設定圧力可変手段を含み、 前記処理能力制御手段は、前記処理必要量が多いほど前
    記設定圧力を高圧とする設定圧力制御手段を含むことを
    特徴とする請求項9記載の蒸発燃料処理装置。
  11. 【請求項11】 前記圧力可変手段は、前記パージガス
    循環ポンプの吐出能力を可変とする吐出能力可変手段を
    含み、 前記処理能力制御手段は、前記処理必要量が多いほど前
    記吐出能力を高める吐出能力制御手段を含むことを特徴
    とする請求項9または10記載の蒸発燃料処理装置。
  12. 【請求項12】 前記処理能力可変手段は、前記キャニ
    スタを加熱するキャニスタ加熱手段を含み、 前記処理能力制御手段は、前記処理必要量が多いほど前
    記キャニスタ加熱手段に多くの熱量を発生させる発熱量
    制御手段を含むことを特徴とする請求項8乃至11の何
    れか1項記載の蒸発燃料処理装置。
  13. 【請求項13】 前記キャニスタと前記パージガス循環
    ポンプとの間に配設され、前記パージガス循環ポンプの
    作動時に、前記循環ガス通路に負圧を生じさせる負圧調
    整弁を備えることを特徴とする請求項7乃至12の何れ
    か1項記載の蒸発燃料処理装置。
  14. 【請求項14】 前記キャニスタからの蒸発燃料の脱離
    を促進する脱離促進手段を備えることを特徴とする請求
    項1乃至13の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置。
  15. 【請求項15】 前記脱離促進手段は、前記キャニスタ
    を加熱するキャニスタ加熱手段を含むことを特徴とする
    請求項14記載の蒸発燃料処理装置。
  16. 【請求項16】 前記キャニスタと前記パージガス循環
    ポンプとは、当該パージガス循環ポンプの作動に伴う熱
    が前記キャニスタに伝わるように配置されており、 前記キャニスタ加熱手段は、当該パージガス循環ポンプ
    を含むことを特徴とする請求項15記載の蒸発燃料処理
    装置。
  17. 【請求項17】 前記キャニスタ出ガスの濃度、前記混
    合ガスの濃度、および前記処理ガスの濃度の少なくとも
    1つを検出する濃度検出手段と、 前記脱離促進手段の作動時における前記濃度検出手段の
    検出結果と、前記脱離促進手段の非作動時における前記
    濃度検出手段の検出結果との差に基づいて、前記脱離促
    進手段の異常を判定する異常判定手段と、 を備えることを特徴とする請求項14乃至16の何れか
    1項記載の蒸発燃料処理装置。
  18. 【請求項18】 前記高濃度用分離ユニットは、前記中
    濃度用分離ユニットの下方に配置されていることを特徴
    とする請求項2乃至17の何れか1項記載の蒸発燃料処
    理装置。
  19. 【請求項19】 前記燃料タンクは、前記高濃度用分離
    ユニットおよび前記中濃度用分離ユニットの何れよりも
    下方に配置されることを特徴とする請求項2乃至18の
    何れか1項記載の蒸発燃料処理装置。
  20. 【請求項20】 前記キャニスタ出ガスの濃度、前記混
    合ガスの濃度、および前記処理ガスの濃度の少なくとも
    1つを検出する濃度検出手段と、 前記第1の分離膜の面積と、前記第2の分離膜の面積と
    の比率を可変とする面積比可変手段と、 前記濃度検出手段の検出結果に基づいて、前記面積比可
    変手段を制御する面積比制御手段と、 を備えることを特徴とする請求項2乃至19の何れか1
    項記載の蒸発燃料処理装置。
  21. 【請求項21】 前記高濃度用分離ユニットは複数の処
    理室を備え、 前記第1の分離膜は、前記複数の処理室のそれぞれを上
    室と下室に区分する複数の部分を含み、 前記複数の処理室は、複数の上室が互いに直列に導通す
    ると共に、複数の下室の全てが前記処理ガス通路に連通
    するように設けられ、 前記面積比可変手段は、前記混合ガスを少なくとも2つ
    の上室にそれぞれ導くための少なくとも2本の通路と、
    前記少なくとも2本の通路を流れる前記混合ガスの比率
    を可変とする弁機構とを含み、 前記面積比制御手段は、前記濃度検出手段の検出結果に
    基づいて前記弁機構を制御する弁機構制御手段を含むこ
    とを特徴とする請求項20記載の蒸発燃料処理装置。
  22. 【請求項22】 前記処理ガス通路に連通して前記処理
    ガスを蓄える処理ガスタンクと、 内燃機関の始動時に、前記処理ガスタンクに蓄えられて
    いる前記処理ガスを内燃機関に対して燃料として供給す
    る燃料ガス供給手段と、 を備えることを特徴とする請求項1乃至21の何れか1
    項記載の蒸発燃料処理装置。
  23. 【請求項23】 前記パージガス循環ポンプの出口部に
    おける圧力を検出するポンプ出口圧力検出手段と、 前記パージガス循環ポンプが作動すべき状況下で検出さ
    れた前記出口部における圧力が所定の値から外れている
    場合に、当該パージガス循環ポンプ、若しくは当該パー
    ジガス循環ポンプから前記調圧弁までの経路に異常が生
    じていることを認識する異常認識手段と、 を備えることを特徴とする請求項7乃至22の何れか1
    項記載の蒸発燃料処理装置。
  24. 【請求項24】 前記パージガス循環ポンプの出口部に
    おける圧力を検出するポンプ出口圧力検出手段と、 前記パージガス循環ポンプの作動停止直後に前記出口部
    に生ずる圧力変化に基づいて、当該パージガス循環ポン
    プから前記調圧弁までの経路に漏れが生じているか否か
    を判断する漏れ判定手段と、 を備えることを特徴とする請求項7乃至23の何れか1
    項記載の蒸発燃料処理装置。
  25. 【請求項25】 前記キャニスタを流通するガスの流量
    を検出するキャニスタ流通ガス検出手段と、 前記キャニスタを流通するガスの流量に基づいて、前記
    キャニスタ出ガス生成手段の作動完了を判定するパージ
    完了判定手段と、 を備えることを特徴とする請求項1乃至24の何れか1
    項記載の蒸発燃料処理装置。
JP2002115336A 2002-04-17 2002-04-17 蒸発燃料処理装置 Expired - Fee Related JP3932963B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002115336A JP3932963B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 蒸発燃料処理装置
US10/401,577 US6772740B2 (en) 2002-04-17 2003-03-31 Evaporative fuel treating device and method
DE10317583A DE10317583B4 (de) 2002-04-17 2003-04-16 Vorrichtung und Verfahren zur Behandlung von verdampftem Kraftstoff für einen Verbrennungsmotor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002115336A JP3932963B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 蒸発燃料処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003314378A true JP2003314378A (ja) 2003-11-06
JP3932963B2 JP3932963B2 (ja) 2007-06-20

Family

ID=29207684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002115336A Expired - Fee Related JP3932963B2 (ja) 2002-04-17 2002-04-17 蒸発燃料処理装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6772740B2 (ja)
JP (1) JP3932963B2 (ja)
DE (1) DE10317583B4 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8388743B2 (en) 2008-10-30 2013-03-05 Aisan Kogyo Kabyshiki Kaisha Separation membrane module and fuel vapor processing apparatus incorporating the same
US8523982B2 (en) 2009-12-02 2013-09-03 Aisan Kogyo Kabushiki Kaisha Separation membrane module and fuel vapor processing apparatus equipped with the same
JP2013256911A (ja) * 2012-06-13 2013-12-26 Toyota Motor Corp 燃料タンクシステム

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6959696B2 (en) * 2002-04-12 2005-11-01 Briggs & Stratton Corporation Internal combustion engine evaporative emission control system
JP2005253203A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Sumitomo Electric Ind Ltd 超電導ケーブルの接続構造
US7089919B2 (en) * 2004-07-14 2006-08-15 Siemens Vdo Automotive Inc. Automotive vapor purge valve using shape memory alloy wire
US7185640B2 (en) * 2004-11-05 2007-03-06 Briggs & Stratton Corporation Integrated fuel tank and vapor containment system
US7086390B2 (en) * 2004-11-05 2006-08-08 Briggs & Stratton Corporation Integrated fuel tank and vapor containment system
US20060174686A1 (en) * 2005-02-07 2006-08-10 Mcfarland Richard D Portable pressure switch calibration and diagnostic tool
US7435289B2 (en) * 2005-09-27 2008-10-14 Briggs & Stratton Corporation Integrated air cleaner and vapor containment system
DE102006002718B4 (de) * 2006-01-19 2008-01-03 Siemens Ag Verfahren und Vorrichtung zum Betreiben einer Brennkraftmaschine
US7281525B2 (en) * 2006-02-27 2007-10-16 Briggs & Stratton Corporation Filter canister family
US20080308072A1 (en) * 2007-06-13 2008-12-18 Raja Banerjee Hydrocarbon separation from air using membrane separators in recirculation tube
US20080308074A1 (en) * 2007-06-13 2008-12-18 Allen Christopher D Evaporative emissions canister with external membrane
US20080308073A1 (en) * 2007-06-13 2008-12-18 Allen Christopher D Evaporative emissions canister having an integral membrane
US20080308075A1 (en) * 2007-06-13 2008-12-18 Allen Christopher D Automotive fuel system for substantially reducing hydrocarbon emissions into the atmosphere, and method
US7527045B2 (en) * 2007-08-03 2009-05-05 Honda Motor Co., Ltd. Evaporative emission control system and method for internal combustion engine having a microcondenser device
DE102008026155A1 (de) 2008-05-30 2009-12-03 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Betriebsverfahren für die Heizvorrichtung eines Aktivkohlefilters
JP2011111920A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Toyota Motor Corp 蒸発燃料処理装置
JP5524018B2 (ja) * 2010-10-12 2014-06-18 愛三工業株式会社 蒸発燃料処理装置
DE102011002021A1 (de) * 2011-04-13 2012-10-31 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Kraftstoffanlage
JP5582367B2 (ja) * 2012-07-25 2014-09-03 株式会社デンソー 蒸発燃料処理装置
JP6089683B2 (ja) * 2012-12-21 2017-03-08 三菱自動車工業株式会社 密閉式の燃料タンクシステム
US9640344B2 (en) 2014-02-07 2017-05-02 Good Day Tools Llc Portable pressure switch calibration and diagnostic tool
DE102018206942A1 (de) * 2018-05-04 2019-11-07 Mahle International Gmbh Tankentlüftungseinrichtung
JP7035796B2 (ja) * 2018-05-21 2022-03-15 株式会社デンソー 蒸発燃料漏れ検出装置
US11060487B2 (en) 2019-12-09 2021-07-13 Mahle International Gmbh System for evaporative emissions mitigation
US11428193B2 (en) 2019-12-09 2022-08-30 Mahle International Gmbh Thermal insulation of a membrane module for mitigating evaporative fuel emissions of automobiles
US11439948B2 (en) 2019-12-09 2022-09-13 Mahle International Gmbh Membrane module for mitigating evaporative fuel emissions of automobiles
US10941732B1 (en) 2019-12-09 2021-03-09 Mahle International Gmbh Membrane structures for the control of fuel vapor emissions
US11181079B2 (en) 2019-12-09 2021-11-23 Mahle International Gmbh Fuel vapor processing apparatus
US10989129B1 (en) 2019-12-18 2021-04-27 Ford Global Technologies, Llc Systems and methods for adjusting fueling in a cylinder with a pre-chamber
US11668267B2 (en) * 2021-08-09 2023-06-06 Ford Global Technologies, Llc Method and system for diagnosing a heater of a carbon filled canister
LU501816B1 (fr) 2022-04-07 2023-10-09 Plastic Omnium Advanced Innovation & Res Dispositif de stockage de carburant comprenant un dispositif de gestion de gaz issus d’un canister

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2440905A1 (de) * 1974-08-27 1976-03-11 Porsche Ag Kraftstoffbehaelteranlage fuer kraftfahrzeuge
JPS62279825A (ja) 1986-05-27 1987-12-04 Nippon Kokan Kk <Nkk> 混合ガスから炭化水素蒸気回収方法
JPS63270524A (ja) 1987-04-28 1988-11-08 Nkk Corp 炭化水素蒸気の2段ガス分離方法
JP3032595B2 (ja) 1991-03-16 2000-04-17 日東電工株式会社 ガス分離方法
JPH06147037A (ja) 1992-11-17 1994-05-27 Nissan Motor Co Ltd エンジンの蒸発燃料排出防止装置
US5275145A (en) * 1992-12-07 1994-01-04 Walbro Corporation Vapor recovery system for motor vehicles
US5957113A (en) * 1997-03-31 1999-09-28 Nok Corporation Fuel vapor recovery apparatus
JPH10274106A (ja) 1997-03-31 1998-10-13 Nok Corp 燃料蒸気回収装置
EP0936097A1 (en) * 1998-02-17 1999-08-18 Imra Europe S.A. A device for recovering fuel vapor in a fuel tank, and methods of using such a device
EP1124053A3 (en) * 2000-02-09 2003-01-08 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel vapor treatment system
DE10025071A1 (de) * 2000-05-20 2001-11-22 Bayerische Motoren Werke Ag Kraftstoffbehälter für ein Kraftfahrzeug
JP3659482B2 (ja) * 2000-06-08 2005-06-15 日産自動車株式会社 燃料蒸気処理装置
JP2003193914A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Aisan Ind Co Ltd ガソリン蒸気の処理方法とその装置
US6786207B2 (en) * 2002-04-17 2004-09-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Evaporative fuel emission control system

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8388743B2 (en) 2008-10-30 2013-03-05 Aisan Kogyo Kabyshiki Kaisha Separation membrane module and fuel vapor processing apparatus incorporating the same
US8523982B2 (en) 2009-12-02 2013-09-03 Aisan Kogyo Kabushiki Kaisha Separation membrane module and fuel vapor processing apparatus equipped with the same
JP2013256911A (ja) * 2012-06-13 2013-12-26 Toyota Motor Corp 燃料タンクシステム

Also Published As

Publication number Publication date
US6772740B2 (en) 2004-08-10
JP3932963B2 (ja) 2007-06-20
US20040000352A1 (en) 2004-01-01
DE10317583B4 (de) 2012-03-01
DE10317583A1 (de) 2003-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003314378A (ja) 蒸発燃料処理装置
JP5394330B2 (ja) 蒸発燃料処理装置の漏れ診断装置
JP6319036B2 (ja) 燃料蒸発ガスパージシステム
US8757132B2 (en) Fuel vapor processors
ES2341323T3 (es) Sistema de control de las emisiones de vapores de combustibles.
US8931460B2 (en) Fuel vapor recovery system
US9803563B2 (en) Fuel supply apparatus
US8985064B2 (en) Fuel supply device
JP2002235608A (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JP2004308483A (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
US9133778B2 (en) Fuel supply device
JP2020112121A (ja) 蒸発燃料処理装置
JP2020084849A (ja) 蒸発燃料処理装置
JP5350312B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
JP2004353600A (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JP5318802B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
JP4204377B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
JP2004324488A (ja) 蒸発燃料処理装置
JP3973531B2 (ja) 内燃機関の蒸発燃料処理装置
JP2019196752A (ja) 蒸発燃料処理装置
JP3628214B2 (ja) 燃料蒸気処理装置
JP2020084859A (ja) 蒸発燃料処理装置
US10415510B2 (en) Fuel vapor recovery apparatus
JP2003314379A (ja) 蒸発燃料処理装置
JP2011226401A (ja) 蒸発燃料処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070312

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120330

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees