JP3442805B2 - 静電荷像現像用液体現像剤の製造方法 - Google Patents
静電荷像現像用液体現像剤の製造方法Info
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Description
用される静電荷像現像用液体現像剤の製造方法に関す
る。
刷などのプロセスに於いて静電潜像担持体上に形成され
た静電荷像を現像する方法には、液体現像剤を使う液体
現像法と粉体現像剤を使う乾式現像法が知られている。
液体現像法は、現像剤に有機溶剤を多量に使用するため
一般事務用には溶剤蒸気拡散等の問題から不適であり、
近年ではその取り扱い易さから乾式現像法が主流になっ
ている。しかしながら、乾式現像法は粉体現像剤(トナ
ー)粒子径が10μ程度とかなり粗大なために、高精細な
画像を得るという点で限界が生じてきている。一方、液
体現像法では現像剤粒子(以下トナーと呼ぶ)が粉体ト
ナーに比べて極めて微細であるために、近年の市場動向
である高画質化が可能であり、その長所が見直されてき
ている。
現像剤と呼ぶ)は、電気絶縁性の有機溶剤(キャリア液
体)中に着色微粉体を懸濁させたものであり、その粒子
径の小ささにより、乾式現像法に比較して細線再現性が
良く、なお且つハイコントラストの画像を得る事がで
き、またイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色
のトナーを用いたフルカラー現像においてもその特徴を
発揮し高解像度、高階調の画質を得られる。
下のような方法が一般に知られている。石油系炭化水素
のような高絶縁性(109 Ωcm以上)、低誘電率(3以
下)の液体中にカーボンブラック、フタロシアニン等の
着色剤と、それに吸着ないし被覆してトナー粒子の荷電
の調整や分散の促進、さらに現像後の画像の定着性の向
上に寄与するトナー粒子形成用樹脂、及びキャリア液体
に溶解もしくは膨潤しトナー粒子の分散安定性を増加さ
せる物質とトナー粒子の持つ荷電を強化安定化させる物
質を分散させて調製する。
1μ以下と極めて細かいために分散安定性が比較的良好
であるが、万一長時間放置等によってトナー固形分がキ
ャリア液体中で沈降してしまった場合は、強固に凝集し
てしまい使用できなくなってしまう。また、粒子径が極
めて小さいために比表面積が増大し、その結果親水性の
強い荷電強化安定剤、分散安定剤の添加量が増加し、得
られる画像は使用環境−特に湿度の影響を強く受けてし
まう。また更に、トナー粒子径が小さいためにトナーの
移動度が小さくなり現像の高速化が困難になり、トナー
付着量が小さいために被覆率不足から画像濃度が上がり
にくいという問題点もある。
は、例えば特公昭 55-3696号公報、特開昭 52-125333号
公報、特開昭 48-49445 号公報等に開示されているよう
な、顔料または染料と熱可塑性樹脂とを主成分とするト
ナーをキャリア液体中に分散する方法がある。また、類
似のものとして、特開昭61-36759号公報に記載されてい
るような、熱可塑性樹脂、着色剤に少量の非水溶媒を加
えてボールミル、高速攪拌機などの混練手段により混練
し濃縮トナーとし、さらにこれを非水溶媒中に分散機を
用いて分散する方法もある。しかしながら、このような
方法により得られるトナー粒子は、粒子径および各トナ
ー粒子間での着色剤の分散状態が不均一であり、またト
ナー粒子のキャリア液体中での分散安定性等の分散状態
にも問題がある。
平 4-13707号公報等には、特定樹脂を芳香族炭化水素溶
媒中で該樹脂の溶解温度を越える温度で溶解し、次に析
出温度以下に冷却して該樹脂を微粒子化し、次いで高電
気絶縁性液体により溶媒置換する液体現像剤の製造方法
が開示されている。この製造方法に於いては、前述した
ような各トナー粒子間の凝集・ケーキ化が発生せず、攪
拌、搬送、貯蔵性に優れたトナーが得られるという長所
がある。
微粒子を生成した後、液体現像法に適合させるために高
電気絶縁性液体に溶媒置換しなければならず製造工程が
極めて煩雑となり、また残存芳香族炭化水素溶媒量の僅
かな違いによって現像剤特性が変化し易いという、品質
管理上の問題点も大きい。また実際に製法をトレースし
てみたところ、明細書記載の範囲内の知見では粗粒子の
発生が著しいため、更に粗粒子の除去工程ないし解砕工
程を必要とするためこの発明のみからは十分な性能を有
する液体現像剤を得ることは困難である。また更に、着
色剤は予め該樹脂に分散させるかもしくは電気絶縁性液
体中に含有させると記載されているが、後者の場合は着
色力不足や連続印字による画像劣化の問題が発生する。
上記と類似の製法に関する記載がある。この方法では、
例えば分散と粉砕のための分散媒体を装備した混合また
はブレンド容器に、少なくとも1つの樹脂、分散用非極
性溶媒及び必要に応じて着色剤を入れる。着色剤は樹脂
と分散用非極性溶媒が均一になった後で加えてもよく、
また極性溶剤を必要に応じて加えてもよい。上記容器及
び内容物を加熱することによって樹脂を溶解させた後、
分散媒体を容器内で不規則に運動させながら容器内各成
分を十分に分散させる。分散完了後冷却する際には、ゲ
ルまたは固体の塊り発生を防止するために分散媒体で摩
砕しながら、良好なトナー粒子を生成する。
置時等の場合の各トナー粒子間の凝集・ケーキ化が発生
しないため攪拌、搬送、貯蔵性に優れたトナーが得ら
れ、また製造工程も着色剤の分散工程からトナー粒子生
成まで一貫して行えるという長所がある。しかしながら
実際に実施例をトレースしてみると、析出してくる樹脂
はゲル化ないし固体の塊りを発生する傾向が強く、その
結果、たとえ分散媒体で摩砕したとしても粗大粒子の発
生は抑え切れず、さらに粗大粒子除去工程がどうしても
必要となってしまう。また更に、この製造方法ではゲル
化ないし塊り発生を抑えるために必要に応じて極性溶剤
を添加するが、極性溶媒の使用は、液体現像剤としての
現像性を低下させるために好ましくない。
例えば特開昭 61-180248号公報に記載されている方法が
ある。これは、40℃以下では無極性溶媒に不溶性であ
り、50℃を超えると該無極性溶媒に溶媒和する性質を有
する熱可塑性樹脂を、一旦該無極性溶媒に溶媒和させた
後冷却することにより微細な熱可塑性樹脂微粒子を形成
し液体現像剤を製造する方法である。この製造方法には
以下の利点がある。
平均粒径が 0.1ないし5μあり、結果としてその表面に
複数のファイバーを形成する。このファイバーは以下の
効果をもたらす。 a.トナー粒子が液体現像剤としては比較的粗大であるた
め容易に沈降するが、ファイバーの存在によりトナー粒
子相互間で強固に凝集せず、軽い攪拌で容易に再分散す
る。 b.潜像現像時にトナー粒子相互間の拘束力により、細線
再現性に優れる。
するために、溶媒和しない樹脂単独のものに比べて、記
録媒体への定着性が著しく向上する。 3.極性溶媒を使用することなく、無極性溶媒中で全て
の製造工程が終了するために、品質の安定した液体現像
剤を得ることができる。 4.製造工程が樹脂微粒子の生成工程と、トナーに適す
る粒径になるまでファイバーを形成させながら摩砕・か
つ着色剤を含有させる工程に別れているために、特にフ
ルカラー現像剤を製造する際は製造工程の簡略化が可能
になる。
依然以下の問題点がある。 1.樹脂微粒子生成時に、主に凝集による粗大粒子を生
成し易く、これは上記ファイバー形成を兼ねた摩砕・着
色工程でも容易に解消しない。その結果摩砕・着色工程
で、非常に長時間を要し非効率的である。 2.得られるトナー粒度分布が非常にブロードであり、
その中の粗大粒子が画像の高精細性を阻害することがあ
る。
した均一粘性液体を冷却することにより微細な樹脂微粒
子を析出し液体現像剤を製造する方法に於いて、冷却時
の冷却速度(温度勾配)を制御して析出条件を特定する
ことによって、極めて粒度分布がシャープでかつ粗大粒
子のない液体現像剤を、経済的かつ安定して得られるこ
とを見出し、本発明に至った。この方法では、析出し始
めた樹脂微粒子は凝集を実質的に全く発生せず、粒子を
摩砕・微粒化するための剪断力を必要としない。
定温度以下では無極性溶媒に不溶性であり、所定温度を
超えると該無極性溶媒に溶媒和する性質を有する熱可塑
性樹脂を、一旦該無極性溶媒に溶媒和させた後冷却する
ことにより微細な熱可塑性樹脂微粒子を形成し液体現像
剤を製造する方法に於いて、加熱することにより該熱可
塑性樹脂が該無極性溶媒と溶媒和している状態から冷却
する際に該溶媒和した熱可塑性樹脂が微細な粒子として
析出し始める温度をT1℃とするとき、上記冷却時の無極
性溶媒温度T0が、 (T1−10) ℃<T0< (T1+5)℃の温度
範囲に於いて、冷却速度dT/dt を−15℃/時<dT/dt <
−0.2 ℃/時の範囲に制御する静電荷像現像用液体現像
剤の製造方法を提供する。
ず、前述の特公平 2-22946号公報、特公平 4-13707号公
報に記載の製造方法及び特開昭 61-180248号公報に記載
の製造方法について、相違点を考察してみる。前者に於
いては、特定構造の樹脂を芳香族炭化水素溶媒中で該樹
脂の溶解温度を越える温度で溶解するのに対し、後者に
於いては樹脂の構造については特に限定はせず、加熱す
ることにより無極性溶媒と溶媒和させると記載されてい
る。溶媒和とは、溶液中で溶質(ここでは樹脂)の分子
あるいはイオンがそれに隣接している溶媒分子のいくつ
かを特に引きつけ、一つの分子集団を作る現象をいう。
ア液体はトナー粒子への電荷付与及び電荷保持のし易さ
の問題などから、高絶縁性で誘電率が3程度以下の無極
性溶媒を使うことが必要である。しかしこのような無極
性溶媒は、通常、トナーに用いるような熱可塑性樹脂に
対する溶解性が極めて悪く、事実上たとえ加熱しても溶
解は困難である。このため、前者の製造方法に於いて
は、最初は熱可塑性樹脂に対する溶解性の良い芳香族炭
化水素溶媒で一旦溶解させた後に冷却固化させ樹脂を析
出し、次に無極性溶媒と溶媒置換するという煩雑な工程
をとっている。一方、後者に於いては樹脂と溶媒の溶媒
和という現象を利用しているために、溶媒置換工程を必
要としないことが大きな特徴となっている。また溶媒和
を形成することにより溶媒和前と樹脂の特性が大きく変
化し、特に加熱時の熔融温度が低下し、定着性が向上す
るという長所も併せて発生する。
に、樹脂が溶媒に対して溶解したのか溶媒和したのかを
厳密に区別することは、必ずしも容易ではない。一つの
平易な考え方としては、溶解の場合は樹脂と溶媒が一つ
の分子集団を作らないために、昇温時の溶解開始温度と
冷却時の析出開始温度が等しくなるが、溶媒和の場合は
等しくならないということがある。単に樹脂微粒子を形
成するという目的に関しては、前者も後者も同様な効果
があるが、本発明は粒度分布がシャープでかつ粗大粒子
のない液体現像剤を経済的かつ安定して得ることが目的
であるために、特開昭 61-180248号公報に記載されてい
るような、加熱することによって無極性溶媒に樹脂を溶
媒和させた後冷却して析出させる方法が望ましい。しか
しながら、溶媒和をより容易にさせることを目的に、液
体現像剤としての特性を損なうことのない範囲内に於い
て、ごく微量の他の有機溶媒を添加することは差支えな
い。
しての無極性溶媒は、誘電率が 3.0以下で電気絶縁性
(体積固有抵抗109 Ωcm以上)の炭化水素系溶剤であ
る。好ましくは分岐鎖状脂肪族炭化水素であり、溶媒和
させるために加熱する際の取り扱いの問題から、沸点が
150〜220 ℃の範囲にあることが望ましい。このような
特性を有する無極性溶媒としては、エクソン化学(株)
製のアイソパー(商品名)が最も一般的であり、更に詳
しくはアイソパーG、アイソパーH、アイソパーL等が
最も好ましいが、特にこれらに限定されるものではな
い。その他の溶剤としては、場合によってはごく微量添
加するものも含めて、例えばシェル社製シェルゾール
A、AB(商品名)、日本石油(株)製ナフテゾルL、
M、H(商品名)等が挙げられる。
しては、上記キャリア液体との加熱により溶媒和する性
質をもつものであれば特に限定されないが、例えばエチ
ル酢酸ビニル共重合体、エチレン系共重合体、アクリル
系共重合体(エチレンエチルアクリレート、エチレンビ
ニルアセテート、ポリブチルメタクリレート、ポリエチ
ルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等)等が
適している。上記熱可塑性樹脂は、所定温度以下では上
記無極性溶媒に不溶性である。ここでいう所定温度とは
通常の室温以上、溶媒和する温度以下程度であるが、溶
媒和する温度はそれぞれの熱可塑性樹脂により異なる。
溶媒和し始める温度としては、あまり高温であると無極
性溶媒の沸点に近くなるため、蒸気発生の問題等からも
取り扱い上好ましくない。よって、特に50〜100 ℃の範
囲であることが望ましい。
は、まず無極性溶媒と熱可塑性樹脂を常温で調合し、そ
の後加温しながら攪拌・混合することによって、熱可塑
性樹脂は無極性溶媒に溶媒和する。このとき、この混合
物は無色透明なやや粘性のある均一な液状物質である。
ここで注意すべきことは、この液状物質に於いて樹脂は
溶媒に溶解している訳ではないために、無色透明な均一
液状物質になった後の加熱条件、混合条件(時間と剪断
力)によって冷却後の樹脂微粒子の性状が大きく変化す
ることである。樹脂が溶解しているのであればこのよう
な差は生じないはずであり、この点からも本発明の製造
方法が前述の特公平 2-22946号公報、特公平 4-13707号
公報に記載の方法と異なることが理解できる。
し、その後加温しながら攪拌・混合する際の条件として
は、以下の点に留意する必要がある。 1.溶媒和する際の熱可塑性樹脂濃度:例えば30〜50%
の高濃度で溶媒和させる方が、それ以下の低い濃度で行
うより良好な場合がある。高濃度で溶媒和させた場合
は、必要に応じて加熱した無極性溶媒で希釈しその後冷
却するという工程になるが、その際の希釈後攪拌時間、
回転数も重要である。 2.攪拌スピード:攪拌羽根は高速回転する方が良好な
場合がある。 3.最高温度:加熱時の最高温度は、生成樹脂微粒子の
粒径の面からも経済性の面からもあまり高くしない方が
よい。 これらの条件は、具体的にはそれぞれの熱可塑性樹脂/
無極性溶媒の種類によって最適条件が変化するため、こ
こで一概には規定できない。ある程度実験によって経験
的に製造条件を決定する必要がある。
溶媒和している熱可塑性樹脂を冷却する。この際に、冷
却速度dT/dt を−15℃/時<dT/dt <−0.2 ℃/時、好
ましくは−5 ℃/時<dT/dt <−0.2 ℃/時の範囲に制
御する。dT/dt が−15℃/時より小さい(冷却速度が速
い)場合は、析出した樹脂微粒子間の凝集が激しくな
り、析出する各粒子毎の粒径も増大してくる。dT/dt が
−5 ℃/時より大きい(冷却速度が遅い)場合は、さら
に微細な粒子が製造できるため、摩砕・微粒化等の後工
程が不要になり好ましい。一方、−0.2 ℃/時より大き
い(冷却速度が遅い)場合は、速度を遅くすることによ
る粒子径と粗粒発生防止に関する新たな効果が生まれな
いことから、製造に要する時間が不必要に長くなり、主
に経済性の面から好ましくない。ここで、上記dT/dt の
測定方法であるが、一定時間毎に温度計を材料に直接入
れることにより測定した温度勾配の実測値である。ある
時刻ta での材料実測温度がTa °Cであり、それから
時間Δt後の時刻tb での材料実測温度がTb の時のdT
/dt は以下の式から計算する。 dT/dt =(Tb −Ta )/Δt
に溶媒和させた後冷却することにより微細な熱可塑性樹
脂微粒子を形成し液体現像剤を製造する方法に於いて
は、冷却時の冷却速度の制御が非常に重要である。しか
しながら、冷却速度dT/dt を全冷却工程中で、−15℃/
時<dT/dt <−0.2 ℃/時にして製造した場合には、冷
却時間がかなり長くなるために、単位時間当たりの現像
剤生産量が減少し、経済性がやや悪化する。そこで、冷
却工程全体に於いて冷却速度を一定にするのではなく、
全冷却工程中で最も樹脂微粒子形成に寄与する温度範囲
内、すなわち、溶媒和した熱可塑性樹脂が微細な粒子と
して析出し始める温度をT1℃とするとき、無極性溶媒温
度T0が (T1−10) ℃<T0< (T1+5)℃の温度範囲に於い
てのみ冷却速度を規定することによって、全体としての
冷却時間を短縮する。このことによって、より経済的に
現像剤を製造することが可能になる。
樹脂と無極性溶媒の種類により経験的に決定される。経
験的には出来るだけ冷却速度を遅くすることが好ましい
が、特に上記温度範囲で冷却速度を制御すれば、それ以
外の領域では事実上粒子形成には大きな影響ない。な
お、析出開始温度T1の観測に於いては、必ずしも明瞭に
測定できないことがある。そこで目安としては、均一で
透明な粘性液体であった溶媒和物を冷却していくことに
よって、ある温度以下では白い「マッシュポテト状」に
変化しその後体積が減少する。この「マッシュポテト
状」の状態は概ね2〜℃の間維持されるので、T1は「マ
ッシュポテト状」になった最初の温度であると規定す
る。
ては、冷却時に溶媒和物温度が全体的に均一になるよう
効果的に攪拌すること、及びその際に溶媒和物にかかる
剪断力をできるだけ小さくすることがある。攪拌が不十
分な場合は溶媒和物の中で温度分布が生じ、均一で微細
な樹脂粒子が生成せず、攪拌時の剪断力が大きい場合に
は析出した樹脂粒子の凝集が発生する等の問題から、同
様に良好な結果は得られない。剪断力のかけ過ぎの目安
としては、一定冷却速度で溶媒和物を冷却する際に、溶
媒和物の材料温度が剪断力過多による自己発熱で一定速
度で冷却しないことから判断できる。樹脂及び無極性溶
媒を混合し、溶媒和を形成したのち樹脂粒子を析出させ
る攪拌装置としては、通常の熱媒を用いて加熱・冷却可
能な各種攪拌機が使用でき、櫂型攪拌機、タービン型攪
拌機、プロペラ型攪拌機、螺旋型攪拌機、腕型攪拌機等
が例示できる。また攪拌翼は1個でも複数でも良く、特
に複数の攪拌翼それぞれが自転しながら公転する方式の
ものは、剪断力をかけ過ぎずに効率良く攪拌できるため
好ましい。
の樹脂微粒子に種々の操作を加えることによって現像剤
としなければならない。現像剤は静電荷像を可視化する
ことが目的であるため、着色する必要がある。例えば以
下の方法で着色する。生成した樹脂微粒子の懸濁液に
は、所望の色彩を付与するために着色剤粉末を添加す
る。この懸濁液をボールミル、サンドミル、湿式アトラ
イタ等の媒体攪拌ミルで1〜10数時間処理することによ
って、着色剤は樹脂微粒子に固定される。なお、この処
理は主に着色剤粉末を樹脂微粒子に固定することが主目
的であり、従来提案されてきた種々の方式のような摩砕
・粉砕効果は特に必要としない。実際には、生成した樹
脂微粒子の平均粒径は上記処理の後で若干減少するが、
これは主に軽度の凝集物を解砕する程度のものと思われ
る。なお、着色剤は予め熱可塑性樹脂に分散させたもの
を用いれば着色工程が不用になる。但し熱可塑性樹脂は
一旦完全に無極性溶媒に溶媒和するために、無極性溶媒
中でも分散安定性を有するものでなければならない。
や染料が使用でき、例えばハンザイエロー、ジスアゾイ
エロー、キノリンイエロー、パーマネントイエロー、ベ
ンジジンオレンジ、ベンガラ、ファーストレッド、リソ
ールレッド、パーマネントレッド、ウォッチャンレッド
カルシウム塩、ウォッチャンレッドマンガン塩、ピラゾ
ロンレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリ
アントカーミン3Bまたは6B、紺青、フタロシアニン
ブルー、ビクトリアブルー、ニグロシン、カーボンブラ
ック等の顔料、或いは染料を使用できる。
は、静電荷像の電荷パターンに従って選択的に現像する
ために電荷付与剤を必要とする。これによって液体現像
剤とすることができる。この電荷付与剤は、大別して2
つのタイプがある。一つはトナー粒子の表面をイオン化
或いはイオンの吸着を行い得る物質で被覆する方法であ
る。このタイプとして、アマニ油、大豆油等の油脂、ア
ルキド樹脂、ハロゲン化重合体、芳香族ポリカルボン
酸、酸性基含有水溶性染料、芳香族ポリアミンの酸化縮
合物等が用いられる。
粒子とイオンの授受を行い得るような物質を共存させる
ことであり、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケ
ル、2−エチルヘキサン酸コバルト等の金属石ケン類、
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、石油系スルホ
ン酸金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩等のスル
ホン酸金属塩類、レシチン、ポリビニルピロリドン樹
脂、ポリアミド樹脂、スルホン酸含有樹脂、ヒドロキシ
安息香酸誘導体等を使用することができる。
きる追加成分を、必要に応じて添加できる。
例中、部とあるのは重量部を、%とあるのは重量%を示
す。なお、画像評価は、不揮発分 1.5重量%に希釈した
現像液を用い、液体現像複写機(Savin870:セイビン社
製)にて得られた印字物で行った。
拌機(商品名:ダブルプラネタリーミキサーDP-5型、特
殊機化工業(株)製)に投入し、以下の条件で攪拌し
た。 1.昇温:材料が常温の状態で攪拌を開始した。これを
1時間で材料温度 115℃まで加温したところ、無色透明
でやや粘性のある溶媒和物となり、その後更に30分その
まま攪拌を続けた。なお、この時の回転数は付属の回転
数制御目盛で6に設定した。 2.加熱溶媒添加:これに 120℃に加熱したアイソパー
Lを1050g添加し、更に1時間攪拌を続けた。なお、こ
の時の回転数は付属の回転数制御目盛6であった。
ケットの熱媒を冷却することにより、材料の冷却を開始
した。なお、本実施例で用いた無極性溶媒と樹脂の組み
合わせでは析出開始温度は約70℃であるため、材料温度
75℃までは約−30℃/時で急冷した。材料温度75℃から
60℃の間は冷却速度を−4℃/時とした。材料温度が70
℃から66℃の間に「マッシュポテト状」となり、その後
65℃から61℃までは白色でやや粘性のある物質となっ
た。その後材料温度60℃以下では再び冷却速度を−30℃
/時とした。なお、材料温度59℃でやや粘性のある白色
のクリーム状物質となり、これはその後常温になるまで
変化しなかった。冷却操作は材料温度が40℃になった時
点をもって終了した。なお、以上の冷却に要した時間
は、約6時間であった。
子の粒度分布を、遠心沈降式粒度分布測定機(商品名:
SA-CP3L 型、島津製作所(株)製)にて測定したとこ
ろ、平均粒径 2.1μであり、5μ以上21%、8μ以上の
粒子を含まない極めて微細な樹脂微粒子が生成した。こ
の樹脂微粒子懸濁液を樹脂微粒子懸濁液Aとする。
処方で秤量した。 樹脂微粒子懸濁液A 612.0g 黄色顔料 34.2g (商品名:リオノールイエローFG1310、東洋インキ製造(株)製) ステアリン酸アルミニウム粉末 5.7g アイソパーL 841.5g これを、3/16インチステンレスビーズを用いた5リット
ルのアトライタで常温下3時間、240rpmで処理した。粒
度分布を測定したところ、平均粒径は 1.5μ、5μ以上
の粒子を含まない極めて微細な粒子で、しかも良好に着
色していた。上記着色した樹脂微粒子懸濁液を、アイソ
パーLで不揮発分 1.5%まで希釈し現像液とする。その
現像液1000部に対し 1.0部の割合でレシチンを添加し画
像試験を行ったところ、反射濃度(反射濃度計、マクベ
スRD-918使用) 1.0以上の地汚れのない、良好な画像が
得られた。
し、以下の条件で攪拌した。 1.昇温:材料が常温の状態で攪拌を開始した。これを
2時間で材料温度 130℃まで加温したところ、無色透明
でやや粘性のある溶媒和物となり、その後更に1時間そ
のまま攪拌を続けた。なお、この時の回転数は付属の回
転数制御目盛で6に設定した。 2.加熱溶媒添加:これに 130℃に加熱したアイソパー
Lを1500g添加し、更に1時間攪拌を続けた。なお、こ
の時の回転数は付属の回転数制御目盛6であった。 3.冷却:以下実施例1と同様に冷却し樹脂微粒子を析
出させた。以上の冷却に要した時間は、約7時間であっ
た。
子の粒度分布を、実施例1と同様に測定したところ、平
均粒径 0.9μであり、5μ以上の粒子を含まない極めて
微細な樹脂微粒子が生成した。この樹脂微粒子懸濁液を
樹脂微粒子懸濁液Bとする。次に、液体現像剤を調製す
るため、下記の処方で秤量した。 樹脂微粒子懸濁液B 856.5g 赤色顔料 38.9g (商品名:ファイネスレッドF2B、東洋インキ製造(株)製) 黄色顔料(商品名:シコファーストイエローD-1350、BASF社製) 1.9g ステアリン酸アルミニウム粉末 3.8g アイソパーL 598.8g
を測定したところ、平均粒径は 0.8μ、5μ以上の粒子
を含まない極めて微細な粒子で、良好に着色していた。
これを、実施例1と同様に調製して画像試験を行ったと
ころ、反射濃度 1.3以上の地汚れのない、良好な画像が
得られた。
に於ける材料温度75℃から60℃への冷却速度を、表1に
示すように変化させたところ、得られた樹脂微粒子の平
均粒径および粗大粒子(20メッシュ篩残留物%)は、表
1に示す通りであった。
速度を所定の範囲に制御することによって、粒度分布が
シャープでかつ粗大粒子のない液体現像剤を、経済的か
つ安定して得ることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 所定温度以下では無極性溶媒に不溶性で
あり、所定温度を越えると該無極性溶媒に溶媒和する性
質を有する熱可塑性樹脂を、一旦該無極性溶媒に溶媒和
させた後、冷却することにより、微細な熱可塑性樹脂微
粒子を形成し、液体現像剤を製造する方法に於いて、加
熱することにより該熱可塑性樹脂が該無極性溶媒と溶媒
和している状態から冷却する際に該溶媒和した熱可塑性
樹脂が微細な粒子として析出し始める温度をT1℃とする
とき、上記冷却時の無極性溶媒温度T0が、(T1−10)℃<
T0<(T1+5)℃の温度範囲に於いて、冷却速度dT/dtを以
下の範囲に制御することを特徴とする静電荷像現像用液
体現像剤の製造方法。 −15℃/時<dT/dt<−0.2℃/時 - 【請求項2】 該冷却速度は、−5℃/時〜−0.2℃
/時であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像
現像用液体現像剤の製造方法。 - 【請求項3】 該溶媒和した熱可塑性樹脂を、粉砕する
ことなく攪拌しつつ冷却することを特徴とする請求項1
または2に記載の静電荷像現像用液体現像剤の製造方
法。 - 【請求項4】 8μm以上の粒径の粒子が実質的に存在
しないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの
項に記載の静電荷像現像用液体現像剤の製造方法。 - 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂に着色剤を分散させる
工程を備えることを特徴とする請求項1〜4に記載の静
電荷像現像用着色液体現像剤の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかの項に記載の方
法により製造された液体現像剤に、着色剤を添加し、次
いで解砕することを特徴とする静電荷像現像用着色液体
現像剤の製造方法。 - 【請求項7】 解砕後の粒子の平均粒子径は、1.5μ
m以下であることを特徴とする請求項6に記載の静電荷
像現像用着色液体現像剤の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00023793A JP3442805B2 (ja) | 1993-01-05 | 1993-01-05 | 静電荷像現像用液体現像剤の製造方法 |
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JP00023793A JP3442805B2 (ja) | 1993-01-05 | 1993-01-05 | 静電荷像現像用液体現像剤の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06202384A JPH06202384A (ja) | 1994-07-22 |
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JP00023793A Expired - Lifetime JP3442805B2 (ja) | 1993-01-05 | 1993-01-05 | 静電荷像現像用液体現像剤の製造方法 |
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-
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- 1993-01-05 JP JP00023793A patent/JP3442805B2/ja not_active Expired - Lifetime
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