JP2003308592A - 車両検知装置 - Google Patents
車両検知装置Info
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Abstract
知できる車両検知装置を提供する。 【解決手段】 車両による磁気の変化から道路を通行す
る車両を検知する車両検知装置において、道路の長手方
向の2箇所に設置した2つの磁気センサ1a,1bと、
これら2つの磁気センサ1a,1bの出力信号V1 ,V
2 の差分信号V1−V2 または位相差Δt/tを演算す
る演算装置と、前記差分信号またはその微分信号または
前記位相差が予め設定された閾値を超えたとき2つの磁
気センサ1a,1bの出力信号V1 ,V2 が対象とする
道路を通行する車両4aによる磁気変化を表していると
判定する判定装置3とを備えた。
Description
変化から車両を検知する車両検知装置に係り、特に、対
象とする道路を通行する車両を選択的に検知できる車両
検知装置に関するものである。
合、時間的に一定なある値が得られる。道路上を磁性体
の塊である車両が通行する場合には、その磁性体に磁気
が集中するため計測される磁気の強度が時間的に変化す
る。また、磁性体が磁化している場合には、その磁化の
方向と地磁気の方向とが等しい場合には強め合い、反対
の場合には弱め合うため、計測される磁気の強度がより
大きく変化する。このような磁界感応型の車両検知装置
として、例えば、特開平6−325288号公報に記載
の発明がある。この発明では、車両が磁気センサの設置
点を通過していくと、磁気センサの出力が変化する。こ
の時の磁気センサの出力波形を捉えて車両が通過したこ
とを検知する。2つの磁気センサが道路に沿って間隔を
おいて設置されているので、1台の車両の通過に対して
2つの磁気センサから時間差のある車両検知信号が生じ
る。このようにして、道路上を走行する車両の台数と速
度とを得ることができる。
下のとおりである。
サを設置し、その直上を通過した車両を検知しようとし
たとする。車線が上下に(立体的に)輻輳しているとき
に、輻輳した車線(対象とする道路の上または下に位置
する道路)を大きく磁化された車両や鋼材を搭載した車
両が走行すると、これらの車両が引き起こす磁気変化が
大きいため、この磁気変化が磁気センサに検知され、対
象とする道路を車両が通過したと誤判断してしまうこと
がある。この場合、実際の通行量よりも多くの通行量が
カウントされてしまう。即ち、従来技術は、道路が輻輳
していると、車両を検知する精度が低いという問題点が
ある。
し、対象とする道路を通行する車両を選択的に検知でき
る車両検知装置を提供することにある。
に本発明は、車両による磁気の変化から道路を通行する
車両を検知する車両検知装置において、道路の長手方向
の2箇所に設置した2つの磁気センサと、これら2つの
磁気センサの出力信号の差分信号または位相差を演算す
る演算装置と、前記差分信号またはその微分信号または
前記位相差が予め設定された閾値を超えたとき前記2つ
の磁気センサの出力信号が対象とする道路を通行する車
両による磁気変化を表していると判定する判定装置とを
備えたものである。
出力信号の時間差を求め、この時間差と前記2つの磁気
センサの設置間隔とから車両の速度を演算してもよい。
に応じて前記閾値を変化させてもよい。
図面に基づいて詳述する。
検知装置は、道路の長手方向の2箇所に設置した2つの
磁気センサ1a,1bと、これら2つの磁気センサ1
a,1bの出力信号V1 ,V2 の差分信号V1 −V2 ま
たは位相差Δt/tを演算する演算装置2と、前記差分
信号またはその微分信号または前記位相差が予め設定さ
れた閾値を超えたとき前記2つの磁気センサの出力信号
が対象とする道路を通行する車両による磁気変化を表し
ていると判定する判定装置3とを備える。位相差Δt/
tの定義、演算装置2の演算内容は後述する。判定装置
3は、対象とする道路を通行する車両による磁気変化を
表している出力信号V1 ,V2 に対応させてパルス信号
I1 ,I2 を発生するようになっている。
している場所を例にとる。ある車線(ここでは下の道
路)に磁気センサ1a,1bを設置したとする。設置す
る位置は、地上の道路であれば道路地中、高架橋・橋梁
部であれば橋梁裏側である。以下、道路といえば橋梁も
含むものとする。4aは、対象とする道路を通行する車
両であり、4bは、対象としない上の道路を通行する車
両である。
説明する。
前後方向に磁化している場合が多い。また、磁化してい
ない場合であっても、磁性体に磁気が集中するため、等
価的に磁化している場合と同等の影響を周囲磁気に与え
る。なお、磁化の強さは、車両の磁性体含有量や磁化の
履歴により、車両の寸法や車種によらない。
3に示す。正面図に見られるように、車両4の中心部
(磁気中心)から放射状に磁力線10が分布している。
また、側面図に見られるように、磁力線10は、車両4
の前部から車両の上部及び下部(道路中)を通って車両
4の後部に入る。11は、このような磁力線10を生じ
る仮想磁石である。このように、車両4による磁気を仮
想磁石11による磁気として考察することができる。磁
気センサ1は車両4の中心部の下に設置されているもの
とする。車両4の磁気に基づく、磁気センサ1が設置さ
れた地点における磁気の強さは以下で与えられる。
と、磁気センサ1が設置されたP点における磁化の強さ
(磁石のN極による磁化の強さHn、S極による磁化の
強さHs)は、次の式で与えられる。ここでは、車両の
前方がS極、後方がN極とする。
す。この図では、車両の前後方向(道路長手方向)を
X、左右方向をY、上下方向をZとする。P点における
Z方向の磁界Hzは、次のようになる。
度の深さの位置に設置される。また、車両の磁気中心は
地表から0.5mないし10m程度の高さの位置にあ
る。
センサ1a,1bの埋設深さを地表から0.5m、2つ
の磁気センサ1a,1bの道路長手方向の設置間隔を
5.5m、車両の磁気中心の高さを地表から0.5mと
し、車両4aが一定速度で走行したとする。このときの
両磁気センサ1a,1bの出力の時間変化は、図5の
(1)、(2)に示されるように、両磁気センサ1a,
1bの設置位置が車両の進行方向においてずれがあるた
め、2つの出力波形は互いに時間的にシフトした関係に
なる。なお、各磁気センサ出力は、各々の最大値で規格
化してある。
行したとする。磁気センサ1a,1bと車両4bとの離
隔距離は10m以上になっている。なお、ここでは上下
の道路間隔を15mとする。他の条件は、車両4aの場
合と同じとする。このときの両磁気センサ1a,1bの
出力の時間変化は、図5の(5)、(6)に示されるよ
うに、車両4aの場合と同じように互いに時間的にシフ
トした関係になる。しかし、(1)、(2)と(5)、
(6)とを比較すると、出力波形の形状が異なってい
る。車両4aの場合は、最初の立ち下がりから最後の立
ち下がりまでの時間tが短く、車両4bの場合は、時間
tが長い。このように、車両と磁気センサとの距離が長
くなると、車両により磁気の変化が及ぶ時間的範囲が大
きくなる。車両による磁気の大きさは、式(1)から明
らかなように、距離の二乗に反比例するため、磁気セン
サに与える影響(P点における磁化の強さ)は小さくな
り、通常車両ではその影響は見えない。しかし、何らか
の原因により車両が強く磁化されている場合には、車両
と磁気センサとの距離が長くても、磁化の強さmが大き
いため、その影響は無視できなくなる。
(6)の比較から明らかなように、磁気センサの出力
は、車両と磁気センサとの距離が長くなるにつれて、時
間tが長くなる。従って、車両と磁気センサとの距離が
2つの磁気センサ相互の設置間隔よりも十分に大きい場
合には、磁気センサ1aの出力と磁気センサ1bの出力
との波形の位相差が小さくなる。ここで、位相差は、車
両による波形の時間をtとし、同位相点が両波形に表わ
れるために要した時間(車両が2つの磁気センサ間を通
過するのに要した時間)をΔtとすると、Δt/tによ
り得ることができる。また、図5の(3)、(7)に示
すように、両磁気センサ1a,1bの出力の差分をとっ
た場合には、車両と磁気センサとの距離が長くなるにつ
れて、位相差Δt/tが小さくなるため、差分値が小さ
くなる。
5の(4)、(8)に示すように、車両と磁気センサと
の距離が長くなるにつれて、差分波形の変化が緩やかに
なるため、微分値が小さくなる。
信号の位相差または差分、もしくはその差分の微分の信
号を予め定めた閾値と比較し、その信号が閾値より小さ
い場合には、その磁気センサの出力信号は、直近の車両
に起因するものではないと判断することができる。
明に係る車両検知装置の動作を説明する。ここでは、ま
ず磁気センサ直近の車線(対象とする道路)を車両4a
が走行し、続いて、輻輳した車線(対象としない道路)
を車両4bが走行したものとする。
4a,4bによる磁気変動を感知し、信号V1 ,V2 を
出力する。演算装置2においては、信号V1 ,V2 をも
とに位相差Δt/tを演算し、出力する。判定装置3で
は、信号V1 ,V2 を位相差Δt/tが得られるまで保
持し、位相差Δt/tと閾値との比較により車両が通過
した道路を判別し、磁気センサ1a,1bの出力信号V
1 ,V2 のうち対象とする道路を走行した車両による信
号のみに基づいてパルス状の車両検知信号I1,I2 を
出力する。車両検知信号I1 ,I2 は、それぞれ磁気セ
ンサ1a,1bの出力信号V1 ,V2 の変化に時間的に
対応して出力されるので、車両検知信号I1 ,I2 相互
間の時間間隔は、磁気センサ1a,1bの出力信号V
1 ,V2 の立ち上がり、立ち下がり、或いはピーク相互
間の時間間隔を保存している。
ように、磁気センサ1a,1bの出力信号V1 ,V2
は、まず、対象とする道路を走行した車両4aにより波
形時間t(ここでは最初の立ち上がりから次の立ち上が
りまで)が短い変化波形が得られ、続いて、遠方を走行
した車両4bにより波形時間tが長い変化波形が得られ
る。それぞれの変化波形について位相差Δt/tを求め
ると、図6の(3)に示されるように、はじめに値の大
きい位相差信号が得られ、次いで値の小さい位相差信号
が得られる。はじめの位相差信号は閾値より大きく、次
の位相差信号は閾値より小さい。よって、判定装置3か
らの車両検知信号I1 ,I2 は、図6の(4)、(5)
に示されるように、車両4aの通過にのみ対応して得ら
れる。
を行ったが、差分或いは微分の信号による判定も有効で
あることは勿論である。
する。
3は、図1で説明した機能に加え、2つの磁気センサ1
a,1bの出力信号V1 ,V2 の変化点の時間差、或い
は車両検知信号I1 ,I2 の時間差を求め、この時間差
と2つの磁気センサ1a,1bの設置間隔とから対象と
する道路を通過した車両4aの速度vを演算する。
車両4aの速度vを演算するだけでなく、その速度vの
値をフィードバックさせて閾値を変化させる。これによ
り、車両の速度変化に対応させることができる。即ち、
車両4a,4bの速度が速くなると、図5で説明した波
形時間tが短くなり、その結果、相対的に差分或いは微
分が大きくなるので、この対策として閾値を大きくす
る。逆に、車両4a,4bの速度が遅くなると、波形時
間tが長くなって相対的に差分或いは微分が小さくなる
ので、その対策として閾値を小さくする。
線のうち下の車線を対象として磁気センサ1a,1bを
設置したが、輻輳する車線数や磁気センサを設置する車
線をこれに限定するものではない。
る。
る場合に、遠方の車線を走行する車両の影響による磁気
変化を誤検出する確率が低減し、直近の車線を走行する
車両のみを検知する高精度な車両検知が可能となる。
図である。
輻輳する道路とを示した側面図である。
右は側面図である。
パラメータの図である。左は正面図、右は側面図であ
る。
信号の時間波形図である。(1)は車両4aに対する磁
気センサ1aの出力、(2)は車両4aに対する磁気セ
ンサ1bの出力、(3)は両磁気センサ1a,1bの出
力の差分、(4)はその差分の微分、(5)は車両4b
に対する磁気センサ1aの出力、(6)は車両4bに対
する磁気センサ1bの出力、(7)は両磁気センサ1
a,1bの出力の差分、(8)はその差分の微分であ
り、各横軸は時間である。
信号の時間波形図である。(1)は磁気センサ1aの出
力、(2)は磁気センサ1bの出力、(3)は位相差Δ
t/t、(4)は判定装置3が出力する車両検知信号I
1 、(5)は判定装置3が出力する車両検知信号I2 で
ある。
図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 車両による磁気の変化から道路を通行す
る車両を検知する車両検知装置において、道路の長手方
向の2箇所に設置した2つの磁気センサと、これら2つ
の磁気センサの出力信号の差分信号または位相差を演算
する演算装置と、前記差分信号またはその微分信号また
は前記位相差が予め設定された閾値を超えたとき前記2
つの磁気センサの出力信号が対象とする道路を通行する
車両による磁気変化を表していると判定する判定装置と
を備えたことを特徴とする車両検知装置。 - 【請求項2】 前記判定装置は、前記2つの磁気センサ
の出力信号の時間差を求め、この時間差と前記2つの磁
気センサの設置間隔とから車両の速度を演算することを
特徴とする請求項1記載の車両検知装置。 - 【請求項3】 前記判定装置は、前記演算した車両の速
度に応じて前記閾値を変化させることを特徴とする請求
項2記載の車両検知装置。
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