JP2003301596A - 木造軸組における柱と長押の接合構造 - Google Patents

木造軸組における柱と長押の接合構造

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JP2003301596A JP2002108181A JP2002108181A JP2003301596A JP 2003301596 A JP2003301596 A JP 2003301596A JP 2002108181 A JP2002108181 A JP 2002108181A JP 2002108181 A JP2002108181 A JP 2002108181A JP 2003301596 A JP2003301596 A JP 2003301596A
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Osamu Sadahiro
修 貞広
Makoto Kimura
誠 木村
Hiroshi Tamura
浩史 田村
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現代的で合理的な柱と長押との接合構造を実
現する。 【解決手段】 木造軸組を構成する角形断面の柱11と
同じく角形断面の長押12とを接合する構造であって、
柱11の側面と長押12の側面の双方に互いに嵌合する
切欠部13,14を設け、それら切欠部13,14どう
しを嵌合させた状態で柱11と長押12とを接合するこ
とにより、その接合部に、柱11に対する長押12の上
下方向の相対回転に対して支圧面となって支圧応力によ
り相対回転を規制する垂直面Aと水平面Bとを確保す
る。また、接合部には柱11と長押12との間で剪断力
を相互に伝達するシアーコッター15を介装する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、木造軸組における
柱と長押の接合構造に関する。 【0002】 【従来の技術】周知のように、寺社建築に代表される我
国の伝統的な木造建築は、柱に貫、長押、地覆その他の
部材を組み合わせた木造軸組によるものであり、その一
例として、柱と長押との伝統的な木組による接合構造を
図6に示す。なお、ここでの長押とは柱とともに主要構
造材として機能するものであり、現代では古代長押と称
されて単なる化粧材としての化粧長押とは区別されるも
のである。 【0003】図6において符号1は柱(丸柱)であり、
その柱頭部には全周にわたって溝2が形成され、溝2の
底部は平面視八角形をなすものとされている。符号3は
柱1を挟み込む対の長押であり、これら長押3の双方に
は半円形の切欠部4が形成され、切欠部4には柱1に形
成されている上記の溝2に係合する係合部5が形成され
ている。そして、長押3の係合部5を溝2に嵌め込むこ
とにより双方の長押3を柱頭部に対して相対回転不能な
状態で柱1に装着し、それら長押3を引独鈷6および車
知栓7による車知留めとして互いに引き寄せて強固に連
結することにより、対の長押3により柱1を挟み込んで
柱1と長押3とを強固に接合している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のような柱と長押
の接合構造では、軸組の変形の際には長押の繊維が柱を
その繊維と直交方向に圧縮してその際のめり込み耐力に
よって変形に抵抗するものであり、変形が大きくなるほ
どその効果が大きくなるので靱性に優れるものではある
が、接合部における木組が複雑に過ぎてその加工および
施工が容易ではないし、接合部における断面欠損が大き
いことから長押の所要断面が大きくならざるを得ず、構
造力学的には必ずしも合理的ではないと考えられてい
る。 【0005】そのため、伝統的な木造軸組による木造建
物を現代において新築する場合、あるいは歴史的な木造
建物を対象として補強や保存を目的とする改修を行う場
合においては、より合理的で現代的な柱と長押との接合
構造が必要とされているのが実情である。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記事情に鑑み、本発明
は、木造軸組を構成する角形断面の柱と同じく角形断面
の長押とを接合する構造であって、柱の側面と長押の側
面の双方に互いに嵌合する切欠部を設け、それら切欠部
どうしを嵌合させた状態で柱と長押とを接合することに
より、その接合部に、柱に対する長押の上下方向の相対
回転に対する支圧面となって支圧圧縮応力による抵抗モ
ーメントにより相対回転を規制する鉛直面と水平面とを
確保するとともに、柱と長押との間で剪断力を相互に伝
達するシアーコッターを介装したことを特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】図1に本発明の接合構造の一実施
形態を示す。本実施形態は、角形断面の柱11と、同じ
く角形断面の長押12とを接合する場合に適用したもの
であって、柱11の側面と長押12の側面の双方に互い
に嵌合する切欠部13,14を設け、それら切欠部1
3,14どうしを嵌合させた状態で柱11と長押12と
を接合するようにしたものである。 【0008】図1(b)に示すように、柱11に形成さ
れている切欠部13はその内面が鉛直な主接合面13a
とその上下の水平面13bからなる単純な凹溝形状のも
のであり、同様に、長押12に形成されている切欠部1
4はその内面が鉛直な主接合面14aとその両側の鉛直
面14bからなる単純な凹溝形状のものであり、したが
ってそれら双方の切欠部13,14どうしを嵌合させる
と、図1(a)に示すように、柱11の切欠部13が長
押12の上下面に対して係合すると同時に、長押12の
切欠部14が柱11の両側面に対して係合するようにな
っている。 【0009】そして、本実施形態では、接合部における
剪断力の伝達を確保するためのシアーコッター15を双
方の主接合面13a,14a間に介装し、双方の切欠部
13,14を上記のように互いに嵌合させることで柱1
1と長押12とを相互に接合している。シアーコッター
15としては両面を目荒らしした金属板、特に耐久性を
考慮してステンレス板あるいはメッキ鋼板を採用するこ
とが好適であり、その両面を双方の主接合面13a,1
4aに対して食い込ませた状態でそれらの間に介装すれ
ば良い。 【0010】なお、図1では図示を省略しているが、本
実施形態においても図6に示した従来の接合構造の場合
と同様に、対の長押12どうしを引独鈷等を用いた木組
によって柱11を挟み込んで締め付ける状態で相互に連
結するものである。また、図1は双方の長押12間の若
干の隙間を確保した場合の例であるが、図6の場合と同
様に長押12どうしを密着させても勿論良い。 【0011】上記の接合構造では、柱11と長押12と
をシアーコッター15を介して接合するのみならず、柱
11と長押12の双方に形成した切欠部13,14を相
互に係合させた状態で接合することにより、柱11に対
して長押12が上下方向の相対回転を生じた場合には、
図1(a)に示すようにそのような相対回転に対する支
圧面となる鉛直面Aと水平面Bとが生じ、それら計4面
の支圧面での支圧圧縮応力による抵抗モーメントによっ
て長押12の柱11に対する相対回転が規制され、それ
により軸組の変形が拘束されて水平剛性が確保され、優
れた耐震性能が得られる。そして、本実施形態の構造
は、柱11および長押12の双方に単純な形状の切欠部
13,14を最小限度の大きさで設ければ良いので、図
6に示した伝統的な木組による接合構造に較べて遙かに
簡略であって構造力学的に合理的であるし、その加工や
施工も極めて単純で容易であり、したがって木造軸組に
よる木造建物を新築する際、あるいは既存の木造建物を
改修する際に採用して好適である。 【0012】なお、柱11および長押12の断面寸法や
それぞれの切欠部13,14の形状と寸法は、それらの
部材の許容応力度その他を考慮して適正な支圧面が形成
されるように適宜設計すれば良い。ただし、木造軸組の
本来的な特性である優れた変形性能と靱性を損なうこと
のないように、支圧面による抵抗モーメントよりも長押
12自体の曲げ耐力が十分に大きくなるように設定する
ことが好ましい。また、シアーコッター15の形式や寸
法、取付位置等も所望の剪断力伝達効果が得られるよう
に適宜設計すれば良い。 【0013】以下、本発明の他の実施形態を説明する。
なお、以下の実施形態ではいずれも対の長押12どうし
を楔20により連結している。 【0014】図2はシアーコッターとして多数の合釘2
1を用いてそれら合釘21の両端部を柱11と長押12
の双方に打ち込むようにしたもの、図3はシアーコッタ
ーとして和釘22を用いて長押12の外側から打ち込ん
で釘隠し23により隠すようにしたものであり、いずれ
も柱11と長押12との接合部におけるズレや面外への
開きが拘束されて急激な耐力の低下を伴うような破壊を
防止し得る補強効果が得られる。 【0015】図4は対の長押をそれぞれ左右の部材12
a,12bに分割しておいてそれらを柱11の位置で木
組による継手により接合するようにしたもの、図5は長
押12の端部への適用例を示すものであり、いずれも柱
11と長押12との相対回転が水平面Bにより規制され
ることで充分な接合部耐力を発揮し得るものである。な
お、図5に示すものではシアーコッターとして貫通ボル
ト24を用いており、これによっても上記各実施形態と
同様に充分な剪断力伝達効果と補強効果が得られる。 【0016】 【発明の効果】本発明は、柱と長押とをシアーコッター
を介して接合するとともに、柱の側面と長押の側面の双
方に互いに嵌合する切欠部を設け、それら切欠部どうし
を嵌合させることで支圧面となる鉛直面と水平面を確保
するものであるので、支圧面で生じる支圧圧縮応力によ
る抵抗モーメントによって長押と柱との相対回転が規制
され、それにより軸組の変形が拘束されて水平剛性が確
保されて優れた耐震性能が発揮されるものである。した
がって本発明は伝統的な木組による接合構造に較べて構
造力学的に合理的であるし、その加工や施工も極めて単
純で容易であり、木造軸組による木造建物を新築する
際、あるいは既存の木造建物を改修する際に採用して好
適である。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の柱と長押の接合構造の実施形態示す
図である。 【図2】 同、他の実施形態を示す図である。 【図3】 同、他の実施形態を示す図である。 【図4】 同、他の実施形態を示す図である。 【図5】 同、他の実施形態を示す図である。 【図6】 伝統的な木組による柱と長押との接続構造の
例を示す図である。 【符号の説明】 11 柱 12 長押 13 切欠部 13a 主接合面 13b 水平面 14 切欠部 14a 主接合面 14b 鉛直面 15 シアーコッター 21 合釘(シアーコッター) 22 和釘(シアーコッター) 24 貫通ボルト(シアーコッター) A 鉛直面(支圧面) B 水平面(支圧面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 浩史 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 Fターム(参考) 2E125 AA03 AA13 AB12 AC23 AG04 AG22 AG38 BB33 BB37 BD01 BE02 BE06 BE08 BF06 CA05 CA14 CA44 CA77 EA14 EA33

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 木造軸組を構成する角形断面の柱と同じ
    く角形断面の長押とを接合する構造であって、柱の側面
    と長押の側面の双方に互いに嵌合する切欠部を設け、そ
    れら切欠部どうしを嵌合させた状態で柱と長押とを接合
    することにより、その接合部に、柱に対する長押の上下
    方向の相対回転に対する支圧面となって支圧圧縮応力に
    よる抵抗モーメントにより相対回転を規制する鉛直面と
    水平面とを確保するとともに、柱と長押との間で剪断力
    を相互に伝達するシアーコッターを介装したことを特徴
    とする木造軸組における柱と長押の接合構造。
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