JP2003310182A - レトルト粥及びその製造方法 - Google Patents

レトルト粥及びその製造方法

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JP2003310182A
JP2003310182A JP2002125205A JP2002125205A JP2003310182A JP 2003310182 A JP2003310182 A JP 2003310182A JP 2002125205 A JP2002125205 A JP 2002125205A JP 2002125205 A JP2002125205 A JP 2002125205A JP 2003310182 A JP2003310182 A JP 2003310182A
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porridge
rice
retort
thickener
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Kuniko Wada
晋子 和田
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Kameda Seika Co Ltd
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Kameda Seika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炊飯中の米粒の割れ、保存中の米粒の膨潤、
及びレトルト臭の付着を防止した、食感等に優れたレト
ルト粥及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 炊飯釜にて炊飯水を加えた粳米を炊飯し
て粥を得る炊飯工程と、この粥へ増粘剤を水に溶解した
増粘剤水溶液を添加、混合して増粘剤添加粥を得る混合
工程と、この増粘剤添加粥をレトルト容器へ充填する充
填工程と、このレトルト容器へ充填した増粘剤添加粥を
加圧加熱殺菌する加圧加熱殺菌工程とから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レトルト粥及びレトル
ト粥の製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来のレトルト粥の製
造方法としては、粳米と炊飯水をレトルト容器に収容
し、これを密閉して加圧下で100℃以上の温度で殺菌
炊飯する方法、いわゆる生米充填法が一般的であった。
この方法によれば、レトルト容器内で高温で炊飯するた
めに、粥の米粒の長軸方向に先割れ現象、短軸方向にひ
び割れ現象が認められ、外観上好ましくないばかりでな
く、割れた箇所から米粒のでんぷんが溶出するとともに
粥の液部の水分が米粒に吸収されるため、保存中に米粒
が膨潤して液部が消失してしまうといった問題があっ
た。さらに、レトルト容器の包材臭や米糠臭などのレト
ルト粥に特有の不快臭が粥に付着し、粥の風味を損ねる
といった問題があった。
【0003】上記の先割れ現象、ひび割れ現象を解決す
る方法として、特公平1−46102号公報には、レト
ルトに収容した浸漬米を100℃以上で加圧加熱して米
粒の芯部は白い不透明の状態のままその表面部をα化
し、レトルトから取出した蒸煮米を水中でほぐし、次い
でプラスチック製の袋に水と共に収容して密封し、加圧
加熱して炊飯する方法、いわゆる蒸米法が開示されてい
る。また、この公報には、保存中の米粒の膨潤を防止す
るために、炊飯の際に用いる水にでんぷんなどの糊剤を
加えることが開示されている。しかし、この方法では、
加圧加熱を2回行わなければならないほか、α化した蒸
煮米をプラスチック製の袋に収容する工程では、米粒同
士が水の表面張力によってくっつくなどして、規定量の
米粒を正確に収容する際の作業性が悪く、充填機を用い
た場合は充填が困難になり米粒の損失が多くなるといっ
た作業効率の問題があった。さらに、プラスチック製の
袋で炊飯を行うため、プラスチック製の袋の包材臭が粥
に付着してしまうという問題があった。
【0004】また、特開平9−313119号公報、特
開平8−131099号公報、特開平8−214800
号公報、特開平7−115922号公報などにもレトル
ト粥の製造方法が開示されているが、上記の問題を解決
するものではなかった。
【0005】本発明は、上記問題を解決するものであ
り、炊飯中の米粒の割れ及び保存中の米粒の膨潤を防止
し、レトルト容器の包材臭などのレトルト粥に特有の不
快臭が粥に付着することを防止できるとともに、レトル
ト容器に収容する際などの作業効率を向上でき、さら
に、米粒を軟らかくふっくらと仕上げることのできるレ
トルト粥及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、炊飯釜にて粳米を炊飯して粥と
し、この粥へ増粘剤を添加、混合した後、レトルト容器
へ充填して加圧加熱殺菌することで、炊飯中の米粒の割
れ及び保存中の米粒の膨潤を防止し、レトルト容器の包
材臭などのレトルト粥に特有の不快臭が粥に付着するこ
とを防止でき、レトルト容器に収容する際などの作業効
率を向上できることを見出し、また、炊飯時に約50℃
の低温で加熱した後に約100℃の高温で加熱すること
で、米粒を軟らかくふっくらと仕上げることのできるこ
とを見出し、本発明に想到したものである。
【0007】本発明の請求項1記載のレトルト粥の製造
方法は、炊飯釜にて炊飯水を加えた粳米を炊飯して粥を
得る炊飯工程と、この粥へ増粘剤を水に溶解した増粘剤
水溶液を添加、混合して増粘剤添加粥を得る混合工程
と、この増粘剤添加粥をレトルト容器へ充填する充填工
程と、このレトルト容器へ充填した増粘剤添加粥を加圧
加熱殺菌する加圧加熱殺菌工程とから構成される。
【0008】また、本発明の請求項2記載のレトルト粥
の製造方法は、前記請求項1において、前記炊飯工程に
おいて、40〜70℃で加熱した後、95〜100℃で
加熱する。
【0009】また、本発明の請求項3記載のレトルト粥
の製造方法は、前記請求項1又は2において、前記炊飯
工程において前記粳米と炊飯水との重量比を15:85
〜25:75とし、前記混合工程において前記粥と増粘
剤水溶液との重量比を100:80〜100:120と
した。
【0010】また、本発明の請求項4記載のレトルト粥
の製造方法は、前記請求項1〜3のいずれか1項におい
て、前記増粘剤添加粥に前記増粘剤が0.05〜2.0
重量%含まれる。
【0011】また、本発明の請求項5記載のレトルト粥
の製造方法は、前記請求項1〜4のいずれか1項におい
て、前記増粘剤は少なくともジェランガム、カラギーナ
ン、グアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム
のうちの1つを含む。
【0012】さらに、本発明の請求項6記載のレトルト
粥は、粳米を8〜12重量%、ジェランガム、カラギー
ナン、グアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガ
ムのうちの1つ又はこれらの混合物を0.05〜2.0
重量%含む。
【0013】
【発明の実施形態】以下、本発明のレトルト粥及びその
製造方法について詳細に説明する。
【0014】本発明において、粳米とは、生の精白粳米
を意味する。炊飯工程において、洗米後の粳米に炊飯水
を加えて浸漬した後、炊飯釜で加熱を行う。洗米後の粳
米と炊飯水との重量比は、炊飯工程後に得られる粥が全
粥程度になるように設定する。すなわち、粳米と炊飯水
との重量比を15:85〜25:75とする。
【0015】また、加熱の方法は、低温の40〜70℃
で加熱した後、高温の95〜100℃で加熱する。すな
わち、低温と高温の2段階で加熱を行う。この低温の加
熱を行うことによって、米粒の中心までじっくりと加熱
され、米粒の先割れやひび割れが起こり難くなり、米粒
の粘りが抑えられる。そして、高温で炊き上げることに
より、軟らかくてふっくらとした食味の粥を得ることが
できる。なお、この炊飯工程においては炊飯釜を用いて
おり加圧は行わないので、加熱温度は100℃以下であ
り、100℃を超える過剰加熱によって米粒が煮崩れる
ことはない。
【0016】ここで、上記低温の加熱温度を40℃未満
とすると加熱時間が長くなり効率的でない。一方、70
℃を超えると、米粒の中心までじっくりと加熱する効果
が得られないので好ましくない。また、上記低温の加熱
時間は加熱温度に応じて10〜30分の間で調整すれば
よい。また、上記高温の加熱は、炊飯釜における通常の
炊飯における炊き上げ時と同様であり、95〜100℃
で30〜50分間程度の加熱を行えばよい。なお、加熱
温度が95℃以下では加熱時間が長くなり効率的でな
い。また、加熱時間は、30分未満の場合は軟らかくて
ふっくらとした粥に仕上がらず、50分を超えると粥が
煮崩れる虞もあり、好ましくない。
【0017】なお、炊飯工程は炊飯釜を用いているの
で、米糠臭は炊飯中に外部へ放散され、レトルト容器内
で炊飯した場合のようにレトルト容器の包材臭や米糠臭
などがレトルト容器内にこもり、レトルト粥に特有の不
快臭が粥に付着して粥の風味を損ねることはない。
【0018】つぎに、混合工程において、炊飯工程で得
られた粥へ増粘剤を水に溶解した増粘剤水溶液を添加、
混合して増粘剤添加粥を得る。ここで、増粘剤とは、主
に天然から抽出された水溶性の多糖類であるが、本発明
においては、増粘性に優れたジェランガム、カラギーナ
ン、グアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム
が好適に用いられる。
【0019】本発明で使用される増粘剤としては、冷水
可溶であり取扱いやすい上に、保水性、耐熱性、耐塩
性、耐酸性、凍結解凍耐性にも優れているものが最も好
ましい。この保水性により混合工程後から保存期間に至
るまで、粥の米粒からでんぷんが溶出することによるべ
たつき、粥の米粒の膨潤、崩れ、離水などの経時変化を
防止でき、耐熱性により加圧加熱処理中に物性が変化す
ることない。また、耐塩性、耐酸性によって、例えば梅
粥などの塩分、酸を含有する食材を添加した際において
も物性が変化しない。さらに、凍結解凍耐性によって、
開封後のレトルト粥を残して冷凍保存したとしても、解
凍後の物性に変化がないため、食味、食感が低下するこ
とがない。
【0020】また、増粘剤水溶液の添加量は、最終的に
製品として得られる粥が5分粥程度になるようにする。
炊飯工程で得た粥は全粥程度であるので、粥と増粘剤水
溶液との重量比を100:80〜100:120とすれ
ば5分粥程度となる。なお、増粘剤水溶液の添加量を増
減させることにより、例えば、3分粥或いは7分粥程度
の粥としても良い。
【0021】また、増粘剤水溶液を添加、混合した増粘
剤添加粥には、増粘剤が0.05〜2.0重量%含まれ
るようにする。なお、増粘剤添加粥に対する増粘剤の添
加量が0.05重量%未満の場合は増粘剤の効果が期待
できず、2.0重量%を超えると増粘剤によって形成さ
れるゲルが固くなりすぎて最終製品の食味、食感が悪く
なるので好ましくない。また、増粘剤添加粥に対する増
粘剤の添加量は、好ましくは0.1〜1.0%がよい。
【0022】つぎに、充填工程において、増粘剤添加粥
をレトルト容器へ充填する。なお、増粘剤を加えない全
粥程度の粥を充填する場合は経時変化により固くなって
充填機による充填が困難になるが、予め増粘剤水溶液を
添加することにより流動性が良くなり、充填機による充
填の効率が向上する。また、増粘剤を加えない5分粥程
度の粥を充填する場合は、米粒と水が分離して水が先に
充填されてしまうなどしてレトルト容器毎に米粒の含有
量が異なってしまうといった問題が生じるが、増粘剤を
添加することによって米粒と水が均一に混合した状態が
維持されるので、各レトルト容器に均一な米粒の含有量
で粥を充填することができる。さらに、本発明で求めら
れる増粘剤の効果としては、その強いシュドプラスチッ
ク粘性、すなわち、静置状態や低攪拌状態では高い粘度
を示し、攪拌速度が増加すると粘度が急激に減少する特
性によって、充填時には増粘剤添加粥の流動性が高くな
って充填の作業性が向上し、静置時には高い粘度によっ
て増粘剤添加粥の米粒が均一に混合された状態が保たれ
る特性を有することが望ましい。
【0023】さらに、加圧加熱殺菌工程において、レト
ルト容器へ充填した増粘剤添加粥を加圧加熱殺菌する。
その条件は一般的な条件でよい。すなわち、圧力0.1
〜0.2MPaで、温度100〜105℃で10〜30
分間、さらに、温度120℃で5〜20分間の加圧加熱
により殺菌を行う。ここで、粥は2回目の炊飯が行わ
れ、5分粥程度のレトルト粥が得られる。
【0024】なお、予め炊飯工程を行っているため、レ
トルト容器中で炊飯を行う場合よりも加圧加熱殺菌工程
の加熱時間は短くできる。このため、レトルト容器の包
剤臭が粥に付着することを効果的に防止できる。また、
増粘剤の粘性によって、この加圧加熱工程における粥の
米粒の割れや煮崩れが防止される。したがって、保存中
に割れた箇所から米粒のでんぷんが溶出するとともに粥
の液部の水分が米粒に吸収され、米粒が膨潤して液部が
消失してしまうといったことを事前に防止することがで
きる。また、たとえ米粒に割れや煮崩れなどが生じてし
まったとしても、増粘剤の保水性によって米粒の膨潤が
防止される。
【0025】上記の製造方法によれば、粳米を8〜12
重量%、ジェランガム、カラギーナン、グアガム、キサ
ンタンガム、ローカストビーンガムのうちの1つ又はこ
れらの混合物を0.05〜2.0重量%含む、5分粥程
度のレトルト粥が得られる。
【0026】以上詳述したとおり、本発明のレトルト粥
の製造方法は、炊飯釜にて炊飯水を加えた粳米を炊飯し
て粥を得る炊飯工程と、この粥へ増粘剤を水に溶解した
増粘剤水溶液を添加、混合して増粘剤添加粥を得る混合
工程と、この増粘剤添加粥をレトルト容器へ充填する充
填工程と、このレトルト容器へ充填した増粘剤添加粥を
加圧加熱殺菌する加圧加熱殺菌工程とから構成されるか
ら、炊飯中の米粒の割れ及び保存中の米粒の膨潤を防止
し、レトルト容器の包材臭などのレトルト粥に特有の不
快臭が粥に付着することを防止できるとともに、レトル
ト容器に収容する際などの作業効率を向上でき、さら
に、米粒を軟らかくふっくらと仕上げることができる。
【0027】また、前記炊飯工程において、40〜70
℃で加熱した後、95〜100℃で加熱するから、40
〜70℃の加熱により米粒の中心までじっくりと加熱さ
れ、米粒の先割れやひび割れが起こり難くなり、米粒の
粘りが抑えられるとともに、その後95〜100℃で加
熱して炊き上げることにより、軟らかくてふっくらとし
た食味の粥を得ることができる。
【0028】また、前記炊飯工程において前記粳米と炊
飯水との重量比を15:85〜25:75とし、前記混
合工程において前記粥と増粘剤水溶液との重量比を10
0:80〜100:120としたから、程よい5分粥程
度のレトルト粥を得ることができる。
【0029】また、前記増粘剤添加粥に前記増粘剤が
0.05〜2.0重量%含まれるから、食味、食感に優
れたレトルト粥とすることができる。
【0030】また、前記増粘剤は少なくともジェランガ
ム、カラギーナン、グアガム、キサンタンガム、ローカ
ストビーンガムのうちの1つを含むから、これらは増粘
性に優れており、少ない添加量で米粒の膨潤を防止し、
充填工程における作業性を向上させることができる。
【0031】さらに、本発明のレトルト粥は、粳米を8
〜12重量%、ジェランガム、カラギーナン、グアガ
ム、キサンタンガム、ローカストビーンガムのうちの1
つ又はこれらの混合物を0.05〜2.0重量%含むか
ら、増粘剤の保水性によって米粒の膨潤を防止すること
ができる。
【0032】
【実施例】以下の具体的実施例により、本発明をさらに
詳細に説明する。なお、本発明はこの実施例により限定
されるものではない。
【0033】[実施例1]炊飯工程として、洗浄後の生
の精白粳米20gに炊飯水80gを加え、15分間浸漬
させた。その後、炊飯釜を用いて炊飯水の水温50℃で
20分間加熱し、引き続き水温100℃で40分間加熱
し、粥を得た。全粥程度の軟らかくふっくらした粥が得
られた。また、米粒の煮崩れや割れはほとんど観察され
なかった。
【0034】つぎに、混合工程として、水100gに増
粘剤としてグアガム0.2gを加えて溶解し、得られた
増粘剤水溶液を前記粥に加え、攪拌10回転/分で5分
間攪拌してこれらをよく混合し、増粘剤添加粥を得た。
このときの増粘添加粥に対する増粘剤の添加量は、0.
1重量%であった。
【0035】そして、充填工程として、増粘剤添加粥を
レトルト容器に充填した。増粘剤添加粥の流動性は良好
であり、容易に充填することができた。また、米粒が偏
ることなく、均一に充填することができた。
【0036】つぎに、加圧加熱殺菌工程として、レトル
ト容器のまま、圧力0.1〜0.2MPaにて、温度1
00〜105℃で10〜30分間、引き続き温度120
℃で5〜20分間加熱した。粳米を10重量%、グアガ
ムを0.1重量%含む5分粥程度の食味、食感等に優れ
たレトルト粥が得られた。
【0037】[実施例2]炊飯工程として、洗浄後の生
の精白粳米20gに炊飯水80gを加え、15分間浸漬
させた。その後、炊飯釜を用いて炊飯水の水温50℃で
20分間加熱し、引き続き水温100℃で40分間加熱
し、粥を得た。全粥程度の軟らかくふっくらした粥が得
られた。また、米粒の煮崩れや割れはほとんど観察され
なかった。
【0038】つぎに、混合工程として、水100gに増
粘剤としてキサンタンガム0.2gを加えて溶解し、得
られた増粘剤水溶液を前記粥に加え、攪拌10回転/分
で5分間攪拌してこれらをよく混合し、増粘剤添加粥を
得た。このときの増粘添加粥に対する増粘剤の添加量
は、0.1重量%であった。
【0039】そして、充填工程として、増粘剤添加粥を
レトルト容器に充填した。増粘剤添加粥の流動性は良好
であり、容易に充填することができた。また、米粒が偏
ることなく、均一に充填することができた。
【0040】つぎに、加圧加熱殺菌工程として、レトル
ト容器のまま、圧力0.1〜0.2MPaにて、温度1
00〜105℃で10〜30分間、引き続き温度120
℃で5〜20分間加熱した。粳米を10重量%、キサン
タンガムを0.1重量%含む5分粥程度の食味、食感等
に優れたレトルト粥が得られた。
【0041】[実施例3]炊飯工程として、洗浄後の生
の精白粳米20gに炊飯水80gを加え、15分間浸漬
させた。その後、炊飯釜を用いて炊飯水の水温50℃で
20分間加熱し、引き続き水温100℃で40分間加熱
し、粥を得た。全粥程度の軟らかくふっくらした粥が得
られた。また、米粒の煮崩れや割れはほとんど観察され
なかった。
【0042】つぎに、混合工程として、水100gに増
粘剤としてグアガム0.1gとキサンタンガム0.1g
の混合したものを加えて溶解し、得られた増粘剤水溶液
を前記粥に加え、攪拌10回転/分で5分間攪拌してこ
れらをよく混合し、増粘剤添加粥を得た。このときの増
粘添加粥に対する増粘剤の添加量は、0.1重量%であ
った。
【0043】そして、充填工程として、増粘剤添加粥を
レトルト容器に充填した。増粘剤添加粥の流動性は良好
であり、容易に充填することができた。また、米粒が偏
ることなく、均一に充填することができた。
【0044】つぎに、加圧加熱殺菌工程として、レトル
ト容器のまま、圧力0.1〜0.2MPaにて、温度1
00〜105℃で10〜30分間、引き続き温度120
℃で5〜20分間加熱した。粳米を10重量%、グアガ
ムとキサンタンガムを混合したものを0.1重量%含む
5分粥程度の食味、食感等に優れたレトルト粥が得られ
た。
【0045】ここで、本実施例で得たレトルト粥と、従
来例とを比較した結果を表1に示す。「従来例1」はレ
トルト容器内へ生の粳米と炊飯水を充填し、レトルト容
器内で炊飯を行った、いわゆる生米充填法によるもので
ある。また、「従来例2」は生の粳米を加圧蒸煮して米
粒の芯部は白く不透明の状態のままその表面部をα化
し、次いで水とともにレトルト容器内で炊飯した、いわ
ゆる蒸米法によるものである。上記「従来例1」及び
「従来例2」は、市販のレトルト粥を用いた。
【0046】なお、表1の評価は5点法により行い、1
3名の平均値を表示したものである。ここでは、得点の
高い方が良好であることを示す。また、「形崩れ」につ
いては、形崩れしていないほど得点が高くなっている。
【0047】
【表1】
【0048】味については、従来例1は、水っぽい感じ
で米の味があまりしない、レトルト臭くておいしくな
い、いやな味がする、従来例2は味は良いが水っぽい、
まずまずおいしい、穀物の味がする、味は悪くないが実
施例の方が米の味がしっかりしている、という結果であ
ったのに対し、実施例は、米本来の味がする、米のまと
まりが良い、べたつきがなく米の粒を感じるが口の中で
溶ける、という高い評価を得た。
【0049】食感については、従来例1は、水っぽい、
糊状になっている、従来例2は、水っぽい、米粒が固
い、という結果であったのに対し、実施例は、米の粒を
感じるが口の中で溶ける、柔らかくておいしい、という
高い評価を得た。
【0050】外観・形崩れについては、従来例1は、水
っぽい、水が多いので透明、離水している、糊状になっ
ている、従来例2は、水っぽい、米の粒が少ない、離水
している、という結果であったのに対し、実施例は、米
の粒が残っている、米の色が他と比べて白く見える、米
粒が他と比べてつやがある、という高い評価を得た。
【0051】香りについては、従来例1は、レトルト臭
がする、薬品臭い、ビニール臭い、従来例2は、米の香
りがする、という結果であったのに対し、実施例は、米
の香りがする、米のにおいが良い、という高い評価を得
た。
【0052】以上をまとめると、従来例1は、水が多く
米と分離している、レトルト臭やビニール臭などの包材
臭がする、糊状になっている、従来例2は、水っぽく分
離する、米が硬い、穀物の味がする、という結果に対
し、実施例では、米の形は残っているが口の中では溶け
るようだ、べたつかない、米の香りがする、という結果
であった。
【0053】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のレトルト粥の製
造方法は、炊飯釜にて炊飯水を加えた粳米を炊飯して粥
を得る炊飯工程と、この粥へ増粘剤を水に溶解した増粘
剤水溶液を添加、混合して増粘剤添加粥を得る混合工程
と、この増粘剤添加粥をレトルト容器へ充填する充填工
程と、このレトルト容器へ充填した増粘剤添加粥を加圧
加熱殺菌する加圧加熱殺菌工程とから構成されるから、
炊飯中の米粒の割れ及び保存中の米粒の膨潤を防止し、
レトルト容器の包材臭などのレトルト粥に特有の不快臭
が粥に付着することを防止できるとともに、レトルト容
器に収容する際などの作業効率を向上でき、さらに、米
粒を軟らかくふっくらと仕上げることができる。
【0054】本発明の請求項2記載のレトルト粥の製造
方法は、前記請求項1において、前記炊飯工程におい
て、40〜70℃で加熱した後、95〜100℃で加熱
するから、40〜70℃の加熱により米粒の中心までじ
っくりと加熱され、米粒の先割れやひび割れが起こり難
くなり、米粒の粘りが抑えられるとともに、その後95
〜100℃で加熱して炊き上げることにより、軟らかく
てふっくらとした食味の粥を得ることができる。
【0055】本発明の請求項3記載のレトルト粥の製造
方法は、前記請求項1又は2のいずれか1項において、
前記炊飯工程において前記粳米と炊飯水との重量比を1
5:85〜25:75とし、前記混合工程において前記
粥と増粘剤水溶液との重量比を100:80〜100:
120としたから、程よい5分粥程度のレトルト粥を得
ることができる。
【0056】本発明の請求項4記載のレトルト粥の製造
方法は、前記請求項1〜3のいずれか1項において、前
記増粘剤添加粥に前記増粘剤が0.05〜2.0重量%
含まれるから、食味、食感に優れたレトルト粥とするこ
とができる。
【0057】本発明の請求項5記載のレトルト粥の製造
方法は、前記請求項1〜4のいずれか1項において、前
記増粘剤は少なくともジェランガム、カラギーナン、グ
アガム、キサンタンガム、ローカストビーンガムのうち
の1つを含むから、これらは増粘性に優れており、少な
い添加量で米粒の膨潤を防止し、充填工程における作業
性を向上させることができる。
【0058】本発明の請求項6記載のレトルト粥は、粳
米を8〜12重量%、ジェランガム、カラギーナン、グ
アガム、キサンタンガム、ローカストビーンガムのうち
の1つ又はこれらの混合物を0.05〜2.0重量%含
むから、増粘剤の保水性によって米粒の膨潤を防止する
ことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炊飯釜にて炊飯水を加えた粳米を炊飯し
    て粥を得る炊飯工程と、この粥へ増粘剤を水に溶解した
    増粘剤水溶液を添加、混合して増粘剤添加粥を得る混合
    工程と、この増粘剤添加粥をレトルト容器へ充填する充
    填工程と、このレトルト容器へ充填した増粘剤添加粥を
    加圧加熱殺菌する加圧加熱殺菌工程とから構成されるこ
    とを特徴とするレトルト粥の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記炊飯工程において、40〜70℃で
    加熱した後、95〜100℃で加熱することを特徴とす
    る請求項1記載のレトルト粥の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記炊飯工程において前記粳米と炊飯水
    との重量比を15:85〜25:75とし、前記混合工
    程において前記粥と増粘剤水溶液との重量比を100:
    80〜100:120としたことを特徴とする請求項1
    又は2記載のレトルト粥の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記増粘剤添加粥に前記増粘剤が0.0
    5〜2.0重量%含まれることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項記載のレトルト粥の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記増粘剤は少なくともジェランガム、
    カラギーナン、グアガム、キサンタンガム、ローカスト
    ビーンガムのうちの1つを含むことを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項記載のレトルト粥の製造方法。
  6. 【請求項6】 粳米を8〜12重量%、ジェランガム、
    カラギーナン、グアガム、キサンタンガム、ローカスト
    ビーンガムのうちの1つ又はこれらの混合物を0.05
    〜2.0重量%含むことを特徴とするレトルト粥。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105146312A (zh) * 2015-10-22 2015-12-16 四川省汇泉罐头食品有限公司 一种八宝粥的制备方法
JP2017012043A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 キユーピー株式会社 レトルトお粥の製造方法
CN111345435A (zh) * 2018-12-21 2020-06-30 钟春燕 一种能够保持粘稠度的罐头粥食品产品

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