JP2000293231A - 車両誘導システム - Google Patents

車両誘導システム

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JP2000293231A JP11099379A JP9937999A JP2000293231A JP 2000293231 A JP2000293231 A JP 2000293231A JP 11099379 A JP11099379 A JP 11099379A JP 9937999 A JP9937999 A JP 9937999A JP 2000293231 A JP2000293231 A JP 2000293231A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気センサ等の故障を区別しつつ車両の逸脱
を正確に判断する。 【解決手段】 走行路に沿って敷設された磁気発生源
と、車両の幅方向に間隔をおいて設けられた一対の磁気
センサ4,5と、各磁気センサの出力を監視するセンサ
出力監視手段43と、各磁気センサの出力をそれぞれ調
整するセンサ出力調整回路23A,23Bと、該センサ
出力調整回路を経由した両センサ信号E,Fの出力差に
基づき磁気発生源に沿う車両の誘導走行を制御する誘導
制御手段51と、センサ信号の出力が最小しきい値以下
であるか否かを判定する最小値判定手段46と、該セン
サ信号の出力が最大しきい値以上であるか否かを判定す
る最大値判定手段45と、センサ出力監視手段及び両判
定手段からの出力結果によって磁気センサ等の故障及び
磁気発生源に対する車両の逸脱を検知するエラー検知手
段52とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本発明は、走行路
中に埋設した誘導ケーブル等の磁気発生源からの磁界を
車両に搭載した一対の磁気センサによって検出し、該磁
気センサの出力に基づき車両を磁気発生源に沿って誘導
する車両誘導システムに関する。
【0002】
【従来の技術】車両誘導システムとして、図16に示す
ように、交流電圧による磁界を発生する誘導ケーブル1
を走行路2中に埋設するとともに、該誘導ケーブル1上
を走行する車両3には、幅方向に間隔をおいて一対の磁
気センサ4,5を搭載し、これら磁気センサ4,5の出
力差に基づき誘導ケーブル1に対するずれを修正しなが
ら車両3を誘導ケーブル1に沿って誘導走行するものが
知られている。この車両誘導システムは、各種工場や倉
庫等で使用される無人搬送車などに広く利用されてい
る。
【0003】図17は、このような車両誘導システムに
おけるセンシング回路部分の従来例を示している。この
センシング回路6は、左右一対の磁気センサ4,5の出
力を増幅器7、フィルタ8、DCコンバータ9を介して
調整した後、その調整後のセンサ信号E,Fを差動増幅
器10と電圧監視のための比較器11とに送り、差動増
幅器10では、両センサ信号E,Fの出力差に比例する
検出信号Gを出力し、一方、比較器11では、各センサ
信号E,Fの出力が予め定められた監視電圧以下である
か否かを比較してエラー信号X,Yを出力するようにな
っている。そして、差動増幅器10からの検出信号Gに
基づき車両3の左右位置を確認し、その結果により舵角
を制御しながら誘導ケーブル1に沿って車両3を誘導制
御するものである。この場合、車両3が誘導ケーブル1
から離れている場合には、各磁気センサ4,5からのセ
ンサ信号E,Fの出力が低くなるため、比較器11によ
ってこれを判断することができる。
【0004】これら各センサ信号E,Fをもとにした出
力波形を示すのが図18であり、横軸が車両の左右位
置、縦軸がセンサ信号の出力を示している。また、Eが
左側磁気センサ4のセンサ信号に対する出力波形、Fが
右側磁気センサ5のセンサ信号に対する出力波形、Gが
両センサ信号の出力差(図18の場合、左側センサ信号
Eから右側センサ信号Fを引いた出力差)である検出信
号に相当する差分波形を示している。なお、センサ信号
E,F及び検出信号Gの出力値と図18の出力波形及び
差分波形の出力値とは必ずしも同じ値ではないが、比例
した関係にあるので、本明細書では同じものとして説明
する。この図18において、横軸「0」の位置は車両の
中立位置であり、例えば図16に示すように車両3の両
磁気センサ4,5間の幅方向中間位置が誘導ケーブル1
の真上に配置された状態である。この中立位置において
は、各磁気センサ4,5から誘導ケーブル1までの距離
が等しいため、両センサ信号E,Fは同じ出力となり、
差動増幅器10からの検出信号Gの出力は「0」にな
る。なお、各センサ信号E,Fにおいて、その出力が最
大となる位置は、誘導ケーブル1の真上に各磁気センサ
4,5が配置された状態である。
【0005】ここで、車両3が図16に示す中立位置に
ある状態から、誘導ケーブル1に対して矢印で示す右方
向に移動して、図18のaで示す位置にずれたとする
と、左側磁気センサ4は誘導ケーブル1に近づくことに
なるため、そのセンサ信号Eの出力が増加し、逆に右側
磁気センサ5は誘導ケーブル1から離れていくことにな
るため、そのセンサ信号Fの出力は減少する。
【0006】この図18において、符号Zは、前記比較
器11で設定された監視電圧としてのしきい値を示して
おり、各センサ信号E,Fの出力がしきい値Z以上であ
る場合は、エラー信号X,Yは出力されないが、しきい
値Z以下になるとエラー信号X,Yが出力される。した
がって、車両3が図18のaで示す位置からさらに右方
向に移動してbで示す位置にまで到達すると、右側セン
サ信号Fの出力がしきい値Z以下となるため、右側エラ
ー信号Yが出力され、車両3が誘導ケーブル1から逸脱
したことがわかる。図18の例の場合、正常範囲は、両
センサ信号E,Fの出力がしきい値Z以上となるαの範
囲であり、その外側の範囲は車両3が逸脱したことにな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両自
体は誘導ケーブル1上に適正に配置されている場合であ
っても、磁気センサ4,5におけるコイルの断線等によ
って一方(例えば右側)の磁気センサ5からの出力がな
い場合、その磁気センサ5に接続されている比較器11
においてしきい値Z以下であるとして(右側の)エラー
信号Yが出力される。また、磁気センサ4,5の出力を
調整している増幅器7、フィルタ8、DCコンバータ9
の調整回路系の一部が故障している場合にも、その故障
した回路に接続されている比較器11はエラー信号を出
力する。すなわち、図17のセンシング回路6では、エ
ラー信号X,Yが出力される場合が車両逸脱以外にも複
数の状態で起こり得るため、車両3が誘導ケーブル1か
ら逸脱したのか、磁気センサ4,5が故障したのか、あ
るいはセンサ出力の調整回路系が故障したのかを区別す
ることができないという問題がある。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、磁気センサ等の故障を区別しつつ車両の逸脱を正確
に判断することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る車両誘導システムは、走行路に沿って
敷設された磁気発生源(例えば実施形態の誘導ケーブル
1)と、車両の幅方向に間隔をおいて設けられた一対の
磁気センサ(例えば実施形態の磁気センサ4,5)と、
各磁気センサの出力を監視するセンサ出力監視手段(例
えば実施形態のマイクロコンピュータ26内のセンサ出
力監視手段43)と、各磁気センサの出力をそれぞれ調
整するセンサ出力調整回路(例えば実施形態のセンサ出
力調整回路23A,23B)と、該センサ出力調整回路
を経由した両センサ信号の出力差に基づき前記磁気発生
源に沿う車両の誘導走行を制御する誘導制御手段(例え
ば実施形態の車両側ECU27内の誘導制御手段51)
と、前記センサ信号の出力が最小しきい値以下であるか
否かを判定する最小値判定手段(例えば実施形態のマイ
クロコンピュータ26内の最小値判定手段46)と、該
センサ信号の出力が最大しきい値以上であるか否かを判
定する最大値判定手段(例えば実施形態のマイクロコン
ピュータ26内の最大値判定手段45)と、前記センサ
出力監視手段及び両判定手段からの出力結果によって磁
気センサ等の故障及び磁気発生源に対する車両の逸脱を
検知するエラー検知手段(例えば実施形態の車両側EC
U27内のエラー検知手段52)とを備えることを特徴
とする。
【0010】すなわち、センサ出力調整回路を経由する
前の磁気センサからの出力と、センサ出力調整回路を経
由した後のセンサ信号とにより二重の監視系を設けるこ
とにより、磁気センサの故障であるか否かを識別するこ
とができるとともに、センサ信号に対して最小、最大の
二つのしきい値を設定して、センサ出力監視手段の監視
結果とセンサ信号に対する最小値判定手段とを組み合わ
せることにより、センサ出力調整回路の故障であるか否
かを識別することができる。さらに、最大値判定手段を
付加したことにより、磁気センサが誘導ケーブルの真上
付近に配置されたか否かが判断できるため、車両の逸脱
判断を容易にすることができる。
【0011】この場合、前記最小値判定手段は、最大値
判定手段によって一方のセンサ信号が最大しきい値以上
であると判定されているときに他方のセンサ信号が最小
しきい値以下となるように最小しきい値が設定されてい
る。このように最小しきい値と最大しきい値とを設定し
ておくことにより、一方のセンサ信号が最小しきい値以
下で他方のセンサ信号が最大しきい値以上である場合
は、車両が誘導ケーブルから逸脱したと判断することが
できる。
【0012】また、前記エラー検知手段として、前記最
大値判定手段によって一方のセンサ信号が最大しきい値
以上であると判定されているときに車両の操舵方向が前
記磁気発生源に対するずれを修正する方向に向いている
か否かを判定する操舵方向判定手段(例えば第3実施形
態の車両側ECU27内の操舵方向判定手段53)を備
え、該操舵方向判定手段によって操舵方向がずれを修正
する方向に向いていないと判定されたときに磁気発生源
に対して車両が逸脱したと判定するようにしてもよい。
このようにすることにより、磁気センサからの出力だけ
でなく、車両の操舵方向をも確認して逸脱判定するの
で、実際の走行がずれを修正しようとしている場合まで
も逸脱とすることはない。この場合、最小値判定手段
は、もっぱら回路系の故障を監視する役割を負担する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両誘導シス
テムの実施形態について図1から図15を参照しながら
説明する。図1から図9は第1実施形態の車両誘導シス
テムを示しており、図1はそのシステム構成図を示す。
この図1において、センシング回路21は、各磁気セン
サ4,5に、プリアンプ22を介してセンサ出力調整回
路23A,23Bとフェイルセーフ回路24A,24B
とが並列的に接続されるとともに、センサ出力調整回路
23A,23Bに差動増幅器25が接続され、また、こ
れとは別に、センサ出力調整回路23A,23B及びフ
ェイルセーフ回路24A,24Bからの各信号がマイク
ロコンピュータ26に入力されて後述の判定処理がなさ
れるようになっている。
【0014】センサ出力調整回路23A,23Bには、
ゲイン調節アンプ31、帯域フィルタ32、DCコンバ
ータ33が設けられており、磁気センサ4,5の出力電
圧を増幅しながら高周波及び低周波を除く特定の帯域の
周波数のみ通過させて直流のセンサ信号E,Fに変換し
た後、そのセンサ信号E,Fを差動増幅器25に送る構
成である。なお、符号34はプログラマブル発振器であ
り、マイクロコンピュータ26からの指示信号に基づき
帯域フィルタ32の周波数帯域を制御するようになって
いる。そして、このようなセンサ出力調整回路23A,
23Bを経由した両センサ信号E,Fの出力が差動増幅
器25によって比較され、その出力差に比例する検出信
号Gに基づき、車両側ECU(電子制御ユニット)27
内の誘導制御手段51が車両3を誘導ケーブル1に沿っ
て誘導する構成である。
【0015】一方、フェイルセーフ回路24A,24B
は、プリアンプ22を経由した出力をバッファアンプ3
5を介してデジタル信号変換部である比較器36に送
り、該比較器36において、基準値設定手段37により
設定された基準値(電圧)と比較され、磁気センサ4,
5からの出力が基準値より高い場合にのみフェイル検知
信号K,Lを出力するようになっている。このフェイル
検知信号K,Lは、図2に示すように、磁気センサ4,
5の出力H,Iが交流信号であることにより、交流信号
の周波数に対応して基準値Zを超えた部分がパルス状の
信号として出力される。
【0016】そして、前記センサ出力調整回路23A,
23Bからのセンサ信号E,Fがマイクロコンピュータ
26のA/Dコンバータ41に入力され、一方、フェイ
ルセーフ回路24A,24Bからのフェイル検知信号
K,Lはパラレルポート42に入力される。マイクロコ
ンピュータ26には、パラレルポート42から入力され
たフェイル検知信号K,Lに基づき磁気センサ4.5の
出力が異常であるか否かを判定するセンサ出力監視手段
43と、A/Dコンバータ41から入力されたセンサ信
号E,Fに対して、記憶手段(ROM)44に記憶され
ている最大しきい値以上であるか否かを判定する最大値
判定手段45と、同じく記憶手段44に記憶されている
最小しきい値以下であるか否かを判定する最小値判定手
段46とを備えており、これらセンサ出力監視手段43
及び両判定手段45,46による判定結果からなるエラ
ー検知信号Pをパラレルポート49を経由して車両側E
CU27に出力する構成とされている。そして、該車両
側ECU27において、エラー検知手段52が前記エラ
ー検知信号Pに基づき磁気センサ4,5等の故障か車両
の逸脱かを検知する構成である。
【0017】この場合、前記最小値判定手段46におい
ては、最大値判定手段45によって一方のセンサ信号が
最大しきい値以上であると判定されているときに他方の
センサ信号が最小しきい値以下となるように最小しきい
値が設定されている。なお、フェイルセーフ回路24
A,24Bの比較器36における基準値Zと最小値判定
手段46の最小しきい値とは、磁気センサ4,5の出力
が比較器36で基準値Z以下とされる場合には、同じ側
のセンサ信号が最小値判定手段46でも最小しきい値以
下となり、逆に最小値判定手段46で最小しきい値以下
と判定される場合は比較器36でも基準値Z以下となる
ように設定されている。また、前記エラー検知信号P
は、各センサ信号E,Fに対して両判定手段45,46
毎に1ビットずつ、また各フェイル検知信号K,Lに対
して1ビットずつ、合計6ビットのビット列として構成
されており、Eの最大値判定、Fの最大値判定、Eの最
小値判定、Fの最小値判定、K、Lの順にbit0から
bit5までが割り当てられる。
【0018】次に、このエラー検知信号Pを生成してい
るマイクロコンピュータ26内の処理内容について図3
のフローチャートにしたがって説明する。予め、記憶手
段44から左右各センサ信号E,Fに対する最大しきい
値Emax,Fmaxと最小しきい値Emin,Fmi
nとを呼び出しておき(ステップS1)、パラレルポー
ト42から入力されるフェイル検知信号K、Lを読み込
む(ステップS2)。そして、まず、その一方のフェイ
ル検知信号Kがパルス状に検出できるか否かを判断し
(ステップS3)、パルス状のフェイル検知信号Kが確
認されたら、他方のフェイル検知信号Lに対して同様に
パルス状の信号であるか否かを確認する(ステップS
4)。ステップS3でフェイル検知信号Kがパルス状の
信号として確認できない場合はエラー検知信号Pのbi
t4を“1”、パルス状信号を確認できた場合はbit
4を“0”とする。また、フェイル検知信号Lに対して
はステップS4でパルス信号が確認できない場合はbi
t5を“1”、確認できた場合はbit5を“0”とす
る。
【0019】次に、A/Dコンバータ41から入力され
るセンサ信号E、Fを読み込み(ステップS5)、まず
センサ信号Eについて最大しきい値Emaxより小さい
か否かを判断し(ステップS6)、その条件を満たさな
い場合、言い換えればセンサ信号Eが最大しきい値Em
ax以上である場合はエラー検知信号Pのbit0を
“1”、小さい場合はbit0を“0”とする。同様
に、センサ信号Fについて最大しきい値Fmaxより小
さいか否かを判断し(ステップS7)、小さくない場合
はbit1を“1”、小さい場合はbit1を“0”と
する。また、ステップS8及びステップS9で示すよう
に、各センサ信号E,Fについて、最小しきい値Emi
n,Fminより大きいか否かを判断し、センサ信号E
が最小しきい値Eminより大きくない場合にbit2
を“1”、大きい場合にbit2を“0”、センサ信号
Fが最小しきい値Fminより大きくない場合にbit
3を“1”、大きい場合にbit3を“0”とする。
【0020】このような処理によるエラー検知信号の出
力結果について、図4の各センサ信号E,Fの出力波形
を参照しながら説明する。この図4において、各センサ
信号の波形自体は図18と同様であるが、その出力値に
対して最小しきい値、最大しきい値を設定している。こ
れら最小しきい値および最大しきい値は、図3のフロー
チャートでは各センサ信号E,Fのそれぞれに対して別
々に設定した例にしたが、この図4では両センサ信号
E,Fとも最小しきい値、最大しきい値をそれぞれ同じ
値に設定した例としており、最小しきい値をmin、最
大しきい値をmaxとしている。
【0021】図4において、車両3が図16に示す中立
位置から右方向に移動した場合、最初の段階では左側の
センサ信号Eは該磁気センサ4が誘導ケーブル1に近づ
くため、その出力が徐々に増加し、逆に右側センサ信号
Fは磁気センサ5が誘導ケーブル1から離れるため徐々
に出力が低下する。この段階では、図3のステップS
3、S4、S6、S7、S8、S9の判断結果がすべて
「yes」となるので、前記エラー検知信号の各ビット
は“0”のままである。そして、左側の磁気センサ4が
誘導ケーブル1の真上に近づくと、そのセンサ信号Eが
最大しきい値maxを超えた出力となってステップS6
の判断結果が「No」となり、エラー検知信号のbit
0が“1”となる。次いで、誘導ケーブル1の真上に磁
気センサ4が配置されるとセンサ信号Eの出力がピーク
値となり、このピーク値を超えてさらに車両3が右方向
に移動すると、左側磁気センサ4が今度は誘導ケーブル
1から離れる方向に移動することとなるので、そのセン
サ信号Eは徐々に出力が低下して最大しきい値max以
下となるとステップS6の判断結果が「yes」に戻っ
てbit0は“1”から“0”に切り替わる。その間、
右側センサ信号Fは、ますます誘導ケーブル1から離れ
るので出力は小さくなり、bで示す最小しきい値min
以下となった時点でステップS9の判断結果が「No」
となり、bit3に“1”が出力される。
【0022】前述したように、この右側センサ信号Fが
最小しきい値min以下となる境界位置は、左側センサ
信号Eが最大しきい値maxを超えた出力範囲内に設定
されているが、図4に示すように、左側センサ信号Eの
出力がピーク値を超えてわずかに下がった時点で右側セ
ンサ信号Fが最小しきい値min以下となるように境界
位置bが設定されている。このように設定したのは、最
大しきい値maxをピーク値とするのではなく、センサ
信号のばらつきを考慮して幅を持たせたこと、また、セ
ンサ信号がピーク値に達するまでは、車両3が中立位置
に復帰する可能性があるため、その可能性のある位置ま
でを有意な値として制御に使用したいと考えたことによ
る。車両3が左方向に移動した場合も右方向に移動した
場合と同様、右側磁気センサ5が誘導ケーブル1に近づ
いて、そのセンサ信号Fが最大しきい値maxを超える
とbit1が“0”から“1”に切り替わり、次いで左
側磁気センサ4のセンサ信号Eが最小しきい値min以
下となってbit2が“0”から“1”に切り替わるこ
とになる。
【0023】一方、磁気センサ4,5の故障により、該
磁気センサからの出力が出ない(出力が異常に低い場合
も含む)場合は、例えば右側磁気センサ5が異常の場合
は、その出力がフェイルセーフ回路24Bの比較器36
における基準値Z以下となってフェイル検知信号Kが出
力されなくなるので、ステップS3の判断結果が「N
o」となってbit4に“1”が出力されるとともに、
センサ出力調整回路23Bを経由するセンサ信号Fも出
力がなくなる(あるいは異常に低くなる)ので、ステッ
プS9の判断結果が「No」となってbit3に“1”
が出力される。右側磁気センサ5に代わって左側磁気セ
ンサ4が異常の場合は、ステップS4及びステップS8
の判断結果がそれぞれ「No」となってbit5及びb
it2にそれぞれ“1”が出力される。
【0024】また、磁気センサ4,5には故障がない
が、センサ出力調整回路23A,23Bのゲイン調節回
路31、フィルタ32,DCコンバータ33のいずれか
が故障した場合は、故障したセンサ出力調整回路を経由
したセンサ信号に対してステップS8またはS9のいず
れかの判断結果が「No」となってbit2またはbi
t3に“1”が出力されるが、磁気センサ4,5の出力
を監視している比較器36からのフェイル検知信号K,
Lは正常に出力される結果、ステップS3及びS4の判
断結果は「yes」となってbit3及びbit4はそ
れぞれ“0”を出力する。以上の各bitの関係を一覧
にしたのが図5から図8である。
【0025】これらの図において、「車両の状態」が
「ケーブル上静止」とは、始動時等に車両が誘導ケーブ
ル上のほぼ中立位置に静止している状態を指しており、
この状態でエラー検知信号のいずれかのbitに“1”
が出力されてエラー状態と検出される場合は、磁気セン
サや回路の故障と判断し得る。「運行中」とは車両が走
行している状態であり、この状態でエラー状態と検知さ
れた場合は、回路系の故障以外の可能性がある。また、
便宜上、フェイル検知信号に対する判定を「ハード判
定」、センサ信号に対する判定を「ソフト判定」と称
す。その他の表中の符号は、以下の内容を示すものとす
る。
【0026】 イ:左側センサ出力調整回路の故障 ロ:右側センサ出力調整回路の故障 ハ:左側センサ出力調整回路または右側センサ出力調整
回路の故障またはセンサ信号電流過大現象の発生(表中
は、表示を簡略にするため対応する符号イ、ロを用いて
表現している。他の欄の符号についても同様。) ニ:ソフトウエアのバグ発生 ホ:センサ出力調整回路の故障 ヘ:センサ出力調整回路の故障またはマイクロコンピュ
ータ内のCPUの故障 ト:左側フェイルセーフ回路の故障 チ:左側フェイルセーフ回路の故障またはソフトウエア
のバグ発生 リ:左側磁気センサの故障、または左側センサ出力調整
回路と左側フェイルセーフ回路との両方の故障が重なっ
た現象 ヌ:前記リの現象とソフトウエアのバグ発生とが重なっ
た現象 ル:前記ロとトとが重なった現象 ヲ:前記トとニとが重なった現象 ワ:前記リとロとが重なった現象またはホとトとが重な
った現象 カ:前記ワとニとが重なった現象
【0027】ヨ:右側フェイルセーフ回路の故障 タ:右側フェイルセーフ回路の故障とソフトウエアのバ
グ発生とが重なった現象 レ:右側フェイルセーフ回路の故障と左側センサ出力調
整回路の故障とが重なった現象 ソ:前記レの現象とソフトウエアのバグ発生とが重なっ
た現象 ツ:右側磁気センサの故障または右側センサ出力調整回
路と右側フェイルセーフ回路との両方の故障が重なった
現象 ネ:前記ツの現象とソフトウエアのバグ発生とが重なっ
た現象 ナ:前記ツの現象と左側センサ出力調整回路の故障とが
重なった現象またはセンサ出力調整回路と右側フェイル
セーフ回路との両方の故障が重なった現象 ラ:前記ナの現象とソフトウエアのバグ発生とが重なっ
た現象
【0028】ム:フェイルセーフ回路の故障 ウ:フェイルセーフ回路の故障とソフトウエアのバグ発
生とが重なった現象 ノ:前記リと右側フェイルセーフ回路の故障とが重なっ
た現象またはフェイルセーフ回路と左側センサ出力調整
回路との両方の故障が重なった現象 オ:前記ノとソフトウエアのバグ発生とが重なった現象 ク:前記ツと左側フェイルセーフ回路の故障とが重なっ
た現象又はフェイルセーフ回路の故障と右側センサ出力
調整回路との両方の故障が重なった現象 ヤ:前記クとソフトウエアのバグ発生とが重なった現象 マ:前記リとツとが重なった現象またはセンサ出力調整
回路とフェイルセーフ回路との両方の故障が重なった現
象 ケ:前記マとソフトウエアのバグ発生とが重なった現象
【0029】無:磁気センサを含む回路系が正常に作動
しているなら、このような状態は起こり得ないことを示
す。したがって、万一「運行中」に起きた場合は後述す
るように車両が停止するので、「ケーブル上静止」の欄
により故障と判断する。なぜ起こり得ないかの理由とし
て次の3通りがある。 (a):ハード判定が“1”なら、同じ側のソフト判定
の最小判定も必ず“1”になり、ハード判定が“0”な
ら、同じ側のソフト判定の最小判定も必ず“0”になる
から。 (b):同じ側の最小判定と最大判定が同時に“1”と
なることはないから。 (c):センサ信号E,Fが同時に最大判定で“1”と
なることはないから。 なお、複数の理由が考えられる場合があるが、表には、
その一つのみを示している。
【0030】例えばbit0〜5のビット列が“110
000”の場合(図5の4段目の場合)は、磁気センサ
を含めた回路系の作動が正常であるなら、センサ信号
E,Fの両方が同時に最大判定で“1”となることはあ
り得ないから、このビット列の場合は回路系の故障と判
断される。その原因としては、フェイル検知信号K,L
はともに正常であるのに対して、センサ信号E,Fの出
力がともに最大しきい値以上となったのであるから、左
側磁気センサ4が図4の領域Aに配置されている場合に
右側センサ出力調整回路23Bが故障しているか、逆に
右側磁気センサ5が領域Aに配置されている場合に左側
センサ出力調整回路23Aが故障していることが、まず
は考えられる。また、フェイル検知信号K,Lは前記基
準値設定手段37で設定された基準値(電圧)Z以上の
出力があれば“0”を出力するのであるから、磁気セン
サからの信号電流の過大現象が発生しているとも考えら
れる。
【0031】一方、ビット列が“011010”の場合
(図6の6段目の場合)は、回路系が正常とした場合に
は、右側センサ信号Fが最大しきい値max以上であっ
て左側センサ信号Eが最小しきい値min以下であるか
ら、車両3が誘導ケーブル1に対して左に逸脱し、図4
の領域B内に配置された状態と判断される。この場合、
左側磁気センサ4からの出力が低くなっているのである
から、左側フェイル検知信号Kも“1”になる。回路系
の故障と仮定すると、左側磁気センサ4からの出力が低
く、左側センサ信号Eと左側フェイル検知信号Kとがと
もに“1”であるから、左側磁気センサ4の故障である
か、センサ出力調整回路及びフェイルセーフ回路の左側
磁気センサ4に対する系の両方ともが故障している場合
が考えられるが、そのいずれかである場合はビット列が
“001010”(図6の4段目)となるはずである。
“011010”の場合はbit1も“1”、つまり右
側センサ信号Fが最大しきい値max以上となってお
り、このような組み合わせはソフトウエアのバグが同時
に発生していると考えざるを得ない。したがって、左側
磁気センサ4の故障であるか、センサ出力調整回路及び
フェイルセーフ回路の左側磁気センサ4に対する系の両
方ともが故障しているかのいずれかに、ソフトウエアの
バグ発生が重なって生じる現象と考えられる。
【0032】この“011010”を含めて図5から図
8の表において、回路系の故障の可能性がある場合に、
二つの現象が重なったときに生じる組み合わせ(例えば
前記ヌ、ル、ヲ、ワ等)は、発生の確率が極めて低いた
め、通常の場合は起こらないとみなしても現実的には問
題ない。そして、車両3が左に逸脱したと判断される
“011010”は前述したように故障の可能性が極め
て低く、また、右値に逸脱したと判断される“1001
01”の場合も、右側磁気センサ5の故障であるか、セ
ンサ出力調整回路及びフェイルセーフ回路の右側磁気セ
ンサ5に対する系の両方ともが故障しているかのいずれ
かに、ソフトウエアのバグ発生が重なって生じる現象と
考えられ、“011010”の場合と同様、故障の可能
性は確率的に極めて低い。したがって、これら“011
010”及び“100101”の場合は、回路系の故障
ではなく車両の逸脱と判断できる。
【0033】また、車両3が図4の領域Cまたは領域D
に配置された状態は、そうなる前に領域Bに配置されて
逸脱検知されるので、実際には、そのような状況はない
と考えても支障はない。なお、図5の1段目のビット列
“00000”の場合は、エラーが検知されていないの
であるから、磁気センサ4,5を含めて回路系が正常に
作動しており、また、運行中も誘導ケーブル1に対する
逸脱もなく正常に走行していると判断できる。
【0034】このようにしてセンシング回路21から出
力されるビット列の監視処理について、図9のフローチ
ャートにしたがって説明する。この監視はマイクロコン
ピュータ26からのエラー検知信号Pに基づき車両側E
CU27内のエラー検知手段52において行われ、該エ
ラー検知手段52には図5から図8に示されるビット列
のパターンが記憶されている。まず、ステップS11に
て車両側ECU27のパラレルポート49の読み込み準
備処理、変数Vの定義処理が行われる。ステップS12
からステップS16は誘導ケーブル1の監視ループ処理
である。この監視ループ処理においては、パラレルポー
ト49よりbit0〜bit5のビット列を読み込み、
該ビット列を変数Vに代入し(ステップS12)、その
変数Vが“000000”であるか否かを判断し(ステ
ップS13)、“000000”である場合にはループ
処理を繰り返す。ステップS13において変数Vが“0
00000”でない場合、次のステップS14において
該変数Vが“011010”または“100101”で
あるか否かを判断し、これらのビット列のいずれでもな
いと判断された場合は、その変数Vの内容を保存して車
両を停止する(ステップS15)。この場合は、回路系
の故障が考えられ、前記図5から図8の表にしたがって
原因を追究する。
【0035】一方、ステップS14において、変数Vが
“011010”または“100101”のいずれかに
該当する場合は、車両が逸脱したと認識して操舵方向を
反転する、車両を停止する等の修正処理を行う(ステッ
プS16)。なお、図5から図8に示すように“001
010”、“000101”、“001111”の場合
も車両逸脱と判断されるが、前述したように、これらの
ビット列が発生する前に、“011010”または“1
00101”のいずれかが必ず発生するから、実際には
“001010”、“000101”、“00111
1”のビット列自体を監視する必要はない。
【0036】以上の第1実施形態では、各センサ信号
E,F毎に最小値判定と最大値判定との両方の結果にそ
れぞれビットを割り当てたが、図5から図8に示される
各ビット列の中には、回路系の故障の可能性が低く、か
つ故障でないとした場合でも起こり得ないビットの組み
合わせ(例えば“101010”、“111010”
等)が多く、また、実際の監視制御に使用しない組み合
わせもあるので、最小値判定と最大値判定とを区別しな
いで、そのいずれかの判定結果が「yes」であれば
“1”を出力するように設定しても現実的には支障はな
い。図10は、このような考え方に基づき、各センサ信
号E,F毎に、最小値判定と最大値判定との両判定結果
の論理和に対して一つのビットを割り当てた第2実施形
態のエラー検知信号を示すものである。したがって、こ
の第2実施形態の場合は、センサ信号E,F、フェイル
検知信号K,Lの順にbit0からbit3の4ビット
のビット列となる。
【0037】この図10中の符号に関して図5から図8
と同じものには同一符号を付している。なお、磁気セン
サ4,5を含む回路系が正常に作動している場合には起
こり得ないことを示す「無」の原因を示す符号のうち、
(d)は次の通り定義する。 (d):ソフト判定の最大判定が“1”なら、同じ側の
ハード判定は必ず“0”になるから。また、「ソフト判
定がmin」、「ソフト判定がmax」とは、最小値判
定結果と最大値判定結果とを区別しないこととしたの
で、可能性としてソフト判定で最小値判定の結果“1”
となる場合を「ソフト判定がmin」とし、最大値判定
の結果“1”となる場合を「ソフト判定がmax」とし
た。例えば、“1100”(図10の4段目)の場合、
回路系が正常であれば、センサ信号E,Fの両方が同時
に最大値判定で“1”となることはあり得ないし、その
いずれかが最小値判定、他方が最大値判定でそれぞれ
“1”となるなら必ず最小値判定で“1”となった磁気
センサ側のハード判定も“1”となるはずであり、した
がって、このビット列の場合は回路系の故障と判断する
しかない。
【0038】一方、“1101”(図10の12段目)
の場合は、回路系が正常とした場合には、右側センサ信
号Fと右側フェイル検知信号Lとがともに“1”である
から、右側磁気センサからの出力が低く、右側センサ信
号Fが最小しきい値以下となる場合である。そして、こ
のとき同時に左側センサ信号Eも“1”ということは、
最小しきい値以下である場合と最大しきい値以上である
場合とが考えられるが、最小しきい値以下(「ソフト判
定がmin」)である場合は同じ側のハード判定も必ず
“1”になるはず(回路系の故障以外であることが前
提)であるから、この場合ではなく、最大しきい値以上
となっている場合であり、したがって、図4において車
両が領域Bに配置されている場合と認められるから、誘
導ケーブルに対して車両が右側に逸脱したと判断され
る。この“1101”が回路系の故障が原因で生じる場
合は、右側磁気センサ5の故障または右側センサ出力調
整回路23Bと右側フェイルセーフ回路24Bとの両方
の故障が重なった現象のいずれかと、左側センサ出力調
整回路23Aの故障とが重なった現象が発生している
か、センサ出力調整回路23A,23Bと右側フェイル
セーフ回路24Bとの両方の故障が重なった現象が発生
していることが考えられる。
【0039】しかしながら、第1実施形態の例で説明し
たように、回路系の故障に関して二つの現象が重なった
ときに生じる組み合わせの場合は発生の確率が極めて低
いため、この“1101”の場合は回路系の故障ではな
く車両の逸脱とみなして支障はない。同様に、“111
0”(図10の8段目)のビット列の場合も車両が左側
に逸脱したと判断し得る。
【0040】この第2実施形態のビット列の監視処理を
図11に示すが、第1実施形態の場合に比較してビット
列が6ビットから4ビットとなったことから、図9のフ
ローチャートに対して、ステップS12のビットの読み
込みが「bit0〜bit3」になるとともに、ステッ
プS13のビット列を4ビットの「“0000”」と
し、ステップS14のビット列を「“1101”又は
“1110”」とする以外は第2実施形態の場合の処理
と同じである。このように、この第2実施形態では、ビ
ット列を小さくしたので、車両側ECU27内に記憶さ
れるビットパターンの量も少なくなり、その制御を簡単
にすることができる。
【0041】次に、第3実施形態について、図12から
図15に基づいて説明する。この第3実施形態では、図
12のシステム構成図において、車両側ECU27内の
エラー検知手段52に操舵方向判定手段53が設けられ
るとともに、該操舵方向判定手段53に舵角センサ54
からの信号が入力されるようになっており、また、図1
3の出力波形図に示すように、最小値判定手段46にお
ける最小しきい値minを第1実施形態あるいは第2実
施形態のしきい値よりも小さく設定している。同様に、
フェイルセーフ回路24A,24Bの比較器36で参照
される基準値設定手段37における基準値(電圧)も低
く設定され、最小値判定手段46で最小しきい値以下と
判定される場合は比較器36でもフェイル検出信号K,
Lがパルス状に出力されないようになっている。
【0042】図14は、この第3実施形態により生成さ
れるエラー検知信号Pのビット列を示すものであり、図
5から図8あるいは図10と同じ場合は同一符号を付し
ている。なお、磁気センサ4,5を含む回路系が正常に
作動している場合には起こり得ないことを示す「無」の
原因を示す符号のうち、(e)は次の通り定義する。 (e):図13に明らかなように、ソフト判定の最大判
定で一方が“1”であるとき、反対側のハード判定は必
ず“0”となるから。 この図14において、回路系の故障の場合の原因は図1
0と同じであるが、故障以外の可能性の場合に、“00
00”、“1000”、“0100”、“1110”、
“1101”の各ビット列において図10と異なる判断
をする必要がある。
【0043】“0000”の場合は、正常に走行してい
る場合と、図13の領域Qに車両が配置されている場合
とが考えられる。しかしながら領域Qに車両が配置され
る場合には、その前に必ず領域Nを経由しているはずで
あり、車両3が右方向に移動している場合は左側磁気セ
ンサ4が誘導ケーブル1の真上付近に配置された状態を
示す“1000”のビット列がまず生成される。車両3
が左方向に移動している場合は右側磁気センサ5が誘導
ケーブルの1真上付近に配置され、“0100”のビッ
ト列が生成される。したがって、領域Qに車両3が配置
される前に、領域Nに配置された時点で、そのときのビ
ット列によって車両の状態を判断することができ、“0
000”のビット列が生成された場合に領域Qに車両が
配置されたとすることは現実には起こり得ない。
【0044】そして、これら“1000”又は“010
0”のビット列が検出されたとき、後述するように操舵
方向判定手段53により車両の操舵方向を検出して逸脱
か否かを判定する。一方、“1110”及び“110
1”のビット列の場合、回路系が正常のときは第2実施
形態では車両の逸脱と判断したが、第3実施形態の場合
は、最小しきい値を第2実施形態の場合よりも小さく設
定したので、センサ信号E,Fの一方が最大しきい値以
上で他方が最小しきい値以下となる状態はあり得ない。
したがって、これら“1110”及び“1101”の場
合は回路系の故障と判断される。
【0045】図15は、この第3実施形態における車両
側ECU27の処理内容を示すフローチャートであり、
該図15のステップS11からS15の各処理は、図1
1の同一符号のステップにおいてステップS14の変数
Vを「“1000”又は“0100”」とする以外は同
じであるので、説明を省略する。ステップS14におい
て、変数Vが“1000”または“0100”と判断さ
れた場合は、逸脱の可能性有りとして、設定時間内に経
路を修正するように転舵されたか否かを判定する(ステ
ップS17)。この判定は、前記操舵方向判定手段53
により車両の操舵方向が経路を修正する方向に向いてい
るか否かを判定し、修正方向に向いている場合には、予
め設定した時間経過後に変数Vが他のビット列に切り替
わったか否かを判定し、ビット列が切り替わった場合に
転舵有りとする。車両の操舵方向が修正方向に向いてい
ない場合、あるいは修正方向に向いているが変数Vが切
り替わらない場合には、転舵有りとの判断はなされな
い。そして、該ステップS17において転舵有りと判断
された場合には、ループ処理を繰り返すが、転舵有りと
判断できない場合は逸脱したと認識(センサ出力調整回
路の故障の可能性も考慮に入れる)して操舵方向を反転
する、車両を停止する等の修正処理を行う(ステップS
18)。また、ステップS14において、変数Vが“1
000”または“0100”のいずれでもない場合は、
回路系の故障が考えられるので、その変数Vの内容を保
存して車両を停止し(ステップS15)、図13にした
がって原因を追究する。
【0046】この第3実施形態では、逸脱の可能性を示
すエラー検知信号Pが生成されたとしても、該エラー検
知信号Pだけですぐに逸脱判断するのではなく、車両の
操舵方向をも参照しており、車両が逸脱を修正する方向
に向かっているなら正常として制御を継続させることに
より、実際の走行状態に応じた現実的な制御を行うこと
ができる。
【0047】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る車両誘導システムによれば次のような効果を奏する。 (1)センサ出力監視手段とセンサ信号に対する判定手
段との二重の監視系を設け、かつセンサ信号に対する最
大値判定手段を設けたので、磁気センサやセンサ出力調
整回路の回路系の故障を区別しつつ、車両の逸脱判定を
行うことが可能になる。 (2)一方のセンサ信号が最大しきい値以上であると判
定されているときに他方のセンサ信号が最小しきい値以
下となるようにしきい値を設定しておくことにより、そ
の条件を満たすときに車両逸脱と判断し得て、逸脱判定
を容易にすることができる。 (3)一方のセンサ信号が最大しきい値以上であると判
定されているときに車両の操舵方向がずれを修正する方
向に向いていないと判定されたときに逸脱したと判定す
る構成とすれば、実際の走行がずれを修正しようとして
いる場合までも逸脱とすることはなく、実際の走行状態
に応じた現実的な制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両誘導システムの第1実施形
態のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】 フェイル検知信号の生成原理を示す出力波形
図である。
【図3】 第1実施形態におけるビット生成処理内容を
示すフローチャートである。
【図4】 第1実施形態における磁気センサのセンサ信
号を示す出力波形図である。
【図5】 第1実施形態におけるエラー検知信号とその
発生原因との関係を示す表の一部である。
【図6】 図5のエラー検知信号とその発生原因との関
係の続きを示す表である。
【図7】 図6のエラー検知信号とその発生原因との関
係の続きを示す表である。
【図8】 図7のエラー検知信号とその発生原因との関
係の続きを示す表である。
【図9】 第1実施形態における車両側ECUの処理内
容を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の第2実施形態におけるエラー検知
信号とその発生原因との関係を示す表である。
【図11】 第2実施形態における車両側ECUの処理
内容を示すフローチャートである。
【図12】 本発明の第3実施形態のシステム構成を示
すブロック図である。
【図13】 第3実施形態における磁気センサのセンサ
信号を示す出力波形図である。
【図14】 第3実施形態におけるエラー検知信号とそ
の発生原因との関係を示す表である。
【図15】 第3実施形態における車両側ECUの処理
内容を示すフローチャートである。
【図16】 車両誘導システムにおける車両と磁気発生
源との関係を示す概念図である。
【図17】 従来例の車両誘導システムにおけるセンシ
ング回路部分を示すブロック図である。
【図18】 従来例における磁気センサのセンサ信号を
示す出力波形図である。
【符号の説明】
1 誘導ケーブル(磁気発生源) 2 走行路 3 車両 4,5 磁気センサ 23A,23B センサ出力調整回路 24A,24B フェイルセーフ回路 25 差動増幅器 26 マイクロコンピュータ 27 車両側ECU 43 センサ出力監視手段 44 記憶手段 45 最大値判定手段 46 最小値判定手段 51 誘導制御手段 52 エラー検知手段 53 操舵方向判定手段 54 舵角センサ E,F センサ信号 G 検出信号 K,L フェイル検知信号 P エラー検知信号 Emax,Fmax,max 最大しきい値 Emin,Fmin,min 最小しきい値 Z 基準値

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行路に沿って敷設された磁気発生源
    と、車両の幅方向に間隔をおいて設けられた一対の磁気
    センサと、各磁気センサの出力を監視するセンサ出力監
    視手段と、各磁気センサの出力をそれぞれ調整するセン
    サ出力調整回路と、該センサ出力調整回路を経由した両
    センサ信号の出力差に基づき前記磁気発生源に沿う車両
    の誘導走行を制御する誘導制御手段と、前記センサ信号
    の出力が最小しきい値以下であるか否かを判定する最小
    値判定手段と、該センサ信号の出力が最大しきい値以上
    であるか否かを判定する最大値判定手段と、前記センサ
    出力監視手段及び両判定手段からの出力結果によって磁
    気センサ等の故障及び磁気発生源に対する車両の逸脱を
    検知するエラー検知手段とを備える車両誘導システム。
  2. 【請求項2】 前記最小値判定手段は、最大値判定手段
    によって一方のセンサ信号が最大しきい値以上であると
    判定されているときに他方のセンサ信号が最小しきい値
    以下となるように最小しきい値が設定されていることを
    特徴とする請求項1記載の車両誘導システム。
  3. 【請求項3】 前記エラー検知手段は、前記最大値判定
    手段によって一方のセンサ信号が最大しきい値以上であ
    ると判定されているときに車両の操舵方向が前記磁気発
    生源に対するずれを修正する方向に向いているか否かを
    判定する操舵方向判定手段を備え、該操舵方向判定手段
    によって操舵方向がずれを修正する方向に向いていない
    と判定されたときに磁気発生源に対して車両が逸脱した
    と判定することを特徴とする請求項1記載の車両誘導シ
    ステム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003308592A (ja) * 2002-04-18 2003-10-31 Hitachi Cable Ltd 車両検知装置
KR101341863B1 (ko) * 2012-04-16 2013-12-16 (주)엠피에스코리아 유도 전동차량의 유도선 추종 제어장치 및 방법
CN110741285A (zh) * 2017-06-14 2020-01-31 爱知制钢株式会社 标识器检测方法及车辆用系统

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