JP3919969B2 - 車両誘導システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、本発明は、走行路中に埋設した誘導ケーブル等の磁気発生源からの磁界を車両に搭載した一対の磁気センサによって検出し、該磁気センサの出力に基づき車両を磁気発生源に沿って誘導する車両誘導システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両誘導システムとして、図16に示すように、交流電圧による磁界を発生する誘導ケーブル1を走行路2中に埋設するとともに、該誘導ケーブル1上を走行する車両3には、幅方向に間隔をおいて一対の磁気センサ4,5を搭載し、これら磁気センサ4,5の出力差に基づき誘導ケーブル1に対するずれを修正しながら車両3を誘導ケーブル1に沿って誘導走行するものが知られている。
この車両誘導システムは、各種工場や倉庫等で使用される無人搬送車などに広く利用されている。
【0003】
図17は、このような車両誘導システムにおけるセンシング回路部分の従来例を示している。
このセンシング回路6は、左右一対の磁気センサ4,5の出力を増幅器7、フィルタ8、DCコンバータ9を介して調整した後、その調整後のセンサ信号E,Fを差動増幅器10と電圧監視のための比較器11とに送り、差動増幅器10では、両センサ信号E,Fの出力差に比例する検出信号Gを出力し、一方、比較器11では、各センサ信号E,Fの出力が予め定められた監視電圧以下であるか否かを比較してエラー信号X,Yを出力するようになっている。そして、差動増幅器10からの検出信号Gに基づき車両3の左右位置を確認し、その結果により舵角を制御しながら誘導ケーブル1に沿って車両3を誘導制御するものである。この場合、車両3が誘導ケーブル1から離れている場合には、各磁気センサ4,5からのセンサ信号E,Fの出力が低くなるため、比較器11によってこれを判断することができる。
【0004】
これら各センサ信号E,Fをもとにした出力波形を示すのが図18であり、横軸が車両の左右位置、縦軸がセンサ信号の出力を示している。また、Eが左側磁気センサ4のセンサ信号に対する出力波形、Fが右側磁気センサ5のセンサ信号に対する出力波形、Gが両センサ信号の出力差(図18の場合、左側センサ信号Eから右側センサ信号Fを引いた出力差)である検出信号に相当する差分波形を示している。なお、センサ信号E,F及び検出信号Gの出力値と図18の出力波形及び差分波形の出力値とは必ずしも同じ値ではないが、比例した関係にあるので、本明細書では同じものとして説明する。
この図18において、横軸「0」の位置は車両の中立位置であり、例えば図16に示すように車両3の両磁気センサ4,5間の幅方向中間位置が誘導ケーブル1の真上に配置された状態である。この中立位置においては、各磁気センサ4,5から誘導ケーブル1までの距離が等しいため、両センサ信号E,Fは同じ出力となり、差動増幅器10からの検出信号Gの出力は「0」になる。なお、各センサ信号E,Fにおいて、その出力が最大となる位置は、誘導ケーブル1の真上に各磁気センサ4,5が配置された状態である。
【0005】
ここで、車両3が図16に示す中立位置にある状態から、誘導ケーブル1に対して矢印で示す右方向に移動して、図18のaで示す位置にずれたとすると、左側磁気センサ4は誘導ケーブル1に近づくことになるため、そのセンサ信号Eの出力が増加し、逆に右側磁気センサ5は誘導ケーブル1から離れていくことになるため、そのセンサ信号Fの出力は減少する。
【0006】
この図18において、符号Zは、前記比較器11で設定された監視電圧としてのしきい値を示しており、各センサ信号E,Fの出力がしきい値Z以上である場合は、エラー信号X,Yは出力されないが、しきい値Z以下になるとエラー信号X,Yが出力される。したがって、車両3が図18のaで示す位置からさらに右方向に移動してbで示す位置にまで到達すると、右側センサ信号Fの出力がしきい値Z以下となるため、右側エラー信号Yが出力され、車両3が誘導ケーブル1から逸脱したことがわかる。図18の例の場合、正常範囲は、両センサ信号E,Fの出力がしきい値Z以上となるαの範囲であり、その外側の範囲は車両3が逸脱したことになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両自体は誘導ケーブル1上に適正に配置されている場合であっても、磁気センサ4,5におけるコイルの断線等によって一方(例えば右側)の磁気センサ5からの出力がない場合、その磁気センサ5に接続されている比較器11においてしきい値Z以下であるとして(右側の)エラー信号Yが出力される。また、磁気センサ4,5の出力を調整している増幅器7、フィルタ8、DCコンバータ9の調整回路系の一部が故障している場合にも、その故障した回路に接続されている比較器11はエラー信号を出力する。
すなわち、図17のセンシング回路6では、エラー信号X,Yが出力される場合が車両逸脱以外にも複数の状態で起こり得るため、車両3が誘導ケーブル1から逸脱したのか、磁気センサ4,5が故障したのか、あるいはセンサ出力の調整回路系が故障したのかを区別することができないという問題がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、磁気センサ等の故障を区別しつつ車両の逸脱を正確に判断することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両誘導システムは、走行路に沿って敷設された磁気発生源(例えば実施形態の誘導ケーブル1)と、車両の幅方向に間隔をおいて設けられた一対の磁気センサ(例えば実施形態の磁気センサ4,5)と、各磁気センサの出力が異常であるか否かを判定するセンサ出力監視手段(例えば実施形態のマイクロコンピュータ26内のセンサ出力監視手段43)と、各磁気センサの出力をそれぞれ調整するセンサ出力調整回路(例えば実施形態のセンサ出力調整回路23A,23B)と、該センサ出力調整回路を経由した両センサ信号の出力差に基づき前記磁気発生源に沿う車両の誘導走行を制御する誘導制御手段(例えば実施形態の車両側ECU27内の誘導制御手段51)と、該センサ出力調整回路を経由したセンサ信号の出力が最小しきい値以下であるか否かを判定する最小値判定手段(例えば実施形態のマイクロコンピュータ26内の最小値判定手段46)と、該センサ出力調整回路を経由したセンサ信号の出力が最大しきい値以上であるか否かを判定する最大値判定手段(例えば実施形態のマイクロコンピュータ26内の最大値判定手段45)と、前記センサ出力監視手段により各磁気センサの出力が異常でないと判定されかつ前記センサ出力調整回路を経由したセンサ信号の出力が最小値判定手段により最小しきい値以下であると判定されるとともに最大値判定手段により最大しきい値以上ではないと判定される場合にセンサ出力調整回路の故障を検知するエラー検知手段(例えば実施形態の車両側ECU27内のエラー検知手段52)とを備えることを特徴とする。
【0010】
すなわち、センサ出力調整回路を経由する前の磁気センサからの出力と、センサ出力調整回路を経由した後のセンサ信号とにより二重の監視系を設けることにより、磁気センサの故障であるか否かを識別することができるとともに、センサ信号に対して最小、最大の二つのしきい値を設定して、センサ出力監視手段の監視結果とセンサ信号に対する最小値判定手段とを組み合わせることにより、センサ出力調整回路の故障であるか否かを識別することができる。さらに、最大値判定手段を付加したことにより、磁気センサが誘導ケーブルの真上付近に配置されたか否かが判断できるため、車両の逸脱判断を容易にすることができる。
【0011】
この場合、前記最小値判定手段は、最大値判定手段によって一方のセンサ信号が最大しきい値以上であると判定されているときに他方のセンサ信号が最小しきい値以下となるように最小しきい値が設定されている。
このように最小しきい値と最大しきい値とを設定しておくことにより、一方のセンサ信号が最小しきい値以下で他方のセンサ信号が最大しきい値以上である場合は、車両が誘導ケーブルから逸脱したと判断することができる。
【0012】
また、前記エラー検知手段として、前記最大値判定手段によって一方のセンサ信号が最大しきい値以上であると判定されているときに車両の操舵方向が前記磁気発生源に対するずれを修正する方向に向いているか否かを舵角センサからの信号に基づいて判定する操舵方向判定手段(例えば第3実施形態の車両側ECU27内の操舵方向判定手段53)を備え、該操舵方向判定手段によって操舵方向がずれを修正する方向に向いていないと判定されたときに磁気発生源に対して車両が逸脱したと判定するようにしてもよい。
このようにすることにより、磁気センサからの出力だけでなく、車両の操舵方向をも確認して逸脱判定するので、実際の走行がずれを修正しようとしている場合までも逸脱とすることはない。この場合、最小値判定手段は、もっぱら回路系の故障を監視する役割を負担する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両誘導システムの実施形態について図1から図15を参照しながら説明する。
図1から図9は第1実施形態の車両誘導システムを示しており、図1はそのシステム構成図を示す。この図1において、センシング回路21は、各磁気センサ4,5に、プリアンプ22を介してセンサ出力調整回路23A,23Bとフェイルセーフ回路24A,24Bとが並列的に接続されるとともに、センサ出力調整回路23A,23Bに差動増幅器25が接続され、また、これとは別に、センサ出力調整回路23A,23B及びフェイルセーフ回路24A,24Bからの各信号がマイクロコンピュータ26に入力されて後述の判定処理がなされるようになっている。
【0014】
センサ出力調整回路23A,23Bには、ゲイン調節アンプ31、帯域フィルタ32、DCコンバータ33が設けられており、磁気センサ4,5の出力電圧を増幅しながら高周波及び低周波を除く特定の帯域の周波数のみ通過させて直流のセンサ信号E,Fに変換した後、そのセンサ信号E,Fを差動増幅器25に送る構成である。なお、符号34はプログラマブル発振器であり、マイクロコンピュータ26からの指示信号に基づき帯域フィルタ32の周波数帯域を制御するようになっている。
そして、このようなセンサ出力調整回路23A,23Bを経由した両センサ信号E,Fの出力が差動増幅器25によって比較され、その出力差に比例する検出信号Gに基づき、車両側ECU(電子制御ユニット)27内の誘導制御手段51が車両3を誘導ケーブル1に沿って誘導する構成である。
【0015】
一方、フェイルセーフ回路24A,24Bは、プリアンプ22を経由した出力をバッファアンプ35を介してデジタル信号変換部である比較器36に送り、該比較器36において、基準値設定手段37により設定された基準値(電圧)と比較され、磁気センサ4,5からの出力が基準値より高い場合にのみフェイル検知信号K,Lを出力するようになっている。このフェイル検知信号K,Lは、図2に示すように、磁気センサ4,5の出力H,Iが交流信号であることにより、交流信号の周波数に対応して基準値Zを超えた部分がパルス状の信号として出力される。
【0016】
そして、前記センサ出力調整回路23A,23Bからのセンサ信号E,Fがマイクロコンピュータ26のA/Dコンバータ41に入力され、一方、フェイルセーフ回路24A,24Bからのフェイル検知信号K,Lはパラレルポート42に入力される。
マイクロコンピュータ26には、パラレルポート42から入力されたフェイル検知信号K,Lに基づき磁気センサ4.5の出力が異常であるか否かを判定するセンサ出力監視手段43と、A/Dコンバータ41から入力されたセンサ信号E,Fに対して、記憶手段(ROM)44に記憶されている最大しきい値以上であるか否かを判定する最大値判定手段45と、同じく記憶手段44に記憶されている最小しきい値以下であるか否かを判定する最小値判定手段46とを備えており、これらセンサ出力監視手段43及び両判定手段45,46による判定結果からなるエラー検知信号Pをパラレルポート49を経由して車両側ECU27に出力する構成とされている。そして、該車両側ECU27において、エラー検知手段52が前記エラー検知信号Pに基づき磁気センサ4,5等の故障か車両の逸脱かを検知する構成である。
【0017】
この場合、前記最小値判定手段46においては、最大値判定手段45によって一方のセンサ信号が最大しきい値以上であると判定されているときに他方のセンサ信号が最小しきい値以下となるように最小しきい値が設定されている。
なお、フェイルセーフ回路24A,24Bの比較器36における基準値Zと最小値判定手段46の最小しきい値とは、磁気センサ4,5の出力が比較器36で基準値Z以下とされる場合には、同じ側のセンサ信号が最小値判定手段46でも最小しきい値以下となり、逆に最小値判定手段46で最小しきい値以下と判定される場合は比較器36でも基準値Z以下となるように設定されている。
また、前記エラー検知信号Pは、各センサ信号E,Fに対して両判定手段45,46毎に1ビットずつ、また各フェイル検知信号K,Lに対して1ビットずつ、合計6ビットのビット列として構成されており、Eの最大値判定、Fの最大値判定、Eの最小値判定、Fの最小値判定、K、Lの順にbit0からbit5までが割り当てられる。
【0018】
次に、このエラー検知信号Pを生成しているマイクロコンピュータ26内の処理内容について図3のフローチャートにしたがって説明する。
予め、記憶手段44から左右各センサ信号E,Fに対する最大しきい値Emax,Fmaxと最小しきい値Emin,Fminとを呼び出しておき(ステップS1)、パラレルポート42から入力されるフェイル検知信号K、Lを読み込む(ステップS2)。そして、まず、その一方のフェイル検知信号Kがパルス状に検出できるか否かを判断し(ステップS3)、パルス状のフェイル検知信号Kが確認されたら、他方のフェイル検知信号Lに対して同様にパルス状の信号であるか否かを確認する(ステップS4)。ステップS3でフェイル検知信号Kがパルス状の信号として確認できない場合はエラー検知信号Pのbit4を“1”、パルス状信号を確認できた場合はbit4を“0”とする。また、フェイル検知信号Lに対してはステップS4でパルス信号が確認できない場合はbit5を“1”、確認できた場合はbit5を“0”とする。
【0019】
次に、A/Dコンバータ41から入力されるセンサ信号E、Fを読み込み(ステップS5)、まずセンサ信号Eについて最大しきい値Emaxより小さいか否かを判断し(ステップS6)、その条件を満たさない場合、言い換えればセンサ信号Eが最大しきい値Emax以上である場合はエラー検知信号Pのbit0を“1”、小さい場合はbit0を“0”とする。同様に、センサ信号Fについて最大しきい値Fmaxより小さいか否かを判断し(ステップS7)、小さくない場合はbit1を“1”、小さい場合はbit1を“0”とする。
また、ステップS8及びステップS9で示すように、各センサ信号E,Fについて、最小しきい値Emin,Fminより大きいか否かを判断し、センサ信号Eが最小しきい値Eminより大きくない場合にbit2を“1”、大きい場合にbit2を“0”、センサ信号Fが最小しきい値Fminより大きくない場合にbit3を“1”、大きい場合にbit3を“0”とする。
【0020】
このような処理によるエラー検知信号の出力結果について、図4の各センサ信号E,Fの出力波形を参照しながら説明する。この図4において、各センサ信号の波形自体は図18と同様であるが、その出力値に対して最小しきい値、最大しきい値を設定している。これら最小しきい値および最大しきい値は、図3のフローチャートでは各センサ信号E,Fのそれぞれに対して別々に設定した例にしたが、この図4では両センサ信号E,Fとも最小しきい値、最大しきい値をそれぞれ同じ値に設定した例としており、最小しきい値をmin、最大しきい値をmaxとしている。
【0021】
図4において、車両3が図16に示す中立位置から右方向に移動した場合、最初の段階では左側のセンサ信号Eは該磁気センサ4が誘導ケーブル1に近づくため、その出力が徐々に増加し、逆に右側センサ信号Fは磁気センサ5が誘導ケーブル1から離れるため徐々に出力が低下する。この段階では、図3のステップS3、S4、S6、S7、S8、S9の判断結果がすべて「yes」となるので、前記エラー検知信号の各ビットは“0”のままである。
そして、左側の磁気センサ4が誘導ケーブル1の真上に近づくと、そのセンサ信号Eが最大しきい値maxを超えた出力となってステップS6の判断結果が「No」となり、エラー検知信号のbit0が“1”となる。次いで、誘導ケーブル1の真上に磁気センサ4が配置されるとセンサ信号Eの出力がピーク値となり、このピーク値を超えてさらに車両3が右方向に移動すると、左側磁気センサ4が今度は誘導ケーブル1から離れる方向に移動することとなるので、そのセンサ信号Eは徐々に出力が低下して最大しきい値max以下となるとステップS6の判断結果が「yes」に戻ってbit0は“1”から“0”に切り替わる。その間、右側センサ信号Fは、ますます誘導ケーブル1から離れるので出力は小さくなり、bで示す最小しきい値min以下となった時点でステップS9の判断結果が「No」となり、bit3に“1”が出力される。
【0022】
前述したように、この右側センサ信号Fが最小しきい値min以下となる境界位置は、左側センサ信号Eが最大しきい値maxを超えた出力範囲内に設定されているが、図4に示すように、左側センサ信号Eの出力がピーク値を超えてわずかに下がった時点で右側センサ信号Fが最小しきい値min以下となるように境界位置bが設定されている。このように設定したのは、最大しきい値maxをピーク値とするのではなく、センサ信号のばらつきを考慮して幅を持たせたこと、また、センサ信号がピーク値に達するまでは、車両3が中立位置に復帰する可能性があるため、その可能性のある位置までを有意な値として制御に使用したいと考えたことによる。
車両3が左方向に移動した場合も右方向に移動した場合と同様、右側磁気センサ5が誘導ケーブル1に近づいて、そのセンサ信号Fが最大しきい値maxを超えるとbit1が“0”から“1”に切り替わり、次いで左側磁気センサ4のセンサ信号Eが最小しきい値min以下となってbit2が“0”から“1”に切り替わることになる。
【0023】
一方、磁気センサ4,5の故障により、該磁気センサからの出力が出ない(出力が異常に低い場合も含む)場合は、例えば右側磁気センサ5が異常の場合は、その出力がフェイルセーフ回路24Bの比較器36における基準値Z以下となってフェイル検知信号Kが出力されなくなるので、ステップS3の判断結果が「No」となってbit4に“1”が出力されるとともに、センサ出力調整回路23Bを経由するセンサ信号Fも出力がなくなる(あるいは異常に低くなる)ので、ステップS9の判断結果が「No」となってbit3に“1”が出力される。右側磁気センサ5に代わって左側磁気センサ4が異常の場合は、ステップS4及びステップS8の判断結果がそれぞれ「No」となってbit5及びbit2にそれぞれ“1”が出力される。
【0024】
また、磁気センサ4,5には故障がないが、センサ出力調整回路23A,23Bのゲイン調節回路31、フィルタ32,DCコンバータ33のいずれかが故障した場合は、故障したセンサ出力調整回路を経由したセンサ信号に対してステップS8またはS9のいずれかの判断結果が「No」となってbit2またはbit3に“1”が出力されるが、磁気センサ4,5の出力を監視している比較器36からのフェイル検知信号K,Lは正常に出力される結果、ステップS3及びS4の判断結果は「yes」となってbit3及びbit4はそれぞれ“0”を出力する。
以上の各bitの関係を一覧にしたのが図5から図8である。
【0025】
これらの図において、「車両の状態」が「ケーブル上静止」とは、始動時等に車両が誘導ケーブル上のほぼ中立位置に静止している状態を指しており、この状態でエラー検知信号のいずれかのbitに“1”が出力されてエラー状態と検出される場合は、磁気センサや回路の故障と判断し得る。「運行中」とは車両が走行している状態であり、この状態でエラー状態と検知された場合は、回路系の故障以外の可能性がある。また、便宜上、フェイル検知信号に対する判定を「ハード判定」、センサ信号に対する判定を「ソフト判定」と称す。その他の表中の符号は、以下の内容を示すものとする。
【0026】
イ:左側センサ出力調整回路の故障
ロ:右側センサ出力調整回路の故障
ハ:左側センサ出力調整回路または右側センサ出力調整回路の故障またはセンサ信号電流過大現象の発生(表中は、表示を簡略にするため対応する符号イ、ロを用いて表現している。他の欄の符号についても同様。)
ニ:ソフトウエアのバグ発生
ホ:センサ出力調整回路の故障
ヘ:センサ出力調整回路の故障またはマイクロコンピュータ内のCPUの故障
ト:左側フェイルセーフ回路の故障
チ:左側フェイルセーフ回路の故障またはソフトウエアのバグ発生
リ:左側磁気センサの故障、または左側センサ出力調整回路と左側フェイルセーフ回路との両方の故障が重なった現象
ヌ:前記リの現象とソフトウエアのバグ発生とが重なった現象
ル:前記ロとトとが重なった現象
ヲ:前記トとニとが重なった現象
ワ:前記リとロとが重なった現象またはホとトとが重なった現象
カ:前記ワとニとが重なった現象
【0027】
ヨ:右側フェイルセーフ回路の故障
タ:右側フェイルセーフ回路の故障とソフトウエアのバグ発生とが重なった現象レ:右側フェイルセーフ回路の故障と左側センサ出力調整回路の故障とが重なった現象
ソ:前記レの現象とソフトウエアのバグ発生とが重なった現象
ツ:右側磁気センサの故障または右側センサ出力調整回路と右側フェイルセーフ回路との両方の故障が重なった現象
ネ:前記ツの現象とソフトウエアのバグ発生とが重なった現象
ナ:前記ツの現象と左側センサ出力調整回路の故障とが重なった現象またはセンサ出力調整回路と右側フェイルセーフ回路との両方の故障が重なった現象
ラ:前記ナの現象とソフトウエアのバグ発生とが重なった現象
【0028】
ム:フェイルセーフ回路の故障
ウ:フェイルセーフ回路の故障とソフトウエアのバグ発生とが重なった現象
ノ:前記リと右側フェイルセーフ回路の故障とが重なった現象またはフェイルセーフ回路と左側センサ出力調整回路との両方の故障が重なった現象
オ:前記ノとソフトウエアのバグ発生とが重なった現象
ク:前記ツと左側フェイルセーフ回路の故障とが重なった現象又はフェイルセーフ回路の故障と右側センサ出力調整回路との両方の故障が重なった現象
ヤ:前記クとソフトウエアのバグ発生とが重なった現象
マ:前記リとツとが重なった現象またはセンサ出力調整回路とフェイルセーフ回路との両方の故障が重なった現象
ケ:前記マとソフトウエアのバグ発生とが重なった現象
【0029】
無:磁気センサを含む回路系が正常に作動しているなら、このような状態は起こり得ないことを示す。
したがって、万一「運行中」に起きた場合は後述するように車両が停止するので、「ケーブル上静止」の欄により故障と判断する。なぜ起こり得ないかの理由として次の3通りがある。
(a):ハード判定が“1”なら、同じ側のソフト判定の最小判定も必ず“1”になり、ハード判定が“0”なら、同じ側のソフト判定の最小判定も必ず“0”になるから。
(b):同じ側の最小判定と最大判定が同時に“1”となることはないから。
(c):センサ信号E,Fが同時に最大判定で“1”となることはないから。
なお、複数の理由が考えられる場合があるが、表には、その一つのみを示している。
【0030】
例えばbit0〜5のビット列が“110000”の場合(図5の4段目の場合)は、磁気センサを含めた回路系の作動が正常であるなら、センサ信号E,Fの両方が同時に最大判定で“1”となることはあり得ないから、このビット列の場合は回路系の故障と判断される。その原因としては、フェイル検知信号K,Lはともに正常であるのに対して、センサ信号E,Fの出力がともに最大しきい値以上となったのであるから、左側磁気センサ4が図4の領域Aに配置されている場合に右側センサ出力調整回路23Bが故障しているか、逆に右側磁気センサ5が領域Aに配置されている場合に左側センサ出力調整回路23Aが故障していることが、まずは考えられる。また、フェイル検知信号K,Lは前記基準値設定手段37で設定された基準値(電圧)Z以上の出力があれば“0”を出力するのであるから、磁気センサからの信号電流の過大現象が発生しているとも考えられる。
【0031】
一方、ビット列が“011010”の場合(図6の6段目の場合)は、回路系が正常とした場合には、右側センサ信号Fが最大しきい値max以上であって左側センサ信号Eが最小しきい値min以下であるから、車両3が誘導ケーブル1に対して左に逸脱し、図4の領域B内に配置された状態と判断される。この場合、左側磁気センサ4からの出力が低くなっているのであるから、左側フェイル検知信号Kも“1”になる。回路系の故障と仮定すると、左側磁気センサ4からの出力が低く、左側センサ信号Eと左側フェイル検知信号Kとがともに“1”であるから、左側磁気センサ4の故障であるか、センサ出力調整回路及びフェイルセーフ回路の左側磁気センサ4に対する系の両方ともが故障している場合が考えられるが、そのいずれかである場合はビット列が“001010”(図6の4段目)となるはずである。“011010”の場合はbit1も“1”、つまり右側センサ信号Fが最大しきい値max以上となっており、このような組み合わせはソフトウエアのバグが同時に発生していると考えざるを得ない。したがって、左側磁気センサ4の故障であるか、センサ出力調整回路及びフェイルセーフ回路の左側磁気センサ4に対する系の両方ともが故障しているかのいずれかに、ソフトウエアのバグ発生が重なって生じる現象と考えられる。
【0032】
この“011010”を含めて図5から図8の表において、回路系の故障の可能性がある場合に、二つの現象が重なったときに生じる組み合わせ(例えば前記ヌ、ル、ヲ、ワ等)は、発生の確率が極めて低いため、通常の場合は起こらないとみなしても現実的には問題ない。そして、車両3が左に逸脱したと判断される“011010”は前述したように故障の可能性が極めて低く、また、右値に逸脱したと判断される“100101”の場合も、右側磁気センサ5の故障であるか、センサ出力調整回路及びフェイルセーフ回路の右側磁気センサ5に対する系の両方ともが故障しているかのいずれかに、ソフトウエアのバグ発生が重なって生じる現象と考えられ、“011010”の場合と同様、故障の可能性は確率的に極めて低い。したがって、これら“011010”及び“100101”の場合は、回路系の故障ではなく車両の逸脱と判断できる。
【0033】
また、車両3が図4の領域Cまたは領域Dに配置された状態は、そうなる前に領域Bに配置されて逸脱検知されるので、実際には、そのような状況はないと考えても支障はない。
なお、図5の1段目のビット列“00000”の場合は、エラーが検知されていないのであるから、磁気センサ4,5を含めて回路系が正常に作動しており、また、運行中も誘導ケーブル1に対する逸脱もなく正常に走行していると判断できる。
【0034】
このようにしてセンシング回路21から出力されるビット列の監視処理について、図9のフローチャートにしたがって説明する。この監視はマイクロコンピュータ26からのエラー検知信号Pに基づき車両側ECU27内のエラー検知手段52において行われ、該エラー検知手段52には図5から図8に示されるビット列のパターンが記憶されている。
まず、ステップS11にて車両側ECU27のパラレルポート49の読み込み準備処理、変数Vの定義処理が行われる。ステップS12からステップS16は誘導ケーブル1の監視ループ処理である。この監視ループ処理においては、パラレルポート49よりbit0〜bit5のビット列を読み込み、該ビット列を変数Vに代入し(ステップS12)、その変数Vが“000000”であるか否かを判断し(ステップS13)、“000000”である場合にはループ処理を繰り返す。ステップS13において変数Vが“000000”でない場合、次のステップS14において該変数Vが“011010”または“100101”であるか否かを判断し、これらのビット列のいずれでもないと判断された場合は、その変数Vの内容を保存して車両を停止する(ステップS15)。この場合は、回路系の故障が考えられ、前記図5から図8の表にしたがって原因を追究する。
【0035】
一方、ステップS14において、変数Vが“011010”または“100101”のいずれかに該当する場合は、車両が逸脱したと認識して操舵方向を反転する、車両を停止する等の修正処理を行う(ステップS16)。
なお、図5から図8に示すように“001010”、“000101”、“001111”の場合も車両逸脱と判断されるが、前述したように、これらのビット列が発生する前に、“011010”または“100101”のいずれかが必ず発生するから、実際には“001010”、“000101”、“001111”のビット列自体を監視する必要はない。
【0036】
以上の第1実施形態では、各センサ信号E,F毎に最小値判定と最大値判定との両方の結果にそれぞれビットを割り当てたが、図5から図8に示される各ビット列の中には、回路系の故障の可能性が低く、かつ故障でないとした場合でも起こり得ないビットの組み合わせ(例えば“101010”、“111010”等)が多く、また、実際の監視制御に使用しない組み合わせもあるので、最小値判定と最大値判定とを区別しないで、そのいずれかの判定結果が「yes」であれば“1”を出力するように設定しても現実的には支障はない。
図10は、このような考え方に基づき、各センサ信号E,F毎に、最小値判定と最大値判定との両判定結果の論理和に対して一つのビットを割り当てた第2実施形態のエラー検知信号を示すものである。したがって、この第2実施形態の場合は、センサ信号E,F、フェイル検知信号K,Lの順にbit0からbit3の4ビットのビット列となる。
【0037】
この図10中の符号に関して図5から図8と同じものには同一符号を付している。なお、磁気センサ4,5を含む回路系が正常に作動している場合には起こり得ないことを示す「無」の原因を示す符号のうち、(d)は次の通り定義する。
(d):ソフト判定の最大判定が“1”なら、同じ側のハード判定は必ず“0”
になるから。
また、「ソフト判定がmin」、「ソフト判定がmax」とは、最小値判定結果と最大値判定結果とを区別しないこととしたので、可能性としてソフト判定で最小値判定の結果“1”となる場合を「ソフト判定がmin」とし、最大値判定の結果“1”となる場合を「ソフト判定がmax」とした。
例えば、“1100”(図10の4段目)の場合、回路系が正常であれば、センサ信号E,Fの両方が同時に最大値判定で“1”となることはあり得ないし、そのいずれかが最小値判定、他方が最大値判定でそれぞれ“1”となるなら必ず最小値判定で“1”となった磁気センサ側のハード判定も“1”となるはずであり、したがって、このビット列の場合は回路系の故障と判断するしかない。
【0038】
一方、“1101”(図10の12段目)の場合は、回路系が正常とした場合には、右側センサ信号Fと右側フェイル検知信号Lとがともに“1”であるから、右側磁気センサからの出力が低く、右側センサ信号Fが最小しきい値以下となる場合である。そして、このとき同時に左側センサ信号Eも“1”ということは、最小しきい値以下である場合と最大しきい値以上である場合とが考えられるが、最小しきい値以下(「ソフト判定がmin」)である場合は同じ側のハード判定も必ず“1”になるはず(回路系の故障以外であることが前提)であるから、この場合ではなく、最大しきい値以上となっている場合であり、したがって、図4において車両が領域Bに配置されている場合と認められるから、誘導ケーブルに対して車両が右側に逸脱したと判断される。この“1101”が回路系の故障が原因で生じる場合は、右側磁気センサ5の故障または右側センサ出力調整回路23Bと右側フェイルセーフ回路24Bとの両方の故障が重なった現象のいずれかと、左側センサ出力調整回路23Aの故障とが重なった現象が発生しているか、センサ出力調整回路23A,23Bと右側フェイルセーフ回路24Bとの両方の故障が重なった現象が発生していることが考えられる。
【0039】
しかしながら、第1実施形態の例で説明したように、回路系の故障に関して二つの現象が重なったときに生じる組み合わせの場合は発生の確率が極めて低いため、この“1101”の場合は回路系の故障ではなく車両の逸脱とみなして支障はない。同様に、“1110”(図10の8段目)のビット列の場合も車両が左側に逸脱したと判断し得る。
【0040】
この第2実施形態のビット列の監視処理を図11に示すが、第1実施形態の場合に比較してビット列が6ビットから4ビットとなったことから、図9のフローチャートに対して、ステップS12のビットの読み込みが「bit0〜bit3」になるとともに、ステップS13のビット列を4ビットの「“0000”」とし、ステップS14のビット列を「“1101”又は“1110”」とする以外は第2実施形態の場合の処理と同じである。
このように、この第2実施形態では、ビット列を小さくしたので、車両側ECU27内に記憶されるビットパターンの量も少なくなり、その制御を簡単にすることができる。
【0041】
次に、第3実施形態について、図12から図15に基づいて説明する。
この第3実施形態では、図12のシステム構成図において、車両側ECU27内のエラー検知手段52に操舵方向判定手段53が設けられるとともに、該操舵方向判定手段53に舵角センサ54からの信号が入力されるようになっており、また、図13の出力波形図に示すように、最小値判定手段46における最小しきい値minを第1実施形態あるいは第2実施形態のしきい値よりも小さく設定している。同様に、フェイルセーフ回路24A,24Bの比較器36で参照される基準値設定手段37における基準値(電圧)も低く設定され、最小値判定手段46で最小しきい値以下と判定される場合は比較器36でもフェイル検出信号K,Lがパルス状に出力されないようになっている。
【0042】
図14は、この第3実施形態により生成されるエラー検知信号Pのビット列を示すものであり、図5から図8あるいは図10と同じ場合は同一符号を付している。
なお、磁気センサ4,5を含む回路系が正常に作動している場合には起こり得ないことを示す「無」の原因を示す符号のうち、(e)は次の通り定義する。
(e):図13に明らかなように、ソフト判定の最大判定で一方が“1”であるとき、反対側のハード判定は必ず“0”となるから。
この図14において、回路系の故障の場合の原因は図10と同じであるが、故障以外の可能性の場合に、“0000”、“1000”、“0100”、“1110”、“1101”の各ビット列において図10と異なる判断をする必要がある。
【0043】
“0000”の場合は、正常に走行している場合と、図13の領域Qに車両が配置されている場合とが考えられる。しかしながら領域Qに車両が配置される場合には、その前に必ず領域Nを経由しているはずであり、車両3が右方向に移動している場合は左側磁気センサ4が誘導ケーブル1の真上付近に配置された状態を示す“1000”のビット列がまず生成される。車両3が左方向に移動している場合は右側磁気センサ5が誘導ケーブルの1真上付近に配置され、“0100”のビット列が生成される。したがって、領域Qに車両3が配置される前に、領域Nに配置された時点で、そのときのビット列によって車両の状態を判断することができ、“0000”のビット列が生成された場合に領域Qに車両が配置されたとすることは現実には起こり得ない。
【0044】
そして、これら“1000”又は“0100”のビット列が検出されたとき、後述するように操舵方向判定手段53により車両の操舵方向を検出して逸脱か否かを判定する。
一方、“1110”及び“1101”のビット列の場合、回路系が正常のときは第2実施形態では車両の逸脱と判断したが、第3実施形態の場合は、最小しきい値を第2実施形態の場合よりも小さく設定したので、センサ信号E,Fの一方が最大しきい値以上で他方が最小しきい値以下となる状態はあり得ない。したがって、これら“1110”及び“1101”の場合は回路系の故障と判断される。
【0045】
図15は、この第3実施形態における車両側ECU27の処理内容を示すフローチャートであり、該図15のステップS11からS15の各処理は、図11の同一符号のステップにおいてステップS14の変数Vを「“1000”又は“0100”」とする以外は同じであるので、説明を省略する。
ステップS14において、変数Vが“1000”または“0100”と判断された場合は、逸脱の可能性有りとして、設定時間内に経路を修正するように転舵されたか否かを判定する(ステップS17)。この判定は、前記操舵方向判定手段53により車両の操舵方向が経路を修正する方向に向いているか否かを判定し、修正方向に向いている場合には、予め設定した時間経過後に変数Vが他のビット列に切り替わったか否かを判定し、ビット列が切り替わった場合に転舵有りとする。車両の操舵方向が修正方向に向いていない場合、あるいは修正方向に向いているが変数Vが切り替わらない場合には、転舵有りとの判断はなされない。そして、該ステップS17において転舵有りと判断された場合には、ループ処理を繰り返すが、転舵有りと判断できない場合は逸脱したと認識(センサ出力調整回路の故障の可能性も考慮に入れる)して操舵方向を反転する、車両を停止する等の修正処理を行う(ステップS18)。また、ステップS14において、変数Vが“1000”または“0100”のいずれでもない場合は、回路系の故障が考えられるので、その変数Vの内容を保存して車両を停止し(ステップS15)、図13にしたがって原因を追究する。
【0046】
この第3実施形態では、逸脱の可能性を示すエラー検知信号Pが生成されたとしても、該エラー検知信号Pだけですぐに逸脱判断するのではなく、車両の操舵方向をも参照しており、車両が逸脱を修正する方向に向かっているなら正常として制御を継続させることにより、実際の走行状態に応じた現実的な制御を行うことができる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る車両誘導システムによれば次のような効果を奏する。
(1)センサ出力監視手段とセンサ信号に対する判定手段との二重の監視系を設け、かつセンサ信号に対する最大値判定手段を設けたので、磁気センサやセンサ出力調整回路の回路系の故障を区別しつつ、車両の逸脱判定を行うことが可能になる。
(2)一方のセンサ信号が最大しきい値以上であると判定されているときに他方のセンサ信号が最小しきい値以下となるようにしきい値を設定しておくことにより、その条件を満たすときに車両逸脱と判断し得て、逸脱判定を容易にすることができる。
(3)一方のセンサ信号が最大しきい値以上であると判定されているときに車両の操舵方向がずれを修正する方向に向いていないと判定されたときに逸脱したと判定する構成とすれば、実際の走行がずれを修正しようとしている場合までも逸脱とすることはなく、実際の走行状態に応じた現実的な制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両誘導システムの第1実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】 フェイル検知信号の生成原理を示す出力波形図である。
【図3】 第1実施形態におけるビット生成処理内容を示すフローチャートである。
【図4】 第1実施形態における磁気センサのセンサ信号を示す出力波形図である。
【図5】 第1実施形態におけるエラー検知信号とその発生原因との関係を示す表の一部である。
【図6】 図5のエラー検知信号とその発生原因との関係の続きを示す表である。
【図7】 図6のエラー検知信号とその発生原因との関係の続きを示す表である。
【図8】 図7のエラー検知信号とその発生原因との関係の続きを示す表である。
【図9】 第1実施形態における車両側ECUの処理内容を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の第2実施形態におけるエラー検知信号とその発生原因との関係を示す表である。
【図11】 第2実施形態における車両側ECUの処理内容を示すフローチャートである。
【図12】 本発明の第3実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
【図13】 第3実施形態における磁気センサのセンサ信号を示す出力波形図である。
【図14】 第3実施形態におけるエラー検知信号とその発生原因との関係を示す表である。
【図15】 第3実施形態における車両側ECUの処理内容を示すフローチャートである。
【図16】 車両誘導システムにおける車両と磁気発生源との関係を示す概念図である。
【図17】 従来例の車両誘導システムにおけるセンシング回路部分を示すブロック図である。
【図18】 従来例における磁気センサのセンサ信号を示す出力波形図である。
【符号の説明】
1 誘導ケーブル(磁気発生源)
2 走行路
3 車両
4,5 磁気センサ
23A,23B センサ出力調整回路
24A,24B フェイルセーフ回路
25 差動増幅器
26 マイクロコンピュータ
27 車両側ECU
43 センサ出力監視手段
44 記憶手段
45 最大値判定手段
46 最小値判定手段
51 誘導制御手段
52 エラー検知手段
53 操舵方向判定手段
54 舵角センサ
E,F センサ信号
G 検出信号
K,L フェイル検知信号
P エラー検知信号
Emax,Fmax,max 最大しきい値
Emin,Fmin,min 最小しきい値
Z 基準値

Claims (3)

  1. 走行路に沿って敷設された磁気発生源と、車両の幅方向に間隔をおいて設けられた一対の磁気センサと、各磁気センサの出力が異常であるか否かを判定するセンサ出力監視手段と、各磁気センサの出力をそれぞれ調整するセンサ出力調整回路と、該センサ出力調整回路を経由した両センサ信号の出力差に基づき前記磁気発生源に沿う車両の誘導走行を制御する誘導制御手段と、該センサ出力調整回路を経由したセンサ信号の出力が最小しきい値以下であるか否かを判定する最小値判定手段と、該センサ出力調整回路を経由したセンサ信号の出力が最大しきい値以上であるか否かを判定する最大値判定手段と、前記センサ出力監視手段により各磁気センサの出力が異常でないと判定されかつ前記センサ出力調整回路を経由したセンサ信号の出力が最小値判定手段により最小しきい値以下であると判定されるとともに最大値判定手段により最大しきい値以上ではないと判定される場合にセンサ出力調整回路の故障を検知するエラー検知手段とを備える車両誘導システム。
  2. 前記最小値判定手段は、最大値判定手段によって一方のセンサ信号が最大しきい値以上であると判定されているときに他方のセンサ信号が最小しきい値以下となるように最小しきい値が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両誘導システム。
  3. 前記エラー検知手段は、前記最大値判定手段によって一方のセンサ信号が最大しきい値以上であると判定されているときに車両の操舵方向が前記磁気発生源に対するずれを修正する方向に向いているか否かを舵角センサからの信号に基づいて判定する操舵方向判定手段を備え、該操舵方向判定手段によって操舵方向がずれを修正する方向に向いていないと判定されたときに磁気発生源に対して車両が逸脱したと判定することを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の車両誘導システム。
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