JP2003295230A - 電気泳動表示装置用表示液 - Google Patents

電気泳動表示装置用表示液

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JP2003295230A JP2002096688A JP2002096688A JP2003295230A JP 2003295230 A JP2003295230 A JP 2003295230A JP 2002096688 A JP2002096688 A JP 2002096688A JP 2002096688 A JP2002096688 A JP 2002096688A JP 2003295230 A JP2003295230 A JP 2003295230A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、凝集が起こりにくく、コントラスト
が良好で安定性のある電気泳動表示装置用表示液を提供
することを目的とする。 【解決手段】帯電微粒子と分散媒とを含んでなる電気泳
動表示装置用表示液において、前記帯電微粒子が、着色
剤および樹脂を加熱混練後粗粉砕してなる着色チップ
と、実質的に無色または白色のオニウム塩とをさらに粉
砕してなるものである電気泳動表示装置用表示液。微粒
子が、着色剤および樹脂を加熱混練してなる着色チップ
を乾式粉砕し、さらに非水系溶剤中で湿式粉砕してなる
ものである上記電気泳動表示装置用表示液。乾式粉砕
が、冷凍粉砕である上記電気泳動表示装置用表示液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気泳動表示装置
用表示液に関する。
【0002】
【従来の技術】電界の作用により可逆的に視認状態を変
化させうる表示媒体に用いられる表示素子としては、液
晶素子、エレクトロクロミック素子、電気泳動素子、磁
気泳動素子等が知られている。それらを用いた表示媒体
の多くは、一対の電極基板とその間に挿入された表示素
子からなり、該表示媒体には各電極に画像を表示するた
めの信号を印加する駆動回路が接続されている。
【0003】これらの表示媒体のうち、電気泳動表示素
子には、分散媒に対して染料を溶解させかつ顔料粒子を
非溶解状で分散させた電気泳動表示装置用表示液、また
は2種の顔料粒子を分散させた電気泳動表示装置用表示
液が用いられる。このような分散粒子と該分散粒子と異
なる色調に着色された分散媒とからなる電気泳動用表示
液をマイクロカプセル中に封入し、これらのマイクロカ
プセルを電極間に配装する構成の電気泳動表示装置が提
案され(特開公平1−86116号公報)、電気泳動表
示装置の構成方法としても簡便な手段が提案されるよう
になってきた。
【0004】このような電気泳動表示装置用表示液は、
染料を溶解して着色された分散媒中に一般に二酸化チタ
ンなどの高屈折率の無機顔料を分散させている。
【0005】また、上記表示液のコントラストを改善す
るために、染料溶液を用いないシステムが提案されてい
る。たとえば、高絶縁性低粘度の無色分散媒中に色調お
よび電気泳動性が互いに異なる少なくとも2種類の電気
泳動性粒子を分散した液を少なくとも一方が透明な2枚
の対向電極間にスペーサーを介して形成されるセル内に
封入した電気泳動表示素子が提案されている(特開昭6
2−269124号公報)。
【0006】また、高絶縁性低粘度の無色分散媒中に電
気泳動性が同一で色調および電気泳動速度が互いに異な
る少なくとも2種類の電気泳動性粒子を分散した液を少
なくとも一方が透明な2枚の対向電極間にスペーサーを
介して形成されるセル内に封入した電気泳動表示素子が
提案されている(特開昭63−50886号公報)。
【0007】また、前述の特開昭62−269124に
て提案されている電気泳動表示液と同一の分散媒をマイ
クロカプセル内に内包した例がWO98・03896号
に例示されているが、この場合も同様である。
【0008】一方、このような色調および電気泳動性
(帯電電荷)が互いに異なる2種類の電気泳動性粒子を
分散した液の粒子間の凝集を改善する手段として、立体
障害剤や電荷調整剤による立体的あるいは電気的反発効
果を用いることが提案されている(特表平8−5107
90号公報)。
【0009】また、樹脂と白色顔料からなる大きめの隠
蔽用白色粒子と表示用磁性着色粒子と溶媒からなる画像
表示用インク組成物が提案されている(特開平10−1
49117号公報)。
【0010】特開平11-119704号公報では、少なくとも1
種類の帯電粒子と、界面活性剤とを含んだ分散媒体によ
って構成されており、前記帯電粒子の少なくとも1種類
には、少なくとも第4級アンモニウム化合物が含有され
ていると記載されている。発明者自身が指摘しているよ
うにこの界面活性剤は絶縁性液体分散媒体の絶縁性を阻
害することから、系に含まれないことが望ましいことは
明白である。また、界面活性剤の性質上、電圧印加によ
り電離促進されて変質する、カプセルにした場合カプセ
ル壁に付着するなど弊害が大きい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術に記載され
た方法は、いずれもコントラストが充分でなかったり、
凝集を防ぐために使用している界面活性剤による弊害を
有していた。
【0012】本発明は、界面活性剤なしで凝集が起こり
にくく、コントラストが良好で安定性のある電気泳動表
示装置用表示液を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、帯電微粒子と
分散媒とを含んでなる電気泳動表示装置用表示液におい
て、前記帯電微粒子が、着色剤および樹脂を加熱混練後
粗粉砕してなる着色チップを、実質的に無色または白色
のオニウム塩とともにさらに粉砕してなるものである電
気泳動表示装置用表示液。
【0014】また、本発明は、微粒子が、着色剤および
樹脂を加熱混練してなる着色チップを乾式粉砕し、さら
に非水系溶剤中で湿式粉砕してなるものである上記電気
泳動表示装置用表示液。
【0015】また、本発明は、乾式粉砕が、冷凍粉砕で
ある上記電気泳動表示装置用表示液。
【0016】また、本発明は、帯電微粒子の粒子の最短
径と最長径との比が、1:1.1〜1:50の非球形微粒子で
あり、かつ帯電微粒子の平均粒子径が0.01〜50μmであ
る上記電気泳動表示装置用表示液。
【0017】また、本発明は、帯電微粒子が、反対電荷
を有しかつ色調の異なる2種類の微粒子である上記電気
泳動表示装置用表示液。
【0018】また、本発明は、微粒子と分散媒とを含ん
でなる電気泳動表示装置用表示液の製造方法において、
着色剤および樹脂を加熱混練してなる着色チップを、実
質的に無色または白色のオニウム塩とともに粉砕する工
程を含む電気泳動表示装置用表示液の製造方法。
【0019】また、本発明は、粉砕が、乾式粉砕する工
程と、非水系溶剤中で湿式粉砕する工程とを含む上記電
気泳動表示装置用表示液の製造方法。
【0020】また、本発明は、帯電微粒子が、反対電荷
を有しかつ色調の異なる2種類の微粒子である上記電気
泳動表示装置用表示液の製造方法。
【0021】また、本発明は、上記電気泳動表示装置用
表示液を含んでなるマイクロカプセルに関する。
【0022】また、本発明は、上記電気泳動表示装置用
表示液を含んでなる電気泳動表示装置に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に用いる帯電微粒子は、正
または負に帯電しており、着色剤を含むことにより各種
色に着色される。
【0024】本発明に用いる正帯電の電気泳動性微粒子
は、少なくとも樹脂と着色剤とオニウム塩を含む帯電剤
からなり、必要に応じて用いられる負帯電の電気泳動性
微粒子は、少なくとも樹脂と着色剤とからなる。また、
それらは電気絶縁性溶媒中に分散されて、電気泳動表示
装置用表示液となる。
【0025】本発明で用いられる正帯電または負帯電微
粒子の樹脂としては、スチレン系、スチレン−アクリル
系、スチレン−イソプレン系、ジビニルベンゼン系、メ
チルメタクリレート系、メタクリレート系、エチルメタ
クリレート系、エチルアクリレート系、n−ブチルアク
リレート系、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステル等のアクリル酸系、アクリロニトリル系、ア
クリルゴム−メタクリレート系、ポリエチレンーアクリ
ル酸共重合体、ポリエチレン−メタクリル酸共重合体、
ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンメタクリ
ル酸共重合体のNa塩,Zn塩,Ca塩、エチレンアク
リル酸共重合体のNa塩,Zn塩,Ca塩,Mg塩、エ
チレンエチルアクリレ−ト共重合体、エチレンマレイン
酸共重合体等のエチレン系、ナイロン系、シリコーン
系、ウレタン系、メラミン系、ベンゾグアナミン系、フ
ェノール系、フッソ(テトラクロロエチレン)系、塩化
ビニリデン系、4級ピリジニウム塩系、合成ゴム、セル
ロース、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシ
ウム、ポリ塩化ビニル樹脂、ニトロセルロース、アルキ
ッド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ポリア
ミド樹脂,エポキシ樹脂等があげられるが、これらのポ
リマー材料に限定されるものではない。また、本発明で
用いる上記の高分子微粒子は必要に応じて染料により染
色されているか、または顔料粒子を含有させることによ
り着色して用いることも可能である。単独または混合し
て使用する。
【0026】本発明で用いられる白色の着色剤として
は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、シリ
カ、珪酸カルシウム、アルミナ、硫化亜鉛、鉛白、亜鉛
華、リトポン、二酸化アンチモン、カオリン、雲母、硫
酸バリウム、グロスホワイト、タルクなどが使用可能で
ある。これらの着色剤の樹脂に対しての含有比率は、10
〜90重量%の範囲が良い。
【0027】本発明で用いられる白色以外の着色剤とし
ては、カドミウムイエロー、カドミウムリポトンイエロ
ー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、チタンバリウムイエ
ロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリポトンオレン
ジ、モリブデートオレンジ、ベンガラ、鉛丹、銀朱、カ
ドミウムレッド、カドミウムリポトンレッド、アンバ
ー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、クロムグリー
ン、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、コバ
ルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、紺青、
コバルトブルー、群青、セルリアンブルー、コバルトア
ルミニウムクロムブルー、コバルトバイオレット、ミネ
ラルバイオレット、カーボンブラック、鉄黒、マンガン
フェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅
クロムブラック、銅クロムマンガンブラック、チタンブ
ラック、アルミニウム粉、銅粉、鉛粉、鈴粉、亜鉛粉、
ニグロシン、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮
合アゾイエロー、アントラピリミジンイエロー、イソイ
ンドリンイエロー、銅アゾメチンイエロー、キノフタロ
インイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ニッケル
ジオキシムイエロー、モノアゾイエローレーキ、ジニト
ロアニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ペリノンオ
レンジ、ナフトールレッド、トルイジンレッド、パーマ
ネントカーミン、ブリリアントファストスカーレット、
ピラゾロンレッド、ローダミン6Gレーキ、パーマネン
トレッド、リソールレッド、ボンレーキレッド、レーキ
レッド、ブリリアントカーミン、ボルドー10B、ナフ
トールレッド、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッ
ド、ナフトールカーミン、ペリレンスカーレッド、縮合
アゾスカーレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、アン
トラキノニルレッド、ペリレンレッド、ペリレンマルー
ン、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレッ
ド、キナクリドンレッド、ジケトピロロピロールレッ
ド、ベンズイミダゾロンブラウン、フタロシアニングリ
ーン、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブル
ー、ファストスカイブルー、アルカリブルートーナー、
インダントロンブルー、ローダミンBレーキ、メチルバ
イオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、ナフト
ールバイオレット等が挙げられる。これらの顔料は単独
で、或いは混合して使用出来る。これらの着色剤の樹脂
に対しての含有比率は0.1〜60重量%が好ましい。
【0028】正帯電微粒子の帯電剤は、透明または白色
のオニウム化合物から選択される。オニウム化合物とし
ては第1級〜4級まで自由に選択可能で、アンモニウム化
合物、スルホニウム化合物、ホスホニウム化合物より選
ばれる。例として、窒素、硫黄あるいはリン原子に結合
している置換基は、アルキル基またはアリール基であ
る。塩としては、塩素に代表されるハロゲン系元素やヒ
ドロキシ基、カルボン酸基等がカウンターイオンとして
好適だがこれらに限定されるものでない。中でも第1〜3
級アミン塩や第4級アンモニウム塩が特に好ましい。
【0029】また、前記オニウム塩は、使用する電気絶
縁性溶媒に難溶または不溶性であることが好ましい。難
溶性または不溶性とは、常温で使用する絶縁性溶媒にオ
ニウム化合物を0.1重量%添加し、1時間の震蕩後沈殿物
が認められる状態をもの指す。
【0030】透明または白色とは、白粒子に著しい変色
効果が無いものを意味するものであり、たとえば若干黄
色味を帯びているものでも良い。
【0031】負帯電微粒子の帯電剤は、オニウム塩以外
の帯電剤を用い、たとえばステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸アルミニウム、ラ
ウリン酸バリウム、オレイン酸ソーダ、オクチル酸ジル
コニウム、ナフテン酸コバルト等の公知の金属石鹸や、
アジン化合物のサリチル酸系金属錯体およびフェノール
系縮合物が使用出来る。
【0032】本発明の帯電微粒子の最短径と最長径との
比は、1:1.1〜1:50の比率であることが好ましい。非球
形であるが故に、立体障害性が発現出来るのと表面積が
大きいことにより、その表面に存在する帯電剤の効果が
最大限に発揮出来るというメリットがある。より好まし
い比率は、1:1.5〜1:20の範囲である。
【0033】微粒子の平均粒子径は20μm以下が好まし
く、さらに良好な電気泳動性と分散安定性を得るには0.
1〜10μmの範囲がより好ましい。
【0034】また、本発明の電気泳動性微粒子において
は、着色剤を樹脂中に分散させるには公知の顔料誘導
体、アイオノマー、各種ワックスなどが良好な分散性を
示す。アイオノマーは、例えばエチレン−アクリル酸共
重合体を金属で中和したものであり、アライドシグナル
社からACLYNの商標名で市販されているものがあ
る。Ca塩,Mg塩,Na塩,Zn塩タイプがそれぞれ
あり、いずれも顔料分散の効果がある。酸価は、樹脂と
の親和性を考慮すると100mgKOH/g以下の範囲
が好ましく、より好ましくは60mgKOH/g以下で
あり、酸価を有しなくても良い。また重量平均分子量
は、500〜10000の範囲が好ましい。
【0035】本発明に於いて用いられる分散媒は、誘電
率が3.0以下で電気絶縁性(体積固有抵抗109 Ωc
m以上)の炭化水素系溶剤、好ましくは分岐鎖状脂肪族
炭化水素が用いられる。このような特性を有する無極性
溶媒としては、エクソン化学(株)製のアイソパー(商
品名)が最も一般的であり、更に詳しくはアイソパー
G,アイソパーH、アイソパーL等が最も好ましいが、
特にこれらに限定されるものではない。その他の溶剤と
しては、場合によってはごく微量添加するものも含め
て、例えばシェル社製シェルゾールA、AB(商品
名)、日本石油(株)製ナフテゾルL、M、H(商品
名)等が挙げられる。分散媒に対しての微粒子の重量比
率は、1〜50重量%の範囲が良い。
【0036】本発明における微粒子製造法の流れについ
ての一例を説明する。まず、混練により樹脂中に顔料を
充分分散させる。必要に応じて顔料分散剤を添加し混練
する。次いで粉砕を行う。粉砕工程は1回だけでもよい
し、2回以上であってもよい。また、いくつかの粉砕方
式を採用しても良い。例えば、乾式粉砕により予備粉砕
を行った後湿式粉砕を行うなどが挙げられる。この場
合、最後の湿式粉砕工程において分散媒と帯電剤を添加
し(帯電剤については正帯電は必須、負帯電は必要に応
じて添加)微粒子の機能化を行うことができる。機能化
とは、帯電性能の付与と非球形形状の発現を意味する。
特に粉砕方式は、非球状形状の発現には、好ましいとい
える。
【0037】本発明において於いて用いられる着色チッ
プは、樹脂と着色剤を、好適には、分散剤を配合し、ヘ
ンシェルミキサー、クーラーミキサー、ナウターミキサ
ー、ドラムミキサー、タンブラー等を用い混合した後
に、バンバリーミキサー、コニーダー、二本ロールミ
ル、三本ロールミル、一軸押出機、二軸押出機等により
着色剤と樹脂を加熱混練し、それを粗粉砕することで得
られる。
【0038】本発明に於いて用いられる低温凍結粉砕に
ついて説明する。一般に粒状の熱可塑性樹脂を常温で粉
砕するのは困難である。しかし樹脂及びターボミル等の
粉砕機を液体窒素で−196℃に冷却し、樹脂の低温脆
性を利用して粉砕することにより、500μm以下に微
粉砕することができる。また低温凍結粉砕後、分級機で
適度な粒径に分級し、粗大粒子を除去すれば、次工程の
湿式粉砕における粉砕効率が向上する。
【0039】以上の原材料を混合し、湿式粉砕機で粒径
が3μm以下になるまで粉砕する。本発明に於いて用い
られる湿式粉砕機としては、アトライター、サンドミ
ル、ダイノミル、ボールミル、スーパーアペックスミ
ル、スパイクミル、コボールミル、ダイヤモンドファイ
ンミル、DCPミル、OBミル等のメジア型湿式粉砕機、あ
るいはホモジナイザー、マイコロイダー、トリゴナル、
スラッシャー、コロイドミル、キャビトロン、ゴラトー
ル、ジーナス、クレアミックス等のメジアレス型湿式粉
砕機が挙げられる。
【0040】本発明の電気泳動表示装置用表示液をマイ
クロカプセル内に内包させた電気泳動表示装置用表示粒
子に用いられるマイクロカプセルは、in−situ
法、界面重合法、コアセルベーション法等により調製す
ることが可能であり、その際マイクロカプセルの壁材と
してはポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ポリウレタ
ン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムア
ルデヒド樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホ
ンアミド、ポリカーボネート、ポリスルフィネート、エ
ポキシリ、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、酢酸ビニル、ゼラチン等が挙げられる。更に、本発
明の電気泳動表示装置用表示粒子に用いられるマイクロ
カプセルの大きさは、0.5〜500μm程度であり、
好ましくは1.0〜100μm程度の大きさが良い。
【0041】このような表示液を用いた電気泳動表示装
置の一例としては、次のような形態が挙げられる。 (1)一対のガラス基板の透明部材の一方に所望のパタ
ーンで形成された透明電極を有するものを、スペーサー
を介して対向配置させて空間をつくり、その空間に本発
明の表示液を充填する。 (2)全面電極を施した基板に、多数のスペーサーを介
して絶縁フィルムを対向させ不連続の空間をつくり、そ
の空間に本発明の表示液を充填する。 (3)一対のガラス基板等の透明部材の一方に所望のパ
ターンで形成された透明電極を有するものを、スペーサ
ーを介して対向配置させて空間をつくり、その空間に本
発明の表示液を内包させたマイクロカプセルを充填す
る。なお、この例では空間の代りにバインダーが存在し
ていてもよい。 (4)全面電極を施した基板に多数のスペーサーを介し
て絶縁フィルムを対向させ不連続の空間をつくり、その
空間に本発明の表示液を内包させたマイクロカプセルを
充填する。なお、この例では空間の代りにバインダーが
存在していてもよい。 (5)全面電極を施した基板に、本発明の表示液を内包
させたマイクロカプセルをバインダーとともに塗布す
る。
【0042】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明する。例中、部とあるのは重量部を、%とあるの
は重量%をそれぞれ示す。
【0043】〔実施例1〕白色粒子液の調製:着色剤で
ある酸化チタン300部と樹脂であるN1110H(三井
デュポンポリケミカル社製 エチレン−メタクリル酸共
重合体)300部とを、二本ロールで加熱混練後1〜10
mm角に粗粉砕し、着色チップを得た。次いで、液体窒
素にて冷却しながらピンミルで粉砕し、150μmの目
開きのメッシュで分級すると、平均粒子径45μm(SA
−CP3L、島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定機)
でシャープな粒度分布をもつ粉砕物が得られた。この粉
砕物を下記の処方で混合しDCPミル(ドライスヴェルケ
社製)で湿式粉砕を行った。
【0044】上記粉砕物 120部 アイソパーL(エクソン
化学社製) 520部 ボントロン P-51(オリエント化学
工業社製 第4級アンモニウム塩) 10部を粉砕し平均
粒子径2.2μm(MS2000 シスメックス社製)の電気泳
動表示粒子母液を得た。分散時間は60分であった。この
液をアイソパーL(エクソン化学社製)で不揮発分4.0%
に調整し、電気泳動表示液Aを得た。この粒子は良好な
正帯電性を示した。
【0045】着色粒子液(黒)の調製:着色剤であるカ
ーボンブラック100部と樹脂であるN1110H(三井
デュポンポリケミカル社製 エチレン−メタクリル酸共
重合体)480部と顔料分散剤としてACLYN246
(エチレン-アクリル酸のNa塩)を、二本ロールで加熱
混練後1〜10mm角に粗粉砕し、着色チップを得た。
次いで、液体窒素にて冷却しながらピンミルで粉砕し、
150μmの目開きのメッシュで分級すると、平均粒子
径48μm(SA−CP3L、島津製作所製遠心沈降式粒
度分布測定機)でシャープな粒度分布をもつ粉砕物が得
られた。この粉砕物を下記の処方で混合しDCPミルで湿
式粉砕を行った。
【0046】DCPミルによる粉砕:上記粉砕物 120部 ア
イソパー L(エクソン化学社製) 520部 ボントロン E
-89(オリエント化学工業社製 フェノール系縮合物)
10部を粉砕し平均粒子径2.5μm(MS2000 シスメッ
クス社製)の電気泳動表示粒子母液を得た。分散時間は
60分であった。この液をアイソパーL(エクソン化学社
製)で不揮発分4.0%に調整し、電気泳動表示液Bを得
た。この粒子は良好な負帯電性を示した。
【0047】混合液の調製:上記の電気泳動表示液Aと
電気泳動表示液Bを等量混合し、電気泳動表示液Cを得
た。この液は粒子同士の凝集がほとんど発生しなかっ
た。
【0048】(実施例2)帯電助剤の添加時期をDCPミ
ルでの粉砕終了10分前にしたこと以外は、実施例1と同
じ条件で試作、評価した。DCPミルによる粉砕後の平均
粒子径は2.1μm(MS2000 シスメックス社製)であっ
た。
【0049】(実施例3)白色粒子液の調製において、
湿式粉砕時に添加する帯電助剤をボントロンP-51(オリ
エント化学工業社製 第4級アンモニウム塩)のかわり
にボントロンP-53(オリエント化学工業社製 第4級ア
ンモニウム塩)を使用したこと以外は、実施例1と同じ
条件で試作、評価した。DCPミルによる粉砕後の平均粒
子径は2.9μm(MS2000 シスメックス社製)であっ
た。
【0050】(実施例4)着色粒子液(黒)の調製にお
いて、湿式粉砕時に添加する帯電助剤をボントロンE-89
(オリエント化学工業社製 フェノール系縮合物)のか
わりにボントロンE-84(オリエント化学工業社製 サリ
チル酸系金属錯体)を使用したこと以外は、実施例1と
同じ条件で試作、評価した。DCPミルによる粉砕後の平
均粒子径は2.8μm(MS2000 シスメックス社製)であ
った。
【0051】(実施例5)着色粒子液の調製において、
カーボンブラックを使用して黒色粒子液を調製するかわ
りにLionol Blue FG7351(東洋インキ製造株式会社製)
を使用して青色粒子液を調製すること以外は、実施例1
と同じ条件で試作、評価した。DCPミルによる粉砕後の
平均粒子径は3.0μm(MS2000 シスメックス社製)で
あった。
【0052】(実施例6)着色粒子液の調製において、
カーボンブラックを使用して黒色粒子液を調製するかわ
りにLionol Yellow FG1310(東洋インキ製造株式会社
製)を使用して黄色粒子液を調製すること以外は、実施
例1と同じ条件で試作、評価した。DCPミルによる粉砕
後の平均粒子径は2.6μm(MS2000 シスメックス社
製)であった。
【0053】(実施例7)着色粒子液の調製において、
カーボンブラックを使用して黒色粒子液を調製するかわ
りにFiness Led F2B(東洋インキ製造株式会社製)を使
用して赤色粒子液を調製すること以外は、実施例1と同
じ条件で試作、評価した。DCPミルによる粉砕後の平均
粒子径は2.7μm(MS2000 シスメックス社製)であっ
た。
【0054】(実施例8)白色粒子と青色に着色された
分散媒とからなる電気泳動表示装置用表示液アイソパー
L(エクソン化学社製)10部に対して、油溶性染料のオ
イルブルー0.1部を溶解して着色した疎水性分散媒を用
意する。この疎水性分散媒に電気泳動性粒子として実施
例1と同じ条件で試作した白色粒子液10部を加え超音波
分散機を用いて10分間分散させて、疎水性分散相溶液
を作製、評価した。
【0055】(比較例1)電気泳動表示液A':スチレン
5部及びジビニルベンゼン5部をメタノール100部と混合
し、精密に秤量した開始剤2,2−アゾビスイソブチロ
ニトリル(AIBN)0.5部及び安定化剤ポリ(ビニル
ピロリドン)(PVP)2部の入った密閉容器中に導入
した。密閉した容器を数時間溶液中に窒素を気泡として
通すことにより窒素で追い出した。次に、1分当たり3
0回転で8時間60℃で混合物を回転させた。8時間回
転させた後、第二段階単量体、即ち、アクリルアミド
0.5部をその容器中に注入し、同じ反応条件で回転し続
けた。この二段階分散重合法で製造された最終生成物
は、第二段階単量体として表面にアクリルアミドがグラ
フトした高度に架橋したポリ(スチレン−co−ジビニ
ルベンゼン)粒子である。最終粒子は大きさが均一で、
使用した反応媒体により0.2〜2μmの範囲にあっ
た。最終粒子は良好な白色度を持つ誘電体であり、1g
/cm3に近い密度を有した。
【0056】暗色粒子を形成するため、前の方法により
製造された重合体粒子を分散媒体から遠心分離及び分散
媒体の傾瀉により分離した。次にそれらを混合し、2重
量%の四酸化オスミウム水溶液を入れて室温で攪拌反応
した。四酸化オスミウムはポリ(スチレン−co−ジビ
ニルベンゼン)粒子の残留二重結合と反応し、それを着
色し、それによって希望の黒色度を有する高度に架橋し
た重合体粒子を与え、それを黒色誘電体粒子として用い
た。重合工程の後、最終的重合体粒子生成物をエタノー
ルなどの分散媒体と誘電体媒体の両方に相互に可溶性の
溶媒と混合し、その混合物を遠心分離にかけて粒子と液
体とを分離し、上澄み液を傾瀉して濃縮した粒子を取り
出した。溶媒洗浄された粒子を、電荷調節剤を添加した
誘電体媒体中(テトラクロロエチレン)に再び分散さ
せ、電気泳動表示液A'を得た。好ましい表面活性剤は、
粒子帯電のための電荷調節剤として働くのみならず、凝
集を防ぐ立体的安定化剤としても働く官能性化重合体
(又はオリゴマー)化合物である。負に帯電させるため
に用いる表面活性剤は塩基性末端基を有するのが好まし
く、ポリイソブチレンスクシンイミドを用いた。
【0057】電気泳動表示液B':スチレン5部及びジビ
ニルベンゼン5部をメタノール100部と混合し、精密に秤
量した開始剤2,2−アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)0.5部及び安定化剤ポリ(アクリル酸)2部の
入った密閉容器中に導入した。密閉した容器を数時間溶
液中に窒素を気泡として通すことにより窒素で追い出し
た。次に、1分当たり30回転で8時間60℃で混合物
を回転させた。8時間回転させた後、第二段階単量体、
即ち、メタクリル酸をその容器中に注入し、更に同じ反
応条件で回転し続けた。この二段階分散重合法で製造さ
れた最終生成物は、第二段階単量体として表面にポリ
(メタクリル酸)が表面にグラフトしている。最終粒子
は大きさが均一で、使用した反応媒体により0.2〜2
μmの範囲にあった。最終粒子は良好な白色度を持つ誘
電体であり、1g/cm3に近い密度を有した。
【0058】重合工程の後、上記の方法で処理し、溶媒
洗浄された粒子を、電荷調節剤を添加した誘電体媒体中
(テトラクロロエチレン)に再び分散させ、電気泳動表
示液B'を得た。正に帯電させるために用いる表面活性剤
は酸性末端基を有するのが好ましく、ポリイソブチレン
コハク酸無水物を用いた。 混合液の調製:上記の電気泳動表示液A'と電気泳動表示
液B'を等量混合し、電気泳動表示液C'を得た。
【0059】(比較例2)着色粒子液の調製において、
湿式粉砕時にボントロンE-89(オリエント化学工業社製
フェノール系縮合物)を添加しないこと以外は、実施
例1と同じ条件で試作、評価した。DCPミルによる粉砕
後の平均粒子径は7.5μm(MS2000 シスメックス社
製)であった。
【0060】(比較例3)着色粒子液の調製において、
着色チップの冷凍粉砕を行う代わりに、着色チップ120
部に対しアイソパー L(エクソン化学社製)180 部を
攪拌加熱溶解し、その後冷却析出して、下記の処方で混
合しDCPミル(ドライスヴェルケ社製)で湿式粉砕を行
ったこと以外は、実施例1と同じ条件で試作、評価し
た。DCPミルによる粉砕:上記析出物 300部 アイソパ
ー L(エクソン化学社製) 340部 ボントロン E-89
(オリエント化学工業社製 フェノール系縮合物) 10
部DCPミルによる粉砕後の平均粒子径は6.8μm(MS2000
シスメックス社製)であった。
【0061】(比較例4)着色粒子液の調製において、
着色チップを作らずに、カーボンブラック顔料とN11
10H(三井デュポンポリケミカル社製 エチレン−メ
タクリル酸共重合体)とをホモディスパー(特殊機化
製)を用いて下記の処方で攪拌加熱溶解し、その後冷却
析出した。 ホモディスパーによる攪拌加熱溶解:カーボンブラック
顔料 24部 N1110H(三井デュポンポリケミカル
社製 エチレン−メタクリル酸共重合体) 128部アイソ
パー L(エクソン化学社製) 248部。 次いで、下記の処方で混合しDCPミル(ドライスヴェル
ケ社製)で湿式粉砕を行ったこと以外は、実施例1と同
じ条件で試作、評価した。DCPミルによる粉砕:上記
析出物 345部 アイソパー L(エクソン化学社製)295部
ボントロン E-89(オリエント化学工業社製 フェノー
ル系縮合物) 10部 DCPミルによる粉砕後の平均粒子径は7.2μm(MS2000
シスメックス社製)であった。
【0062】(比較例5)着色粒子液の調製において、
冷凍粉砕後の粉砕物の湿式粉砕を行うかわりに、以下の
処方でホモディスパー(特殊機化製)で攪拌混合したこ
と以外は、実施例1と同じ条件で試作、評価した。 ホモディスパーによる攪拌混合:粉砕物 120部 アイソ
パー L(エクソン化学社製) 520部 ボントロン E-89
(オリエント化学工業社製 フェノール系縮合物) 10
【0063】(比較例6)白色粒子と青色に着色された
分散媒とからなる電気泳動表示装置用表示液 アイソパーL(エクソン化学社製)150部に対して、油
溶性染料のオイルブルー1部を溶解して着色した疎水性
分散媒を用意する。この疎水性分散媒に電気泳動性粒子
として樹脂により疎水処理された二酸化チタン3部を加
え超音波分散機を用いて10分間分散させて、疎水性分散
相溶液を作製、評価した。
【0064】評価:対向する電極間に液を充填し+50
V又は−50Vの電圧を1秒間印加すると正極側には電気
泳動表示液Bの黒粒子が、負極側には電気泳動表示液Aの
白粒子がそれぞれ移動・付着する様子を目視により確認
した。結果を表1に示す。 コントラスト:反対電荷をもつ2粒子の混色による白さ
の低下を評価した。混色による白さの低下がなければ
○、△、低下の著しい×までとした。 凝集・電極面への付着: 視認側の白系色調と黒系色調
の交互変化する表示面積が変化しなければ○、減少する
ならば×とした。 安定性:電源をOFFにした後、分散粒子が沈降すること
なく表示が維持されていれば○、中間を△、沈降により
表示が不鮮明となれば×とした。
【0065】表1
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明により、界面活性剤なしで凝集が
起こりにくく、コントラストが良好で安定性のある電気
泳動表示装置用表示液を提供することができた。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯電微粒子と分散媒とを含んでなる電気泳
    動表示装置用表示液において、前記帯電微粒子が、着色
    剤および樹脂を加熱混練後粗粉砕してなる着色チップ
    を、実質的に無色または白色のオニウム塩とともにさら
    に粉砕してなるものである電気泳動表示装置用表示液。
  2. 【請求項2】微粒子が、着色剤および樹脂を加熱混練し
    てなる着色チップを乾式粉砕し、さらに非水系溶剤中で
    湿式粉砕してなるものである請求項1記載の電気泳動表
    示装置用表示液。
  3. 【請求項3】乾式粉砕が、冷凍粉砕である請求項2記載
    の電気泳動表示装置用表示液。
  4. 【請求項4】帯電微粒子の粒子の最短径と最長径との比
    が、1:1.1〜1:50の非球形微粒子であり、かつ帯電微
    粒子の平均粒子径が0.01〜50μmである請求項1〜3いず
    れか記載の電気泳動表示装置用表示液。
  5. 【請求項5】帯電微粒子が、反対電荷を有しかつ色調の
    異なる2種類の微粒子である請求項1〜4いずれか記載
    の電気泳動表示装置用表示液。
  6. 【請求項6】微粒子と分散媒とを含んでなる電気泳動表
    示装置用表示液の製造方法において、着色剤および樹脂
    を加熱混練してなる着色チップを、実質的に無色または
    白色のオニウム塩とともに粉砕する工程を含む電気泳動
    表示装置用表示液の製造方法。
  7. 【請求項7】粉砕が、乾式粉砕する工程と、非水系溶剤
    中で湿式粉砕する工程とを含む請求項6記載の電気泳動
    表示装置用表示液の製造方法。
  8. 【請求項8】帯電微粒子が、反対電荷を有しかつ色調の
    異なる2種類の微粒子である請求項6または7記載の電
    気泳動表示装置用表示液の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜5いずれか記載の電気泳動表示
    装置用表示液を内包してなるマイクロカプセル。
  10. 【請求項10】請求項1〜5いずれか記載の電気泳動表
    示装置用表示液を用いてなる電気泳動表示装置。
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